学校の連絡網アプリを選ぶ前に、保護者の個人情報の扱いで確かめること

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学校の連絡網アプリを選ぶ前に、保護者の個人情報の扱いで確かめること

この記事のポイント

  • ✓学校の連絡網アプリを選ぶ前に確かめたい
  • ✓保護者の個人情報の扱い方を整理
  • ✓学校が導入する連絡サービスとPTA・保護者会の連絡の違い

学校の連絡網アプリは、紙のプリントや電話の連絡網に代わって、学校や保護者会からの連絡をスマートフォンに届ける仕組みです。便利になる一方で、保護者の名前、電話番号、メールアドレス、子どもの学年やクラスといった個人情報を、アプリの運営会社に預けることになります。この記事では、学校の連絡網アプリを選ぶ前に、保護者の個人情報の扱いで確かめておきたい点を、個人情報保護委員会の公式の案内にもとづいて整理します。PTAやクラスの保護者会の連絡に使える選択肢の1つとして、グループの連絡と予定と写真を1か所で扱えるTsudooにも、選択肢を紹介する節で触れます。

紙と電話の連絡網が、アプリに変わってきた理由

少し前まで、学校の連絡網といえば、クラス全員の家の電話番号を並べた紙の一覧でした。急な休校や行事の変更があると、先生が最初の家に電話をかけ、その家が次の家に電話をかけ、という順番で伝えていく仕組みです。この形には、いくつもの弱点がありました。

1つ目は、全員の電話番号が書かれた紙が、クラスの全家庭に配られることです。紙は簡単に持ち出せ、なくしても気づきにくく、卒業した後も家に残ります。2つ目は、途中の家が留守だと、そこで連絡が止まってしまうことです。3つ目は、伝言を重ねるうちに内容が少しずつ変わってしまうことです。共働きの家庭が多くなり、日中に家の電話に出られる家庭が少なくなったことも、電話の連絡網が回りにくくなった理由です。

こうした事情から、学校から保護者へ一斉にメールやアプリの通知で連絡を届けるサービスが広がりました。学校向けの連絡サービスの中には、全国で1万を超える学校や施設に導入されていると公表しているものもあります。あるサービスは、自社の利用状況を次のように説明しています。

現在、全国の小学校・中学校・高等学校・支援学校・専門学校・幼稚園・保育園など、2,300校以上の教育機関で利用されています。利用者は100万人を超え、教育現場で最も信頼される学校連絡システムのひとつとして選ばれています。 出典: さくら連絡網

アプリの連絡網なら、保護者どうしが電話番号を教え合う必要がなく、全員に同じ内容が同時に届きます。欠席や遅刻の連絡を保護者がアプリから送れるサービスも多く、朝の電話が集中する学校の負担も軽くなります。その代わりに、保護者の情報は紙の一覧ではなく、アプリを運営する会社のサーバーに預けられることになります。だからこそ、預ける先がどのように情報を扱うのかを、選ぶ前に確かめておく必要があります。

「学校の連絡網」と「保護者どうしの連絡」は別のものとして考える

学校の連絡網アプリを考えるときに、まず分けておきたいのが、学校が保護者に届ける公式の連絡と、PTAやクラスの保護者会、部活の保護者の間でやり取りする連絡の違いです。この2つは、決める人も、預ける情報も、守るべき決まりも違います。

区分 誰が決めるか 主な中身 使われる仕組みの例
学校から保護者への連絡 学校、教育委員会 休校、行事の案内、配布物、欠席連絡 学校向けの連絡サービス
PTA・保護者会の連絡 PTAの役員、保護者会 役員会の日程、行事の手伝いの割り振り LINEのグループ、グループアプリ、メール
クラスや部活の保護者の連絡 クラス役員、部活の保護者の代表 送迎の当番、差し入れ、写真の共有 LINEのグループ、グループアプリ

学校から保護者への連絡に使うサービスは、学校や教育委員会が選んで契約します。保護者は、学校から案内された登録方法に従って、アプリを入れたりメールアドレスを登録したりするだけで、どのサービスを使うかを選ぶことはできません。学校の連絡サービスに不安がある場合は、学校に問い合わせて、どのような決まりで運用されているのかを確かめることになります。

一方、PTAや保護者会の連絡は、保護者自身が使う仕組みを選びます。役員が代わるたびに連絡の方法が変わったり、とりあえずLINEのグループを作ったりと、決まりがないまま運用されていることも少なくありません。保護者が自分たちで選べる分、個人情報の扱いにも自分たちで責任を持つ必要があります。この記事で取り上げる確認点は、主にこの保護者側の連絡を念頭に置いていますが、学校の連絡サービスについて学校に問い合わせるときにも同じ視点が使えます。

個人情報保護法は、PTAや保護者会にも当てはまる

「PTAはボランティアの集まりだから、個人情報の法律は関係ない」と考える人もいるかもしれません。しかし個人情報保護委員会は、営利を目的としない団体も法律の対象になると明確に案内しています。

個人情報保護法における「事業」とは、一定の目的をもって反復継続して遂行される同種の行為であって、かつ社会通念上事業と認められるものをいい、営利・非営利の別は問いません。したがって、非営利の活動を行っている団体であっても、個人情報データベース等を事業の用に供している場合は、個人情報取扱事業者に該当します。NPO法人や自治会・町内会、同窓会、PTAのほか、サークルやマンション管理組合なども個人情報取扱事業者に該当し得ます。 出典: 個人情報保護委員会 よくある質問 Q1-54

ここでいう個人情報データベース等とは、名前などで検索できるように整理した個人情報の集まりのことです。会員名簿や、連絡網アプリに登録された保護者の一覧は、これに当たると考えられます。つまり、PTAや保護者会が連絡網を作るときにも、個人情報保護法の決まりを守る必要があります。

名簿を作るときは、使い道を伝えてから集める

個人情報保護委員会は、PTAや自治会が名簿を作るときの進め方について、本人に対して使い道を明示したうえで個人情報を取得し、名簿を作ることができると案内しています。そして、名簿を配るなど、本人以外の人に個人データを渡す場合には、原則として本人の同意を得る必要があるとしています(個人情報保護委員会 よくある質問 Q4-18)。

具体的な方法として、全員に配る名簿をクラス内で配布するなど、使い道と配る先を示し、同意したうえで所定の用紙に記入して提出してもらう方法が例に挙げられています。連絡網アプリに置き換えると、「この情報を、このアプリに登録し、このメンバーが見られるようにする」と伝えたうえで、保護者一人ひとりに登録してもらう形が、この考え方に沿った進め方になります。

学校から名簿をもらうときも注意がいる

PTAの役員が、学校から保護者や子どもの名簿をそのまま受け取って連絡網を作る、という運用は見直しが必要です。個人情報保護委員会は、PTAが名簿を作ろうとする場合、本人にその利用目的を通知・公表し、本人から取得した個人情報を利用目的の範囲内で利用することが可能だとしたうえで、学校による個人情報の第三者への提供は法律の規定に基づいて適正に扱うことが求められると案内しています(個人情報保護委員会 よくある質問 Q4-13)。保護者本人から集めることを基本に考えるのが安全です。

連絡網アプリを選ぶ前に確かめたい7つの点

ここからは、連絡網アプリを選ぶときに、個人情報の扱いの面で確かめておきたい点を7つに整理します。PTAや保護者会でアプリを選ぶときはもちろん、学校の連絡サービスについて学校に問い合わせるときにも使えます。

1. 保護者どうしで、何が見えるのか

一番大切なのは、登録した情報を誰が見られるのかです。運営する役員だけが見られるのか、メンバー全員が見られるのかで、意味が大きく違います。たとえばメンバーの一覧に電話番号やメールアドレスが表示される仕組みだと、紙の連絡網と同じように、全員の連絡先が全員に渡ることになります。名前だけが表示され、連絡先は運営者にしか見えない仕組みなのか、それとも本人が公開する範囲を選べるのかを確かめます。

2. 登録するときに、何を入力させられるのか

アプリによっては、登録のときに子どもの名前、生年月日、学年、クラスなどの入力を求めるものがあります。連絡に本当に必要な情報だけを集める仕組みかどうかを確かめます。PTAの連絡に子どもの生年月日まで要らないなら、その欄が任意になっているか、空欄でも使えるかを見ておきます。集める情報が少ないほど、万一漏れたときの影響も小さくなります。

3. 運営会社はどこで、データはどこに保管されるのか

アプリを運営する会社の名前、所在地、問い合わせ先がはっきり書かれているかを確かめます。データがどの国のサーバーに保管されるのかも、プライバシーポリシーや公式サイトに書かれていることがあります。海外のサーバーに保管される場合は、その国の法律のもとで扱われることになるため、気になる場合は事前に確かめておきます。

4. 預けた情報が、外部に提供されたり広告に使われたりしないか

プライバシーポリシーとは、運営会社が集めた個人情報をどう扱うかを書いた決まりのことです。無料のアプリの中には、利用者の情報を広告に使うことで運営費をまかなっているものもあります。保護者の情報が、第三者に提供されたり、広告の配信に使われたりしないかを、プライバシーポリシーで確かめます。

5. 卒業や退会のときに、情報を削除できるのか

子どもが卒業したり転校したりした後も、保護者の情報がアプリに残り続けるのは望ましくありません。退会したときに情報が削除されるのか、グループごと削除できるのか、削除の手続きは誰がするのかを確かめます。年度の切り替えで、前の年度の名簿をどう片付けるかも、あらかじめ決めておきます。

6. 管理者の権限と、役員の交代のときの引き継ぎ

PTAや保護者会は、毎年のように役員が交代します。前の役員がアプリの管理者のまま残っていると、もう役員ではない人が、保護者全員の情報を見られる状態が続きます。管理者の権限を別の人に移せるか、前の管理者の権限を外せるかを確かめます。管理者を1人だけにせず、2人以上にしておくと、急な交代にも対応しやすくなります。

7. 子どもの写真や動画の扱い

行事の写真や動画を共有する機能があるアプリでは、子どもの写真がどこまで見られるのかを確かめます。メンバー以外が見られない仕組みか、写真のリンクを知っていれば誰でも開けてしまう仕組みかで、安全性は大きく違います。写真の保存に上限があるのか、上限を超えたら古い写真が自動で削除されるのかも、あわせて見ておきます。

学校が導入している主な連絡サービス

学校から保護者への連絡には、学校向けに作られた連絡サービスが使われています。保護者が選ぶものではありませんが、どのようなサービスがあるのかを知っておくと、学校から案内があったときに戸惑わずに済みます。ここでは、公式サイトで内容を確かめられたものを紹介します。

公立の学校が無料で使えるサービス

小中学校向けの保護者連絡ツールのtetoru(テトル)は、公式サイトで、公立のこども園、幼稚園、保育園、小中学校、義務教育学校、特別支援学校はどこでも無料で利用できると案内しています。学校や自治体から保護者への連絡の配信、保護者からの欠席連絡、学校の集金をオンラインでまとめて扱えるとされています。

長く使われているメールの連絡網

無料で使える学校向けの連絡網サービスのマチコミは、公式サイトで、2026年10月時点で全国14,699施設、登録者241万人に利用されていると案内しています。学校や教育施設のほか、自治体や教育委員会、警察署などの団体での利用もあるとされています。

保護者が自分で登録する仕組みの例

学校の連絡網に保護者が登録するときは、多くの場合、アプリを入れてから学校が配った登録用のコードなどを入力します。学校連絡網のきずなネットの保護者向けの案内では、アプリを入れた後、通知の許可、利用規約とプライバシーポリシーへの同意、住んでいる地域の設定、子どもの生年月日の入力を経て、学校の連絡網に登録する手順が示されています。

アプリの初期設定が完了したので、次からは学校連絡網の登録を行っていきます。 「きずなネット連絡網の登録はこちら」ボタンをタップします。 出典: きずなネット

このように、登録の途中で利用規約とプライバシーポリシーへの同意を求められるのが一般的です。急いでいると読まずに同意してしまいがちですが、前の節で挙げた7つの点のうち、外部への提供や広告への利用、退会のときの削除については、ここで確かめられます。

保護者向けのアプリは、アプリストアのレビューも参考になります。ログインの手間、通知の分かりやすさ、複数の学校に子どもが通っている場合の使い勝手などは、実際に使っている保護者の声から分かることがあります。不便な点があれば、学校を通じて伝えることで、改善につながる場合もあります。

学校に問い合わせるときの聞き方

学校の連絡サービスの個人情報の扱いが気になるときは、学校に問い合わせることができます。ただ、「このアプリは安全ですか」と聞いても、答える側も困ってしまいます。聞きたいことを具体的にしておくと、学校も答えやすくなります。

  1. 保護者が登録した情報を、学校のどの先生が見られるのか
  2. 登録した情報を、学校や運営会社がほかの目的に使うことはあるのか
  3. 卒業や転校のとき、登録した情報はいつ削除されるのか
  4. 子どもの写真や配布物を、保護者以外が見られることはあるのか

学校の連絡サービスは、教育委員会がまとめて契約していることもあります。その場合、学校だけでは答えられないこともあるため、教育委員会の担当の窓口を教えてもらうとよいでしょう。問い合わせは、相手を責める形ではなく、安心して使うために確かめたいという形で伝えると、話が進みやすくなります。

子どもの情報で、とくに気をつけたいこと

連絡網アプリで扱う情報のうち、子どもに関する情報は、保護者の情報以上に慎重に扱う必要があります。子ども自身は、自分の情報がどこに登録されているのかを知らず、判断することもできないからです。

名前と学校とクラスがそろうと、子どもが特定される

子どものフルネーム、通っている学校、学年とクラスがそろうと、その子どもがどこにいるのかが外部の人にも分かってしまいます。連絡網アプリに子どもの情報を登録するときは、この組み合わせが外に出ないかを、とくに気をつけて確かめます。保護者会の連絡なら、子どもの名前は下の名前だけにする、クラス内で分かる呼び方にする、といった工夫もできます。

写真に写り込む情報

行事の写真には、子どもの顔だけでなく、名札、体操服に書かれた名前、校舎や通学路の風景が写り込むことがあります。グループの中で共有する分には問題がなくても、その写真が外に出ると、子どもの名前や学校が分かってしまいます。写真を共有するアプリは、メンバー以外が見られない作りかどうかを必ず確かめ、共有する側も、名札などが写っていないかを確かめてから投稿するようにします。

送迎や下校の時刻の連絡

送迎の当番や、下校の時刻、習い事の帰りの時間のような情報は、子どもが一人になる時間を知らせることにもなります。こうした連絡は、関係する保護者だけが見られる場所でやり取りし、多くの人が見る場所には書かないようにします。

アレルギーや健康の情報

給食や行事のおやつのために、子どものアレルギーや持病を保護者会で共有することがあります。健康にかかわる情報は、扱いに特に配慮がいる情報です。必要な人だけが知っていればよい情報なので、グループ全体に流すのではなく、担当の役員が個別に預かる形にし、行事が終わったら手元の記録を処分します。

PTAや保護者会の連絡に使える選択肢

PTAやクラスの保護者会の連絡には、保護者自身が仕組みを選びます。よく使われる方法と、それぞれの個人情報の面での特徴を整理します。

LINEのグループ

もっとも手軽なのは、LINEのグループです。多くの保護者がすでに使っているため、新しく覚えることがほとんどありません。一方で、グループに入るには、誰かとLINEでつながる必要があり、グループのメンバーには表示名やアイコンが見えます。グループの中から個別に友だち追加ができてしまう点を気にする保護者もいます。

連絡が流れていく作りなので、前に決まったことや配った資料を後から探しにくく、写真もどこに保存されているのか分からなくなりがちです。役員が交代するときに、過去のやり取りをまとめて引き継ぐのも難しくなります。

メールの一斉送信

メールアドレスを集めて一斉送信する方法もあります。宛先の入れ方を間違えて、全員のメールアドレスが見える形で送ってしまう事故が起きやすいので注意が必要です。全員に送るときは、宛先を見えない形にする設定(BCC)を使うことが基本です。

無料から試せる選択肢

連絡だけでなく、行事の予定や写真まで1か所で扱いたい場合は、グループで使うことを前提に作られたアプリが向いています。その1つが、連絡と予定と写真をひとつにまとめるグループアプリのTsudoo(ツドー)です。公式サイトでは、PTA・保護者会、部活・少年団、クラスの連絡、習い事の送迎当番などの使い方が紹介されています。

公式サイトによると、グループの作成から利用までは無料で、メンバー数とグループ数に上限はありません。写真は枚数の制限なく保存でき、3分未満の動画も本数の制限なく保存できます。3分以上の動画は合計30時間まで無料で、それを超えて保存したい場合だけ、動画保存プラン(1グループあたり月額525円、税込)を申し込む仕組みです。上限を超えても、保存済みのデータが削除されることはないと案内されています。

個人情報の面では、記事の前半で挙げた確認点のいくつかについて、公式サイトに次のような記載があります。

  1. グループに入る人を、公開・承認制・招待制の3つから選べる。参加の申し込みに質問を設定し、回答を確かめてから承認できる
  2. 写真も動画も、メンバー以外は見られない。URLを知っているだけでは開けない
  3. 名簿や写真を外部の会社に提供したり、販売したりしない
  4. いつでも退会でき、グループごと削除することもできる
  5. LINEのアカウントでログインできるが、LINEはログインのときの本人確認にだけ使い、お知らせはLINEには届かない

招待コードを1つ配るだけで保護者が参加でき、保護者どうしが連絡先を教え合う必要がないことも、PTAや保護者会の連絡に向いている点です。役員が代わっても、このグループを引き継ぐだけで、過去の連絡や写真がそのまま残ります。一方で、学校から保護者への公式の連絡や、欠席連絡、集金のような学校の業務の仕組みではないため、そうした用途には学校が導入するサービスを使います。詳しい機能と料金は、Tsudooの公式サイトで確かめられます。

Tsudooは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

PTAや保護者会でアプリを導入するときの進め方

保護者会でアプリを使い始めるときは、役員だけで決めて一方的に案内するのではなく、手順を踏んで進めると、後からの反対やトラブルを防げます。

手順1. 役員会で目的と使い方を決める

まず、何のためにアプリを使うのかを役員会で決めます。行事の連絡だけなのか、写真の共有もするのか、当番の割り振りにも使うのかで、選ぶアプリも、集める情報も変わります。この段階で、記事の前半で挙げた7つの点を確かめ、候補のアプリを比べておきます。

手順2. 保護者に案内文を配る

保護者には、アプリを使う目的、登録する情報、誰が見られるのか、卒業や退会のときにどうなるのかを書いた案内文を配ります。案内文の例を挙げます。

〇〇小学校3年2組 保護者会では、行事の連絡と写真の共有に、グループアプリ「△△」を使います。 登録していただくのは、保護者のお名前(ニックネーム可)と、お子さまのお名前の2つです。電話番号やメールアドレスは、ほかの保護者には表示されません。 写真はグループのメンバーだけが見られます。年度末にグループを削除し、登録された情報も削除します。 参加は任意です。アプリを使わない方には、これまでどおり紙のお知らせでお伝えします。

最後の一文のように、アプリを使わない家庭への配慮も書いておくことが大切です。スマートフォンを持っていない保護者や、アプリの登録に不安がある保護者もいます。参加を強制せず、紙や電話での連絡も残しておくと、誰も取り残されません。

手順3. 移行の期間を設ける

いきなりこれまでの連絡方法をやめるのではなく、1〜2か月はアプリとこれまでの方法を並行して使います。重要な連絡は両方で届け、保護者がアプリに慣れたところで切り替えます。

手順4. 年度末の片付けを決めておく

年度が終わったら、グループを削除するのか、次の役員に引き継ぐのかを決めます。引き継ぐ場合は、卒業や転校で抜けた家庭の情報を整理し、管理者の権限を新しい役員に移します。この片付けを年度の初めに決めておくと、年度末に慌てずに済みます。

保護者として気をつけたいこと

連絡網アプリを使う側の保護者にも、気をつけたいことがあります。アプリの仕組みがどれだけ安全でも、使う人の行動で情報が外に出てしまうことがあるからです。

画面の写真を外に出さない

アプリの画面をスクリーンショットで保存し、ほかのグループや家族以外の人に送ると、そこに写っている保護者の名前や子どもの写真が、意図しない相手に渡ります。連絡の内容を家族に伝えたいときは、必要な部分だけを自分の言葉で伝えるようにします。

子どもの写真をSNSに投稿しない

行事の写真に、ほかの家庭の子どもが写っていることはよくあります。グループで共有された写真を、自分のSNSに投稿するのは避けます。自分の子どもだけが写っている写真でも、制服や校舎から学校が分かることがあるため、公開の範囲には注意が必要です。

端末とパスワードの管理

連絡網アプリに入っているスマートフォンを、子どもに貸したり、家族で共有したりすることもあるでしょう。その場合、子どもがほかの家庭の情報や写真を見たり、誤って投稿したりすることがあります。画面のロックをかける、アプリからログアウトしてから貸す、といった基本の対策で防げます。パスワードを使い回していると、ほかのサービスから漏れたパスワードで連絡網アプリにも入られてしまうおそれがあるため、連絡網アプリには、ほかで使っていないパスワードを設定しておくと安心です。機種変更のときは、新しい端末への引き継ぎの方法を確かめてから古い端末を手放します。

使わなくなったアプリは退会する

子どもが卒業したり、部活をやめたりしたら、そのグループから退会します。退会しないままにしておくと、もう関係のない連絡が届き続けるうえ、自分の情報もグループに残り続けます。

よくあるトラブルと、その防ぎ方

連絡網アプリをめぐるトラブルの多くは、決まりを決めないまま使い始めたことが原因です。よくある例と、防ぎ方を挙げます。

前の役員が管理者のまま残っていた

役員が交代したのに、管理者の権限を移さないまま、前の役員がすべての情報を見られる状態が続いていた、という例です。役員の交代の手順に、管理者の権限の移し替えを必ず入れておくことで防げます。

知らない人がグループに入っていた

招待用のリンクがほかのグループに転送され、関係のない人が入ってしまう例です。参加を承認制にしておき、管理者が名前を確かめてから参加を認める形にすると防げます。

個別の連絡が来て困った

グループのメンバーの一覧から、知らない保護者に個別に連絡が来て困った、という例もあります。メンバーどうしの個別の連絡ができない仕組みか、連絡先が表示されない仕組みのアプリを選ぶと、こうしたトラブルは起きにくくなります。

連絡が多すぎて大事な連絡が埋もれた

雑談と重要な連絡が同じ場所に流れ、行事の変更の連絡を見落とした、という例です。重要な連絡を上に固定できる機能を使う、雑談と連絡を別の場所に分けるといった工夫で防げます。

独自データの考察。学校と地域の連絡のデジタル化を支える仕事

学校や保護者会、地域の連絡のデジタル化は、ここ数年で大きく進みました。その裏側では、連絡のアプリを作る人、使いやすい画面を考える人、導入を手伝う人など、さまざまな仕事が生まれています。

アプリそのものを作る仕事については、アプリケーション開発のお仕事で、スマートフォンのアプリやWebのサービスを作る仕事の種類と、求められる技術を紹介しています。連絡網アプリのように、年配の保護者からITに慣れた若い保護者まで、幅広い人が使う仕組みでは、画面の分かりやすさが何より大切です。使う人の立場で画面を考える仕事は、UI/UX・アプリデザインのお仕事で取り上げています。デザインの仕事を在宅で受ける場合の単価の目安は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

学校の連絡と似た課題は、介護や福祉の現場にもあります。利用者の家族への連絡や記録の共有をデジタルにする動きについては、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で、補助金を使った導入の流れを整理しています。

在宅ワークとフリーランスの市場を長く運営してきた立場から見ると、PTAや地域の役員を経験した人が、その経験を仕事に生かしている例は少なくありません。連絡網アプリを選び、案内文を書き、年配の保護者に登録の仕方を教えた経験は、そのまま小さな団体のIT化を手伝う仕事の土台になります。そうした仕事を、仲介の手数料が乗らない形で直接引き受けると、頼む団体は限られた予算の中でも頼みやすく、引き受ける側の手取りも厚くなります。連絡網の見直しは、保護者の負担を軽くするだけでなく、関わった人が新しい仕事に出会うきっかけにもなります。

よくある質問

Q. PTAが連絡網を作るときにも、個人情報保護法は関係ありますか?

関係があります。個人情報保護委員会は、営利・非営利を問わず、個人情報を整理して活動に使っている団体は個人情報取扱事業者に当たり得るとしており、PTAや自治会、同窓会も例に挙げています。名簿や連絡網を作るときは、使い道を伝えてから本人に情報を出してもらい、名簿を配るなど本人以外に渡す場合は、原則として本人の同意を得る必要があります。

Q. 学校が使う連絡網アプリを、保護者が選ぶことはできますか?

学校から保護者への公式の連絡に使うサービスは、学校や教育委員会が選んで契約するため、保護者が選ぶことはできません。保護者は案内された方法で登録します。個人情報の扱いに不安がある場合は、学校に問い合わせて、どのような決まりで運用されているかを確かめます。PTAや保護者会の連絡は、保護者自身が使う仕組みを選びます。

Q. 連絡網アプリに登録する前に、何を確かめればよいですか?

登録した情報をほかの保護者がどこまで見られるか、登録に必要な情報は何か、運営会社はどこか、情報が外部に提供されたり広告に使われたりしないか、卒業や退会のときに削除できるか、の5つは最低限確かめます。多くは利用規約とプライバシーポリシーに書かれているので、同意する前に目を通しておくと安心です。

Q. スマートフォンを持っていない保護者がいる場合はどうすればよいですか?

アプリへの参加を強制せず、紙のお知らせや電話など、これまでの連絡方法も残しておきます。案内文に「アプリを使わない方には、これまでどおり紙でお伝えします」と書いておくと、保護者も安心して判断できます。重要な連絡は、アプリと紙の両方で届けるようにすると、誰も取り残されません。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月1日最終更新:2026年10月12日
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