イラスト販売を副業にする|出品先の選び方と描きためる順番


この記事のポイント
- ✓イラスト販売副業を始めたい方へ
- ✓描きためる順番を整理しました
- ✓積み上げ型と受注型の違い
「描いた絵を売ってみたいけれど、どこから始めればいいのか分からない」というご相談を、よくいただきます。
出品できる場所が増えたのは良いことです。でも、選択肢が多いと、それだけで疲れてしまいますよね。どこに出すのが正解なのか調べているうちに、描く時間が減ってしまう。こういう方が本当に多いんです。
大丈夫ですよ。順番があります。この記事では、出品先の種類とその違い、そして何をどの順番で描きためるとよいかを、落ち着いて整理していきます。
イラスト販売の副業は、入口としては始めやすい分野です
まず、安心していただける事実から。
絵を描く仕事は、在宅でできる副業の中でも需要のある分野です。実務の情報を扱うサイトでも、そう説明されています。
実はイラストレーターの副業は、在宅でできる副業の中でも特にニーズが高く、初心者・未経験者でも始めやすいジャンルのひとつです。 出典: alc.co.jp
始めやすい理由は3つあります。1つは、必要な道具がすでに手元にあることが多いこと。タブレットやパソコンと、無料か低額の描画ソフトがあれば始められます。
2つ目は、審査を通らなくても出せる場所があること。誰かに認められるのを待たずに、今日から並べられます。
3つ目は、在庫を持たなくていいこと。データとして売る形なら、材料費も送料もかかりません。
ただし、始めやすいことと、続けやすいことは別です。ここが、いちばんお伝えしたい部分になります。
出品先は「積み上げ型」と「受注型」の2つに分かれます
ここを整理すると、迷いがかなり減ります。
積み上げ型は、作品を並べておいて、買われるのを待つ形です。素材として使われるイラストの登録、データのダウンロード販売、スタンプや絵文字、受注生産のグッズ。1点あたりの収入は小さいけれど、点数が増えるほど積み上がります。
受注型は、依頼を受けてから描く形です。アイコンの制作、挿絵、看板やチラシの絵、企業の広告に使う絵。1件あたりの単価は高く、描いた分だけ確実に収入になります。
この2つは、必要な時間の使い方が違います。積み上げ型は、収入が出るまでに時間がかかります。数か月は反応がないことが普通です。受注型は、依頼が来れば即座に収入になりますが、来なければゼロです。
そして、心の負担も違います。積み上げ型は、待つ期間が長いので「無駄なことをしているのでは」という不安が続きます。受注型は、相手の要望に応える緊張があります。
どちらが向いているかは、性格で決めてください。人と話すのが負担な方は積み上げ型、反応が返ってこないと不安になる方は受注型。これは向上心の問題ではなく、相性の問題です。
理想は両方を持つことですが、最初から2つは重いです。片方から始めて、慣れたら足す。この順番で大丈夫です。
出品先ごとの特徴を、ひとつずつ見ていきます
主な場所を挙げます。ご自身に合うものを探す目で読んでください。
素材として登録する場所は、ビジネスの資料や記事に使われるイラストを扱います。1点がダウンロードされるごとに、少額の報酬が入ります。単価は数十円から数百円の範囲が中心で、1点だけでは収入になりません。ただし、いったん登録すれば何年も稼ぎ続ける可能性があります。審査があり、描き方の指定も細かい。地味ですが、長く効く選択肢です。
データを直接売る場所は、自分で価格を決められます。壁紙、素材集、線画の詰め合わせ、制作の過程を見せた資料。買ってくれる人がすでにいる方に向いています。まったく知られていない状態で並べても、見つけてもらえません。
スタンプや絵文字は、審査を通れば誰でも出せます。ただし、必要な点数が決まっており、1セットを作り切る根気が要ります。売れる数はテーマの需要に左右されます。
受注生産のグッズは、在庫を持たずにTシャツや雑貨を売れる形です。制作の手間が小さい反面、手数料が引かれるため1点あたりの取り分は小さくなります。
依頼を受ける形の場所は、アイコンやヘッダーの制作が中心です。単価は内容によりますが、1点3,000円から1万円台の範囲が中心です。やり取りが発生するので、連絡の負担があります。
ファンから継続的に支援を受ける形もあります。これは、すでに見てくれている人がいる場合に成り立つ形です。最初の収入源には向きません。
そして、企業から直接依頼を受ける形。単価はいちばん高くなりますが、実績を見せられる状態が前提になります。ここは、他の形で1年ほど積んだ後の選択肢です。
選ぶときに見るべき4つの点
比較の軸を絞ります。この4つだけ見れば決められます。
1つ目は、収入が出るまでの時間です。すぐに欲しいなら受注型、待てるなら積み上げ型。生活費の補填として急いでいる方が積み上げ型から入ると、続きません。
2つ目は、手数料です。販売の場を通すと、売上から一定割合が引かれます。割合はサービスによって差があり、10%前後のところから、それ以上のところまであります。少額の販売では、この差はあまり響きません。でも、続けて金額が増えてくると、無視できない差になります。
3つ目は、権利の扱いです。素材として登録する場所では、同じ絵を他の場所に出せない取り決めがある場合があります。後で別の場所に移したくなったときに動けなくなるので、登録の前に条件を読んでください。
4つ目は、審査の有無と、その基準です。審査があるほうが競争相手は少なくなりますが、通らなかったときに落ち込みます。最初は審査のない場所で並べる練習をして、慣れてから審査のある場所に挑むほうが、気持ちが安定します。
この4つを見て、迷ったら1つに決めてください。複数に同時に出すと、どれも手が回りません。1つの場所で形が見えてから、次を足す。焦らなくて大丈夫です。
描きためる順番。ここが成果を大きく左右します
さて、実際に何から描くか。ここに順番があります。
最初にやるのは、テーマを1つ決めることです。描きたいものを全部描くのではなく、「この分野の絵を描く人」として見えるようにします。医療の場面、子育ての場面、ビジネスの会議、季節の行事、食べ物。何でもいいのですが、1つに絞ってください。
理由は2つあります。1つは、探している人に見つけてもらいやすくなること。もう1つは、同じ系統を続けて描くと上達が速いことです。毎回違うものを描くと、毎回はじめからになります。
次に、点数です。素材として登録する場合、収入の形が見えてくるのは数十点を超えてからです。最初の10点で結果が出なくても、それは失敗ではありません。まだ始まっていないだけです。
描く順番としては、同じ人物やモチーフを使い回す形をおすすめします。同じキャラクターが、違う場面で登場する。こうすると、1点ごとにデザインを考え直す負担がなくなり、描く速度が上がります。使う人の側にも、揃った絵があるほうが便利です。
そして、バリエーションの作り方です。1つの場面を描いたら、その場面の色を変える、向きを変える、人数を変える、季節を変える。1枚の絵から3枚から5枚が作れます。これは手抜きではありません。使う側は「同じシリーズで揃えたい」と思っているので、揃っていることが価値になります。
もう1つのコツ。需要のあるテーマを選ぶことです。自分が描きたいものと、探されているものは違うことがあります。探されているのは、資料や記事で使いやすい、当たり障りのない場面です。派手さより、使いやすさ。この視点を1つ持っておくだけで、選ぶテーマが変わります。
とはいえ、描きたくないものばかり描くと続きません。だから、半分は需要のあるテーマ、半分は描きたいもの。この配分で始めるのがいいと思います。
始める前にそろえるもの。最低限で足ります
道具の話をしておきます。ここで高いものを買う必要はありません。
描くための道具は、いま持っているものから始めてください。タブレットでも、パソコンと板のタブレットでも、紙に描いて撮り込む形でも成り立ちます。ソフトは無料のものと、月額が低額のものがあり、どちらでも販売できる品質の絵は作れます。
先に整えたほうがいいのは、道具より環境です。
1つ目は、色が正しく見える状態です。画面の明るさが極端に高い、あるいは暖色に寄っている設定のままだと、自分が見ている色と、買った人が見る色がずれます。設定を一度見直しておくだけで、後のやり直しが減ります。
2つ目は、ファイルの整理です。作業中のもの、完成したもの、出品したもの。この3つに分けておくだけで、後から探す時間がなくなります。点数が増えてから整理しようとすると、その作業自体が重くなります。
3つ目は、保存です。データが消えると、積み上げたものが一度で失われます。外付けの保存先か、オンラインの保存先のどちらかに、自動で複製される形を作ってください。ここは最初にやる価値があります。
4つ目は、体です。長時間同じ姿勢で描くと、首と手首に負担が集まります。机と椅子の高さを合わせる、1時間に1回立つ。地味なことですが、続けられるかどうかに直結します。
高いタブレットを買うと上達するわけではありません。買ってしまうと「元を取らなければ」という気持ちが生まれて、それが負担になることもあります。投資は、続くと分かってからで大丈夫です。
依頼を受けるときの、やり取りの型
依頼を受ける形を選んだ方に向けて、やり取りの流れを整理しておきます。型があると、緊張が減ります。
最初は、条件の確認です。何に使うのか、いつまでに必要か、どんな雰囲気を求めているか、予算はいくらか。この4つを聞いてから返事をします。ここを飛ばして「描きます」と答えてしまうと、後で条件が合わずに困ります。
次に、見本の共有です。参考にしてほしい絵があるか聞いてください。言葉だけで雰囲気を伝え合うと、ほぼずれます。絵を1枚見せてもらうだけで、往復が何回も減ります。
3つ目は、下絵の段階での確認です。完成させてから見せると、方向性が違ったときの手戻りが大きくなります。線だけの状態で1回見てもらう。これを工程に入れておくと、修正の回数が減ります。
4つ目は、修正の回数です。「修正は2回まで含みます」と先に伝えてください。言いにくいと感じるかもしれませんが、依頼する側も回数が分かっているほうが遠慮なく伝えられます。決めていないほうが、お互いに気を遣います。
5つ目は、納品の形式です。どの形式で、どの大きさで必要か。使う場所によって変わるので、確認してから書き出します。
そして、支払いの時期です。先払いか、納品後か、分けるか。少額であっても取り決めておいてください。曖昧なままにしておくと、催促する気まずさが後から来ます。
この型を1度作ってしまえば、次からは同じ流れで進められます。やり取りがつらいと感じる方は、文章を定型にしておくと負担が大きく減ります。
家族への伝え方と、時間の作り方
副業を始めると、家の中の時間の使い方が変わります。ここを黙って進めると、後で別の負担になります。
こういうご相談があります。「絵を描いている時間に、家族が不機嫌になる」という声です。多くの場合、原因は絵そのものではなく、事前に話がなかったことです。相談された側は、決定を押しつけられたと感じます。
伝えるときは、3つだけ話してください。週にどのくらいの時間を使うか、いつまで続けてみるか、何のために始めるか。長い説明は要りません。
そして、使う時間帯を決めてしまうのがコツです。夜の1時間、朝の30分、土曜の午前。決まっていると、家族も予定を立てられます。「空いた時間に描く」という形は、家族から見ると読めないので不安になります。
時間が取れない方は、1回の作業を短く切ってください。30分で1つの工程だけ進める。下絵だけの日、色だけの日があってもいい。まとまった時間を待っていると、何か月も始まりません。
そして、成果を家族に見せてください。売れたかどうかではなく、描けた絵を見せる。関わってもらえていると感じると、応援に変わります。
反応がない時期は、必ずあります
ここが、いちばんお話ししたいところです。
描いて出しても、反応が返ってこない時期があります。数か月続くこともあります。これは、あなたの絵が悪いからではありません。
実際に副業で絵を描いている方が、こう書いていました。
私が絵を描く時間はだいたい一日2~3時間ほどで、週に4~5日ほどです。とはいえ資料を探したりYoutubeの動画に集中力を奪われている時間もあるので、実際はもっと少ないでしょう。そしていろいろと試行錯誤しながら運用しているので、失敗もあり何も利益を生み出せていない時間も多いです。 出典: note.com
3時間かけた絵に反応がない。そういう日がある、と続けている方が書いている。これは、正直な記録だと思います。
こういうご相談が、本当に多いんです。「頑張っているのに結果が出ないのは、向いていないからでしょうか」という問いです。
違います。積み上げ型の収入は、点数が一定を超えてから動き始めます。それまでの期間は、成果が出ていないのではなく、成果が見えていないだけです。
対処として効くのは、見る数字を変えることです。売上やフォロワーの数は、自分では動かせません。でも「描いた枚数」と「出した枚数」は、自分で動かせます。
自分で動かせる数字だけを記録してください。今週は何枚描いたか。何枚出したか。これだけでいい。動かせない数字を毎日見ると、心が削られます。
心理学では、自分で結果を左右できる感覚が保たれているかどうかが、続けられるかを左右すると考えられています。難しい言い方をしましたが、要は「自分の手で進んでいる実感があるか」ということです。
描けない日の過ごし方
描けない日は来ます。これも、前提にしておいてください。
疲れている日、気分が沈んでいる日、家庭の事情がある日。そういう日に無理に机に向かうと、描くこと自体が嫌になります。副業として続けたいなら、嫌いにならないことが最優先です。
そこで、描けない日にできることを用意しておきます。資料を集める、色の組み合わせを決めておく、下絵だけ描いておく、過去の絵を並べ直す。手を動かすけれど頭を使わない作業を、いくつか決めておく。
こうしておくと、描けない日も「何もしなかった日」にはなりません。この差が、気持ちの面で大きい。
それから、休む日を最初から予定に入れてください。週に1日は描かない日を決める。予定を空けておくのではなく、「描かない日」として決めてしまうのがコツです。
そして、他の人の作品と自分を比べるのがつらい日は、見るのをやめていいです。上手な人を見て学ぶ日と、見ない日を分ける。これは怠けではなく、自分を守る判断です。
3か月ごとに見直す、という進め方
続けるかどうかを毎日考えると、疲れます。だから、見直す時期を決めてしまいましょう。
3か月やってみて、そこで振り返る。この形が、いちばん負担が軽いと感じています。3か月あれば、描きためた点数も、出した場所の反応も、自分の体力の限界も見えてきます。
振り返るときに見るのは、売上ではありません。見るのは3つです。続けられたか、描くことが嫌になっていないか、次に試したいことがあるか。
続けられていて、嫌になっていなければ、それで十分です。金額はその後についてきます。逆に、金額が少しあっても描くことが苦しくなっているなら、形を変えたほうがいい。出す場所を変える、テーマを変える、頻度を落とす。やめる以外の選択肢がたくさんあります。
そして、次に試したいことが1つでもあるなら、続ける価値があります。何も思い浮かばないときは、少し休んでください。休んでから戻ってきた方は、意外と長く続いています。
お金の話。手数料と税金を先に知っておきましょう
不安なままにしておくと、それだけで気持ちが重くなります。先に整理しておきます。
販売の場を通すと、手数料が引かれます。さらに決済の手数料や、報酬を受け取るときの振込手数料がかかる場合もあります。受け取りに最低金額が設定されていることもあり、その金額に届くまでは引き出せません。始める前に、いくらから引き出せるのかを確認しておくと、待つ期間の気持ちが楽になります。
続く取引については、仲介の手数料が乗らない形を併用する考え方もあります。手数料0%で直接つながれる場を使うと、同じ枚数を描いても手元に残る額が厚くなります。依頼する側も同じ予算でより多く頼めるので、どちらにとっても損のない形です。
税金については、給与所得のある方が副業で得た所得が一定額を超えると、確定申告が必要になります。所得は売上から経費を引いた額です。描画ソフトの利用料、タブレット、資料の書籍代、通信費の一部は経費として計上できます。要件は状況によって変わるため、国税庁の案内で確認してください。
記録は最初からつけておいてください。後でまとめようとすると、その作業自体が負担になって、副業をやめる理由になります。月に1回、10分で足ります。
単価の考え方を整えておきたいときは、他の在宅職種の水準を横に置くと判断しやすくなります。文章の仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できますし、単価を上げていく手順を整理したWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップの考え方は、絵の仕事でもそのまま使えます。
気をつけていただきたいこと
いくつか、知らないと困る点があります。
まず、他の人の作品をなぞって作ったものは販売できません。参考にすることと、写すことは違います。判断に迷う場合は、その絵を見ながら描いたかどうかを基準にしてください。
次に、既存のキャラクターや企業のロゴを使った絵の販売です。これは権利の侵害になります。個人で楽しむ範囲と、販売する行為は扱いが違います。
3つ目は、生成の道具を使って作った絵の扱いです。出品先によって、受け付けるかどうか、申告が必要かどうかの決まりが異なります。規約を読んでから出してください。後から削除されると、それまでの時間が無駄になります。
4つ目は、実在の人物や建物が分かる形で描く場合です。肖像に関わる問題が出ることがあります。素材として登録する場所では、これを理由に審査で戻されることがあります。
5つ目は、出品したデータの管理です。販売した絵の元のファイルは、必ず手元に残しておいてください。出品先のサービスが終了したり、条件が変わったりすることがあります。元のファイルが手元にあれば、別の場所に移せます。逆に、書き出したものだけを残して元を消してしまうと、後から直せなくなります。
6つ目は、自分の絵が無断で使われているのを見つけたときの動き方です。まず、どこでどのように使われているかを記録してください。画面の保存と、日付、場所。そのうえで、出品先に相談窓口があれば、そこを通すのが確実です。1人で相手に連絡を取ると、話がこじれることがあります。
7つ目は、依頼を受けたときの取り決めです。修正は何回までか、納品後の権利はどちらにあるか、支払いはいつか。この3つを文字で確認してください。言いにくいことのように感じるかもしれませんが、依頼する側にとっても条件がはっきりするほうが安心です。書き方に不安があるなら、ビジネス文書検定で扱われる文書の型が参考になります。
20年この市場を見てきた立場からの観察
在宅とフリーランスの市場を長く運営してきた立場から言うと、絵の仕事で続いている方には共通点があります。絵の上手さだけではありません。
同じ依頼者から、もう一度頼まれていることです。運営者として見てきた限りでは、依頼する側が継続を決める理由は、仕上がりの良さと同じくらい「やり取りが楽だったから」に寄っています。返信が早い、確認の内容が分かりやすい、断るときも早い。
そして、もう1つ。長く続く方は、単発の仕事を集め続ける形から早めに抜けています。同じ相手と年に数回の関係を数件持っている方は、探す時間をほとんど使っていません。
お金の流れについても触れておきます。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多く頼めますし、受ける側は手元に残る額が厚くなります。どちらかが損をする話ではありません。長く続けている方ほど、金額の交渉より、この形を少しずつ増やすことに時間を使っているように見えます。
絵の仕事の周辺にある、広げ方
最後に、視野を少し広げるお話をします。
絵を描く力は、絵そのものを売る以外にも使えます。資料の図解、業務の説明図、研修の教材、商品の使い方の案内。企業の中には「文章では伝わらないので図にしてほしい」という需要が確かにあります。
この方向は、単価が安定しやすい。作品としての評価ではなく、伝わるかどうかで判断されるので、絵の好みに左右されません。業務の整理や説明の支援がどんな形で募集されているかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事を見ると分かります。図解の力は、こうした場面で強みになります。
技術寄りの分野に関心があるなら、そちらの案件も見ておくと視野が広がります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような領域でも、資料や画面の見た目を整える役割が必要とされています。関連する職種の収入水準はWebデザイナー 年収のリアル:30代フリーランスが語る稼ぎ方とキャリアパスで確認できます。いますぐ移る必要はありませんが、道があると知っておくだけで気持ちが違います。
焦らなくて大丈夫です。テーマを1つ決めて、出す場所を1つ決めて、週に数枚ずつ出す。それを3か月続けてから、うまくいっているかを見る。この形で十分です。
あなたが描いた絵は、まだ見つけられていないだけかもしれません。見つけてもらう場所と時間を、一緒に整えていきましょう。
よくある質問
Q. イラスト販売の副業は、何枚くらい描けば収入が出始めますか?
素材として登録する形では、収入の形が見えてくるのは数十点を超えてからが一般的です。最初の10点で反応がなくても、それは失敗ではなくまだ始まっていない段階です。一方、依頼を受けて描く形なら1件目から収入になります。すぐに収入が必要な方は依頼型、待てる方は積み上げ型から始めるのが合っています。
Q. 出品先はどうやって選べばよいですか?
収入が出るまでの時間、手数料の割合、権利の扱い、審査の有無の4点で比べてください。特に権利の扱いは重要で、同じ絵を他の場所に出せない取り決めがある場合もあるため、登録前に条件を読んでおく必要があります。複数に同時に出すと手が回らなくなるので、まず1か所で形をつかむのがおすすめです。
Q. 何を描けば売れやすいですか?
資料や記事の中で使いやすい、当たり障りのない場面が探されています。医療、子育て、会議、季節の行事などです。テーマを1つに絞って同じ系統を描きためると、探している人に見つけてもらいやすくなり、上達も速くなります。ただし描きたくないものばかりでは続かないので、半分は需要のあるテーマ、半分は描きたいものという配分から始めてください。
Q. 生成の道具を使って作った絵は販売できますか?
出品先によって扱いが異なります。受け付けない場所もあり、申告が必要な場所もあります。規約を確認してから出してください。後から削除されると、それまでの時間が無駄になります。また、他の人の作品をなぞった絵や、既存のキャラクターやロゴを使った絵は、いずれの場所でも販売できません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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