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心理学検定を独学で受ける|内容と勉強法

@SOHO編集部
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心理学検定を独学で受ける|内容と勉強法

この記事のポイント

  • ✓心理学検定を独学で受ける人に向けて
  • ✓10科目とA領域・B領域の仕組み
  • ✓公式書籍を使った勉強法と計画の立て方を解説します

心理学検定を独学で受けようと考えている人の多くは、「大学で心理学を学んでいなくても受かるのか」「どの本から手を付ければよいのか」「どのくらいの期間が必要か」を知りたいはずです。結論から書くと、心理学検定は学歴や年齢を問わず誰でも受けられ、各科目の合格の目安は約6割の正答率なので、公式の問題集とキーワード集を軸に計画を立てれば、独学でも級の認定を目指せます。この記事では、試験の仕組みと級の条件を先に確かめたうえで、独学向けの教材の選び方、科目の選び方、勉強の手順、受検の手続き、合格後の生かし方までを順に説明します。

心理学検定はどんな試験か

心理学検定は、一般社団法人日本心理学諸学会連合(日心連)の心理学検定局が実施している検定です。日心連は心理学の学会が集まった団体で、心理学系の資格が20ほどに分かれていた状況を受けて、その基礎となる知識を測る仕組みとして心理学検定を立ち上げました。第1回の試験は2008年に行われ、2023年からは年2回の実施になっています。

公式サイトは試験の概要を次のように説明しています。

学歴・年齢問わず受検を希望する全ての方に受検資格があります。 試験問題は心理学の10科目について行われ、10科目が2領域に分類されています(A領域5科目・B領域5科目)。各科目20問で構成され、解答形式は4肢選択となります。 出典: jupaken.jp

10科目は次のとおりです。

領域 科目
A領域 原理・研究法・歴史、学習・認知・知覚、発達・教育、社会・感情・性格、臨床・障害
B領域 神経・生理、統計・測定・評価、産業・組織、健康・福祉、犯罪・非行

試験時間はA領域、B領域ともに100分です。領域の中でどの科目に答えるかは自分で選べ、選んだ科目の数で試験時間は変わりません。A領域とB領域を別の日に受けることもできます。

大切なのは、心理学検定は国家資格ではなく、日心連が認定する民間の検定だという点です。心理職の国家資格である公認心理師は、公認心理師法の7条により、大学と大学院で定められた科目を修めることなどが受験の条件になっており、独学だけでは受験資格を得られません。心理学検定は、そうした資格の前段階として、心理学の基礎知識を体系的に身につけたことを示すものだと考えてください。

級の認定条件と合格の目安

心理学検定には、合格した科目の数に応じて「特1級」「1級」「2級」の3つの級があります。

級 認定の条件
特1級 A領域の5科目とB領域の5科目、10科目すべてに合格
1級 A領域の4科目を含む合計6科目に合格
2級 A領域の2科目を含む合計3科目に合格

どの級もA領域の科目が条件に含まれているので、独学の人はA領域から手を付けるのが基本です。A領域だけを受けても、3科目以上に合格すれば2級の条件を満たせます。

各科目の合格基準は、公式サイトに「約6割の正答率が目安」と書かれています。20問のうち12問程度を正解できればよい計算です。ただし、問題の難易度によって基準が変わる可能性があるとも書かれているので、余裕を持って7割を取れる状態を目標にするのが安全です。

認定された級は生涯有効で、更新の必要はありません。さらに、合格した科目は5年間有効で、その間の合格科目の数で級が認定される「合格科目有効制度」があります。1回目でA領域の3科目に合格して2級を取り、次の回でB領域の科目を受けて1級を目指す、という段階的な挑戦ができます。一度合格した科目が、次の回で不合格や無解答になっても、合格が取り消されることはありません。

有効期間の表は公式サイトの合格科目有効制度の案内で確かめられます。この制度は、独学の人にとって大きな助けになります。10科目を一度に仕上げる必要はなく、得意な科目から順に合格を積み上げていけばよいからです。受検予約のときに、検定結果通知書に書かれた6桁の検定登録番号を入力すると、過去の合格科目が自動で合算されます。番号を入力し忘れると初めての受検として扱われるので注意してください。

受検料と受け方の流れ

受検料は、公式サイトの表で次のように示されています(すべて税込)。

受検する領域 一般申込 団体割引(10名以上)
A領域 7,700円 6,600円
B領域 7,700円 6,600円
A領域+B領域 12,100円 9,900円

A領域とB領域の両方を受けると、別々に申し込むより3,300円安くなります。ただし、セットの割引を使うには事前に「A+Bセット割引申請」をして受検料を振り込み、受検チケット(電子バウチャー)を受け取る必要があります。入金の確認から5営業日以内にメールで届くので、予約の前に余裕を持って手続きしてください。

試験はCBT方式で行われます。CBTとは、テストセンターのパソコンの画面に出る問題にマウスで答える方式のことです。運営はプロメトリック株式会社が担っており、試験期間の中で、全国47都道府県の会場から都合のよい会場と日時を選べます。予約は先着順なので、希望の日が決まったら早めに押さえておくと安心です。試験日の3営業日前まで(土日の受検は4営業日前まで)なら、会場や日時を変えることもできます。

受検の流れは次のとおりです。

  1. 公式サイトで受検規約を読み、同意する
  2. プロメトリックIDを無料で作る
  3. セット割引を使うなら申請と振込をして受検チケットを受け取る
  4. 心理学検定のオンライン受付で会場と日時を予約し、受検料を支払う
  5. 当日は本人確認書類を持って会場へ行き、受検する
  6. 試験期間が終わった翌月末に、結果通知書が郵送で届く

支払いはコンビニ、Pay-easy、クレジットカードのいずれかを選べます。

次の試験日程と受検者の顔ぶれ

心理学検定は年2回、冬と夏に試験期間が設けられています。公式サイトで発表されている次の2回の日程は次のとおりです。

回 試験期間 受検予約の開始 割引チケット・団体申込の期間
第24回 2027年2月15日から3月31日 2026年12月18日から 2026年12月14日から2027年1月31日
第25回 2027年7月15日から8月31日 2027年5月17日から 2027年5月10日から6月30日

いまから勉強を始める人は、第24回を目標にすると約4か月、第25回なら約9か月の準備期間が取れます。初めて心理学に触れる人で、A領域の3科目を仕上げたいなら第24回、A領域とB領域を合わせて1級を一度に狙うなら第25回、というように、目指す級から逆算して回を選ぶと無理のない計画になります。

直近の第23回(2026年7月15日から8月31日に実施)の結果概要によると、実際に受検した人は2,335人で、そのうちA領域だけを受けた人が1,201人、B領域だけが368人、両方を受けた人が766人でした。A領域を受けた人は全体の8割を超えています。新たに級が認定された人は、特1級が223人、1級が407人、2級が782人でした。

この数字から分かるのは、多くの受検者がまずA領域から挑戦しているということです。級の条件にA領域の科目が必ず含まれていることを考えると、自然な選び方です。独学の人も、最初の回はA領域に集中し、2級の認定を確実に取ってから、次の回でB領域に広げる流れが現実的です。

なお、第23回では、級の合否判定に誤りがあり、一部の受検者に合格証が届かない、または誤って届くという事態があったと公式サイトで告知されました。各科目の合否は正しく判定されていたとされ、正しい合格証は10月2日に発送されています。結果が届いたら、公式サイトの有効科目照会で自分の合格科目を確かめておくと確実です。

独学で使う教材の選び方

独学で心理学検定に挑むなら、教材は公式のものを中心に組み立てるのが近道です。心理学検定局が編集した公式書籍は5種類あり、実務教育出版から出ています。

  • 心理学検定 公式問題集 2027年版:実際に出題された問題を精選し、解説を付けたものに、10科目の模擬問題と解説を合わせて計450問を収録
  • 心理学検定 基本キーワード[第3版]:10科目の出題テーマとなる250の重要な論点を簡潔に解説したテキスト
  • 心理学検定 専門用語&人名辞典:公式サイトのキーワード集にある用語を五十音順に解説した辞典
  • 心理学検定 一問一答問題集 A領域編[第2版]:A領域の知識を一問一答で確かめる問題集
  • 心理学検定 一問一答問題集 B領域編[第2版]:B領域の同じ形の問題集

すべてを最初にそろえる必要はありません。独学の出発点としては、「基本キーワード」で全体像をつかみ、「公式問題集」で出題の形と難しさを確かめる、という2冊の組み合わせが基本です。用語の意味が分からずに先へ進めないときに「専門用語&人名辞典」を引き、試験の直前の確認に「一問一答問題集」を使う、という順で加えていくと無駄がありません。

もう1つ、無料で使える大事な資料があります。公式サイトで配布されているキーワード集です。科目別のPDFと、全項目をまとめたExcelファイルの2種類があり、2026年4月20日に更新されています。公式サイトは、このキーワード集を「大学で心理学を学んだ成果を評価する基準という観点から設定」したものだと説明しています。どの用語が出題の範囲になりうるかを知るための地図として使えます。

ただし、公式サイトは、1回の試験では各科目20問しか出ないので出題されない項目の方が圧倒的に多い一方、キーワード集にない項目が出る可能性もある、とも書いています。キーワード集を暗記の一覧として使うより、どの分野に重点があるかを知る目安として使ってください。

独学で選ぶ科目の決め方

心理学検定は、領域の中でどの科目に答えるかを自分で選べます。独学の人は、科目の選び方で合格までの道のりが大きく変わります。

まず、A領域の5科目の特徴を押さえておきます。

  • 原理・研究法・歴史:心理学の成り立ち、研究の方法、主な学派と人物。人名と年代の暗記が多い
  • 学習・認知・知覚:条件づけ、記憶、注意、錯視など。実験の名前と結果を覚える科目
  • 発達・教育:乳幼児期から老年期までの発達の理論、学習と教育の心理
  • 社会・感情・性格:集団や対人関係の心理、感情の理論、性格の捉え方
  • 臨床・障害:心理的な不調の理解、心理療法の種類、障害の考え方

日常の関心と結びつけやすいのは、発達・教育、社会・感情・性格、臨床・障害の3科目です。子育て、職場の人間関係、心の不調といった身近な話題と重なるので、初めて心理学を学ぶ人でも内容を思い浮かべながら覚えられます。2級に必要なA領域2科目を含む3科目は、この3つから選ぶと取り組みやすくなります。

B領域では、統計・測定・評価の科目が独学の人にとって山場になりやすい科目です。平均や標準偏差、相関、検定の考え方など、数式に触れる内容が含まれます。一方で、統計の基礎はほかの科目の研究の話を理解する土台にもなるので、特1級を目指すなら避けて通れません。B領域の中で関心と結びつけやすいのは、産業・組織(職場の心理)、健康・福祉、犯罪・非行の3科目です。

試験は領域ごとに100分で、選ぶ科目の数で時間は変わりません。答える科目を多くすれば1科目にかけられる時間は短くなります。準備が十分でない科目まで答えて時間が足りなくなるより、仕上げた科目に集中する方が合格の可能性は上がります。

独学の勉強の手順

心理学検定の独学は、次の4つの段階で進めると迷いにくくなります。

  1. 全体を知る段階:選んだ科目の基本キーワードを1周読み、分からない用語に印を付ける
  2. 出題の形を知る段階:公式問題集で選んだ科目の問題を時間を計らずに解き、どの程度の深さで問われるかを確かめる
  3. 穴を埋める段階:間違えた問題に関わるキーワードを辞典やキーワード集で調べ、自分の言葉で1〜2行にまとめる
  4. 仕上げる段階:一問一答問題集と公式問題集の2周目で、7割以上を安定して取れるかを確かめる

1科目あたり、最初の2段階に1〜2週間、3つ目の段階に2〜3週間、仕上げに1週間ほどを見ておくと、3科目で3か月前後という計算になります。働きながら勉強する人は、平日は通勤の時間などに一問一答で用語を確かめ、休日に問題集をまとめて解く、という分け方が続けやすい形です。

独学で行き詰まりやすいのは、人名と理論の組み合わせを覚える場面です。たとえば発達の理論では、誰がどの段階を唱えたかを正確に区別することが問われます。人名だけを並べて覚えようとすると混ざってしまうので、「その人が何を説明しようとしたのか」を一言で言えるようにしてから、名前と結びつけると記憶に残りやすくなります。

もう1つのつまずきは、似た用語の区別です。4択の問題では、正解と紛らわしい選択肢が並びます。用語を覚えるときは、意味だけでなく「似ている用語とどこが違うか」を一緒にメモしておくと、本番で迷いにくくなります。

独学を続けるための計画の立て方

独学は、教材より計画で決まる部分が大きいものです。心理学検定は試験期間が約1か月半あり、その中で自分で受検日を選べるので、日付を先に決めて逆算する計画が立てやすい試験です。

計画を立てるときは、次の順で決めていきます。

  1. 受ける回と領域を決める(例:第24回のA領域)
  2. 受検日の候補を試験期間の後半に決める
  3. 受検日から逆算して、仕上げの段階に2週間を確保する
  4. 残りの期間を選んだ科目の数で割り、1科目ごとの締め切りを決める
  5. 週に1回、公式問題集の一部を解いて進み具合を確かめる日を決める

受検予約は第24回なら2026年12月18日から始まります。割引チケットの申込期間はその少し前の12月14日から翌年1月31日までです。A領域とB領域の両方を受けるなら、予約が始まる前に割引の申請を済ませておくと手続きが滞りません。

計画どおりに進まないときは、科目の数を減らす判断も必要です。3科目を仕上げきれずに受けて全部不合格になるより、2科目を確実に仕上げて合格し、残りを次の回に回す方が、合格科目有効制度の仕組みに合っています。5年間の有効期間があるので、焦って全科目を一度に受ける必要はありません。

A領域の科目別の勉強のコツ

A領域の5科目は、どれも級の条件に関わる科目です。科目ごとに覚え方の勘所が違うので、独学で進めるときの注意点を整理します。

原理・研究法・歴史は、心理学がどのように生まれ、どんな方法で研究されてきたかを扱う科目です。学派の流れと代表的な人物、実験や調査、観察、面接といった研究の方法の違いが問われます。人名と年代の暗記が多い科目ですが、年表を丸ごと覚えるより、「意識を分析しようとした流れ」「行動だけを見ようとした流れ」「心の働きを情報の処理として捉えた流れ」のように、大きな流れを3つか4つに分け、それぞれに人物をひもづけて覚えると整理しやすくなります。研究法の問題は、ほかの科目の問題を解く土台にもなるので、最初に取り組む科目として向いています。

学習・認知・知覚は、人がどのように学び、覚え、物を見ているかを扱う科目です。古典的条件づけとオペラント条件づけの違い、記憶の種類、注意の仕組み、錯視などが範囲です。実験の名前と、その実験で何が分かったかを組にして覚えるのが基本です。図や身近な例を思い浮かべながら読むと、文章だけで覚えるより定着しやすくなります。

発達・教育は、生まれてから年を重ねるまでの心の変化と、学ぶことの心理を扱う科目です。発達の段階を唱えた理論が複数あり、それぞれの段階の名前と年齢の目安を区別して覚える必要があります。家族や身近な人の成長と重ねて考えると、理論の意味がつかみやすくなります。

社会・感情・性格は、集団の中での人の行動、感情の生まれ方、性格の捉え方を扱う科目です。同調や援助行動、偏見、感情の理論、性格を類型で見るか特性で見るかの違いなどが問われます。日常の場面と結びつけやすい一方で、似た名前の現象が多いので、用語の区別に時間をかけてください。

臨床・障害は、心理的な不調の理解と支援の方法を扱う科目です。心理療法の種類と考え方、心理検査の種類、障害の捉え方などが範囲です。療法ごとに「何を変えようとするのか」「誰が唱えたのか」を表にまとめておくと、4択の問題で迷いにくくなります。

B領域の科目別の勉強のコツ

B領域は、1級と特1級を目指す人が取り組む領域です。A領域より専門的な内容が多く、独学では勉強の順番が大切になります。

神経・生理は、脳と神経の仕組みと、心の働きとの関係を扱う科目です。脳の部位の名前と働き、神経の情報の伝わり方、睡眠やストレスの生理的な反応などが問われます。部位の名前が多いので、図を描いて場所と働きを一緒に覚えるのが近道です。

統計・測定・評価は、データの集め方と分析の方法、心理検査の作り方を扱う科目です。平均、標準偏差、相関、検定の考え方、信頼性と妥当性といった用語が中心です。計算そのものより、「この場面ではどの分析を使うか」「この結果は何を意味するか」を問う問題が多いので、用語の意味を例とともに理解しておくことが大切です。苦手な人は、B領域の最後に回すのではなく、早めに少しずつ触れて慣れておくと、ほかの科目の研究の話も読みやすくなります。

産業・組織は、職場での人の心理を扱う科目です。働く意欲の理論、リーダーシップ、職場のストレス、人事評価の心理などが範囲です。会社で働いた経験がある人には、実感と結びつけやすい科目です。

健康・福祉は、心と体の健康、ストレスへの対処、福祉の領域での心理的な支援を扱う科目です。制度に関わる内容も含まれるので、福祉の仕事に関わる人には、仕事の知識と重なる部分があります。

犯罪・非行は、犯罪や非行が起きる背景の理論と、立ち直りの支援を扱う科目です。理論の名前と考え方の組み合わせ、司法の手続きの流れなどが問われます。

B領域を受けるときも、5科目すべてに答える必要はありません。1級に必要なのはA領域4科目を含む合計6科目なので、A領域で4科目に合格していれば、B領域は2科目で条件を満たせます。関心の持てる科目から2つを選び、確実に仕上げるのが現実的な進め方です。

本番の試験で点を落とさない解き方

心理学検定は、領域ごとに100分の試験時間で、選んだ科目に答えます。1科目20問なので、3科目に答えるなら60問を100分で解く計算です。1問あたり1分半ほど使えるので、時間には比較的余裕があります。

点を落とさないための解き方として、次の点を意識してください。

  • 最初に全体を見て、答える科目の順番を決める。得意な科目から始めると、落ち着いて解き進められる
  • 迷った問題は印を付けて先に進み、最後にまとめて見直す
  • 4つの選択肢のうち、明らかに違うものから消していく。2つまで絞れれば正解の確率は上がる
  • 「すべて」「必ず」「決して」のような言い切りを含む選択肢は、例外がないかを考える
  • 準備が十分でない科目には答えない判断もする。答えた科目の数で合否は変わらないが、時間を分散させると仕上げた科目の正答率が下がる

CBT方式の試験では、画面上で問題を見直したり、答えを変えたりできます。任意のタイミングで試験を終えることもできるので、見直しが終わったら終了してかまいません。初めてCBTを受ける人は、公式サイトにある体験版で画面の操作に慣れておくと、当日に戸惑いません。体験版の出題の形は実際と違うと書かれているので、操作の確認に使うものだと考えてください。

独学でつまずいたときの対処

独学には、質問できる相手がいないという弱点があります。つまずきやすい場面ごとに、対処の方法を整理しておきます。

教材の説明が難しくて読み進められないときは、1冊目の教材に戻るのではなく、同じ用語を別の資料で引いてみるのが有効です。公式の専門用語&人名辞典は、キーワード集の用語を五十音順に解説しているので、引き直し用の1冊として向いています。同じ内容を別の言い回しで読むと、分からなかった部分が急に腑に落ちることがあります。

問題集の正答率が伸びないときは、間違えた理由を3つに分けて見直します。用語そのものを知らなかったのか、似た用語と混同したのか、問題文の読み違いなのか。理由によって次にやることが変わります。知らなかった用語は教材で調べ、混同した用語は違いを表にまとめ、読み違いは問題文の言い切りや否定の表現に印を付けて読む習慣を付けます。

勉強が続かなくなったときは、1日の量を減らしてでも毎日教材に触れることを優先します。1週間まったく開かない期間ができると、覚えた内容の多くを忘れ、再開するのが重くなります。一問一答を5問解くだけの日があってもかまいません。

受検日が近づいても仕上がらないときは、答える科目を減らすか、受検日を試験期間の後半に変更します。試験日の3営業日前までなら日時を変えられるので、無理に受けて全部不合格になるより、仕上げた科目だけで受けるか、日を後ろにずらす方が合格に近づきます。

学生と社会人で変わる使い方

心理学検定は、受ける人の立場によって目指す級と使い道が変わります。

心理学を学ぶ大学生は、授業で学んだ内容の確認として受ける人が多く、大学院への進学を考えているなら1級か特1級が目標になります。公式サイトでは、心理学検定の資格を単位として認める大学の例も紹介されています。また、日本心理学会の認定心理士を取得している人は、A領域の3科目以上の合格で1級に認定される優遇措置があります。大学で心理学の単位を積んできた人は、この措置を使えるかを確かめておくと、1級までの道のりが短くなります。

社会人は、仕事に生かすための基礎固めや、学び直しのきっかけとして受ける人が多く、まずは2級を目標にするのが現実的です。人事や教育、接客、販売、介護や保育など、人と関わる仕事をしている人は、産業・組織や発達・教育、健康・福祉といった科目が仕事の知識と重なります。職場で使っている言葉の背景にある理論を知ることで、日々の判断を言葉で説明できるようになります。

どちらの立場でも、級を取ったあとに何に使うかを先に決めておくと、選ぶ科目と目指す級が自然に決まります。

合格後の生かし方

心理学検定の級は、どんな場面で役に立つのでしょうか。公式サイトでは、いくつかの使い道が紹介されています。

1つ目は、大学院入試です。心理学系の大学院の中には、心理学検定の1級や特1級を専門知識の証明として認めたり、筆記試験の加点や小論文の免除をしたりするところがあります。鳴門教育大学大学院のように、出願の条件として1級以上を求めている選抜もあります。社会人になってから大学院で心理学を学び直したい人にとって、独学の成果を示す材料になります。

2つ目は、学会の資格へのつながりです。日本カウンセリング学会は、A領域の「発達・教育」か「臨床・障害」を含む2級に合格し、22歳以上の人に入会資格を認めています。日本応用心理学会は1級合格者で22歳以上の人に入会資格を認め、日本健康心理学会は健康心理士の資格の申請条件に2級以上の合格を使えるとしています。

3つ目は、仕事への生かし方です。心理学の知識は、人の行動や判断に関わる仕事全般で役に立ちます。広告や販売促進では、人がどんな表現に反応するかを考える場面が多くあります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のガイドでは、マーケティングに関わる在宅の仕事の種類と求められる力を紹介しており、心理学の基礎が生きる場面を具体的に確かめられます。

文章の仕事でも、心理学の知識は強みになります。心の健康や子育て、職場の人間関係といった題材は、正確な知識を持つ書き手が求められる分野です。ただし、診断や治療の助言にあたる内容は書かず、一般的な仕組みの説明にとどめることが前提です。専門分野を持つ書き手が単価を上げていく道筋は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で説明しています。

4つ目は、書類で自分の学びを伝える場面です。大学院の出願では研究計画書や志望理由書を、転職では職務経歴書を書きます。どちらも、心理学検定で何を学び、それを今後どう使うのかを、読み手に分かる文章で説明する必要があります。資格の名前と級を書くだけでは、学んだ内容の深さは伝わりません。合格した科目の中から、自分の進路や仕事と関わりの深いものを選び、そこで学んだ理論や方法を一言で説明できるようにしておくと、書類の説得力が増します。社外に出す文書の形式や敬語の使い方を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定の資格ガイドが参考になります。検定の内容と、仕事の書類での生かし方をまとめています。

運営者として見てきた、学び直しが仕事につながる形

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、検定の勉強が仕事につながる人には共通点があります。それは、資格の名前だけを経歴に書くのではなく、学んだ内容を使ってどんな成果物を作れるかを見せていることです。

たとえば、心理学検定の勉強をした人が、社会・感情・性格の科目で学んだ内容をもとに、職場のコミュニケーションをテーマにした記事のサンプルを作る。統計・測定・評価の科目で学んだ内容を使って、アンケートの設計と集計の手順を示す資料を作る。こうした成果物があると、発注する側は「この人に何を頼めるか」を具体的に思い浮かべられます。

研究や調査に関わる仕事では、心理学の研究法や統計の知識がそのまま使われます。職種ごとの報酬の目安を知りたいときは、研究者の年収・単価相場で研究職の年収と単価の相場を確かめられます。発注者と受注者が直接やり取りできる仕組みでは、中間マージンが入らないぶん、発注者は同じ予算でより多くを頼め、受け手は手取りが厚くなります。手数料0%で直接つながる取引は、学び直した知識を小さな案件から試していく人にとって、始めやすい入口になります。

よくある質問

Q. 心理学を学んだことがなくても独学で合格できますか?

心理学検定は学歴や年齢を問わず誰でも受けられ、各科目の合格の目安は約6割の正答率です。公式の基本キーワードで全体をつかみ、公式問題集で出題の形を確かめる、という順に進めれば、初めて学ぶ人でも独学で合格を目指せます。最初はA領域の身近な科目から選ぶと取り組みやすくなります。

Q. 独学なら何か月くらい準備すればよいですか?

1科目あたり1か月から1か月半ほどを見ておくと、2級に必要な3科目で3か月前後になります。働きながらなら、平日は一問一答で用語を確かめ、休日に問題集を解く形が続けやすい方法です。第24回の試験期間は2027年2月15日から3月31日なので、いまから始めれば約4か月の準備期間が取れます。

Q. 最初に受けるならA領域とB領域のどちらがよいですか?

どの級も条件にA領域の科目が含まれているので、最初はA領域から受けるのが基本です。A領域だけでも3科目以上に合格すれば2級の条件を満たせます。合格した科目は5年間有効なので、2級を取ったあとにB領域を受けて1級や特1級へ進めます。

Q. 心理学検定を取れば心理職として働けますか?

心理学検定は日本心理学諸学会連合が認定する民間の検定で、国家資格ではありません。心理職の国家資格である公認心理師は、大学と大学院で定められた科目を修めることなどが受験の条件で、独学だけでは受験資格を得られません。心理学検定は基礎知識の証明として、大学院入試や学会の資格の条件などに使われています。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月17日最終更新:2026年10月29日
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