個人事業主が開業届を出さないとどうなる?リスクと対処法

個人事業主が開業届を出さないとどうなる?リスクと対処法

この記事のポイント

  • 個人事業主が開業届を出さないとどうなるのか
  • 罰則・デメリット・リスクを解説
  • 青色申告65万円控除が使えない

「フリーランスとして仕事を始めたけど、開業届はまだ出していない」——実はこういう方、かなり多いです。

結論から言うと、開業届を出さなくても罰則はありません。ただし、出さないことで損をすることはたくさんあります。僕自身、独立して最初の半年は開業届を出さずに仕事をしていました。結果として、その年の青色申告控除65万円を丸々逃してしまいました。金額にして約15万円の損失です。

開業届を出さないとどうなるのか

罰則はない

開業届は所得税法第229条で「事業開始から1ヶ月以内に提出」と定められていますが、提出しなかった場合の罰則規定はありません。届出を出さなくても、確定申告はできますし、納税もできます。

ただしデメリットが大きい

項目 開業届あり 開業届なし
青色申告 可能(65万円控除) 不可(白色のみ)
屋号での口座開設 可能 不可
小規模企業共済 加入可能 加入不可
各種補助金・助成金 申請可能 申請不可の場合あり
信用力 個人事業主として認められる 証明が難しい

特に大きいのが青色申告ができないこと。開業届を出さないと青色申告承認申請書も出せないので、白色申告しか選択肢がありません。

開業届を出すメリット

青色申告で最大65万円控除

開業届を出して青色申告承認申請をすれば、最大65万円の特別控除が受けられます。年収400万円のフリーランスなら、年間約15万円の節税になります。

屋号が使える

開業届に屋号を記載すれば、その屋号で銀行口座を開設できます。「○○デザイン事務所」のような名前の口座があると、クライアントからの信頼度が上がります。

小規模企業共済に加入できる

フリーランスの退職金制度ともいえる「小規模企業共済」は、開業届を出した個人事業主しか加入できません。掛金は全額所得控除になるので、節税しながら将来の備えができます。月額1,000円から7万円まで設定でき、年間最大84万円の所得控除になります。

補助金・助成金の申請ができる

IT導入補助金や持続化補助金など、個人事業主向けの補助金は開業届の写しが必要書類になっていることが多いです。

開業届の出し方

必要なもの

  • 個人事業の開業届出書(税務署でもらうかe-Taxで作成)
  • マイナンバーが分かるもの
  • 本人確認書類

提出方法

  1. 税務署に持参:最寄りの税務署の窓口に提出
  2. 郵送:税務署宛に郵送(返信用封筒を同封すれば控えが返ってくる)
  3. e-Tax:オンラインで完結。最も手軽

提出期限

事業を開始した日から1ヶ月以内。ただし、過ぎても受け付けてもらえます。

重要なのは青色申告承認申請書の期限です。新規開業から2ヶ月以内、または白色から切り替える場合はその年の3月15日まで。開業届と一緒に提出するのがベストです。

すでに何年も出していない場合の対処法

「もう3年フリーランスをしているけど出していない」という方も安心してください。今からでも出せます。

対処手順:

  1. 開業届を提出(開業日は実際に事業を始めた日を記入してもOK)
  2. 青色申告承認申請書を同時に提出
  3. 翌年分から青色申告が適用される

過去に遡って罰則を受けることはありません。ただし、青色申告は申請書を出した翌年分からしか適用されないので、1日でも早く出すことをおすすめします。

よくある質問

Q. 副業でも開業届は必要?

法律上は必要ですが、副業の規模が小さい場合は出さない方も多いのが実態です。ただし、本格的にフリーランスとして稼ぐつもりなら出しておいたほうが有利です。

Q. 開業届を出すと会社にバレる?

開業届の提出だけでは会社に通知されることはありません。ただし、住民税の額が変わると会社の経理に気づかれる可能性があるので、確定申告時に住民税を「普通徴収」にしておきましょう。

Q. 開業届を出した後にやめたくなったら?

「廃業届」を出せばいつでも事業をやめられます。開業届を出したからといって、永遠に事業を続ける義務はありません。

開業届と一緒に出すべき書類

開業届を出すタイミングで、以下の書類も一緒に提出すると効率的です。

  • 青色申告承認申請書(必須)
  • 青色事業専従者給与に関する届出書(家族に給与を払う場合)
  • 給与支払事務所の開設届出書(従業員を雇う場合)

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