フォトショップクリエイター能力認定試験の学び方と、在宅の仕事での使い道


この記事のポイント
- ✓フォトショップクリエイター能力認定試験(Photoshopクリエイター能力認定試験)の受験料
- ✓在宅で受けられるリモートWebテストの準備
- ✓アドビ認定プロフェッショナルとの違い
フォトショップクリエイター能力認定試験は、画像編集ソフトのPhotoshopを使って、指示どおりに画像を作り上げる力を測る検定です。Photoshopを独学で触ってきた人が「自分の腕を形にしたい」と考えたときや、在宅で画像加工やバナー制作の仕事を受けたい人が「最初の実績の代わりになるものがほしい」と考えたときに、候補に挙がることの多い試験です。この記事では、試験の仕組みと受験料、在宅で受けるための準備、出題範囲のどこを重点的に練習すればよいか、そして合格したあとに在宅の仕事でどう使えるかを、順番に整理します。結論を先に書くと、この試験は知識よりも「制限時間内に指示どおりの作品を仕上げる」実技の比重が大きく、その練習自体が在宅の仕事の進め方にそのままつながります。
フォトショップクリエイター能力認定試験はどんな試験か
正式な名前はPhotoshopクリエイター能力認定試験で、株式会社サーティファイのソフトウェア活用能力認定委員会が主催・認定する民間の検定です。国家資格ではありませんが、Photoshopの操作を実技で問う国内の検定として長く実施されていて、累計の受験者数は2026年3月31日時点で114,271名と公表されています。
試験の目的について、公式の案内は次のように説明しています。
画像編集技術に関する知識を有し、Photoshop®を駆使して、提示されたテーマ・素材から、仕様に従ってコンテンツを制作する能力を認定します。 出典: サーティファイ
ポイントは「仕様に従って」という部分です。自由に作品を作る力ではなく、決められた素材とテーマ、指示書に沿って、求められた形の画像を作る力が問われます。これは、在宅で受ける画像加工の仕事の進め方とほぼ同じです。依頼する側から素材と指示をもらい、決められたサイズや形式で納品する、という流れを、試験の中で繰り返し練習することになります。
級は、スタンダードとエキスパートの2つです。公式の認定基準を分かりやすく言い換えると、スタンダードは「作業指示書に沿って、基本的な操作で正確に作業ができる」こと、エキスパートは「デザインの狙いや表現の目的に合わせて機能を選び、相手の要望に応える作品を作れる」ことを求めています。エキスパートでは、DTP(印刷物のデザイン)やWebデザインに関する基本的な知識も問われます。受験資格に学歴や年齢の制限はなく、どちらの級からでも受けられます。
受験料と試験時間、合格基準
受ける前に知っておきたい数字を、公式の案内から整理します。いずれも2026年10月時点の情報です。
| 項目 | スタンダード | エキスパート |
|---|---|---|
| 受験料(税込) | 8,100円 | 9,100円 |
| 第1部 | 実技問題 40分 | 知識・実技問題 50分 |
| 第2部 | 実践問題 90分 | 実践問題 90分 |
| 合格基準 | 実技65%以上かつ実践70%以上 | 知識・実技65%以上かつ実践70%以上 |
第1部と第2部の間には、最大10分の休憩を挟めます。第1部の実技問題は、テーマごとの大問に沿ってPhotoshop上で編集し、解答のデータを提出する形式です。エキスパートの第1部には、Photoshopや画像処理についての知識を選択肢から選ぶ問題も含まれます。第2部の実践問題は、1つのテーマに沿って作品を1つ仕上げる形式で、試験の山場になります。
合格基準で注意したいのは、第1部と第2部のそれぞれに基準があることです。第1部がよくできていても、第2部の実践問題で70%に届かなければ合格になりません。逆に言えば、第2部の作品を時間内に仕上げきる力が、合否を分ける最大の要素です。
合格率は、2025年度の平均で73.0%と公表されています。準備をして受ければ十分に合格を狙える試験ですが、Photoshopを触った経験がほとんどない状態でいきなり受けると、第2部の時間配分で苦労します。結果は試験日から1か月後をめどに通知され、合格者にはオープンバッジとデジタル認定証明書が発行されます。オープンバッジとは、資格を持っていることをインターネット上で証明できるデジタルの証明書のことで、プロフィールやポートフォリオのページに表示できます。
受け方は在宅のリモートWebテストと、会場の随時試験
この試験の受け方は2通りあります。どちらを選ぶかで、準備するものが大きく変わります。
1つめは公開試験です。決められた試験日に、自宅などから受験する「リモートWebテスト」という形式で行われます。リモートWebテストとは、自分のパソコンで試験を受け、カメラとAIによる監視で不正を防ぐ仕組みのことです。直近の日程は、2027年2月7日(日)で、申込期間が2026年11月24日から2027年1月24日まで、結果発表は2027年3月3日と案内されています。スタンダードは10時から12時、エキスパートは13時から15時の間の好きな時点で試験を始められ、同じ日に両方を受けることもできます。
在宅で受ける場合に用意するものは、インターネットに接続できる環境、受験用のパソコン、スマートフォンとスマートフォンを立てるスタンド、そして静かな個室です。試験は自分のパソコンにインストールされたPhotoshopで行うので、対応するバージョンのPhotoshopが使える状態にしておく必要があります。対応するOSやバージョンは試験ごとに案内されていて、試験の前にAdobe Fontsから小塚明朝や小塚ゴシックのフォントを有効にしておく、画面の表示を標準スクリーンモードにしておく、といった準備も求められます。
2つめは随時試験です。全国の試験会場に連絡し、会場が決めた日時に受ける形式です。会場ごとに申込期間や支払方法が違うので、まず公式の会場検索で近くの会場を探し、受けたい日時を会場に問い合わせます。会場のパソコンで受けるので、自分でPhotoshopを用意できない人や、自宅に静かな個室を確保しにくい人に向いています。
どちらの受け方でも、事前に「資格受付ONLINE」というサーティファイの受付サイトにアカウントを登録する必要があります。同じ試験を受け直す場合は、前回の試験の合否結果を受け取ったあとに申し込む決まりなので、短い間隔で何度も受けることはできません。受験の計画は、結果の通知までの期間も含めて立てておきましょう。
出題範囲と、練習で重点を置きたい操作
出題範囲は公式に細かく公開されています。全部を同じ重さで練習するのではなく、実技と実践で必ず使う操作から固めていくのが効率的です。
まず押さえたいのは、選択範囲の作り方です。選択ツールで範囲を作る、選択範囲を反転する、保存して読み込む、クイックマスクで細かく直す、パスから選択範囲を作る、といった操作は、ほぼすべての問題の土台になります。商品写真の背景を切り抜く、人物だけを明るくする、といった作業は、どれも正確な選択範囲づくりから始まります。
次に、画像のサイズと解像度の変更です。指示された画像解像度やカンバスサイズに変える操作は、スタンダードでもエキスパートでも問われます。解像度とは、画像の細かさを表す数字で、印刷用とWeb用では求められる値が違います。エキスパートでは、用途や目的に応じて自分で適切な値を選ぶことが求められるので、印刷物とWeb用の画像の違いを説明できるようにしておくと安心です。
3つめは、カラーモードと色調補正です。RGBとCMYKの違い、グレースケールへの変換、レベル補正やトーンカーブ、色相・彩度による補正は、出題範囲の中でも練習の量が結果に直結する分野です。RGBは画面で表示するための色の表し方、CMYKは印刷のための色の表し方のことで、この違いを理解していないと、Web用と印刷用の指示を取り違えてしまいます。
このほか、レイヤーとレイヤーマスク、文字の入力と編集、ブラシや修復の機能、フィルター、ファイル形式を指定した保存も範囲に含まれます。特に最後の保存は見落としやすい部分です。指定されたファイル形式やファイル名で保存できていないと、作品の中身がよくても得点につながりません。
練習するときは、操作を1つ覚えるごとに「この操作は仕事のどんな場面で使うか」を考えると、記憶に残りやすくなります。選択範囲なら商品写真の切り抜き、色調補正なら暗い写真の明るさの調整、解像度ならチラシ用の画像の準備、といった具合です。
在宅で受ける前の準備チェックリスト
リモートWebテストで受ける場合、試験の中身より先に、受験の環境でつまずく人がいます。当日に慌てないために、1週間前までに次の項目を確かめておきます。
- 受験に使うパソコンのOSとPhotoshopのバージョンが、公式に案内された対応表に入っているか
- Photoshopに最新のアップデートを当てているか
- Adobe Fontsで、指定された小塚明朝と小塚ゴシックの全ウェイトを有効にしているか
- Photoshopの表示を標準スクリーンモードにしているか
- 試験で使うRTF形式のファイルを開ける環境があるか
- スマートフォンとスタンドを用意し、充電を済ませているか
- 試験の時間帯に、家族の出入りや来客がない個室を確保できるか
- インターネットの接続が途切れにくい場所で受けられるか
このうち見落としやすいのが、フォントと表示の設定です。普段の作業では別のフォントを使っていても、試験では指定のフォントが求められます。また、Windows11では、RTF形式のファイルを開くための文書のソフトが最初から入っていない場合があり、その場合はエクスプローラーのプレビュー機能を使う方法が案内されています。
申込後は、受付サイトで受験票の確認や、リモートWebテストの操作の体験ができます。本番と同じパソコン、同じ部屋、同じ時間帯で操作の体験をしておくと、カメラの角度や机の上の片付け方まで事前に確かめられます。試験の日に初めて操作の画面を見る、という状態は避けてください。
会場で受ける随時試験の場合も、会場のPhotoshopのバージョンを事前に確かめておくと安心です。普段使っているバージョンと画面の配置が違うと、操作に余計な時間がかかることがあります。公式の案内でも、バージョンによって用語の表現や設定画面の配置に違いがある場合があると書かれています。
スタンダードとエキスパートはどちらから受けるか
2つの級のどちらから受けるかは、今のPhotoshopの経験で決めます。目安を整理すると次のとおりです。
| 今の状態 | おすすめの級 |
|---|---|
| Photoshopを触り始めて数か月 | スタンダード |
| 写真の補正や切り抜きを日常的にしている | スタンダードから順に |
| バナーやチラシの画像を作った経験がある | エキスパート |
| 仕事で画像加工を請け負っている | エキスパート |
スタンダードは、作業指示書どおりに基本的な操作を正確に行えるかを問う級です。在宅の仕事でいえば、商品写真の明るさをそろえる、背景を白く抜く、指定のサイズに切り出す、といった定型の作業を任せてもらえる腕の証明になります。
エキスパートは、クライアント(仕事を依頼する相手)の要望に合わせて、表現の方法を自分で選べる力を問う級です。バナーやチラシの画像のように、見る人に何を伝えるかを考えて作る仕事を受けたいなら、エキスパートを目指す価値があります。同じ日に両方を受けられるので、経験に自信がある人は両方に挑戦する方法もあります。
迷ったときは、公式のサンプル問題を実際に時間を計って解いてみるのが確実です。スタンダードの第2部を90分以内に余裕を持って仕上げられるなら、エキスパートの準備に進んでよい段階と考えられます。
合格までの学び方と学習計画
ここからは、合格までの学び方を手順で整理します。大事なのは、テキストを読むだけで終わらせず、実際にPhotoshopを操作する時間を毎日確保することです。
- 公式サイトからサンプル問題をダウンロードし、時間を計って1回解く
- 解けなかった操作を書き出し、出題範囲の一覧と照らし合わせる
- 苦手な操作を1日1つずつ、テキストや公式のヘルプを見ながら練習する
- 第1部の実技問題を、本番より短い時間で解けるまで繰り返す
- 第2部の実践問題を、90分で仕上げる練習を最低3回は行う
- 本番の1週間前に、使うパソコンとPhotoshopのバージョン、フォント、表示の設定を確かめる
学習時間は、Photoshopの経験によって大きく変わります。日常的に画像を加工している人なら、サンプル問題で形式に慣れる程度で合格を狙えることもありますが、触り始めたばかりの人は、操作を覚えるところから始める必要があります。平日は1日30分、休日に第2部の通し練習を1回、というペースで1か月から2か月を見込むと、無理のない計画になります。
練習でつまずきやすいのは、第2部の時間配分です。作品の完成度を上げようと細部にこだわっているうちに時間が足りなくなり、指示された要素を入れ忘れてしまう、という失敗がよく起こります。最初の10分で指示書を全部読み、必要な作業を箇条書きにしてから手を動かす習慣をつけると、入れ忘れを防げます。最後の10分は保存の形式とファイル名の確認に充てる、と決めておくのも効果的です。
対策講座を使う方法もあります。パソコン教室や専門学校の中には、この試験の対策講座を開いているところがあり、講師に操作のつまずきを直接見てもらえる利点があります。費用と時間に余裕があり、独学で手が止まりやすい人は、講座の受講も選択肢に入れてみてください。
独学でつまずきやすい点と、乗り越え方
Photoshopを独学で練習していると、多くの人が同じところでつまずきます。あらかじめ知っておけば、遠回りせずに済みます。
最初の壁は、レイヤーの管理です。レイヤーとは、透明なフィルムを重ねるように、画像の要素を層に分けて管理する仕組みのことです。練習のうちは1枚のレイヤーに何でも描き込んでしまいがちですが、それでは後から一部だけを直すことができません。文字、写真、背景、効果をそれぞれ別のレイヤーに分け、名前を付けて整理する習慣を、最初からつけておきましょう。実践問題で「この要素だけ色を変える」という指示が出たときに、この習慣の差がはっきり出ます。
次の壁は、元の画像を壊してしまう編集です。消しゴムで直接消す、元の写真に直接色を塗る、といった編集をすると、やり直しがききません。レイヤーマスクや調整レイヤーを使えば、元の画像を残したまま見た目だけを変えられます。試験の出題範囲にもレイヤーマスクが含まれているので、練習の段階から「元の画像を残す」編集を心がけてください。
3つめの壁は、ショートカットキー(キーボードの組み合わせで機能を呼び出す操作)です。メニューから毎回機能を探していると、90分の実践問題では時間が足りなくなります。選択範囲の反転、取り消し、拡大縮小、保存など、頻繁に使う操作から順に、10個ほど覚えるだけでも作業の速さは大きく変わります。
最後に、作業の途中保存です。練習でも本番でも、Photoshopが急に止まってしまうことはあり得ます。区切りのよいところでこまめに保存する習慣をつけておけば、万一のときも作業のやり直しを最小限にできます。これは仕事でもそのまま役に立つ習慣です。
アドビ認定プロフェッショナルとの違い
Photoshopの腕を証明する資格には、アドビ社が認定する「Adobe Certified Professional(アドビ認定プロフェッショナル)」もあります。どちらを受けるか迷う人のために、違いを整理しておきます。
| 項目 | Photoshopクリエイター能力認定試験 | アドビ認定プロフェッショナル(Photoshop) |
|---|---|---|
| 認定する団体 | サーティファイ | アドビ社 |
| 級 | スタンダード・エキスパート | 科目ごとに1つ |
| 受験料(税込) | 8,100円・9,100円 | 一般12,980円・学割9,680円 |
| 受け方 | 在宅の公開試験・会場の随時試験 | 試験会場のCBT |
| 形式 | 実技と作品制作 | 選択問題と操作問題 |
アドビ認定プロフェッショナルは、アドビ社が認定する国際的な資格で、国内では株式会社オデッセイコミュニケーションズが試験を運営しています。全国の試験会場のパソコンにインストールされたPhotoshopで、前半の選択問題と後半の操作問題を解く形式で、合否は試験の直後に画面に表示されます。
選び方の目安としては、国内の在宅の仕事で「指示どおりの作品を時間内に仕上げられる」ことを示したいなら、作品制作の実践問題があるPhotoshopクリエイター能力認定試験が向いています。メーカーが直接認定する資格であることや、海外の取引先にも通じる資格名であることを重視するなら、アドビ認定プロフェッショナルが向いています。どちらか一方だけで足りないということはないので、まずは受けやすいほうを取り、仕事の幅に合わせてもう一方を検討すれば十分です。
在宅の仕事での使い道
合格したあと、在宅で受けられる仕事にどうつながるのかを具体的に見ていきます。Photoshopの腕が生きる在宅の仕事は、想像以上に幅広くあります。
いちばん件数が多いのは、ネットショップの商品写真の加工です。背景を白く抜く、色味をそろえる、ほこりや傷を消す、決められたサイズにそろえる、といった作業は、ネットショップの運営者から継続的に依頼されやすい仕事です。1枚あたりの作業は短くても、数十枚、数百枚単位でまとめて頼まれることが多く、スタンダードの範囲の操作で対応できる作業が中心です。
次に、Web広告やSNSに使うバナーの制作があります。決められたサイズの中に、商品の写真と短い文字を組み合わせて、見る人の目を引く画像を作る仕事です。文字の配置や色の選び方も問われるので、エキスパートの範囲の力が生きます。広告やSNSの運用を支える仕事の広がりは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
このほか、ブログやWebメディアの記事に使うアイキャッチ画像(記事の冒頭に表示する見出しの画像)の制作、不動産の物件写真の明るさの補正、イベントのチラシ用の画像の準備、プレゼン資料に使う図版の加工など、画像を扱う仕事はさまざまな業種から出てきます。記事の画像まで一人で用意できるライターは、執筆と画像制作をまとめて任せてもらいやすくなります。文章を書く仕事の年収の分布は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。
画像生成のAIや、Photoshopに組み込まれたAIの機能が広がったことで、単純な作業の一部は短い時間でこなせるようになりました。その一方で、AIが作った画像の不自然な部分を直す、指示どおりの仕様に整える、といった仕上げの作業は、Photoshopの基本操作を理解している人にしかできません。業務にAIの道具を取り入れる支援の仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
最初の仕事を受けるまでの手順
合格しても、最初の1件を受けるまでが一番難しいところです。資格を仕事につなげるまでの手順を、具体的に書き出しておきます。
- 得意な作業を1つ決める(商品写真の切り抜き、バナー制作、写真の補正など)
- その作業の見本を3点から5点作り、加工の前と後を並べて見せられるようにする
- プロフィールに、資格名、級、取得年月と、対応できる作業を具体的に書く
- 1枚あたりの作業時間を測り、無理のない単価と納期の目安を決める
- 小さな案件から応募し、納品のたびに仕様の確認と記録を丁寧に行う
見本の作品は、自分で撮影した写真や、商用の利用が認められた素材で作ります。依頼された仕事の成果物を見本に使うときは、必ず依頼した相手の許可を取ってください。加工の前と後を並べると、どんな作業ができるのかが一目で伝わります。
プロフィールの書き方では、資格名だけで終わらせないことが大切です。「Photoshopクリエイター能力認定試験エキスパートに合格。商品写真の背景の切り抜き、色味の統一、ECサイト用のサイズへの書き出しに対応できます」のように、作業の言葉で書くと、依頼する側が自分の困りごとと結びつけて読めます。
応募の文面では、相手の募集文をよく読み、指定されたサイズや枚数、納期に対応できるかを最初に答えます。そのうえで、見本の作品を1点か2点だけ添えると、読み手の負担が少なく、返事をもらいやすくなります。Illustratorの検定や、Webサイトの制作の検定を組み合わせると、受けられる仕事の幅がさらに広がるので、Photoshopの次の目標として考えておくのもよいでしょう。
画像加工の仕事で気を付けたいこと
在宅で画像加工の仕事を受けるときに、資格の勉強だけでは身につかない注意点があります。トラブルを避けるために、あらかじめ押さえておきましょう。
1つめは、素材の権利です。依頼する側から渡された写真や素材は、その仕事の範囲でだけ使います。自分のポートフォリオに載せたいときは、必ず事前に許可を取ってください。また、自分で素材を探して使う場合は、利用規約で商用の利用が認められているか、クレジットの表記が必要かを確かめます。人物が写った写真を加工する場合は、写っている人の了解が取れているかも確認が必要です。
2つめは、納品の仕様の取り決めです。画像のサイズ、解像度、ファイル形式、カラーモード、ファイル名の付け方、修正の回数を、作業の前に文章で確かめておきます。試験で「指定されたファイル形式での保存」が問われるのと同じで、仕事でも仕様どおりに納品できているかどうかが評価を左右します。
3つめは、Photoshopの利用の費用です。Photoshopはサブスクリプション(月や年ごとに利用料を払う契約)で提供されているので、仕事で使い続けるには利用料が継続してかかります。料金のプランはアドビ社の公式サイトで確かめ、受ける仕事の量と見合うかを考えておきましょう。仕事に使う割合に応じて、利用料を事業の経費として扱えることもありますが、扱いは状況で変わるので、判断に迷うときは税務署に確かめてください。
4つめは、作業時間の見積もりです。画像加工の仕事は、1枚あたりの単価が決まっていることが多く、作業に時間がかかりすぎると時間あたりの報酬が下がります。試験の練習で身につけた「最初に指示を全部読み、作業を書き出してから手を動かす」習慣は、仕事の見積もりの精度を上げるうえでも役に立ちます。
次に組み合わせたい検定と、仕事の広げ方
Photoshopの検定に合格したら、次にどの力を伸ばすかで、受けられる仕事の種類が変わります。同じサーティファイの検定の中にも、組み合わせやすい試験があります。
公式の案内では、Illustratorクリエイター能力認定試験が、Photoshopクリエイター能力認定試験と同時に受験されることの多い試験として紹介されています。Illustratorは、ロゴや図形、文字の組み方のように、拡大しても粗くならない図を作るためのソフトです。写真を扱うPhotoshopと、図や文字を扱うIllustratorの両方が使えると、チラシや名刺、バナーのように、写真と文字を組み合わせる仕事を一人で仕上げられるようになります。
Webサイトの仕事に広げたいなら、Webクリエイター能力認定試験も候補になります。公式の案内では、コーディング(Webページを表示するための記述を書くこと)の力を証明できる試験として紹介されています。画像を作るだけでなく、その画像をWebページに組み込むところまで請け負えると、小さな会社やお店のサイトの更新をまとめて任せてもらえる可能性が出てきます。
仕事の広げ方として現実的なのは、今受けている仕事の「前後の工程」を1つずつ引き受けていく方法です。商品写真の加工を受けているなら、その写真を使ったバナーの制作へ。バナーを作っているなら、そのバナーを載せるページの更新へ。工程を1つ広げるごとに、1件あたりの仕事の量が増え、依頼する側にとっても頼む相手を1人にまとめられる利点が生まれます。
公開データから見るPhotoshopの資格と在宅の仕事
最後に、資格の価値を仕事の側から客観的に見ておきます。
Photoshopの資格が「意味がない」と言われることがあるのは、デザインの仕事では資格よりも作品が見られるからです。これはある意味で正しく、資格だけを持っていても、作品を見せられなければ仕事にはつながりにくいのが現実です。ただ、Photoshopクリエイター能力認定試験の実践問題は、それ自体が「指示どおりに1つの作品を時間内に仕上げる」練習になっています。試験のために作った作品の考え方を応用して、自分のポートフォリオ用の作品を何点か作っておけば、資格と作品の両方を示せるようになります。作品の見せ方は、ライター向けに書かれたWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】の考え方が、画像の仕事にもそのまま応用できます。
フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、画像加工の仕事で長く続いている人ほど、納品の正確さで信頼を得ています。指定のサイズ、形式、ファイル名を毎回きちんと守る人は、依頼する側にとって確認の手間が少なく、次の仕事も同じ人に頼みたくなります。試験の合格基準が「仕様に従って」作ることを求めているのは、まさにこの点を測っていると言えます。
もう1つ、仲介の手数料がかからない直接の取引は、1枚あたりの単価が小さい画像加工の仕事ほど効いてきます。依頼する側は同じ予算でより多くの枚数を頼め、受ける側は手数料0%なので手取りが厚くなります。資格で腕を示し、作品で表現の幅を示し、正確な納品で信頼を積み重ねていくことが、在宅の画像の仕事を続けるいちばんの近道です。画像と文章を組み合わせた仕事の年収は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場でも確かめられるので、自分の進む方向を考える材料にしてください。
よくある質問
Q. フォトショップクリエイター能力認定試験の受験料はいくらですか?
2026年10月時点で、スタンダードが8,100円、エキスパートが9,100円(いずれも税込)です。試験時間はスタンダードが第1部40分と第2部90分、エキスパートが第1部50分と第2部90分で、間に最大10分の休憩を挟めます。最新の受験料と日程は、主催するサーティファイの公式サイトで確かめてください。
Q. 自宅で受験できますか?
公開試験は「リモートWebテスト」という在宅受験の形式で行われます。インターネット環境、受験用のパソコン、スマートフォンとスタンド、静かな個室が必要で、自分のパソコンに対応するバージョンのPhotoshopを用意しておく必要があります。Photoshopを用意できない場合は、全国の会場で受ける随時試験を選べます。
Q. スタンダードとエキスパートはどちらから受ければよいですか?
Photoshopを触り始めて数か月ならスタンダード、バナーやチラシの画像を作った経験があるならエキスパートが目安です。迷ったときは公式のサンプル問題を時間を計って解いてみてください。同じ日に両方を受けることもできるので、経験に自信がある人は両方に挑戦する方法もあります。
Q. 資格を取れば画像加工の在宅の仕事を受けられますか?
資格は腕の証明になりますが、仕事を受けるには作品を見せられることも大切です。試験の実践問題の考え方を応用してポートフォリオ用の作品を何点か作り、資格と合わせて示すと受注につながりやすくなります。素材の権利の確認や、サイズや形式など納品の仕様の取り決めも、作業の前に必ず行ってください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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