見積もりの内訳を出すだけで変わる、LP制作・コーディングの案件の取り方


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この記事のポイント
- ✓LP制作・コーディングの案件の取り方で悩んでいる方へ
- ✓応募しても返事が来ない原因の多くは
- ✓技術ではなく見積もりの出し方にあります
応募しても返事が来ない。提案文を何十件も送ったのに、一度も選ばれない。LP制作・コーディングの案件の取り方でつまずいている方から、こういうご相談がよくあります。
大丈夫ですよ。まず知っておいてほしいのは、選ばれない理由は技術力ではないことが多い、ということです。
同じくらいの実力の人が並んだとき、発注者が何を見て決めているか。答えは、金額の説明のしかたです。「LP1本、5万円で承ります」とだけ書いた提案と、その5万円が何にいくらかかっているのかを分けて書いた提案。後者のほうが選ばれます。理由は単純で、発注者は総額そのものより、その金額が妥当かどうかを判断する材料を欲しがっているからです。
この記事では、見積もりの内訳をどう作り、提案文にどう添えるかを具体的に書きます。あわせて、単価の置き方、案件を探す場所、そして一度受けた相手と続く関係の作り方までお話しします。少し長くなりますが、順番に読んでいただければ、明日から書き方を変えられる内容にしてあります。
LPコーディングの案件が取りにくくなっている背景
まず、状況を正確に把握しておきましょう。取れないのはあなたのせいだけではない、という話です。
参入者が増えて、選ぶ側が慎重になっている
LPコーディングは、副業の入口として長く紹介されてきました。学習のハードルが比較的低く、成果物が目に見える。この2つが揃っているので、初心者向けの副業として推奨され続けてきた分野です。その結果、供給側が増えました。
特にLPコーディング案件はSNSやWEBサイト上で、「初心者におすすめの副業!」と推奨され続け、「誰でも簡単に月5万円」などのコピーを見て、私にもできそうな副業と感じた人材が参入し続けました。この記事をご覧の方も一度は目にしたことがあるでしょう。 出典: profuku.com
応募者が増えると、発注者は選別の基準を厳しくします。1つの案件に何十件も応募が来る状況では、全部を丁寧に読む時間がありません。だから、読んだ瞬間に判断できる要素で絞り込みます。
その絞り込みの材料になるのが、見積もりの内訳です。金額の根拠が書かれている提案は、読むのに時間がかからない。だから最後まで読まれます。
コーダー単体の需要は変化している
もう一つ、押さえておきたい変化があります。HTMLとCSSだけを書く役割の需要は、以前ほど大きくありません。
HTMLやCSSを使ってWebサイトを実装するコーディングは、未経験からでも学習することができるスキルです。コーディングのみを行う「HTMLコーダー」の需要は残念ながら減少しつつありますが、Webデザイナーやフロントエンドエンジニアへのキャリアアップを目指すことで、安定的な案件の獲得と、高収入を実現することも可能です。 出典: tech-stock.com
これは悲観的な話に聞こえるかもしれませんが、見方を変えると分かりやすくなります。「コードを書く」という作業だけを売っていると比較されやすい。けれど、その前後の工程まで含めて引き受けられる人は、比較の土俵から外れます。
見積もりの内訳は、まさにこの「前後の工程まで見えている」ことを示す道具でもあります。作業を分けて書くという行為そのものが、工程を理解している証明になるからです。
LP制作とHTML・CSSコーディングの案件が、どの工程を含んで発注されるのかは、LP制作・HTML/CSSコーディングのお仕事に流れが整理されています。自分がどこからどこまでを担当するのか、応募前に確認しておくと、見積もりの範囲も決めやすくなります。
見積もりの内訳を出すと、何が変わるのか
ここが本題です。内訳を出すだけで、なぜ結果が変わるのか。3つの変化が起きます。
発注者が「比べられる」ようになる
発注者は、あなただけを見ているわけではありません。何人かの提案を並べて比べています。ところが、全員が総額だけを書いていると、比べる軸が金額しかなくなります。すると、いちばん安い人が選ばれます。
内訳が書かれていると、比べる軸が増えます。「この人はレスポンシブ対応を別項目で出している」「この人は表示速度の調整まで含んでいる」。こうした違いが見えると、金額だけの勝負ではなくなります。
安さで勝負しない、というのはこういうことです。値段を下げるのではなく、比べる軸を増やす。これは誰にでもできる工夫です。
値切りの矛先が「総額」から「項目」に変わる
内訳のない見積もりに対して発注者が言えるのは、「もう少し安くなりませんか」だけです。総額を下げる以外に応じようがありません。
内訳があると、会話が変わります。「この項目は自社でやるので外してもらえますか」という相談になるのです。これは、あなたにとって悪い話ではありません。作業量が減った分だけ金額が下がるだけで、時間あたりの報酬は変わらないからです。
こういう相談がよくあります。「値切られるのが怖くて金額を出せません」と。でも、値切られること自体が問題なのではないんです。作業量が変わらないまま金額だけ下がるのが問題なのであって、内訳はそれを防ぐ仕組みになります。
発注者の社内で説明しやすくなる
これは見落とされがちな効果です。窓口の担当者は、多くの場合、自分の一存では決められません。上長や別部署に説明して承認をもらう必要があります。
そのとき、総額だけの見積もりは説明しづらいのです。「なぜこの金額なのか」と聞かれても、担当者自身が答えられないからです。内訳があれば、そのまま社内資料として使えます。担当者の仕事を楽にする提案は、選ばれやすくなります。
話が具体的になり、認識のずれが減る
内訳を書くと、書いた側も範囲がはっきりします。「レスポンシブ対応はスマートフォンとタブレットの2種類」と書けば、それ以外の端末は含まないことが明示されます。
範囲が曖昧なまま受けると、あとから「これも当然入っていると思っていた」という食い違いが起きます。これが、いちばん消耗するトラブルです。見積もりの内訳は、営業の道具であると同時に、自分を守る道具でもあります。
内訳に書く項目の作り方
では、具体的に何をどう分けて書くか。ここから実践的な話に入ります。
作業を工程ごとに分けて書く
LP1本のコーディングを引き受けるとき、書き出せる項目はおおむね次のようになります。
環境構築とファイル設計。HTMLの構造作成。CSSの実装。パソコン向けの表示調整。スマートフォン向けの表示調整。アニメーションや動きの実装。フォームの設置と動作確認。画像の書き出しと軽量化。表示速度の調整。動作確認と修正対応。
このうち、案件に含まれるものだけを選んで並べます。全部を書く必要はありません。むしろ、含まれないものを外しておくほうが、範囲が明確になります。
項目ごとの金額は、自分の作業時間に時間単価をかけて出します。時間単価の置き方はあとで説明しますが、まずは「この作業に何時間かかるか」を正直に見積もることから始めてください。ここで見栄を張って短く見積もると、あとで自分が苦しくなります。
時間ではなく成果物の単位で書く
内訳を書くとき、「作業時間5時間」とだけ書くのは避けたほうがいいです。発注者にとって、あなたが何時間かかるかは関心の外だからです。
代わりに、「スマートフォン向け表示調整(3ブレイクポイント対応)」のように、何をどこまでやるのかを書きます。数量が示せる項目は数量を入れる。ページ数、セクション数、対応する画面幅の種類。数字が入ると、金額の根拠が伝わりやすくなります。
時間はあくまで自分の計算用です。相手に見せるのは、成果物の姿のほうです。
「含まないもの」を必ず書く
これ、抜けている人が本当に多いんです。含むものだけを書いて、含まないものを書かない。すると、書かれていないものは含まれていると解釈されます。
書いておきたいのは、原稿の作成、写真の撮影や購入、デザインの作成、サーバーの契約、公開後の運用、公開後の内容変更あたりです。「別途お見積もり」と添えておけば、断っているわけではないと伝わります。
もう一つ、修正対応の回数も内訳に入れておきましょう。「デザイン確定後の修正は2回まで含む。それ以降は1回あたり別途お見積もり」といった書き方です。修正が無制限だと思われたまま進むと、報酬に見合わない作業量になります。
提案文に内訳をどう添えるか
内訳ができたら、提案文の中でどう見せるかを考えます。ここも順番があります。
先に「相手の目的」を書く
いきなり見積もりから始めると、売り込みの印象が強くなります。まず、募集内容から読み取れる目的を一文で書きます。「今回は◯月のキャンペーン告知用のLPということで、公開日に間に合わせることが最優先と拝見しました」というような書き方です。
相手が何を大事にしているかを言葉にしてから金額の話に入る。この順番だけで、読まれ方がまったく変わります。
内訳は提案文の中盤に置く
冒頭は目的の確認、中盤に内訳、後半に納期と進め方。この配置が読みやすいです。
内訳は箇条書きで並べ、各項目に金額を添えます。項目は多すぎないほうがいい。5項目から8項目くらいが、読む側の負担にならない範囲です。細かすぎると、かえって面倒な相手に見えます。
最後に「調整できる箇所」を示す
内訳の下に一行、「ご予算に応じて、アニメーション部分を簡易な実装に変更するなどの調整が可能です」と添えておきます。
これがあると、予算が合わなかった場合に断られずに相談が来ます。断られる理由の多くは「予算オーバー」であって、「気に入らない」ではありません。調整の余地を先に示しておくだけで、話が続く確率が上がります。
見積書という形にして渡す
提案文の中に箇条書きで書くだけでも効果はありますが、案件の規模が大きくなってきたら、独立した見積書の形にして渡すことをおすすめします。
書式は凝らなくて大丈夫です。表計算ソフトで、項目、数量、単価、金額の4列を並べ、下に合計を出す。上部に宛先と自分の名前と日付、下部に有効期限と備考を置く。これだけで形になります。無料の会計サービスにも見積書の作成機能があり、freeeやマネーフォワードのようなサービスを使えば、体裁の整った書類がすぐに作れます。
有効期限は入れておきましょう。「本見積書の有効期限は発行日より30日」と書いておくと、半年前の見積もりで発注される事態を避けられます。その間に自分の状況が変わっていることは十分あり得ます。
書類にすると、相手の社内で回覧されやすくなるという利点もあります。担当者が上長に説明するとき、チャットの文面より書類のほうが通しやすい。あなたの提案が決裁の場に届く確率が上がる、ということです。
内訳を出したあとに来る質問と、その答え方
内訳を出すと、質問が来ます。これは良い兆候です。質問が来るということは、検討されているということですから。
「この項目は何をするんですか」と聞かれたら
いちばん多い質問です。専門用語をそのまま書いた項目は、発注者には意味が分かりません。
答えるときは、作業の内容ではなく、それがあることで何が良くなるのかを説明します。「表示速度の調整」なら、「読み込みが遅いと、ページを開いた人が離脱してしまいます。それを減らすための作業です」という説明です。技術の話ではなく、相手の目的に結びつけて話す。この置き換えができる人は、金額の説明も通りやすくなります。
「他社はもっと安かった」と言われたら
ここで慌てて値下げしないでください。まず、その見積もりが同じ範囲を含んでいるかを確認します。「その金額には、スマートフォン向けの調整と修正対応は含まれていましたか」と聞くだけで、比較が成立していないことが分かる場合があります。
範囲が同じで、それでも安いのなら、その相手に頼むのが合理的です。無理に取りにいく必要はありません。すべての案件を取る必要はないんです。合わない案件を無理に受けると、そのしわ寄せは自分の時間に来ます。
「まとめて安くなりませんか」と言われたら
複数本のLPをまとめて依頼される場合、割引を求められることがあります。この相談には応じてよいのですが、条件を付けます。
たとえば、「デザインの構成を共通にしていただける場合は、2本目以降を割引できます」という形です。作業量が実際に減る条件を割引の根拠にする。単に本数が多いから安くする、という応じ方をすると、時間あたりの報酬が下がるだけになります。
単価をどう置くか
金額の話は苦手だという方が多いのですが、ここは避けて通れません。少しずつ考えていきましょう。
相場を知ってから、自分の位置を決める
まず、市場の水準を知ることです。開発系の職種全体の年収や単価の分布はソフトウェア作成者の年収・単価相場にまとまっています。原稿作成まで引き受ける場合は著述家,記者,編集者の年収・単価相場も参考になります。
相場を知る目的は、そこに合わせるためではありません。自分がどのあたりにいるのかを把握して、説明できるようにするためです。相場より低い金額を出すなら、なぜ低いのかを自分の中で言語化しておく。相場より高いなら、その分の理由を内訳で示す。
安すぎる金額は、かえって選ばれにくい
意外に思われるかもしれませんが、極端に安い提案は警戒されます。発注者からすると、安すぎる相手は途中で投げ出すリスクがあると見えるからです。
特に、実績が少ない段階で極端に安くすると、「安いから頼んだ」という関係になります。この関係は継続しません。次の案件でも同じ金額を求められるからです。最初の1件を取るために値段を下げるのは、短期的には有効でも、長期的には自分の首を絞めます。
経費と税の分を織り込んでおく
もう一つ、見落とされやすいのが手元に残る額の計算です。受け取った金額がそのまま収入になるわけではありません。通信費、機材の購入や更新、有料のデザインツールや素材の費用。これらは案件の有無にかかわらず出ていきます。
さらに、一定の所得を超えれば申告と納税が必要になります。制度の内容は年によって変わるため、詳細は国税庁の案内で最新の情報を確認してください。※ご自身の状況で申告が必要かどうかは、収入の額や本業の有無によって変わります。判断に迷う場合は税務署や税理士にご相談ください。
時間単価を決めるときは、こうした出ていく分を織り込んだうえで、手元にいくら残ってほしいかから逆算します。「時給2,000円のつもりだったのに、経費を引いたら半分だった」というのは、よくある話です。
最低ラインを先に決めておく
受注前に、「この金額を下回るなら受けない」というラインを決めておきましょう。作業にかかる時間に、自分が納得できる時間単価をかけた金額です。
このラインがないと、交渉の場で流されます。「もう少し安く」と言われたときに、断る根拠が自分の中にないからです。逆に、ラインが決まっていれば「その金額ですと、この項目を外す形になります」と落ち着いて返せます。
大丈夫ですよ。金額を主張することは、相手に失礼な行為ではありません。むしろ、根拠を示して金額を伝えられる人のほうが、仕事を任せやすいと受け取られます。
継続案件の見積もりは、単発と分けて考える
月ごとに更新作業が発生する案件では、単発の見積もりとは別の組み立てが要ります。
単発は作業量に対する金額ですが、継続は「いつでも対応できる状態を保つこと」に対する金額です。だから、月あたりの対応時間の上限を決めて、その範囲での固定額にする形が扱いやすくなります。「月5時間までの更新対応を含む」といった書き方です。
上限を超えた分をどう扱うかも、あらかじめ決めておきます。超過分を時間単価で追加請求するのか、翌月に繰り越すのか。ここが曖昧だと、少しずつ作業が増えていって、気づいたときには割に合わない状態になっています。
継続案件は収入が安定する反面、断りにくくなるという面もあります。受ける前に、自分の生活のリズムの中に、その稼働が本当に収まるかを考えてみてください。無理をして受けた継続案件は、いちばん苦しい形で続きます。
案件を探す場所と、続く関係の作り方
内訳が書けるようになったら、次はどこに出すかです。
応募数より、合う案件を選ぶ
数を撃てば当たる、という考え方は、この分野ではあまり機能しません。応募が集中している案件に大量に応募するより、自分の内訳がそのまま説明になる案件を選んだほうが決まります。
たとえば、フォームの実装まで含む案件なら、フォーム関連の項目を持っている人が有利です。逆に、静的な1枚のLPだけなら、余計な項目が並んだ見積もりは高く見えます。案件ごとに内訳を組み替える。この手間をかけられるかどうかが、結果を分けます。
募集文から発注者の状態を読む
案件を選ぶとき、募集文の書き方から相手の状態が読み取れます。範囲がはっきり書かれていて、参考にしたいLPの例が示され、納期の理由まで書かれている募集は、発注に慣れている相手です。こういう案件は、やり取りがスムーズに進みます。
逆に、「LPを1本お願いします。予算は応相談」とだけ書かれた募集は、発注側もまだ内容を固めきれていない状態です。悪い相手というわけではありませんが、要件を一緒に整理する工数が発生します。その分を見積もりに入れるか、最初の打ち合わせで範囲を決めてから金額を出すか、どちらかにしてください。何も決まっていない状態で金額だけ先に出すと、あとで作業量が膨らみます。
一度受けた相手を大切にする
新規の案件を取り続けるのは、体力が要ります。一方、一度受けた相手からの再依頼は、提案文も見積もりも短く済みます。
再依頼につながるかどうかは、納品後のひと手間で決まります。納品時に「今回対応した内容」と「今後お手伝いできること」を短くまとめて添える。それだけで、次に困ったときに思い出してもらえます。
隣接する領域まで手を広げたいなら、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、Web制作の周辺で伸びている分野が整理されています。まったく別の制作系ですが、成果物単位で発注される仕事の見積もり方という点では作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事の考え方も参考になります。
信頼の裏付けを少しずつ足す
実績が少ないうちは、資格が判断材料になることがあります。在宅ワークで評価されやすい資格の傾向は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるにまとまっています。
やり取りが文書中心になる案件では、ビジネス文書検定のような文書力の裏付けが、見積書や提案文の読みやすさと結びついて評価されることがあります。サーバー設定まで踏み込む案件を視野に入れるならCCNA(シスコ技術者認定)も選択肢になりますが、優先順位としては後ろで構いません。
作業環境の面では、在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に回線選びの判断材料が、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに作業時間の使い方がまとまっています。見積もりの精度は、自分が1時間でどれだけ進めるかを知っていることが前提になるので、作業のリズムを安定させることも間接的に営業力につながります。
市場を長く見てきた運営者の視点から
20年この市場を見てきた立場から言えば、案件が途切れない人には共通点があります。金額の話を後回しにしないことです。
やり取りの序盤で範囲と金額をはっきりさせておく人は、途中で揉めません。揉めないから、依頼者にとって「この人に任せると楽」という存在になります。長く続いている人は、単発の作業を積み重ねているのではなく、この楽さを積み重ねています。
逆に、金額の話を避けて「まずはやってみます」と始める人は、途中で範囲が膨らみ、報酬に見合わなくなり、疲れて離れていきます。優しさから金額の話を避けているのだとしたら、それは誰のためにもなっていません。
もう一つ、運営者として見てきた限りでは、手取りの構造を理解している人ほど落ち着いて金額を提示できます。仲介手数料が乗る取引では、依頼者が出した予算の一部が中間で抜かれます。同じ5万円の予算でも、中間マージンが乗らない直接取引なら、依頼者は同じ金額でより多くを頼めますし、受け手の手元に残る額は厚くなります。手数料0%の取引に意味があるのは、金額の派手さではなく、この「同じ予算で双方が得をする」という構造のほうです。
見積もりの内訳を出すのは、勇気が要る作業に見えるかもしれません。金額を明示するということは、判断される立場に自分を置くことだからです。それでも、内訳を出した人から順に案件が決まっていくのを、この市場では何度も見てきました。あなたが今できることは、次の応募で1つだけ、項目を分けて書いてみることです。それだけで十分に変わります。
よくある質問
Q. 見積もりの内訳は、何項目くらいに分けるのが適切ですか?
5項目から8項目が読みやすい範囲です。環境構築、HTML構造、CSS実装、スマートフォン向け調整、動作確認といった工程単位で分け、案件に含まれるものだけを並べます。細かすぎると面倒な相手に見えるため、数量が示せる項目に絞るのが実務的です。
Q. 実績が少ないうちは、単価を安くしたほうが受注しやすいですか?
極端に安い提案は、途中で投げ出すリスクがあると受け取られて警戒されることがあります。また「安いから頼んだ」という関係は継続しにくく、次の案件でも同じ金額を求められます。作業時間に納得できる時間単価をかけた最低ラインを決めてから提示してください。
Q. 見積もりに「含まないもの」を書くと、断っていると思われませんか?
「別途お見積もり」と添えれば、対応しないという意味にはなりません。むしろ範囲を明示することで、あとから「当然入っていると思っていた」という食い違いを防げます。原稿作成、写真の用意、デザイン、公開後の内容変更などを書いておくと安全です。
Q. 予算が合わなかったとき、どう返せばいいですか?
内訳の下に「ご予算に応じて、アニメーション部分を簡易な実装に変更するなどの調整が可能です」と一行添えておくと、断られずに相談が来ます。断られる理由の多くは予算オーバーであり、調整の余地を先に示すだけで話が続く確率が上がります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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