教員 副業 認められる|地方公務員法で許可される副業の範囲


この記事のポイント
- ✓教員 副業 認められる範囲を地方公務員法・教育公務員特例法から客観的に整理
- ✓許可されやすい活動と申請のポイント
- ✓心の負担を増やさない働き方まで産業カウンセラー視点で丁寧に解説します
「教員 副業 認められる」と検索する方の多くは、「本当に大丈夫なのか」「処分されないか」という不安を抱えています。このご相談、ここ数年で本当に増えました。結論からお伝えすると、教員の副業は条件付きで合法に行えます。本記事では、地方公務員法と教育公務員特例法のしくみ、許可されやすい活動の傾向、申請のコツまで、産業カウンセラーとして教員の方とも面談してきた経験を交えながら整理していきます。読み終わったときに、少しでも肩の力が抜けたらうれしいです。
教員の副業をめぐる現状と社会的背景
まず大きな流れを押さえておきましょう。「公務員は副業禁止」というイメージは強いですが、現実は少しずつ変わってきています。文部科学省・総務省の通知や、自治体ごとの取り組みによって、教員の地域活動・教育関連の兼業は「届け出や許可があれば認める」方向で整理が進んでいます。
実際にカウンセリングの現場で教員の方からよく聞くのは、3つの悩みです。1つ目は経済的な不安。子どもの教育費・住宅ローン・親の介護費が重なる40代〜50代で、給与だけでは将来が見えないという声。2つ目は学校外の世界とつながりたいという思い。長く教育現場にいると視野が狭くなる感覚を持つ方が多いです。3つ目は退職後への準備。定年延長や再任用制度はあっても、別の収入源を持っておきたいという現実的な備えです。
ここで大切なのは、「副業=悪いこと」という思い込みを一度手放すことです。法律の条文をきちんと読むと、教員に「絶対禁止」と書かれている活動は意外と少ない。問題なのは、自己流の解釈で進めてしまったり、許可申請を怠ったまま続けてしまうこと。ルールに沿って進めれば、心配しすぎる必要はありません。大丈夫、ひとつずつ整理していきましょう。
副業が「認められる」社会的な追い風も無視できません。働き方改革のなかで、副業を解禁する民間企業の比率は5割を超えました。公務員領域でも、2018年以降に地域貢献型の兼業を認める動きが広がり、神戸市や生駒市など先進自治体が独自基準を整備しています。教員の副業も、この大きな流れの一部として再定義されつつあります。
教員の副業に関わる法律の基本構造
教員の副業を考えるうえで欠かせないのが、「自分はどの法律の下にいるのか」を理解することです。少し堅い話になりますが、ここを飛ばすと判断を誤りやすいので、丁寧に整理していきます。
公立学校の教員は、地方公務員であると同時に「教育公務員」という特別な立場を持ちます。そのため、適用される主な法律は次の3つです。
1. 地方公務員法(第38条)
地方公務員法第38条は、原則として「営利企業等への従事制限」を定めています。具体的には、営利企業の役員になること、自ら営利企業を営むこと、報酬を得て事業や事務に従事することについて、任命権者の許可なしには行えないと規定しています。
ここで誤解されやすいのが、「禁止」ではなく「許可制」だという点です。多くの方が「公務員は副業禁止」と覚えていますが、正しくは「許可があれば可能」。この違いは大きいです。
許可の判断基準は、職務専念義務に支障がないこと、信用失墜行為にあたらないこと、職務の公正性や中立性が損なわれないこと。これらをクリアできれば、原則的に申請が通る可能性があります。
2. 教育公務員特例法(第17条)
教員ならではの重要な条文が、教育公務員特例法第17条です。教育に関する他の職を兼ね、または教育に関する他の事業もしくは事務に従事することは、本属長(校長や教育委員会)の許可があれば可能とされています。
つまり、教育に関わる活動については、地方公務員法よりも柔軟に許可される枠組みが用意されているわけです。「教育関連の副業のほうが許可が下りやすい」と言われる根拠はここにあります。詳細は文部科学省が公表している通知や、各教育委員会の運用基準に明文化されています。
3. 国家公務員法(国立学校・国立大学法人の教員)
国立大学法人や国立学校に所属する教員は、国家公務員法やそれに準じる規程の対象となります。基本的な考え方は地方公務員法と似ていますが、所属機関ごとの兼業規程に従う必要があります。
私立学校の教員はそもそも公務員ではないため、これら3つの法律の対象外です。代わりに、学校法人の就業規則が判断基準になります。「私立だから自由」と思いがちですが、就業規則で副業を制限している学校も多いので、必ず確認しておきましょう。
教員に認められる副業の典型パターン
ここからは、実際にどんな副業が「認められやすい」のかを整理していきます。あくまで一般的な傾向ですが、教員の方が許可を取りやすい代表的なパターンを紹介します。
1. 教育関連の執筆・講演・監修
教育公務員特例法第17条の枠組みに最もフィットするのが、教育に関する執筆・講演・教材監修です。教科書の執筆協力、教育系雑誌への寄稿、講演会への登壇、教材のレビューや監修などが含まれます。
2. スポーツ・芸術・文化活動の指導
部活動や地域のクラブチームでのスポーツ指導、音楽教室や絵画教室での技術指導も、教員に許可されやすい副業のひとつです。とくに地域貢献の色が濃い活動は、自治体側も後押ししやすい。
カウンセリングで出会ったある中学校教員の方は、地域の合唱団の指導を週末に行い、教育委員会の許可を得て数年続けています。「学校では味わえない年齢層の方と接することで、自分自身が学び直せた」と語ってくれたのが印象的でした。
3. 不動産賃貸(小規模に限る)
意外と知られていないのが、不動産賃貸が条件付きで認められること。継承した不動産を貸し出す、駐車場として小規模に運用するといった形であれば、人事院規則や各自治体の基準を満たす範囲内で許可される可能性があります。
ただし「自営業」とみなされる規模になると別の扱いになります。一般に、戸数や年間収入には目安が設けられているので、自治体ごとの基準を必ず確認してください。
4. 小規模な農業
実家の田畑を相続して継ぐような小規模農業も、許可される副業の代表例です。
具体的には、小規模と認められるのは「耕地面積が30a以下」「農作物の年間販売額が50万円以下」とされています。新しく農業をはじめる際には、農地面積は50a以上(北海道は2ha以上)と農地法で定められているため、実態としては相続で引き継いだ場合のみに行えるでしょう。
実家の農地を放置できず、週末に手を入れる程度の規模で続けている方は少なくありません。許可申請は必要ですが、基準を満たせば認められやすい領域です。
5. 講師・専門員などの非常勤兼職
他の教育機関での非常勤講師、大学での研究員、自治体の専門委員といった「公的・準公的な兼職」も、教育公務員特例法のもとで認められやすいパターンです。教員としてのキャリアを横に広げる意味でも価値があります。
6. 投資(株式・投資信託など)
株式投資・投資信託・FX・暗号資産といった金融取引は、原則として副業に該当しないと整理されています。資産運用は個人の権利として認められており、許可申請は不要なケースが大半です。
ただし、デイトレードのように勤務時間中の取引が常態化するなど職務専念義務に抵触する場合は問題になります。あくまで「私的な資産運用の範囲」で行うことが前提です。
教員に認められにくい副業・要注意の領域
逆に、許可が下りにくい・トラブルになりやすい副業もあります。情報商材的に「教員でも稼げます!」と煽る記事もありますが、ここはマクロに冷静に見ていきましょう。
1. 営利目的の事業経営
会社設立、店舗経営、フランチャイズ加盟など、いわゆる「自ら営利を行う事業」は地方公務員法の制限が強く、許可が下りるケースは限定的です。配偶者が経営する事業の手伝いについても、報酬の有無・関与の程度によっては「兼業」と判断されます。
2. 営利目的のYouTubeや収益化ブログ
近年問い合わせが急増しているのがこの領域です。YouTubeチャンネルの広告収益、アフィリエイト収益のあるブログ運営は、継続的に収入を得る事業活動として「副業」に該当する可能性が高いです。
教育に関する情報発信であっても、収益化を伴う場合には事前の許可申請が必要になります。匿名・非収益で発信する分には問題ないとされることが多いですが、ここは自治体の運用差が大きい部分。事前に教育委員会に確認することを強くおすすめします。
3. 競合・利益相反のある活動
塾の経営や、自校の生徒が通うような学習塾での講師業務は、利益相反の観点から認められない傾向があります。「自分の生徒に補習として有償授業を提供する」のは典型的なNGパターンです。
公正性・中立性が問われる教員の立場上、生徒や保護者に対して直接的・間接的に営業行為を行うようなビジネスは強く避けるべきです。
4. 過去に処分された事例から学ぶ
実際に、無許可で副業を行って懲戒処分となった事例は各地で報告されています。共通する失敗パターンは、「許可不要だと自己判断した」「申告すべき収入を隠した」「勤務時間中に副業の連絡を取っていた」など。
大切なのは、自己流の解釈で進めないことと、報酬の規模が小さくても申告・申請を怠らないことです。これは「ばれるかどうか」ではなく、「教員としての信頼を守るための制度」だととらえると、心理的にも前向きに取り組めます。
副業許可申請のポイントと進め方
ここからは、実際に許可を取るための具体的な流れを整理します。「申請って大変そう」と感じる方が多いのですが、ポイントを押さえれば思っているほど難しくありません。
1. 事前相談を必ず行う
最初のステップは、いきなり申請書を出すのではなく、校長や副校長、教育委員会の担当者に「事前相談」を行うこと。心理学的にも、書類だけでやり取りすると相手は防衛的になりやすい。一度顔を合わせて「こんな活動を考えている」と話しておくと、判断する側も安心して許可しやすくなります。
2. 申請書類の準備
自治体や教育委員会ごとに様式は異なりますが、共通して求められる主な項目はこのあたりです。
・副業の内容と目的 ・従事する曜日・時間帯 ・想定される収入の規模 ・職務への影響の有無 ・公務との利益相反の有無
「職務に支障が出ないこと」を客観的に説明できるかが鍵です。週末や長期休暇中に限定する、勤務日は2時間以内に抑えるなど、具体的な時間設計を示しましょう。
3. 許可されやすい書き方のコツ
許可申請でつまずく方の多くは、「とりあえず副業したい」という動機が前面に出てしまっています。そうではなく、その活動が「教員としての専門性を活かせる」「地域や教育の現場にプラスになる」「自身の指導力向上に資する」といったストーリーで書けると、許可は通りやすくなります。
これはテクニックというより、本質的に「副業を通じて何を得たいのか」を自分で整理する作業でもあります。カウンセリングでこのプロセスを一緒に行うと、申請以前に「自分のキャリアの輪郭」が見えてくる方が多いです。
4. 確定申告と税務の整理
許可が下りて副業を始めた後に忘れがちなのが、税務の整理です。給与所得以外の所得が年間20万円を超える場合、原則として確定申告が必要になります。
確定申告については国税庁の公式情報を参照しつつ、freeeやマネーフォワードといった会計ソフトを活用すると、初心者でも進めやすいです。住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」に切り替えると、勤務先に副業収入が直接通知されにくくなるという実務上のポイントもあります。
5. 教員が知っておきたいキャリア相談の場
副業を考えるとき、いきなり「何で稼ぐか」を決めるよりも、「自分はどんな働き方をしたいのか」「教員としてのキャリアをどう伸ばしたいのか」を一度整理する時間を持つことが大切です。
教員の経験を活かしやすい副業ジャンル
ここからは、教員としての経験が直接活かせる副業ジャンルを、客観的な需要動向とあわせて見ていきます。「自分にできる副業が見つからない」という方は、まず「これまで磨いてきたスキルの棚卸し」から始めてみてください。
1. 教育系コンテンツの執筆・編集
授業づくりで培った「複雑な内容をわかりやすく伝える力」は、Web記事執筆や書籍編集に直結します。教育・学習・子育てジャンルの記事需要は安定的に高く、専門知識を持つ書き手は希少です。
特に新学習指導要領、GIGAスクール構想、ICT教育、探究学習などのテーマは、教員経験者の解像度が圧倒的に高い領域。文字単価で評価される案件が多く、まずは小さく試しやすい副業です。詳しくは副業 Webライター 請求書 作成方法!2026年最新の完全ガイドが、請求書発行を含めた実務スタートの参考になります。
2. オンライン家庭教師・学習サポート
オンラインで個別指導を行うサービスは、コロナ禍以降に一気に普及しました。授業準備のスキル、年齢ごとの理解度の見極め方、保護者対応の作法など、教員ならではの強みが評価されます。
注意点は、自校の生徒や保護者には接触しないこと、勤務時間外に限定すること、許可申請を必ず行うこと。これらを徹底すれば、安心して始められる副業です。
3. 教材・ワークシートの制作
教材作成スキルを生かしてオンラインマーケットでオリジナル教材を販売したり、教育系企業の教材監修を請け負ったりする方も増えています。著作権の取り扱いには注意が必要ですが、デジタル教材は一度作れば継続的な収益につながりやすいタイプです。
4. AI・ICT領域の教育コンサルティング
GIGAスクール構想後、教育現場のICT活用に課題を感じる学校や自治体は多く、現役教員の知見を求めるニーズが高まっています。AIツールを授業にどう取り入れるか、情報モラル教育をどう設計するか、といったテーマは引き合いがあります。
技術領域の最新動向はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事カテゴリの案件を眺めるだけでも肌感覚をつかみやすいです。教員自身が現場のソフトウェアを設計するわけではなくても、ソフトウェア作成者の年収・単価相場の水準感は、ICT領域全体の市場価値を理解する参考になります。
5. 行政書士など資格を活かした転身準備
将来的に独立や転身を視野に入れるなら、副業期間中に資格取得を進めるのも有効な選択です。たとえば行政書士は教員退職後のセカンドキャリアとしても選ばれる職業です。
デジタルクリエイティブ寄りではAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのように、短期間で取得できて教材・配信物制作に直結する資格もあります。資格取得そのものは副業ではないので、許可申請も不要です。
ここで強調したいのは、「副業=即収益化」と考えすぎないでほしいということ。副業期間を「次のキャリアの実験室」ととらえると、心理的な負担がぐっと軽くなります。
教員のメリット・デメリットを心理面から整理する
副業を考えるとき、お金や法律の話ばかりになりがちですが、長く続けるためには「心と体への影響」を必ず一緒に考える必要があります。これは産業カウンセラーとしての本音です。
副業のメリット
経済的なゆとりが生まれることはもちろん、それ以上に重要なのが「学校外のコミュニティとつながれる」という心理的な効果です。教員という仕事は、職員室と教室を行き来する生活が中心になりがちで、価値観が均一化しやすい。副業を通じて違う業界の人や子ども以外の世代と接することは、それ自体がメンタルヘルスに良い影響を与えます。
カウンセリングで出会ったある教員の方は、「副業で会う人が自分のことを『先生』ではなく『一人の人』として扱ってくれる時間が、本業を続ける支えになっている」と話してくれました。これはとても本質的な気付きだと感じます。
副業のデメリットと対策
逆にデメリットも正直にお伝えします。最大の落とし穴は「時間の使い過ぎによる燃え尽き」です。副業を始めて3ヶ月から半年は楽しさが勝ちますが、その後に疲労がたまって本業に影響が出るケースをよく見ます。
対策はシンプルです。
・副業に充てる時間の上限をあらかじめ決める ・睡眠時間だけは絶対に削らない ・週に1日は副業も本業も触らない日をつくる ・体調の変化を月1回振り返る習慣を持つ
「副業を続けるための最大の投資は、心身の余裕を保つこと」と考えてください。お金を稼ぐ前に、健康を失ってしまっては本末転倒です。
失敗しやすい思考パターン
副業で失敗する教員の方に共通するのは、「もっと頑張れば追いつける」「これくらいなら大丈夫」と、無理を自分で正当化してしまうことです。これは責任感の強い職業ほど陥りやすいパターン。
一度立ち止まって、「自分が本当に必要としているのは収入なのか、それとも別の何かなのか」を問い直す時間を持つこと。それが副業を健全に続ける最大のコツです。
実際に教員のキャリアで「学校外との接点をつくる」ことの大切さを語っているインタビューも参考になります。
-これからしていきたいことを教えてください直近では、まずは情報発信ですね。このような制度があること、公務員や教員も副業をしていいことを多くの人に知ってもらい、そして興味を持つ人を増やしていきたいです。地域で活動したことのない教員には、ハードルが高いと感じる人も多いかもしれません。ですが、意外と地域は開かれていて、多様な関わり方があります。例えば、あるフリースクールの運営者は教員に対してあまりいいイメージを持っていなかったそうですが、僕と知り合ってから、教員のイメージが変わったと言ってくれました。そういったイメージも変えていきたいですね。
このインタビューにあるように、地域や民間との関わり方は、思っているよりも多様です。最初の一歩は「許可される副業を1つ始める」ことかもしれませんが、続けていくうちに「学校外でも自分の価値を発揮できる」という確信が育っていく方が多いです。
教員という職業は、年齢や経験を重ねるほど信頼が積み上がっていく仕事です。副業も同じで、短期的に大きく稼ぐことを目指すよりも、信頼と関係性を積み上げていく姿勢のほうが、長期的には豊かな実りをもたらします。
教員の副業について、より具体的な始め方や注意点をまとめた教師・教員の副業|許可される副業と始め方も合わせて読んでいただくと、より立体的にイメージできます。また、IT領域のフリーランスや副業の動向についてはサーバー・インフラ構築の副業は可能?リモート案件の探し方も参考になります。
最後にもう一度お伝えしたいのは、副業はゴールではなく「キャリアの選択肢を広げるための手段」だということです。法律を正しく理解し、許可を取り、自分の体と心を大切にしながら、自分らしい働き方を一歩ずつ育てていく。そんなプロセスを楽しめる方が、結果的に長く健やかに副業を続けられています。あなたのペースで、安心できるところから始めていきましょう。
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この記事を書いた人
中西 直美
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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