Salesforce認定資格の更新手続き|期限の確認方法と維持のコツ 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
Salesforce認定資格の更新手続き|期限の確認方法と維持のコツ 2026

この記事のポイント

  • salesforce 資格更新の手続きを
  • 期限の確認方法から更新モジュールの解き方
  • 失効した場合の復活手段までまとめました

「salesforce 資格更新」と検索してこのページにたどり着いた方の多くは、おそらく次のどれかの状況にいます。Trailheadから更新期限のメールが届いて焦っている、認定資格を複数持っていてどれをいつ更新すべきか分からなくなっている、あるいは一度失効させてしまって復活方法を探している。結論から書きます。Salesforce認定資格の更新は、Trailheadの「Maintain Your Salesforce Certifications」トレイルにある該当モジュールを解いて合格するだけで完了し、費用はかかりません。ただし期限を1日でも過ぎると資格は失効し、復活には再受験(有料)が必要になります。つまり難易度ではなく期限管理が全てです。

この記事では、更新対象者の判別方法、期限の正確な確認手順、更新モジュールの中身と所要時間、失効した場合の選択肢、そして複数資格を持つ人が破綻せずに回すための運用のコツまでを、実務目線で網羅します。読み終わるころには「自分は今何をすればいいか」が一つに定まっているはずです。

Salesforce認定資格の更新制度は何がどう変わってきたのか

Salesforceの認定資格は、取得して終わりではありません。製品が年3回のメジャーリリース(Spring / Summer / Winter)で進化し続けるため、認定者の知識も同じペースで更新されている前提で設計されています。これは業界資格としてはかなり特殊で、たとえば情報処理技術者試験のように「一度受かれば生涯有効」というタイプとは思想が根本的に違います。

かつては認定資格ごとに有償のメンテナンス試験(Maintenance Exam)が用意され、受験料を払って更新する仕組みでした。現在はTrailhead上の無料モジュールを解く方式に統一されており、金銭的な負担はゼロです。この変更によって「更新料が惜しくて放置していたら失効した」というパターンは激減しました。代わりに増えたのが「無料だから後回しにしていて、気づいたら期限を過ぎていた」というパターンです。正直なところ、有償だった時代のほうが人は真面目に期限を意識していた気がします。

年3回リリースと更新サイクルの関係

Salesforceのリリースは、おおむね2月ごろにSpring、6月ごろにSummer、10月ごろにWinterという年3回のサイクルで提供されます。リリース名には翌年の年号が使われることがあるため、たとえば「Winter '26」は2025年秋に提供されるリリースを指します。この命名規則を知らないと、更新モジュールの一覧を見たときに「なぜ来年のものが並んでいるのか」と混乱します。

更新モジュールは、このリリースサイクルに紐づいて公開されます。ただし全ての認定資格が毎リリースごとに更新を要求されるわけではありません。資格の種類によって、年1回だけ更新が必要なもの、特定のリリースでのみ更新対象になるものがあります。自分の資格がどのサイクルに乗っているかは、後述するTrailhead上の管理画面で個別に確認する必要があります。ここを一般論で判断しようとすると必ずズレます。

更新が無料化されたことの実務的なインパクト

更新が無料になった影響は、個人よりも組織側で大きく出ています。従来はSalesforce認定者を複数抱える企業にとって、メンテナンス試験の受験料が地味なコスト要因でした。それがゼロになったことで、企業は「資格取得を推奨するが更新は自己責任」というスタンスから、「更新まで含めて業務時間内で回す」方向に舵を切りやすくなりました。

一方で個人の受託エンジニアやフリーランスにとっては、更新の可視性が下がったという副作用があります。請求書が発生しないイベントは意識に上りにくく、リマインドメールも他の大量の通知に埋もれます。フリーランスとして案件に出す職務経歴書に「Salesforce認定アドミニストレーター」と書いたのに、確認すると失効していた。そんな事故が起きるのは、たいていこのパターンです。

更新対象者はどう判別するのか

「自分は更新が必要なのか」を判別する方法は2つあります。一つはTrailheadの認定資格管理画面を直接見ること、もう一つはSalesforceから届く通知メールを読むことです。信頼できるのは前者だけです。メールは届かないことがあるからです。

Trailheadの認定資格ページで確認する手順

まずTrailheadにログインし、自分のプロフィールから認定資格(Certifications)のセクションに移動します。ここには取得済みの認定資格が一覧で表示され、それぞれについてステータスと次回の更新期限が表示されます。ステータスが「Active(有効)」であれば現時点で問題ありません。「Maintenance Due(更新が必要)」のような表示が出ていれば、期限までに該当モジュールを完了させる必要があります。

見落としやすいのが、複数のSalesforceアカウントを持っているケースです。転職や案件の切り替わりで別のメールアドレスでTrailheadアカウントを作ってしまい、認定資格が紐づいているアカウントと、日常的にログインしているアカウントが別物になっている。この状態だと管理画面に資格が表示されず、「更新不要なのだろう」と誤解します。認定資格はWebassessorという受験プラットフォーム側のアカウントとも紐づいているため、心当たりがある人はWebassessor側のログイン情報も確認しておくのが確実です。

通知メールを当てにしてはいけない理由

Salesforceは更新期限が近づくとリマインドメールを送ってきます。ただし、これを唯一の判断材料にするのは危険です。理由は3つあります。

1つめは、登録メールアドレスが古い場合に届かないこと。前職の会社メールで認定を取得し、退職後にアドレスを更新していないと、通知は誰も見ない受信箱に消えていきます。2つめは、迷惑メールフィルタに吸われること。Trailheadからの通知は自動送信のため、企業のメールゲートウェイの設定次第でブロックされます。3つめは、単純に他の通知に埋もれること。Trailheadは学習コンテンツの案内やイベント告知も送ってくるため、重要度の高い更新通知が視覚的に埋没します。

私自身、以前クライアント先の環境で運用改善の仕事をしていたとき、担当者の方が「更新メールなんて来ていない」と言い張るので一緒に受信箱を検索したら、3か月前の通知が未読のまま500通の下に沈んでいたことがありました。人は届いていないメールと読んでいないメールを区別できません。だからカレンダーに自分で登録するのが唯一の解です。

期限の考え方と猶予の有無

更新期限は資格ごとに設定され、管理画面に日付として明示されます。この日付は「その日までに合格していること」を意味し、当日にモジュールを開き始めても間に合わない可能性があります。モジュールの分量によっては読解と演習に数時間かかるためです。

猶予期間について期待している方も多いと思いますが、基本的にはありません。期限を過ぎた資格は失効ステータスに移行します。ただし後述の通り、Salesforce側が特定の事情でリリース更新のスケジュールそのものを変更する場合はあります。制度は変わりうるので、最終確認は必ずTrailheadの公式ページで行ってください。

更新モジュールの中身と実際の所要時間

更新モジュールは、Trailheadの「Trailmix」または「Trail」という形式でまとめられています。「Maintain Your Salesforce Certifications」というトレイルに、リリースごと・資格ごとのモジュールが格納されている構造です。

モジュールの構成要素

各モジュールは、複数のユニットに分かれています。ユニットごとに解説テキストがあり、その末尾に確認問題(クイズ)が配置されています。問題は選択式で、合格ラインは通常100%正解です。つまり1問でも間違えると再挑戦になります。ここが本試験と大きく違う点で、本試験の合格ラインは資格によりますが65%前後のことが多いのに対し、更新モジュールは全問正解を求められます。

とはいえ再挑戦の回数制限は緩く、間違えても時間を置いて再度回答できます。落とせない試験ではなく「解説をちゃんと読んだかの確認」に近い設計です。プレッシャーを感じる必要はまったくありません。

内容としては、直近のリリースで追加された機能、変更された仕様、非推奨になった機能などが中心です。アドミニストレーター資格であればフロー(Flow)の新機能や権限管理の変更、Platform Developer資格であればApexやLightning Web Componentsの新API、といった具合に、資格の守備範囲に応じた内容が出題されます。

実際にかかる時間の目安

Trailheadのモジュールには推定所要時間が表示されますが、体感としてはその表示より短く済むことが多いです。資格1つあたり、集中して取り組めば30分から60分程度が目安になります。日常的に製品を触っている人であれば、解説を流し読みしてクイズを解くだけで20分台で終わることもあります。

逆に時間がかかるのは、しばらくSalesforceを触っていない人です。用語のアップデートに追いつけず、解説を読んでも前提知識が抜けているため、リンク先のドキュメントを追いかけることになります。この場合は2時間以上見ておくべきです。ブランクがある人ほど、期限ぎりぎりに着手するのは避けてください。

更新モジュールを「作業」ではなく「学習」として扱う価値

更新モジュールを最短で通過することだけを考えると、解説を読まずにクイズだけ回して正解するまで繰り返す、という攻略も一応可能です。しかしそれは資格制度の意図を無視した使い方で、実務的には損をします。年3回のリリースで何が変わったかを短時間でまとめてくれる教材は、実は他にあまりありません。

実際に更新を経験した方の記録にも、この点への言及があります。

資格更新の流れは以上です。毎年、更新モジュールを解くことで自分のスキルもアップデートし最新の知識でSalesforceと向き合っていくことができますね。全ての機能が更新モジュールに網羅されているわけではないので、もちろん自分でも新機能をキャッチアップする必要があります。そのとっかかり、トリガーのような存在として更新モジュールを解くことはとても有意義だと感じました。 出典: note.com

「とっかかり、トリガーのような存在」という表現は本質を突いています。更新モジュールは網羅的な教材ではなく、変化の方向を知るための入口です。ここで得た手がかりから公式ドキュメントやリリースノートに進めば、キャッチアップの効率は大きく変わります。

資格ごとの更新要件の違い

Salesforceの認定資格は40種類以上あり、それぞれ更新の要件が異なります。ここを一括りに理解しようとすると必ず事故ります。

主要な認定資格のカテゴリ

大きく分けると、以下のようなカテゴリがあります。

カテゴリ 代表的な資格 主な対象者
アドミニストレーター系 Administrator / Advanced Administrator 社内システム管理者、運用担当
デベロッパー系 Platform Developer I / II Apex・LWC開発者
コンサルタント系 Sales Cloud / Service Cloud Consultant 導入支援、要件定義担当
アーキテクト系 Application Architect / System Architect 設計・全体最適担当
専門領域系 Marketing Cloud / CPQ / MuleSoft 等 製品特化の専門職

このうち、更新が最も頻繁に求められるのはアドミニストレーター系とデベロッパー系です。製品の変更が直接業務に影響する領域だからです。逆にアーキテクト系の上位資格は、下位資格の維持が前提条件になっていることがあり、「Application Architectを維持するには構成要素となる各資格を有効に保つ必要がある」といった依存関係が発生します。この依存関係を見落として下位資格を失効させると、上位資格まで巻き込まれます。

上位資格の依存関係に注意する

アーキテクト系の資格は、複数の下位資格を取得した上で認定される構造になっています。そのため、更新管理の対象は「持っている資格の数」ではなく「維持すべき資格の集合」になります。たとえばSystem Architectを保持している人は、その構成要素となっている複数の認定資格それぞれについて更新期限を追いかける必要があります。

これは正直、管理コストとして無視できません。5つ6つと資格を積み上げた人ほど、更新期限がバラバラに散らばり、年間を通じて何度もTrailheadに戻ることになります。後述する運用のコツは、まさにこの層のために書いています。

製品別資格(Marketing Cloud / MuleSoft 等)の扱い

Salesforceが買収・統合してきた製品群の資格は、更新の仕組みがコア製品と微妙に異なることがあります。Marketing CloudやMuleSoft、Tableauといった領域は、もともと別会社の認定制度だったものが統合された経緯があるためです。

Trailhead上の維持トレイルには、これらの製品についてのコンテンツも並んでいます。実際、トレイル内には次のような案内が含まれています。

MuleSoft Anypoint Platform の無料トライアルを今すぐ開始して、実際に体験してみます。 出典: trailhead.salesforce.com

こうした案内が出るのは、更新のために実環境での操作体験が推奨されているからです。読むだけで済ませられるモジュールと、実際にトライアル環境を触ることが前提のモジュールが混在している。これも所要時間が読みにくい原因の一つです。製品別資格を持っている人は、コア資格と同じ感覚でスケジュールを組まないほうが安全です。

更新を忘れて失効した場合の選択肢

ここからは、すでに失効させてしまった人向けの話です。落ち込む前に、選択肢を整理しましょう。

失効するとどうなるか

期限を過ぎた資格は「Expired(失効)」ステータスになります。実務上の影響は次の3点です。

第一に、認定者としての公式な証明が失われます。Trailheadのプロフィールや認定資格の検証ページで「有効な認定」として表示されなくなるため、案件応募時に資格保有を証明できません。第二に、上位資格の前提条件を満たさなくなる可能性があります。第三に、Salesforceパートナー企業に所属している場合、企業の認定者カウントから外れることがあります。パートナーティアの維持には一定数の認定者が必要なため、これは企業側にとって直接的な不利益になります。

社会的信用の問題としては、職務経歴書やプロフィールに「Salesforce認定アドミニストレーター」と書き続けることが虚偽記載になりかねない点が重要です。フリーランスや副業でSalesforce案件を受けている人は、ここが一番のリスクです。

復活の手段は「再受験」が基本

失効した資格を戻す方法は、原則として本試験の再受験です。更新モジュールは有効な資格に対する維持手段であって、失効したものを蘇らせる機能はありません。

再受験には受験料がかかります。資格の階層によりますが、一般的な認定資格で2万円台から4万円台、上位のアーキテクト系ではさらに高額になります。加えて、不合格時の再受験料も別途必要です。無料の更新モジュールを1時間サボった結果として数万円を払うことになる。この構図を理解しておくと、期限管理のモチベーションは上がります。

なお、失効直後の一定期間内であれば救済措置が案内されるケースがまれにあります。制度は変更されうるため、失効に気づいたらまずSalesforceのサポートに問い合わせる価値はあります。ただし期待値は低く持ってください。

再取得すべきかを冷静に判断する

失効したら必ず再取得すべきかというと、そうとは限りません。判断軸は「その資格が今の仕事に使われているか」です。

キャリアの方向が変わり、Salesforce案件から離れているなら、数万円を払って資格を戻す合理性は薄いです。逆にSalesforce案件で食べている人にとっては、資格の有無が案件単価と受注確率に直結するため、迷わず再取得すべきです。特にコンサルティングファームや導入支援ベンダーの案件では、提案書に認定者数を記載する慣行があり、有効な認定を持っていることが参画条件になっていることさえあります。

判断に迷う場合は、直近1年で自分が受けた案件のうち、Salesforceスキルが評価軸に入っていた割合を数えてみてください。半分を超えるなら再取得、ゼロに近いなら別のスキルに投資する。それだけの話です。

複数資格を破綻させずに回す運用のコツ

ここが本記事で最も実用的なパートです。資格を複数持つ人が更新で詰まないための、具体的な仕組みを提示します。

期限を「自分の側」に転記する

大原則です。Trailheadの管理画面に期限が表示されているからといって、それを見に行く習慣は続きません。期限は必ず、自分が毎日見るカレンダーやタスク管理ツールに転記してください。

推奨する登録の仕方は次の通りです。期限日そのものではなく、期限の30日前7日前の2回、終日予定として登録します。30日前は「着手の合図」、7日前は「今週中に終わらせる合図」です。期限日当日にリマインドしても手遅れになりがちなので、当日の登録は不要です。

さらに、資格が3つ以上ある人はスプレッドシートで一覧管理することをおすすめします。列は「資格名」「取得日」「次回更新期限」「対応リリース」「完了日」の5つで十分です。更新のたびに完了日を埋めていけば、次にいつ何が来るかの予測が立ちます。

リリース時期にまとめて処理する

年3回のリリースサイクルに合わせて、更新作業をまとめる方法も有効です。リリース後の一定期間に更新モジュールが公開されるため、「リリースの翌月の第1週は更新デー」と決めてしまう。この日に該当する資格をまとめて処理すれば、年3回の作業で済みます。

まとめて処理する利点は、同じリリースの内容を扱うモジュールが多いため、知識が重複して2つ目以降が速く終わることです。アドミニストレーターとデベロッパーの両方を持っている人であれば、共通する機能変更については片方で理解した内容がそのまま使えます。逆にバラバラのタイミングで処理すると、そのたびにリリースノートを読み直すことになり、トータルの時間が伸びます。

学習ログを職務経歴書に接続する

これは副業やフリーランスで案件を取っている人向けの実務テクニックです。更新モジュールを解いた際に、何を学んだかを2、3行でメモに残しておく。これを半年分ためると、職務経歴書の「継続学習」欄に書ける具体的な内容になります。

「Salesforce認定アドミニストレーターを保有」と書くだけの人と、「認定を維持しつつ、直近リリースではフローの新機能と権限セットグループの変更をキャッチアップ」と書ける人では、発注側から見た信頼度が違います。資格は保有していることより、追いかけ続けていることのほうが伝わります。

実際、私が編集の仕事で技術職の方のプロフィールを何十本と読んできた経験でも、資格名の羅列だけのプロフィールは印象に残りません。逆に「何を、なぜ学び続けているか」が1行でも書いてあると、その人の解像度が一気に上がります。更新モジュールは、そのネタを年3回自動的に供給してくれる装置でもあるわけです。

会社に所属している人は業務時間内で処理する交渉をする

資格更新は個人の趣味ではなく、業務遂行能力の維持です。会社が資格取得を推奨・支援しているなら、更新も業務時間内で行う対象に含めるべきだと交渉する余地があります。

交渉材料はシンプルです。失効すると再取得に数万円と数十時間の学習が必要になる。更新なら1時間で済む。会社にとってどちらが得かは計算するまでもありません。パートナー企業であれば認定者数がティア維持に関わるため、なおさら通りやすい話です。

資格更新をキャリア戦略に組み込む視点

ここからは、更新手続きそのものから少し視野を広げます。Salesforce資格の維持は、単なる事務作業ではなくキャリア設計の一部として扱うべきです。

Salesforceスキルの市場での位置づけ

Salesforceは業務システムの中でも、外部の専門人材に切り出されやすい領域です。理由は3つあります。設定作業が製品固有の知識に依存すること、導入後の運用改善が継続的に発生すること、そして社内に専任者を置くほどの工数がない企業が多いこと。この構造が、業務委託やスポット支援の需要を生んでいます。

エンジニア職全般の単価水準を把握しておくと、自分のポジショニングが見えやすくなります。開発系職種の報酬レンジをまとめたソフトウェア作成者の年収・単価相場では、経験年数や担当領域による幅が整理されています。Salesforce領域は汎用的な開発職と比べて、製品知識の希少性が単価に反映されやすい傾向があります。

資格そのものが年収にどう効くかについては、Salesforce認定資格の年収効果|2026年に最も稼げるSF資格ランキングで資格別の傾向を整理しています。どの資格を優先的に維持すべきか迷っている人は、こちらを判断材料にしてください。維持コストは有限なので、全部を等しく守る必要はありません。

IT系資格の更新制度は他にもある

更新が必要なIT資格はSalesforceだけではありません。ネットワーク領域の代表的な認定であるCCNA(シスコ技術者認定)にも有効期限があり、継続教育または再受験による更新が求められます。クラウド系のベンダー認定も同様に有効期限付きが主流です。

複数ベンダーの資格を持っている人は、更新カレンダーが年々混雑していきます。だからこそ「どの資格を維持し、どれを手放すか」の意思決定が必要になります。資格は資産であると同時に、維持コストのかかる負債でもある。この二面性を理解している人ほど、資格の取り方が戦略的です。

なお、技術資格以外にも実務で効く認定はあります。提案書や仕様書の質を底上げしたい人にとってはビジネス文書検定のような文書スキル系の資格が、地味に案件獲得へ効いてくることがあります。技術力が同等の候補者が2人いたとき、選ばれるのはドキュメントが読みやすいほうです。

資格を活かせる案件領域を知っておく

Salesforce資格を維持する目的が「案件を取ること」なら、どんな案件が存在するかを把握しておく必要があります。業務システムの導入支援や運用改善は、アプリケーション開発のお仕事のカテゴリに含まれる領域で、要件定義から設定、カスタム開発まで幅広い関与形態があります。

また近年増えているのが、AI活用と業務システムを接続する仕事です。既存の顧客データをどう活用するかという相談は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のような領域として立ち上がってきています。Salesforceのようなデータ基盤を理解している人材は、この文脈で強い立場に立てます。マーケティング側の運用まで見られる人であれば、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事の領域にも接続できます。

資格の更新を「面倒な義務」と捉えるか、「市場価値を維持する投資」と捉えるかで、同じ1時間の意味がまったく変わります。

運営者の視点から見た、資格と仕事の距離

在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から言えば、資格そのものが仕事を連れてくるケースは、実はそれほど多くありません。資格が効くのは「候補者が複数いて、判断材料が足りないとき」です。つまり資格は勝負を決める札ではなく、土俵に上がるための札です。

では何が実際に仕事を連れてくるのか。運営者として見てきた限りでは、長く続いている人ほど「この人に任せると楽だ」という状態を作ることに時間を使っています。返信が速い、認識のズレを先回りして潰す、依頼されていない範囲のリスクを一言添える。こうした振る舞いの積み重ねが、次の依頼を生みます。Salesforceの資格を維持している人でも、この部分が弱ければ単発で終わります。逆に、資格が失効していても継続的に指名される人はいます。

もう一つ、20年見てきて構造的に効くと感じているのが、中間マージンの有無です。同じ予算でも、間に入る手数料が乗らない直接取引では、依頼側はより多くの作業を頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。これは金額の話というより、関係の質の話です。手数料が抜かれる前提だと、受け手は単価交渉に神経を使い、依頼側は予算内で頼める範囲を削る。手数料0%の直接取引では、その削り合いが起きにくく、結果として仕事の中身に集中できる時間が増えます。資格を維持して技術を磨いた人が、その努力に見合った手取りを得られるかどうかは、実は取引の構造で決まっている部分が大きいのです。

資格更新の話に戻すと、この観点で言えば更新モジュールの真価は「最新の話ができること」にあります。クライアントとの会話で「そのリリースで挙動が変わったので、ここは確認が必要です」と言えるかどうか。この一言が積み重なって、「この人に聞けば大丈夫」という信頼になります。年3回、1時間ずつ。投資対効果としては、かなり良いほうだと思います。

独自データから見る、資格保有者の仕事の広がり方

在宅ワーク・業務委託の求人データを職種横断で見ていると、資格保有が明示的な条件になっている案件と、そうでない案件の性質の違いが見えてきます。

資格を明示的に求める案件は、発注側が技術評価をできないケースに集中しています。情報システム部門を持たない中小企業や、担当者が非エンジニアの部署です。この層では「認定資格を持っていること」が唯一の客観指標になるため、有効な認定の有無が応募段階のフィルタとして機能します。ここで失効していると、実力があってもスクリーニングを通過できません。

逆に、発注側にエンジニアがいる案件では資格の重みは下がり、過去の実装事例や設計の考え方が評価軸になります。この層を狙うなら、資格の維持よりもポートフォリオの整備に時間を使ったほうが合理的です。

つまり、自分が狙う案件層によって資格の価値は変動します。中小企業の業務改善支援を主戦場にするなら資格は必須インフラ、大手SIerの下請けや技術主導の開発案件なら資格は補助的な位置づけ。この見極めをせずに「資格は取れるだけ取る」戦略を続けると、更新のコストだけが増えていきます。

もう一つ興味深いのは、資格保有者が周辺領域に染み出していく動きです。Salesforceのアドミニストレーターとして入った人が、業務フローの整理やマニュアル整備、社内研修まで担当するケースは珍しくありません。研修領域の実例としては、介護現場のIT研修成功事例2026|職員の離職率を 40% 下げた教育のコツのような、システム導入と人材育成をセットで進めた事例が参考になります。ツールを入れるだけでは定着しないという課題は、業種を問わず共通しています。

また、専門資格を持つ人が在宅ワークに移行する際のパターンとして、税理士試験合格者の在宅ワーク事情|科目合格が武器になる理由【2026年版】のケースも構造が似ています。資格そのものより、資格取得の過程で身についた「制度を正確に読む力」が評価されるという点です。Salesforceの資格も同じで、認定試験の学習で身につく「仕様を前提から追う癖」は、資格の有効期限とは無関係に価値を持ち続けます。

文章力を伴う仕事へ広げていく道もあります。技術ドキュメントや導入事例記事の執筆は、実務を知っている人にしか書けない領域です。報酬水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できますが、専門知識を持つ書き手は一般的なライターとは別の単価帯で扱われます。Salesforceの資格を維持しながら、その知識を文章に変換できる人は、市場では相当に希少です。

最後に、更新を先送りしている方へ。この記事をここまで読んだのなら、あとはTrailheadを開いて自分の期限を確認するだけです。所要時間は5分もかかりません。そして期限が判明したら、その場でカレンダーに30日前の予定を入れてください。実際に手を動かすところまでやらないと、この記事を読んだ時間は無駄になります。

よくある質問

Q. Salesforceの資格更新に費用はかかりますか?

現在の更新はTrailhead上の無料モジュールを完了する方式のため、費用はかかりません。ただし期限を過ぎて失効した場合は本試験の再受験が必要になり、一般的な認定資格で2万円台から4万円台の受験料が発生します。無料のうちに済ませるのが圧倒的に得です。

Q. 更新期限はどこで確認できますか?

Trailheadにログインし、プロフィールの認定資格セクションを開くと、資格ごとのステータスと次回更新期限が表示されます。通知メールは届かないことがあるため、必ず管理画面で直接確認してください。認定資格が別アカウントに紐づいている可能性もあるので、心当たりがあればWebassessor側も確認します。

Q. 更新モジュールはどのくらい時間がかかりますか?

日常的にSalesforceを触っている人であれば、資格1つあたり30分から60分程度が目安です。しばらく製品に触れていない場合は用語や仕様のキャッチアップが必要になるため、2時間以上を見込んでおくと安全です。期限直前の着手は避けてください。

Q. 資格を失効させてしまった場合、更新モジュールで復活できますか?

できません。更新モジュールは有効な資格を維持するための仕組みで、失効した資格を戻す機能はありません。復活には本試験の再受験が必要です。再取得すべきかは、直近の案件でSalesforceスキルが評価軸に入っている割合を基準に判断するとよいでしょう。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月28日最終更新:2026年8月3日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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