RPAを副業にする進め方と、在宅で受けられる案件の探し方

佐々木 美月
佐々木 美月
RPAを副業にする進め方と、在宅で受けられる案件の探し方

この記事のポイント

  • ✓RPAを副業にしたい人に向けて
  • ✓副業で受ける仕事の中身
  • ✓在宅で受けやすい案件と受けにくい案件の違い

RPAの副業に関心を持つ人の多くは、本業でExcelの集計や定型的な入力作業を自動化した経験があり、「この技能は社外でも通用するのではないか」と考え始めた人です。実際、RPAの仕事は、業務の流れを理解して自動化の仕組みを作るという性質上、在宅で受けられる部分が少なくありません。一方で、顧客の社内システムや業務データに触れる仕事でもあるため、在宅で完結しにくい案件や、契約と情報管理で気をつけるべき点もはっきりあります。

この記事では、RPAを副業にするときに受ける仕事の中身を整理したうえで、在宅で受けやすい案件の見分け方、勤め先の副業ルールの確かめ方、必要なスキルと身につける順番、実績がないところから最初の案件を受けるまでの進め方、見積もりと契約で決めておくこと、情報の扱い、税金の基本までを順番に書きます。読み終えたときに、自分が次に何から手をつければよいかが分かることを目指します。

RPAとは何か、副業で受ける仕事の中身

RPAとは、Robotic Process Automationの略で、人がパソコンで行っている定型的な操作を、ソフトウェアのロボットに代わりに実行させる仕組みのことです。たとえば、メールで届いた注文の内容を販売管理のシステムに入力する、毎朝決まったWebサイトから数字を集めてExcelにまとめる、請求書のPDFを作って決まったフォルダに保存する、といった作業を自動で行わせます。

使われる道具は、UiPath、WinActor、Microsoft の Power Automate、Blue Prism、Automation Anywhere などのRPAツールです。どのツールを使うかは、依頼する企業がすでに導入しているものに合わせることが多く、副業の案件でも「UiPathの経験がある方」「WinActorでの開発経験」のように、ツール名を指定した募集がよく見られます。

副業で受けるRPAの仕事は、おおむね次のような種類に分かれます。

・新しいロボットの開発。業務の手順を聞き取り、自動化のシナリオを作って動かす ・既存のロボットの改修と保守。システムの画面が変わって止まったロボットを直す、処理を追加する ・業務の洗い出しと自動化の提案。どの作業を自動化すると効果が大きいかを整理する ・手順書や操作マニュアルの作成。社内の担当者が自分で運用できるようにする ・研修や勉強会の講師。社員がRPAツールを使えるように教える

副業を始めたばかりの人が入りやすいのは、規模の小さいロボットの開発と、既存のロボットの改修です。業務の洗い出しや提案は、業種や業務の知識と実績が求められるため、経験を積んでから広げていくのが一般的です。どのような仕事があり、どのような技能が求められるかは、RPA・業務自動化ツールのお仕事で仕事の種類ごとに確認できます。

在宅で受けやすい案件と、受けにくい案件

RPAの副業を在宅で続けられるかどうかは、案件の性質で大きく変わります。判断の目安を表にまとめます。

案件の性質 在宅での受けやすさ 理由
依頼者が用意したテスト環境で開発し、完成品を渡す 受けやすい 自分のパソコンで作業でき、本番のデータに触れずに済む
Excelやブラウザだけで完結する自動化 受けやすい 特別な社内システムへの接続が要らない
既存のロボットの改修で、画面の変更点が明確 比較的受けやすい 修正箇所が限られ、短い時間で対応できる
社内の基幹システムに接続して動かす 受けにくい 社内ネットワークへの接続や、貸与された端末が必要になることが多い
平日の日中に打ち合わせや立ち会いが多い 受けにくい 本業の勤務時間と重なる
稼働後の障害対応を即時に求められる 受けにくい 本業の最中に対応できない

副業として長く続けるには、表の上半分の案件を中心に受けることが現実的です。特に注意したいのは、稼働後の障害対応です。RPAのロボットは、対象のシステムの画面が少し変わっただけで止まることがあります。依頼する側からすれば、止まったらすぐに直してほしいのが本音です。副業で受ける場合は、「障害の連絡には翌営業日の夜までに対応する」のように、対応できる時間を最初に決めて合意しておかないと、本業との両立が難しくなります。

また、依頼する側が貸与するパソコンでしか作業できない案件や、作業のたびに事務所へ出向く必要がある案件もあります。募集の段階で作業の環境がどうなっているかを確かめてから応募してください。

副業にする前に確かめる、勤め先のルール

会社に勤めながらRPAを副業にする場合、最初に確かめたいのが勤め先の就業規則です。副業を許可制にしている会社、届出制にしている会社、禁止している会社など、扱いは会社によって違います。

厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で、会社が副業を制限できる場合について、裁判例を踏まえて次のように整理しています。

副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを制限することが許されるのは、例えば、 ① 労務提供上の支障がある場合 ② 業務上の秘密が漏洩する場合 ③ 競業により自社の利益が害される場合 ④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合 に該当する場合と解されている。 出典: mhlw.go.jp

RPAの副業で特に気をつけたいのは、2つ目と3つ目です。本業でRPAを担当している人が、本業で作ったロボットの設計や、勤め先の業務の手順を副業先で使えば、業務上の秘密の漏洩に当たるおそれがあります。勤め先と同じ業界の会社や、勤め先の取引先から副業を受ける場合は、競業の問題になる可能性もあります。副業で使ってよいのは、自分が個人として学んだ知識と技能であって、勤め先の資産ではないという線引きを意識してください。

厚生労働省のモデル就業規則では、副業・兼業の規定が設けられています。令和7年12月版のモデル就業規則では第70条にあたり、労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事できるとしたうえで、上の4つの場合に禁止や制限ができるという形になっています。自分の会社の就業規則がこれに近い形か、独自の決まりがあるかを確かめ、届出が必要なら手続きを済ませてから始めましょう。副業・兼業に関する厚生労働省の資料は副業・兼業のページにまとめられています。

なお、同じガイドラインでは、雇用されて2か所で働く場合は労働時間が通算されるのに対し、フリーランスとして業務委託で仕事を受ける場合などは、労働基準法が適用されないため労働時間は通算されないと整理されています。ただし、通算されない場合でも、過労で本業に支障が出ないように就業時間を把握することが望ましいとされています。RPAの副業を業務委託で受ける場合も、自分で作業時間の上限を決めておくことが大切です。

必要なスキルと、身につける順番

RPAの副業に必要なスキルは、ツールの操作だけではありません。フリーランス向けの案件情報サイトの解説でも、ツールの知識について次のように書かれています。

RPAの副業案件では、UiPathやBlue Prism、Automation Anywhereなど主要RPAツールの実践的な知識と使用経験が求められます。これらのツールを実践で使いこなし、設計・開発する技術が必要です。 出典: freelance-hub.jp

ツールを使いこなす力に加えて、実際の案件で求められる技能を、身につける順番に並べると次のようになります。

  1. 業務の手順を正確に聞き取り、書き出す力。自動化の対象になる作業を、一つひとつの操作の単位まで分解して書けること
  2. 1つのRPAツールの基本操作。画面の操作、Excelやファイルの読み書き、繰り返しと条件分岐
  3. エラーへの備え。画面が開かない、ファイルがない、想定外のデータが来たときにどう止まり、どう知らせるかを組み込む力
  4. Excelの関数や、VBA、簡単なスクリプトの知識。RPAツールだけでは手間がかかる処理を補える
  5. 手順書と設計書を書く力。依頼者が自分で運用や修正をできるようにする文書を残せること

1番目の聞き取りと書き出しの力は、RPAツールを触る前から鍛えられます。普段の自分の仕事を、画面のどこをクリックし、何を入力し、どこで判断しているかまで書き出してみてください。書き出した手順に抜けがなければ、そのままロボットの設計の下書きになります。

特に3番目と5番目は、初心者と経験者の差が出やすいところです。動けばよいという作り方をしたロボットは、運用が始まってから止まりやすく、依頼者の信頼を失います。止まったときに原因がすぐ分かるように記録を残す、止まったら担当者に通知する、といった作り込みができると、評価が大きく変わります。

プログラミングの知識が深い人ほど、RPAツールでは手間のかかる処理をスクリプトで補ったり、システムの外部連携の仕組みを使ったりと、提案できる幅が広がります。ソフトウェアの開発に携わる人の収入の目安はソフトウェア作成者の年収・単価相場にまとめられているので、RPAから開発の仕事へ広げるかどうかを考える材料になります。

実績がないところから、最初の案件を受けるまで

本業でRPAを使っていても、社外に見せられる実績がないことは少なくありません。勤め先で作ったロボットは勤め先のものなので、そのまま見本として出すことはできません。最初の案件を受けるまでの進め方を、順番に書きます。

自分用の見本を作る

まず、公開されているデータや自分で用意した架空のデータを使って、見本のロボットを2つか3つ作ります。題材は、多くの事務職が抱えていそうな作業にすると、依頼する側が自分の業務に置き換えて想像しやすくなります。たとえば、複数のExcelファイルを1つの集計表にまとめる、Webサイトの一覧から決まった項目を集めて表にする、PDFの請求書から金額と日付を読み取って一覧にする、といった題材です。

見本は、動いている様子を短い動画にし、何の作業を何分から何分に短くしたのか、エラーのときにどう動くのかを説明する文章を添えます。依頼する側はRPAに詳しくないことも多いので、技術の説明よりも「何が楽になるか」が伝わる見せ方が大切です。

小さな案件から受ける

最初は、既存のロボットの小さな修正や、Excelの作業の自動化など、範囲がはっきりした案件から受けます。小さな案件でも、納期を守り、手順書をきちんと残し、運用開始後の質問に丁寧に答えると、次の案件につながります。評価が積み重なると、より大きな案件の募集でも選ばれやすくなります。

自分の得意な業務の分野を決める

経理、人事、営業事務、物流など、自分が本業で経験してきた業務の分野があれば、それを前面に出します。RPAの案件では、ツールの技能と同じくらい、業務そのものの理解が求められます。「経理の月次処理の自動化が得意」のように分野を絞ると、同じ分野の依頼が集まりやすくなります。

依頼者への聞き取りで使う質問

RPAの案件の出来は、最初の聞き取りでほぼ決まります。依頼者は、毎日当たり前に行っている作業ほど細かい手順を説明しないものです。聞き取りでは、次のような質問で手順を一つずつ確かめていきます。

・その作業は、いつ、どのくらいの頻度で行っていますか ・作業のきっかけは何ですか(メールが届いたら、毎朝9時に、など) ・使っているシステムやファイルはどれですか。画面を見せてもらえますか ・入力するデータはどこから来ますか。形式はいつも同じですか ・例外はありますか。いつもと違うデータが来たときは、どう判断していますか ・作業が終わったら、結果を誰に、どのように知らせていますか ・作業を間違えたとき、どのような影響がありますか

特に大切なのは、例外の扱いを聞くことです。普段の手順は自動化できても、「この取引先だけは別の欄に入力する」「金額が一定以上なら上司に確認する」といった例外が多い作業は、すべてを自動化しようとすると開発の手間が大きくなります。例外が出たら人に知らせて止める設計にするか、例外まで自動化するかを、依頼者と一緒に決めます。

聞き取りの内容は、その場で業務の流れ図や手順の一覧にして依頼者に確認してもらいます。文書にして合意しておけば、後から「この手順も含まれていると思っていた」という行き違いを防げます。

手順書と設計書に書くこと

RPAの案件で納品物の質を左右するのが、手順書と設計書です。依頼者の社内の担当者が、開発した人がいなくてもロボットを動かし、簡単な修正ができる状態を目指して書きます。

設計書に書く主な項目は、ロボットが何をするのか、どのファイルやシステムを使うのか、処理の流れ、例外が起きたときの動き、記録が残る場所です。処理の流れは、文章だけでなく流れ図にすると、RPAに詳しくない人にも伝わりやすくなります。

手順書には、ロボットを動かす方法、止める方法、止まったときに最初に確かめること、問い合わせ先を書きます。止まったときの確かめ方は、「記録のファイルを開き、最後の行のエラーの内容を見る」のように、画面の名前とボタンの名前まで具体的に書くと、担当者が迷いません。

文書を書くのが苦手な人ほど、この部分で評価に差がつきます。依頼者の社内でロボットが使われ続けるかどうかは、文書の分かりやすさで決まると言っても言い過ぎではありません。

本業と両立するための時間の組み立て

RPAの副業を本業と両立させるには、使える時間を先に決め、その範囲で受ける案件を選ぶことが欠かせません。

平日の夜に1日2時間、週末に1日4時間を使えるとすると、1週間で使える時間は合計で18時間ほどになります。ここから打ち合わせや連絡の時間を差し引いた残りが開発に使える時間です。この時間で収まる案件の大きさを見積もり、納期を設定します。

依頼者との打ち合わせは、平日の夜や週末に設定してもらえるかを最初に確認します。日中の打ち合わせを求められる案件は、本業の休みを取る必要が出てくるので、副業としては負担が大きくなります。連絡の手段は、メールやチャットで文章のやり取りを中心にしてもらうと、自分の都合のよい時間に返信できます。

本業が忙しい時期、たとえば決算期や繁忙期には、副業の受付を止める判断も必要です。依頼者には、あらかじめ「この時期は新しい依頼をお受けできません」と伝えておくと、関係を損なわずに済みます。

RPAツールの学び方

RPAツールを学ぶときは、最初から複数のツールに手を広げず、1つのツールで「業務を1つ自動化して最後まで動かす」経験を積むことを優先します。

ツールを選ぶ基準は、自分が受けたい案件で使われているかどうかです。案件の募集を眺めて、どのツールの名前がよく出てくるかを確かめてから選ぶと、学んだ内容がそのまま応募につながります。本業の勤め先で使っているツールがあれば、それを個人でも学び直すのが近道です。ただし、勤め先のライセンスや環境を副業の学習に使うのは避け、ツールの提供元が個人向けに用意している学習用の環境や試用の仕組みを使います。利用の条件は提供元の公式ページで確かめてください。

多くのツールの提供元は、公式の学習コンテンツや認定の仕組みを用意しています。認定を取ると、案件の応募で一定の知識があることを示す材料になります。とはいえ、依頼する側が最終的に見るのは、実際に動く見本と、聞き取りから納品までを任せられるかどうかです。認定は見本と組み合わせて示すと効果が上がります。

学ぶ題材は、自分の身の回りの作業から選ぶと続けやすくなります。家計簿の集計、趣味の記録の整理、決まったWebサイトの情報の収集など、毎週くり返している作業を自動化してみると、例外の扱いやエラーへの備えの大切さを実感できます。

単価の考え方

RPAの副業の報酬は、案件の規模や求められる技能、作業の範囲によって大きく変わるため、一律の相場を示すことはできません。ここでは、自分の単価を考えるときの視点を整理します。

1つ目は、作業時間から逆算する考え方です。聞き取りから納品までにかかる時間に、自分が受け取りたい時間あたりの金額を掛けて見積もります。最初のうちは見積もりより時間がかかるので、実際の時間を記録して見直します。

2つ目は、依頼者にとっての効果から考える方法です。ロボットによって毎月何時間の作業が減るのかを依頼者と一緒に確かめておくと、報酬の妥当性を説明しやすくなります。効果を数字で示せる案件ほど、依頼者も予算を確保しやすくなります。

3つ目は、保守の契約を分けて考えることです。開発の報酬とは別に、月ごとの保守や改修の対応を契約にしておくと、収入が安定しやすくなります。ただし、副業で保守を受ける場合は、対応できる時間の範囲を契約に書いておくことが前提です。

在宅で受けられる案件の探し方

RPAの副業案件を探す方法は、主に次の4つです。

1つ目は、クラウドソーシングのサービスです。小さな自動化の依頼が多く、実績を作り始める段階に向いています。手数料の率や支払いの条件は、サービスごとに公式ページで確認してください。

2つ目は、フリーランス向けの案件紹介サービスです。週2日から3日の稼働を前提とした案件や、リモートでの参加を認める案件が掲載されていることがあります。ただし、平日の日中の稼働を求める案件も多いので、本業との両立ができる条件かをよく確かめます。

3つ目は、人とのつながりです。以前の職場の同僚や、勉強会やコミュニティで知り合った人から、自動化の相談を受けることがあります。勤め先の取引先から直接依頼を受ける場合は、前の節で書いた競業の問題に注意してください。

4つ目は、自分の発信です。作った見本や、RPAで工夫した点を、SNSやブログで発信しておくと、それを見た人から問い合わせが来ることがあります。発信は時間がかかる方法ですが、手数料のかからない直接の依頼につながりやすい方法でもあります。

どの方法で探す場合も、募集の内容をよく読みます。厚生労働省は、SNSなどでフリーランスを募集する際に、募集する人の氏名または名称、住所、連絡先、業務の内容、業務に従事する場所、報酬の6つを記載しない募集は、フリーランス法に違反する誤解を生じさせる表示に当たると示しています。依頼主の名前や連絡先が分からない募集には応募しないでください。

副業そのものをどう組み立てるか、本業とのバランスをどう取るかに迷うときは、キャリア・副業・人生相談のお仕事で、キャリアや副業の相談を受ける仕事の内容も確認できます。相談する側として利用できるサービスを探すときの参考にもなります。

見積もりと契約で決めておくこと

RPAの副業で揉めやすいのは、作業の範囲と、納品後の扱いです。見積もりと契約の段階で、次の点を決めておきます。

・自動化する作業の範囲。どの業務の、どの手順からどの手順までを自動化するか ・納品物。ロボットのファイル、設計書、手順書、テストの結果など ・テストの方法。誰が、どの環境で、どのデータを使って動作を確かめるか ・修正の期間と範囲。納品後どのくらいの期間、どこまでの不具合を無償で直すか ・仕様の変更への対応。途中で作業の範囲が変わったときの扱いと、追加の費用 ・保守の契約。運用開始後の改修や障害対応を別の契約にするか ・RPAツールのライセンス。ツールの利用料を誰が負担し、誰の名義で使うか ・秘密の保持。業務の内容やデータを外に出さないことを約束する取り決め

企業から業務委託で仕事を受ける場合、フリーランス法が関係します。厚生労働省は、この法律で発注する事業者に、取引条件の明示や、給付を受領した日から原則60日以内での報酬の支払いなどが義務付けられていると説明しています。詳しくは厚生労働省のフリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へのページで確認できます。会社員が副業として事業者から業務委託を受けている場合も、この法律で守られる対象に含まれるとされています。

見積もりの金額は、作業の時間から逆算して決めます。聞き取り、設計、開発、テスト、手順書の作成、打ち合わせの時間を合計し、副業で使える週あたりの時間で割ると、納期の目安も出ます。最初の数件は見積もりより時間がかかるのが普通なので、実際にかかった時間を記録し、次の見積もりに反映させます。

情報の扱いとセキュリティ

RPAの仕事では、顧客の業務データや、システムにログインするためのIDとパスワードを扱う場面があります。副業として在宅で受ける場合、情報の扱いには特に注意が必要です。

まず、顧客から預かったデータやログイン情報は、作業に必要な範囲だけで使い、作業が終わったら決められた方法で削除します。ロボットの中にパスワードをそのまま書き込むのは避け、ツールが用意している認証情報の管理の仕組みを使います。

次に、作業に使うパソコンの管理です。家族と共有しているパソコンで顧客の作業をするのは避けます。OSとソフトウェアを最新の状態に保ち、画面のロックとパスワードを設定し、ウイルス対策を入れておきます。公共の無線LANから顧客のシステムに接続するのも避けるべきです。

そして、本業の情報と副業の情報を混ぜないことです。本業の会社のパソコンで副業の作業をする、本業のメールアドレスで副業の依頼主とやり取りする、といったことは、情報の漏洩だけでなく、勤め先との信頼関係を損なう原因になります。情報の守り方やセキュリティの仕事に関心がある人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で関連する仕事の内容も確かめておくと、提案の幅を広げる材料になります。

税金と手続きの基本

RPAの副業で収入を得たら、税金の手続きも自分で行う必要があります。

会社員の場合、国税庁は、給与を1か所から受けていて給与の全部が源泉徴収の対象になっている人について、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になるとしています。所得とは、収入から経費を引いた額のことで、RPAの副業なら、作業用のパソコンやソフトウェアの費用、通信費の一部などが経費になり得ます。詳しくは国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人のページにあります。20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあるので、住所地の市区町村に確認してください。

副業を事業として続けていくなら、税務署に開業届を出すことを検討します。国税庁の案内では、開業届の提出時期は、事業を始めた日が属する年分の確定申告期限までとされています。青色申告をしたい場合は、別に青色申告承認申請書が必要で、こちらは期限が短いので注意してください。副業の所得をどの区分で申告するかは、収入の規模や継続性で変わるため、迷う場合は税務署の相談窓口で確認します。

続く人と、つまずく人の違い

RPAの副業を続けている人には、いくつかの共通点があります。

1つ目は、受ける案件の範囲を自分で決めていることです。何でも受けるのではなく、自分のツールと得意な業務の分野に合う案件、在宅で完結する案件に絞っています。断る基準があるので、本業との両立が崩れにくくなります。

2つ目は、納品物の質にこだわっていることです。ロボットが動くだけでなく、手順書と設計書がそろっていて、依頼者が自分で運用できる状態で納めます。この丁寧さが、次の依頼や紹介につながります。

3つ目は、自分の作業時間を記録していることです。見積もりの精度が上がり、時間あたりの収入を把握できるので、受けるべき案件と受けるべきでない案件の判断がつきやすくなります。

反対に、つまずきやすいのは、障害対応の取り決めをしないまま受けてしまい、本業の時間に呼び出される人、作業の範囲を決めずに受けて、追加の依頼が積み重なる人、本業の情報と副業の情報の線引きが曖昧な人です。どれも、契約の段階で防げることばかりです。

もう1つ、つまずきの原因になりやすいのが、技能の幅を広げようとしすぎることです。新しいツールが出るたびに学び直していると、どれも中途半端になり、見本も実績もそろいません。まずは1つのツールと1つの業務の分野で「この人に頼めば確実」と言われる状態を作り、そのうえで依頼者の求めに応じて隣のツールや分野へ広げていく。この順番を守る人ほど、副業としての評価が早く固まります。

RPAの技能を、在宅の仕事として育てていく

フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、業務の自動化は、依頼する側の効果が数字で見えやすい仕事です。毎月何時間かかっていた作業が何分になったのかを示せる人は、依頼する側から見て「この人に任せると楽になる」存在になり、関係が長く続きます。単発の開発で終わらせず、運用の相談や次の自動化の提案まで続けて任されるようになると、副業の収入は安定していきます。

運営者として見てきた限りでは、仲介の手数料がかからない直接の取引で依頼を受けられる関係を持っている人ほど、同じ報酬額でも手元に残る金額が厚くなります。依頼する側にとっても、中間の手数料がない分、同じ予算でより多くの自動化を頼めます。手数料0%の直接取引は、双方が得をする形です。最初は小さな案件で実績を作り、評価をくれた依頼主との関係を直接の取引として育てていく。その積み重ねが、RPAを本業と両立できる副業として続けていくための土台になります。仕事の種類と求められる技能をあらためて整理したいときは、RPA・業務自動化ツールのお仕事を見返して、次に身につける技能を決めてください。

よくある質問

Q. RPAの副業は未経験でも始められますか?

RPAツールの操作を学ぶだけなら未経験からでも始められますが、副業の案件で求められるのは、業務の手順を聞き取って書き出す力、エラーに備えた作り込み、手順書を残す力です。まずは公開データや架空のデータで見本のロボットを2つか3つ作り、動画と説明を添えて見せられる状態にしてから、小さな修正や範囲のはっきりした案件に応募すると進めやすくなります。

Q. 本業で作ったRPAのロボットを副業の見本に使ってもよいですか?

本業で作ったロボットや業務の手順は勤め先のものなので、副業の見本や副業先での開発に使うのは避けてください。厚生労働省のガイドラインでも、業務上の秘密の漏洩や競業による利益の侵害は、会社が副業を制限できる場合として挙げられています。見本は公開データや自分で用意した架空のデータで作り直しましょう。

Q. 在宅で受けやすいRPAの案件はどのようなものですか?

依頼者が用意したテスト環境で開発して完成品を渡す案件、Excelやブラウザだけで完結する自動化、修正箇所が明確な既存ロボットの改修などは在宅で受けやすい傾向があります。社内の基幹システムへの接続が必要な案件、平日日中の立ち会いが多い案件、稼働後の即時対応を求められる案件は、副業では両立が難しくなります。

Q. RPAの副業で確定申告は必要ですか?

国税庁は、給与を1か所から受けていて全部が源泉徴収の対象になっている会社員について、給与と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要としています。所得は収入から経費を引いた額です。20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあるので、住所地の市区町村に確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年10月2日
佐々木 美月

この記事を書いた人

佐々木 美月@SOHO編集部

通訳・翻訳フリーランス

外資系メーカーで通訳として8年間勤務後、フリーランスに転身。TOEIC 980点、英検1級、TOEFL 110点。語学資格の活かし方や翻訳フリーランスの実務について発信しています。

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