病院の医事課で働く資格|医療事務の資格の選び方


この記事のポイント
- ✓病院の医事課で働くのに法律上の必須資格はありませんが
- ✓医療事務の資格は知識の証明になります
- ✓メディカルクラークや医療事務管理士などの主な資格
病院の医事課で働きたいと考えて資格を調べると、医療事務の資格の名前がいくつも並んでいて、どれを取ればよいのか迷います。結論から書くと、医事課で働くために法律で決められた資格はありません。医療事務の資格はすべて民間の資格で、資格がなくても採用される人はいます。それでも、医療保険と診療報酬の知識を持っていることを示せる資格は、未経験からの応募や、入院やレセプトの担当を目指すときに大きな助けになります。この記事では、医事課の仕事の中身を整理したうえで、主な医療事務の資格の特徴と、担当したい仕事に合わせた選び方を、主催団体の公式の記載をもとに説明します。
医事課とはどんな部署か
医事課とは、病院の中で、患者の受付から医療費の会計、診療報酬の請求までを担う事務の部署のことです。病院によっては「医事部」「医事係」などと呼ばれます。医師や看護師が医療を行うのに対し、医事課は、その医療が正しく記録され、病院の収入として受け取れるようにする役割を担います。
医事課の主な仕事
医事課の仕事は、病院の規模によって分担のされ方が違いますが、おおむね次のように分かれています。
- 外来の受付と会計:初めて来た患者の登録、保険証やマイナ保険証の確認、診察後の医療費の計算と支払いの受け付け
- 入院の受付と会計:入院の手続き、入院中の医療費の計算、退院時の精算
- レセプトの作成と点検:1か月分の医療行為を患者ごとにまとめた請求書(レセプト)を作り、誤りがないかを確かめて提出する
- 返戻と査定への対応:審査で戻されたレセプトや、減額されたレセプトの原因を調べ、必要に応じて再請求する
- 未収金の管理:患者が支払っていない医療費の確認と、支払いのお願い
- 統計と報告:患者数や診療報酬の集計、院内の会議に出す資料の作成
小さな診療所では1人で受付からレセプトまでこなすことが多いのに対し、病院の医事課では、外来係、入院係、レセプトの担当などに分かれて仕事をするのが一般的です。
病院と診療所の違い
病院の医事課で働くうえで特に大切なのが、入院の知識です。診療所(ベッドが19床以下の医療機関)は外来の患者が中心ですが、病院(20床以上)では入院の患者の医療費の計算とレセプトが大きな仕事になります。入院の医療費は、入院の日数や病棟の種類、手術や処置の内容によって計算が複雑になります。外来だけを扱う資格と、入院まで扱う資格では、病院の医事課での評価が変わることがあります。
医事課の1日と1か月の流れ
資格を選ぶ前に、医事課の仕事がどのような流れで進むのかを知っておくと、どの知識が必要になるかが見えてきます。ここでは、病院の医事課の一般的な流れを紹介します。病院の規模や診療科の構成によって細かい点は違います。
1日の流れ
朝は、外来の受付が始まる前に、予約の確認や受付の準備をします。受付が始まると、初めて来た患者の登録、再来の患者の受付、保険証やマイナ保険証の確認が続きます。午前の診察が終わる時間帯は会計が混み合い、医療費の計算と支払いの受け付けに追われます。午後は、午後の外来の対応と並行して、入院患者の手続き、カルテの入力内容の確認、問い合わせへの対応などを進めます。夕方には、その日の会計の締めを行い、現金と記録が合っているかを確かめます。
入院係の場合は、入院や退院の手続き、入院中の医療費の計算、退院時の精算が中心になります。退院の日が決まると、それまでの医療費をまとめて計算し、患者や家族に説明する仕事があります。高額な医療費になる場合は、医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度の案内を求められることもあり、制度の基本を知っておくと説明がスムーズになります。
1か月の流れ
医事課の仕事には、毎月決まった山があります。最も忙しいのが、月末から翌月の初めにかけてのレセプトの作成と点検の時期です。1か月分の医療行為を患者ごとにまとめ、誤りがないかを確かめ、決められた期限までに審査支払機関に提出します。この時期は、日中の受付や会計の仕事と並行してレセプトの点検を進めるため、残業が増える病院もあります。
月の半ばには、審査で戻されたレセプト(返戻)や、減額されたレセプト(査定)の通知が届きます。原因を調べ、必要があれば医師に確かめて再請求します。この作業を通じて、どのような記載が誤りとされやすいかが分かり、翌月のレセプトの精度が上がっていきます。医療事務の資格の勉強で身に付けた点数表の知識は、まさにこの点検と再請求の場面で活きます。
医事課で働くのに資格は必要か
医事課の仕事に就くために、法律で決められた資格はありません。医師や看護師のような国家資格は医療事務には存在せず、医療事務の資格はすべて民間の団体が認定するものです。実際に、資格を持たずに医事課に採用され、働きながら知識を身に付ける人もいます。
それでも資格が役立つ理由
資格が役立つ理由は、大きく3つあります。
1つ目は、未経験からの応募で、医療事務の基礎を学んだことを示せることです。採用する側は、医療保険の仕組みや診療報酬の基本を知っている人のほうが、入職後の教育の負担が小さくなります。
2つ目は、担当したい仕事に合わせて知識の範囲を示せることです。入院のレセプトまで扱う資格を持っていれば、入院係やレセプトの担当を希望するときの根拠になります。
3つ目は、学ぶ過程で、実際の仕事に必要な考え方が身に付くことです。点数表を引き、カルテからレセプトを作る練習は、医事課の日々の仕事そのものです。
医事課で必要になる医療保険の基本
どの資格を選ぶ場合でも、学習の土台になるのは医療保険の仕組みです。医事課の仕事を理解するうえで欠かせない考え方を、初めて学ぶ人向けに整理します。
日本では、ほぼすべての人が何らかの公的医療保険に加入しています。会社員と家族が入る健康保険、自営業者や退職した人などが入る国民健康保険、75歳以上の人が入る後期高齢者医療制度が代表的です。保険を運営する団体を保険者と呼び、健康保険組合、全国健康保険協会、市区町村などがこれに当たります。患者は医療機関の窓口で医療費の一部を支払い、残りの分は医療機関が保険者に請求します。この請求の書類がレセプトです。
窓口で支払う割合は、年齢や所得によって違います。さらに、国や自治体が医療費を負担する公費負担医療という仕組みもあり、病気の種類や患者の状況によっては、保険と公費を組み合わせて計算します。子どもの医療費の助成のように、自治体ごとに内容が違う制度もあります。医事課の受付では、患者が持ってきた保険証や受給者証を見て、どの制度がどの順番で使われるかを判断する必要があり、ここを誤ると会計とレセプトの両方に影響します。
資格の勉強では、こうした保険と公費の組み合わせの考え方を最初に学びます。点数の計算に入る前に、この仕組みを自分の言葉で説明できるようにしておくと、後の学習がぐっと楽になります。
主な医療事務の資格
医事課の仕事に関係する主な資格を、主催団体ごとに整理します。受験料や合格率は改定されることがあるため、受ける前に各団体の公式ページで今日時点の記載を確かめてください。
| 資格・試験 | 主催団体 | 特徴 |
|---|---|---|
| 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) | 一般財団法人日本医療教育財団 | 50年の実績。IBT方式(インターネットで受ける形式)で毎月複数回 |
| 医療事務管理士技能認定試験 | 株式会社技能認定振興協会(JSMA) | インターネット試験か在宅の紙試験から選べる |
| 医科2級医療事務実務能力認定試験 | 全国医療福祉教育協会 | 外来と入院のレセプト作成を出題。在宅受験 |
| 医療事務認定実務者試験 | 全国医療福祉教育協会 | 外来1症例のレセプト作成を含む4択。初学者向け |
| 医療秘書技能検定、医事コンピュータ技能検定 | 医療秘書教育全国協議会 | 医療秘書の知識、医事システムの操作 |
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
日本医療教育財団が実施する試験で、合格すると「メディカルクラーク」の称号が与えられます。財団は、昭和49年度からの50年で総受験者数が171万人、合格者数が99万人を超えたと公表しており、医療事務の試験としては最大規模です。病院団体の公益社団法人全日本病院協会と事業提携していることも特徴で、病院の医事課での知名度が高い資格の1つです。
財団は、試験の内容について、診療報酬請求の技能だけでなく、窓口での患者接遇の技能も試験科目に採り入れていると説明しています。受付や会計で患者と直接向き合う医事課の仕事に合った構成です。試験はIBT方式で、2026年11月から2027年2月までの各月に、土曜日と日曜日を中心に複数の試験日が設けられています。申込は試験日の1か月前から1週間前までです。日程は日本医療教育財団の試験日程のページで確かめてください。
医療事務管理士技能認定試験
技能認定振興協会(JSMA)が実施する試験です。協会は、日本で初めて医療事務の技能を認定した資格試験の団体だと案内しています。受験の形式は、自宅などで24時間受けられて試験後すぐに合否が分かるインターネット試験と、マークシートで解答する在宅の紙試験から選べます。紙の在宅試験は、受験資格を問わず誰でも受けられます。
医療事務管理士®技能認定試験は、株式会社技能認定振興協会(JSMA)が主催する資格試験です。医療保険制度や診療報酬に関する知識に加え、レセプトの作成・点検など、医療事務に必要な実践的な知識やスキルが問われます。試験は在宅試験またはインターネット試験で受験することができ、自宅からでも資格取得を目指せます。合格率は70〜80%程度と公表されており、医療事務の基礎知識をしっかり学習することで、未経験者でもチャレンジしやすい資格です。 出典: iryo.nichiigakkan-careerplus.jp
自宅で好きな時間に受けられる形式は、働きながら資格を取りたい人にとって大きな利点です。受験の方法の詳細は、JSMAの受験方法のページで確かめてください。
全国医療福祉教育協会の試験
全国医療福祉教育協会は、初学者向けの医療事務認定実務者試験と、より実務に近い医科2級医療事務実務能力認定試験を実施しています。
医療事務認定実務者試験は、学科30問と外来1症例のレセプト作成をすべて4択で出題する試験で、試験時間は90分、一般受験の受験料は5,000円(税込)です。2025年度は6,252人が受験し、合格率は73.6%でした。
医科2級医療事務実務能力認定試験は、学科20問とレセプト作成2問(外来1問・入院1問)で、試験時間は120分、一般受験の受験料は7,700円(税込)です。入院のレセプトが出題される点が、病院の医事課を目指す人にとって大きな意味を持ちます。2025年度の合格率は66.7%でした。どちらも在宅受験で、医科点数表や参考書の持ち込みが認められています。
医療秘書教育全国協議会の検定
医療秘書教育全国協議会は、医療秘書技能検定、医事コンピュータ技能検定、電子カルテ実技検定を実施しています。医事コンピュータとは、医療事務の作業に使う専用のシステムのことで、多くの病院の医事課では、受付から会計、レセプトの作成までをこのシステムで行います。システムの操作の力を示したい人に向いた検定です。
終わった試験と、変わった名称に注意
医療事務の資格について調べると、すでに終わった試験や、古い名称の情報が多く残っています。2026年に入ってからの大きな変化を整理します。
診療報酬請求事務能力認定試験は終了
医療事務の上位資格として長く知られてきた診療報酬請求事務能力認定試験は、主催の日本医療保険事務協会が2026年3月31日に解散したことで終わっています。新しく受験することはできません。すでに合格している人は、これまでどおり履歴書に書けますが、これから資格を取る人は、ほかの試験を目標にする必要があります。
支払基金の名称の変更
病院が作ったレセプトは、審査支払機関に提出され、審査を経て保険者から診療報酬が支払われます。健康保険の審査支払機関である社会保険診療報酬支払基金は、2026年10月に「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」(サイトでは「DX審査支払機構」)に変わりました。テキストや求人票に旧称が書かれていても仕組みは変わりませんが、面接などで話題になったときに新しい名称を知っていると、情報を追っている姿勢が伝わります。
令和8年度の診療報酬改定
診療報酬の点数は、原則として2年に1度改定されます。令和8年度にも改定が行われ、試験の出題の前提となる法令の年度も切り替わっています。たとえば全国医療福祉教育協会の医療事務認定実務者試験では、令和8年6月1日現在の法令に対応した試験が2026年10月から始まっています。これから学ぶ人は、令和8年度の改定に対応したテキストを選んでください。
担当したい仕事に合わせた選び方
医事課の中でも、担当する仕事によって役立つ資格が変わります。担当したい仕事から逆算して選ぶと、資格を取ったあとに活かしやすくなります。
外来の受付と会計を担当したい人
外来の受付と会計は、未経験から医事課に入る人が最初に任されることの多い仕事です。患者と直接やり取りする場面が多いため、接遇の内容も試験科目に含むメディカルクラークが合っています。初めて医療事務を学ぶ人は、医療事務認定実務者試験で基礎を固めてから、メディカルクラークや医療事務管理士に進む順番も考えられます。
入院係やレセプトの担当を目指す人
入院係やレセプトの担当を目指すなら、入院のレセプト作成が出題される試験を選びます。全国医療福祉教育協会の医科2級医療事務実務能力認定試験は、外来1問と入院1問のレセプト作成が出題されるため、入院の計算の力を示しやすい試験です。レセプトの点検は、病院の収入を左右する重要な仕事で、経験を積むほど評価される分野です。
医事システムやデータの扱いを強みにしたい人
医事課では、医事コンピュータや電子カルテの操作、患者数や診療報酬の集計など、パソコンを使う仕事が多くあります。システムの操作を示すなら、医事コンピュータ技能検定や、全国医療福祉教育協会の医療事務OA実務能力認定試験、電子カルテオペレーション実務能力認定試験が候補です。表計算ソフトでの集計や資料の作成を強みにしたい人は、医療事務の資格に加えて、パソコンの一般的な資格を組み合わせる方法もあります。なお、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は全国一斉試験が2026年12月で終わり、以後は随時試験だけになります。
医師事務作業補助者を目指す人
医師事務作業補助者とは、医師の指示のもとで、診断書などの書類の下書きや電子カルテへの代行入力などを行い、医師の事務の負担を減らす職種のことです。医事課に所属する病院も、別の部署に置く病院もあります。病院が診療報酬の加算を取るための基準として、新たに配置した医師事務作業補助者に、配置から6か月の研修期間に32時間以上の基礎知識の研修を行うことが求められており、病院団体の研修案内でもそのように説明されています。具体的な要件は、勤め先の病院や地方厚生局の案内で確かめてください。
資格としては、日本医療教育財団の医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)や、全国医療福祉教育協会の医師事務作業補助者実務能力認定試験があります。全国医療福祉教育協会の2025年度の実績では、医師事務作業補助者実務能力認定試験の合格率は72.1%でした。
資格の取り方と学習の進め方
医療事務の資格は、通信講座や通学講座で学ぶ方法と、市販のテキストで独学する方法があります。
受験の形式を先に決める
試験の形式は、自宅で受ける在宅試験、インターネットで受けるIBT方式、会場で受ける試験に分かれます。働きながら学ぶ人は、自分の生活に合った形式の試験を選ぶと、受験の日程を組みやすくなります。在宅試験では、点数表や参考書を持ち込める試験が多く、暗記より「資料を素早く引く力」が問われます。
学習の順番
学習は、次の順番で進めると効率的です。
- 医療保険の種類と、患者の窓口での負担の仕組みを理解する
- 診療報酬と点数表の構成を把握する(1点は10円で計算する)
- 外来のレセプトを繰り返し作り、算定の流れを身に付ける
- 入院のレセプトに進み、入院料や手術の計算に慣れる
- 本番と同じ時間で過去問題や模擬問題を解く
病院の医事課を目指す人は、4つ目の入院の段階まで進めておくと、面接で「入院の計算も学んだ」と説明できます。
講座を使う場合の費用の考え方
講座を使う場合は、受講料だけでなく、教材が令和8年度の改定に対応しているか、質問の窓口や添削があるか、修了後の就職の支援があるかを比べます。厚生労働大臣が指定した講座であれば、雇用保険の教育訓練給付金の対象になることがあります。教育訓練給付金とは、働く人の学び直しを支援するために、雇用保険から受講費用の一部が支給される制度のことです。対象かどうかは、講座の案内とハローワークで確かめてください。
未経験から医事課に入るための準備
医事課の求人は、未経験可の募集も少なくありません。資格と合わせて準備しておくと、採用に近づけることを整理します。
応募書類で伝えること
医事課の採用では、医療事務の知識に加えて、患者への対応力と、正確に作業を進める力が見られます。前職で接客や事務の経験がある人は、その経験を医事課の仕事に結び付けて書くと伝わりやすくなります。たとえば、「レジの締めで金額の誤差を出さないよう確認の手順を決めていた」といった経験は、会計の仕事の正確さにつながります。
院内の文書や患者向けの案内を作る場面もあるため、文書の書き方を体系的に学べるビジネス文書検定を合わせて学んでおくと、事務全般の力を示しやすくなります。
面接で聞かれやすいこと
面接では、なぜ医療事務を選んだのか、どの資格をどのように学んだのか、患者から苦情を受けたときにどう対応するか、といった質問が多くなります。資格の勉強で印象に残った単元や、つまずいて克服したことを具体的に話せるようにしておくと、学ぶ姿勢が伝わります。
病院の医事課は、患者の体調が悪いときや、医療費の負担に不安を抱えているときに接する部署です。待ち時間が長くなって不満を伝えられることもあれば、医療費の説明を何度も求められることもあります。面接では、こうした場面で落ち着いて対応できるかが見られています。前職で難しいお客様に対応した経験があれば、そのときに何を考え、どのように話を聞き、どう解決したかを順を追って話せるようにしておくと、医事課の仕事への適性を具体的に示せます。また、医事課は医師や看護師、薬剤師など多くの職種と連携する部署でもあるため、ほかの部署の人と協力して仕事を進めた経験も、評価につながる話題になります。
入職後の学び方
入職後は、先輩の作ったレセプトを見ながら、自分の病院でよく出る医療行為と点数を覚えていきます。診療報酬は2年に1度改定されるため、資格を取ったあとも学び続けることが欠かせません。改定の内容を自分で調べ、要点を同僚と共有できる人は、医事課の中で頼られる存在になります。分からない算定に出会ったら、その場で先輩に聞くだけでなく、点数表のどこに根拠が書かれているかを自分でも確かめ、ノートに残しておくと、同じ疑問に二度つまずかずに済みます。こうした小さな積み重ねが、数年後には入院やレセプトの点検を任される力につながります。
医事課で長く働くためのキャリアの道
医事課の仕事は、経験を積むほど任される範囲が広がります。入職したあとにどのような道があるのかを知っておくと、次に学ぶべきことが見えてきます。
外来から入院、レセプトへ
多くの病院では、外来の受付と会計から仕事を始め、慣れてきたら入院係やレセプトの点検へと担当が広がっていきます。入院の計算とレセプトの点検ができる職員は、どの病院でも求められるため、転職するときにも強みになります。資格の勉強で入院のレセプトまで学んでおくと、担当の切り替えがスムーズに進みます。
主任や係長として医事課をまとめる
経験を積んだ職員は、主任や係長として、係の仕事の割り振り、新人の教育、診療報酬の改定への対応の取りまとめなどを任されます。この段階では、点数の知識に加えて、人に教える力や、病院の経営の数字を読む力が求められます。改定のたびに要点を整理して係の中で共有できる人は、管理職の候補として見られやすくなります。
医事課から別の部署へ
医事課で身に付けた知識は、病院の中のほかの部署でも活かせます。たとえば、病院の収入や費用を管理する経営企画の部署、病院の施設の基準や届出を扱う部署、医療情報のシステムを管理する部署などです。医事課の現場を知っている職員は、こうした部署で現場と管理の橋渡しができる人材として重宝されます。
資格選びで失敗しないために
医療事務の資格は数が多く、名前が似ているものも少なくありません。資格を取ったのに思ったほど役立たなかった、とならないために、選ぶときの考え方を整理します。
まず、応募したい病院の求人票を何件か集め、「歓迎する資格」の欄に書かれている名前を確かめてください。地域や病院によって、よく見かける資格の名前には傾向があります。求人票の言葉と自分が取る資格の名前がそろっていると、書類選考で伝わりやすくなります。
次に、試験の形式と日程が自分の生活に合っているかを確かめます。仕事や子育てで時間が限られている人は、在宅で受けられる試験や、好きな時間に受けられるインターネット試験を選ぶと、受験の負担を小さくできます。
最後に、資格の情報が新しいかどうかを確かめます。診療報酬請求事務能力認定試験のように、すでに終わった試験を目標にしてしまうと、学習の計画を立て直す必要が出てきます。資格の比較記事を読むときも、主催団体の公式ページで今日時点の記載を確かめる習慣を付けておくと、古い情報に振り回されずに済みます。
データの視点で見る医事課の仕事
医事課は、病院の中で最も多くの数字を扱う部署の1つです。患者数、診療行為の件数、レセプトの請求額、返戻や査定の件数など、日々の仕事の中で大量のデータが生まれます。
数字を読める人が評価される理由
たとえば、返戻(審査で差し戻されたレセプト)の件数を月ごとに集計し、どの診療科のどの項目で多いかを分析すると、記載の誤りが起きやすい場所が見えてきます。原因に合わせて入力の手順を見直せば、病院の収入の取りこぼしを減らせます。データ分析の仕事でもよくあることですが、数字を集めるだけでなく、そこから「何を変えればよいか」を示せる人が評価されます。医事課でも、こうした集計と改善の提案ができる人は、主任や係長への道が開けやすくなります。
表計算と業務の自動化
医事課の集計作業の多くは、表計算ソフトで行われます。関数やピボットテーブル(大量のデータを項目ごとに集計する機能)を使いこなせると、毎月の報告資料の作成にかかる時間を大きく減らせます。最近は、事務作業の一部にAIを取り入れる医療機関も出てきました。AIを業務に活かす支援の仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。ただし、患者の個人情報を外部のサービスに入力しないことは、どの道具を使う場合でも守るべき前提です。
病院の情報システムとの関わり
病院では、医事コンピュータ、電子カルテ、検査や薬のシステムなどがネットワークでつながっています。医事課の職員がシステムの担当部署と協力して、新しいシステムの導入や設定の見直しに関わることもあります。ネットワークの基礎を学びたい人には、ネットワーク機器の技術者向けの資格であるCCNA(シスコ技術者認定)のような資格もあります。医事課の業務とシステムの両方を理解する人は、病院の医療情報の部門へ進む道も考えられます。
運営者の視点から見た、医療事務の経験が活きる場面
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、医事課の経験を持つ人は、病院の外でも力を発揮しています。医療や健康に関する記事の執筆や校正、医療系のシステムを作る会社での操作説明書の作成やテスト、クリニックの開業準備に関わる事務作業などです。こうした仕事では、レセプトの流れや医療保険の仕組みを実際の現場で見てきた経験が、ほかの人にはない強みになります。
文章の仕事に関心がある人は、医療事務の経験を作品として見せる準備をしておくと、依頼を受けやすくなります。書いたものをまとめて見せる方法は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で紹介しています。
こうした仕事を個人で受ける場合、仲介の手数料が重い場では、依頼する側が払った金額のうち手元に届く分が小さくなります。手数料0%で依頼主と直接やり取りできる場では、同じ予算で依頼主はより多くの作業を頼め、受け手は手取りが厚くなります。専門の知識を持ち、丁寧なやり取りを続けられる人ほど、こうした関係を長く保っています。
病院の医事課で働くための資格は、担当したい仕事に合わせて選ぶほど効果が大きくなります。まずは外来の基礎を学べる資格から始め、入院やレセプト、システムへと範囲を広げてください。院内の文書の作成まで任される人を目指すなら、ビジネス文書検定の出題範囲を見て、医事課の仕事のどこに活かせるかを確かめておくと、次の目標を立てやすくなります。
よくある質問
Q. 病院の医事課で働くには資格が必要ですか?
法律で決められた必須の資格はありません。医療事務の資格はすべて民間の資格で、資格がなくても採用される人はいます。ただし、未経験から応募する場合や、入院やレセプトの担当を目指す場合は、医療保険と診療報酬の知識を示せる資格があると、採用する側が判断しやすくなります。
Q. 病院の医事課を目指すなら、どの資格がよいですか?
外来の受付と会計から始めるなら、接遇も試験科目に含むメディカルクラークが合っています。入院の計算まで示したいなら、外来と入院のレセプト作成が出題される医科2級医療事務実務能力認定試験が候補です。初めて学ぶ人は、医療事務認定実務者試験で基礎を固めてから進む方法もあります。
Q. 診療報酬請求事務能力認定試験はまだ受けられますか?
受けられません。主催の日本医療保険事務協会が2026年3月31日に解散したことで、試験は終わっています。すでに合格している人は履歴書に書けますが、これから資格を取る人は、メディカルクラークや医療事務管理士、医科2級医療事務実務能力認定試験などを目標にしてください。
Q. 働きながら医療事務の資格を取ることはできますか?
できます。医療事務管理士はインターネット試験と在宅の紙試験から選べ、全国医療福祉教育協会の試験も在宅で受けられます。メディカルクラークはIBT方式で毎月複数の試験日があります。自分の生活に合った形式の試験を選び、受験する月から逆算して学習の計画を立てると続けやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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