社内報・社内広報用の動画を依頼する|制作費と社内配信までの流れ 2026

中西 直美
中西 直美
社内報・社内広報用の動画を依頼する|制作費と社内配信までの流れ 2026

この記事のポイント

  • 社内報や社内広報の動画を外注したい担当者向けに
  • 依頼から社内配信までの流れ
  • 失敗しない外注先の選び方を解説します

「社内報を動画にしたい。でも、何から手をつければいいのか分からない」。広報担当の方から、こういうご相談をよくいただきます。社内広報の動画外注は、費用の内訳も、依頼の流れも、文字の社内報とは勝手が違います。この記事では、社内広報動画を外注するときの費用相場、依頼から社内配信までの具体的な流れ、そして失敗しない外注先の選び方を、実務の粒度でお伝えします。

社内広報動画の外注、今どのくらいの企業が動いているか

社内広報の手段が紙やイントラのテキストから動画へシフトする流れは、ここ数年で加速しています。理由はシンプルで、テキストで長文を読む習慣そのものが社内でも薄れてきているからです。経営メッセージ、事業方針、新入社員向けのオンボーディング、安全教育、これらを動画で伝える企業が増えています。

背景には、リモートワークの定着があります。全社が同じオフィスに集まらなくなったことで、朝礼や全体会議の代わりに動画配信を使う企業が増えました。動画なら、時差のある拠点や、シフト勤務で全員参加の会議に出られない現場スタッフにも、同じ情報を同じトーンで届けられます。テキストの社内報では伝わりにくい「経営者の表情」「現場の空気感」が動画なら伝わる、という声も多く聞きます。

もう一つの背景は、動画制作のハードルが下がったことです。以前は動画制作というと数十万円単位の予算感でしたが、フリーランスの動画クリエイターに直接依頼できる環境が整い、社内報レベルの動画であれば5万円台から依頼できるケースも出てきました。この価格帯の変化が、社内広報動画の外注を検討する企業を後押ししています。

一方で、動画制作を発注した経験がない担当者にとっては、相場感が分からず、見積もりの妥当性を判断できないという悩みがあります。制作会社に見積もりを依頼すると、企画費・撮影費・編集費・修正対応費がそれぞれ計上され、合計すると想定より高額になることも珍しくありません。まずは相場を押さえることから始めましょう。

社内広報動画の制作費、内訳と相場を理解する

社内広報動画の制作費は、動画の種類、尺の長さ、撮影の有無によって大きく変わります。ここでは代表的な動画種類別に、相場の目安を整理します。

動画の種類別、費用相場の目安

社内広報でよく使われる動画には、いくつかのパターンがあります。

一つ目は、経営者からのメッセージ動画です。定例会議や決算報告のタイミングで、社長が全社員に向けて話す内容を撮影・編集するものです。シンプルなインタビュー撮影+編集であれば、3万円から10万円程度が目安です。撮影場所への出張が必要な場合は、交通費が別途かかります。

二つ目は、社内報のダイジェスト動画です。既存の写真やテキストコンテンツを素材として、テロップやBGMを付けて動画化するものです。撮影が発生しないため、2万円から8万円程度で依頼できることが多いです。

三つ目は、新入社員向けのオンボーディング動画です。会社概要、業務フロー、社内制度の説明などを盛り込む必要があるため、構成の企画段階から時間がかかります。5分程度の動画で10万円から30万円程度が相場です。

四つ目は、複数拠点での撮影を伴う社内イベント記録動画です。表彰式、周年イベントなどが該当します。撮影スタッフの人数や機材、拠点数によって費用は変動しますが、15万円以上になることが一般的です。

費用の内訳を分解して理解する

見積もりを受け取ったとき、内訳が分からず戸惑う方が多いです。動画制作費は、大きく分けて次の4つの工程費用で構成されています。

企画構成費は、動画の目的整理、構成案(絵コンテ)作成にかかる費用です。ここを丁寧にやってくれる相手かどうかで、完成度が大きく変わります。

撮影費は、撮影当日の人件費と機材費です。カメラマン1名での簡易撮影と、照明・音声スタッフを含めたチーム撮影とでは、費用が数倍変わります。

編集費は、映像のカット編集、テロップ挿入、BGM選定、色調補正などにかかる費用です。動画制作費の中で最も比重が大きい工程です。

修正対応費は、初稿提出後の修正回数に関わる費用です。多くのフリーランスは「修正2回まで無料」といった条件を設定していますが、それを超える修正は追加費用が発生します。依頼前にこの条件を必ず確認しましょう。

採用ブランディング動画やテレビCM、重要なプロモーション動画など、単発で高品質が求められる案件は外注が適しています。 プロの技術と経験を活かした映像表現が、企業イメージの向上につながります。

社内広報動画は単発のプロモーション動画ほどの高品質を求められる場面は少ない一方で、社内向けだからこそ「経営メッセージが正確に伝わるか」「誤解を招く表現がないか」というチェックの丁寧さが求められます。相場だけでなく、コミュニケーションの丁寧さも選定基準に含めるべきです。

内製と外注、社内広報動画はどちらを選ぶべきか

社内広報動画を検討する際、まず突き当たるのが「自社で作るか、外部に依頼するか」という判断です。

内製のメリットとデメリット

内製の最大のメリットは、社内事情への理解が深いことです。誰が何を伝えたいのか、社内の空気感をどう表現すべきかを、担当者自身が一番よく分かっています。また、外部への発注費用がかからないため、コストを抑えられます。

デメリットは、担当者のスキルと時間に依存する点です。動画編集ソフトの操作、撮影機材の扱い、テロップデザインのセンスなど、専門スキルが必要な工程が多く、本来業務と兼務する担当者にとっては大きな負担になります。品質にばらつきが出やすいのも内製の弱点です。

外注のメリットとデメリット

外注のメリットは、プロの技術による安定した品質と、担当者の工数削減です。企画構成の相談から任せられるため、「何を撮ればいいか分からない」という悩みも解消できます。

デメリットは、費用がかかることと、社内の細かいニュアンスを外部の制作者に理解してもらうためのコミュニケーションコストです。特に社内報のような「社内でしか通じない文脈」を含む動画は、事前に丁寧な情報共有をしないと、意図とずれた仕上がりになるリスクがあります。

動画コンテンツの需要が高まり、多くの企業が「自社で制作すべきか、外注すべきか」という課題に直面しているのではないでしょうか。 本記事では、動画制作における内製と外注それぞれのメリット・デメリットを比較し、自社に最適な制作体制を選ぶポイントを解説します。

判断基準、どちらを選ぶべきか

判断基準はシンプルです。継続的に月1本以上動画を制作するなら、内製化に投資して専任担当を置く方が長期的にコストは下がります。一方、年に数回、経営メッセージや周年イベントの動画を作る程度であれば、そのたびに外注する方が合理的です。

多くの中小企業では、頻度がそれほど高くないため、必要なタイミングでフリーランスに依頼する運用が現実的です。継続的に依頼する場合でも、毎回同じ担当者に頼めば、社内文脈の共有コストは回数を重ねるごとに下がっていきます。

社内広報動画を外注する際の依頼の流れ

実際に外注する際の流れを、依頼前の準備から納品までのステップで説明します。

ステップ1、目的とターゲットを整理する

依頼前に、社内で「誰に、何を、どう感じてほしいのか」を整理しておくことが最も重要です。新入社員向けなのか、全社員向けなのか、経営層のメッセージなのか。目的が曖昧なまま依頼すると、制作者側も企画の方向性を絞れず、修正のやり取りが増える原因になります。

ステップ2、予算と尺(動画の長さ)を決める

社内広報動画は、長すぎると最後まで見てもらえません。3分から5分程度に収めるのが一般的です。予算感は前述の相場を参考に、社内で承認を取っておきましょう。

ステップ3、外注先を探し、見積もりを比較する

制作会社に依頼する方法と、フリーランスの動画クリエイターに直接依頼する方法があります。この選び方は次章で詳しく解説します。

ステップ4、構成案(絵コンテ)の確認

制作者から構成案が提出されたら、社内の関係者(人事部門、経営層など)にも共有し、事前に認識をすり合わせておきます。ここで確認を怠ると、完成後の大きな修正につながります。

ステップ5、撮影・素材収集

経営者インタビューや現場撮影が必要な場合は、日程調整をします。既存素材(写真、資料)を使う場合は、事前にまとめて制作者に渡しておくと編集がスムーズです。

ステップ6、編集・初稿確認・修正

初稿が上がったら、社内の複数人でチェックします。誤字脱字だけでなく、社内でしか分からない固有名詞の表記ゆれや、部署名の間違いなどもここで確認しましょう。

ステップ7、社内配信

完成した動画は、イントラネット、社内向け動画プラットフォーム、あるいは全社会議での上映など、社内の配信環境に合わせて納品形式を指定します。事前に「どの配信手段を使うか」を制作者に伝えておくと、ファイル形式や画質の指定がスムーズです。

外注先の選び方、失敗しないためのチェックポイント

外注先には大きく分けて、制作会社に依頼する方法と、フリーランスのクリエイターに直接依頼する方法があります。それぞれに一長一短があります。

制作会社に依頼する場合

制作会社は、複数のスタッフによる分業体制が整っているため、大規模な撮影や複雑な演出が必要な場合に強みを発揮します。窓口が一本化されているため、進行管理も任せやすいです。一方で、制作会社を通す場合、営業担当者やディレクターの人件費が制作費に上乗せされるため、費用は高くなる傾向があります。

フリーランスに直接依頼する場合

フリーランスの動画クリエイターに直接依頼する場合、代理店や制作会社を挟まない分、中間マージンが発生しません。同じ品質の動画でも、直接依頼の方が費用を抑えられるケースが多くあります。特に社内報レベルの動画であれば、一人のフリーランスクリエイターが企画から編集まで一貫して担当できる規模感なので、直接依頼との相性が良い領域です。

ただし、フリーランスに依頼する場合は、進行管理や品質確認を自社側でも意識しておく必要があります。制作会社のようにディレクターが間に入らない分、依頼内容の伝達漏れが起きやすいため、依頼時に要件を明文化しておくことが大切です。

外注先を選ぶ際の具体的なチェックポイント

過去の制作実績を確認する際は、社内広報や採用ブランディングなど、企業向けの動画実績があるかを見ましょう。エンタメ系や個人YouTube向けの実績しかない場合、企業のトーンに合わせた表現が苦手なことがあります。

コミュニケーションの反応速度も重要な判断材料です。依頼前の質問に対する返信の早さや丁寧さは、実際の制作進行中のやり取りの質を予測する材料になります。

修正対応の条件は契約前に必ず確認します。「何回まで無料か」「追加修正の費用はいくらか」を明確にしておくことで、後々のトラブルを防げます。

納期の余裕を持たせることも大切です。社内イベントの日程に合わせて依頼する場合、撮影から編集、社内確認、修正までの時間を逆算し、最低でも3週間から1ヶ月程度の余裕を見ておくと安心です。

発注者としての気付き、見積もり比較で学んだこと

私自身、フリーランスとして独立した後、自分のサービス案内動画を初めて外注したときのことをよく覚えています。複数の制作者に見積もりを依頼したのですが、金額だけを見て一番安い相手に決めてしまい、後で後悔した経験があります。

その制作者は確かに安価だったのですが、構成案の提出が遅れ、修正のやり取りも噛み合わないことが続きました。安さだけで選んでしまったことで、結局は自分が何度もやり取りをフォローする時間を取られてしまったのです。

この経験から学んだのは、見積もりの金額だけでなく、依頼前のやり取りの丁寧さを見て判断することの大切さです。質問への返信が早く、こちらの意図を汲み取ろうとしてくれる相手かどうかは、実際に発注してみないと分からない部分もありますが、初回の問い合わせ段階でもある程度は見えてきます。今、企業の広報担当の方から同じようなご相談を受けることがありますが、「金額だけで決めない」という点は必ずお伝えするようにしています。

社内広報動画の外注、市場データから見える傾向

長くフリーランス・在宅ワーク市場を運営してきた立場から見ると、社内広報動画の外注ニーズには、ここ数年ではっきりした変化が見られます。

一つは、依頼の単発性です。継続的な発注ではなく、経営メッセージや周年イベントなど、必要なタイミングでスポット的に依頼するケースが中心です。これは裏を返せば、毎回ゼロから外注先を探すのではなく、一度信頼できる相手を見つけて関係を継続することの価値が大きいということです。長く運営していて見えてくるのは、単発の作業を繰り返すよりも、「この人になら任せられる」という関係を築いた発注者ほど、次の依頼がスムーズに進むという傾向です。

もう一つは、費用に対する感度の高さです。社内広報という性質上、外部への大きな発信を伴うプロモーション動画ほどの予算は組めない企業が多く、コストを抑えながら品質を確保したいというニーズが強くあります。ここで効いてくるのが、代理店や制作会社を挟まない直接取引の構造です。中間マージンが乗らない分、同じ予算でより多くの制作時間や修正対応をクリエイター側に依頼できますし、クリエイター側も手取りが厚くなるため、丁寧な仕事に時間を割きやすくなります。この双方にとってのメリットは、金額の大小というより、予算の使い方の質が変わるという点にあります。

社内広報動画の外注は、まだ多くの企業にとって新しい取り組みです。だからこそ、最初の一歩で「誰に頼むか」を丁寧に選ぶことが、その後の社内広報全体の質を左右します。焦らず、相場を理解した上で、コミュニケーションの丁寧さを重視した相手を選んでいただきたいと思います。

デザインや動画編集のスキルを持つ人材を探す際は、デザイン・動画・音楽レッスンのお仕事で、どのようなスキルを持つ人が活躍しているかの傾向を確認できます。また、採用ブランディングやSNS広告と連動した動画展開を検討する場合は、PR・CM・SNS広告動画のお仕事で関連する外注領域の全体像を把握しておくと、社内広報動画との連携もイメージしやすくなります。すでに撮影済みの素材をダイジェスト化したい場合は、動画編集(YouTube/TikTokなど)のお仕事で、編集専門の依頼範囲についても参考にしてください。

動画制作者への発注を検討する際、参考になるのが年収・単価相場のデータです。動画編集やモーショングラフィックスの担当者に近い職種として、ソフトウェア作成者の年収・単価相場のような技術職の相場データと比較すると、クリエイティブ職の単価水準を客観的に把握しやすくなります。また、社内報の文章構成や台本作成を含めて依頼したい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場も参考になります。

依頼文書の整備という観点では、ビジネス文書検定を持つ人材は、社内広報動画の企画書や台本のたたき台作成も丁寧にこなせる傾向があります。動画の配信環境をイントラネットのシステムと連携させる場合は、CCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワーク関連の資格を持つ担当者との連携も視野に入れておくとよいでしょう。

より詳しい費用相場を知りたい方は、動画編集の外注費用相場|YouTube・企業PR別の料金目安【2026年版】で、社内広報以外の動画ジャンルも含めた相場感を確認できます。依頼から納品までの具体的な流れをさらに詳しく知りたい場合は、動画制作を外注する方法|企画から納品までの流れ【2026年版】を参考にしてください。信頼できる外注先の探し方についてさらに深掘りしたい方は、動画編集の外注先の探し方|依頼の手順と費用相場【2026年版】もあわせてご覧ください。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 社内広報動画の制作費は最低いくらから依頼できますか?

経営者メッセージ動画やダイジェスト動画のようなシンプルな内容であれば、2万円から5万円程度から依頼できます。撮影の有無や尺の長さによって金額は変動します。

Q. 制作会社とフリーランス、どちらに依頼するべきですか?

大規模な撮影や複雑な演出が必要なら制作会社、社内報レベルのシンプルな動画ならフリーランスへの直接依頼が費用面で有利です。予算と規模感で判断しましょう。

Q. 依頼から納品までどのくらいの期間を見ておくべきですか?

構成案の確認、撮影、編集、社内確認、修正のプロセスを含めると、最低でも3週間から1ヶ月程度の余裕を見ておくと安心です。

Q. 修正回数の上限はどう決めればいいですか?

多くのフリーランスは無料修正2回程度を基準にしています。契約前に修正回数の上限と、超過時の追加費用を必ず確認しておきましょう。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月7日最終更新:2026年7月26日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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