イラストレーター関連の資格の選び方と、在宅の仕事への使い道


この記事のポイント
- ✓イラストレーターを目指す人や
- ✓Adobe Illustratorのスキルを証明したい人向けに
- ✓関連する資格の種類と選び方を整理します
イラストレーターの資格でおすすめはどれか。そう検索した人の多くは、絵を仕事にしたいけれど、何から始めれば仕事を頼まれる側になれるのか分からず、まず形に残る資格から考えているのではないでしょうか。
結論を先に書きます。イラストを描く仕事に、必ず持っていなければならない資格はありません。仕事を決めるのは作品と、依頼どおりに納品できるという信頼です。そのうえで、資格は「ソフトの操作を正確にこなせる」「色やデザインの基礎を体系的に知っている」ことを、作品を見せる前の段階で伝える道具として役に立ちます。選ぶときは、自分が受けたい仕事に近い資格を1つか2つに絞るのが効率的です。
この記事では、「イラストレーター」という言葉が指す2つの意味を整理したうえで、代表的な4つの資格の中身、受験料、受験のしかたを公式情報で確かめ、在宅の仕事でどう使うかまでを順番に説明します。
「イラストレーター」には2つの意味がある
資格を探す前に、言葉の整理が必要です。「イラストレーター」には、次の2つの意味があります。
1つ目は、絵を描くことを仕事にする人という職業の意味です。書籍の挿絵、Webサイトや広告のイラスト、キャラクターのデザイン、SNSのアイコンなど、依頼を受けて絵を制作します。
2つ目は、アドビ社のソフトウェア「Adobe Illustrator」の略称です。このソフトは、拡大しても線が荒れない形式(ベクター形式)で図形や文字を扱うのが得意で、ロゴやチラシ、名刺、図解、Webサイトの部品などの制作に広く使われています。
検索結果に出てくる「イラストレーター資格」の記事は、この2つを混ぜて書いていることがよくあります。職業としてのイラストレーターを目指す人に必要なのは、作品づくりの力と、色や構図の基礎知識です。一方、Adobe Illustratorの資格は、ソフトを正確に操作できることの証明です。どちらを目指すかで、選ぶべき資格が変わります。
もっとも、実際の仕事では両方が重なります。手描きや別のソフトで描いたイラストを、Adobe Illustratorで印刷用のデータに整える場面はよくあります。チラシやバナーの仕事では、イラストを描く力とレイアウトを組む力の両方が求められます。自分が受けたい仕事がどちらに近いかを意識しながら、この先を読んでください。
資格がなくても仕事はできる。それでも資格が役立つ場面
まず、資格の位置づけをはっきりさせておきます。デザインのスクールを運営する会社も、次のように書いています。
「え?」と思われるかもしれませんが、イラストレーターになるためには「必ず必要な資格」というものはありません。実際にイラストを描けるスキルが重要視されるため、求人に応募する際も応募条件に必須資格が入っている事はほぼありません。 出典: school.dhw.co.jp
イラストの仕事は、医師や弁護士のように資格がなければできない仕事ではありません。発注する側が見るのは、まず作品です。自分のイメージに合う絵を描けるか、期日までに納品できるか、修正の依頼に応じてくれるか。この3つが判断の中心になります。
それでも資格が役立つ場面はあります。
実績が少ないうちの補強として
始めたばかりで作品数が少ない時期は、発注する側に判断材料が足りません。そこで「Adobe Illustratorの操作を一定の水準でこなせる」「色彩の基礎を学んでいる」という客観的な証明があると、作品と合わせて安心材料になります。
デザインの仕事に広げるとき
イラストだけでなく、チラシやバナー、ロゴの制作まで受けたい場合、ソフトの操作と色の扱いの知識は欠かせません。資格の勉強は、こうした知識を体系的に身につけるきっかけになります。
会社に勤めて制作に関わるとき
制作会社や企業の広報部門に応募する場合、ソフトの資格は履歴書で操作スキルを示す手段になります。
自分の弱点を見つけるとき
独学で描いてきた人は、知識に偏りがあることが多いものです。資格の出題範囲を眺めると、自分が知らなかった分野が見えてきます。色の理論や印刷用データの作り方など、仕事で必要になる知識を確かめる地図として使えます。
代表的な4つの資格の比較
イラストやデザインの仕事に関係する資格のうち、受験しやすく、内容が仕事に直結する4つを取り上げます。受験料や日程は、2026年10月時点で各団体の公式ページに書かれている内容です。
| 資格 | 主催 | 証明できること | 受験料(税込) | 受験のしかた |
|---|---|---|---|---|
| Illustratorクリエイター能力認定試験 | サーティファイ | Adobe Illustratorでの制作力 | エキスパート9,100円、スタンダード8,100円 | 在宅のWeb受験または認定会場 |
| アドビ認定プロフェッショナル(Illustrator) | アドビ社が認定、日本ではオデッセイコミュニケーションズが実施 | Adobe Illustratorの操作スキル(国際資格) | 一般12,980円、学割9,680円 | 試験会場のパソコンで受験 |
| 色彩検定 | 色彩検定協会 | 色の理論と配色の知識 | 3級7,000円、2級10,000円、1級15,000円、UC級6,000円 | 年2回、公開会場 |
| CGクリエイター検定 | CG-ARTS(画像情報教育振興協会) | 2次元CG、3次元CG、デザインの知識 | 公式の受験案内で確認 | 年2回 |
それぞれの中身を、順に見ていきます。
Illustratorクリエイター能力認定試験。作品を1つ仕上げる実技が中心
サーティファイが主催する試験で、Adobe Illustratorを使ってコンテンツを制作する力を測ります。公式ページでは、試験の目的を「提示されたテーマ・素材から、仕様に従ってコンテンツを制作する能力を認定」すると説明しています。
2つの級
級は「スタンダード」と「エキスパート」の2つです。スタンダードは、作業指示書に基づいて正確に制作できること、エキスパートは、クライアントの要望に合わせて創造性の高いコンテンツを制作できることが認定の基準とされています。
合格基準と試験時間
公式ページによると、合格基準は次のとおりです。
・エキスパート:知識問題と実技問題の得点率65%以上、かつ実践問題の得点率70%以上
・スタンダード:実技問題の得点率65%以上、かつ実践問題の得点率70%以上
試験は2部構成で、第1部はエキスパートが50分、スタンダードが40分、第2部はどちらも90分です。受験料はエキスパートが9,100円、スタンダードが8,100円(いずれも税込)です。2025年度の平均合格率は72.1%と公表されています。
在宅で受けられる
この試験の特徴は、サーティファイが直接運営する公開試験が「リモートWebテスト」による在宅受験の形で行われることです。近くに試験会場がない人でも、自宅のパソコンで受験できます。パソコンスクールなどの認定会場で受ける「随時試験」もあります。
次の公開試験の日程と、在宅受験の準備
公式ページによると、次の公開試験(第10回)は2027年1月24日で、申込期間は2026年11月10日から2027年1月10日までです。スタンダードは10時から12時までの間、エキスパートは13時から15時までの間の好きな時刻に受験を始められます。スタンダードとエキスパートを同じ日に続けて受けることもできます。合否は試験日から1か月後をめどに通知されます。
在宅で受ける場合、試験は自分のパソコンに入っているAdobe Illustratorで行います。そのため、事前の準備がいくつかあります。公式ページには、対応するOSとIllustratorのバージョンの一覧が載っていて、Windows 11の一部のバージョンと、macOSの決められた範囲が対象です。また、試験までにAdobe Fontsから指定のフォント(小塚明朝や小塚ゴシックの各種)を有効にしておくこと、アプリケーションを最新の状態にしておくこと、画面の表示を「標準スクリーンモード」にしておくことが求められています。これらの準備を試験の当日に始めると、思わぬところで時間を取られます。申込みの前に一覧を確かめ、自分の環境が対象に入っているかを見ておいてください。
向いている人
指示書どおりに1つの作品を仕上げる形式なので、実際の仕事に近い感覚で力を試せます。チラシやバナーなど、指定された素材と文字を使って制作する仕事を受けたい人に向いています。サンプル問題が公式サイトでダウンロードできるので、まずは解いてみて、自分の操作がどこまで通用するかを確かめるところから始められます。
アドビ認定プロフェッショナル。アドビ社が認定する国際資格
アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)は、アドビ社が認定する国際的な資格試験です。日本ではオデッセイコミュニケーションズが実施しています。公式ページでは、試験の形式が次のように説明されています。
試験は、全国にある試験会場のコンピュータを使って解答するCBT形式で行われます。Adobe Creative Cloudに対応する試験(Photoshop, Illustrator, Premiere Pro)は、試験マシンにインストールされている実際のアプリケーションを使用します。試験問題は、前半の選択問題セクション、後半の操作問題セクションの2つに分かれて出題されます。 出典: adobe.odyssey-com.co.jp
CBT形式とは、紙ではなく試験会場のパソコンの画面で問題を解く形式のことです。合否は試験直後に画面に表示されます。
科目と受験料
試験はアプリケーションごとに分かれていて、Illustratorの科目は「Graphic Design & Illustration using Adobe Illustrator」です。公式ページでは、受験料は一般価格が12,980円、学割価格が9,680円(いずれも税込)と示されています。ソフトのバージョンごとに試験があり、2026年10月時点では2024版と2025版が並んでいます。
PhotoshopとIllustratorの両方に合格すると
公式ページによると、同じIDでPhotoshopとIllustratorの2科目に合格すると、「Adobe Certified Professional in Visual Design」として認定されます。イラストを描き、写真を加工し、レイアウトにまとめる仕事を幅広く受けたい人は、2科目の合格を目標にすると、スキルの幅を1つの認定で示せます。
向いている人
国際資格なので、海外の発注者とやり取りする人や、英語のプロフィールで実績を示したい人に向いています。デジタル認定証が発行されるため、オンラインのプロフィールに載せやすいのも利点です。
色彩検定。配色の理屈を言葉で説明できるようになる
色彩検定は、色彩検定協会が主催する、色に関する知識と技能を問う検定です。イラストの仕事では、色選びで印象が大きく変わります。感覚で選んでいた色を、理屈で説明できるようになるのが、この検定を学ぶ利点です。
級と内容
公式ページによると、級は3級、2級、1級、UC級の4つです。
・3級:色のはたらき、色が見える仕組み、色の三属性(色相、明度、彩度)、配色イメージなど、色彩の基本
・2級:3級の内容に加え、色のユニバーサルデザイン、配色技法、ビジュアルデザインなど
・1級:色彩と文化、色彩調和論、測色、色彩とビジネスなど、より専門的な内容
・UC級:色のユニバーサルデザインに特化。色覚のタイプによる見え方の違いや、配色の改善方法
UC級の「色のユニバーサルデザイン」とは、色の見え方が人によって違うことを前提に、誰にとっても情報が伝わる配色を考える取り組みのことです。図解やインフォグラフィックの仕事をする人には特に役立ちます。
日程と検定料
試験は年2回、夏期(6月)と冬期(11月)に行われます。1級は冬期のみです。検定料は3級7,000円、2級10,000円、1級15,000円、UC級6,000円です。受検資格に制限はなく、どの級からでも受けられます。合格ラインは、3級から1級までが200点満点の140点前後、UC級が160点前後とされ、問題の難易度により変動があると書かれています。
向いている人
イラストの色使いに自信が持てない人、クライアントに「なぜこの色にしたのか」を説明する場面が多い人に向いています。最初は3級から始め、仕事で配色を提案する機会が増えたら2級に進むのが無理のない順番です。
CGクリエイター検定。2次元と3次元のCGの基礎を体系的に学ぶ
CGクリエイター検定は、公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施する検定です。公式ページでは、デザインや2次元CGの基礎から、構図やカメラワークといった映像制作の基本、3次元CGの制作手法までを問う検定と説明されています。
2つの級
・ベーシック:2次元CGと3次元CG、デザインに関する基礎的な理解と、CGの静止画制作に知識を使う力
・エキスパート:3次元CGと映像制作に関する専門的な理解と、3次元CG映像の制作に知識を応用する力
日程
試験は前期と後期の年2回です。2026年後期は、試験日が11月29日、申込期間が9月1日から10月23日までと公表されています。受験料は級によって異なるため、公式の受験案内で確かめてください。また、CG-ARTSのサイトでは過去2回分の試験問題と解答が公開されていて、誰でもダウンロードできます。
向いている人
ゲームやアニメーション、映像の分野でイラストを描きたい人に向いています。2次元のイラストだけでなく、3次元のモデルや映像の知識があると、ゲーム会社や映像制作会社の仕事に関われる幅が広がります。
目的別の選び方。受けたい仕事から逆算する
4つの資格を並べましたが、全部を取る必要はありません。受けたい仕事から逆算して選びます。
チラシ、バナー、ロゴなどデザイン寄りの仕事を受けたい
Adobe Illustratorの操作が仕事の中心になるので、Illustratorクリエイター能力認定試験か、アドビ認定プロフェッショナルを選びます。在宅で受けたいならIllustratorクリエイター能力認定試験、国際資格として示したいならアドビ認定プロフェッショナルが向いています。
挿絵やキャラクターなどイラスト寄りの仕事を受けたい
作品の質がそのまま評価になる分野です。資格を取るなら、配色の説明力を高める色彩検定3級が役立ちます。それ以上に、作品集の充実に時間を使ってください。
ゲームや映像の分野に関わりたい
CGクリエイター検定のベーシックで、2次元と3次元のCGの基礎を体系的に学ぶのが近道です。
図解やインフォグラフィックの仕事を受けたい
Adobe Illustratorの資格と、色彩検定のUC級の組み合わせが効果的です。見やすく誰にでも伝わる図を作る力を、2つの方向から示せます。
迷ったときの判断の順番
迷ったら、まず各資格のサンプル問題や過去問を見てください。Illustratorクリエイター能力認定試験はサンプル問題が、CGクリエイター検定は過去問が公式サイトで公開されています。問題を見て「これを解けるようになりたい」と思えるかどうかが、続けられるかどうかの目安になります。
IllustratorとPhotoshop、どちらから学ぶか
イラストの仕事では、Adobe IllustratorとAdobe Photoshopの2つのソフトがよく使われます。資格もそれぞれにあるため、どちらから手を付けるか迷う人が多いところです。
2つのソフトの違いは、絵の扱い方にあります。Illustratorは、線や形を数式で記録するベクター形式を得意とします。拡大しても線がぼやけないため、ロゴ、アイコン、図解、印刷物のレイアウトに向いています。Photoshopは、細かな点の集まりで絵を記録するラスター形式を得意とします。写真の加工や、筆で塗ったような質感のあるイラストに向いています。
受けたい仕事で選ぶのが基本です。ロゴやチラシ、図解の仕事を受けたいならIllustratorから。写真の加工や、厚塗りのイラストを描きたいならPhotoshopから始めます。どちらの仕事も受けたいなら、まずIllustratorで印刷用のデータの作り方を身につけておくと、納品の段階で困ることが少なくなります。印刷会社に入稿するデータには、文字の扱いや色の設定など細かな決まりがあり、ここでつまずくと、絵がよくても仕事が完了しないからです。
サーティファイにはPhotoshopクリエイター能力認定試験もあり、アドビ認定プロフェッショナルにもPhotoshopの科目があります。1つ目の資格で操作に慣れたら、2つ目でもう片方のソフトに広げると、受けられる仕事の範囲が広がります。
独学で勉強する進め方
4つの資格は、いずれも独学で合格を目指せます。進め方の基本を示します。
公式の出題範囲から始める
どの資格も、公式サイトに出題範囲や認定の基準が書かれています。最初にこれを読み、知らない言葉に印を付けます。印を付けた言葉が多い分野が、時間をかけるべき分野です。
公式の教材やサンプル問題を使う
色彩検定には協会が出している公式テキストがあり、CGクリエイター検定も対応する書籍が公式サイトで案内されています。Illustratorクリエイター能力認定試験はサンプル問題が、CGクリエイター検定は過去2回分の問題と解答がダウンロードできます。市販の参考書を何冊も買う前に、まず公式の教材と問題に当たってください。
ソフトの資格は手を動かす時間を中心に
Illustratorの資格は、知識よりも操作の速さと正確さが問われます。教材を読む時間より、実際にソフトを開いて課題を作る時間を多く取ります。同じ課題を、最初は教材を見ながら、2回目は見ずに、3回目は時間を計って作る。この繰り返しで、本番で手が止まらなくなります。
時間を計る練習を早めに入れる
Illustratorクリエイター能力認定試験の第2部は90分で1つの作品を仕上げます。時間内に終わらない原因の多くは、操作の迷いです。早い段階から時間を計って練習すると、どの操作に時間がかかっているかが分かり、そこを重点的に練習できます。
生成AIが広がるなかで、資格と作品をどう考えるか
画像を生成するAIの普及で、イラストの仕事の先行きを心配する声も聞かれます。発注する側の中には、AIで作った素材をそのまま使う人もいれば、権利の扱いがはっきりしない画像は使いたくないと考える人もいます。
こうした状況だからこそ、依頼の意図をくみ取り、修正に応じ、印刷やWebで使える形に仕上げて納品する力の価値は下がっていません。資格の勉強で身につくソフトの操作や色の理論は、AIで作ったものを含め、素材を仕事で使える形に整えるための基礎でもあります。
仕事を受けるときは、AIを制作に使ってよいかどうかを発注者に確かめておくと安心です。発注者によっては、AIを使わないことを条件にしている場合があります。逆に、AIで作った下案をもとに仕上げを頼まれる仕事もあります。どちらの場合も、使う道具と権利の扱いを最初に文章で確かめておくことが、トラブルを防ぎます。
資格の勉強と並行して、作品集を育てる
資格を取ったあと、仕事につなげるために欠かせないのが作品集(ポートフォリオ)です。資格は「この人はソフトを使える」ことを示しますが、「この人にこの絵を頼みたい」と思わせるのは作品です。
資格の課題を作品集に活かす
Illustratorクリエイター能力認定試験の実践問題や、アドビ認定プロフェッショナルの操作問題の練習で作ったものは、そのまま作品集に載せられるとは限りません。ただ、練習の過程で身につけた操作を使い、架空の店のチラシやロゴ、架空の商品のパッケージを作れば、作品集の材料になります。架空の作品であることは明記してください。
受けたい仕事に合わせて作品を並べる
作品集は、描ける絵を全部並べるより、受けたい仕事に近い作品を中心に並べるほうが効果があります。書籍の挿絵を受けたいなら、文章に合わせた挿絵の例を。SNSのアイコンを受けたいなら、様々な雰囲気のアイコンの例を並べます。作品集の作り方の考え方は、文章の仕事を例にしたWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】でも紹介しています。職種は違いますが、実績が少ない段階で何をどう見せるかの考え方は共通です。
在宅でのイラストやデザインの仕事の取り方
資格と作品集の準備ができたら、実際に仕事を受ける段階です。デザインの教育を行う会社の記事でも、最初は小さな仕事の積み重ねが大切だと書かれています。
いずれにしても、イラスト制作の実績を示す必要があるため、まずはクラウドソーシングサイト(ココナラ、クラウドワークス、ランサーズなど)を活用し、実際に仕事を受注して納品する経験を積み重ねましょう。1件1件丁寧に対応することで評価が上がり、信頼性が向上して案件を受注しやすくなります。 出典: miraie-group.jp
在宅で受けやすい仕事には、次のようなものがあります。
・SNSのアイコンやヘッダーの制作
・ブログ記事やWebサイトの挿絵
・チラシやバナーの制作
・ハンドメイド作家や小さな店のロゴ、商品タグ、ショップカードのデザイン
・資料や説明書の図解
小さな店の仕事は、意外に需要がある
ハンドメイド作品をネットで販売していると、ショップのロゴや商品タグ、梱包に入れるお礼のカードなど、小さなデザインの需要が次々に生まれることに気づきます。こうした仕事は、大きな広告の仕事に比べて単価は高くありませんが、作り手と直接やり取りでき、気に入ってもらえると継続して頼まれることが多い分野です。店の世界観を理解し、商品写真に合う色やイラストを提案できる人は重宝されます。
契約の前に確かめること
仕事を受けるときは、報酬の額、納期、修正の回数、納品するデータの形式、著作権の扱いを、文章で確かめておきます。特に著作権は、イラストの仕事で最もトラブルになりやすい点です。描いたイラストの著作権を発注者に譲るのか、使える範囲を決めて使用を認めるだけなのかで、報酬の考え方も変わります。文化庁は著作権の基礎を学べるテキストや、著作権の契約書を作る手助けになる資料を公開しているので、文化庁の著作権のページで一度目を通しておくと、契約の場面で慌てずに済みます。
会社などの事業者から個人で仕事を受ける場合は、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)も知っておきたい法律です。厚生労働省の案内によると、個人に仕事を頼む発注事業者には、取引条件を明示すること、成果物を受け取った日から原則60日以内に報酬を支払うことなどが義務づけられています。発注の内容や報酬、支払日が示されないまま作業を始めてほしいと言われたら、まず条件を文章で出してもらうよう頼んでください。
料金の決め方
最初の料金は、同じような仕事の募集で示されている報酬を複数見て、相場の範囲を知るところから始めます。安すぎる料金で始めると、後から上げにくくなります。修正の回数や納品の形式で料金を分けておくと、作業量に見合った報酬を受け取りやすくなります。
受験から仕事までの進め方の例
最後に、資格の勉強から仕事を受けるまでの進め方を、半年の例で示します。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1か月目 | 受けたい仕事を決める。各資格のサンプル問題や過去問を見て、受ける資格を1つに絞る |
| 2か月目から3か月目 | 資格の勉強を進める。練習で作ったものを、作品集の材料として保存しておく |
| 4か月目 | 受験。並行して、受けたい仕事に合わせた作品を3点から5点仕上げる |
| 5か月目 | 作品集を公開し、仕事の募集に応募を始める。小さな仕事から実績を作る |
| 6か月目 | 受けた仕事の感想や修正の依頼を振り返り、必要なら次の資格や技術の勉強を決める |
受験日は資格によって決まっています。色彩検定は6月と11月、CGクリエイター検定は前期と後期、Illustratorクリエイター能力認定試験の公開試験は公式ページで回ごとに案内されます。アドビ認定プロフェッショナルは試験会場ごとに日程が組まれています。表の4か月目に受験日が来るよう、逆算して勉強を始める月を決めてください。
大事なのは、資格の勉強だけで半年を使い切らないことです。勉強と作品づくりを並行させ、受験の時点で作品集の材料がそろっている状態を目指します。
資格を仕事につなげている人に共通すること
フリーランスや在宅の仕事の市場を長く見てきた運営者の視点から言えば、資格を仕事に結びつけている人は、資格を「入口の名刺」として使い、その先は作品とやり取りの丁寧さで信頼を積み上げています。資格の名前を並べるだけのプロフィールより、「どんな仕事を、どんな人のために、どう仕上げたか」が具体的に書かれたプロフィールのほうが、発注する側の目に留まります。
もう1つ見てきたのは、発注者と直接やり取りする関係のほうが、長く続きやすいということです。仲介の手数料が乗らない取引では、発注する側は同じ予算で1点多く頼め、描く側は受け取る額が厚くなります。小さな店や個人の発注者ほど予算が限られているため、手数料0%で直接つながれる形は、双方にとって無理のない関係を作りやすい形です。
イラストやデザインの仕事は、マーケティングや広報の仕事と組み合わさることで、受けられる幅がさらに広がります。SNSの運用やWeb広告の素材制作など、デザインの力を生かせる仕事の広がりは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。資格を1つ取ったら、次はどの分野の仕事と組み合わせるかを考えてみてください。
よくある質問
Q. イラストレーターになるのに資格は必要ですか?
必須の資格はありません。発注する側が判断の中心にするのは作品と、期日どおりに納品し修正に応じてくれるかという信頼です。ただし、実績が少ない時期には、Adobe Illustratorの操作スキルや色彩の知識を示す資格が、作品と合わせた安心材料になります。受けたい仕事に近い資格を1つか2つに絞るのが効率的です。
Q. 在宅で受験できるイラスト関連の資格はありますか?
サーティファイのIllustratorクリエイター能力認定試験は、公開試験が「リモートWebテスト」による在宅受験の形で行われています。近くに会場がない人でも自宅のパソコンで受けられます。アドビ認定プロフェッショナルは試験会場のパソコンで受けるCBT形式、色彩検定は公開会場での受検です。
Q. 色彩検定はイラストの仕事に役立ちますか?
役立ちます。感覚で選んでいた配色を理屈で説明できるようになり、クライアントに色の意図を伝えやすくなります。最初は基本を学ぶ3級から始め、配色の提案が増えたら2級に進むのが無理のない順番です。図解の仕事をするなら、色のユニバーサルデザインを扱うUC級も選択肢になります。
Q. 資格を取ったあと、どうやって在宅の仕事につなげればよいですか?
資格の勉強と並行して、受けたい仕事に近い作品を3点から5点仕上げ、作品集として公開します。そのうえでSNSのアイコンや挿絵、小さな店のロゴなど、小さな仕事から実績を作ります。契約の前には報酬、納期、修正回数、データの形式、著作権の扱いを文章で確かめておくと、トラブルを防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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