【重要】PHPの脆弱性、うちのサイトは大丈夫?今すぐチェック

提言書の書き方|課題と改善案を伝える構成と例

@SOHO編集部
@SOHO編集部
提言書の書き方|課題と改善案を伝える構成と例

この記事のポイント

  • ✓提案書や報告書との違い
  • ✓改善案と期待する効果の書き方
  • ✓データの使い方まで順番に解説します

提言書は、ある課題について、現状を調べたうえで「こうすべきだ」という改善の方向を、判断する立場の人に伝える文書です。提案書が自分たちの商品やサービス、企画を採用してもらうことを目的にするのに対し、提言書は、組織や社会の課題をどう解決するかという考えを示し、意思決定の材料にしてもらうことを目的にします。この記事では、提言書と似た文書との違い、基本の構成、要旨の書き方、課題と原因の示し方、改善案と期待する効果の書き方、データの使い方、読み手に受け入れてもらうための言葉づかいまでを順番に説明し、社内の業務改善を題材にした例文で具体的に示します。提言が採用されたあとに、実行の段取りを担当と期限つきで進めるための道具としてPinatecaのような道具の使いどころにも後半で触れます。

提言書とは何か

提言書とは、ある課題について調べた結果をもとに、解決のための方向や具体的な案を、判断や決定をする立場の人に向けて示す文書のことです。「提言」は、考えや意見を相手に申し出ることを意味する言葉で、単に問題を指摘するだけでなく、どうすればよいかという改善の方向を含むのが特徴です。

提言書が作られる場面には、次のようなものがあります。

  • 社内の提言。現場の担当者や委員会が、経営陣や上層部に、業務の改善や制度の見直しを申し出る
  • 業界団体の提言。団体が、行政や関係する機関に、制度や規制の見直しを求める
  • 有識者会議や研究機関の提言。専門家が調査の結果をもとに、政策の方向を示す
  • 地域の組織の提言。自治会や学校の保護者の会などが、地域の課題の解決策を自治体や学校に申し出る

どの場面でも共通しているのは、提言書を書く人は、決定をする立場ではないということです。決めるのは提言を受け取った側で、書く側は、判断の材料を分かりやすく示し、「この方向に進むべきだ」と納得してもらうことを目指します。そのため、提言書では、自分の意見の正しさを主張することより、読み手が判断しやすいように事実と根拠を整理して示すことが大切になります。

提案書・企画書・報告書との違い

提言書は、提案書、企画書、報告書と似ているため、混同されやすい文書です。違いを整理しておくと、何を書くべきかがはっきりします。

文書 目的 中心になる内容 読み手の例
提言書 課題の解決の方向を示し、判断の材料にしてもらう 現状と課題、原因、改善の方向、期待する効果 経営陣、行政、上位の組織
提案書 自分たちの商品やサービス、企画を採用してもらう 相手の課題、解決策としての自分たちの案、費用、実績 取引先、社内の決裁者
企画書 新しい企画の中身を示し、実行の許可を得る 企画の目的、内容、進め方、予算、日程 社内の決裁者
報告書 起きたことや調べた結果を正確に伝える 事実、経過、結果 上司、関係者

報告書との違いは、改善の方向を含むかどうかです。報告書は、事実と結果を伝えることが目的で、書き手の意見は最小限にとどめます。提言書は、事実を踏まえたうえで、「だからこうすべきだ」という考えを示します。

提案書との違いは、誰のための案かという点です。提案書は、自分たちの商品や企画を採用してもらうことで、自分たちにも利益がある案を示すことが多い文書です。提言書は、組織全体や社会の課題を解決するための考えを示すもので、書き手自身の利益とは切り離して書くことが求められます。

実際には、社内で「提言書」と「提案書」が厳密に分けて使われていないこともあります。社内の決まりや、求められている文書の形式を先に確かめ、それに合わせて書きます。

書き始める前に決めること

提言書を書き始める前に、次の4つを決めておきます。

1つ目は、誰に向けて書くかです。経営陣に向けるのか、部長に向けるのか、自治体の担当課に向けるのかで、使う言葉と、詳しく書くべき部分が変わります。読み手がその課題についてどのくらい知っているかを考え、前提の説明をどこまで入れるかを決めます。

2つ目は、読み手に何を決めてほしいかです。「新しい仕組みを導入するかどうか」「予算を付けるかどうか」「検討の場を設けるかどうか」のように、提言書を読んだあとに読み手にしてほしい判断を、1つに絞ります。判断してほしいことがあいまいだと、読み手は「で、何をすればいいのか」と迷ってしまいます。

3つ目は、提言の範囲です。課題が大きい場合、すべてを1つの提言書で解決しようとすると、焦点がぼやけます。今回はどの課題について、どこまでの改善を求めるのかを決めます。

4つ目は、提出の期限と形式です。会議の資料として配るのか、正式な文書として提出するのか、分量の決まりはあるのかを確かめます。経営の会議の資料なら、本文は数ページにとどめ、詳しいデータは別の資料に回す、といった判断が必要になります。

提言の材料を集める調べ方

提言書の中身は、書き始める前にどれだけ材料を集められたかで決まります。材料を集めるときは、次の3つの方向から調べます。

1つ目は、社内の記録です。業務の記録、問い合わせの履歴、売上や費用の数字、過去の会議の資料など、組織の中にある記録から、現状を示す事実を集めます。記録が整っていない場合は、一定の期間を決めて、件数や時間を記録してもらうことから始めます。2週間から1か月ほどの記録でも、現状を示す材料として十分に役立ちます。

2つ目は、関係者の声です。業務を行っている担当者、サービスを使っているお客様、関わりのある部署の人などから、話を聞きます。聞き取りでは、「困っていることは何か」だけでなく、「最近あった具体的な出来事」を話してもらうと、事実に基づいた材料が集まります。アンケートを使う場合は、質問の数を絞り、答えやすい形にします。

3つ目は、外部の資料です。同じ課題について、ほかの組織がどう取り組んでいるか、公的な統計で全体の傾向がどうなっているかを調べます。国の統計は、政府の統計の窓口であるe-Statで探せます。業界団体や公的な機関が公表している調査の報告書も、根拠として使いやすい資料です。

集めた材料は、「事実」「関係者の声」「外部の資料」に分けて整理しておくと、書くときにどの材料をどこで使うかを決めやすくなります。材料を集めるうちに、最初に考えていた原因とは別の原因が見えてくることもあります。その場合は、思い込みにこだわらず、材料が示す方向に提言を組み直します。

提言書の基本の構成

提言書の構成は、組織や場面によって違いますが、一般には次のような項目で組み立てます。

  1. 表題。何についての提言かが分かる題名
  2. 宛先と提出者と日付。誰から誰への提言か、いつ出したか
  3. 要旨。提言の結論と理由を、数行で示したもの
  4. 背景。なぜこの課題を取り上げたのか
  5. 現状と課題。今どうなっていて、何が問題なのか
  6. 原因。なぜその課題が起きているのか
  7. 提言(改善の案)。どうすべきか
  8. 期待する効果。提言を実行すると、何がどう良くなるのか
  9. 実行の進め方。誰が、いつまでに、何をするのか
  10. 費用と注意点。必要な費用、起こりうる問題とその対策
  11. 結び。読み手に判断してほしいことを、もう一度示す
  12. 添付の資料。調査の結果、データの詳細など

この構成の考え方は、「結論を先に示し、そのあとで理由と根拠を示す」というものです。忙しい読み手は、最初の1ページで読み続けるかどうかを決めます。要旨の段階で、何を求めているのかが分かるようにしておくことが大切です。

すべての項目を必ず入れる必要はありません。短い社内の提言なら、要旨、現状と課題、原因、提言、期待する効果、実行の進め方の6つほどで十分なこともあります。

表題と要旨の書き方

表題は、何についての提言なのかが一目で分かるように書きます。「業務改善についての提言」のような広すぎる表題より、「問い合わせ対応の回答時間を短縮するための提言」のように、課題と目指す方向が分かる表題にすると、読み手はすぐに内容をつかめます。

要旨は、提言書の中で最も大切な部分です。読み手が要旨だけを読んで判断することもあるため、要旨だけで提言の全体が伝わるように書きます。要旨には、次の3つを入れます。

  • 課題。何が問題なのか
  • 提言。どうすべきか
  • 理由と効果。なぜそうすべきか、実行すると何が良くなるか

要旨の例を示します。

「当社の問い合わせ対応では、回答までに平均3営業日を要しており、お客様からの苦情の多くがこの遅れに関するものです。原因は、問い合わせが担当者の個人のメールに届き、対応の状況が共有されていないことにあります。そこで、問い合わせの受付を共通の窓口に一本化し、対応の状況を全員で確かめられる仕組みを導入することを提言します。これにより、回答までの日数を1営業日以内に短縮し、対応の漏れをなくすことが期待できます。」

要旨は、本文を書き終えてから最後に書き直すのがこつです。本文を書くうちに、提言の中身や理由が変わることがあるため、最後に本文と食い違いがないかを確かめながら仕上げます。

背景と現状の書き方

背景では、なぜこの課題を取り上げたのかを説明します。読み手がその課題についてよく知らない場合は、課題が生まれた経緯や、組織の方針との関係を短く書きます。たとえば、「当社は今年度の重点の目標として、顧客の満足度の向上を掲げています」と書けば、提言が組織の方針に沿ったものであることが伝わります。

現状では、今どうなっているのかを、事実で示します。ここで大切なのは、意見と事実を分けて書くことです。「対応が遅い」は意見ですが、「回答までに平均3営業日を要している」は事実です。読み手が判断するには、意見より事実が必要です。

現状を示す事実には、次のようなものを使います。

  • 数字。件数、時間、費用、割合など
  • 比較。過去と今、他の部署や他の組織との比べ
  • 具体的な事例。実際に起きた出来事
  • 関係者の声。お客様や担当者からの意見(誰の声か、何件あったかを添えて)

数字を使うときは、出どころと時期を明記します。「昨年4月から9月までの問い合わせ記録612件をもとに集計」のように書いておくと、読み手は数字の信頼性を判断でき、確かめたいときに元の記録をたどれます。

課題と原因の示し方

現状を示したら、何が課題なのかを明確にします。課題とは、あるべき姿と現状の差のことです。「回答までの日数が長い」だけでは、どこまで短くすればよいのかが分かりません。「お客様が期待する1営業日以内の回答に対し、現状は平均3営業日を要している」のように、あるべき姿と現状を並べて示すと、課題の大きさが伝わります。

課題を示したら、その原因を探ります。提言書で最も説得力を左右するのが、この原因の分析です。原因を正しく突き止めないまま改善の案を出しても、読み手は「それで本当に解決するのか」と疑問を持ちます。

原因を探るときは、「なぜ」を繰り返す方法が役立ちます。

  • なぜ回答が遅れるのか。担当者が問い合わせに気づくのが遅れるから
  • なぜ気づくのが遅れるのか。問い合わせが担当者の個人のメールに届き、ほかのメールに埋もれるから
  • なぜ個人のメールに届くのか。窓口のアドレスが決まっておらず、お客様が過去にやり取りした担当者に直接送っているから

このように掘り下げていくと、表面の現象の奥にある原因にたどり着きます。原因が複数ある場合は、影響の大きいものから順に示し、提言でどの原因に対処するのかをはっきりさせます。

原因を書くときは、特定の個人の責任にしないことが大切です。「担当者の確認が遅い」と書くと、担当者を責める文書になり、関係者の協力が得られにくくなります。「確認の仕組みが決まっていない」のように、仕組みや手順の問題として書きます。

提言(改善の案)の書き方

原因が示せたら、それに対する改善の案を書きます。提言の部分は、次の点を意識して書きます。

1つ目は、原因と結び付けることです。改善の案は、前の項で示した原因を取り除くものでなければなりません。「問い合わせが個人のメールに届く」という原因には、「受付を共通の窓口に一本化する」という案が対応します。原因と案の対応が見えるように書くと、読み手は案の妥当性を判断しやすくなります。

2つ目は、具体的に書くことです。「対応の仕組みを改善する」では、何をすればよいかが分かりません。「問い合わせの受付を共通のアドレスとフォームに一本化し、届いた問い合わせごとに担当者と対応の状況を記録する」のように、誰が何をするのかが分かる程度まで書きます。

3つ目は、選択肢を比べることです。改善の方法が複数考えられる場合は、それぞれの案の利点と欠点、費用を比べたうえで、なぜその案を選んだのかを示します。読み手は「ほかの方法はなかったのか」と考えるものです。比べた結果を示しておくと、提言の説得力が増します。

4つ目は、段階を示すことです。大きな改善は、一度に実行するのが難しいことがあります。「まず1つの部署で3か月試し、効果を確かめてから全社に広げる」のように段階を示すと、読み手は判断しやすくなります。

期待する効果の書き方

提言を実行すると何が良くなるのかを、できるだけ具体的に示します。読み手が判断するときに最も知りたいのは、提言を受け入れることで得られるものです。

効果は、次のような形で書きます。

  • 数字で示す。「回答までの日数を平均3営業日から1営業日以内に短縮する」「対応の漏れを月10件から0件にする」
  • 費用の面で示す。「残業の時間を月20時間減らし、年間で約60万円の人件費を抑える」
  • 質の面で示す。「お客様の満足度の向上」「担当者の負担の偏りの解消」

数字で示す場合は、その数字の根拠も書きます。「他の部署で同じ仕組みを導入した際に、回答までの日数が半分になった」「導入している同業の会社の公開の事例では」のように、根拠を添えると、効果の見込みに説得力が出ます。根拠のない数字は、かえって信頼を損ないます。

効果を大きく見せようとして、実現が難しい数字を書くのは避けます。提言が採用されたあとに、効果が見込みより小さかった場合、次の提言を信用してもらえなくなります。控えめな見込みと、うまくいった場合の見込みを分けて示す方法もあります。

実行の進め方と費用の書き方

提言を受け入れてもらうには、実行できることを示す必要があります。実行の進め方では、誰が、いつまでに、何をするのかを示します。

たとえば、次のように書きます。

  1. 1か月目。共通の窓口のアドレスとフォームを用意し、受付の手順を決める(担当:カスタマーサポート課)
  2. 2か月目から4か月目。カスタマーサポート課で試しに運用し、回答までの日数と漏れの件数を記録する
  3. 5か月目。試しの運用の結果を報告し、全社に広げるかを判断していただく

日程は、表やガントチャートの形で示すと、読み手は全体の流れをつかみやすくなります。

費用は、必要になるものを項目ごとに示します。仕組みの導入の費用、毎月の利用料、担当者の作業の時間、研修の時間など、お金と人の時間の両方を書きます。費用がかからない案であっても、担当者の時間がどのくらい必要かを示しておくと、読み手は負担を判断できます。

注意点として、提言を実行したときに起こりうる問題と、その対策も書いておきます。「新しい手順に慣れるまで、一時的に対応の時間が延びる可能性がある。最初の2週間は、従来の方法と並行して運用する」のように書くと、読み手は安心して判断できます。問題を隠さずに示すことは、提言の信頼を高めることにつながります。

結びの書き方

結びでは、読み手に判断してほしいことを、もう一度はっきり示します。本文を読んだあとで、読み手が「では、何を決めればよいのか」と迷わないようにするためです。

結びの例を示します。

「以上の理由から、問い合わせの受付の一本化と、対応の状況を共有する仕組みの導入を提言いたします。つきましては、カスタマーサポート課での3か月の試しの運用について、ご承認をいただけますようお願い申し上げます。試しの運用の結果は、5か月目の会議でご報告いたします。」

結びの言葉は、読み手との関係に合わせて調整します。社内の上位の役職者に宛てる場合は丁寧な依頼の形にし、行政や外部の機関に宛てる場合は、「ご検討くださいますよう要望いたします」のような改まった表現を使います。結びには、新しい情報を加えないのが基本です。本文で示した提言と、判断してほしいことを短く繰り返し、次の手順(いつ、何を報告するか)を添えます。

データと根拠の使い方

提言書の説得力は、データと根拠の確かさで決まります。データを使うときは、次の点に気をつけます。

1つ目は、出どころを明記することです。社内の記録なら、どの記録の、どの期間のデータかを書きます。外部の資料なら、発行した機関と資料の名前、発行の時期を書きます。公的な統計を使う場合は、官公庁や公的な機関が公表しているものを使い、元の資料をたどれるようにしておきます。

2つ目は、新しいデータを使うことです。数年前のデータでは、今の状況と合わないことがあります。できるだけ最新のデータを使い、古いデータしかない場合は、その旨を書き添えます。

3つ目は、データを図や表にすることです。数字を文章で並べるより、グラフや表にしたほうが、読み手は変化や違いをすぐに理解できます。ただし、図や表を入れすぎると、伝えたいことがぼやけます。提言の根拠として欠かせないものだけを本文に入れ、残りは添付の資料に回します。

4つ目は、都合の良いデータだけを選ばないことです。提言に有利なデータだけを示すと、読み手に気づかれたときに、提言全体の信頼を失います。不利なデータがある場合も示し、それでもなお提言が妥当である理由を説明します。

読み手に受け入れてもらう言葉づかい

提言書は、決定をする立場の人に、書き手の考えを申し出る文書です。内容が正しくても、言葉づかいによっては、読み手に反発されることがあります。起業の情報を扱うサイトでも、提案の文書について、次のような注意を挙げています。

課題解決の根拠となるデータ分析は必要ですが、一般的な評論のような書き方は避けましょう。「~すべきだ」という書き方が多いと上から目線のように感じられる場合もあるので、気を付けましょう。 出典: sogyotecho.jp

提言書は、「こうすべきだ」という考えを示す文書ですが、言い切りの強い表現が続くと、読み手を批判しているように受け取られることがあります。次のような工夫で、読み手が受け入れやすい言葉にします。

  • 「すべきだ」を「することを提言いたします」「することが有効と考えます」に置き換える
  • 現状の問題を、誰かの落ち度ではなく、仕組みの問題として書く
  • これまでの取り組みや、関係者の努力に触れる。「これまで担当者の工夫で対応してきましたが、件数の増加により限界に近づいています」のように書く
  • 専門用語や略語は、初めて出すときに言い換えを添える

また、文章は短く区切り、1つの文には1つのことだけを書きます。1つの文に複数の主張を詰め込むと、読み手は何が言いたいのかをつかみにくくなります。

例文。社内の業務改善の提言書

ここまでの内容を踏まえて、社内の業務改善の提言書の例を示します。実際に使うときは、会社の名前や数字を自分の状況に合わせて書き換えてください。

表題:問い合わせ対応の回答時間を短縮するための提言

宛先:〇〇株式会社 代表取締役 〇〇様 提出者:カスタマーサポート課 業務改善チーム 日付:〇年〇月〇日

1.要旨 当社の問い合わせ対応では、回答までに平均3営業日を要しています。原因は、問い合わせが担当者の個人のメールに届き、対応の状況が共有されていないことにあります。受付の一本化と、対応の状況を共有する仕組みの導入を提言します。

2.現状と課題 昨年4月から9月までの問い合わせ記録612件を集計したところ、回答までの平均は3営業日で、1週間以上かかったものが48件ありました。同じ期間のお客様からの苦情のうち、回答の遅れに関するものが最も多くを占めています。

3.原因 問い合わせの窓口のアドレスが決まっておらず、お客様が過去にやり取りした担当者に直接送っているため、担当者が不在のときに問い合わせが放置されています。また、誰がどの問い合わせに対応しているかを確かめる手段がありません。

4.提言 (1)問い合わせの受付を、共通のアドレスとフォームに一本化する (2)届いた問い合わせごとに、担当者と対応の状況を記録し、課の全員が確かめられるようにする (3)カスタマーサポート課で3か月試し、効果を確かめてから全社に広げる

5.期待する効果 回答までの日数を1営業日以内に短縮し、対応の漏れをなくすことを目指します。担当者が不在のときも、ほかの担当者が対応を引き継げるようになります。

6.実行の進め方と費用 1か月目に受付の手順を決め、2か月目から4か月目に試しの運用を行い、5か月目に結果をご報告します。費用は、仕組みの利用料と、手順の作成と研修にかかる担当者の時間です。

7.結び カスタマーサポート課での3か月の試しの運用について、ご承認をいただけますようお願い申し上げます。

提出前の確認の項目

提言書を書き終えたら、提出する前に、次の項目を確かめます。

  • 要旨だけを読んで、課題、提言、理由と効果が伝わるか
  • 読み手に判断してほしいことが、要旨と結びではっきり示されているか
  • 原因と改善の案が、対応しているか
  • 事実と意見が分けて書かれているか
  • 数字に出どころと期間が書かれているか
  • 特定の個人を責める書き方になっていないか
  • 費用と注意点が書かれているか
  • 専門用語や略語に言い換えが添えられているか
  • 誤字や数字の誤りがないか

提出の方法にも気を配ります。正式な文書として提出する場合は、社内の決まった様式や、文書の番号の付け方があるかを確かめます。会議で説明する場合は、本文とは別に、要旨と提言と期待する効果を1枚にまとめた説明用の資料を用意しておくと、限られた時間で要点を伝えやすくなります。

可能であれば、提出の前に、課題について知らない人に読んでもらいます。書き手は内容をよく知っているため、説明が足りない部分に気づきにくいものです。知らない人が読んで分からなかった部分は、読み手も分からない可能性が高い部分です。

提言が採用されたあとの進め方

提言書は、採用されたら終わりではありません。提言書に書いた実行の進め方のとおりに、改善を進めていく必要があります。ここで進め方があいまいになると、提言は採用されたのに、何も変わらないまま時間が過ぎてしまいます。

採用されたあとは、提言書の実行の進め方をもとに、作業の一覧を作ります。作業ごとに担当者と期限を決め、進み具合を定期的に確かめます。関わる人が少ない場合は、表計算のシートで作業、担当者、期限、状態の列を作って管理する方法で十分です。

複数の部署にまたがる改善を、担当と期限と進み具合を同じ画面で共有しながら進めたい場合は、カードで管理できる道具を使うと、確認の手間が減ります。その選択肢の1つがPinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaには、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあり、無料プランからすべての種類を使えます。提言書の実行の進め方に書いた作業をカードにし、ガントチャートのボードで期間を横に並べると、日程の重なりや遅れが分かります。ガントチャートでは、横棒をドラッグすると開始日と締め切りをその場で変えられます。カードには担当者を付けられ、論点ごとに話し合いを立てられるディスカッションのボードや、カードごとのコメントで、実行の途中で出てきた相談を残せます。料金は、5人までのチームならボード10個まで無料で、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になると案内されています。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、Pinatecaは文書を作る道具ではないため、提言書そのものは文書作成のソフトで作り、採用されたあとの実行の管理に使う、という分け方になります。

運営の現場から見える、提言の文書を書く力の広がり

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、課題を調べて改善の方向を文書にまとめる力は、社内だけでなく、外部に頼まれる仕事としても求められています。業務の改善や新しい制度の導入を検討している会社や団体が、現状の調査と提言の文書の作成を、外部の専門家や経験のある人に依頼する場面は少なくありません。こうした仕事を長く続ける人は、文章の巧さより、現場の担当者から事実を丁寧に集め、原因と改善の案を結び付けて示すことに時間を使っている傾向があります。

中間の手数料が差し引かれない直接の取引では、調査の範囲や文書の方向を、依頼主と受け手が直接話し合いながら進められます。依頼主は同じ予算でより深い調査を頼め、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%で直接取引できる仕組みは、金額の大小よりも、何度も確かめ合いながら質の高い文書を仕上げる関係を作りやすいという点で効いてきます。

提言の文書を書く力は、経営の相談や業務改善の支援の仕事で生かせます。会社の経営の課題を診断して助言する国家資格については中小企業診断士で紹介しています。生成AIを業務に取り入れる支援の仕事の広がりはAIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。調査や分析の仕事の相場を知りたい人は、研究者の年収・単価相場も参考になります。提言書を書くなら、まずは読み手に何を決めてほしいのかを1行で書き、それを支える事実を3つ集めるところから始めてください。

よくある質問

Q. 提言書と提案書の違いは何ですか?

提案書は、自分たちの商品やサービス、企画を採用してもらうことを目的にした文書です。提言書は、組織や社会の課題をどう解決するかという考えを、判断する立場の人に示し、意思決定の材料にしてもらうための文書です。社内では厳密に分けずに使われることもあるため、求められている形式を先に確かめます。

Q. 提言書にはどのような項目を入れればよいですか?

一般には、表題、宛先と提出者と日付、要旨、背景、現状と課題、原因、提言、期待する効果、実行の進め方、費用と注意点、結び、添付の資料で組み立てます。短い社内の提言なら、要旨、現状と課題、原因、提言、期待する効果、実行の進め方の6つほどで十分なこともあります。

Q. 提言書の要旨はどう書けばよいですか?

要旨には、何が問題なのか、どうすべきか、なぜそうすべきで実行すると何が良くなるかの3つを数行で入れます。読み手が要旨だけで判断することもあるため、要旨だけで提言の全体が伝わるように書きます。本文を書き終えてから最後に書き直すと、本文との食い違いを防げます。

Q. 提言書で上から目線に見えないようにするにはどうすればよいですか?

「すべきだ」を「することを提言いたします」「することが有効と考えます」に置き換え、現状の問題を誰かの落ち度ではなく仕組みの問題として書きます。これまでの取り組みや関係者の努力に触れることも効果があります。1つの文には1つのことだけを書き、専門用語には言い換えを添えます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月4日最終更新:2026年10月22日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方