ムーンスターの不正アクセス|オンラインストア最大59万3千人と偽メールの見分け方 2026

@SOHO編集部
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ムーンスターの不正アクセス|オンラインストア最大59万3千人と偽メールの見分け方 2026

この記事のポイント

  • ✓ムーンスターの不正アクセスで
  • ✓オンラインストアを利用した最大59万3千人の氏名・住所・電話番号・メールアドレス・過去の注文情報が漏洩した可能性があると発表されました
  • ✓2026年10月20日時点の公式発表をもとに

靴メーカーの株式会社ムーンスターは、2026年10月2日と10月15日に、同社のシステムサーバーへの不正アクセスにより、オンラインストアを利用した最大59万3千人の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、過去の注文情報が漏洩した可能性があると発表しました。クレジットカード情報とECサイトのログインパスワードは、そのサーバーに保存しておらず対象外とされています。利用者がまずすることは、ムーンスターを名乗るメールやSMSのリンクを開かないこと、身に覚えのない連絡は公式の窓口に確かめること、同じパスワードを複数のサービスで使っているなら見直すことの3つです。

この記事では、2026年10月20日時点でムーンスターが公式サイトに出している3本のお知らせ(2026年3月26日、10月2日、10月15日)だけを根拠に、何が分かっていて何がまだ分かっていないのかを分けて整理します。すでに一部の利用者に偽メールが届いていると発表されているため、見分け方と、届いたときの動き方も具体的に書きます。

2026年10月20日時点で分かっていること

まず、発表の要点を短く並べます。細かい中身はこのあとの節で順に説明します。

  • 発表した会社:株式会社ムーンスター(靴の製造と販売)
  • 対象:同社のオンラインストアを利用した人(楽天市場、Yahoo!ショッピング、au PAYマーケット、自社の通販サイトなど8つのショップ)
  • 件数:情報漏洩の可能性のある対象人数は最大59万3千人
  • 漏れた可能性がある情報:氏名、住所、電話番号、メールアドレス、過去の注文情報
  • 対象外と明記された情報:クレジットカード情報、ECサイトのログインパスワード等
  • 漏洩した時期:2026年5月14日から5月19日にかけての可能性が高い
  • すでに起きていること:ムーンスターをかたるフィッシングメールが一部の利用者に届いている
  • 対象者への連絡:漏洩の可能性がある人へ順次メールで個別に連絡。連絡がない人は対象外

件数は「最大59万3千人」という表現で発表されています。59万3千人全員の情報が確実に外へ出たという意味ではなく、漏洩した可能性がある人の上限の数です。一方で、第3報では「漏洩したお客様情報は以下の通り」という書き方になっており、なりすましメールに実際の注文情報が書かれていたことから、同社は情報が窃取されていたと判断しています。可能性の話だけで終わっている事案ではない、という点は押さえておく必要があります。

フィッシングメールとは、実在する会社を装ったメールで偽のサイトに誘導し、IDやパスワード、カード番号を入力させてだまし取る手口のことです。今回のように氏名や注文の内容が知られていると、本物と見分けにくい文面が作られます。漏れた項目そのものよりも、この「本物らしい偽メール」で二次被害が出ることが、利用者にとっての一番の心配ごとです。

公表の経緯:3月の初報、10月2日の第2報、10月15日の第3報

ムーンスターの発表は3回に分かれています。日付ごとに、そのとき分かったことを並べます。

公表日 お知らせ その時点で分かったこと
2026年3月26日 当社サーバーに対する不正アクセスの疑いに関するお知らせ 一部のサーバーで第三者による不正アクセスの疑いを確認。顧客情報が取得された事実は確認されていない
2026年10月2日 第2報 不正なログインと情報取得が行われた可能性が判明。漏洩の可能性がある項目を公表。フィッシングメールが一部の顧客に届いていると発表
2026年10月15日 第3報 漏洩の時期を5月14日から19日と特定。対象の8ショップと最大59万3千人を公表。窓口にメールアドレスを追加

3月の初報の時点では、情報が取られた事実は確認できていないと書かれていました。初報の本文は次のとおりです。

現時点において、お客さまの情報が不正に取得された事実は確認されておりませんが、引き続き詳細な調査を実施しております。 出典: moonstar.co.jp

その後、10月15日の第3報によると、2026年9月20日前後に顧客から問い合わせがあり、その顧客に届いたムーンスターを装うなりすましメールに、本人と同社しか知らないはずの過去の注文情報が書かれていたことから、顧客情報が窃取されていたと判断したと説明されています。3月の時点では漏洩を確認できず、半年後に偽メールという形で表に出た、という順番です。

この流れから分かるのは、会社が「漏洩の事実は確認されていない」と発表していても、あとから状況が変わることがあるという点です。2026年3月の初報を見て安心していた人も、10月の発表を受けて改めて身の回りを確かめる必要があります。ムーンスターは第3報で「今後、新たな追加の対応内容につきましては、弊社Webサイトを通じて速やかにお知らせいたします」としているので、続報が出ていないかは同社のインフォメーションのページで確かめます。2026年10月20日時点で、同社のインフォメーションの一覧に出ているのは10月2日の第2報と10月15日の第3報で、それより新しい続報は見当たりません。

漏れた可能性がある項目と、含まれないと明記された項目

第3報に書かれた項目を、漏れた可能性があるものと、会社が「含まれない」と明記したものに分けて表にします。

区分 項目
漏れた可能性がある 氏名
漏れた可能性がある 住所
漏れた可能性がある 電話番号
漏れた可能性がある メールアドレス
漏れた可能性がある 過去の注文情報
含まれないと明記 クレジットカード情報
含まれないと明記 ECサイトのログインパスワード等

第3報は、これらの項目について「前回のお知らせと同範囲内」と書いています。10月2日の第2報から、漏れた項目の範囲は広がっていません。第2報ではカードについて「クレジットカード番号、パスワード等の情報は、当該システムサーバーには保存しておらず」と書かれ、第3報では「クレジットカード情報、ECサイトのログインパスワード等の情報は、当該システムサーバーには保存しておらず」と、対象外の項目がより具体的に書かれています。

「過去の注文情報」に何が含まれるかは、発表に細かくは書かれていません。一般に通販の注文情報には、注文日、商品名、サイズ、金額、お届け先などが含まれますが、ムーンスターの今回の事案でどこまで含まれていたかは公表されていないので、ここでは決めつけません。ただ、偽メールに「本人と同社しか知り得ない過去のご注文情報」が書かれていたという説明から、少なくとも本人が見て本物だと信じてしまう程度の注文の中身は知られていると考えて動くのが安全です。

カード情報が対象外とされている点は、利用者にとって安心できる材料です。ただし、カード番号そのものが漏れていなくても、偽メールで偽のサイトに誘導され、そこでカード番号を入力してしまえば被害が出ます。対象外の項目があることと、二次被害の心配がないことは別の話として考えます。

対象になるショップと、自分が対象かを確かめる方法

第3報は、影響対象を「弊社オンラインストアをご利用頂いたお客様」とし、対象のサイトを次のように挙げています。

  • 楽天市場 ムーンスター公式ショップ
  • Yahoo!ショッピング ムーンスター公式ショップ
  • MOONSTAR ONLINE STORE
  • MOONSTAR LIFESTYLE EC STORE
  • au PAYマーケット ムーンスター公式ショップ
  • ムーンスター アウトレット
  • Qoo10 ムーンスター公式ショップ(現在は閉店)
  • Amazon ムーンスター公式ショップ(現在は閉店)

楽天市場やYahoo!ショッピングなどのモールで買った場合も対象に入っている点に注意します。モールの中の公式ショップで買った人は、自分がムーンスターの通販を使ったという意識が薄いことがあります。子どもの上履きや運動靴、仕事用の靴、贈り物などで、過去にこれらのショップから買ったことがないか思い出してみてください。Qoo10とAmazonの公式ショップはすでに閉店していますが、以前そこで買った人も対象に含まれています。

自分が対象かどうかは、ムーンスターからのメールで分かります。第3報には次のように書かれています。

情報漏洩の可能性のある対象人数は、最大59万3千人となります。漏洩の可能性のあるお客様へは、順次個別にメールにてご連絡を差し上げます。ご連絡がないお客様は対象外となります。 出典: moonstar.co.jp

ここで気をつけたいのは、「ムーンスターからのお詫びメール」を装った偽メールも届きうるという点です。本物の連絡が順次メールで届く以上、そのタイミングに合わせて似た件名の偽メールが送られてくることは十分に考えられます。お詫びのメールが届いたら、メールの中のリンクから何かを入力するのではなく、ムーンスターの公式サイトを自分でブックマークや検索から開き、インフォメーションのページと照らし合わせます。中身に不安があれば、後で紹介するカスタマーセンターに電話で確かめます。

連絡が来ない場合は対象外とされていますが、メールアドレスを変えた、迷惑メールのフォルダに振り分けられた、といった理由で届いていないこともありえます。過去にこれらのショップを使った覚えがあり、気になる人は、迷惑メールのフォルダも含めて確かめたうえで、窓口に問い合わせるのが確実です。問い合わせの際に、窓口がカードの番号やパスワードを尋ねることはないと発表されています。

原因について発表されていること

原因について、第3報は次のように説明しています。

  • 2026年3月に不正アクセスを認識し、同月に公表した。当時の調査では情報漏洩の事実は確認できなかった
  • 2026年9月20日前後に顧客から問い合わせを受け、なりすましメールに過去の注文情報が書かれていたことから、顧客情報が窃取されていたと判断した
  • 現在までの調査で、2026年5月14日から5月19日にかけて、システムサーバーを経由して個人情報が漏洩した可能性が高いことが分かった
  • 不正アクセスの具体的な手法、対象システム、脆弱性その他の技術的な詳細は、再発防止と安全確保の観点から記載を差し控える

脆弱性とは、システムの設計や設定にある弱いところのことで、攻撃者はそこを突いて侵入します。今回の事案では、どの脆弱性が使われたのかは公表されていません。技術的な詳細を伏せるのは、同じ手口で別のシステムが狙われるのを防ぐためと説明されています。

3月に不正アクセスを認識していたのに、漏洩が起きた可能性が高い時期は5月14日から19日とされています。発表からは、3月の不正アクセスと5月の漏洩がどうつながっているのか、3月以降の対策のあとにどの経路から情報が出たのかは読み取れません。この点は2026年10月20日時点で公表されていないため、ここでも推測しません。利用者として押さえておくべきなのは、漏洩した可能性が高い期間が特定されたこと、そしてその情報を使った偽メールがすでに出回っていることの2点です。

ムーンスターの対応と、発表に書かれていないこと

第2報と第3報に書かれたムーンスターの対応は次のとおりです。

  • 不正アクセスを受けたシステムサーバーの外部接続を遮断し、パスワードの強制変更を実施
  • 専門事業者と連携した技術調査の実施
  • システムの脆弱性対策と、外部からの侵入に対する多重防御などのセキュリティ強化
  • 個人情報保護に関する社内ルールと運用の見直し、社員教育の徹底
  • 個人情報保護委員会への報告と、必要な対応の実施
  • 漏洩の可能性がある人へ、順次個別にメールで連絡

個人情報保護委員会とは、個人情報の扱いを監督する国の機関です。会社は、一定の条件に当たる漏洩が起きたとき、この委員会に報告することが法律で求められています。

「パスワードの強制変更」は、発表の文脈から、不正アクセスを受けたサーバーに関するパスワードを変えたという意味に読めます。利用者がオンラインストアで使っているログインパスワードを会社がまとめて初期化した、という記載はありません。利用者のログインパスワードは今回の対象外とされているため、ムーンスターの側から利用者にパスワードの変更を求める文言もありません。

発表に書かれていないことも整理しておきます。お詫びの品や金銭による補償、専用のマイページでの照会、漏洩した人ごとの項目の内訳は、2026年10月20日時点のお知らせには書かれていません。書かれていないものについて、あるともないとも推測はしません。今後の対応はウェブサイトで知らせるとされているので、続報を待ちます。

すでに届いている偽メールの特徴と見分け方

第2報と第3報の両方で、ムーンスターになりすましたフィッシングメールが一部の顧客に配信されていることが確認されたと書かれています。今回の偽メールの特徴は、本物の注文情報が書かれている可能性があることです。「注文した覚えがある商品の名前が書いてあるから本物だ」と判断するのは危険です。

偽メールを見分けるときに見るところを、順番に挙げます。

  1. 本文のリンク先のアドレス。ムーンスターの公式サイトは moonstar.co.jp です。似た文字を並べた別のドメインになっていないか、リンクを押す前に確かめます。スマートフォンではリンクを長押しすると行き先が表示されます
  2. 入力を求められる情報。ムーンスターは、メール、SMS、電話でパスワードやクレジットカード情報を尋ねることはないと発表しています。カード番号やパスワードの入力を求める連絡は、それだけで偽物と判断できます
  3. 急がせる言葉。「本日中に確認しないと返金できません」「アカウントが停止されます」のように、期限を切って急がせる文面は典型的な手口です
  4. 差出人の表示。差出人の名前やアドレスは簡単に偽装できるので、表示が「ムーンスター」でも本物とは限りません

警察庁も、フィッシングのメールについて、差出人の表示だけで真偽を判断するのは難しいと説明しています。

電子メールは、仕様上、受信者から見える「送信元名称」や「送信元メールアドレス」を変更することが容易であるため、実在の企業等になりすますことができます。 出典: npa.go.jp

今回の事案に関連して届きやすいと考えられる文面には、「お詫びとして返金します」「再発送のため住所とカード情報を確認してください」「注文に問題があったため再決済をお願いします」といったものがあります。ムーンスターの発表には返金や再決済の案内はありません。お金に関わる案内がメールで届いたら、リンクを開かずに公式の窓口へ確かめます。

偽メールのリンクを開いてしまっただけで、何も入力していなければ、多くの場合はそのページを閉じれば足ります。ただし、ファイルをダウンロードした、アプリを入れた、という場合は、端末のセキュリティソフトでの確認や、入れたアプリの削除が必要です。パスワードやカード番号を入力してしまった場合の動き方は、次の節で書きます。

利用者がすること

漏れた可能性がある項目は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、過去の注文情報です。パスワードとカード情報は対象外とされています。そのため、すべての人が今すぐパスワードを変えなければならない、という状況ではありません。項目に合わせて、やることを順番に並べます。

1. ムーンスターを名乗る連絡は、公式サイトから確かめる

一番大事なのはこれです。メールやSMSのリンクから開かず、ブックマークや検索から公式サイトを開いて、インフォメーションのページで本当に出ている案内かを確かめます。電話がかかってきた場合は、いったん切って、公式サイトに載っている番号にかけ直します。

2. 偽メールに入力してしまったときは、すぐに止める

偽のサイトにパスワードを入力してしまった場合は、そのパスワードを使っている全部のサービスで、すぐにパスワードを変えます。カード番号を入力してしまった場合は、カードの裏面に書かれた番号でカード会社に連絡し、利用の停止と再発行を相談します。警察庁は、フィッシングでカードの不正利用の被害に遭った場合、クレジットカード会社が補償制度や相談窓口を設けていることがあるので、被害に遭ったサービスの会社に相談するよう案内しています。

3. パスワードの使い回しを見直す

今回のサーバーにはログインパスワードは保存されていなかったと発表されていますが、メールアドレスは漏れた可能性があります。メールアドレスが知られていると、別のサービスで漏れたパスワードと組み合わせて、ログインを試される危険があります。同じパスワードを複数のサービスで使っている人は、この機会に、通販サイト、メール、銀行、SNSから順に、サービスごとに違うパスワードへ変えていきます。覚えきれない場合は、パスワード管理アプリを使うと、長くて推測されにくいパスワードを作って保存できます。

4. 二段階認証を設定する

二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなどをもう1つ入力しないとログインできないようにする仕組みです。パスワードが知られても、すぐには乗っ取られにくくなります。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど、ムーンスターの商品を買ったモールのアカウントでも設定できるか、それぞれの設定画面で確かめます。

5. カードの明細を、念のため見ておく

カード情報は対象外とされていますが、偽メール経由の被害がないかを確かめる意味で、ここ数か月のカードの利用明細に身に覚えのない請求がないかを見ておきます。少額の請求が続いている場合も含めて、心当たりのないものがあればカード会社に連絡します。

自分のメールアドレスが、ほかのサービスの漏洩にも巻き込まれていないかを確かめたい人は、海外の漏洩情報を検索できるサービスの使い方を解説したHave I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩が参考になります。

住所と電話番号が知られたときに気をつけること

今回の事案では、メールアドレスだけでなく、住所と電話番号も漏れた可能性がある項目に入っています。偽メールだけでなく、SMS、電話、郵便でも、ムーンスターや配送業者を装った連絡が来る可能性があります。第3報も、ムーンスターを装った不審なメール、SMS、電話に注意するよう呼びかけています。

住所が知られているときに気をつけたいのは、次のような連絡です。

  • 「靴の不良品の回収のため、返送先と口座を教えてください」という電話や郵便
  • 「お届けにあがりましたが不在でした」という宅配業者を装ったSMS
  • 「漏洩の被害者として補償の手続きをします」と持ちかけ、手数料を求める連絡

宅配業者を装ったSMSについて、警察庁は、記載されたURLから荷物追跡のアプリを入れてしまい、登録している電話番号へ大量のSMSが勝手に送られた相談事例を紹介しています。SMSのリンクからアプリを入れないことが、被害を防ぐ一番の手です。

住所が漏れたときに、引っ越しや表札、郵便物で気をつけることを詳しく知りたい人は、住所が漏れたときの記事に、確かめる順番と相談先をまとめています。

電話番号が知られている場合は、知らない番号からの着信には出ずに留守番電話に任せ、用件を聞いてから公式の番号にかけ直す、という形に切り替えるのが手軽です。スマートフォンの迷惑電話の対策機能や、携帯電話会社の迷惑メッセージのブロック機能を使うと、不審なSMSが届きにくくなります。

家族の分の注文も確かめる

ムーンスターのオンラインストアでは、大人の靴だけでなく、子どもの上履きや運動靴、介護用の靴も扱っています。家族の誰かがまとめて注文していることが多い商品なので、自分では買った覚えがなくても、家族のアカウントで注文していたり、自分がお届け先になっていたりすることがあります。

確かめたいのは次のような場面です。

  • 親が子どもの上履きを毎年注文している。注文者は親、お届け先は自宅
  • 離れて暮らす高齢の親のために、介護用の靴を子どもが注文し、親の家をお届け先にした
  • 贈り物として、知人の家に靴を直接送った

こうした場合、偽メールが届くのは注文した人のメールアドレスですが、偽の電話や郵便はお届け先の家に届く可能性があります。とくに高齢の家族は、ムーンスターや配送業者の名前を出されると信じてしまいやすいので、「ムーンスターを名乗る電話でお金や口座の話が出たら、いったん切って家族に相談する」と伝えておきます。

家族の誰が、どのショップで、いつ頃注文したかを話し合っておくと、ムーンスターからお詫びのメールが届いたときに、本物かどうかを家族の中で照らし合わせられます。心当たりのある家族がいれば、その人のメールの受信箱でも、ムーンスターからの連絡と不審なメールが届いていないかを確かめてもらいます。

問い合わせ窓口

第3報に書かれている問い合わせ先は次のとおりです。

窓口 内容
名称 ムーンスター カスタマーセンター
電話番号 0800-800-1792
受付時間 平日 10時から17時
メール [email protected]

第2報では、不審なメール、SMS、電話について、記載された連絡先には連絡せず、この窓口に相談するよう案内されています。偽メールに書かれた電話番号にかけると、そこで詐欺の相手につながってしまうことがあるので、必ず公式サイトに載っている番号を使います。

ムーンスターとのやり取りで解決しない場合や、偽メールで実際にお金の被害が出た場合の相談先もあります。消費生活のトラブル全般は、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。国民生活センターによると、土日祝日の10時から16時に地域の消費生活センターが開いていない場合は、188で国民生活センターが相談を受け付けています(一部地域や年末年始などを除く)。カードやお金の被害が出たときは、最寄りの警察署にも相談します。

会社が個人情報の扱いについて法律に沿った対応をしていないと感じたときは、個人情報保護委員会の「個人情報保護法相談ダイヤル」(03-6457-9849、受付時間は9時30分から17時30分、土日祝日と年末年始を除く)に相談できます。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で仕事をする人の中には、仕事の道具や作業用の靴、取引先への贈り物を、個人のアカウントで通販から買っている人もいます。今回の事案で関係してくるのは、注文の際に取引先の名前や住所をお届け先として入力していた場合です。「過去の注文情報」が漏れた可能性があるとされているので、お届け先として入力した第三者の情報が含まれていたかもしれません。

ただし、注文情報にお届け先がどこまで含まれていたかは、ムーンスターの発表には書かれていません。ここは推測で取引先に知らせるのではなく、まずムーンスターの窓口に、自分の注文の情報のうち何が対象になっているかを問い合わせて確かめるのが順番です。

取引先に知らせるかどうかを考えるときに、法律の仕組みを知っておくと判断しやすくなります。個人情報保護委員会は、事業者が国に漏洩を報告しなければならない場面として、次の4つを示しています。

  • 病歴など、特に配慮が必要な情報が含まれる場合
  • クレジットカード番号など、不正に使われるとお金の被害につながる情報が含まれる場合
  • 不正アクセスなど、不正な目的によるおそれがある場合
  • 本人の数が1,000人を超える場合

同じページには、報告の期限について次のように書かれています。

発覚したら、まずは速やかに報告してください。 不正な目的で行われたおそれがある場合は、発覚日から、60日以内 出典: ppc.go.jp

今回、国への報告と本人への連絡をしているのは、情報を持っていたムーンスターです。個人として通販で買い物をしただけの人が、国に報告する立場になるわけではありません。一方で、取引先から預かった顧客名簿や納品先の一覧を、自分の判断で通販のお届け先に使っていた、という場合は話が変わります。預かった情報の扱いは、業務委託の契約や取引先との取り決めで決まっていることが多いので、契約書を見直し、取り決めがあればそれに沿って取引先に伝えます。どう扱えばよいか分からないときは、自分だけで判断せず、取引先の担当者や個人情報保護委員会の相談窓口に確かめながら進めます。

普段からできる備えもあります。仕事で使う買い物と私用の買い物でアカウントを分ける、取引先の住所を個人の通販アカウントのお届け先に保存したままにしない、仕事が終わった案件の連絡先は契約に沿って削除する、といった習慣です。こうしておくと、どこかで漏洩が起きたときに、影響の範囲をすぐに答えられます。

運営者の視点:漏洩の公表を受けて、仕事のアカウントを見直す

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた@SOHOの編集部として、漏洩の公表があった直後に在宅で仕事をする人へ伝えたいのは、偽メールへの備えです。とくに今回のように、本物の注文情報を使った偽メールが出回っている場合、普段なら見抜ける人でもだまされやすくなります。個人で仕事を受けている人は、会社の情報システム部門のような後ろ盾がないので、自分のアカウントは自分で守る必要があります。仕事の連絡を受けるメールアドレスと、通販の会員登録に使うメールアドレスを分けておくだけでも、偽メールが仕事の受信箱に紛れ込む危険を減らせます。

依頼者と受け手が直接やり取りする手数料0%の取引では、中間に入る会社がないので手取りが厚くなる一方で、連絡の真偽を確かめる役目もそれぞれが担います。取引先から「支払い先の口座が変わった」という連絡が突然メールで届いたら、電話など別の手段で本人に確かめる、といった基本の動きが、そのまま信用になります。

情報セキュリティの知識は、それ自体が仕事にもなります。企業の情報セキュリティ対策の支援や、偽メールへの対応の手順づくりといった仕事の内容は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。お詫びや報告の文書を正確に書く力を示したい人には、ビジネス文書の作成能力を認定するビジネス文書検定が、偽メールを見抜く訓練を社内や取引先で進めたい人には、訓練の進め方をまとめた社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドが参考になります。ログインにパスワード以外の要素を組み合わせる仕組みを比べたい人は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版もあわせて読んでおくと、漏洩の公表が出たときに落ち着いて動けます。

よくある質問

Q. ムーンスターの不正アクセスで、クレジットカード番号は漏れましたか?

2026年10月15日の第3報では、クレジットカード情報は当該システムサーバーに保存しておらず、今回の事案には含まれていないと発表されています。ただし、ムーンスターを装った偽メールから偽のサイトに誘導され、そこでカード番号を入力すると被害が出ます。メールのリンクからカード情報を入力しないことが大切です。

Q. 自分が対象かどうかは、どうすれば分かりますか?

ムーンスターは、漏洩の可能性がある人へ順次個別にメールで連絡するとし、連絡がない人は対象外と発表しています。お詫びのメールを装った偽メールもありうるので、届いたメールのリンクは開かず、公式サイトのインフォメーションのページと照らし合わせるか、カスタマーセンター(0800-800-1792、平日10時から17時)に確かめます。

Q. 楽天市場やYahoo!ショッピングで買った場合も対象ですか?

第3報は、楽天市場、Yahoo!ショッピング、au PAYマーケットのムーンスター公式ショップと、閉店したQoo10とAmazonの公式ショップを含む8つのショップを対象のサイトとして挙げています。モールの中の公式ショップで買った人も対象に含まれるので、過去の購入を思い出して確かめてください。

Q. ムーンスターのサイトのパスワードは変えたほうがよいですか?

発表では、ECサイトのログインパスワードはそのサーバーに保存されておらず、対象外とされています。ただ、メールアドレスは漏れた可能性があるため、ほかのサービスと同じパスワードを使っている場合は、サービスごとに違うパスワードへ変えておくと安心です。あわせて二段階認証を設定できるサービスでは設定しておきます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月20日
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