LINEで誘われる副業詐欺の見分け方|巻き込まれたときの動き方


この記事のポイント
- ✓ライン副業詐欺の見分け方を
- ✓特定商取引法の条文と公的な窓口の情報から整理します
- ✓登録料を求められたときの意味
まず、落ち着いて読んでください。ライン副業詐欺という言葉でここにたどり着いた方の多くは、すでに友だち追加をしてしまっているか、案内の文面を見て手が止まっているかのどちらかです。どちらの段階でも、まだ打てる手は残っています。この記事では、届いた話が法律上どういう取引に当たるのかを条文から確かめ、最初の10分で見分けるための手がかり、支払ってしまったあとの動き方、相談できる公的な窓口までを順番に整理します。判断のよりどころは推測ではなく、条文と公式の案内に限りました。
LINEから届く副業の話が急に増えた背景
在宅で働く人が増えたことと、連絡手段がメッセージアプリに集まったことが、同じ時期に重なりました。かつての内職の勧誘はチラシや新聞広告が入口でしたが、いまは友だち追加のボタンひとつで会話が始まります。勧誘する側にとっては、印刷費も郵送費もかからず、断られてもアカウントを作り直せば続けられる形です。この費用の低さが、質の悪い勧誘を大量に流す土台になっています。
もうひとつの背景は、正規の在宅の仕事でも連絡にメッセージアプリを使う場面が実際にあることです。納品のやり取りや進行の確認をアプリで行う依頼主は珍しくありません。つまり「アプリで連絡が来た」という一点では、まともな仕事と危ない話を切り分けられません。切り分けるには、連絡の手段ではなく取引の中身を見る必要があります。
厚生労働省は、雇われずに自宅で仕事を請ける働き方を自営型テレワークと呼び、注文者との間で結ぶ契約の内容や、仲介する事業者が守るべき事項を自営型テレワークの適正な実施のためのガイドラインとして示しています。ここに書かれている「業務内容と報酬額を文書で明らかにする」という当たり前の手順を踏まない相手は、まともな依頼主ではないと判断してよい、という基準が国の側に用意されているわけです。この基準を頭に入れておくと、目の前の会話が基準からどれだけ外れているかを測れます。
在宅の仕事そのものの需要は伸びています。データを扱う仕事、文章を作る仕事、業務の見直しを手伝う仕事はいずれも依頼が続いており、たとえばAIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、社内の業務にどう組み込むかを一緒に考える役割は依頼が増えている分野です。需要があること自体は事実で、だからこそ、その事実を借りて信用させようとする勧誘も増えました。
法律が「業務提供誘引販売取引」と呼ぶ形
届いた話の多くは、法律の上で名前が付いています。特定商取引法の第51条は、商品や役務を利用する業務に従事すれば利益が得られるという誘い方をして、その相手に負担を伴う契約をさせる形を業務提供誘引販売取引と定義しています。かみくだくと、「この道具や講座を買えば、それを使う仕事を紹介するので稼げます」という組み立てのことです。仕事の紹介を約束しながら、先に何かを買わせる。この順番が入ったら、それは法律が名前を付けて規制している取引だと考えてよいでしょう。
見落としやすいのは「特定負担」の広さです。条文は、支払わせる名目を限定していません。
この章において「取引料」とは、取引料、登録料、保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。 出典: laws.e-gov.go.jp
「口座の登録料」「システムの利用料」「保証金」「手数料の立て替え」といった呼び方はすべてここに入ります。名前を変えれば規制から逃げられる、という抜け道はふさがれているわけです。
この枠に入る取引には、事業者の側に義務が生まれます。第55条は、契約を結ぶ前にその業務の概要を記載した書面を渡すこと、契約を結んだあとは遅滞なく契約の内容を明らかにする書面を渡すことを求めています。書面に書くべき項目も条文に並んでいて、商品や役務の種類と内容、業務を紹介する条件、負担する金額、そして契約の解除に関する事項が含まれます。
裏返すと、判断の手がかりになります。書面を一切渡さず、アプリの会話だけで支払いまで進めようとする相手は、この義務を果たしていません。義務を果たしていない事業者が、その先の約束を守るとは考えにくいでしょう。制度の説明は消費者庁の特定商取引法のページにまとまっており、疑わしいと感じた時点で当てはめられます。
最初の10分で見分けるための手がかり
会話を始めてから支払いに進むまでの時間は、危ない話ほど短くなります。逆に言えば、最初の10分で確かめる項目を決めておけば、ほとんどの勧誘はそこでふるい落とせます。次の7つを順番に見てください。
第一に、事業者の名前と所在地が書かれているかです。屋号だけ、担当者の下の名前だけ、という状態で金銭の話に進む相手は避けます。第二に、仕事の中身が具体的に説明できるかです。「スマホで簡単な作業」は仕事の説明ではありません。何を入力し、何を納品し、誰が受け取るのかが言えないなら、その仕事は存在しない可能性があります。
第三に、報酬の計算方法が示されているかです。1件あたり300円のように単位が示されるのが普通で、「稼げる額」だけが示されるのは不自然です。第四に、先に払うお金があるかです。仕事を請けるのに、受ける側が先に支払う構図は本来ありません。第五に、断ったときの反応です。強く引き止める、時間を切る、返信を急がせるといった反応は、判断させないための手法です。
第六に、書面や電子ファイルで契約の内容を出せるかです。出せないと答えたら、第55条の義務を果たせない相手だと分かります。第七に、連絡手段がアプリの会話だけに閉じているかです。会社のメールや電話につながらず、担当者が変わるたびに別のアカウントから連絡が来る形は、追跡されないための作りです。
この7項目のうち、3つ以上が引っかかったら、そこで会話を終える判断でかまいません。7つ全部を確かめる前に相手が支払いを求めてきた場合も、同じです。判断材料が足りないまま金銭を動かす理由はありません。
多い誘い方を、手口ごとに分解する
手口は毎年新しく見えますが、骨組みはいくつかの型に収まります。型で覚えておくと、文面が変わっても気づけます。
ひとつめは、講座や教材を売る型です。仕事を紹介すると言いながら、まず学ぶ必要があると説明し、教材やサポート契約を売ります。これが先ほどの業務提供誘引販売取引の典型で、支払ったあとは仕事の紹介が滞るか、紹介された仕事の報酬が支払った額に届きません。
ふたつめは、送金の準備費用を取る型です。高い報酬を先に示し、受け取りのために口座の登録が必要だと言って、少額の手数料を求めます。金額が数千円に抑えられているのが特徴で、「この程度なら」と思わせる設計です。ここで支払うと、次は認証料、次は解除料と続き、少額の請求が積み重なります。
みっつめは、立て替えを求める型です。商品の仕入れや広告費を先に払い、あとで精算すると説明します。精算は行われず、立て替えの額だけが増えます。
よっつめは、個人情報を集める型です。仕事の登録のためと言って、本人確認書類の画像、銀行口座、電話番号を集めます。報酬の話は最後まで具体化せず、集めた情報だけが目的だったと分かります。
いつつめは、投資へ移す型です。副業の話から始め、途中で運用の話に切り替えます。報酬を受け取る口座を作らせ、そこから資金を移させる形が多く見られます。
型を知っておくと、会話の途中で「これは2番目の型だ」と当てられます。名前を付けられた時点で、その先の展開も読めます。
登録料を求められた時点で何が起きているか
仕事を受ける側が先に支払う構図は、雇用でも業務委託でも本来ありません。発注する側が、成果に対して支払う。これが取引の向きです。向きが逆になった瞬間に、その相手は依頼主ではなく販売者に変わっています。売っているのは、仕事ではなく「仕事を紹介するという約束」です。
金額が小さいことに意味があります。数千円なら被害届を出すほどでもないと感じさせ、争う気持ちを起こさせない。同時に、一度支払った人は「もう払ったのだから取り返したい」と考えて、次の請求にも応じやすくなります。少額の第一歩は、それ自体が目的ではなく、次の請求への入口として置かれています。
支払う前に確かめる方法はひとつです。「その費用の根拠を書面で示してください」と伝えることです。根拠を書面で示せる事業者なら示します。示せない相手は、話をそらすか、急かすか、態度を変えます。反応そのものが答えになります。
もうひとつ知っておくとよいのは、返金の難しさが支払い方法で変わることです。前払式の電子マネーやコンビニ払いは、支払ったあとに取引の記録を追いにくくなります。相手が特定の支払い方法を強く指定してくる場合、その理由は追跡のしにくさにあると考えるのが自然です。指定に理由を尋ねて、納得できる答えが返らないなら応じない判断をしてください。
口座や身分証を渡す話は、法律の側から見ると重い
もっとも気をつけたいのは、口座やその送金に必要な情報を渡す話です。金銭を失うだけでは済まず、渡した側が罰則の対象になりえます。犯罪による収益の移転防止に関する法律の第28条は、正当な理由がないのに有償で送金に必要な情報の提供を受けた者、そして相手にその目的があると知りながら提供した者を、3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金の対象としています。業として行った場合は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金です。
さらに重要なのは、条文が勧誘した者まで含めている点です。
第一項又は第二項の罪に当たる行為をするよう、人を勧誘し、又は広告その他これに類似する方法により人を誘引した者も、第一項と同様とする。 出典: laws.e-gov.go.jp
つまり、口座の情報を集める話に乗って他の人を誘う立場になると、被害者ではなく行為者の側に立たされます。副業の紹介という形で友人や家族を巻き込む流れは、この点でとくに危うい形です。
身分証の画像も同じ理屈で扱ってください。免許証やマイナンバーカードの画像は、他人になりすまして口座やアカウントを作る材料になります。仕事の登録に本人確認が必要な場面は確かにありますが、その場合でも事業者の名称と所在地が明らかで、何に使うかが書面で示されるのが前提です。この前提がそろわないうちに画像を送らないでください。
こうした認証の仕組みそのものに関心がある方には、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で、なりすましを防ぐ側の技術をまとめています。攻める側が何を欲しがるかが分かると、守る勘所も見えてきます。
すでに支払ってしまったときの動き方
支払ってしまった場合でも、順番を守って動けば取り返せる可能性があります。慌てて相手に連絡するより先に、記録を確保するのが第一歩です。
やり取りの画面は、削除される前に画像として保存してください。相手のアカウント名、表示名、送られてきたリンク、振込先の口座番号と名義、支払った日付と金額、案内に使われたサイトの画面をすべて残します。アカウントが消えたあとでは、こちらの手元の記録しか証拠になりません。会話の履歴は相手側の操作で消えることがあるため、その日のうちに保存するのが確実です。
次に、支払い方法ごとの手を打ちます。銀行振込なら、振り込んだ金融機関に事情を伝えます。クレジットカードなら、カード会社に連絡して取引の内容を伝えます。いずれも「必ず戻る」とは言えませんが、連絡が早いほど選べる手が増えます。なお、取り戻せるかどうかの個別の判断は事情によって変わるため、金融機関とカード会社の窓口で確かめてください。
そして、契約の解除ができる形かを確かめます。業務提供誘引販売契約に当たる場合、第55条第2項の書面を受け取った日から20日以内であれば、書面または電磁的記録で解除できます。この解除に対して、事業者は損害賠償や違約金を請求できません。商品が届いていた場合、引き取りの費用も事業者の負担です。そして、これらに反する不利な特約は無効と条文に書かれています。「解約不可」と契約書に書いてあっても、それは効きません。
20日間の解除ができる場合と、書き方
期間の起算日は、契約の内容を明らかにする書面を受け取った日です。ここが実務で効いてきます。書面を一度も受け取っていない場合、20日の期間はまだ始まっていません。つまり、契約してから1か月が過ぎていても、書面が渡されていないなら解除の余地が残っています。
条文はもう一段の備えもしています。事業者が解除に関する事柄について事実と違うことを告げたり、威圧的な態度で困惑させたことによって期間内に解除できなかった場合、正しい内容を記載した書面を受け取った日から改めて20日が数えられます。「もう期限を過ぎました」と相手が言ったとしても、その言葉自体が不実の告知であれば、期間は仕切り直されます。
解除の通知は、発した時に効力が生じます。到達を待つ必要はありません。実務としては、日付と内容が残る形で送るのが確実です。書面で送る場合は、控えを取ってから送り、送った記録が残る方法を選びます。文面は複雑にする必要はありません。契約した日、契約の名称、相手の事業者名、そして契約を解除する意思、この4点を書けば足ります。理由を長く書く必要はなく、書かないほうが争点が増えません。
送ったあとの流れも押さえておきます。相手から連絡が来なくても、解除の効力は通知を発した時点で生じています。返金を求める場面では、送った記録が支えになります。ここでも、個別の金額や事情による扱いは変わるので、自分の事案に当てはめる部分は消費生活センターで確かめてください。
相談する窓口の使い分け
相談先は、聞きたいことによって変わります。ひとつの窓口に全部を持ち込むより、内容ごとに振り分けたほうが早く進みます。
契約の解除や返金の交渉について知りたい場合は、住んでいる自治体の消費生活センターです。消費者ホットラインの番号は188で、かけると近くの相談窓口につながります。相談は無料で、契約の中身を見ながら次の手を教えてもらえます。前の項目で触れた20日の起算日のように、自分の事案に当てはめる判断が必要なところは、ここで確かめるのがもっとも確実です。
犯罪の可能性について相談したい場合は、警察です。緊急でない相談は警察相談専用電話の#9110が案内されています。口座の情報を渡してしまった、身分証の画像を送ってしまった、といった場合は、消費生活センターと並行して警察にも相談してください。警察庁は特殊詐欺の手口と対策をSOS47としてまとめており、勧誘の型を知る材料になります。
求人の形で勧誘された場合は、労働の側の窓口も関わります。職業安定法の第65条は、虚偽の広告をして労働者の募集を行った者を6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象としています。求人として出されていた話が実際と違った場合、ハローワークや労働局に情報を伝える道があります。どの窓口も、先ほど保存した記録を持って行くと話が早く進みます。
アカウントと端末の側でできる備え
勧誘が届く経路をふさぐ手も、あわせて打っておきます。文面を見分ける力とは別に、届く回数そのものを減らせます。
まず、友だち追加の設定です。電話番号を知られていると自動で追加される設定になっている場合、心当たりのない相手からの連絡が増えます。設定画面から、電話番号による追加を受け付けるかどうかを選び直してください。識別子の検索を許可する設定も同じで、公開範囲を狭めるだけで届く量が変わります。
次に、知らない相手からのメッセージの扱いです。受信そのものを制限する設定があり、これを有効にすると、友だちに登録していない相手からのメッセージが届かなくなります。仕事の連絡を受ける必要がある方は、仕事用の連絡先を別に用意して、日常の連絡先と分ける形にすると両立できます。
端末の側では、アカウントの乗っ取りを防ぐ設定を確認します。パスワードを他のサービスと使い回していないか、他の端末からのログインを許可する設定になっていないか、通知に本文が表示される設定になっていないか。この3点は、確認に5分もかかりません。
あわせて、リンクの扱いを決めておきます。メッセージで届いたリンクは、開く前に文字列そのものを読みます。見慣れた事業者の名前が含まれていても、その後ろの文字列が別のものになっている例が多くあります。判断に迷ったら開かず、検索して公式のページからたどる。この習慣ひとつで、偽のログイン画面に情報を入力する事故の大半は避けられます。
断る文面をあらかじめ決めておく
判断が鈍る一番の原因は、断り方を考えている間に会話が進んでしまうことです。相手は会話を止めないように設計された文面を用意しています。こちらも、返す文面を先に決めておけば対等になります。
使える形はひとつだけです。「事業者名、所在地、業務の内容、報酬の計算方法を書面でいただけますか。確認してから返信します」と送る。これだけで足ります。理由を説明する必要はなく、断る意思を示す必要もありません。書面を求めるという行為が、相手にとってもっとも都合の悪い要求だからです。
この文面には副産物があります。まともな依頼主なら、書面を出してきます。そして書面が出てきた時点で、検討の材料がそろいます。つまりこの一文は、断りの文面でありながら、まともな相手を見つける文面にもなっています。ふるい分けを相手にやらせる形です。
返信が来たあとの扱いも決めておきます。書面が届いたら、その日は返信しません。翌日に読み返してから判断します。急かしてくる相手であれば、その急かし方自体が判断材料になります。時間を置くことで失う機会は、ほとんどありません。在宅の仕事の募集は常に出ており、いま目の前にある一件を逃したら次がない、という状況は現実にはほぼ起きません。
書面が来ないまま催促が続いた場合は、返信をやめてブロックします。会話を続けるほど、相手はこちらの反応の癖を学びます。会話を終えるという判断は、逃げではなく手続きです。
家族や身近な人に同じ話が届いたときの伝え方
自分が気づいた手口は、身近な人にも届いている可能性があります。ただ、伝え方を間違えると届きません。
やってしまいがちなのは、「それは詐欺だからやめなさい」と結論から言うことです。すでに相手を信じている人にとって、この言い方は否定として受け取られ、かえって話してくれなくなります。効きやすいのは、条文の話に寄せることです。「仕事を紹介する前にお金を取る形は法律で名前が付いていて、契約の内容を書いた書面を渡す義務があるらしい。もらった書面を見せてくれる?」と聞く。相手を否定せずに、事実の確認に話を移せます。
書面が出てこないことが分かれば、相手自身が気づきます。他人に否定されて引くのと、自分で気づいて引くのでは、そのあとの行動が変わります。自分で気づいた人は、次の勧誘も自分で止められるようになります。
金銭が動いてしまっている場合は、責める前に記録の保存を頼んでください。時間が経つほど証拠が失われます。やり取りの画面、振込の記録、案内のサイト。これを先に確保して、そのあとで一緒に消費生活センターへ相談する流れが現実的です。相談の場で第三者から説明を受けると、家族の言葉より受け入れられることがよくあります。
若い方や高齢の方にかぎった話ではありません。働き方を変えようと考えている時期は、誰でも新しい話に目が向きます。その時期に届いた話をどう扱うかを、家庭の中で一度だけ決めておくだけで効果があります。
相談の前に用意しておく記録の一覧
窓口に行ってから「記録がない」と分かると、そこで一度戻ることになります。先に用意しておきたいものを並べます。
ひとつは、相手を特定できる情報です。アカウントの表示名と識別子、送られてきたリンクのURL、案内されたサイトの画面、名乗っていた事業者名と担当者名。アカウントは消えることが多いので、画面の画像として残します。
ふたつめは、金銭の記録です。振込の控え、口座番号と名義、支払った日付と金額、決済に使った方法。クレジットカードなら利用明細の該当部分も入れます。
みっつめは、会話の全体です。やり取りの最初から最後まで、抜けのない形で保存します。都合のよい部分だけを切り出すと、前後の文脈が伝わりません。長くても、順番どおりに残してください。
よっつめは、渡してしまった情報の一覧です。氏名、住所、電話番号、口座、本人確認書類の画像。何をいつ渡したかを書き出しておくと、窓口で必要な手を判断しやすくなります。
この4種類を1つのフォルダに入れて持って行けば、相談は一度で進みます。記録をそろえる作業そのものが、頭の中を整理する助けにもなります。
口コミや知恵袋の情報をどう読むか
検索すると、質問サイトの投稿が多く出てきます。読み方を決めておかないと、かえって判断が揺れます。
使えるのは「手口の形」の部分です。どんな文面で誘われたか、どの段階でいくら求められたか、支払ったあとに何が起きたか。この部分は投稿者が実際に見たことなので、型を知る材料になります。一方で、「これは詐欺かどうか」という結論の部分は、回答者が条文を確かめて書いているとはかぎりません。断定的な回答ほど、根拠が示されていないことがあります。
もうひとつ気をつけたいのは、質問サイトの投稿に混ざる広告的な書き込みです。相談を装いながら別のサービスへ誘う投稿は珍しくありません。投稿の内容が具体的な金額と成果の話に寄っていたら、そこは読み飛ばしてよいでしょう。
結論の判断は、投稿ではなく条文と公式の案内に戻してください。この記事で引いた特定商取引法の条文は誰でも同じものを読めますし、消費者庁の案内も同じです。判断の土台を、誰が書いたか分からない文章から、変わらない資料に移す。これが、情報に振り回されないための一番の手です。
セキュリティの知識は、身を守るだけでなく仕事にもなる
見分ける力を身につける過程で覚えたことは、そのまま仕事の側でも通じます。怪しい連絡を見分ける、情報の扱いを決める、組織の手順を整える。この分野は依頼が続いており、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のように、技術と運用の両方をまたぐ役割の相談が増えています。
土台から学びたい場合、ネットワークの基礎を扱うCCNA(シスコ技術者認定)は、通信の仕組みを順序立てて覚えられる入口です。どの通信がどこを通り、どこで止められるのかが分かると、偽のログイン画面や不審なリンクの仕組みも説明できるようになります。事務の側から入るなら、文書の作り方を体系的に扱う検定のほうが、在宅の仕事でそのまま使える範囲が広くなります。契約書や見積書の形式を知っていること自体が、書面を求める側に立つときの武器になります。
組織の側の取り組みに関心があれば、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法が、限られた予算でどこから手を打つかを整理する材料になります。社員向けの訓練をどう設計するかという話題も、同じ流れで扱われています。攻める側の型を知る人は、守る側の設計でも重宝されます。人をだます文面がどこを突いてくるかを知っていれば、社内の注意喚起の文章も具体的に書けるからです。
報酬の水準を確かめたい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で技術側の相場を、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で文章を扱う仕事の相場を見られます。どちらも、勧誘の文面に出てくる金額とは桁の作りが違うことが分かります。
市場の側から見たときの需要と、勧誘とのずれ
20年にわたって在宅の仕事の市場を見てきた運営の側から言うと、勧誘の文面に書かれている金額と、実際の依頼の金額は形が違います。実際の依頼は、単価と分量の掛け算で決まります。1件いくら、1文字いくら、1時間いくら。この単位が示されるから、受ける側は自分の時間と見比べて判断できます。勧誘の文面には、この単位がありません。結果の金額だけがあって、そこに至る計算式が書かれていない。ここが一番はっきりした違いです。
もうひとつの観察は、長く続く人の共通点です。単発の作業をこなす速さよりも、「この人に任せると手間が減る」という関係を作ることに時間を使っています。依頼主の側から見れば、毎回説明し直さずに済む相手は、それだけで価値があります。この関係は、短期間で高い報酬を得る話とは相性が悪く、だから勧誘の文面には出てきません。
仲介する側が手数料を取らない形の取引が増えたことも、この市場の変化として挙げられます。同じ予算で依頼できる量が増え、受ける側の手取りが厚くなる。金額の大きさではなく、手元に残る割合が変わるという質の話です。手数料0%で直接やり取りできる形が広がったことで、依頼主と受ける側の双方が同じ予算からより多くを得られるようになりました。この構造は地味で、宣伝の材料にはなりにくいのですが、長く続けている人ほどここを重く見ています。
運営の側から見て、もうひとつはっきりしていることがあります。危ない話に引っかかった人は、能力が足りなかったわけではありません。多くの場合、比べる材料を持っていなかっただけです。実際の依頼がどんな条件で出ているかを一度でも見た人は、勧誘の文面を見た瞬間に違和感に気づきます。逆に、在宅の仕事を一件も見たことがない状態で勧誘の文面だけを読むと、それが相場だと思い込んでしまいます。比べる材料を持つことが、知識を覚えることより先に効く。ここは何度でも繰り返したいところです。
最後に、入口の話をします。在宅の仕事を探すときは、仕事の一覧を見てから決めるのが順番です。どんな依頼があり、どんな条件で募集されているかを先に見れば、勧誘の文面がどれだけ現実から離れているかが分かります。アプリケーション開発のお仕事のような分野別の案内から入ると、必要とされる技能と報酬の対応が見えてきます。自分の持っているものと照らし合わせて、届く範囲から始める。遠回りに見えますが、これが一番短い道です。
よくある質問
Q. LINEで届いた副業の話が詐欺かどうか、最初に何を確かめればよいですか?
事業者の名称と所在地が示されているか、仕事の中身が具体的に説明できるか、報酬が単価で示されているか、そして受ける側が先に支払う費用があるかの4点です。とくに4点目が当てはまったら、その時点で会話を終えてかまいません。仕事を請ける側が先に金銭を払う構図は、雇用でも業務委託でも本来ありません。
Q. 登録料を払ってしまいました。取り返せますか?
やり取りの画面と振込先、支払った日付と金額をまず画像で保存してください。そのうえで、金融機関やカード会社に連絡し、消費者ホットライン188から地元の消費生活センターに相談します。業務提供誘引販売契約に当たる場合、契約内容を明らかにする書面を受け取った日から20日以内は解除でき、書面を受け取っていなければ期間はまだ始まっていません。
Q. 口座の情報や身分証の画像を送ってしまった場合はどうすればよいですか?
すぐに金融機関へ連絡し、あわせて警察にも相談してください。緊急でない相談は警察相談専用電話の#9110が案内されています。送金に必要な情報を渡す行為は、犯罪による収益の移転防止に関する法律で罰則の対象になりえるため、被害者の立場を保つためにも早く届け出ておくことが大切です。
Q. 契約書に「解約できません」と書かれていても解除できますか?
業務提供誘引販売契約に当たる場合、特定商取引法は解除に関する規定に反して相手方に不利な特約は無効と定めています。したがって、契約書の文言だけで解除の権利がなくなることはありません。ただし自分の契約がどの取引に当たるかは内容によって変わるので、契約書を持って消費生活センターで確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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