長距離バイク便の求人を探す前に知りたい働き方と応募の条件


この記事のポイント
- ✓長距離バイク便の求人を探す人向けに
- ✓応募に必要な免許と排気量
- ✓貨物軽自動車運送事業の届出
長距離バイク便の求人を探している人は、バイクで走ることが好きで、その時間を仕事にできないかと考えている人が多いはずです。都市の中を細かく走る短距離の配送と違い、長距離のバイク便は高速道路を使って県境を越え、数百キロ先まで急ぎの荷物を届けます。ただ、求人の多くは雇用ではなく業務委託で、自分のバイクを持ち込む場合には国への届出や保険の手続きも自分で行う必要があります。条件を知らずに応募すると、思っていた働き方と違ったということになりかねません。
この記事では、長距離バイク便の仕事の中身、業務委託と雇用の違い、応募に必要な免許と排気量、自分のバイクで走るときの届出、労災保険の特別加入、フリーランスとして守られるルール、経費と確定申告、そして長距離ならではの安全対策まで、求人に応募する前に確かめておきたいことを順に整理します。
長距離バイク便とはどんな仕事か
バイク便が選ばれる理由
バイク便は、書類や小さな荷物を、依頼を受けてからすぐに引き取り、寄り道をせずに届け先まで直接運ぶサービスです。宅配便のように集荷センターで仕分けをしないため、急ぎの荷物を最短の時間で届けられます。渋滞の中でもすり抜けて進めるバイクの機動力が、この速さを支えています。
依頼が多いのは、契約書や設計図などの重要な書類、製造業の部品や試作品、医療機関の検体や薬、放送局や出版社の原稿や記録メディアなどです。いずれも「今日中に、確実に、手渡しで届けたい」という依頼主の事情があります。
長距離の仕事の特徴
バイク便の多くは都市の中の短距離の配送ですが、県をまたいで数百キロ先まで届ける長距離の依頼もあります。たとえば東京から名古屋、大阪から広島といった距離を、高速道路を使ってその日のうちに届ける仕事です。
長距離の仕事は、1件で走る距離が長く、距離に応じて料金が決まる会社では、売上が大きくなりやすいのが特徴です。バイク便の会社の募集ページにも、次のような説明があります。
ご自身の愛車で走行を楽しみながら、稼げます。距離制の料金なので高速に乗れる排気量であれば、長距離のお仕事で売上UPが見込めます。 出典: sokuhai.co.jp
ただし、長距離の依頼は毎日決まって出るものではなく、依頼主の事情で突発的に入ってくるものが中心です。長距離だけを専門に走る働き方は少なく、普段は都市内の配送を受けながら、長距離の依頼が入ったときに担当するという形が一般的です。
長距離バイク便の求人の種類
業務委託と雇用の違い
長距離バイク便の求人は、大きく業務委託と雇用の2つに分かれます。
| 項目 | 業務委託 | 雇用(正社員・アルバイト) |
|---|---|---|
| 立場 | 個人事業主として仕事を受ける | 会社に雇われる |
| 報酬 | 件数や距離に応じた歩合が中心 | 時給や月給 |
| バイク | 自分のバイクを持ち込むことが多い | 会社の車両を使うことが多い |
| 燃料・整備費 | 自分で負担するのが一般的 | 会社が負担することが多い |
| 労災保険 | 自分で特別加入の手続きをする | 会社が加入する |
| 確定申告 | 自分で行う | 会社が年末調整を行う |
求人の数で見ると、業務委託のほうが多いのが実情です。業務委託は、働く日や時間を自分で決めやすく、走った分だけ売上になる一方で、燃料代や整備費、保険料などの経費を自分で負担し、売上から差し引いた残りが手元に残る仕組みです。雇用は収入が安定しやすい代わりに、勤務の時間や日数が会社の決まりに沿うことになります。
求人票で確かめたいこと
長距離バイク便の求人を見るときは、次の点を確かめてください。
・雇用か業務委託か ・報酬の決まり方(距離制か、件数制か、時間制か) ・長距離の案件がどれくらいの頻度で出るか ・高速道路の料金と燃料代を誰が負担するか ・会社の車両を使えるか、自分のバイクを持ち込むか ・持ち込む場合に必要な手続きを会社が案内してくれるか ・保険の扱い(会社が用意する保険があるか)
特に長距離の仕事では、高速道路の料金の扱いが手取りを大きく左右します。高速料金が報酬とは別に支払われるのか、報酬に含まれているのかを、応募の前に必ず確かめましょう。
長距離の依頼が入った日の流れ
依頼の受け方
バイク便のライダーは、会社の配車担当からスマートフォンのアプリや無線で依頼を受け取ります。長距離の依頼が入ると、配車担当は、依頼主のいる場所の近くを走っていて、高速道路に乗れる排気量のバイクに乗っているライダーに声をかけます。ライダーは、引き取り先、届け先、希望の到着時刻を確かめ、受けられるかどうかをその場で返事します。長距離の依頼は数時間から半日がかりになるため、その後の予定や燃料の残り、天候を考えたうえで判断します。
引き取りから届けるまで
依頼を受けたら、まず引き取り先へ向かい、荷物の状態と数を確かめて受け取ります。荷物を防水のバッグやボックスにしっかり収めたら、届け先までの経路を確かめて出発します。高速道路に乗ったら、決めておいた間隔で休憩をとりながら走り、届け先の近くで高速道路を降りて一般道で目的地へ向かいます。
届け先に着いたら、受取人に荷物を手渡し、受け取りの署名や時刻を記録します。会社に完了の報告を入れて、長距離の仕事は一区切りです。帰りは、届け先の近くで別の依頼が入れば受け、なければ高速道路で戻ります。帰り道の扱いは会社によって違い、帰りの分の料金や高速代が出るかどうかで、その日の手取りが変わります。
長距離バイク便に向いている人、向いていない人
向いている人
長距離バイク便に向いているのは、次のような人です。
・長時間バイクに乗っても集中を切らさず、自分で休憩を管理できる人 ・知らない道でも地図を確かめながら落ち着いて走れる人 ・荷物を丁寧に扱い、受け渡しの手順を毎回きちんと守れる人 ・天候や渋滞で予定が狂っても、早めに連絡を入れられる人 ・バイクの日常的な点検や整備を苦にしない人
特に大切なのは、自分の体調と疲れ具合を正直に判断できることです。急ぎの依頼を断るのは勇気がいりますが、疲れた状態で長距離を引き受けて事故を起こせば、自分にも依頼主にも大きな損害を与えます。
向いていない人
反対に、雨や寒さの中を走ることに強い抵抗がある人、長時間同じ姿勢を続けると体を痛めやすい人には、長距離の仕事はつらく感じられるかもしれません。腰や首、手首への負担は、走る距離に比例して大きくなります。また、決まった時間に帰宅したい人にとっては、帰りの時刻が読みにくい長距離の仕事は合わないことがあります。まずは都市内の短距離の配送から始め、自分の体力と相談しながら長距離に挑戦していくのが無理のない進め方です。
応募に必要な免許と、バイクの排気量
長距離には125ccを超えるバイクが必要
長距離のバイク便で必ず確かめたいのが、バイクの排気量です。排気量125cc以下のバイクは高速道路を通行できないため、長距離の配送には向きません。高速道路を使う長距離の仕事を受けるには、125ccを超える排気量のバイクが必要です。
道路運送車両法の施行規則では、二輪で排気量が0.125リットル以下のものを原動機付自転車として扱うと定めています。つまり、法律の上では、125ccを超える二輪から「自動車」になります。この区別は、次に説明する届出が必要かどうかにも関わってきます。
必要な免許
125ccを超えて400cc以下のバイクに乗るには普通自動二輪免許、400ccを超えるバイクに乗るには大型自動二輪免許が必要です。長距離の仕事では、高速道路を長時間走るため、ある程度の排気量があるバイクのほうが疲れにくく、追い越しなどでも余裕が生まれます。求人によっては、普通自動二輪免許以上、一定の運転経験年数などを応募の条件にしていることもあります。
また、仕事で走る以上、運転の記録も大切です。事故や違反が多いと、会社との契約を結べない場合や、保険の契約に影響する場合があります。
自分のバイクで走るときの届出
貨物軽自動車運送事業の届出
業務委託で自分のバイクを使い、報酬を受け取って荷物を運ぶ場合は、法律上の手続きが必要になることがあります。貨物自動車運送事業法では、他人の依頼に応じて、報酬を受け取り、三輪以上の軽自動車や二輪の自動車で貨物を運ぶ事業を「貨物軽自動車運送事業」と定めています。この事業を始めるには、営業所の名前や場所、使う車両の概要などを国土交通大臣に届け出なければなりません。実際の窓口は、地域の運輸支局です。
先に説明したとおり、法律の上で「二輪の自動車」に当たるのは、排気量が125ccを超えるバイクです。長距離のバイク便に使うバイクは、ほぼ確実にこれに当たります。バイク便の会社の募集ページにも、持ち込みのバイクについて次のような説明があります。
125cc以上のバイクを持ち込んで稼働する場合は変更が必須となります。 出典: sokuhai.co.jp
ここでいう変更とは、営業用のナンバーへの切り替えのことです。手続きの細かな流れは、会社が研修の中で案内することが多いですが、最終的には自分の名前で届け出る手続きです。必要な書類や手順は地域によって案内の仕方が違うことがあるため、管轄の運輸支局で確かめてください。
安全管理者の選任はバイクには求められていない
貨物自動車運送事業法の改正により、軽トラックなどの軽自動車で貨物を運ぶ事業者には、営業所ごとに「貨物軽自動車安全管理者」を選び、講習を受けさせることが義務づけられています。ただし、法律の条文では、この義務の対象を「四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者」に限っています。二輪のバイクだけで事業を行う場合は、この安全管理者の選任の対象ではありません。
軽バンの配送とバイク便を兼業する場合は、軽バンのほうで選任の義務がかかります。どちらの車両で事業を行うかによって必要な手続きが変わるので、兼業を考えている人は注意してください。
もしものときの保険
業務委託なら労災保険の特別加入を考える
業務委託で働くバイク便のライダーは、会社に雇われていないため、通常は労災保険(仕事中のけがや病気に備える国の保険)の対象になりません。そこで用意されているのが、個人で事業を行う人が任意で労災保険に入れる「特別加入」という仕組みです。
厚生労働省の特別加入制度のしおりでは、特別加入できる事業として、貨物軽自動車運送事業の届出を行った人、原動機付自転車や自転車で貨物を運ぶ事業を行う人などが挙げられています。さらに、自分のバイクをバイク便の会社に持ち込み、その会社に専属で荷物を運ぶ人も、一定の許可を受けている場合は対象として示されています。特別加入は、特別加入団体と呼ばれる団体を通じて申し込むのが一般的で、詳しくは厚生労働省の労災保険への特別加入のページで確かめられます。
長距離の仕事は、高速道路を長時間走るため、ひとたび事故が起きると大きなけがにつながりかねません。業務委託で働くなら、特別加入をしておくかどうかを、応募の段階から考えておくことをおすすめします。
自賠責保険と任意保険
バイクには自賠責保険への加入が法律で義務づけられていますが、自賠責保険で補償されるのは相手のけがや死亡だけで、相手の車両や自分のけが、自分のバイクの損害は対象外です。そのため、任意保険への加入が欠かせません。
注意したいのは、任意保険の使用目的です。普段の通勤や趣味のために入っている保険のままで、報酬を受け取って荷物を運ぶ仕事に使うと、事故のときに補償の対象外とされるおそれがあります。仕事で使うことを保険会社に伝え、補償の範囲を確かめたうえで契約を見直してください。運んでいる荷物の破損や紛失に備える保険を、会社が用意している場合もあります。
フリーランスとして守られるルール
フリーランス法で決まっていること
業務委託で働く長距離バイク便のライダーは、令和6年11月1日に施行された、いわゆるフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)で守られる立場になることがあります。この法律では、個人で働くフリーランスに仕事を頼む会社に対して、取引の条件をはっきり示すこと、品物やサービスを受け取った日から原則60日以内に報酬を支払うこと、ハラスメントへの対策をとることなどを義務づけています。厚生労働省のフリーランス・事業者間取引適正化等法の解説ページには、会社員が副業で業務委託を受ける場合も対象になると書かれています。
契約の前に確かめる条件
業務委託の契約を結ぶ前に、報酬の額や決まり方、支払いの期日、高速料金や燃料代の負担、荷物が破損したときの責任の範囲、契約を終えるときの手続きを、書面やメールで確かめておきましょう。口頭の説明だけで走り始めると、後で食い違いが生じたときに確かめようがありません。条件が書面で示されない場合や、説明と違う扱いを受けた場合は、記録を残したうえで相談窓口に相談できます。
経費と確定申告
業務委託の収入は事業の所得
業務委託で受け取る報酬は、給与ではなく事業の収入として扱われます。1年間の売上から、燃料代、高速料金(自分で負担している場合)、バイクの整備費やタイヤ代、保険料、スマートフォンの通信費のうち仕事に使った分、ヘルメットや雨具などの装備の費用といった経費を差し引いた額が所得になり、確定申告で税金を計算します。
長距離の仕事は走る距離が長い分、燃料代やタイヤの消耗、オイル交換の頻度も増えます。売上が大きく見えても、経費を差し引くと手元に残る額は思ったより少ないことがあります。領収書やレシートは必ず保管し、走行距離の記録もつけておくと、経費の計算が正確になります。
開業の届出と青色申告
個人で事業を始めたときは、税務署に開業届を出します。あわせて青色申告の承認申請をしておくと、帳簿をつけることを条件に、税金の計算で有利な扱いを受けられます。国税庁によると、青色申告特別控除は最高55万円で、電子帳簿保存か電子申告(e-Tax)で申告する場合は最高65万円になります。会社員が副業でバイク便を始める場合も、所得の額によっては確定申告が必要です。個別の扱いは事情によって変わるため、迷ったときは税務署に確かめてください。
報酬の考え方と、手元に残る額の計算
売上と所得は別物
業務委託の長距離バイク便では、求人に書かれた報酬の額がそのまま手元に残るわけではありません。会社から受け取る報酬は売上であり、そこから燃料代、高速料金(自分で負担する場合)、整備費、保険料などの経費を差し引いた残りが所得になります。さらに、その所得から税金や社会保険料を払うことになります。
求人を比べるときは、報酬の額だけでなく、次のような計算をしてみると実態が見えてきます。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 1件あたりの報酬 | 距離制なら走る距離に応じて決まる |
| 燃料代 | 往復の距離と、自分のバイクの燃費から計算する |
| 高速料金 | 報酬と別に出るか、自分で負担するかを確かめる |
| 消耗品 | タイヤやオイル、チェーンなど、走行距離に応じて交換が早まる |
| 帰りの時間 | 帰りに依頼が入らなければ、収入のない移動になる |
長距離は1件の報酬が大きくなりやすい一方で、走る距離が長い分、燃料代や消耗品の費用も大きくなり、帰りの時間も必要です。1日あたりで見ると、都市内の短距離を何件もこなすほうが効率がよい日もあります。自分が走った記録をつけ、1時間あたりにどれだけ手元に残ったかを振り返ると、長距離を受けるべきかどうかの判断がしやすくなります。
国民健康保険と国民年金
業務委託だけで働く人は、会社の健康保険や厚生年金に入らないため、国民健康保険と国民年金に自分で加入します。日本年金機構によると、国民年金の保険料は令和8年度で1か月あたり17,920円です。国民健康保険の保険料は、住んでいる市区町村と前の年の所得によって決まります。こうした固定の支出も、手元に残る額を考えるときに忘れずに計算に入れてください。
バイクの整備と、故障への備え
日常点検を習慣にする
長距離を走るバイクは、普段の通勤や趣味で乗るよりもはるかに早いペースで走行距離が伸びます。タイヤの溝や空気圧、ブレーキの効き、チェーンの張りと注油、灯火類、オイルの量は、走り出す前に毎回確かめる習慣をつけましょう。高速道路で故障すると、自分の身が危険にさらされるだけでなく、荷物の到着が大幅に遅れます。
オイル交換やタイヤ交換は、走行距離を目安に早めに行います。部品の交換時期を手帳やアプリに記録しておくと、整備の漏れを防げますし、確定申告で経費を計算するときの資料にもなります。
故障や事故のときの段取り
どれだけ点検していても、出先で故障することはあります。ロードサービスの連絡先を手元に控え、任意保険に付いているロードサービスの内容を確かめておきましょう。荷物を運んでいる途中で走れなくなったときは、まず自分の安全を確保し、次に会社へ連絡して、荷物を別のライダーに引き継ぐなどの対応を相談します。荷物を抱えたまま一人で解決しようとせず、早めに状況を伝えることが、依頼主の信頼を守ることにつながります。
長距離ならではの安全対策
疲れと眠気に備える
長距離のバイク便で最も気をつけたいのが、疲れと眠気です。バイクは車と違い、運転中に体を休める姿勢がとれず、風や振動を受け続けるため、思っている以上に体力を消耗します。高速道路を長時間走っていると、景色の変化が少なく、眠気に襲われやすくなります。
対策の基本は、こまめな休憩です。サービスエリアやパーキングエリアごとに休む、1時間から2時間おきにバイクを降りて体を伸ばす、といった自分なりのルールを決めておきましょう。急ぎの荷物であっても、事故を起こせば届けることそのものができなくなります。会社に到着の見込み時刻を伝えるときは、休憩の時間を含めて伝えることが大切です。
前の晩の睡眠も、長距離の安全を左右します。夜遅くまで別の仕事をした翌朝に長距離の依頼を受けると、走り出してしばらくしてから急に眠気が来ることがあります。長距離を受ける可能性がある日は、前の晩の予定を軽くしておく、体調が万全でない日は長距離を断って短距離だけにする、といった自分なりの決まりを持っておくと、無理な運転を避けられます。
天候と装備
長距離を走ると、出発地と届け先で天候がまったく違うことがあります。出発前に経路の天気予報を確かめ、雨具や防寒具を必ず積んでおきましょう。冬の山間部や峠道では、路面の凍結にも注意が必要です。雨の日は視界が悪く、路面も滑りやすくなるため、普段より車間距離を広くとり、速度を控えめにします。
装備では、ヘルメット、グローブ、プロテクター入りのジャケットやパンツ、雨具、防寒具が欠かせません。夏でも肌の露出が多い服装で走るのは避けてください。荷物を確実に運ぶための、防水のバッグやボックスも必要です。
荷物の扱いと受け渡し
長距離の荷物は、依頼主にとって代わりのきかない大切なものであることがほとんどです。引き取りのときに荷物の状態と数を確かめ、受け渡しのときには受け取った人の名前や時刻を記録します。万が一、渋滞や天候で到着が遅れそうなときは、早めに会社に連絡し、依頼主に伝えてもらいます。連絡を怠ると、荷物が届いても信頼を失うことになります。
長距離に出る前の持ち物と準備
積んでおきたいもの
長距離の依頼は急に入るため、いつ声がかかっても出発できるよう、普段から必要なものをバイクに積んでおくと慌てずに済みます。
| 持ち物 | 理由 |
|---|---|
| 雨具と防寒具 | 出発地と届け先で天候が違うことがある |
| スマートフォンの予備バッテリー | 地図アプリと会社との連絡が途切れないように |
| 簡単な工具とパンク修理の道具 | 出先での小さな故障に備える |
| ETCカード | 高速道路の料金所で止まらずに済む |
| 飲み物と軽い食べ物 | 休憩のたびに買う手間を省ける |
| 防水のバッグやカバー | 雨から荷物を守る |
ETCカードを使う場合は、仕事用と私用を分けておくと、高速料金の記録が経費の計算にそのまま使えます。会社から高速料金が精算される場合も、利用明細を提出しやすくなります。
出発前に確かめること
出発の前には、燃料の残り、届け先までの経路と途中の給油の場所、経路の天気予報、到着の見込み時刻を確かめます。高速道路の工事や事故による通行止めの情報も、地図アプリや道路情報で確かめておきましょう。準備に数分をかけるだけで、途中で慌てる場面を大きく減らせます。
応募から走り始めるまでの流れ
ステップ1:求人を比べて応募する
まず、長距離の案件がある会社の求人を比べ、雇用か業務委託か、報酬の決まり方、経費の負担、長距離の案件の頻度を確かめてから応募します。自分のバイクを持ち込むつもりなら、持ち込みの条件と、必要な手続きを会社が案内してくれるかも確認しましょう。
ステップ2:面談と研修
応募すると、面談で免許や運転経験、使うバイクの確認があります。採用や契約が決まったら、研修で荷物の扱い方、受け渡しの手順、会社との連絡の仕方、地図アプリや配送の管理システムの使い方などを学びます。最初は都市内の短距離の配送から始め、慣れてから長距離の案件を任されるのが一般的です。
ステップ3:届出と保険の準備
業務委託で自分のバイクを使う場合は、運輸支局への届出、営業用のナンバーへの切り替え、任意保険の見直し、労災保険の特別加入などの準備を進めます。これらが整う前に走り始めることのないよう、会社の案内に沿って一つずつ片付けていきましょう。税務署への開業届や、青色申告の承認申請もこの時期に済ませておくと、確定申告の準備が楽になります。
未経験から長距離を任されるまで
最初は都市内の配送から
バイク便の経験がない人が、いきなり長距離の依頼を任されることはほとんどありません。多くの会社では、まず都市内の短距離の配送で、荷物の扱い方、受け渡しの手順、配車担当との連絡の仕方を覚えてもらいます。オフィス街のビルの入館手続きや、荷物の受付の場所など、現場で覚えることは意外に多くあります。
短距離の配送を一定期間こなし、遅れや荷物のトラブルがないことが確かめられると、少しずつ距離の長い依頼を任されるようになります。配車担当は、誰にどの依頼を任せるかを、これまでの仕事ぶりを見て決めています。長距離を任されたいなら、短距離の仕事を一つずつ確実にこなし、連絡をこまめに入れることが近道です。
会社選びで見ておきたい点
長距離の仕事をしたい人は、会社を選ぶ段階で、長距離の依頼をどれくらい扱っているかを確かめておきましょう。都市内の配送が中心の会社では、長距離の依頼がめったに来ないこともあります。面談の場で、長距離の依頼の頻度、どんな荷物が多いか、帰りの扱い、高速料金の精算方法を具体的に聞いてみてください。研修の内容や、事故やトラブルのときに会社がどう支えてくれるのかも、長く働くうえで大切な判断材料です。
本業や家族との両立
副業として走る場合
会社員が副業として長距離バイク便を始める場合、まず本業の就業規則で副業が認められているかを確かめます。長距離の依頼は時間が読みにくく、平日の夜や休日に受けた依頼が長引くと、翌日の本業に響くおそれがあります。副業として走るなら、長距離は休日の前日にだけ受けるなど、自分なりの線を引いておくことが大切です。
家族に伝えておくこと
長距離を走る日は、帰宅の時刻が読みにくく、天候によっては途中で泊まることもあります。どこへ向かうのか、何時ごろ帰る見込みか、何かあったときの会社の連絡先を、家族に伝えておくと安心です。事故や故障のときに、家族がすぐに状況を確かめられる状態にしておくことも、長く安全に働くための準備の一つです。
バイクで走る仕事と、自宅でできる仕事を組み合わせる
収入の波をならす
運営者として長くフリーランスや在宅ワークの市場を見てきた立場から言えば、バイク便のような体を使う仕事を長く続けている人ほど、それだけに頼らない働き方を組み立てています。長距離の依頼は突発的で、天候や季節によって仕事の量が大きく変わります。体調を崩したり、バイクが故障したりすれば、その間の収入はゼロになります。雨で走れない日や、長距離の帰り道の宿泊先で過ごす時間を、自宅やどこでもできる仕事にあてている人は少なくありません。
パソコン1台でできる仕事の中でも、文章を書く仕事は始めやすい分野です。走った道や配送の現場で見たことは、物流やバイクに関する記事を書くときの貴重な材料になります。文章を扱う職業全体の収入の水準を知りたい人は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で公的統計にもとづく数字を確かめられます。未経験から文章の単価を上げていく道筋は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで段階ごとに整理されています。
手取りの厚さで仕事を選ぶ
もう一つ、運営者として見てきた実感があります。バイク便の業務委託では、会社が間に入り、依頼主が払う料金と、ライダーが受け取る報酬の間に差が生まれます。これは配車や営業、保険の手配をまかなうための仕組みです。一方で、仲介の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。走る仕事で体力と経験を積みながら、自宅で受ける仕事は手数料0%の直接取引のように手取りが目減りしにくい形を選ぶ。そうした組み合わせが、天候や体調に左右されにくい暮らしにつながります。どんな在宅の仕事があるのかを広く知りたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、仕事の種類ごとに中身を紹介しているページから見てみてください。
よくある質問
Q. 長距離バイク便の仕事には何ccのバイクが必要ですか?
排気量125cc以下のバイクは高速道路を通行できないため、高速道路を使う長距離の仕事には125ccを超える排気量のバイクが必要です。125ccを超えて400cc以下なら普通自動二輪免許、400cc超なら大型自動二輪免許が必要になります。長時間の高速走行では、ある程度の排気量があるほうが疲れにくくなります。
Q. 自分のバイクでバイク便をするときに届出は必要ですか?
報酬を受け取って二輪の自動車(排気量125cc超のバイク)で荷物を運ぶ場合は、貨物軽自動車運送事業として国への届出が必要で、窓口は地域の運輸支局です。営業用のナンバーへの切り替えも伴います。会社が研修で手順を案内することが多いものの、自分の名前で行う手続きなので、必要書類は運輸支局で確かめてください。
Q. 業務委託のバイク便ライダーは労災保険に入れますか?
業務委託で働く人は通常は労災保険の対象外ですが、特別加入という仕組みで任意に加入できます。厚生労働省のしおりでは、貨物軽自動車運送事業の届出を行った人や、原動機付自転車で貨物を運ぶ事業を行う人などが対象として挙げられています。特別加入団体を通じて申し込むのが一般的です。
Q. 長距離バイク便の求人で確かめるべき点は何ですか?
雇用か業務委託か、報酬が距離制か件数制か、長距離の案件がどれくらいの頻度で出るかを確かめてください。長距離では高速料金と燃料代の負担が手取りを大きく左右するため、報酬とは別に支払われるのかも重要です。自分のバイクを持ち込むなら、届出や保険の手続きを会社が案内してくれるかも確認しましょう。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
斎藤 翔平@SOHO編集部
フリーランス音楽クリエイター
音楽制作会社でBGM・効果音制作を担当した後、フリーランスに。ポッドキャスト編集やナレーション収録も手がけ、音楽・音声系の記事を執筆しています。
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