【型は1つ】在宅ランディングページのコーディングの自己PRを直す


この記事のポイント
- ✓ランディングページのコーディングの自己PRを在宅案件向けに書き直す方法を解説します
- ✓事実・行動・結果・再現性という1つの型に落とし込む手順
- ✓経験レベル別の当てはめ方
先日、在宅でランディングページのコーディングをしている方から相談を受けました。「応募書類の自己PRを何度書き直しても通らない。文章が下手なんでしょうか」と。実際に見せていただいたところ、文章はむしろ丁寧でした。問題は文章力ではなく、書いている内容が「評価できない情報」だったのです。
これ、知らない人が本当に多いんです。自己PRには型が1つしかありません。事実を出し、判断を書き、結果を相手の言葉に変換し、再現性を示す。この順番です。ここから外れた自己PRは、どれだけ丁寧に書いても読み手が判断できないので、落ちます。この記事では、在宅のランディングページのコーディング案件を前提に、その1つの型への直し方を具体的に書きます。
在宅のランディングページのコーディングで自己PRが効かなくなる理由
自己PRと志望動機が混ざっている
最も多い失敗が、自己PR欄に志望動機を書いてしまうことです。「御社のサービスに共感し」「Web制作の分野で成長したいと考え」といった文がその典型です。
つまり、自己PRは「私は何ができる人か」を書く場所で、志望動機は「なぜここなのか」を書く場所です。この2つが混ざると、どちらの問いにも答えていない文章になります。在宅の業務委託案件では志望動機の比重がそもそも低いので、混ざったぶんだけ純粋に情報量が減ります。
在宅だからこそ見られている点がある
出社前提の仕事と在宅の仕事では、自己PRで求められる中身が違います。出社なら、多少あいまいでも隣の席で確認できます。在宅ではそれができません。
したがって発注者が自己PRから読み取ろうとしているのは、次の3点です。1つ目、指示された仕様どおりに作れるか。2つ目、進捗が見えない時間帯に何をしているか説明できるか。3つ目、問題が起きたときに自分から報告できるか。この3点に答えていない自己PRは、技術力の話をどれだけ積み上げても評価が上がりません。
※ここで言う「業務委託」は、雇用契約ではなく請負や準委任の契約形態を指します。契約形態によって責任範囲が変わるため、実際の案件では契約書の文言を必ず確認してください。
自己PRを読む側の事情
ランディングページのコーディングは、成果物を見れば実力がおおむね分かる領域です。それでも自己PRが求められるのは、成果物からは読み取れない情報を確認したいからです。
具体的には、その成果物のどこを自分で担当したのか、制約は何だったのか、なぜその実装を選んだのか。これらは完成品を見ても分かりません。自己PRは、成果物に対する注釈として機能したときに初めて意味を持ちます。作品の横に置く解説文だと考えると、書くべき内容が見えてきます。
在宅のランディングページのコーディング市場が求めている人物像
求人票の言葉から要件を読み解く
自己PRを書く前に、求められている中身を正確につかむ必要があります。実際の募集がどう書かれているかを見てみます。
また、サービスのランディングページ作成にも携わっていただきます。 工程:基本設計、詳細設計、実装、デザイン<基本給>55〜65万円(税込) 【対象となる方】<スキル>・Vue.js+TypeScriptでの開発経験・デザインをHTML、CSSに落とし込んだ経験 【求人の特徴】経験者歓迎/学歴不問/土日祝休みあり/急募/在宅勤務可 出典: 求人ボックス
この募集で「学歴不問」と書かれていることに注目してください。つまり、経歴の権威性ではなく実務の再現性を見るという宣言です。にもかかわらず、自己PRに学歴や資格を並べる応募が後を絶ちません。相手が要らないと言っているものを差し出しているわけです。
そしてもう1つ、「デザインをHTML、CSSに落とし込んだ経験」という表現。ここが自己PRの核心になります。求められているのは、デザインデータを正確に実装へ変換する能力です。自己PRには、この変換をどういう手順でやっているかを書けばよいことになります。
自己PRが評価される場面と、されない場面
採用の現場では、自己PRの位置づけが明確に整理されています。
「自己PR」は応募書類の中でも特に人事が注目する項目で、ライバルに差をつけやすいポイントの一つになります。職務経歴書だけでは伝えきれない「自分自身の強み」をしっかりと伝えましょう。ここではWebデザイナー・コーダー経験者の自己PR例文集と、自分らしくアレンジするコツをわかりやすくまとめています。例文を参考に、オリジナルの自己PR文を作成してくださいね。 出典: type.jp
ここで重要なのは「職務経歴書だけでは伝えきれない」という部分です。つまり自己PRは、経歴の要約であってはいけないということです。経歴は経歴欄に書いてあります。同じ内容を自己PRで繰り返すと、書類全体の情報量が半分になります。
在宅の業務委託案件では職務経歴書を提出しないことも多いのですが、その場合でも原則は同じです。成果物リストで分かることを自己PRで繰り返さない。成果物からは見えない判断過程を書く。
単価帯によって書くべき深さが変わる
在宅のランディングページのコーディング案件は、単価の幅が非常に広い領域です。デザイン支給の1ページ実装だけを切り出す案件と、構成設計から公開後の改善まで含む案件では、求められる説明の深さが違います。
職種としての単価水準の目安はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。この水準の上のほうを狙うなら、自己PRで「実装できます」と書くだけでは足りません。設計の判断、パフォーマンスの検証、公開後の計測まで含めた話ができるかどうかで、提示される単価が変わります。
逆に、実装のみのスポット案件に応募するときに設計論を長々と書くと、話が噛み合いません。相手が求めている粒度に合わせるのも、自己PRの技術です。
自己PRの型は1つしかない
ここから本題です。自己PRの型は、事実、行動、結果、再現性の4ブロックです。この順番以外はありません。
ブロック1 事実は数値で始める
自己PRの1行目は、検証可能な事実で始めます。感想や意欲ではありません。
悪い例は「丁寧なコーディングを心がけています」です。丁寧かどうかは主観なので、検証できません。
良い例は「デザイン支給からの静的コーディングを18本担当し、うち15本は納期前に初稿を提出しています」です。数が少なくても構いません。3本なら3本と書けばよい。重要なのは、読み手が事実として受け取れる形になっていることです。
数値がまったくない場合は、期間で代替します。「独学期間を含めて14か月、週12時間を実装に充てています」といった書き方なら、少なくとも取り組みの量は伝わります。
ブロック2 行動には判断の理由を添える
次に、その事実の中で自分が何をしたかを書きます。ここで多くの人が「何をしたか」だけを書いて終わります。必要なのは「なぜそうしたか」です。
悪い例は「レスポンシブ対応を行いました」です。当たり前の作業なので、書いても差がつきません。
良い例は「支給されたデザインがデスクトップ幅のみだったため、モバイル表示の分岐案を2案作って先に確認を取り、実装の手戻りを防ぎました」です。作業ではなく判断が書かれているので、他の案件でも同じ動きをすると読み手が予測できます。
在宅案件では、この「勝手に判断せず、確認して進めた」という行動が特に評価されます。目の前にいないぶん、独断で進められると発注者は不安なのです。
ブロック3 結果は相手の言葉に変換する
3つ目は結果です。ここでの落とし穴は、自分の都合の結果を書いてしまうことです。
悪い例は「スキルアップにつながりました」です。発注者にとってどうでもいい情報です。
良い例は「修正回数が3回想定のところ1回で完了し、公開予定日を2日前倒しできました」です。発注者の関心事、つまり時間と手間で語られています。
数値が取れない場合は、状態の変化で書きます。「初回提出時点でモバイル表示の指摘がゼロだったため、確認作業が1往復で終わりました」という書き方でも十分に伝わります。
ブロック4 再現性を言い切る
最後が再現性です。ここを書かない人が非常に多いのですが、実はここが自己PRの結論部分です。
「今回も同じ手順で進められます」と言い切る。ただし、根拠なしに言い切ると軽く見えるので、手順を1行で示します。
「デザインデータを受け取ったら、まず幅の分岐と可変要素を洗い出して確認事項を先に送る手順を標準にしているため、初回のズレを減らせます。」
つまり、自己PRとは過去の話ではなく、これから起きることの予告です。過去の実績はその予告に信頼性を与えるための材料にすぎません。この理解があるかどうかで、文章の締まり方がまったく変わります。
悪い自己PRの実例と書き直し
型を説明しただけでは腹落ちしにくいので、実際によく見る自己PRを書き直してみます。
例1 丁寧さのアピール
改善前です。
「私の強みは、丁寧で正確な作業です。細かい部分にもこだわり、ピクセル単位でデザインを再現することを心がけています。また、納期は必ず守るようにしており、責任感を持って業務に取り組んでいます。分からないことは自分で調べ、常に学習を続ける姿勢を大切にしています。」
丁寧、こだわり、責任感、学習姿勢。すべて主観であり、検証できません。しかも、ここに書かれた内容は誰でも書けます。誰でも書ける文は、書いても差がつきません。
改善後です。
「デザイン支給の静的コーディングを18本担当しています。着手前にデザインデータから可変要素、文字数の変動範囲、幅の分岐点を抜き出して確認リストを送る手順を標準にしており、直近10本では初回提出後の修正が平均1.2回で完了しました。今回も同じ手順で進めるため、確認の往復を減らせます。」
事実、行動、結果、再現性。4ブロックがそろっています。
例2 スクール卒業のアピール
改善前です。
「Webデザインスクールで半年間学び、HTML、CSS、JavaScriptの基礎を習得しました。卒業制作ではLPを1本制作し、講師から高い評価をいただきました。学んだ知識を活かして、御社の案件でも貢献したいと考えております。」
学習歴は経歴であって強みではありません。また、講師の評価は発注者にとって参考になりません。評価基準が違うからです。
改善後です。
「卒業制作として制作したLPを、公開後に自分で計測ツールを入れて検証しました。ファーストビューの画像が1.8MBあり読み込みに時間がかかっていたため、WebP変換と遅延読み込みを入れて表示までの時間を短縮しました。制作して終わりにせず、公開後の数字を見て直す手順を身につけています。この検証手順は実案件でも同じように回せます。」
同じ卒業制作の話でも、書き方でここまで変わります。実績の量ではなく、実績の扱い方が評価されるのです。
例3 スキルの羅列
改善前です。
「HTML5、CSS3、Sass、JavaScript、jQuery、Bootstrap、Tailwind CSS、WordPress、Git、Figma、Photoshop、Illustratorを使用できます。」
一見すると情報量が多いのですが、どの程度使えるかが分からないため、読み手は判断できません。それに、これだけ並べると「浅く広く」の印象を与えます。
改善後です。
「直近の案件で中心的に使っているのは、Figma、CSS、Gitの3つです。Figmaは支給データから余白と行間の指定値をそのまま読み取って実装に反映し、目視の調整をしません。CSSはFlexboxとgridで組み、幅375pxから1440pxの間で崩れないことを実機で確認しています。Gitはコミット単位を機能ごとに分け、差分の確認をしやすくしています。」
12個並べるより、3つを深く書くほうが評価されます。残りのツールは、必要ならリストとして別途添えれば十分です。
例4 コミュニケーション力のアピール
改善前です。
「前職では接客業をしており、コミュニケーション力には自信があります。在宅の仕事でも、こまめな報告と連絡を心がけ、円滑に業務を進められると思います。」
コミュニケーション力は最も評価しにくい強みです。在宅では「話がうまい」ことに価値はなく、「必要な情報が必要なタイミングで届く」ことに価値があります。
改善後です。
「在宅での進行に合わせて、報告の形式を固定しています。着手時に確認事項の一覧、中間で実装済みの範囲と残りの見込み、提出時に確認してほしい箇所の指定。この3回を必ず送るため、進捗を聞かれる前に状況が伝わります。前職の接客で、聞かれる前に説明する習慣がついたことが背景にあります。」
前職の経験を活かすなら、こういう変換が必要です。経験そのものではなく、経験から得た手順を書く。
経験レベル別に型をどう当てはめるか
実務経験がまったくない場合
未経験だと事実のブロックが埋まらないと思いがちですが、そんなことはありません。学習と自主制作は事実です。
書き方としては、量ではなく手順を事実にします。「自主制作を5本作り、うち3本は架空の仕様書を先に書いてから着手しました。仕様書には商材、想定読者、必須要素、対応幅、納期を書いています。」
この書き方なら、実務がなくても実務の進め方を理解していることが伝わります。発注者が未経験者に不安を感じるのは技術ではなく、進め方が分からないことなので、ここに答えるのが最短です。
実務経験が1年未満の場合
この段階で危険なのは、経験を大きく見せようとすることです。実際より多く書くと、面談や初回の作業で必ず露見します。
そして法務の観点で言えば、経歴の重大な虚偽は契約解除の理由になり得ます。業務委託契約でも、契約の前提となる重要事項について虚偽の説明があった場合、相手方から解除や損害賠償を求められる余地があります。※実際にトラブルになった場合は、契約書の文言を持って弁護士に相談してください。
正直に書いたうえで、伸びしろではなく手順で勝負します。「実案件は4本ですが、そのすべてで公開後の表示確認まで担当し、実機で確認する端末を3種類用意しています。」本数の少なさより、確認の徹底が伝わればよいのです。
他業種から転向した場合
転向組が最も陥りやすいのが、前職の話が長くなることです。前職の経験は、今回の仕事に直結する形に変換したときだけ書きます。
たとえば経理からの転向なら「数字の突き合わせを日常的にしていたため、フォームの入力値と送信データの整合確認を細かくやる習慣がある」と書ける。営業からなら「提案資料を作っていたため、LPの構成意図を読み取って実装の優先順位をつけられる」と書ける。
前職の年数や役職を書く必要はありません。むしろ書くと、判断材料にならない情報で行数を使うことになります。
年齢が高い段階で始めた場合
40代以降で在宅のコーディングを始めた方から、年齢を書くべきか相談を受けることがあります。業務委託の案件では、年齢を自己PRに書く必要はありません。
ただ、年齢が高いことがマイナスになるという前提自体が正しくない場面もあります。長く社会人をやっていれば、進行管理、書面のやり取り、関係者の調整といった能力が蓄積されています。これらは在宅の業務委託でこそ効きます。年齢を隠すのではなく、蓄積を手順として書けばよいのです。
自己PRで書いてはいけないこと
ここは法務の観点から、必ず押さえてほしい部分です。
守秘義務のある案件の書き方
過去の案件が秘密保持契約の対象になっている場合、クライアント名や案件の詳細を自己PRに書くことはできません。これは「バレなければよい」という話ではなく、契約違反として損害賠償の対象になり得る行為です。
書ける範囲は契約書の条項によります。一般的には、クライアントを特定できない形での業種や規模の言及、担当した作業内容の一般的な記述までは許容されることが多いですが、契約書に「業務内容の開示を禁ずる」と明記されていれば作業内容も書けません。
つまり、まず自分の契約書を確認する。そのうえで「化粧品分野のLPを担当」といった抽象度に落とす。判断に迷う場合は、クライアントに確認を取るのが確実です。「実績として公開してよいか」を聞くだけなら、多くの発注者は答えてくれます。
実績の水増しが招く具体的な問題
複数人で担当した案件を、自分1人で作ったように書く。これは実務でよく見ますが、リスクがあります。
在宅のコーディング領域は、意外と狭い世界です。制作会社経由の案件では、同じ制作物に関わった人が別の場所でつながっていることがあります。事実と違う説明をしていたことが伝わると、その後の仕事に影響します。
正直に「デザインは別の担当者、私はコーディングを担当」と書いても、評価は下がりません。むしろ、分業の中で自分の担当を正確に説明できることが、チームで動ける証拠になります。
著作権と成果物の掲載可否
成果物を自分のポートフォリオに掲載してよいかどうかは、契約で決まります。ここも誤解が多い部分です。
制作物の著作権が発注者に譲渡されている場合、そのままの形での掲載は権利者の許諾が必要です。一方、著作者人格権のうち氏名表示権は譲渡できない権利なので、「制作に関わった」という事実の表明自体は別の問題になります。
実務上の安全策は3つです。1つ目、契約書に実績公開の可否を書き込んでおく。2つ目、書いていない場合は着手前か納品時に確認を取る。3つ目、確認が取れないものはスクリーンショットを載せず、担当範囲の記述だけにする。
※著作権の扱いは契約内容と個別事情で結論が変わります。掲載の可否で争いになりそうな場合は、弁護士に相談してください。
報酬額を強調する書き方は避ける
自己PRに「月1本あたりの単価が上がってきました」といった収入面の話を書く人がいますが、これは効果がありません。発注者が知りたいのは皆さんの収入ではなく、自分の予算で何を頼めるかです。
単価に触れるなら、実績としてではなく対応範囲の話として書きます。「実装のみと、設計を含む場合で見積を分けています」という書き方であれば、条件の擦り合わせが早く進みます。
自己PRを裏付ける資料の整え方
成果物リストは担当範囲を必ず書く
自己PRが強くても、添える成果物リストが雑だと台無しになります。リストには、URL、担当範囲、制約条件、使用技術の4項目を書きます。
担当範囲が書いていない成果物は、発注者からすると評価できません。デザインが良ければデザイナーの手柄かもしれず、コーディングの評価にならないからです。「デザイン支給、コーディングのみ担当」の一行があるだけで、評価対象が確定します。
検証の記録を残しておく
自己PRに数値を書くには、日頃から記録が必要です。難しい仕組みは要りません。案件ごとに、着手日、初稿提出日、修正回数、完了日をメモしておくだけで十分です。
この記録があると、「修正回数が平均1.2回」といった具体的な数字が書けるようになります。記録がないと、どうしても「丁寧に対応しました」という主観的な表現に逃げることになります。
文書作成の基礎を裏付けにする
在宅の業務委託では、見積書、請求書、進行報告など、書面のやり取りが増えます。この部分の正確さは、地味ですが確実に評価されます。文書作成の基礎を体系的に確認したい場合はビジネス文書検定の出題範囲が実務の項目とよく重なっており、自分の書面の抜けを点検する材料になります。
また、サーバーやドメイン、公開環境の話に対応できると、コーディングだけの人より相談されやすくなります。ネットワークの基礎を体系立てて確認する選択肢としてはCCNA(シスコ技術者認定)があります。資格そのものが受注に直結するわけではありませんが、自己PRで「公開作業まで対応可能」と言い切るための裏付けにはなります。
面談に進んだ後の自己PRの扱い
書いたことを短く言い直せるようにしておく
書類の自己PRが通ると、面談やオンライン打ち合わせに進みます。ここで書いた内容をそのまま読み上げる人がいますが、それでは伝わりません。
準備しておくべきは、自己PRの4ブロックを30秒で話せる短縮版です。事実を1文、行動を1文、結果を1文、再現性を1文。合計4文にまとめておけば、どんな聞かれ方をしても対応できます。
深掘りされる箇所は決まっている
面談で必ず聞かれるのは、「その判断はなぜですか」と「うまくいかなかったことはありますか」の2つです。
前者は、自己PRの行動ブロックの深掘りです。理由まで書いてあれば、そのまま答えられます。
後者に対しては、正直に失敗を1つ用意しておきます。ただし、失敗そのものではなく、その後どう仕組みを変えたかまでを話す。「幅の分岐を確認せずに実装して大きく作り直しになったため、それ以降は着手前に確認リストを送る手順にした」といった形です。この答え方ができると、自己PRに書いた「再現性」に説得力が出ます。
在宅特有の質問に備える
在宅の案件では、作業環境について聞かれることがあります。使用しているPC、通信環境、実機確認用の端末、連絡が取れる時間帯。これらは技術力とは別の、業務遂行の前提条件です。
答えを用意しておけば数十秒で終わる話ですが、詰まると不安を与えます。自己PRの補足として、事前に文章化しておくとよいでしょう。
在宅で働き続けるための土台
自己PRを整えて案件が取れるようになっても、在宅の働き方そのものが崩れると続きません。ここは実務的な話として押さえておく価値があります。
在宅で作業していると、成果が見えにくく孤独になりやすい構造があります。特に案件の切れ目には、自己評価が下がりやすい。その対処法は在宅ワーカーのメンタルヘルスケア|孤独・燃え尽きを防ぐ5つの習慣【2026年版】に習慣として整理されています。自己PRを書く手が止まるときは、文章の問題ではなく状態の問題であることも多いのです。
また、コーディング一本に絞らず、文章まわりの仕事を組み合わせる人も増えています。文書作成の検定を在宅の仕事につなげる考え方はビジネス文書検定で文書作成の副業力アップ|在宅ライティング案件で具体的に説明されています。作業の波を均すという意味で、実務的な選択肢です。
専門職が在宅化していく流れを知りたい場合は法律事務所のパラリーガルの働き方|在宅・時短勤務の現状【2026年版】が参考になります。守秘性の高い業務がどう在宅で回っているかを見ると、自分の案件での情報の扱い方にも応用が利きます。
運営者として見てきた自己PRの変化
フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言えば、自己PRに求められるものは確実に変わりました。かつては熱意と人柄が重視され、それを伝える文章力が武器になりました。今は違います。発注者が見ているのは、任せたときに自分の手間がどれだけ減るかです。
運営者として見てきた限りでは、長く続いている人ほど、自己PRの段階から「作業を受ける人」ではなく「進行を引き受ける人」として書いています。実装ができるという話ではなく、着手前に何を確認し、途中で何を報告し、完了時に何を渡すかが書いてある。この違いが、単発で終わる人と継続して依頼される人を分けています。
もう1つ、直接取引の現場で起きていることに触れておきます。仲介が入らない手数料0%の取引では、同じ予算でも発注者はより多くの作業を頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。この構造が効いてくるのは金額そのものより、会話の中身が変わる点です。手数料を差し引いた金額をめぐる駆け引きが消えると、話題は自然に「何をどこまでやるか」に移ります。そうなると、自己PRで対応範囲を先に明示している人が圧倒的に話を進めやすい。額面ではなく手取りが厚いという質の違いが、関係の作り方まで変えていくのを何度も見てきました。
職種データから見た自己PRの最適化
最後に、職種データの観点から自己PRの方向性を整理します。
実装系の職種では、評価が対応工程の広さに強く連動します。ソフトウェア作成者の年収・単価相場に見られる単価の幅は、技術の深さだけでなく、設計から公開後の運用までのどこを担えるかで生まれています。自己PRでも同じで、対応工程を明示している人のほうが上の帯で見てもらえます。
一方、文章を扱う職種では評価軸が違います。著述家,記者,編集者の年収・単価相場の領域では、応募段階の文章そのものが実力の見本になるため、自己PRの文章表現に時間をかける意味があります。コーディング案件でこの感覚を持ち込むと、文章は綺麗なのに評価されない状態が起きます。評価軸の違いを理解して書き分けることが必要です。
実装の周辺で何が求められているかを知ることも、自己PRの幅を広げます。AI活用の案件がどう発注されているかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事に整理されています。導入して終わりではなく定着まで求められている流れが見えると、自己PRに書く再現性の中身が変わります。広告運用や計測まわりを含む案件の実態はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認でき、LPを作った後の数字まで話せることの価値が分かります。Webアプリケーション寄りの開発案件の内容はアプリケーション開発のお仕事にまとまっており、静的コーディングから一歩踏み出すときの目安になります。
自己PRの型は1つです。事実、行動、結果、再現性。この4ブロックに落とし込めているかどうかを、書き終わるたびに確認してください。どれか1つが欠けていると、読み手は判断できません。法律も文章も、相手が判断できる形で情報を出すことが基本です。そして、正しく整えた自己PRは必ず皆さんの味方になります。
よくある質問
Q. 在宅のランディングページのコーディングで、自己PRは何を書けばよいですか?
事実、行動、結果、再現性の4ブロックです。担当した本数や期間などの検証可能な事実、その中でなぜその判断をしたか、発注者にとっての結果として何が変わったか、そして今回も同じ手順で進められることを書きます。丁寧さや責任感といった主観的な強みは、検証できないため評価につながりません。
Q. 実務経験がない場合、自己PRに書くことがありません。どうすればよいですか?
自主制作を事実として使います。ただし本数を並べるのではなく、仕様書を先に書いてから着手した手順を説明してください。商材、想定読者、必須要素、対応幅、納期を自分で決めて作ったと書けば、実務の進め方を理解していることが伝わります。発注者の不安は技術より進め方にあります。
Q. 過去の案件を自己PRに書くとき、守秘義務はどこまで気にすべきですか?
まず契約書の秘密保持条項を確認してください。クライアント名や案件詳細の開示が禁じられている場合、実績として書くと契約違反になり得ます。一般的には業種や担当作業の抽象的な記述までなら許容されることが多いですが、判断に迷うならクライアントに実績公開の可否を直接確認するのが確実です。
Q. 制作したランディングページをポートフォリオに載せてよいですか?
契約次第です。著作権が発注者に譲渡されている場合、そのままの掲載には許諾が必要になります。安全策は、契約書に実績公開の可否を書き込むこと、書いていなければ納品時に確認を取ること、確認が取れないものはスクリーンショットを載せず担当範囲の記述だけにすることの3つです。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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