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労働法務士は国家資格か|内容と社労士との違い

@SOHO編集部
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労働法務士は国家資格か|内容と社労士との違い

この記事のポイント

  • ✓労働法務士は国家資格ではなく
  • ✓全日本情報学習振興協会が認定する民間資格です
  • ✓国家資格の社会保険労務士との違い

労働法務士が国家資格なのかを調べている人の多くは、人事や総務の仕事に活かせる労働法の資格を探していて、社会保険労務士(社労士)と比べてどう違うのか、取ればどんな仕事ができるのかを知りたいと考えています。先に結論を書くと、労働法務士は国家資格ではなく、一般財団法人全日本情報学習振興協会が認定する民間資格です。労働法を体系的に学んだことの証明にはなりますが、社労士のように法律で認められた独占業務はありません。この記事では、労働法務士認定試験の内容と受け方、国家資格の社労士との違い、資格を持っていてもできないこと、勉強の進め方と仕事への活かし方を順番に説明します。

労働法務士は国家資格ではない

労働法務士は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が実施する「労働法務士認定試験」に合格した人に与えられる資格です。協会は、個人情報保護士やマイナンバー実務検定、会社法法務士、民法法務士、ハラスメントアドバイザーなど、多くの民間の検定を運営している団体です。

国家資格とは、法律にもとづいて国や国が指定した機関が試験や登録を行う資格のことです。労働法務士には、資格の根拠となる法律がありません。そのため、次のような点で国家資格とは性格が違います。

  • 資格を持っている人だけが行える業務(独占業務)がない
  • 資格を持っていない人がこの名称を名乗っても、法律で罰せられることはない
  • 資格の内容や試験の水準は、実施している協会が決めている

一方で、民間資格であることは、価値がないという意味ではありません。労働法務士認定試験は、労働基準法、労働契約法、労働組合法、労働安全衛生法、育児・介護休業法など、労働に関する法律を幅広く学ぶ内容になっています。人事や総務の仕事で必要な知識を体系立てて学ぶ目標として、また学んだことを社内外に示す材料として使えます。

大切なのは、国家資格と民間資格の違いを正しく理解したうえで、自分の目的に合っているかを判断することです。労働や社会保険の手続きを他人から報酬を得て代行したい場合は、国家資格の社労士が必要になります。この違いは後の節で詳しく説明します。

人事の仕事で労働法の知識が必要になる場面

労働法務士で学ぶ知識が、実際の人事や総務の仕事のどこで使われるのかを、社員が入社してから退職するまでの流れで見ておきましょう。

採用と入社

社員を雇うときは、労働条件を書面などで示す必要があります。給与、労働時間、休日、仕事の内容、働く場所などを、法律に沿って正しく示せるかどうかは、後のトラブルを防ぐうえで大切です。期間を決めて雇う場合は、更新の有無や基準も明らかにしておきます。

日々の労働時間の管理

残業や休日の出勤には、法律で決められた手続きと上限があります。割増賃金の計算、休憩の与え方、年次有給休暇の取得の管理など、人事の担当者が毎月確かめる項目の多くが労働基準法の決まりにもとづいています。

休業と両立の支援

社員から産前産後の休業や育児休業、介護休業の申し出があったときは、育児・介護休業法の決まりに沿って対応します。申し出を理由に不利に扱わないことや、制度を利用しやすい環境を整えることも求められます。

ハラスメントへの対応

職場のハラスメントについては、会社に防止のための措置が求められています。相談の窓口を設け、相談があったときに事実を確かめ、再発を防ぐ流れを整えておくことは、人事の大切な仕事です。

退職と解雇

社員が退職するときや、会社が契約を終えるときには、解雇の予告や雇止めの決まりが関わります。手続きを誤ると大きな争いになりやすい場面であり、労働法の知識が最も問われる場面の1つです。

こうした場面ごとに、どの法律のどの決まりが関わるのかを整理しておくと、試験の勉強と実務の理解が同時に進みます。

労働法務士認定試験の概要

協会の公式サイトに掲載されている、2026年12月に行われる第23回労働法務士認定試験の概要は次のとおりです。

項目 内容
試験日時 令和8年12月13日(日)10時00分〜12時45分
問題数と試験時間 60問、150分
合格基準 70%以上の得点(問題の難易度により調整あり)
受験料(税込) 一般16,500円、学生13,200円
受験の方法 公開会場、CBT(テストセンター)、オンラインIBT(自宅など)
申込みの締切 令和8年11月12日(木)まで延長

受験の方法によって、受験料とは別に費用がかかります。公開会場での受験は追加の費用がなく、CBT受験は会場費として1,500円、オンラインIBT受験はカメラの往復の送料として3,000円(いずれも税込)がかかります。オンラインIBT受験では、一般的なパソコンの内蔵カメラは使えず、協会が貸し出す360度を写せる専用のWebカメラを使って受験します。協会の公式サイトには、オンラインIBTとCBTのそれぞれについて、受験の流れや動作確認の案内が用意されています。自宅で受ける場合は、申し込む前に使うパソコンで動作を確かめ、試験の時間に1人で静かに受けられる部屋を確保しておきましょう。

試験は年に数回行われています。公式サイトの日程表では、第24回が令和9年3月14日、第25回が令和9年7月18日と案内されており、その後も11月ごろと3月ごろに予定が組まれています。公開会場は東京、名古屋、大阪、福岡です。CBT会場は全国の都市にありますが、席に限りがあり、満席になる会場もあるため、早めに申し込むほうが安心です。

申込みについては、一度申し込むと取り消しができず、試験に出席したかどうかにかかわらず受験料を支払う必要があると明記されています。受験票は試験日の10日前までに届くように送られ、公開会場で受ける場合は、縦4センチ、横3センチの写真を受験票に貼って持参する必要があります。

試験の出題範囲

公式サイトでは、第23回の出題範囲を次のように示しています。

  1. 労働法総論(労働法の意義と成り立ち、憲法の基本的な規定)
  2. 雇用関係法(労働契約の決まり、労働条件の最低基準、安全と健康の確保、災害補償、労働者の人権の保障と差別の禁止)
  3. 労使関係法(労働組合法)
  4. 雇用保障法(雇用を支える法律)
  5. 労働紛争の解決のしくみ(労働関係調整法など)
  6. その他(外国人労働者に関する法律など)

協会は、試験の内容が、実務に即した幅広い知識をカバーしていると説明しています。具体的には、労働契約と就業規則の運用、労働時間や休日や休暇の管理、パワハラやセクハラなどのハラスメント対策、解雇や雇止めの決まり、有期雇用や派遣やパートタイムの働き方に関する法律、働き方改革に関わる制度、安全衛生の体制、育児や介護と仕事の両立の支援、労働組合との交渉などが挙げられています。

雇止めとは、期間を決めて雇っている人の契約を、期間の終わりに更新しないことです。こうした用語の意味と、法律でどのような制限がかかっているかを理解しておくことが、試験の対策になります。

試験で扱う主な法律を短く押さえる

出題範囲には多くの法律が並んでいますが、勉強を始める前に、それぞれの法律が何を決めているのかを一言で押さえておくと、全体の見通しが良くなります。

  • 労働基準法は、労働時間、休日、休憩、割増賃金、解雇の予告など、働く人の労働条件の最低の基準を定めた法律です
  • 労働契約法は、会社と働く人の間の契約の基本的な決まりを定めた法律です。解雇や雇止めが認められる場面の考え方なども含まれます
  • 労働組合法は、働く人が労働組合をつくり、会社と交渉する権利を守るための法律です。不当労働行為の禁止もここに定められています
  • 労働安全衛生法は、職場の安全と健康を守るために、会社が取るべき体制や対策を定めた法律です
  • 育児・介護休業法は、子育てや家族の介護をしながら働き続けられるように、休業や短時間の勤務などの制度を定めた法律です
  • 労働関係調整法は、労働組合と会社の間の争いを、話し合いやあっせんなどで解決するしくみを定めた法律です

試験では、これらの法律の決まりを、実際の職場の場面に当てはめて判断する問題も出されます。法律の名前と中身を結びつけて覚えておくと、事例の問題で「どの法律の話か」をすぐに見分けられるようになります。

協会が挙げる、学ぶことのメリット

協会の公式サイトでは、労働法務士認定試験を受けることで身につく実務の力について、次のように書いています。

労働法務士認定試験では、単なる法律の暗記ではなく、実際の企業経営に役立つ知識を学べます。例えば、以下のような実務スキルが身につきます。 出典: joho-gakushu.or.jp

この後に続く例として、トラブルを防ぐための契約書や就業規則の作成と見直し、解雇や雇止めが違法にならないための対応、労働時間の管理の決まり、ハラスメントを防ぐ対策の策定と運用、労働組合との交渉と不当労働行為の回避が挙げられています。不当労働行為とは、会社が労働組合の活動を妨げたり、組合員であることを理由に不利に扱ったりするなど、労働組合法で禁じられている行為のことです。

受験を勧める相手としては、企業の人事、労務、総務で働く人、労働法に沿った労務管理をしたい経営者や管理職、社労士を目指す人の基礎固め、労働トラブルの対応に悩む経営者や管理職などが挙げられています。

ここで注意したいのは、協会の説明はあくまで「学べる内容」についてのものだということです。資格を取ったからといって、社労士や弁護士にしかできない業務が行えるようになるわけではありません。

社会保険労務士(社労士)との違い

労働法務士と比べられることが多いのが、国家資格の社会保険労務士です。2つの違いを整理すると次のようになります。

項目 労働法務士 社会保険労務士
資格の種類 民間資格 国家資格
根拠 全日本情報学習振興協会の認定 社会保険労務士法
独占業務 なし あり(労働社会保険の書類の作成と提出の代行など)
受験資格 制限なし 学歴、実務経験、国家試験の合格のいずれか
試験 60問、150分、年に数回 選択式と択一式、年1回
受験料 一般16,500円(税込) 15,000円

社労士の試験

社会保険労務士試験は、全国社会保険労務士会連合会の試験センターが実施しています。公式サイトによると、2026年度の第58回試験は8月23日に行われ、合格発表は10月1日でした。受験の申込みは、毎年4月中旬の官報の公示から5月31日までの間に受け付けられます。

試験は選択式と択一式の2つで、労働基準法、労働安全衛生法、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法など、労働と社会保険の法律から幅広く出題されます。公式サイトの試験概要によると、選択式は8問で40点、択一式は70問で70点の配点です。科目ごとに合格の基準点が決められていて、1つの科目でも基準点に届かないと不合格になるのが特徴です。

受験資格は、大学や短大などの卒業といった学歴、一定の実務経験、厚生労働大臣が認めた国家試験の合格のいずれか1つを満たす必要があり、申し込むときに受験資格を証明する書面を出します。

社労士にしかできない業務

社会保険労務士法は、社労士でない人が、他人から頼まれて報酬を得て、労働や社会保険の書類の作成や提出の代行などを仕事として行うことを禁じています。

社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。 出典: e-Gov法令検索「社会保険労務士法」第27条

ここでいう事務には、労働や社会保険の法律にもとづいて役所に出す申請書や届出書を作ることや、その提出を代わりに行うこと、法律で決められた帳簿書類を作ることなどが含まれます。たとえば、ほかの会社から報酬をもらって、社員の雇用保険や社会保険の加入の手続きを代わりに行うことは、社労士でなければできません。

また、同じ法律は、社労士でない人が「社会保険労務士」や「社労士」、それに似た名称を使うことも禁じています。

労務の相談に乗ることはどう扱われるか

社会保険労務士法の第2条には、社労士の業務として、書類の作成や提出の代行のほかに、会社の労務管理や社会保険について相談に応じたり、指導したりすることも挙げられています。一方で、第27条が社労士以外の人に禁じているのは、第2条第1項の第1号から第2号まで、つまり書類の作成と提出の代行、帳簿書類の作成などの事務です。

このため、労務管理について一般的な助言をすることが、すぐに社労士法違反になるわけではありません。ただし、その助言が実際には書類の作成の代行と一体になっていたり、具体的な争いごとの交渉に入り込んだりすると、社労士法や弁護士法の制限に触れるおそれがあります。どこまでが許されるかは個別の事情で変わるため、外部から報酬を得て労務の相談を仕事にしたい場合は、社労士や弁護士に確かめてから始めるのが安全です。

労働法務士を持っていてもできないこと

労働法務士の知識を仕事に活かすときは、法律で決められた線を越えないことが大切です。特に気をつけたいのは、次の2つです。

労働社会保険の手続きの代行

前の節で説明したとおり、他人から報酬を得て、労働や社会保険の書類の作成や提出を仕事として行うことは、社労士の独占業務です。労働法務士の資格では行えません。ただし、自分が勤める会社の社員として、その会社の手続きを担当することは、この制限の対象ではありません。人事や総務の担当者が社内の手続きを行うのは、通常の業務です。

報酬を得て法律の紛争に関わること

弁護士法第72条は、弁護士でない人が、報酬を得る目的で、法律上の争いごとについて代理や和解の交渉などを行うことを仕事とすることを禁じています。たとえば、解雇をめぐる争いで、報酬をもらって労働者や会社の代理として相手と交渉することは、労働法務士の資格ではできません。

労働に関する争いごとが起きたときは、弁護士や社労士などの専門家、あるいは公的な相談窓口につなぐことが大切です。厚生労働省は、各地に総合労働相談コーナーを設け、解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、ハラスメントなど、労働問題に関するあらゆる相談を受け付けています。予約不要で無料で相談でき、総合労働相談コーナーのご案内に窓口が掲載されています。

労働法務士として学んだ知識は、こうした線を理解したうえで、社内の労務管理を正しく進めることや、問題を早めに見つけて専門家につなぐことに使うのが基本です。

総合労働相談コーナーの使い方

総合労働相談コーナーは、働く人からの相談だけでなく、会社の側からの相談も受け付けています。学生や就職活動中の人、外国人の働く人からの相談にも応じており、専門の相談員が面談か電話で対応します。土曜、日曜、祝日、年末年始は閉まっています。

相談を受けるだけでなく、法律にもとづいて、労働局長による助言や指導、紛争調整委員会によるあっせんといった、争いを解決するための手続きも案内しています。労働基準法などに違反している疑いがある場合は、労働基準監督署などの担当の部署に取り次ぐとされています。社内の人事の担当者として、社員から相談を受けたときにこうした窓口を案内できるようにしておくことも、労働法の知識を活かす方法の1つです。

労働法務士の資格が役立つ人

ここまでの内容を踏まえると、労働法務士の資格は、次のような人に向いています。

企業の人事、労務、総務の担当者

社内の就業規則の見直し、労働時間の管理、休暇の制度の運用、ハラスメントの防止策づくりなど、労働法の知識が必要な仕事を担当している人には、学んだことがそのまま役立ちます。資格を取ることで、社内で労働法の知識があることを示す材料にもなります。

管理職と経営者

部下の労働時間の管理やハラスメントの防止は、管理職の大事な責任です。労働法の基本を知っておくと、知らないうちに法律に反した指示を出してしまうことを防げます。小さな会社の経営者にとっては、社員を雇うときの決まりを体系的に学ぶ機会になります。

社労士を目指す人の最初の一歩

社労士試験は範囲が広く、合格までに長い時間がかかる試験です。労働法務士認定試験は受験資格に制限がなく、年に数回受けられるため、労働法の基礎を固め、法律の勉強に慣れるための最初の目標として使えます。協会も、社労士を目指す人の基礎固めとして受験を勧めています。ただし、社労士試験は社会保険の法律の比重が大きいため、労働法務士の範囲だけでは足りない点に注意が必要です。

向かない人

一方で、労働や社会保険の手続きの代行を仕事として独立したい人は、労働法務士ではなく社労士を目指す必要があります。労働法務士の資格だけで、外部から報酬を得て手続きを代行することはできないためです。また、労働の争いごとで当事者の代理として交渉する仕事をしたい人は、弁護士の資格が必要です。社労士の中でも、紛争解決手続代理業務試験に合格して登録に付記を受けた特定社会保険労務士は、あっせんや調停など決められた範囲の紛争の手続きで当事者を代理できます。自分がどこまでの仕事をしたいのかを先に決め、その仕事に必要な資格から逆算して勉強の順番を考えると、遠回りを避けられます。

試験の勉強の進め方

労働法務士認定試験の勉強は、次の流れで進めると効率的です。

公式の参考書籍とサンプル問題で全体をつかむ

協会の公式サイトには、参考書籍の案内とサンプル問題のページがあります。まずサンプル問題を解いてみて、出題の形式と難しさを確かめましょう。そのうえで参考書籍を通して読み、出題範囲の全体をつかみます。

法律ごとに「誰を守るための決まりか」を考える

労働法の勉強では、条文を丸暗記するより、その決まりが誰を、どんな場面から守るためのものかを考えると理解しやすくなります。たとえば労働基準法は、働く人の労働条件の最低の基準を定めた法律です。労働時間、休日、割増賃金、解雇の予告といった決まりが、なぜ必要なのかを考えながら読むと、細かい数字も覚えやすくなります。

自分の職場の制度と照らし合わせる

人事や総務の仕事をしている人は、自分の会社の就業規則や制度を、学んだ法律と照らし合わせてみましょう。「この制度は法律のどの決まりにもとづいているのか」を確かめる作業は、試験の対策になるだけでなく、実務の点検にもなります。

学習講座を使う方法

協会は、オンラインで学べる講座も案内しています。公式サイトによると、講座の時間は約17時間、受講料は18,700円(税込)で、試験と同時に申し込むと3,300円安くなります。独学で進めにくい人や、講義を聞きながら学びたい人は検討するとよいでしょう。

学習計画の例

働きながら受験する場合の計画の例は次のとおりです。試験の申込みの締切が試験日のおよそ1か月前に設定されているため、申し込んでから本格的に勉強を始めると、時間が足りなくなることがあります。

時期 やること
試験の3か月前 サンプル問題を解き、参考書籍を1回通して読む
試験の2か月前 雇用関係法を中心に、分野ごとに要点をまとめる。申込みを済ませる
試験の1か月前 労使関係法、雇用保障法、紛争解決のしくみを復習し、苦手な分野を絞る
試験の直前 150分で60問を解く練習をし、時間配分を確かめる

60問を150分で解くため、1問あたりにかけられる時間は平均で2分30秒です。条文の知識を問う問題は早めに解き、事例を読んで判断する問題に時間を残すと、落ち着いて取り組めます。

協会が実施している関連の資格

全日本情報学習振興協会は、労働法務士のほかにも、人事や労務、法務に関わる民間の資格を実施しています。公式サイトの一覧には、会社法法務士、民法法務士、企業危機・コンプライアンス管理士、ワークライフ・コーディネーター、ハラスメントアドバイザー、女性活躍検定などが並んでいます。

人事や総務の仕事では、労働法だけでなく、会社の運営の決まりや契約の基本、ハラスメントの防止、働きやすい職場づくりなど、幅広い知識が求められます。労働法務士で労働法の基礎を固めた後、担当する仕事に合わせて関連の資格を学ぶと、知識を広げやすくなります。

ただし、いずれも民間資格であり、独占業務はありません。資格の数を増やすことより、学んだ内容を職場の制度の見直しや研修の資料づくりに実際に使ってみることのほうが、仕事の評価につながります。

合格後の扱い

合格者には、合格証書と写真入りの認定カードが送られます。公式サイトでは、名刺などに資格のロゴを印刷して、資格を持っていることを示せると案内しています。

認定カードには使用の有効期限があり、更新の手続きをすると、カードとロゴの使用期限を延ばせる仕組みになっています。更新の条件や費用は公式サイトで確かめてください。

履歴書に書くときは、民間資格であることが分かるように、正式な名称で「労働法務士認定試験 合格」のように書くとよいでしょう。面接では、資格の名前だけでなく、学んだ内容をどんな仕事に活かしたいのかを具体的に伝えることが大切です。たとえば「就業規則の見直しの担当として、労働時間と休暇の決まりを法律に沿って整えたい」のように話すと、入社後の姿が伝わります。

よくある勘違いと正しい理解

労働法務士について調べていると、誤解を招きやすい情報に出会うことがあります。よくある勘違いを整理しておきます。

「法務士」という名前だから国家資格だと思う

名前に「士」が付いていても、国家資格とは限りません。国家資格かどうかは、資格の根拠となる法律があるかどうかで決まります。労働法務士は協会が認定する民間資格です。

取れば社労士と同じ仕事ができると思う

労働法務士には独占業務がないため、社労士にしかできない手続きの代行などはできません。労働法の知識を持っていることと、法律で認められた業務を行えることは別です。

民間資格だから意味がないと思う

民間資格であっても、労働法を体系的に学ぶ目標として、また学んだことを社内で示す材料として役立ちます。大切なのは、資格に何を期待するかをはっきりさせることです。社内の労務管理の質を上げたい人にとっては、十分に意味のある資格です。

労働法の知識を在宅の仕事に活かす

労働法の知識は、会社の人事や総務の仕事以外にも活かせます。ただし、先に説明した社労士や弁護士の独占業務に当たらない範囲で行うことが前提です。

労働や働き方の記事の執筆

労働時間、休暇、ハラスメント、副業の決まりなど、働き方に関する記事は、多くの人が検索する分野です。労働法の知識がある書き手は、制度を正確に説明できるため、専門分野を持つライターとして評価されやすくなります。Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】では、専門分野を持つことで文章の仕事の単価を上げていく考え方を紹介しています。

書いた記事をまとめて実力を見せるには、作品集が役立ちます。作り方はWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、型と例を使って説明しています。

社内の規程や資料の作成の支援

企業の社内向けの研修資料や、ハラスメント防止の啓発の資料など、労働法の知識を使って文書を作る仕事もあります。法律の内容を分かりやすい文章にする力は、どの会社でも求められます。ビジネスの文書を正しく書く力を体系立てて学びたい人には、ビジネス文書検定の資格ガイドが参考になります。社内文書と社外文書の書き方や、表記の決まりを問う検定の概要をまとめたページです。

業務の仕組みづくりの相談

勤怠の管理や申請の手続きを効率化したいという企業の相談に乗る仕事もあります。労働時間の決まりを理解している人は、法律に沿った仕組みを提案できます。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIなどの道具を取り入れる支援の仕事の内容と始め方を紹介しています。

運営者として見てきた、法律の知識が仕事になる人

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、法律の知識を仕事につなげている人は、できることとできないことの線をはっきり説明できる人です。「この範囲は記事や資料でお手伝いできます」「この手続きは社労士の先生に依頼してください」と最初に伝えられる人は、依頼者からの信頼を得やすく、継続の依頼にもつながっています。

また、仲介の手数料が重い場で仕事を受けると、同じ予算を払う依頼者に対して受け手の手取りが薄くなりがちです。依頼者と直接やり取りできる場では、依頼者は同じ予算でより多くを頼め、受け手は手数料0%で報酬を受け取れるため、専門知識を活かした継続の仕事を双方が無理なく続けられます。

資格ガイドと仕事のデータから見えること

労働法務士は国家資格ではなく、全日本情報学習振興協会が認定する民間資格です。独占業務はありませんが、労働法を体系的に学び、人事や総務の実務に活かす目標としては使いやすい資格です。ここで紹介した資格ガイドと仕事のガイドを合わせて見ると、労働法の知識は、社内の労務管理だけでなく、文章の仕事や業務の仕組みづくりの支援にも広がっていることが分かります。

これから労働法務士を目指す人は、次の順番で準備を進めてみてください。

  1. 自分の目的が、社内の労務管理か、手続きの代行による独立かを整理する。後者なら社労士を目指す
  2. 公式サイトでサンプル問題を解き、試験の日程と受験の方法を決める
  3. 申込みの締切から逆算して、3か月ほどの学習計画を立てる
  4. 学んだ法律を、自分の職場の制度と照らし合わせて理解を深める
  5. 合格後は、できることとできないことの線を意識して、知識を仕事に活かす

業務の仕組みづくりを支援する在宅の仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。資格の勉強と並行して、自分の知識が活きる働き方を探してみてください。

よくある質問

Q. 労働法務士は国家資格ですか?

国家資格ではありません。一般財団法人全日本情報学習振興協会が実施する労働法務士認定試験に合格した人に与えられる民間資格です。資格の根拠となる法律がないため、持っている人だけが行える独占業務はありません。労働法を体系的に学んだことを示す資格として活用するものです。

Q. 労働法務士認定試験の受験料と合格基準を教えてください?

第23回試験の受験料は、一般16,500円、学生13,200円(いずれも税込)です。CBT受験は会場費1,500円、オンラインIBT受験はカメラの送料3,000円が別にかかります。60問を150分で解き、70%以上の得点が合格基準とされています。最新の条件は協会の公式サイトで確かめてください。

Q. 労働法務士の資格で社会保険の手続きを代行できますか?

他人から報酬を得て、労働や社会保険の書類の作成や提出を仕事として行うことは、社会保険労務士法で社労士の業務とされており、労働法務士の資格ではできません。自分が勤める会社の社員として、その会社の手続きを担当することは通常の業務として行えます。

Q. 社労士を目指すなら労働法務士から受けるべきですか?

必ずしも必要ではありませんが、労働法の基礎を固める最初の目標として使えます。労働法務士認定試験は受験資格がなく年に数回受けられるため、法律の勉強に慣れるのに向いています。ただし社労士試験は社会保険の法律の比重が大きいため、労働法務士の範囲だけでは足りません。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月31日最終更新:2026年11月3日
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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方