学校用務員になるには、公務員採用と会計年度任用職員の違いと試験の内容

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学校用務員になるには、公務員採用と会計年度任用職員の違いと試験の内容

この記事のポイント

  • ✓自治体の正規の職員として採用される道と
  • ✓1年ごとに任用される会計年度任用職員の道
  • ✓民間の委託会社に雇われる道があります

学校用務員になるには、特別な資格は要りません。ただし、「どの形で働くか」によって、採用の方法も、身分も、働ける期間も大きく変わります。自治体の正規の職員として採用されるのか、1年ごとに任用される会計年度任用職員として働くのか、学校の用務を請け負う民間の会社に雇われるのかで、応募の窓口も試験の中身も違います。この記事では、学校用務員になるための道筋を、法律の決まりと実際の募集の例をもとに、よくある勘違いを正しながら整理します。

学校用務員とはどんな仕事か

最初に、学校用務員の仕事の位置付けを確かめておきます。学校の職員の役割を定めた学校教育法施行規則には、学校用務員について次の条文があります。

学校用務員は、学校の環境の整備その他の用務に従事する。 出典: e-Gov 法令検索(学校教育法施行規則 第65条)

「環境の整備その他の用務」とは、学校が毎日安全に使える状態を保つための、授業以外のさまざまな仕事を指します。実際の募集の案内に書かれている仕事の例は、次のようなものです。

  1. 校舎の内外の清掃、ごみの処理
  2. 机や棚、扉などの簡単な修理
  3. 樹木の手入れ、花壇の世話、草刈り
  4. 文書の配達や、来校者や電話の取り次ぎ
  5. 印刷の作業
  6. 行事の準備と片付けの手伝い

千葉市が公表している技能員の試験の案内では、学校での用務の作業に加えて、施設の修繕や清掃などに従事することが職務の内容として書かれています。自治体や学校の規模によって任される範囲は違いますが、「学校の中の何でも屋」として、教員が授業に集中できる環境を支える仕事だといえます。

よくある勘違い:子どもと関わる時間が長い

学校用務員は、子どもと直接関わる場面は多くありません。登下校の見守りや、休み時間に声をかけられることはありますが、主な仕事は施設と環境の管理です。「子どもと関わる仕事がしたい」という理由だけで目指すと、思っていた仕事と違うと感じることがあります。子どもが安全に過ごせる環境を、裏方として整えることにやりがいを感じられるかどうかが、向き不向きの分かれ目です。

学校用務員の一日の流れの例

学校用務員の一日は、学校の規模や自治体、勤務の形によって違いますが、典型的な流れの例を示します。

朝:校舎を開けて安全を確かめる

子どもが登校する前に出勤し、校門や昇降口を開け、校舎の中を見回ります。窓ガラスの割れ、廊下の濡れ、照明の切れなど、危ない箇所がないかを確かめます。前の日の夜に風雨があれば、校庭の倒木や飛ばされた物がないかも見ます。

午前:頼まれごとと定例の作業

授業が始まると、教員や事務の職員からの頼まれごとに応えながら、定例の作業を進めます。たとえば、職員室への文書の配達、印刷の作業、壊れた机の修理、トイレの清掃などです。頼まれごとが重なったときは、子どもの安全に関わるものを優先し、急がないものは時間を相談します。

昼:給食と休み時間

給食の時間帯には、配膳の手伝いや、ごみの回収を任される学校もあります。休み時間は、校庭で子どもが遊ぶので、刈払機などの音の出る作業や、危ない道具を使う作業は避けます。

午後:屋外の作業と翌日の準備

午後は、花壇の世話や草刈り、落ち葉の掃除などの屋外の作業を進めることが多くあります。行事の前には、会場の設営や物品の準備を手伝います。

夕方:戸締まりと記録

子どもが下校したあと、教室や廊下の窓の戸締まりを確かめ、ごみをまとめます。その日に行った修理や、気づいた不具合を記録し、必要なら事務の職員や管理職に報告します。記録を残しておくと、修理の業者を呼ぶときや、翌年度の予算を考えるときの資料になります。

季節ごとの仕事

学校用務員の仕事は、学校の年間の行事と季節に合わせて変わります。1年の流れを知っておくと、仕事のイメージがつかみやすくなります。

春

入学式の準備と片付け、新しい教室の机や椅子の入れ替え、花壇の植え替えなどで忙しくなります。年度の初めは、教職員の異動もあり、新しく来た先生から多くの頼まれごとを受ける時期です。

夏

草の伸びが早く、草刈りの回数が増えます。プールのある学校では、プールの清掃や準備に関わることもあります。夏休みは子どもがいないので、校舎の大がかりな清掃や、普段できない修繕を進める時期になります。暑い中での作業が多いので、熱中症への備えが欠かせません。

秋

運動会や学芸会などの行事が続き、会場の準備と片付けの手伝いが増えます。落ち葉の掃除も、秋の大切な仕事です。雨どいに落ち葉が詰まると雨漏りの原因になるので、こまめに確かめます。

冬

雪の降る地域では、登校の前の雪かきや、凍った通路への対策が重要な仕事になります。暖房の器具の点検、卒業式の準備と片付けも、冬から春先の仕事です。

安全に作業するための注意

学校用務員の仕事には、高い所での作業、刃物や機械を使う作業、薬剤を使う作業が含まれます。自分の身を守り、子どもを危険にさらさないための注意が要ります。

高い所での作業

蛍光灯の交換や、高い棚の物の出し入れでは、脚立を使います。脚立は平らな場所に開ききって立て、最上段には乗らないのが基本です。高い所での作業は、できるだけ2人で行い、1人が脚立を支えます。

機械や刃物を使う作業

草刈りの機械や、のこぎり、電動の工具を使う作業は、子どもが近くにいない時間に行います。作業中は周りに人が近づかないよう、目印を置くなどの工夫をします。使い終わった道具は、子どもの手の届かない場所に、鍵をかけて保管します。

薬剤を使う作業

害虫の駆除や、清掃の洗剤には、扱いに注意が要るものがあります。使い方の表示を読み、手袋やマスクを着けて作業します。違う種類の洗剤を混ぜると有毒なガスが出るものもあるので、混ぜないことを徹底します。

暑さと寒さ

屋外の作業が多いので、夏は熱中症、冬は凍結による転倒に注意します。こまめな水分補給と休憩、滑りにくい靴を心がけます。正規の職員や、条件を満たす会計年度任用職員なら、仕事中のけがは公務災害などの補償の対象になります。けがをしたら、すぐに管理職に報告します。

学校用務員になる3つの道

学校用務員になる道は、大きく分けて3つあります。

道1:自治体の正規の職員として採用される

市区町村や都道府県の職員として採用され、学校に配属される道です。採用されれば、任期の定めのない地方公務員になります。職種の名前は、自治体によって「技能員」「技能労務職」「学校業務員」「用務員」などさまざまです。

正規の職員の採用は、自治体の人事委員会や人事担当の部署が行う採用試験を通じて行われます。毎年募集があるとは限らず、退職者の数や自治体の方針で、募集の有無や人数が変わります。

道2:会計年度任用職員として任用される

会計年度任用職員とは、自治体が1年度(4月から翌年3月まで)の範囲で任用する非常勤の職員のことです。2020年4月に始まった制度で、それまでの臨時職員や非常勤職員の多くが、この形に移りました。学校用務員の募集の中でも、数の上ではこちらが多くなっています。

岡山市の募集の例では、会計年度任用職員として小学校・中学校・義務教育学校・高等学校の用務員を募集し、受験の資格は「年齢・学歴不問」、申し込みは随時受け付けとしています。育児休業を取る職員の代わりの募集もあり、年度の途中でも募集が出るのが特徴です。

道3:民間の委託会社に雇われる

自治体によっては、学校の用務の仕事を民間の会社に委託しています。この場合、働く場所は学校ですが、雇い主は委託を受けた会社で、身分は公務員ではなく民間の会社の従業員です。求人は、一般の求人サイトやハローワークで探せます。

3つの道の違い

項目 正規の職員 会計年度任用職員 民間の委託会社
身分 地方公務員(任期の定めなし) 地方公務員(1年度ごと) 民間の会社の従業員
採用の方法 採用試験 競争試験または選考 会社の採用面接
募集の時期 年1回程度(無い年もある) 随時、年度の前 随時
年齢の条件 上限がある場合が多い 不問の例もある 会社による
窓口 人事委員会、人事課 教育委員会など 委託会社

正規の職員として採用されるまでの流れ

正規の職員として学校用務員になる場合の流れを、千葉市が公表している技能員の試験の例で見ていきます。千葉市の案内では、令和8年度の実施職種は決まり次第掲載するとしたうえで、令和7年度に実施した試験の概要を公表しています。

試験の区分と職務

令和7年度の千葉市の試験区分は「技能員A」で、採用予定は若干名でした。職務の内容は、小・中・高等学校などでの学校用務の作業と、土木事務所・公園緑地事務所・環境事業所などでの作業業務とされています。つまり、学校用務員を目指して受験しても、配属先が学校とは限らない、という点に注意が要ります。

試験の内容

令和7年度の試験は、次のような段階で行われました。

  1. 第一次試験:筆記試験(択一式)
  2. 第二次試験:適性検査(Web方式)
  3. 第二次試験:体力検査
  4. 第二次試験:面接試験

筆記試験では、一般的な知識や読み書き、計算などの基礎的な力が問われることが多くあります。体力検査があるのは、重い物を運んだり、屋外で作業したりする仕事の性質によるものです。面接では、仕事への意欲や、人と協力して働けるかが見られます。

千葉市の技能員の試験概要には、試験の日時や合格発表の方法まで公表されているので、試験の全体像をつかむ参考になります。

よくある勘違い:どこの自治体でも同じ試験

試験の名前も内容も、自治体ごとに違います。作文の試験を課す自治体、実技の試験を課す自治体、面接だけの自治体もあります。受験を考えている自治体の、その年度の募集の案内を必ず確かめます。前の年度の内容は参考になりますが、同じとは限りません。

年齢の条件

正規の職員の採用試験では、受験できる年齢に上限が設けられていることが多くあります。多くの場合、「ある年の4月2日以降に生まれた人」のように、生まれた日の範囲で条件が示されます。上限の年齢は自治体によって違うので、自分が受験できるかを最初に確かめます。

会計年度任用職員として働く場合の決まり

学校用務員の募集で数の多い会計年度任用職員について、法律の決まりを確かめておきます。ここは勘違いが多いところです。

採用は「競争試験又は選考」

地方公務員法は、会計年度任用職員の採用について、競争試験または選考によると定めています。選考とは、筆記試験に限らず、書類や面接などで能力を確かめる方法のことです。実際の学校用務員の募集では、書類の審査と面接で決めるところが多く、自治体によっては作文や体力の試験が加わります。

任期は年度の末日まで

同じ法律で、会計年度任用職員の任期は、採用の日から、その日が属する年度の末日までの範囲で決めると定められています。

会計年度任用職員の任期は、その採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内で任命権者が定める。 出典: e-Gov 法令検索(地方公務員法 第22条の2)

任命権者とは、職員を採用する権限を持つ人のことで、学校用務員の場合は教育委員会などがこれにあたります。つまり、4月に採用されれば任期は最長でその年度の3月31日までで、翌年度も働くには、改めて任用される必要があります。

よくある勘違い:一度採用されれば毎年自動で更新される

会計年度任用職員は、年度ごとに新たに任用される仕組みで、自動で更新されるものではありません。多くの自治体では、勤務の実績などをもとに、翌年度も続けて任用されることがありますが、それは毎年の判断によるものです。また、自治体によっては、続けて任用できる回数に目安を設け、一定の回数ごとに公募に応募し直すよう求めているところもあります。長く働きたい場合は、自治体の運用を確かめておきます。

試用の期間は1か月

地方公務員法では、職員は採用されてから一定の期間、条件付きの採用とされます。正規の職員は原則6か月ですが、会計年度任用職員は1か月と定められています。この期間の勤務の状況を見て、正式な採用になります。

パートタイムとフルタイムの違い

会計年度任用職員には、勤務時間が常勤の職員より短いパートタイムと、常勤の職員と同じフルタイムの2種類があります。学校用務員の募集にも両方があり、1日の勤務時間や週の勤務日数で区別されます。

給与の扱いも違います。地方自治法では、パートタイムの会計年度任用職員には「報酬」を支給し、条例で期末手当や勤勉手当を支給できると定めています。フルタイムの職員には、給料と手当が支給されます。期末手当はいわゆるボーナスにあたるもので、支給の有無と額は自治体の条例で決まります。

兼業の決まりも身分で変わる

学校用務員として働きながら、別の仕事をしたいと考える人もいます。ここも、身分によって決まりが違います。

正規の職員とフルタイムの会計年度任用職員

地方公務員法では、職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利企業の役員を兼ねたり、自ら営利企業を営んだり、報酬を得て事業や事務に従事したりしてはならないと定めています。正規の職員とフルタイムの会計年度任用職員は、この決まりの対象です。副業をするには、許可を受ける必要があります。

パートタイムの会計年度任用職員

同じ条文のただし書きで、非常勤の職員(短時間勤務の職員とフルタイムの会計年度任用職員を除く)については、この許可の決まりは当てはまらないとされています。パートタイムの会計年度任用職員は、ここに含まれます。

ただし、許可が要らないからといって、どんな副業でもしてよいわけではありません。公務員としての信用を傷つけるような行為をしない義務や、勤務時間中は職務に専念する義務は、パートタイムの会計年度任用職員にも当てはまります。また、自治体によっては、兼業の内容を届け出るよう求めていることがあります。副業を考えるときは、採用の担当に届け出の要否を確かめます。

民間の委託会社の場合

民間の委託会社に雇われている場合は、公務員の決まりではなく、その会社の就業規則に従います。副業を認めているか、届け出が必要かを確かめます。

学校用務員の求人の探し方

学校用務員の求人は、一般の求人サイトだけを見ていると見落としがちです。身分ごとに、探す場所が違います。

自治体のホームページ

正規の職員の採用試験と、会計年度任用職員の募集は、自治体のホームページに掲載されます。正規の職員は人事委員会や人事課の「職員採用」のページ、会計年度任用職員は教育委員会の「講師・用務員等の募集」のようなページに載ることが多くあります。岡山市のように、学校ごとに募集のページを出す自治体もあります。

自治体の広報紙

市区町村が各家庭に配る広報紙にも、職員の募集が載ることがあります。インターネットをあまり使わない人でも、広報紙で募集を知ることができます。

ハローワーク

会計年度任用職員の募集を、ハローワークに出している自治体もあります。また、民間の委託会社の求人は、ハローワークや求人サイトで探せます。ハローワークの窓口で「学校用務」「校務員」「用務員」といった言葉で探してもらうと、見つけやすくなります。

見落とさないための工夫

会計年度任用職員の募集は、年度の途中で突然出て、短い期間で締め切られることがあります。働きたい自治体のページを定期的に確かめるか、メールで新着の情報を受け取れる仕組みがあれば登録しておきます。

よくある勘違いの整理

この記事で取り上げた、学校用務員についてのよくある勘違いを、正しい内容と並べて整理します。

よくある勘違い 実際
学校用務員は全員が公務員 民間の委託会社の従業員として働く形もある
会計年度任用職員は毎年自動で更新される 任期は年度の末日までで、年度ごとに任用される
採用試験はどこの自治体でも同じ 試験の名前も内容も自治体ごとに違う
学校用務員は子どもと関わる時間が長い 主な仕事は施設と環境の管理
夏休みは仕事が少ない 大がかりな清掃や修繕を進める時期
公務員だから副業はできない パートタイムの会計年度任用職員は許可の決まりの対象外(ほかの義務は残る)

勘違いのまま応募すると、働き始めてから「思っていたのと違う」と感じる原因になります。応募の前に、この表の右の列の内容を、自分が応募する自治体や会社の案内で確かめておくと安心です。

応募の準備:書類と面接

学校用務員の募集の多くは、書類の審査と面接で選考が進みます。準備のポイントをまとめます。

申込書の書き方

自治体の募集では、決められた様式の申込書を使うことが多くあります。岡山市の例では、申込書と記入要領が市のホームページで公開されています。記入要領がある場合は、必ず読んでから書きます。空欄を残さない、丁寧な字で書く、誤字を見直す、といった基本を守るだけで、書類の印象は大きく変わります。

志望の理由と経験の書き方

志望の理由には、学校の環境を整える仕事に関心を持った理由を、具体的に書きます。過去の仕事の経験を書くときは、清掃、設備の修理、庭木の手入れ、接客や電話の応対など、学校用務の仕事と重なる経験を挙げると、仕事のイメージと結び付けてもらいやすくなります。

面接で見られる点

面接では、次のような点が見られます。

  1. 学校用務員の仕事の内容を理解しているか
  2. 教職員や子どもと、穏やかに関われるか
  3. 指示を正確に受け取り、報告や相談ができるか
  4. 体力や健康の面で、屋外の作業や力仕事に対応できるか
  5. 勤務の時間や日数の条件に合うか

学校には、教員、事務の職員、給食の職員など多くの人が働いています。誰からも頼まれごとを受ける立場になるので、「頼まれたことを快く引き受け、優先順位を相談できる人」かどうかが重視されます。

学校用務員の勤務と待遇の考え方

学校用務員の勤務の時間や待遇は、身分と自治体によって違います。応募の前に確かめておきたい点を整理します。

勤務の時間

学校用務員は、子どもが登校する前から校舎を開け、下校の後に戸締まりをする仕事があるため、勤務の時間が教員と少しずれることがあります。パートタイムの会計年度任用職員なら、1日数時間、週に数日といった勤務もあります。

給与の目安

給与は自治体の条例や募集の案内で決まっています。会計年度任用職員の場合、日額や時間額で示されることが多く、募集の案内に金額が書かれています。正規の職員の場合は、自治体の給料表に沿って決まります。金額を比べるときは、期末手当の有無、通勤の費用の扱いも含めて確かめます。

長期休みの扱い

夏休みなど子どもがいない期間も、学校用務員の仕事はあります。むしろ、子どもがいない時期は、大がかりな清掃や修繕、樹木の手入れを進める大切な時期です。教員と同じように長い休みがあるわけではない点は、勘違いされやすいところです。

配属される学校

正規の職員の場合、配属される学校は自治体が決め、数年ごとに異動があるのが普通です。家から遠い学校に配属されることもあります。会計年度任用職員の場合は、学校ごとに募集が出ることが多く、応募の時点で働く学校が決まっているので、通いやすい学校を選びやすいのが特徴です。

社会保険

会計年度任用職員は、勤務の時間や期間によって、加入する健康保険や年金の制度が変わります。フルタイムかパートタイムか、週の勤務時間がどれくらいかで扱いが分かれるので、採用の際に担当の部署に確かめます。

民間の委託会社で働く場合に確かめること

学校の用務を民間の会社に委託している地域では、委託会社の求人に応募して学校用務員として働くことになります。公務員の場合とは確かめる点が違うので、整理しておきます。

働く条件を書面で受け取る

民間の会社に雇われる場合は、労働基準法の決まりに沿って、働き始める前に、契約の期間、働く場所、仕事の内容、勤務の時間、賃金などを書面で示してもらう必要があります。働く場所が学校でも、雇い主は会社なので、条件の確認や困ったときの相談は会社に対して行います。

契約の期間と委託の期間の関係

委託会社は、自治体との委託の契約に基づいて人を配置しています。自治体との委託の契約が終わったり、別の会社に替わったりすると、その学校での仕事が続かなくなることがあります。雇われる契約の期間がいつまでか、委託が替わったときにどう扱われるかを、採用の時に確かめておきます。

学校との関わり方

委託会社の従業員として働く場合、学校の教職員から直接、細かい作業の指示を受ける形は、契約の上で問題になることがあります。仕事の指示は、会社の責任者を通じて受けるのが原則です。実際の現場では、学校との連絡の方法が決められているので、最初に確かめておきます。

会計年度任用職員から正規の職員を目指す

会計年度任用職員として学校用務員の仕事を経験し、その後に正規の職員の採用試験を受ける人もいます。現場の経験は、志望の理由や面接で、仕事の中身を理解していることを具体的に示す材料になります。

ただし、会計年度任用職員としての経験があるからといって、正規の職員の採用で優先される決まりがあるわけではありません。採用試験は、ほかの受験者と同じ条件で受けることになります。年齢の上限にも注意が要ります。正規の職員を目指すなら、受験できる年齢のうちに、計画的に準備を進めます。

学校用務員に向いている人

学校用務員の仕事は、幅広い作業を1人で任されることが多い仕事です。向いているのは、次のような人です。

  1. 清掃や修理、庭の手入れなど、手を動かす仕事が好きな人
  2. 頼まれごとが多くても、優先順位を付けて落ち着いて対応できる人
  3. 子どもの安全に気を配り、危ない箇所に気づける人
  4. 決まった仕事がない時間にも、自分で仕事を見つけて動ける人
  5. 教職員と協力し、報告や相談をこまめにできる人

反対に、毎日まったく同じ作業を繰り返したい人や、人から頼まれごとをされるのが苦手な人には、負担に感じられることがあります。

前職の経験が生きる

学校用務員には、さまざまな経歴の人が就いています。建物の管理や清掃の仕事、工場や現場での作業、造園、接客などの経験は、いずれも学校用務の仕事に生かせます。定年を迎えたあとの働き方として、会計年度任用職員の学校用務員を選ぶ人もいます。年齢・学歴不問の募集もあるので、年齢を理由にあきらめる必要はありません。

学校用務員を目指すときの進め方

ここまでの内容を、実際に動く順番に整理します。

1. 住んでいる地域の募集の形を調べる

まず、住んでいる市区町村や都道府県の教育委員会、人事課のホームページを確かめ、学校用務員がどの形で募集されているかを調べます。正規の職員の採用試験があるのか、会計年度任用職員の募集が中心なのか、民間の会社に委託されているのかで、応募の窓口が変わります。

2. 募集の時期を押さえる

正規の職員の採用試験は、年に1回程度で、申し込みの期間が短いことがあります。会計年度任用職員の募集は、翌年度に向けた募集が年度の後半に出るほか、年度の途中で随時出ることもあります。見逃さないように、定期的に確かめます。

3. 条件を確かめる

年齢の条件、勤務の時間と日数、任期、給与の額を確かめます。自分の生活の事情に合うかを考えたうえで応募します。

4. 書類と面接を準備する

申込書の様式と記入要領を確かめ、志望の理由と経験を整理して書きます。面接では、仕事の内容を理解していることと、協力して働く姿勢を伝えます。

5. 採用後も任期と更新の仕組みを確かめる

会計年度任用職員として採用されたら、任期の終わりと、翌年度の任用の手続きを確かめておきます。長く働きたい場合は、正規の職員の採用試験に挑戦する道も並行して考えられます。

労務の立場から見た、学校用務員という働き方

最後に、労務や契約の実務に関わる立場から、学校用務員という働き方の意味を整理します。

学校用務員の求人を比べるとき、時給や日額だけを見て選ぶ人は少なくありません。しかし、同じ「学校用務員」でも、正規の職員か、会計年度任用職員か、民間の会社の従業員かで、任期、兼業の決まり、手当の扱いがまったく違います。求人を見るときは、金額より先に「どの身分で、誰に雇われるのか」を確かめることが、あとで後悔しないための第一歩です。

運営者として長くフリーランスや在宅ワークの現場を見てきた限りでは、長く仕事が続く人ほど、自分がどんな契約で働いているかを正しく理解しています。任期がいつまでか、更新の条件は何か、副業はどこまで認められるか。こうした点を最初に確かめておく人は、トラブルに巻き込まれにくく、働き方の選択肢も広がります。仲介の手数料がかからない直接取引の仕事では、同じ予算で発注者はより多く頼め、受ける側の手取りも厚くなります。その分、契約の中身を当事者どうしで確かめる力が、そのまま自分を守る力になります。

パートタイムの会計年度任用職員として働きながら、空いた時間に在宅の仕事を組み合わせる人もいます。書く仕事に興味があるなら、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、書く仕事の単価が上がっていく流れを紹介しています。申込書や報告の文書を正確に書く力を確かめたい人は、ビジネス文書検定の資格ガイドで、試験の内容と学び方を確認できます。手先の器用さを生かしてものづくりやデザインに関わる仕事を考えるなら、デザイナーの年収・単価相場で、相場を知っておくのも1つの方法です。

よくある質問

Q. 学校用務員になるのに資格は必要ですか?

学校用務員になるために必要な資格はありません。ただし、正規の職員の採用試験では年齢の上限が設けられていることが多く、筆記や体力の試験が課されることもあります。会計年度任用職員の募集では、岡山市の例のように年齢・学歴不問としているものもあります。応募する自治体の募集の案内で条件を確かめます。

Q. 会計年度任用職員の学校用務員は、毎年更新されますか?

会計年度任用職員の任期は、地方公務員法で採用の日の属する年度の末日までと定められており、自動で更新される仕組みではありません。勤務の実績などをもとに翌年度も任用されることはありますが、毎年の判断によります。続けて任用できる回数に目安を設けている自治体もあるので、運用を確かめます。

Q. 会計年度任用職員の学校用務員は、副業をしてもよいですか?

パートタイムの会計年度任用職員は、地方公務員法の営利企業への従事等の許可の決まりの対象外です。ただし、公務員としての信用を傷つけない義務や、勤務時間中の職務に専念する義務は当てはまり、届け出を求める自治体もあります。フルタイムの会計年度任用職員と正規の職員は、許可が必要です。

Q. 正規の職員の採用試験では、どんな試験がありますか?

自治体によって違います。千葉市が公表している令和7年度の技能員の試験では、第一次試験が択一式の筆記試験、第二次試験が適性検査、体力検査、面接試験でした。作文や実技の試験を課す自治体もあります。受験する自治体のその年度の案内を必ず確かめ、前の年度の内容は参考として使います。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月12日最終更新:2026年10月12日
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