販売検定の種類と、接客や販売の副業・在宅の仕事への活かし方


この記事のポイント
- ✓販売検定として知られるリテールマーケティング(販売士)検定の1級から3級の違い
- ✓2027年度からの科目体系の変更
- ✓5年ごとの資格更新を公式の案内で整理しました
販売の仕事に役立つ資格を探して「販売検定」と調べてみると、リテールマーケティング(販売士)検定という名前が出てきて、販売士と販売検定が同じものなのか、何級から受ければよいのか、取ったあとに仕事でどう役立つのか、すぐには分かりにくいはずです。接客のアルバイトや副業をしている人、ネットショップの運営に関わりたい人にとっては、実際の仕事にどうつながるかも気になるところです。
結論から言うと、一般に販売検定と呼ばれているのは、日本商工会議所が実施するリテールマーケティング(販売士)検定で、3級は接客や売場づくりの基礎、2級は売場の管理、1級は経営の判断までを扱います。副業や在宅の仕事に生かすなら、3級で小売の仕組みと接客の基本を体系的に押さえ、ネットショップの運営や商品ページづくりなど、売る仕事に結びつけて使うのが現実的です。この記事では、検定の仕組みと各級の違い、受験の方法、2027年度からの変更、仕事への活かし方を順に整理します。
販売検定と呼ばれる検定の正体
販売検定とは、一般に、日本商工会議所が実施するリテールマーケティング(販売士)検定を指して使われる呼び名です。以前は販売士検定という名前で知られ、今も合格者は販売士と呼ばれます。
日本商工会議所は、この検定が役立つ人として、次のような人を挙げています。
- デパート、専門店、スーパーなど、大規模小売店の販売員や売場責任者、店長クラスの人
- 一般の小売店の経営者や従業員
- コスト管理を求められる管理者
- 製造業、サービス業、卸売業などの販売業務の担当者
- これから流通・小売業界で活躍したい人
小売店の現場で働く人だけでなく、メーカーや卸売業で販売に関わる人、これから販売の仕事を始めたい人まで、幅広い人を対象にしていることが分かります。
検定で学ぶのは、売り場での接客の言葉づかいだけではありません。小売業の種類や流通の仕組み、商品の仕入れと品ぞろえ、売場の運営、マーケティング、販売や経営の管理まで、ものを売る仕事の全体像を扱います。そのため、店頭で接客する仕事だけでなく、ネットショップの運営や、商品の企画、販売の促進を考える仕事にも生かせる知識になっています。
販売に関わる検定には、ほかにも業界ごとの民間の検定があります。業界の専門の検定を受ける場合は、主催する団体の公式の案内で、試験の内容と実施の方法を確かめてから選びます。
1級から3級の違い
リテールマーケティング(販売士)検定には、1級から3級までの3つの級があります。公式サイトでは、各級の水準を次のように説明しています。
| 級 | 身につける水準 | 目指す人材 |
|---|---|---|
| 3級 | マーケティングの基本的な考え方や、流通・小売業で必要な基礎知識と技能を理解している | 接客や売場づくりなど、販売担当として必要な知識と技術を身につけた人材 |
| 2級 | マーケティング、マーチャンダイジングをはじめとする流通・小売業における高度な専門知識を身につけている | 販売促進の企画・実行をリードし、店舗や売場を包括的にマネジメントする人材 |
| 1級 | 経営に関する極めて高度な知識を身につけ、商品計画から経営計画の立案や財務予測などの経営管理まで、適切な判断ができる | マーケティングの責任者やコンサルタントとして、戦略的に企業経営に関わる人材 |
マーチャンダイジングとは、売れる商品を、適切な量と価格で、適切な時期に仕入れて売り場に並べる一連の活動のことです。どの商品をどれだけ仕入れ、いくらで売り、どう並べるかを考えることが、小売の仕事の中心にあります。
公式サイトによると、2級は幹部や管理職への昇進の条件として活用している会社もあります。3級は、流通・小売業に限らず、消費者向けの商売の観点から社員教育に取り入れている卸売業や製造業もあるとされています。
初めて受ける人は、3級から始めるのが一般的です。受験の資格に制限はなく、どの級からでも受けられますが、3級で小売の基本の言葉と仕組みを押さえておくと、2級の学習が理解しやすくなります。
受験料と試験の方式
リテールマーケティング(販売士)検定は、現在、ネット試験の方式で実施されています。公式サイトでは、申し込みの方法について次のように案内しています。
以下の株式会社CBT-Solutionsのリテールマーケティング(販売士)検定試験 申込専用ページから、受験会場をお選びいただき、空いている日時で試験をご予約いただけます。 これまでの年2回の統一試験日での実施と異なり、随時にご受験が可能となります。 出典: kentei.ne.jp
試験会場のパソコンを使い、インターネットを介して試験を受ける形で、受験の日時は会場の空きに合わせて選べます。年に決まった日しか受けられない試験と違い、仕事や家庭の予定に合わせて受けられるのが利点です。申し込みの方法には、インターネットで申し込む方式と、試験会場に直接問い合わせる方式があります。
受験料と試験の概要は、次のとおりです。
| 級 | 受験料(税込) | 試験時間 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| 3級 | 4,400円 | 60分 | 平均70点以上で、1科目ごとの得点が50点以上 |
| 2級 | 6,600円 | 70分 | 平均70点以上で、1科目ごとの得点が50点以上 |
| 1級 | 8,800円 | 90分 | 各科目70点以上 |
3級の出題形式は、1科目あたり、正誤を選ぶ問題10問と、穴埋めの問題10問で、5科目合わせて100問です。試験の操作や解答の方法は、申し込みの専用ページにある体験版で、何度でも試せます。初めてパソコンで試験を受ける人は、体験版で操作に慣れておくと、当日に落ち着いて解けます。
受験料には、申し込みの際に事務手数料がかかる場合があります。申し込みの前に、専用ページで確かめます。
申し込みから受験当日までの流れ
ネット試験の方式で受ける場合の、申し込みから当日までの流れを整理します。
- 受ける級と時期を決める。科目の体系の変更の時期も合わせて確かめます。
- 申し込みの方式を選ぶ。インターネットの専用ページで会場と日時を予約するか、試験会場に直接問い合わせて申し込みます。
- 科目の免除を使う場合は、申し込みの時に所定の証書をマイページから提出します。
- 体験版で、パソコンでの解答の操作を確かめておきます。
- 当日は、会場の案内に沿って本人確認を受け、試験を受けます。
インターネットで申し込む場合は、会場ごとに空いている日時が表示されるので、自宅や職場から通いやすい会場を選びます。試験の日を変えたい場合や、領収書が必要な場合は、申し込み先に相談するよう案内されています。
当日に持っていくものや、本人確認の方法は、申し込みの手続きの中で案内されます。会場によって決まりが違うことがあるので、前日までに案内を読み直しておくと安心です。
ネット試験は、会場のパソコンの画面で問題を読み、選択肢を選んで答える形です。紙の試験と違い、問題に書き込んで考えることができないので、計算や整理が必要な問題に備えて、メモ用紙や筆記用具が使えるかどうかを、会場の案内で前もって確かめておきます。
試験の科目と、2027年度からの変更
現在の試験は、全級とも5科目で構成されています。3級の科目は、小売業の類型、マーチャンダイジング、ストアオペレーション、マーケティング、販売・経営管理の5つです。
ストアオペレーションとは、商品の受け入れや陳列、レジの運営、売場の清掃や安全の管理など、店舗を毎日動かすための作業のことです。
日本商工会議所は、2026年2月に、科目の体系を見直すことを公表しています。
全級(1級~3級)において、既存の5科目を以下の4科目に整理・再編。 出典: kentei.ne.jp
変更の主な中身は、次のとおりです。
| 現行の科目 | 変更後の科目 |
|---|---|
| 小売業の類型 | 流通概論 |
| マーケティング | マーケティング |
| マーチャンダイジング、ストアオペレーション | マーチャンダイジング |
| 販売・経営管理 | リテールマネジメント |
満点は500点から400点に変わり、1科目25問、4科目で総問題数100問のまま変わりません。試験の方式、試験時間、合格基準には変更がないとされています。デジタルへの対応や、人手不足と生産性の向上への対応など、小売・流通業の最新の動向を反映した出題にする、と説明されています。
新しい内容のハンドブック(公式テキスト)は、2026年度から2028年度までの3年間に、3級、2級、1級の順で1年ごとに発刊される予定です。新しい内容に沿った試験は、2027年度から2029年度までの3年間に、3級、2級、1級の順で実施される予定です。
これから3級を受ける人は、自分が受ける時期が、変更の前か後かを確かめてからテキストを選びます。変更の前の試験を受けるなら現行のハンドブック、変更の後なら新しいハンドブックで学ぶことになります。詳細は公式サイトで順次案内されるので、申し込みの前に最新の情報を確かめます。
科目の一部が免除される制度
3級と2級には、講習や講座を修了した人の科目の一部を免除する制度があります。3級では、日本商工会議所が開く養成講習会、指定の通信教育機関の養成通信教育講座、オンライン養成教育講座などを修了すると、販売・経営管理の科目が免除されます。
免除には有効期限があり、受講を修了した日が属する年度の翌年度末までとされています。たとえば、2026年9月に通信教育講座を修了した人は、2028年3月末までに受験すれば、販売・経営管理の科目が免除されます。
免除を使う場合は、試験の申し込みの時に、所定の証書をマイページから提出する必要があります。申し込みの後に提出することはできず、提出を忘れて免除が適用されなくても、受験料は返されないとされています。
科目の体系の変更に伴い、2級と3級の販売経営管理の免除は、リテールマネジメントの免除に名前が変わります。1級には、合格した科目を次の受験で免除する科目合格の制度があり、新しい体系への移行の時期には、旧試験の科目の合格の扱いに注意が必要とされています。
通信教育で学びながら受験を目指す人にとっては、学ぶ順番と受験の時期を合わせて計画できる制度です。講座の費用と、免除を受ける利点を比べて、使うかどうかを決めます。
合格後は5年ごとの資格の更新が必要
リテールマーケティング(販売士)検定に合格して販売士の資格を得たあとは、5年ごとの資格の更新が必要です。公式サイトでは、変化の激しい小売・流通業界に対応し、知識を新しくし続けるために、更新の制度を設けていると説明しています。
更新の手続きは、有効期限までに、資格更新通信教育講座などを受講して修了することで行います。手続きをしないまま有効期間が終わると、資格は失効します。ただし、有効期間が終わってから1年以内なら、遅延更新として資格の登録を続けることができるとされています。
2026年度の資格更新の申請の受付期間は、2026年10月から2027年3月までで、更新の対象者には、日本商工会議所から案内の文書が登録の住所に郵送されます。引っ越しなどで住所が変わった場合は、変更の手続きをしておかないと案内が届かないので注意します。
更新の講座では、テキストや動画で学び、確認のテストを受けます。小売の現場の変化に合わせて知識を見直す機会になるので、仕事で販売に関わり続ける人にとっては、学び直しのきっかけとしても使えます。
経歴書に販売士の資格を書くときは、資格が有効な状態かも確かめておきます。
3級の勉強の進め方
3級は、販売の仕事が初めての人でも、公式のハンドブックと問題で準備できる水準です。勉強の進め方の例を整理します。
- 公式のハンドブックを通読する。5科目の全体像をつかみ、知らない言葉に印をつけます。
- 言葉の意味を自分の言葉で説明できるようにする。マーチャンダイジング、ストアオペレーションなど、小売の専門の言葉を、身近な店の例に置き換えて理解します。
- 科目ごとに問題を解く。正誤と穴埋めの形式に慣れ、間違えた問題はハンドブックに戻って確かめます。
- 体験版で、パソコンでの解答の操作に慣れる。
- 時間を計って解く。60分で100問を解く速さに慣れます。
合格基準は平均70点以上ですが、1科目でも50点を下回ると不合格になります。得意な科目で点を稼ぐより、苦手な科目を作らないことが大切です。
日本商工会議所の公式サイトには、学習の方法や、サンプル問題、関連書籍の案内も掲載されています。独学で進める人は、まず公式の情報を確かめてから教材を選ぶと、遠回りをせずに済みます。
身近な店を観察することも、勉強の助けになります。スーパーやコンビニで、商品の並べ方、値札の付け方、売場の通路の作り方を見て、ハンドブックの内容と照らし合わせると、言葉が具体的な場面と結びつき、記憶に残りやすくなります。
1か月で3級の合格を目指す学習計画の例
仕事や家事と並行して3級を目指す場合、1か月ほどの学習計画を立てて取り組む人が多く見られます。必要な時間は、販売の経験の有無や、1日に取れる時間によって変わるので、あくまで目安として考えます。
| 時期 | 取り組むこと |
|---|---|
| 1週目 | ハンドブックを通読し、5科目の全体像をつかむ。知らない言葉を書き出す |
| 2週目 | 小売業の類型とマーチャンダイジングを中心に読み込み、問題を解く |
| 3週目 | ストアオペレーション、マーケティング、販売・経営管理を読み込み、問題を解く |
| 4週目 | 全科目の問題を時間を計って解き、苦手な科目を集中して見直す。体験版で操作に慣れる |
平日は通勤や休憩の時間に言葉の確認、週末にまとまった時間で問題演習、というように、時間の長さで内容を分けると続けやすくなります。
ネット試験は日時を選んで受けられるので、学習の進み具合を見て受験の日を決められます。ただし、受験の日を決めないまま勉強を始めると、先延ばしになりがちです。最初に目標の時期を決め、2〜3週目の進み具合を見て、予約の日を決めると、計画が崩れにくくなります。
1科目でも50点を下回ると不合格になるので、最後の週は、得意な科目より苦手な科目に時間を使います。
販売の数字の基本を押さえる
販売の仕事では、数字を読む力が欠かせません。検定でも、販売・経営管理の科目を中心に、売上や利益の考え方が出てきます。副業や在宅の仕事で販売に関わるときにも、基本の数字の意味を知っておくと、依頼する側と話がかみ合います。
押さえておきたい言葉は、次のとおりです。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 売上 | 商品を売って得たお金の合計 |
| 原価 | 商品を仕入れたり作ったりするのにかかったお金 |
| 粗利 | 売上から原価を引いた額。売上総利益とも呼ぶ |
| 粗利率 | 売上に対する粗利の割合 |
| 在庫 | まだ売れずに手元にある商品 |
| 客数と客単価 | 買ったお客様の数と、1人あたりの買い物の金額。売上は客数と客単価の掛け算で考えられる |
たとえば、売上を伸ばしたいと相談されたとき、客数を増やすのか、客単価を上げるのかで、打つ手が変わります。客数を増やすなら集客の工夫、客単価を上げるなら関連する商品のセットの提案や、まとめ買いの工夫、というように、数字を分けて考えると、何をすべきかが見えてきます。
在庫が多すぎると、売れ残りが値引きや廃棄につながり、少なすぎると売り逃しになります。ネットショップの運営の手伝いでも、在庫の数と売れ行きを見比べる場面はよくあります。
接客の言葉づかいと応対の基本
販売士の勉強では、接客の言葉づかいや応対の基本も扱います。店頭での接客だけでなく、電話やメール、ネットショップの問い合わせの返信にも通じる内容です。
接客の基本として押さえておきたいのは、次のような点です。
- お客様を迎える言葉、待たせたときの言葉、見送る言葉を、場面に合わせて使い分ける
- お客様の話を最後まで聞き、要望を確かめてから提案する
- 商品の説明は、特徴だけでなく、お客様にとっての利点に言い換えて伝える
- 分からないことは、推測で答えず、確かめてから答える
- 苦情を受けたときは、まずお客様の困りごとを受け止め、事実を確かめてから対応を伝える
ネットショップの問い合わせの返信では、顔が見えない分、言葉の選び方が印象を大きく左右します。返信の冒頭で問い合わせへのお礼を伝え、質問への答えを先に書き、補足の情報を後に書く、という順番にすると、読みやすく、誤解の少ない返信になります。
苦情への対応は、販売の仕事の中でもっとも気を使う場面です。自分の判断で返金や交換を約束せず、店や依頼する側の決まりに沿って対応します。業務委託で問い合わせの対応を受ける場合は、どこまでを自分が答え、どこからを依頼する側に回すかを、最初に決めておきます。
マルシェやイベントに自分で出店するとき
販売の知識を生かして、自分で作ったものや仕入れたものを、マルシェやイベントで売る人もいます。売場づくりや接客の知識が、そのまま生かせる場面です。
出店するときに考えておきたいのは、次のような点です。
- 売る商品と価格を決める。原価、出店料、交通費を合わせて、どのくらい売れれば赤字にならないかを計算します。
- 売場の配置を決める。お客様が足を止めやすいよう、目を引く商品を手前の目線の高さに並べ、値札を見やすくします。
- 声のかけ方を決める。押しつけにならないよう、商品の特徴を一言で伝える言葉を用意します。
- 支払いの方法を決める。現金だけか、キャッシュレスの決済も使うかを決め、釣り銭を用意します。
- 売れた数と、お客様の反応を記録する。次の出店の品ぞろえと数量を決める材料にします。
食品を売る場合や、中古の品を売る場合は、法律で決められた許可や届け出が必要になることがあります。食品は保健所、中古品の売買は警察署が窓口になります。扱う品や地域、売り方によって必要な手続きが変わるので、出店の前に所管の窓口で確かめます。主催者が出店の条件として許可の確認を求めることもあります。
2級に進むときの考え方
3級に合格したあと、2級に進むかどうかは、販売の仕事で何をしたいかで決めます。2級は、販売促進の企画や実行をリードし、店舗や売場を包括的にマネジメントする人材を目指す級です。
2級に進む価値が大きいのは、次のような人です。
- 店舗や売場の責任者を目指している人
- 販売促進の企画を任される立場にある人
- ネットショップの運営を、品ぞろえから売上の管理まで任されたい人
- 小売や流通の会社への転職を考えている人
副業として接客や売場の手伝いをする範囲なら、3級の知識で十分に役立つ場面が多くあります。一方、ネットショップの運営を丸ごと任される、販売の企画を提案する、といった立場で仕事を受けたいなら、2級の知識が提案の根拠になります。
2級の受験料は税込6,600円で、試験時間は70分です。科目の体系の変更は、2級は3級の翌年度から新しい内容の試験になる予定なので、受験の時期とテキストの版を合わせて確かめます。
接客と売場づくりの副業に活かす
販売士の知識は、接客や売場づくりの仕事で直接生かせます。副業として販売の仕事をする場合にも、知識があることで任される仕事の幅が広がります。
副業で関わりやすい販売の仕事には、次のようなものがあります。
- 週末や夕方の小売店やショッピングセンターでの販売のアルバイト
- イベントや催事の売場での販売の手伝い
- 試食や試飲を案内して商品を勧める販売の仕事
- 地域の朝市やマルシェでの出店の手伝い
こうした仕事では、3級で学ぶ接客の基本、商品の陳列、販売促進の考え方が役立ちます。たとえば、商品を目につきやすい高さに並べる、関連する商品を近くに置く、季節の行事に合わせて売場を変える、といった工夫は、売場づくりの基本として学ぶ内容です。
催事やマルシェでの販売では、限られた時間と場所で、お客様の目を引き、商品の良さを伝える工夫が求められます。売り場の配置や、値札の見せ方、声のかけ方を、学んだ知識をもとに組み立てられると、主催者や依頼する側から信頼されます。
会社員が副業として販売の仕事をする場合は、勤め先の就業規則で、副業が認められているかを確かめます。同じ業界での副業は、本業の会社の利益と重なると判断されることもあるので、副業先を選ぶときに考えておきます。
ネットショップの運営に活かす
販売士の知識は、店舗の売場だけでなく、ネットショップの運営にも生かせます。在宅で関わりやすい販売の仕事として、ネットショップの運営の手伝いがあります。
ネットショップの運営で、販売士の知識が役立つ場面は、次のとおりです。
| ネットショップの仕事 | 生かせる知識 |
|---|---|
| 商品の品ぞろえと在庫の管理 | マーチャンダイジング、仕入れと在庫の考え方 |
| 商品ページの作成 | 商品の特徴の伝え方、お客様の購買の心理 |
| 販売促進の企画 | 季節の行事に合わせた企画、値引きやセットの考え方 |
| 問い合わせの対応 | 接客の基本、言葉づかい |
| 売上の分析 | 売上や粗利の考え方、販売の管理 |
店舗の売場づくりの考え方は、ネットショップのトップページやカテゴリーの作り方にも通じます。お客様が探しやすい分類、目につく場所に表示すべき商品、関連する商品の見せ方などは、売場の陳列と同じ考え方で組み立てられます。
ネットショップの運営の手伝いは、業務委託で受けることが多く、在宅で作業できます。商品の登録、商品ページの文章づくり、写真の加工、問い合わせへの返信など、作業を切り出した依頼もあります。
商品ページの文章づくりに活かす
在宅の販売に関わる仕事の中でも、商品ページの文章づくりは、販売士の知識と文章の力を組み合わせて受けやすい仕事です。
商品ページの文章では、次の順番で情報を伝えると、お客様が判断しやすくなります。
- 誰の、どんな悩みや場面に合う商品か
- 商品の特徴と、その特徴がお客様にとってどう役立つか
- 大きさ、素材、使い方など、判断に必要な情報
- ほかの商品との違い
- 購入の前に確かめてほしい注意点
販売士の勉強で学ぶ、お客様が商品を買うまでの心理の流れは、この順番を考えるときに役立ちます。商品を知る、興味を持つ、欲しいと感じる、確かめる、買う、という流れに沿って情報を並べると、読み進めやすい文章になります。
商品ページの文章では、事実と異なる表現や、実際より良く見せる表現をしないことが大切です。性能や効果を大げさに書くと、お客様の期待と違う商品が届き、返品や苦情につながります。根拠のない「日本一」「最高品質」といった表現も避けます。
文章の仕事として受ける場合は、文字単価や記事の構成の考え方も身につけておくと、見積もりを出しやすくなります。自分の作った文章を見せる資料の作り方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】が参考になります。
販売士の資格を経歴に書くとき
販売士の資格は、販売のアルバイトや副業への応募、在宅の仕事の自己紹介で、経歴として書くことができます。
経歴書には、「リテールマーケティング(販売士)検定3級 合格(日本商工会議所)」のように、正式な名前と主催する団体、級を書きます。販売検定と略して書くと、どの検定かが伝わらないことがあります。
資格の名前に加えて、学んだ知識を何に生かしたかを書くと、評価につながります。
- 売場の陳列を見直し、目につきやすい配置にした
- 季節の行事に合わせた売場の企画を提案した
- ネットショップのカテゴリーの分け方を、お客様が探しやすい形に整えた
- 商品ページの文章を、購入までの流れに沿って書き直した
販売の経験が少ない人は、検定で学んだことを、身近な場面でどう使ったかを書きます。学んだ知識を自分で試した経験は、資格の名前だけより、相手に具体的な姿を伝えられます。
検定と合わせて身につけたい力
販売士の知識を仕事で生かすには、検定の勉強に加えて、身につけておきたい力があります。
1つ目は、数字を読む力です。売上、粗利、在庫の回転など、販売の仕事は数字で成果が見えます。表計算ソフトで売上を集計し、前の月や前の年と比べる操作ができると、ネットショップの運営や売場の改善の仕事で役立ちます。
2つ目は、文章で伝える力です。商品ページ、販売の企画書、売場の改善の報告など、販売の仕事でも文章を書く場面は多くあります。要点を先に書き、必要な情報を漏れなく並べる書き方は、在宅の仕事でとりわけ評価されます。
3つ目は、お客様の声を聞く力です。店頭でのやり取りや、ネットショップの問い合わせ、レビューから、お客様が何に満足し、何に困っているかを読み取る力は、品ぞろえや売場の改善の出発点になります。
検定の勉強は、こうした力を体系的に整理する土台になります。学んだ言葉と仕組みを、実際の仕事の場面に当てはめながら使うことで、知識が生きた力に変わっていきます。
在宅ワーク市場を長く見てきた立場から言えること
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年続けてきた運営者として見てきた限りでは、販売や接客の経験を在宅の仕事に広げていく人ほど、売場で身につけた「お客様の迷いを先回りして取り除く」感覚を、商品ページや問い合わせの返信に置き換えて生かしています。検定で学ぶ体系的な知識は、その感覚を言葉にして説明する助けになり、依頼する側に安心して任せてもらう根拠になります。
また、ネットショップの運営の手伝いや商品ページの文章づくりのように業務委託で受ける仕事では、仲介の手数料が間に入らない直接取引のほうが、依頼する側は同じ予算で頼みやすく、受ける側の手取りも厚くなります。手数料0%で直接取引できる場は、販売の経験を在宅の仕事に広げるときの選択肢の1つです。
販売の企画書や売場の改善の報告を分かりやすく書く力を伸ばしたい人は、ビジネス文書検定の内容も参考になります。販売士の知識と組み合わせることで、提案の説得力が上がります。
よくある質問
Q. 販売検定と販売士検定は同じものですか?
一般に販売検定と呼ばれているのは、日本商工会議所が実施するリテールマーケティング(販売士)検定です。以前は販売士検定という名前で知られ、合格者は今も販売士と呼ばれます。経歴書に書くときは、正式な名前と主催する団体、級を書くと、どの検定かが正しく伝わります。
Q. 販売士の3級はいつでも受験できますか?
現在はネット試験の方式で、試験会場のパソコンで受けます。申し込みの専用ページから会場を選び、空いている日時を予約して受験できるので、年に決まった日しか受けられない試験と違い、予定に合わせて受けられます。受験料は3級で税込4,400円です。
Q. 2027年度からの変更で何が変わりますか?
全級で5科目が4科目に整理され、満点が500点から400点に変わります。総問題数100問、試験の方式、試験時間、合格基準は変わらないとされています。新しい内容の試験は2027年度から3級、2級、1級の順で実施される予定なので、受ける時期に合ったテキストを選びます。
Q. 販売士の資格は在宅の仕事に活かせますか?
ネットショップの運営の手伝いや、商品ページの文章づくり、販売促進の企画など、在宅で受けやすい仕事に生かせます。品ぞろえや売場づくり、お客様の購買の心理の知識は、ネットショップのカテゴリーの作り方や商品ページの組み立てにも通じます。数字を読む力や文章の力と組み合わせると仕事の幅が広がります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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