リテールマーケティング(販売士)検定とは|級ごとの内容と勉強法


この記事のポイント
- ✓リテールマーケティング(販売士)検定の1級から3級までの内容を
- ✓日本商工会議所の公式の案内をもとに整理しました
- ✓2027年度から始まる科目体系の変更
リテールマーケティング(販売士)検定は、日本商工会議所が実施している、小売業と流通業の知識を問う検定試験です。接客や売場づくりの基本から、商品の計画や店舗の経営まで、級が上がるごとに扱う範囲が広がります。百貨店やスーパー、専門店で働く人が社員教育の一環として受けることが多く、これから販売の仕事に就きたい人が知識の証明として受けることもあります。この記事では、日本商工会議所の公式の案内をもとに、級ごとの内容と試験の仕組み、受験料、合格率、2027年度から始まる科目体系の変更、級ごとの勉強法までを順に説明します。
リテールマーケティング(販売士)検定とはどんな試験か
リテールマーケティング(販売士)検定は、小売業の仕事に必要な知識を、1級、2級、3級の3つの段階で問う試験です。リテールとは小売のことで、マーケティングは、お客様が求めるものを知り、売れる仕組みを作る活動のことを指します。合格すると「販売士」の資格が与えられます。検定の名前に「販売士」が付いているのは、以前は販売士検定試験という名前で行われていたためで、今も「販売士検定」と呼ばれることがよくあります。
誰に役立つ資格か
日本商工会議所は、この検定が役立つ人として、百貨店、専門店、スーパーなどの販売員と売場の責任者や店長、一般の小売店の経営者と従業員、コストの管理を求められる管理者、製造業やサービス業、卸売業の販売の担当者、そしてこれから流通や小売の業界で働きたい人を挙げています。お店で物を売る仕事だけでなく、メーカーや卸売の会社で小売店とやり取りする人にとっても、小売の現場の考え方を知るための資格として使われています。
身に付く力
公式の案内では、この検定で期待できる効果として、接客の基礎の知識、扱う商品の専門の知識、売場や店舗を管理する力、経済の動き全体から見た店舗の経営の考え方が身に付くことが挙げられています。級が上がるごとに、目の前のお客様への対応から、売場全体、店舗全体、会社の経営へと、見る範囲が広がっていく作りになっています。
級ごとの内容とレベル
3つの級は、それぞれ目指す人物像がはっきり分かれています。日本商工会議所の案内をもとに、級ごとのレベルを整理します。
3級:販売の担当として必要な基礎
3級は、マーケティングの基本的な考え方と、流通や小売業で必要な基礎の知識と技能を理解しているレベルです。接客や売場づくりなど、販売の担当者として必要な知識と技術を身に付けた人材を目指します。公式の案内では、流通や小売業に限らず、お客様に直接売る視点から、社員教育に取り入れている卸売業や製造業もあると紹介されています。販売の仕事を始めたばかりの人や、学生が最初に受ける級です。
2級:売場を任される人の専門知識
2級は、マーケティングやマーチャンダイジングをはじめとする、流通や小売業の高度な専門の知識を身に付けているレベルです。マーチャンダイジングとは、何を、いつ、どれだけ、いくらで売るかを計画し、売場で実行する活動のことです。販売促進の企画と実行をリードし、店舗や売場を包括的に管理する人材を目指します。公式の案内では、幹部や管理職への昇進の条件として活用している企業もあると紹介されています。
1級:経営に関わる高度な知識
1級は、経営に関する極めて高度な知識を身に付け、商品の計画からマーケティング、経営計画の立案や財務の予測など、経営の管理について適切な判断ができるレベルです。マーケティングの責任者やコンサルタントとして、戦略的に企業の経営に関わる人材を目指します。店長や本部の管理職、小売業の支援をする立場の人が目標にする級です。
どの級から受けるか
商工会議所の検定試験は、一部の上級の試験を除いて誰でも受験でき、下の級から順に受ける必要もありません。商工会議所の検定試験の問い合わせの案内のページでは、3級に合格していなくても、2級や1級を受けられると案内されています。
初めて学ぶなら3級から
一方で、同じページでは、初めて学ぶ場合は基礎の下の級から順に受けたほうが力を付ける近道になること、内容を体系的に身に付けたいなら下の級から受けることがすすめられています。販売士の5つの科目は、3級で学ぶ用語や考え方の上に、2級と1級の内容が積み上がる作りです。3級を飛ばして2級を受けると、ハンドブックの説明の前提になっている用語が分からず、かえって時間がかかることがあります。
経験者は2級から考えてもよい
すでに売場の責任者として働いていて、仕入れや販売促進の計画に関わっている人なら、2級から挑戦する方法もあります。その場合も、3級のハンドブックの目次を見て、知らない用語が多いと感じたら3級から始めるのが安全です。どちらにするか迷うときは、日本商工会議所が公開している2級のサンプル問題を解いてみて、半分以上が解けるかどうかを目安にします。
5つの科目ごとの勉強のポイント
科目ごとに、問われることと勉強のポイントを整理します。ここでは今の5科目で説明しますが、新しい科目体系でも、中身の多くは引き継がれます。
小売業の類型
小売業の種類ごとの特徴と、店舗の形の違いを問う科目です。百貨店、総合スーパー、食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、専門店、通信販売などの違いを、品ぞろえの幅と深さ、価格の付け方、立地、営業の時間といった観点で比べられるようにします。表を自分で作り、縦に業態、横に比べる観点を並べて埋めていくと、違いが整理しやすくなります。
マーチャンダイジング
商品の計画から仕入れ、価格の決め方、在庫の管理までを問う科目です。売上、粗利益、値入れ、在庫の回転といった数字の意味と計算の方法が出てきます。用語の定義を覚えるだけでなく、簡単な数字を使って実際に計算してみることで、問題文の数字が何を表しているのかが分かるようになります。
ストアオペレーション
店舗の日々の運営を問う科目です。開店の前の準備、商品の補充と陳列、売場の清掃、レジの業務、発注、閉店の作業など、現場の仕事の流れが中心になります。売場で働いている人は、自分の毎日の仕事と照らし合わせながら読むと、覚えやすい科目です。働いた経験がない人は、近所のお店で、商品がどのように並べられているかを観察しながら読むと理解が深まります。
マーケティング
お客様の分析、商圏の考え方、販売促進、売場の演出を問う科目です。商圏とは、お店にお客様が来る範囲のことです。チラシ、店頭の催し、ポイントの仕組みなど、販売促進の方法とその目的を結び付けて覚えます。インターネットを使った販売促進についても問われることがあるため、ネットショップやSNSを使った集客の基本も押さえておきます。
販売・経営管理
接客の基本、販売に関わる法律、店舗の経営の数字、従業員の管理を問う科目です。法律の分野では、消費者を守るための決まりや、表示に関する決まりが出てきます。経営の数字では、損益の計算の考え方が問われます。範囲が広いので、ほかの4科目を一通り学んでから取り組むと、それまでに覚えた用語がつながり、理解しやすくなります。
試験科目と合格の基準
現在の試験では、どの級も同じ5つの科目が出題されます。
- 小売業の類型:百貨店、スーパー、専門店、コンビニエンスストア、通信販売など、小売業の種類と特徴
- マーチャンダイジング:商品の計画、仕入れ、価格の決め方、在庫の管理
- ストアオペレーション:店舗の日々の運営、売場の作り方、陳列、レジや発注の業務
- マーケティング:お客様の分析、販売促進、売場の演出
- 販売・経営管理:接客、法律の基礎、経営の数字、人の管理
科目の名前は同じでも、級が上がるほど問われる内容は深くなります。3級では用語や基本の考え方を問われ、1級では経営の数字を使った判断まで問われます。
級ごとの試験時間と合格の基準
日本商工会議所の案内をもとに、級ごとの試験時間、合格の基準、出題の形式を整理します。
| 級 | 試験時間 | 合格の基準 | 1科目あたりの出題 |
|---|---|---|---|
| 3級 | 60分 | 平均70点以上、かつ1科目ごとに50点以上 | 択一式の正誤問題10問、択一式の穴埋め問題10問 |
| 2級 | 70分 | 平均70点以上、かつ1科目ごとに50点以上 | 択一式の正誤問題10問、択一式の穴埋め問題10問 |
| 1級 | 90分 | 各科目70点以上 | 記述式の穴埋め問題10問、択一式の穴埋め問題10問 |
どの級も5科目の合計で100問です。2級と3級は、平均点が70点以上でも、1つの科目が50点を下回ると不合格になります。得意な科目で点を稼ぐだけでなく、苦手な科目をなくすことが合格の条件になります。1級は、すべての科目で70点以上が必要で、記述式の問題では、空欄に当てはまる語句や短い文を自分で入力します。
1級の科目合格
1級には、不合格になっても70点以上を取った科目は「科目合格」として扱われる仕組みがあります。有効期限は、科目合格をした受験日の属する年度の翌年度の末までです。公式の案内の例では、2026年9月に受験してマーケティングの科目で70点以上を取った場合、2028年3月末まで科目合格が適用されます。科目合格を使って申し込むときは、合格済みの科目のスコアレポートの画像をマイページから登録する必要があります。
2級と3級の科目免除
2級と3級には、日本商工会議所が開く販売士養成講習会や、指定の通信教育機関の養成通信教育講座を修了した人が、販売・経営管理の科目を免除される仕組みがあります。3級では、全国商業高等学校協会が主催する商業経済検定試験の所定の科目に合格した人も、一部の科目が免除されます。免除を受けるときは、試験の申込のときに所定の証書をマイページから提出する必要があり、申込のあとに提出することはできません。免除される科目があっても、試験時間は5科目を受ける人と同じです。
受験料と申込の方法
受験料は、日本商工会議所の案内で次のとおり示されています。いずれも税込で、このほかに事務手数料として受験者1名あたり550円(税込)がかかります。
| 級 | 受験料(税込) |
|---|---|
| 3級 | 4,400円 |
| 2級 | 6,600円 |
| 1級 | 8,800円 |
随時受けられるネット試験
この検定は、2021年度からネット試験の方式で行われています。試験会場のパソコンを使い、インターネットを通じて試験を受けます。以前は年に2回の統一試験日がありましたが、今は試験会場が定める日時の中から、自分の都合に合わせて随時受けられます。
2つの申込の方法
申込の方法には、インターネット申込方式と、会場問い合わせ方式の2つがあります。インターネット申込方式では、株式会社CBT-Solutionsの申込専用ページから受験会場を選び、空いている日時で予約します。会場問い合わせ方式では、商工会議所検定のホームページにある商工会議所ネット試験施行機関の検索ページから試験会場を選び、その会場に直接申し込みます。試験日の変更や領収書の発行は、申し込んだ先に相談します。
本番の前に体験版で操作を確かめる
パソコンでの試験に慣れていない人は、本番の前に体験版で操作を確かめておくと安心です。公式の案内にも、次のように書かれています。
試験の操作方法や解答方法を確認していただくことを目的に、体験版(1級、2級、3級)を株式会社CBT-Solutionsの「リテールマーケティング(販売士)検定試験 申込専用ページ」にご用意いたしました。 出典: kentei.ne.jp
体験版は、申込専用ページの「CBT方式について」の下から何度でも使えます。画面の切り替え方や、見直しの印の付け方を事前に知っておくと、本番で操作に迷う時間を減らせます。
合格率から見た難しさ
日本商工会議所は、受験者数と合格率のデータを定期的に公表しています。2026年10月19日に公表された、2026年4月から9月までの実績は次のとおりです。
| 級 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 3級 | 3,324名 | 1,932名 | 58.1% |
| 2級 | 2,351名 | 1,268名 | 53.9% |
| 1級 | 456名 | 95名 | 20.8% |
3級と2級は半数以上が合格
3級と2級は、受けた人の半数以上が合格しています。ただし、合格率が高いからといって、勉強しなくても受かるわけではありません。受験者の多くは、会社の研修や学校の授業で準備をしたうえで受けています。1科目ごとに50点以上という条件があるため、苦手な科目を残したまま受けると、平均点が足りていても不合格になります。
1級は5人に1人
1級の合格率は20.8%で、およそ5人に1人の割合です。全科目で70点以上という条件と、記述式の問題があることが、難しさの理由です。科目合格の仕組みを使い、2回、3回と分けて全科目の合格を目指す人もいます。
合格率の数字の読み方
公表されている数字には、申し込んだ人の数を表す受験者数と、実際に試験を受けた人の数を表す実受験者数があり、合格率は実受験者数をもとに計算されています。2026年4月から9月の3級では、受験者数3,511名に対して実受験者数は3,324名でした。申し込んだのに受けなかった人が一定数いるということで、受験日を決めたら体調と予定を整えて、確実に受けることも大切です。過去の年度ごとのデータは、日本商工会議所の受験者・合格率等データのページで確かめられます。期間によって合格率は上下するので、1回分の数字だけで難しさを判断せず、複数の期間の数字を見比べると傾向がつかめます。
2027年度から始まる科目体系の変更
これから勉強を始める人が必ず知っておきたいのが、科目体系の変更です。日本商工会議所は、2026年2月3日に公表した科目体系の変更についてのお知らせで、デジタル化への対応や人手不足、生産性の向上など、小売や流通業の最新の動きを反映させるため、科目体系を見直すと発表しました。お知らせには、変更点をまとめた参考資料も付いているので、受験を考えている人は一度目を通しておくと、自分の受ける級がいつ切り替わるのかを確かめられます。
5科目から4科目へ
変更後は、どの級も今の5科目が4科目に整理されます。
- 小売業の類型は、流通概論に
- マーチャンダイジングとストアオペレーションは、合わせてマーチャンダイジングに
- マーケティングは、マーケティングのまま
- 販売・経営管理は、リテールマネジメントに
配点も変わり、今の500点満点(1科目20問、1問5点、5科目)から、400点満点(1科目25問、1問4点、4科目)になります。総問題数の100問、試験の方式、試験時間、合格の基準は変わりません。
3級から順に切り替わる
新しい科目体系に沿った新しいハンドブックは、2026年度から2028年度までの3年間に、3級、2級、1級の順で1年ごとに発刊される予定です。新しいハンドブックに沿った試験は、発刊のあとに周知と学習の期間を設けたうえで、2027年度から2029年度までの3年間に、3級、2級、1級の順で始まります。
受ける時期で使う教材が変わる
この変更で注意したいのは、受ける時期によって、使うべき教材が変わることです。3級を受ける人は、新しい試験が始まる時期をまたがないかを確かめ、自分が受ける試験に対応したハンドブックを選びます。1級の科目合格を使っている人は、移行の時期の扱いにとくに注意が必要です。公式の案内では、新しい科目のマーチャンダイジングの免除を受けるには、旧試験でマーチャンダイジングとストアオペレーションの両方の科目合格が必要で、どちらか1科目だけの合格では免除されないとされています。細かい日程は、日本商工会議所のホームページで順次知らされるので、受験の前に必ず確かめてください。
独学と講座のどちらで学ぶか
販売士は、公式のハンドブックを中心に独学で合格を目指す人が多い検定です。一方で、講座を使う方法もあり、2級と3級では、講座の修了で科目の免除を受けられる仕組みもあります。
独学に向いている人
3級のハンドブックについて、公式の案内には試験問題の90%以上が本書から出題されると書かれています。読む教材がはっきりしているため、自分で計画を立てて読み進められる人なら、独学で十分に合格を目指せます。費用は、受験料と事務手数料、ハンドブックの代金が中心です。
講座を考えたい人
1人では勉強が続かない人や、2級で計算の問題に不安がある人は、講座を使う方法があります。日本商工会議所の案内では、指定の通信教育機関として、一般社団法人日本販売士協会と一般社団法人公開経営指導協会が紹介され、養成通信教育講座の全課程とスクーリングを修了すると、販売・経営管理の科目が免除されるとされています。免除の有効期限は、受講を修了した日の属する年度の翌年度の末までなので、受験の時期と合わせて計画します。
無料で使える学びの材料
日本商工会議所の販売士のページには、級ごとの学習方法とサンプル問題、関連書籍の案内がまとめられています。また、公式の案内では、日本販売士協会がYouTubeのチャンネルで、販売士ハンドブックの学習内容を紹介する動画を公開していることも紹介されています。ハンドブックを読む前に動画で全体の流れをつかんでおくと、文字だけで読むより内容が頭に入りやすくなります。
級ごとの勉強法
勉強の中心になるのは、日本商工会議所が案内している公式のハンドブックです。3級のハンドブックについて、公式の案内には「3級試験問題の90%以上が本書から出題されます」と書かれています。
3級の勉強法
3級は、販売士ハンドブック(3級)の上下巻を中心に勉強します。公式の案内では、上下巻の2冊のセットで5科目が収められ、価格は5,500円(税込)とされています。今の3級のハンドブックは2024年7月に改訂された版で、2025年4月4日以降に行われる試験に対応しています。ただし、先に説明したとおり、新しい科目体系のハンドブックが2026年度に発刊される予定なので、買う前に自分の受ける試験に対応する版かを確かめます。
勉強の進め方は、まずハンドブックを1科目ずつ読み、科目ごとに問題を解いて理解を確かめます。正誤問題は、文の一部だけが誤っていることが多いので、どの言葉が誤りなのかを説明できるまで理解することが大切です。穴埋め問題は、用語とその意味をセットで覚えると解きやすくなります。働きながら勉強する人なら、1日1時間ほどの勉強を1か月から2か月続けるつもりで計画を立てると、無理なく進められます。
2級の勉強法
2級も、販売士ハンドブック(2級)が中心です。3級と同じ5科目ですが、内容がより専門的になり、計算を伴う問題も増えます。売上や利益、在庫の回転などの数字の意味を理解し、計算の式を自分で書けるようにしておきます。2級の勉強では、ハンドブックに出てくる考え方を、自分の働く売場に当てはめて考えると、理解が深まります。例えば、マーチャンダイジングの章を読んだら、自分の売場の商品の並べ方や仕入れの量が、どの考え方に沿っているかを確かめてみます。
1級の勉強法
1級は、記述式の穴埋め問題があるため、用語を正確に書けるようにする必要があります。選択肢から選ぶだけの勉強では、記述式の問題に対応できません。ハンドブックの重要な用語を、意味から用語を思い出して書く練習を重ねます。また、経営の数字を扱う問題も多いため、損益の計算や財務の指標の意味を、2級より深く理解しておく必要があります。科目合格の仕組みがあるので、1回の受験ですべてを狙うより、得意な科目から確実に合格していく計画を立てる人もいます。
サンプル問題と体験版を使う
日本商工会議所のホームページには、級ごとの学習方法とサンプル問題が掲載されています。勉強を始めたばかりの時期にサンプル問題を解いて、問題の形と難しさを知っておくと、ハンドブックを読むときにどこに注目すればよいかが分かります。試験の直前には、体験版で画面の操作を確かめ、本番と同じ時間で問題を解く練習をします。
勉強の時間を作るこつ
販売の仕事は、シフト制で勤務の時間が日によって違う人が多くいます。毎日同じ時間に勉強するのが難しい場合は、「出勤の前に10ページ」「休憩時間に用語を10個」のように、勤務に合わせた小さな単位で勉強の予定を決めます。ネット試験は随時受けられるので、繁忙期を避けて受験日を選べるのも、働きながら受ける人にとっての利点です。年末や大型の連休の前後のように売場が忙しくなる時期は、勉強の時間も取りにくくなります。受験日は、繁忙期が終わって落ち着いた時期の少し後に設定すると、直前の仕上げの時間を確保しやすくなります。同じ職場の仲間と一緒に受けるなら、互いに問題を出し合う時間を作ると、用語の覚え漏れに気づけます。
3級を2か月で目指す学習計画の例
ここでは、働きながら平日に1日1時間、休日に2時間ほど勉強できる人を想定した、3級の学習計画の例を示します。必要な時間は人によって違うので、進み具合を見て調整してください。
1週目から4週目:5科目を一通り読む
最初の4週間で、ハンドブックの5科目を一通り読みます。1週に1科目から2科目のペースで進め、各章を読み終えたら、章の終わりの問題やサンプル問題で理解を確かめます。この段階では、細かい用語を完璧に覚えるより、全体の流れをつかむことを優先します。
5週目から7週目:苦手な科目をなくす
次の3週間は、問題を解きながら、間違えたところをハンドブックで確かめる作業を繰り返します。2級と3級は1科目でも50点を下回ると不合格になるため、科目ごとの正答率を記録し、いちばん低い科目に時間を多く使います。
8週目:本番の形で仕上げる
最後の1週は、体験版で画面の操作を確かめ、60分で100問を解く練習をします。1問にかけられる時間は平均で36秒ほどです。迷う問題に時間をかけすぎず、印を付けて先に進み、最後に見直す順番を体で覚えておきます。受験日は、この計画の終わりに合わせて、早めに予約しておきます。
資格の更新を忘れない
販売士の資格には、5年ごとの更新の制度があります。日本商工会議所は、変化の激しい小売と流通の業界に対応し、知識を磨き直してもらうために、この制度を設けていると説明しています。
更新の手続き
資格を続けるには、有効期限までに資格更新通信教育講座などの受講と修了による更新の手続きが必要です。手続きをしないまま有効期間が終わると、資格は失効します。有効期限までに手続きができなかった人でも、有効期間の終了から1年以内であれば、「遅延更新」として資格の登録を続けられます。1年を過ぎると、遅延更新もできなくなります。
2026年度の受付
公式の案内によると、2026年度の資格更新の申請の受付期間は、2026年10月から2027年3月までです。更新の対象になる人には、日本商工会議所から、登録している自宅あてに案内の文書が郵送されます。引っ越しをしたときは、住所の変更の手続きをしておかないと、案内が届かないことがあるので注意します。
資格をどう仕事に生かすか
販売士の資格は、小売業の中での昇進や、販売の仕事への就職のときに、知識を持っていることを示す材料になります。
社内での評価に
2級は、幹部や管理職への昇進の条件として活用している企業もあると、公式の案内で紹介されています。勤めている会社に資格の手当や昇進の条件があるかを、人事の担当者に確かめてみてください。会社によっては、受験料の補助や、研修として受験をすすめる制度を設けていることもあります。
就職や転職で
小売の業界に就職したい学生や、別の業界から販売の仕事に移りたい人にとっては、3級は、販売の基礎を理解していることを示す材料になります。日本商工会議所は、エントリーシートの記入例や、入試で優遇される大学の一覧もホームページで公表しています。
相性のよい学び
販売士と一緒に学ぶと役立つのが、会計と文書の知識です。2級以上では経営の数字を扱うため、帳簿や損益の考え方を学んでおくと、マーチャンダイジングや販売・経営管理の理解が早くなります。売場の案内や販促の文章、社内の報告書を書く場面が多い人は、文書の書き方を体系的に学ぶと、学んだ知識を周りに伝える力が伸びます。
販売の知識を在宅の仕事に
販売士で学ぶお客様の分析や販売促進の考え方は、店舗だけでなく、ネットショップの運営や、商品の紹介の文章を書く仕事にも生かせます。インターネットでの集客や広告の仕事については、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、仕事の内容と求められる知識が紹介されています。販促の文章や売場の案内を書く力を伸ばしたい人は、文書の書き方を問うビジネス文書検定と組み合わせて学ぶのも1つの方法です。
資格を仕事につなげている人に共通すること
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、販売や流通の知識を仕事につなげている人は、資格で学んだ言葉を、自分の売場の数字で説明できる人です。「客単価」「在庫の回転」といった言葉を知っているだけでなく、「この棚の並べ方を変えたら、この商品の売上がどう動いたか」を自分の言葉で語れる人ほど、店舗の運営の支援やネットショップの改善の仕事で頼りにされています。
また、仲介の手数料が間に入らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くの改善を頼め、受ける側の手取りも厚くなります。手数料0%で直接取引できる場なら、販売の経験を生かした仕事を、自分の得意な分野で受けやすくなります。業務の効率化や改善の支援に関心がある人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、小売の知識を生かせる仕事の広がりも確かめておくとよいでしょう。リテールマーケティング(販売士)検定は、随時受けられるネット試験です。科目体系の変更の時期を確かめたうえで、まずは3級のハンドブックとサンプル問題から始めてみてください。
よくある質問
Q. リテールマーケティング(販売士)検定は何級から受けられますか?
商工会議所の案内では、一部の上級の試験を除いて誰でも受験でき、下の級から順に受ける必要もないとされています。ただし、3級は販売の基礎、2級は売場の管理、1級は経営の判断と、級ごとに求められる知識の深さが大きく違います。販売の仕事を始めたばかりの人や学生は3級から、売場を任されている人は2級から始めるのが一般的です。自分の仕事の立場に合わせて選んでください。
Q. 販売士の試験はいつ受けられますか?
2021年度からネット試験の方式になり、以前のような年2回の統一試験日はなく、試験会場が定める日時の中から都合に合わせて随時受けられます。申込は、CBT-Solutionsの申込専用ページで会場と日時を予約するか、商工会議所ネット試験施行機関の検索ページで会場を選び、直接申し込みます。
Q. 2027年度からの科目の変更で、今の教材は使えなくなりますか?
新しい科目体系の試験は、2027年度から2029年度にかけて、3級、2級、1級の順に始まる予定です。今の教材は今の試験に対応しているため、自分が受ける時期の試験に合った版を選ぶ必要があります。受験の前に日本商工会議所のホームページで、各級の新しい試験の開始時期と対応するハンドブックを確かめてください。
Q. 販売士の資格は一度取れば一生使えますか?
5年ごとの更新の制度があり、有効期限までに資格更新通信教育講座などを受講して修了する必要があります。手続きをしないまま有効期間が終わると資格は失効しますが、終了から1年以内なら遅延更新として登録を続けられます。更新の案内は登録している住所に郵送されるため、引っ越しのときは住所の変更の手続きをしておきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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