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介護福祉士が保育士試験で受けられる免除|科目と手続き

@SOHO編集部
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介護福祉士が保育士試験で受けられる免除|科目と手続き

この記事のポイント

  • ✓介護福祉士が保育士試験で受けられる科目免除を
  • ✓全国保育士養成協議会と児童福祉法施行規則で確かめて解説
  • ✓介護福祉士だけでは受験資格にならない点

介護福祉士の資格を持っていると保育士試験で免除が受けられると聞き、どの科目が免除になるのか、手続きはどうするのかを調べている人は多いはずです。介護の仕事から保育の仕事へ移りたい人や、高齢者と子どもの両方に関わる仕事に就きたい人にとって、免除の範囲は勉強の量を大きく左右します。結論から言うと、介護福祉士の資格を持つ人は、保育士試験の筆記試験のうち「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」の3科目が免除になります。ただし、介護福祉士の資格だけでは保育士試験の受験資格にはならない点に注意が必要です。この記事では、保育士試験を実施する全国保育士養成協議会の案内と法令をもとに、免除の範囲、受験資格、残る科目の対策、申請の手順を順番に説明します。

保育士試験の仕組み

最初に、保育士試験の全体像を押さえておきます。保育士は児童福祉法に定められた国家資格で、資格を取る方法は2つあります。1つは都道府県知事が指定する保育士の養成施設を卒業すること、もう1つは保育士試験に合格することです。働きながら資格を目指す人の多くは、保育士試験の道を選びます。

保育士試験は、各都道府県知事から指定を受けた一般社団法人全国保育士養成協議会が、試験の事務を行っています。試験は筆記試験と実技試験に分かれていて、実技試験は筆記試験のすべての科目に合格した人だけが受けられます。

筆記試験の科目は、児童福祉法施行規則で次のように定められています。

  • 保育原理
  • 教育原理及び社会的養護
  • 子ども家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

法令の上では8つの区分ですが、「教育原理及び社会的養護」は試験では「教育原理」と「社会的養護」の2科目として行われるため、実際には9科目を受けることになります。全国保育士養成協議会の筆記試験の案内では、各科目で満点の6割以上を取った人を合格とし、教育原理と社会的養護は同じ回で両方とも6割以上を取らなければ合格にならないとしています。試験はマークシート方式です。

介護と保育の仕事の違い

免除の話に入る前に、介護と保育の仕事の違いも整理しておきます。どちらも人の生活を支える仕事ですが、関わる相手と目的が違います。

介護の仕事は、高齢や障害によって生活に支えが必要な人が、その人らしい暮らしを続けられるように手助けすることが中心です。できなくなったことを補い、今の力を保つことに重きが置かれます。

保育の仕事は、子どもが心と体の両面で育っていくのを支えることが中心です。食事や排せつ、着替えといった生活の手助けは介護と似ていますが、保育では子どもが自分でできるようになることを目指して関わります。遊びを通して言葉や体の動き、人との関わり方が育つように、活動を計画することも保育士の大切な仕事です。

また、保育士の仕事には、保護者への支援も含まれます。児童福祉法では、保育士を、児童の保育と、児童の保護者に対する保育に関する指導を行う者と定めています。送り迎えのときの会話や連絡帳を通じて、家庭での子育ての相談に乗ることも求められます。介護の仕事で家族と連絡を取り合ってきた経験は、この場面で生かせます。

介護福祉士で免除になる3科目

全国保育士養成協議会は、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格を持つ人の免除について、次のように案内しています。

社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士のいずれかの資格をお持ちの方は、登録証のコピーを提出することにより、「社会的養護」・「子ども家庭福祉」・「社会福祉」が免除となります。 出典: 全国保育士養成協議会「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士資格所有者の免除について」

つまり、介護福祉士の登録証のコピーを出すだけで、9科目のうち3科目を受けなくてよくなります。介護福祉士の養成の課程で学ぶ内容と、保育士の養成の課程で学ぶ福祉の基礎の科目には共通する部分が多く、そのために免除が認められていると考えると理解しやすいでしょう。

免除される3科目の中身を簡単に紹介します。

  • 社会的養護は、親と暮らせない子どもを、児童養護施設や里親などで社会全体で育てる仕組みについて学ぶ科目です
  • 子ども家庭福祉は、子どもと家庭を支える法律や制度、相談の窓口について学ぶ科目です
  • 社会福祉は、社会福祉の考え方や歴史、制度、福祉の専門職の役割について学ぶ科目です

介護福祉士の受験のために福祉の制度を学んだ人にとっては、なじみのある分野です。とくに社会福祉の科目は、介護福祉士の国家試験で学んだ内容と重なる部分があります。

免除を受けたあとに残る科目

3科目が免除になると、筆記試験で受けるのは次の6科目です。

  • 保育原理
  • 教育原理
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

さらに、筆記試験にすべて合格すると実技試験があります。介護福祉士の免除は筆記試験の3科目だけなので、実技試験は受ける必要があります。

注意したいのは、教育原理と社会的養護の扱いです。この2科目は本来、同じ回で両方とも6割以上を取る必要がありますが、介護福祉士の免除で社会的養護が免除になった場合に、教育原理をどう扱うかは、受験する年の受験申請の手引きで確かめてください。免除の扱いは書類の出し方によって変わることがあるため、不明な点は全国保育士養成協議会の保育士試験事務センターに問い合わせるのが確実です。

免除を受けると試験の2日間はどうなるか

全国保育士養成協議会の令和8年後期の筆記試験の時間割を見ると、試験は2日間に分かれています。1日目は保育の心理学、保育原理、子ども家庭福祉、社会福祉の4科目、2日目は教育原理、社会的養護、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論の5科目です。教育原理と社会的養護は50点満点で試験時間は各30分、そのほかの科目は100点満点で試験時間は各60分です。

介護福祉士の免除を受けると、1日目の子ども家庭福祉と社会福祉、2日目の社会的養護を受けなくてよくなります。1日目は保育の心理学と保育原理の2科目だけになり、昼過ぎには試験が終わります。2日目は教育原理、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論の4科目です。

試験の時間が短くなる分、体力と集中力を残りの科目に使えます。前の年に合格した科目があれば、さらに受ける科目が減ります。受験票で自分の受ける科目と時間を確かめ、空いた時間を最後の見直しにあてると、当日を落ち着いて過ごせます。

介護福祉士の資格だけでは受験資格にならない

ここが、介護福祉士の人が最も誤解しやすい点です。介護福祉士の資格は、保育士試験の科目の免除にはなりますが、受験資格そのものにはなりません。受験資格は、主に学歴か、児童福祉施設などでの勤務経験で決まります。

全国保育士養成協議会の受験資格の案内によると、主な受験資格は次のとおりです。

  • 大学に2年以上在学して62単位以上を修得した人、または高等専門学校を卒業した人
  • 短期大学を卒業した人(最終学年で卒業見込みの人を含む)
  • 修業年限2年以上の専修学校の専門課程(専門学校)を卒業した人
  • 高校を卒業した人などで、児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上、児童の保護に従事した人
  • 児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上、児童の保護に従事した人

介護福祉士の人に関係が深いのは、専門学校の卒業です。介護福祉士の養成施設には、2年制の専門学校が多くあります。修業年限2年以上の専修学校の専門課程を卒業していれば、その学歴で保育士試験の受験資格を満たせます。介護福祉士の養成施設を卒業して資格を取った人は、卒業証明書を取り寄せれば受験できる可能性が高いので、まず自分の卒業した学校の課程を確かめてください。

一方、高校を卒業してから介護の現場で経験を積み、実務経験の道で介護福祉士になった人は注意が必要です。高齢者の介護施設での勤務経験は、保育士試験の受験資格の勤務経験には数えられません。受験資格になる勤務経験は、保育所や児童養護施設、障害児の通所支援事業など、子どもに関わる施設での勤務です。障害者支援施設などでも、18歳未満の人が半数以上入所している施設であれば対象になる場合がありますが、一般的な高齢者の介護施設は対象外です。

高校卒業の学歴で介護の仕事を続けてきた人は、保育の現場で働いて受験資格を得るか、通信制の大学や短大で単位を取って受験資格を得る、といった道を考える必要があります。どの道が自分に当てはまるかは、受験資格の案内で確かめ、迷ったら試験事務センターに問い合わせてください。

高校卒業の人が勤務経験で受験資格を得る道

高校卒業の学歴で受験資格を得たい人は、子どもに関わる施設で働いて経験を積む道があります。全国保育士養成協議会の受験資格の案内では、保育所などの児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上、児童の保護に従事した人に受験資格があるとされています。

児童福祉施設以外でも、認定こども園、幼稚園、小規模保育事業、事業所内保育事業、放課後児童健全育成事業(いわゆる学童保育)、一時預かり事業、障害児通所支援事業などで2年以上かつ2,880時間以上、児童の保護や援護に従事した人は、受験を希望する都道府県知事の認定を受けて受験できます。この場合は事前に知事の認定の手続きが必要です。

介護の仕事から保育の分野へ移る途中の働き方として、障害児の通所支援事業所や学童保育で働きながら経験を積む方法もあります。こうした職場では、介護で身につけた身体介助の技術が役立つ場面もあります。働きながら受験資格を得て、同時に試験の勉強を進めれば、介護から保育への移行を段階的に進められます。勤務時間は2,880時間以上が必要なので、短い時間のパートで働く場合は、何年で条件を満たせるかを計算しておいてください。

合格した科目には有効期間がある

保育士試験は、9科目を一度に合格しなくても、合格した科目を次の試験に持ち越せます。児童福祉法施行規則の第6条の11では、既に合格した科目は、合格した日の属する年度の翌々年度まで受験を免除できると定めています。合格した年を含めて3年間、その科目を受けなくてよいということです。

全国保育士養成協議会の案内では、この通常3年間の有効期間を、保育所などの対象施設で一定の期間と時間、子どもの保護に従事した場合に、最長5年まで延長できる制度も設けられています。

介護福祉士の免除の3科目は、合格した科目の持ち越しとは仕組みが違い、介護福祉士の資格に基づく免除です。受験申請のたびに登録証のコピーを出して免除を申請します。持ち越しの期間を気にする必要があるのは、自分で合格した残りの6科目のほうです。

6科目を1回で合格するのが難しければ、1回目で3〜4科目、2回目で残りの科目、というように計画を立てると、働きながらでも進めやすくなります。保育士試験は年に2回(前期と後期)行われるので、3年の有効期間のうちに最大6回の受験の機会があります。

試験の日程と受験手数料

全国保育士養成協議会の案内では、令和9年の保育士試験の日程は次のとおりです。

  • 前期は筆記試験が令和9年4月17日(土)と18日(日)、実技試験が6月27日(日)
  • 後期は筆記試験が令和9年10月23日(土)と24日(日)、実技試験が12月12日(日)

前期の受験申請の方法と期間は令和8年12月下旬ごろに、後期は令和9年6月下旬ごろに掲載予定とされています。申請の期間は3週間ほどと短いことが多いので、掲載の時期になったら公式サイトをこまめに確かめてください。

受験手数料は、筆記試験か実技試験のどちらかに受ける科目がある人の場合、12,700円です。オンライン申請では、これに決済の事務手数料が加わり、クレジットカード決済で13,054円、コンビニエンスストア決済で12,975円と案内されています。免除の科目があっても、受ける科目が1つでもあれば手数料は同じです。受験申請のあとは、自己都合で辞退した場合や試験が中止になった場合も、手数料は返金されないとされています。

免除を受けるための手続き

介護福祉士の免除を受ける手続きは、受験申請と同時に行います。オンライン申請と郵送申請があり、全国保育士養成協議会はオンライン申請を勧めています。

オンライン申請の流れ

  1. 全国保育士養成協議会の保育士試験マイページでアカウントを作る
  2. 受験資格を証明する書類(卒業証明書など)を撮影してアップロードする
  3. 免除の申請で、介護福祉士の登録証を撮影してアップロードする
  4. 顔写真をスマートフォンなどで撮影してアップロードする
  5. 受験手数料をクレジットカードかコンビニエンスストアで支払う

全国保育士養成協議会の案内では、オンライン申請の場合、取り寄せた卒業証明書の封筒に「開封無効」と書かれていても、開封して撮影し、アップロードしてよいとされています。原本は、合格通知書が公開される日まで手元に保管しておくよう求められています。

申請の前にそろえておくもの

オンライン申請を始める前に、次のものを手元にそろえておくと、途中で手が止まらずに済みます。

  • 受験資格を証明する書類(卒業証明書や、勤務経験で受ける場合は勤務証明書など)
  • 介護福祉士の登録証の原本
  • 前の回までに合格した科目がある場合は、その結果の通知
  • 氏名が変わっている場合は、変更を証明する書類
  • 申請に使うメールアドレスと、撮影とアップロードができるスマートフォンやパソコン
  • 支払いに使うクレジットカード(コンビニエンスストアで支払う場合は不要)

全国保育士養成協議会の案内では、申請の内容に不備があった場合はメールか電話で連絡があり、期日までに書類を出し直せなかった場合は、その回の受験申請や免除申請を受け付けられないとされています。申請のあとは、登録したメールアドレスに届く連絡をこまめに確かめてください。

登録証で注意すること

免除に使うのは、介護福祉士の登録証です。国家試験の合格証書ではなく、登録を済ませたあとに交付される登録証が必要です。介護福祉士の国家試験に合格しても、登録の手続きを済ませていなければ登録証はありません。合格したばかりの人は、保育士試験の申請の時期までに登録が終わっているかを確かめてください。

また、結婚などで氏名が変わっていて、登録証の氏名と受験申請の氏名が違う場合は、氏名の変更を証明する書類が必要になることがあります。受験申請の手引きで、必要な書類を確かめておきましょう。

残りの科目も免除を受ける方法

介護福祉士の人は、3科目の免除に加えて、残りの科目や実技試験も免除にする方法があります。全国保育士養成協議会の案内では、指定保育士養成施設で、筆記試験の科目と実技試験に対応する教科目を科目等履修で修得した場合、養成施設が発行する専修証明書を出すことで、筆記試験の一部または全部と実技試験を免除できるとしています。科目等履修とは、大学や短大などで、学生として入学せずに特定の科目だけを履修する仕組みのことです。

この方法を使うと、試験を受けずに単位の修得で免除を積み上げられます。ただし、案内では次の点に注意するよう書かれています。

  • 成績証明書では免除にならず、専修証明書が必要
  • 修得した教科目が筆記試験の科目に対応するかは、教科目を修得した養成施設に確かめる
  • 科目の改正前の名称で書かれた証明書や、令和2年3月以前に発行された証明書などは免除にならない場合がある

科目等履修には学費と通学の時間がかかるため、試験の勉強で合格を目指すか、単位の修得で免除を積み上げるかは、自分の得意な学び方と使える時間で決めるとよいでしょう。

残る6科目の勉強の進め方

3科目の免除を受けたあとの6科目は、介護の知識が生きる科目と、新しく学ぶ必要がある科目に分かれます。

介護の知識が生きる科目

子どもの保健は、子どもの体の発達、病気、事故の防止、衛生の管理などを学ぶ科目です。感染症の予防や応急手当、健康の観察の考え方は、介護の現場で身につけた知識と重なる部分があります。子どもの食と栄養も、栄養の基本や食事の介助の考え方は介護の知識が役立ちます。ただし、乳児の授乳や離乳食、アレルギーへの対応など、子どもに特有の内容は新しく学ぶ必要があります。

新しく学ぶ必要がある科目

保育原理、教育原理、保育の心理学、保育実習理論は、保育と教育に特有の科目です。

保育原理は、保育の意義や目的、保育の歴史、保育所での保育の内容と方法を学ぶ科目です。教育原理は、教育の意義や目的、教育の歴史と思想家、日本の教育制度を学びます。人名や出来事を覚える問題が多いので、年表やカードを使って少しずつ覚えると効率的です。保育の心理学は、子どもの心と体の発達の道筋や、発達を支える関わり方を学びます。介護の現場で学んだ高齢期の心理の知識とは対象が違いますが、人の発達を生涯を通して見る考え方は共通しています。保育所保育指針(保育所での保育の内容や運営の基本を国が示したもの)の内容が繰り返し出題されるので、指針の本文を一度通して読んでおくことが土台になります。全国保育士養成協議会の筆記試験の案内では、法令や保育所保育指針などは、試験の年の4月1日以前に施行されたものに基づいて出題するとしています。

保育実習理論は、音楽の基礎(楽譜の読み方やコード)、造形、子ども向けの言葉の表現など、実技試験にもつながる内容が出題されます。音楽の知識に自信がない人は、早めに取りかかるとよいでしょう。

過去の問題を使う

全国保育士養成協議会は、公式サイトで過去の試験問題を公開しています。出題の形式や難しさをつかむために、勉強の初めに1回分を解いてみると、どの科目に時間をかけるべきかが分かります。解いたあとは、正解した問題よりも、迷って選んだ問題と間違えた問題に印をつけ、その分野をテキストで読み直します。試験の直前にもう一度同じ回を解き、印をつけた問題が解けるようになっているかを確かめると、自分の伸びが分かり、残りの期間で何を優先すればよいかが見えてきます。

実技試験の対策

筆記試験にすべて合格すると、実技試験を受けます。全国保育士養成協議会の令和8年後期の案内では、実技試験は音楽、造形、言語の3分野から2分野を選び、それぞれ50点満点で、選んだ2分野の両方で6割以上を取れば合格とされています。受験申請のあとで分野を変えることはできません。

音楽の分野では、幼児に歌って聴かせることを想定して、指定された課題曲をピアノかギターで弾きながら歌います。造形の分野では、保育の一場面を絵で表現します。表現に関する問題文と条件は試験の当日に示されます。言語の分野では、3歳児クラスの子どもに3分間のお話をすることを想定し、指定された課題のお話を子どもが集中して聴けるように話します。課題曲や課題の内容は試験の回ごとに発表されるので、受験する回の案内を必ず確かめてください。

介護の仕事で利用者とのレクリエーションを担当してきた人は、人前で歌う、話す、といった経験が生かせることがあります。楽器の経験がなければ、言語と造形の2分野を選ぶ方法もあります。自分の得意な分野を2つ選び、本番と同じ時間で練習を重ねることが大切です。

働きながら1年で合格を目指す計画

介護の仕事を続けながら保育士試験に合格するには、限られた時間を計画的に使う必要があります。3科目の免除を受けた場合を例に、前期と後期の2回の試験で筆記試験を終える計画を紹介します。

前期の試験までの4か月

前期の筆記試験は4月です。前の年の12月下旬に受験申請の案内が出るので、それまでに受験資格の書類を取り寄せておきます。勉強は、1回目の試験で6科目のうち3〜4科目の合格を目標にします。介護の知識が生きる子どもの保健と子どもの食と栄養に加え、保育の考え方の土台になる保育原理を先に仕上げると、ほかの科目の理解も進みます。

1日あたりの勉強時間は、平日に1時間、休日に2〜3時間が1つの目安です。夜勤のある職場では、夜勤明けの日は無理をせず、休みの日にまとまった時間を取るなど、勤務の形に合わせて計画を組み直してください。

後期の試験までの6か月

前期の筆記試験の結果が出たら、残った科目に絞って後期に向けて勉強します。後期の受験申請は7月ごろなので、前期の結果を見てから申請しても間に合います。教育原理と保育実習理論は覚える量が多いので、後期に回す場合は早めに取りかかります。

筆記試験にすべて合格したら、実技試験の練習に切り替えます。前期の筆記試験に合格した場合、実技試験は同じ年の6月ごろに行われるので、筆記試験が終わった直後から練習を始める必要があります。どの分野を選ぶかは受験申請の時点で決めるので、申請の前に、自分が練習を続けられる分野を見極めておきます。

受験の前によくある失敗

介護福祉士の人が保育士試験を受けるときに、つまずきやすい点を整理します。

受験資格を確かめないまま勉強を始める

前の節で触れたとおり、介護福祉士の資格は受験資格になりません。勉強を始めてから受験資格がないと分かると、それまでの時間が無駄になってしまいます。最初に自分の最終学歴と、卒業した学校の課程の修業年限を確かめてください。卒業証明書の取り寄せには時間がかかることがあるので、早めに学校に依頼しておきます。

登録証のコピーを出し忘れる

免除は申請しなければ受けられません。受験申請のときに登録証の画像のアップロードを忘れると、免除の3科目も受験することになります。申請の画面で、免除の科目が正しく表示されているかを確かめてから支払いに進んでください。決済の画面まで進むと申請の内容を変えられないと案内されているので、とくに注意が必要です。

合格した科目の期限を忘れる

自分で合格した科目は、合格した年を含めて3年が過ぎると、また受け直しになります。合格した科目と合格した年を表にまとめ、期限が来る前に残りの科目に合格できるように計画を立ててください。

合格したあとの保育士登録

保育士試験に合格しただけでは、保育士として働くことはできません。全国保育士養成協議会の案内では、保育士試験の合格者が保育士として業務に就く場合、児童福祉法の規定に基づいて都道府県知事への登録の手続きが必要だとしています。登録の手続きは、都道府県知事から委託を受けた登録事務処理センターで、合格通知書を使って行います。

同じ案内では、登録の手続きには申請書類の受付からおおむね2か月程度かかるとされています。保育所への就職や転職が決まっている人は、勤め始める日から逆算して、合格通知書が届いたらすぐに手続きを始めてください。保育士証が届くまでは保育士の名称を使って働けないため、就職先とも開始の時期を相談しておくと安心です。

介護福祉士の登録と同じように、保育士の登録をしたあとで氏名や本籍地の都道府県が変わったときは、変更の届出が必要になります。2つの資格を持つ人は、片方だけ手続きを忘れることがないように気をつけてください。

介護福祉士と保育士の両方を持つ意味

介護福祉士と保育士の両方の資格を持つと、働ける場所の選択肢が広がります。高齢者施設と保育所が同じ建物にある施設や、障害のある子どもと大人の両方を支援する事業所など、両方の知識が求められる職場もあります。

また、障害児の通所支援の事業所では、保育士や介護福祉士などの資格を持つ人が求められることがあります。介護で身につけた身体介助の技術と、保育で学ぶ子どもの発達の知識の両方を持つ人は、こうした職場で力を発揮しやすいと言えます。

高齢者と子どもが交流する取り組みを行う施設も各地にあります。高齢者の介護の知識と、子どもの発達や遊びの知識の両方を持つ人は、世代をまたいだ活動の企画や進行の場面で、両方の立場を理解したうえで関われます。介護の現場でレクリエーションを企画してきた経験は、保育の活動計画を立てるときにも生かせます。

ただし、資格を取ったあとの給与や待遇は、勤め先の規程によって大きく異なります。両方の資格を持っていることで手当が出るか、仕事の幅が広がるかは、応募する前に求人の内容や面接で確かめてください。

運営者の視点:資格の組み合わせは仕事の幅を広げる

フリーランスや在宅ワークの市場を2004年から見てきた運営者の立場から言えば、複数の分野の資格や経験を組み合わせている人ほど、仕事の選択肢を広げやすいと感じます。介護と保育の両方の知識を持つ人は、現場の仕事だけでなく、介護や保育の研修の教材づくり、施設向けのマニュアルの作成、子育てや介護に関する記事の執筆など、経験を生かせる業務委託の仕事にも挑戦できます。

こうした仕事を受けるときは、仲介の手数料がかからない手数料0%の直接取引のほうが、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなります。依頼する側も同じ費用でより多くの作業を頼めるため、双方にとって続けやすい関係になりやすいと感じます。

文章の仕事に関心があれば、過去に書いたものを見せる準備から始めると仕事につながりやすくなります。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、作品の選び方と見せ方をテンプレート付きで解説しています。施設の連絡文や保護者への案内文を、正確で伝わる文章で書けるようになりたい人は、ビジネス文書の基本を問うビジネス文書検定の内容も、学び直しの目安になります。

介護福祉士の資格を持つ人は、保育士試験で社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉の3科目の免除を受けられます。まず自分の受験資格を卒業した学校の課程で確かめ、介護福祉士の登録証を手元に用意したうえで、令和9年前期の受験申請の案内が掲載される12月下旬に備えてください。

よくある質問

Q. 介護福祉士は保育士試験のどの科目が免除になりますか?

全国保育士養成協議会の案内では、介護福祉士の資格を持つ人は、登録証のコピーを出すことで「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」の3科目が免除になります。残る保育原理、教育原理、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論の6科目と、実技試験は受ける必要があります。

Q. 介護福祉士の資格があれば保育士試験を受けられますか?

介護福祉士の資格は科目の免除にはなりますが、受験資格にはなりません。受験資格は、短大や修業年限2年以上の専門学校の卒業などの学歴か、保育所などの児童福祉施設での勤務経験で決まります。介護福祉士の養成施設が2年制の専門学校であれば、その卒業で受験資格を満たせる可能性があります。

Q. 高齢者施設での介護の経験は保育士試験の受験資格になりますか?

なりません。勤務経験で受験資格を得る場合、対象になるのは保育所や児童養護施設、障害児の通所支援事業など、子どもに関わる施設での勤務です。高校卒業の学歴で介護の仕事を続けてきた人は、子どもに関わる施設で働くか、大学や短大で単位を取るなどして受験資格を得る必要があります。

Q. 免除を受けても受験手数料は安くなりますか?

安くなりません。全国保育士養成協議会の案内では、筆記試験か実技試験のどちらかに受ける科目が1つでもあれば、受験手数料は12,700円です。オンライン申請ではこれに決済の事務手数料が加わります。手数料が2,400円になるのは、幼稚園教諭の免許を持つ人などで、筆記と実技のすべてが免除になる場合です。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月9日最終更新:2026年11月3日
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