診療放射線技師の履歴書と職務経歴書|書く順番と、埋めにくい欄の扱い


この記事のポイント
- ✓診療放射線技師の履歴書と職務経歴書を
- ✓書く順番から整理します
- ✓学歴職歴や免許資格の書き方
履歴書を前にして手が止まってしまう。診療放射線技師として働いてきた方から、こういうご相談をよく受けます。大丈夫ですよ。手が止まる原因は文章力ではなく、書く順番が決まっていないことです。この記事では、履歴書と職務経歴書をどの順番で埋めていくか、そして志望動機欄や本人希望欄のような「埋めにくい欄」をどう扱うかを、ひとつずつ整理していきます。
履歴書は、読む人の手間を減らすための書類です
まず、履歴書の役割をはっきりさせておきましょう。
履歴書は、自分を良く見せるための書類ではありません。読む人が短時間で判断できるように、必要な情報を決まった場所に置いた書類です。
採用担当者は、たくさんの応募書類に目を通します。そのなかで、探している情報がすぐ見つかる書類は、それだけで印象が良くなります。逆に、どこに何が書いてあるかわからない書類は、読む側の負担になります。
つまり、履歴書で評価されるのは「わかりやすさ」です。うまい文章を書く必要はありません。あなたはすでに、資格を取り、現場で働いてきた実績を持っています。それを、読み手が受け取りやすい形に並べるだけです。
この考え方は、転職支援の現場でも共通しています。
履歴書は転職活動において、欠かせないもののひとつです。よりよい履歴書作りは、いかに早く次の転職に繋げる事ができるかが重要なファクターともいえます。必要なポイントを押さえ、履歴書の書き方を学ぶことは、難しいことではありません。今までの診療放射線技師として、経験や技能をアピールすることができる場でもあります。転職活動の第一関門を突破する履歴書の書き方のコツをお伝えします! 出典: rt-worker.com
難しいことではない、という部分に安心してください。履歴書には正解の型があります。型に沿って埋めていけば、大きく外すことはありません。
ただ、型があるということは、差がつきにくいということでもあります。だからこそ、埋めにくい欄をどう扱うかが分かれ目になります。そこは後半で丁寧に扱います。
書く順番を決めておくと、迷いが消えます
履歴書を上から順に埋めようとすると、必ず志望動機欄で止まります。そして、そこで止まった時間が長くなるほど、全体が仕上がらないまま夜が更けていきます。
おすすめの順番は、事実から埋めて、考えることが必要な欄を最後に回すやり方です。
具体的には、この順番です。氏名や住所などの基本情報。学歴と職歴。免許と資格。ここまでは調べれば書けます。そのあとで、志望動機、自己PR、本人希望欄に取りかかります。
事実の欄を先に埋めると、書類の大部分が形になります。この「進んでいる感じ」が、意外と大きな支えになります。真っ白な紙に向かうのと、あと少しで完成する紙に向かうのとでは、心の負担がまったく違います。
もうひとつ、順番を決めておくと良いことがあります。事実を書き出す過程で、志望動機に使える材料が思い出されるのです。
たとえば職歴欄を書きながら、その施設で担当していた検査を思い出す。免許欄を書きながら、取得した学会認定の勉強期間を思い出す。この思い出しが、あとの欄を書くときの材料になります。
準備の道具も先に揃えておきましょう。手元に置いておきたいのは、免許証と資格証の現物、在職期間がわかるもの、応募先の求人票、そして応募先のホームページです。これらを探しながら書くと、集中が途切れます。
もし複数の施設に応募するなら、共通部分と応募先ごとに変える部分を分けておいてください。基本情報、学歴、職歴、免許資格は共通です。変えるのは志望動機と本人希望欄だけ。この整理をしておくと、二社目からがとても楽になります。
基本情報の欄は、正確さだけを気にすれば足ります
ここは考える欄ではありません。決まりに沿って正確に書くだけです。
日付は、提出日または投函日を書きます。書いた日ではありません。郵送なら投函する日、持参なら当日の日付です。
氏名はふりがなの表記に注意してください。欄が「ふりがな」ならひらがな、「フリガナ」ならカタカナです。細かい話に見えますが、指示の読み取りを見られている部分でもあります。
住所は都道府県から書きます。建物名や部屋番号も省略しません。連絡が届かないと選考が止まってしまいます。
電話番号は、日中に出られるものを書いてください。在職中で職場では出られない場合、留守番電話の設定を確認しておくと安心です。折り返しの連絡がつかないまま時間が過ぎるのは、応募する側にとっても不安です。
メールアドレスは、仕事に使える落ち着いたものを用意してください。学生時代に作ったアドレスをそのまま使っている方は、この機会に見直しておくと良いと思います。
写真は、直近3か月以内に撮影したものを使います。スーツ着用、背景は無地。医療機関の書類では、清潔感が何より大切にされます。スピード写真でも構いませんが、髪と襟元を整えてから撮ってください。
そして、写真の裏に氏名を書いておく。これは剥がれたときのための保険です。小さな配慮ですが、こういう部分に丁寧さが表れます。
書き損じたときは、修正液を使わず書き直してください。手書きの様式では、修正の跡が残る書類は避けられます。時間はかかりますが、下書きを作ってから清書する方法が結局いちばん早いです。
学歴と職歴の欄は、事実を淡々と並べます
学歴は、一般的には高等学校から書きます。学校名は正式名称で書いてください。「〇〇高校」ではなく「〇〇高等学校」です。
養成課程を卒業している場合、学科名まで正確に書きます。大学なのか、短期大学なのか、専門学校なのかで、学歴欄の書き方も変わります。卒業証書や証明書で正式名称を確認してください。
職歴は、入職と退職を一行ずつ書きます。施設名は正式名称で、法人格も含めて書いてください。医療法人や社会福祉法人の表記は、施設のホームページで確認できます。
退職の理由は、詳しく書く必要はありません。一般的には「一身上の都合により退職」と書きます。会社都合の場合はその旨を書きます。
在職中の場合は、最後の行に「現在に至る」と書きます。そして、右下に「以上」を書いて職歴欄を締めます。この二行は忘れやすいところです。
職歴が多い方から、どこまで書けばよいかというご相談を受けることがあります。原則としてすべて書きます。省略すると、経歴の空白として扱われてしまうためです。
書ききれない場合は、行数の多い様式を選ぶか、職務経歴書のほうで詳しく説明する形にしてください。履歴書は一覧、職務経歴書は詳細、という役割分担です。
短期間で辞めた職歴も、隠さないほうが安全です。あとから経歴の食い違いが判明すると、そのこと自体が信頼を損ないます。事情がある場合は、職務経歴書か面接で説明する機会があります。
そして、部署名や役割まで書けるスペースがあるなら、書いておくと親切です。「〇〇病院 放射線科」のように一言添えるだけで、読み手が経験の中身を想像しやすくなります。
免許と資格の欄は、あなたの土台が見える場所です
この欄は、診療放射線技師にとって最も強い欄です。丁寧に書いてください。
まず、免許は正式名称で書きます。取得年月も正確に。免許証を手元に置いて、記載どおりに書き写してください。記憶で書くと、年月がずれることがあります。
学会認定の資格を持っている場合は、それも書きます。認定の名称は変更されることがあるので、認定証や交付団体の案内で現在の名称を確認してください。
順番は、取得年月の古い順に並べるのが一般的です。応募先の業務に直接関係するものが後ろに埋もれてしまう場合は、職務経歴書のほうで改めて触れると良いでしょう。
自動車運転免許も書いておきます。訪問や送迎のある施設では、実務に関わる情報になります。
資格や業務の範囲は法令で定められています。要件や取り扱いは改正されることがあるので、詳細は自己判断せず、厚生労働省の案内や都道府県の担当窓口で確認してください。記事やまとめサイトの情報だけで判断するのは避けたほうが安全です。
勉強中の資格については、書き方に迷う方が多いところです。取得見込みがはっきりしているなら「取得に向けて学習中」と書く方法もあります。ただし、書いたら面接で必ず聞かれます。答えられる範囲にとどめてください。
書くものが少なくても、気に病まないでください。免許があること自体が、この職種では大きな意味を持ちます。欄を埋めることが目的ではありません。
放射線に関わる管理や取り扱いの資格を持っている方は、それも忘れずに書いてください。施設によっては、その担当を任せられる人材を探していることがあります。求人票に管理業務への言及があるなら、なおさら前に出す価値があります。
講習の修了証しか手元にないものは、資格欄に書くべきか迷うところです。判断に迷ったら、履歴書の資格欄ではなく、職務経歴書の中で経験として触れる形にしてください。そのほうが、どういう内容だったかを説明できます。
学会や研修の経験も、書ける場所があります
履歴書の欄には収まりきらないけれど、伝えておきたい経験があります。
院内の勉強会での発表、学会への参加や発表、研修会の受講、委員会での活動。こうした経験は、職務経歴書に短く書いておくと、学ぶ姿勢の裏づけになります。
書き方は簡潔で構いません。時期、名称、自分の関わり方。これだけです。長く書く必要はありません。
数が多い場合は、応募先に関係するものだけを選んでください。関係のないものまで並べると、かえって焦点がぼやけます。
発表や参加の実績がない方も、心配しないでください。日々の業務のなかで工夫してきたことのほうが、実は評価されます。撮影の手順を見直した、説明の仕方を変えて待ち時間を減らした。そういう小さな改善が、現場では価値になります。
思い出せないという方は、直近1年を振り返ってみてください。誰かに教えたこと、変えたこと、相談を受けたこと。そこに材料があります。
埋めにくい欄を、ひとつずつ片づけます
ここからが本題です。手が止まりやすい欄を、順番に見ていきましょう。
志望動機欄
いちばん時間がかかる欄です。そして、いちばん差がつく欄でもあります。
書く内容は3つに絞ってください。応募先を選んだ理由。自分が出せる価値。入職後にやりたいこと。この順に並べます。
応募先を選んだ理由には、求人票かホームページから拾った具体的な一点を入れます。「地域医療に貢献したい」だけでは、どの施設にも当てはまってしまいます。
自分が出せる価値は、応募先の業務と重なる経験だけを選びます。全部の経験を書く欄ではありません。
入職後にやりたいことは、いちばん抜けやすく、いちばん効きます。読み手が採用後の景色を想像できるようになるからです。
書く分量は、欄の大きさに合わせます。おおむね200文字から300文字程度が目安です。あふれる場合は、応募のきっかけの部分から削ってください。
未経験の分野へ応募する場合は、書き方が変わります。
特に病院から企業への転職は、未経験からの応募になるので、なぜアプリケーションスペシャリストや治験コーディネーター(CRC)として働きたいのか「職種に対する志望動機」を明確にする必要がございます。 出典: rtjob.jp
施設への志望動機だけでなく、その職種を選ぶ理由も必要になる、ということです。この二段構えを忘れると、話が浅く見えてしまいます。
自己PR欄
志望動機と同じ内容を書いてしまう方が本当に多いです。区別の仕方を覚えておいてください。
自己PRは自分の話です。応募先が変わっても中身はほとんど変わりません。志望動機は応募先との関係の話です。応募先が変われば中身も変わります。
自己PRでは、人柄を言葉で説明するより、人柄が表れた場面をひとつ書くほうが伝わります。「責任感があります」より「装置の不具合が起きたとき、代替の手順に切り替えて検査を止めずに済ませました」のほうが具体的です。
本人希望記入欄
ここは、書きすぎても書かなすぎても困る欄です。
原則は「貴院の規定に従います」と書きます。ただし、譲れない条件がある場合は、この欄に書いておくほうが後の食い違いを防げます。
書いておいたほうがよいのは、勤務地の希望、勤務可能な時間帯、当直や夜勤の可否、入職可能な時期です。家庭の事情で制約がある方は、遠慮せず書いてください。
条件を隠して入職すると、あとで無理が出ます。あなたにとっても、施設にとっても、良い結果になりません。
給与の希望は、募集要項に幅が示されている場合を除いて、この欄には書かないのが一般的です。面接で聞かれたときに答える形にしてください。
趣味・特技欄
ある様式とない様式があります。ある場合は、空欄にせず埋めてください。
内容は何でも構いませんが、面接で聞かれる前提で書いてください。「読書」とだけ書くと、何を読むのかを必ず聞かれます。一言添えておけば、会話がつながります。
体を動かす習慣がある方は、書いておくと良いと思います。立ち仕事と不規則な勤務がある職種なので、体調管理への意識として受け取られることがあります。
通勤時間欄
正直に書いてください。実際より短く書くと、入職後の生活が苦しくなります。
通勤時間が長い場合、その分だけ長く続けられるかを心配されることがあります。近隣への転居予定があるなら、本人希望欄に添えておくと不安が減ります。
職務経歴書は、履歴書で書ききれない部分を担います
履歴書が一覧なら、職務経歴書は詳細です。指定がなくても、転職の場合は用意しておくと有利になります。
構成は、冒頭に職務要約、次に職務経歴の詳細、最後に活かせる経験とスキル、この順が読みやすいです。
職務要約は、これまでの経歴を数行にまとめたものです。読み手はここだけで全体像をつかみます。扱ってきたモダリティ、経験した施設の種類、担当してきた業務を短く並べてください。
職務経歴の詳細では、施設ごとに、規模、診療科、担当業務、使用していた装置、チームでの役割を書きます。箇条書きにすると読みやすくなります。
装置の種類は、できるだけ具体的に書いてください。応募先が同じ種類の装置を使っている場合、それだけで立ち上がりの速さが伝わります。
件数の感覚も、書けるなら添えます。ただし、記憶があいまいな数字は書かないでください。面接で必ず深掘りされます。手元の記録で説明できる範囲にとどめてください。
臨床以外の業務も、忘れずに書いてください。在庫の管理、業者との調整、マニュアルの作成、後輩の指導、委員会の担当。こうした経験は、人数の少ない施設ほど高く評価されます。
活かせる経験とスキルの欄では、応募先の求人票に書かれた業務と重なる部分を選んで並べます。ここは応募先ごとに書き換える部分です。
分量は、A4で1枚から2枚が目安です。長くすれば良いというものではありません。読み手が短時間で判断できる量に収めてください。
書き方の考え方は、職種をまたいで共通する部分があります。看護師の転職用履歴書の書き方|志望動機と自己PRの例文では、志望動機と自己PRの書き分けを扱っています。同じ内容を両方に書いてしまう失敗は職種を問わず起きるので、考え方だけ持ち帰る使い方ができます。
文書作成そのものに苦手意識がある方には、ビジネス文書検定のような検定の学習内容も参考になります。医療職向けの資格ではありませんが、要点を先に置く書き方や敬語の使い分けは、応募書類にそのまま効きます。
手書きとデータ、どちらで作るか
ご相談の多い論点なので、整理しておきます。
まず、応募先から指定があれば、それに従ってください。「手書きで」と書かれているのに印刷したものを出すと、指示を読んでいないと受け取られます。
指定がない場合、どちらでも構いません。近年は、データで提出する形式が増えています。修正が簡単で、複数の施設に応募するときの負担が小さくなります。
手書きの良さは、丁寧さが伝わることです。ただし、字の美しさで判断されるわけではありません。読みやすく、まっすぐ書けていれば十分です。
手書きを選ぶ場合、下書きを別紙で作ってから清書してください。いきなり本番の用紙に書くと、書き損じて何枚も無駄にします。文字の大きさは、枠の高さに対して少し余裕を持たせると読みやすくなります。
筆記具は黒のボールペンです。消せるタイプのペンは使わないでください。熱で文字が消えることがあり、書類として残せません。
データで作る場合は、フォントと文字サイズを統一します。行間が詰まりすぎていないかも確認してください。印刷して読める状態になっているかを、一度紙で確かめておくと安心です。
ファイル形式は、指定がなければPDFが無難です。開く環境によって崩れる心配が少なくなります。ファイル名には氏名と書類の種類を入れておくと、受け取る側が扱いやすくなります。
無料で使える履歴書の様式は、公的な就労支援の窓口や、各種の求人サービスで配布されています。様式によって欄の構成が違うので、自分の経歴が書きやすいものを選んでください。職歴が多い方は行数の多い様式、資格が多い方は免許資格欄の広い様式が向いています。
応募先ごとに書き分ける部分
複数の施設に応募するとき、すべてを書き直す必要はありません。変える部分と変えない部分を、先に分けておきましょう。
変えないのは、基本情報、学歴、職歴、免許と資格です。ここは事実なので、応募先が変わっても内容は同じです。
変えるのは、志望動機と、職務経歴書の「活かせる経験とスキル」の部分です。そして、条件に違いがあるなら本人希望欄も変えます。
書き分けの基準は、応募先の求人票です。求人票に書かれた業務内容と重なる経験を選んで前に出す。それだけで、応募先ごとの書類になります。
病院への応募では、診療科をまたいだ対応力や、時間帯を問わない勤務への姿勢が読まれます。担当してきた検査の幅と、当直や夜勤の経験を前に出してください。
クリニックへの応募では、業務の幅の広さが評価されます。撮影以外に担当してきたこと、たとえば機器の管理や在庫の把握、受付の応援といった経験を書いておくと効きます。
健診センターへの応募では、速さと正確さの両立が中心です。件数をさばいた経験と、受診者への説明で工夫していたことを書いてください。
企業への応募では、臨床経験そのものより、それを人に説明できることが価値になります。導入時の運用調整や、他職種への説明を担当した経験があれば、必ず書いてください。
書き分けといっても、作業としては志望動機の差し替えが中心です。土台となる書類がしっかりできていれば、二社目からは短時間で仕上がります。
書きにくい事情がある方へ
ここは、いちばんご相談が多い部分です。ゆっくり読んでください。
ブランクがある場合
療養、育児、介護、資格の勉強。理由はさまざまです。
隠さないでください。経歴の空白は、隠すほうが不安材料になります。書くのは、期間と、簡潔な理由だけで十分です。
そして、今は問題なく働ける状態であることを、職務経歴書か面接で伝えてください。採用側が知りたいのは、過去の事情ではなく、これからのことです。
ブランクの間に得たものがあるなら、それも書けます。介護の経験は患者への向き合い方に、育児の経験は時間の使い方に、それぞれつながっています。
転職回数が多い場合
回数そのものより、それぞれの期間に何をしてきたかが見られます。
短期間で辞めた職歴が続いていると、理由を聞かれます。答えられるように整理しておいてください。ただし、前職の批判にならないよう、これからやりたいことの形に言い換えるのがコツです。
回数を減らそうとして職歴を省くのは、避けてください。あとで判明したときのほうが、はるかに大きな問題になります。
年齢を気にしている場合
年齢を理由に応募をためらう方がいらっしゃいます。
書類の段階では、年齢よりも、経験がどう使えるかのほうが見られています。経験の長さは、うまく書けば強みになります。特に、後輩の指導や、業務の改善に関わった経験は、年齢を重ねた方ならではの材料です。
在職中で時間が取れない場合
働きながらの応募は、それだけで負担が大きいものです。
まとまった時間を取ろうとすると、いつまでも始まりません。事実の欄だけ埋める日、志望動機だけ考える日、点検する日、というように分けてください。
在職中であることは、書類に明記しておきます。職歴欄の最後に「現在に至る」と書き、本人希望欄に入職可能な時期の目安を添えておくと、採用側も計画が立てやすくなります。
連絡がつく時間帯も書いておいてください。日中に電話に出られない事情があるなら、その旨を伝えておけば、行き違いを減らせます。
書類を書くこと自体がつらい場合
これも、よくあるご相談です。
書類を書く作業は、自分の経歴を見つめ直す作業でもあります。うまくいかなかった時期のことを思い出して、気持ちが沈むことがあります。
そういうときは、一度に仕上げようとしないでください。事実の欄だけ埋めて、その日は閉じる。翌日に志望動機に取りかかる。分けて良いのです。
キャリアの相談を受けてきた立場から申し上げると、書類が書けない時期は、能力の問題ではなく、余力の問題であることがほとんどです。締切があるなら、完璧を目指さず、まず出せる形にすることを優先してください。
提出前の点検と、そのあとのこと
書き上げたら、提出前に確認してください。
まず、応募先の名称を伏せて志望動機を読み返します。伏せても意味が通ってしまうなら、どの施設にも出せる文章になっています。求人票に戻ってください。
次に、固有名詞を声に出して確認します。施設名、法人格、部署名、役職名。複数の施設に応募していると、前の応募先の名前が残っていることがあります。
誤字と脱字は、印刷してから確認すると見つかりやすくなります。画面で読むより、紙のほうが目に入ります。
日付、写真、押印の要否も確認してください。様式によって必要なものが違います。
そして、提出したものの控えを必ず残してください。面接では、書いた内容を土台に質問されます。控えがないと、何を書いたか思い出せないまま面接を迎えることになります。
郵送する場合は、送付状を添えます。封筒の表に「応募書類在中」と書き、書類はクリアファイルに入れてから封筒に入れてください。
データで提出する場合は、ファイル名に氏名を入れておくと親切です。受け取る側が管理しやすくなります。
メールで送るときは、本文にも簡単な挨拶と、応募する職種、添付した書類の一覧を書いてください。添付だけを送るのは避けます。本文の書き方も、書類の一部として読まれています。
送信前に、添付し忘れがないかを確認してください。慌てて送り直すと、その分だけ印象が下がります。ひと呼吸置いてから送信ボタンを押す。これだけで防げます。
提出したあとに誤りに気づいた場合は、早めに連絡してください。黙っているより、気づいて連絡できる人のほうが、現場では信頼されます。医療の仕事も同じですよね。
働き方の選択肢と、書類の書き分け
最後に、働き方によって書類の重心が変わることに触れておきます。
常勤で応募する場合、書類は長く働く前提で読まれます。だから、これまでの経験と、これからやりたいことのつながりが大切になります。
非常勤やスポットの場合は、読まれ方が変わります。施設が知りたいのは、稼働できる時間帯と、来てすぐ動けるかどうかです。本人希望欄に、対応可能な曜日と時間をはっきり書いてください。長い志望動機より、そのほうが話が早く進みます。
土日祝を軸にした働き方については、診療放射線技師の非常勤(バイト)単価|土日祝を活かす働き方【2026年版】で勤務形態ごとの考え方を整理しています。常勤と組み合わせる場合の注意点にも触れているので、応募前に読んでおくと条件の確認がしやすくなります。
雇用ではない働き方を選ぶ人も増えました。医療の現場は現地での作業が中心ですが、機器メーカーでの技術支援、教育教材の作成、医療系の記事監修といった周辺の仕事では、場所を選ばない働き方が生まれています。こうした仕事に応募する場合、書類の重心は臨床技能そのものではなく、臨床を知っている人が説明できることの価値に移ります。
フリーランスと在宅の市場を長く運営してきた立場から見ると、報酬は額面ではなく手取りで見ないと実態がつかめません。仲介が何段階も入る取引では、依頼者が支払った金額と、実際に働いた人が受け取る金額の間に差が生まれます。中間の取り分がない直接取引では、同じ予算で依頼者はより多く頼めて、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%という条件が意味を持つのは、単価そのものが上がるからではなく、この差が消えるからです。
運営者として市場を見てきた限りでは、長く続く人ほど、自分の経験を言葉にする習慣を持っています。書類作りは面倒な作業ですが、自分が何をしてきたかを整理する機会でもあります。ここで作った材料は、面接でも、入職後の面談でも、そのまま使えます。
書類は一度作れば終わりではありません。応募先が変われば志望動機は変わりますし、経験が増えれば書ける材料も増えます。今回作ったものを土台として残しておいてください。次に必要になったとき、あなたを助けてくれます。
あわてなくて大丈夫です。順番どおりに、ひとつずつ埋めていけば、必ず仕上がります。
よくある質問
Q. 履歴書はどの欄から書き始めるとよいですか?
氏名や住所などの基本情報、学歴と職歴、免許と資格、この順で事実の欄から埋めてください。調べれば書ける欄なので手が止まりません。志望動機や自己PR、本人希望欄は最後に回します。事実を書き出す過程で志望動機に使える材料も思い出せるので、この順番のほうが結果的に早く仕上がります。
Q. 職歴が多い場合、すべて書く必要がありますか?
原則としてすべて書いてください。省略すると経歴の空白として扱われ、かえって不安材料になります。書ききれない場合は行数の多い様式を選ぶか、職務経歴書のほうで詳しく説明してください。短期間で辞めた職歴も隠さないほうが安全です。あとから食い違いが判明すると信頼を損ないます。
Q. 本人希望記入欄には何を書けばよいですか?
基本は「貴院の規定に従います」で構いません。ただし譲れない条件がある場合は書いておいてください。勤務地の希望、勤務可能な時間帯、当直や夜勤の可否、入職可能な時期などが該当します。条件を隠して入職すると後で無理が出ます。給与の希望は面接で答える形にするのが一般的です。
Q. 職務経歴書は指定がなくても提出したほうがよいですか?
転職の場合は用意しておくことをおすすめします。履歴書は一覧、職務経歴書は詳細という役割分担なので、扱ってきた装置や担当業務、チームでの役割を具体的に伝えられます。分量はA4で1枚から2枚が目安です。長く書くより、応募先の業務と重なる部分を選んで並べるほうが読まれます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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