盲導犬のパピーウォーカーになるには|申し込みの条件と子犬を預かる期間の過ごし方

@SOHO編集部
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盲導犬のパピーウォーカーになるには|申し込みの条件と子犬を預かる期間の過ごし方

この記事のポイント

  • ✓盲導犬のパピーウォーカーになりたい人に向けて
  • ✓どんなボランティアなのか
  • ✓申し込みの条件(住む地域

盲導犬の候補となる子犬を家庭で預かり、1歳になるまで育てるパピーウォーカー。テレビや本で見て、自分の家でもやってみたいと思った人も多いはずです。一方で、どんな条件で申し込めるのか、仕事をしていてもできるのか、費用はかかるのか、子犬と別れるときはどうなるのかなど、申し込む前に知っておきたいことはたくさんあります。

この記事では、パピーウォーカーとはどんなボランティアなのか、申し込みの条件、費用の負担、登録から子犬を預かるまでの流れ、預かっている間の過ごし方、そして1歳でお別れした後のことまでを、各地の盲導犬協会が公開している募集の案内をもとに順に整理します。結論を先に書くと、パピーウォーカーは報酬のない家庭のボランティアで、多くの協会が「訓練センターまで車で通える地域に住んでいる」「室内で飼える」「留守がちでない」「家族全員で協力できる」「今は犬を飼っていない」といった条件を設けています。条件と流れは協会ごとに違うので、住んでいる地域の協会の案内を必ず確かめることが大切です。

パピーウォーカーとはどんなボランティアか

生後2か月ごろから1歳までの約10か月間を預かる

パピーウォーカーは、盲導犬の候補として生まれた子犬(パピー)を、生後2か月ごろから1歳になるまで、自分の家庭で預かって育てるボランティアです。日本盲導犬協会は、パピーウォーカーを次のように説明しています。

盲導犬候補の子犬(パピー)を、生後2か月から1歳になるまでの約10か月間預かるボランティアです。パピーの「社会化」を促す大切な時期で、人間社会で起きる様々な出来事が、多様な刺激を受け入れるための練習になります。 出典: 日本盲導犬協会 パピーウォーカー

社会化とは、子犬がさまざまな音や場所、人に慣れ、落ち着いて過ごせるようになることです。盲導犬は、目の見えない人や見えにくい人と一緒に、電車やお店、人混みなど、あらゆる場所に出かけます。子犬の時期に家庭の中で多くの経験をしておくことが、将来どんな場所でも落ち着いて仕事ができる土台になります。

預かる期間は協会によって少しずつ違い、東日本盲導犬協会は生後60日から1歳になるまでの約1年間、九州盲導犬協会は生後約50日から約1歳まで、兵庫盲導犬協会は生後約2か月から1歳までと案内しています。

一番大切なのは「人を大好きになること」

パピーウォーカーの役割は、盲導犬としての特別な訓練をすることではありません。日本盲導犬協会は、何より大切なのはパピーが人を大好きになることで、たくさんほめて人との信頼関係を作れるように育ててほしいと案内しています。東日本盲導犬協会も、子犬のころから多くの人とふれあい、愛情いっぱいに育てることで、「人と一緒にいると楽しい」「人が大好き」という盲導犬にとって大切な要素が養われると説明しています。

盲導犬に必要な専門の訓練は、1歳になって協会の訓練センターに戻ってから、訓練士が行います。パピーウォーカーは、その前の段階で、家庭の暮らしのルールを教え、人への信頼を育てる役割を担います。

報酬のないボランティアである

パピーウォーカーは、仕事ではなくボランティアです。報酬はなく、後で説明するように、餌代や日常の治療費などの費用を負担する協会が多くあります。「犬と暮らしながら収入を得たい」という目的には合いません。盲導犬の育成を支えたい、子犬と過ごす時間を通じて社会の役に立ちたい、という気持ちで取り組むボランティアだと理解しておきましょう。

盲導犬は法律で定められた補助犬

子犬を預かる前に、盲導犬がどんな犬なのかを知っておくと、パピーウォーカーの役割の意味がよく分かります。身体障害者補助犬法では、盲導犬、介助犬、聴導犬の3つを「身体障害者補助犬」と定めています。盲導犬は、道路交通法で定める盲導犬であって、この法律に基づく認定を受けた犬のことです。

同じ法律は、国や地方公共団体などが管理する施設や、不特定かつ多数の人が利用する施設を管理する人に対して、身体障害者が補助犬を同伴して利用することを、やむを得ない理由がある場合を除いて拒んではならないと定めています。条文はe-Govの身体障害者補助犬法で確認できます。お店や病院、交通機関など、あらゆる場所に一緒に入っていく犬だからこそ、子犬のうちから多くの場所や音、人に慣れておくことが大切なのです。

パピーウォーカーが育てる子犬は、まだ盲導犬ではなく、その候補です。どの場所に連れて行ってよいかは、協会の方針に沿って判断しましょう。

申し込みの条件

協会ごとの主な条件

パピーウォーカーの条件は、協会ごとに違います。公開されている案内から、主な条件を並べます。

協会 主な条件
日本盲導犬協会 訓練センター近郊に住み車がある、月1回のレクチャーに参加できる、室内飼育、パピーの世話を中心に生活できる、家族全員で参加できる、現在犬を飼っていない、集合住宅は管理側の承諾
東日本盲導犬協会 室内飼育、留守がちでない(目安は1日3時間を週に2日以上)、1人住まいでない、毎月のパピークラスに参加できる、車での送迎ができる、宇都宮市の協会から車で2時間圏内、ボランティア保険への加入
九州盲導犬協会 室内飼育、留守が少ない、家族全員の協力、飼育費用の負担、協会の方針に沿った飼育、講習会などで訓練センターに来所できる
兵庫盲導犬協会 家族全員が趣旨に賛同、協会の指導方針を守る、主に世話をする人が原則65歳以下、室内飼育、現在犬を飼っていない、車で移動できる、留守がちでない

どの協会にも共通しているのは、室内で飼えること、留守がちでないこと、家族全員が協力できること、協会まで子犬を連れて行けることの4つです。

住んでいる地域と車

多くの協会が、訓練センターから車で通える範囲に住んでいることを条件にしています。日本盲導犬協会は、訓練センターごとに申し込める地域を決めていて、たとえば神奈川訓練センターは神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県に住み、訓練センターまで車で2時間圏内の人、仙台訓練センターは東北地方と新潟県に住み、車で3時間半圏内の人と案内しています。

車が必要とされる理由について、日本盲導犬協会は、訓練センターの行事への参加や動物病院への通院で車での移動が必要になること、盲導犬になると車に乗る機会が多いので、その練習にもなることを挙げています。

室内で飼えること

パピーは家の中で、人と一緒に暮らしながら育てます。日本盲導犬協会は、リビングのように人が日中多く過ごす場所をパピーの生活の場とし、ケージ(縦62センチ、横93センチ、高さ70センチ)を設置して、トイレのスペース(85センチ四方)と運動のスペースを確保するよう求めています。玄関などは不可とされています。

マンションなどの集合住宅に住んでいる場合は、管理する側の承諾が必要です。日本盲導犬協会は、犬の飼育が認められている集合住宅でも、大型犬(体重20キロから30キロ)の飼育は不可の場合があるので、事前に確かめるよう案内しています。

留守の時間と仕事との両立

パピーウォーカーの条件で、多くの人が気にするのが留守の時間です。東日本盲導犬協会は、留守がちでないことの目安として、1日3時間を週に2日以上としています。さらに、預かったばかりの月齢の低い時期はトイレの間隔が短く、3時間の留守番も難しい時期があると注意しています。九州盲導犬協会も、委託の初期は排泄の間隔が短く、3時間の留守番も難しい時期があると書いています。

日本盲導犬協会は、在宅勤務などで仕事をしている場合、パピーの生活リズムに合わせて勤務時間を減らしたり時間帯を変えたりできない人には、お断りする場合があると案内しています。家族のうち誰かが、日中も家にいて子犬の世話ができる体制が必要だと考えておきましょう。

年齢と家族の構成

年齢と家族の構成にも条件があります。日本盲導犬協会は、申し込みの時点で、主に飼育する人の年齢を20歳以上65歳以下としています。18歳未満や70歳以上の人が単独で飼育に関わることは断っていて、単身で住んでいる人も不可としています。小学校の低学年以下の子どもや高齢の家族がいる家庭は、体力や安全の面からお断りする場合があるとも書かれています。

東日本盲導犬協会も1人住まいの人は不可としています。兵庫盲導犬協会は、主に世話をする人を原則65歳以下とし、未就学の子どもがいる場合は小学生になるまで待ってもらうことがあると案内しています。九州盲導犬協会は、1人暮らしの人には保証人が必要としています。

今飼っている犬がいる場合

日本盲導犬協会と兵庫盲導犬協会は、現在犬を飼っていないことを条件にしています。日本盲導犬協会は、パピーの飼育に十分なゆとりと時間を作ること、社会化に適した環境を整えることが目的だと説明しています。猫などを飼っている場合は、相性が合わなければ別の部屋で飼う必要が出る可能性があるとも書かれています。

一方、東日本盲導犬協会は犬を3頭以上飼っていないこと、九州盲導犬協会は現在犬を飼っている人は相談するよう案内しています。犬を飼っている家庭でも、協会によっては相談できるということです。

費用の負担

餌代や日常の治療費は負担することが多い

パピーウォーカーは、費用の面でも協会に協力する形になります。日本盲導犬協会は、パピーを預かっている間の餌や消耗品、日常の治療費(ワクチンや狂犬病の注射などは除く)はパピーウォーカーの負担で、1か月あたり5,000円から10,000円程度の負担があることを了承するよう案内しています。九州盲導犬協会も、医療費、犬具、餌代などの飼育費用の負担を条件にしています。

東日本盲導犬協会は、狂犬病の予防接種の費用など一部の医療費の負担と、ボランティア保険への加入、そして賛助会員のマンスリー会員(月額500円または1,000円で1口以上)への入会と、預かっている期間中の継続を条件にしています。

貸し出される物もある

一方で、協会から貸し出される物もあります。日本盲導犬協会は、委託日までに訓練センターで、ケージなどパピーとの生活に必要な犬具の一部を貸し出すと案内しています。九州盲導犬協会では、飼育の責任者が加入するボランティア活動保険の保険料を、2名まで協会が負担するとしています。

費用の負担の範囲は協会によって違うので、説明会で何を負担し、何が貸し出されるのかを確かめておきましょう。

登録から子犬を預かるまでの流れ

申し込みから待機者の登録まで

申し込みの流れも、協会によって違いますが、おおむね次のような順番で進みます。

  1. 協会に資料を請求するか、申し込みのフォームから登録を申し込む
  2. 説明会に参加し、パピーウォーキング(パピーを育てる活動)について詳しい説明を受ける
  3. 家族との面談や、職員による自宅の訪問で飼育の環境を確かめる
  4. 協会が預けられると判断すれば、委託の待機者として登録される

東日本盲導犬協会は、定期の説明会を毎月第3土曜日の13時30分から、1日4組限定の事前予約制で行っていると案内しています。九州盲導犬協会は、説明会の後に担当の職員が自宅を訪ね、飼育の環境を確かめてから待機者として登録すると書いています。

待機の期間はまちまち

待機者として登録されても、すぐに子犬を預かれるとは限りません。日本盲導犬協会は、委託日までの期間は出産の状況や待機している人の数によって異なると案内しています。兵庫盲導犬協会は、申込者が多い場合は数年待ちになると書いています。

一方で、時期によっては急いで募集している訓練センターもあります。日本盲導犬協会の案内には、訓練センターごとの募集の状況が載っていて、「急募」と表示されている訓練センターもあります。申し込む前に、住んでいる地域の訓練センターの募集の状況を確かめておくとよいでしょう。

委託の連絡と委託式

子犬を預かる日が近づくと、協会から連絡があります。日本盲導犬協会と九州盲導犬協会は、委託日の約1か月前までに、預かれるかどうかを確かめる連絡をすると案内しています。委託の当日は、訓練センターで委託式が行われ、子犬との接し方や遊び方、排泄の教え方などの説明を受けてから、子犬を家に迎えます。

預かっている間の過ごし方

預かったばかりのころの一日

預かったばかりの生後2か月ごろの子犬は、体重が4キロから5キロほどで、まだ生活のリズムができていません。日本盲導犬協会は、この時期のパピーウォーカーの一日の例を紹介しています。朝6時に起きてトイレをさせ、朝、昼、夕の1日3回餌を与え、ワクチンを打つ前の時期は抱っこして散歩に連れて行きます。夜も、24時や3時にトイレをさせる必要があります。

この時期は、1日のおしっこが8回から18回ほど、うんちが3回から4回ほど出るため、そのたびにトイレに連れて行き、排泄を促します。排泄のときに「ワン・ツー」と声をかけ、合図で排泄する習慣をつけていくのも、パピーウォーカーの大切な役割です。

1歳が近づいたころの一日

1歳が近づくと、子犬の体重は20キロから30キロほどになり、餌は朝と夕の1日2回になります。日本盲導犬協会の例では、決めた場所で排泄ができるようになり、散歩は40分ほどできるようになります。留守番も数時間できるようになる犬もいます。

こうして見ると、パピーウォーカーの約10か月は、赤ちゃんのような世話から始まり、少しずつ手が離れていく期間だと分かります。特に最初の数か月は、家族の生活を子犬に合わせて組み直す覚悟が必要です。

月1回のレクチャーやパピークラス

預かっている間は、協会の訓練センターで月1回ほど開かれるレクチャーやパピークラスに参加します。日本盲導犬協会は、健康管理の仕方、遊びや散歩を通じた子犬とのコミュニケーションの取り方、家の中でのマナーの教え方などを細かく教えると案内しています。東日本盲導犬協会のパピークラスは主に土日に開かれ、その月齢で身につけたい基本的なしつけの指導を行っています。

レクチャー以外にも、職員が家庭を訪問したり、困ったときに電話で相談できたりする協会があります。犬を飼ったことがない人でも、協会の指導を受けながら育てられる体制が整っています。

家族全員で同じ接し方をする

日本盲導犬協会は、パピーが正しいルールを学ぶためには家族全員の理解と協力が必要で、終始一貫した接し方を根気強く繰り返すことが大切だと説明しています。たとえば、家族の誰かがソファに上がるのを許し、別の誰かが叱ると、子犬は何が正しいのか分からなくなります。預かる前に、家族で子犬への接し方の決まりを話し合っておきましょう。

いろいろな場所に連れて行く

社会化のために、子犬をいろいろな場所に連れて行くことも大切です。東日本盲導犬協会は、色々な場所へのお出かけやイベントを家族で楽しんでほしいと案内しています。日本盲導犬協会は、電車や車の音、雨や雪、人混みなど、人間社会で起こるあらゆることが子犬にとって貴重な経験になると説明しています。どこに連れて行ってよいかは協会の方針があるので、レクチャーで確かめながら進めましょう。

子犬を迎える前の住まいの準備

リビングにスペースをつくる

子犬を迎える前に、まず住まいの準備が必要です。先に触れたとおり、日本盲導犬協会は、リビングのように人が日中多く過ごす場所にケージを設置し、トイレのスペースと運動のスペースを確保するよう求めています。運動のスペースは、家具のないエリアが望ましいとされています。

リビングに大きなケージとトイレのスペースを用意すると、思った以上に場所を取ります。家具の配置を見直し、子犬が動き回れる広さを確保しておきましょう。1歳が近づくと体重が20キロから30キロほどになることも考えて、成長した後の大きさで場所を考えておくと安心です。

子犬にとって危ないものを片付ける

子犬は、目に入ったものを何でも口に入れようとします。電気のコード、小さなおもちゃ、薬、洗剤、観葉植物、食べ物の包みなど、子犬が口にすると危ないものは、手の届かない場所に片付けておきます。床が滑りやすい場合は、子犬の足腰に負担がかからないように、マットを敷くなどの工夫も考えられます。どこまで準備すればよいかは、委託の前の説明で協会から案内があるので、それに沿って進めましょう。

通院と連絡の手段を整える

預かっている間は、体調を崩したときに動物病院へ連れて行くこともあります。日本盲導犬協会が車を条件にしている理由の1つも、動物病院への通院です。協会によって、通う動物病院や連絡の手順が決まっていることがあるので、委託の前に確かめておきましょう。夜間や休日に子犬の様子がおかしいときに、どこへ連絡すればよいかも、家族全員が分かるようにしておくと安心です。

子どもがいる家庭で預かるとき

子どもの年齢の条件

子どもがいる家庭でパピーウォーカーに申し込む場合は、子どもの年齢の条件を確かめておきます。日本盲導犬協会は、小学校の低学年以下の子どもがいる家庭は、体力や精神的な負担、安全の面からお断りする場合があるとし、その理由として、犬に飛びつかれたり引っ張られたりすることによる事故の危険が高くなることを挙げています。兵庫盲導犬協会は、未就学の子どもがいる場合は、小学生になるまで待ってもらうことがあると案内しています。

子犬は小さくても力が強く、成長すると大人の体重の半分ほどになることもあります。小さな子どもと大型犬が一緒に過ごす時間には、大人が必ずそばにいるようにする必要があります。

子どもにも決まりを守ってもらう

子どもがいる家庭では、子どもにも子犬への接し方の決まりを守ってもらうことが大切です。家族全員で同じ接し方をすることが求められているので、子どもが子犬におやつを勝手にあげたり、興奮させる遊び方をしたりすると、しつけが崩れてしまいます。委託の前に、家族のルールを子どもにも分かる言葉で話し合っておきましょう。

子どもにとっての経験

子どもにとって、パピーウォーカーの経験は、命を預かる責任や、目の見えない人や見えにくい人の暮らしについて考えるきっかけになります。1歳でのお別れは寂しいものですが、子犬が誰かの役に立つために旅立つことを、家族で話し合う機会にもなります。お別れの前から、子犬がこの後どんな道に進むのかを子どもに伝えておくと、気持ちの準備がしやすくなります。

預かっている間によくある困りごと

トイレの失敗

預かったばかりの子犬は、トイレの場所をまだ覚えていないので、失敗するのが当たり前です。失敗したときに強く叱ると、子犬が人の前で排泄することを怖がるようになることがあります。協会のレクチャーで教わった方法に沿って、うまくできたときにたくさんほめることを繰り返しましょう。日本盲導犬協会の一日の例でも、子犬のうちは排泄の回数が多く、そのたびにトイレに連れて行くことが紹介されています。

噛む、いたずらをする

子犬は歯が生え変わる時期に、手や家具、スリッパなどを噛むことがあります。噛まれて困るものは片付け、噛んでよいおもちゃを与えるなど、協会の指導に沿って対応します。家族のうち誰かが噛まれても許し、別の誰かが叱る、という対応のずれが一番の問題になるので、ここでも家族の接し方をそろえることが大切です。

困ったときは一人で抱え込まない

しつけがうまくいかない、子犬の体調が心配だ、家族の予定が合わなくなった、といった困りごとは、早めに協会に相談しましょう。東日本盲導犬協会は、パピークラス以外にも家庭訪問を行い、困ったときには電話などでいつでも相談できると案内しています。パピーウォーカーは、協会と一緒に子犬を育てる活動です。一人で抱え込まずに頼ることが、子犬のためにもなります。

1歳でのお別れと、その後

子犬は協会に戻って訓練を受ける

子犬が1歳ごろになると、パピーウォーカーの役割は終わり、子犬は協会の訓練センターに戻ります。ここから、盲導犬になるための本格的な訓練が始まります。九州盲導犬協会は、子犬の進路や行き先は協会が判断し、異議を申し立てることはできないと明記しています。

すべての子犬が盲導犬になるわけではありません。訓練の中で、盲導犬とは別の道に進む犬もいます。そうした犬は、キャリアチェンジ犬として家庭に引き取られることがあり、協会によっては、パピーウォーカーとは別にキャリアチェンジ犬や引退した盲導犬を引き取るボランティアも募集しています。

お別れの日に向けた準備

お別れの日が近づいたら、預かっていた間の様子を協会に伝える準備をしておくと、その後の訓練に役立ちます。好きな遊び、苦手な音や場所、体調を崩しやすい時期、家でできるようになったことなどを、メモにまとめておきましょう。子犬の性格をいちばんよく知っているのは、約10か月を一緒に過ごしたパピーウォーカーです。

写真や動画を残しておくことも、家族にとって大切な思い出になります。ただし、協会によっては、子犬の写真をインターネットに公開することについて決まりがある場合があるので、公開する前に確かめておくと安心です。

お別れの後に会えることもある

お別れの後、もう二度と会えないのかと心配する人もいます。東日本盲導犬協会は、訓練の節目(1回目の評価が終わったときと、進路が決まったとき)に、希望するパピーウォーカーが子犬と面会できる時間を設けていると案内しています。

九州盲導犬協会が紹介しているパピーウォーカーの声には、「お別れがつらいからできない」と言われることがあるけれど、送り出さなければ盲導犬は増えない、新生活を始めるわが子を送り出す気持ちだ、という言葉があります。お別れのつらさも含めて、パピーウォーカーの経験なのだと受け止めておくとよいでしょう。

申し込む協会を選ぶときの見方

まず住んでいる地域で決まる

パピーウォーカーは、どの協会にでも申し込めるわけではありません。多くの協会が、訓練センターから車で通える範囲に住んでいることを条件にしているので、住んでいる地域によって申し込める協会がほぼ決まります。日本盲導犬協会のように複数の訓練センターを持つ協会では、訓練センターごとに申し込める地域が分かれています。まずは、自分の住む地域を受け付けている協会と訓練センターを探しましょう。

案内で比べておく点

申し込める協会が複数ある場合や、条件を詳しく知りたい場合は、各協会の案内で次の点を比べておくと判断しやすくなります。

・預かる期間(生後何日から何歳まで)
・留守の時間の目安と、仕事との両立についての考え方
・年齢や家族の構成の条件
・今飼っている犬がいる場合の扱い
・費用の負担の範囲と、貸し出される物
・レクチャーやパピークラスの頻度と曜日
・説明会の日程と予約の方法
・お別れの後の面会の機会

この記事で紹介した内容も、案内を確かめた時点のものです。募集の状況や条件は変わることがあるので、申し込む前に、必ず協会の最新の案内を確かめてください。

申し込む前に家族で話し合っておきたいこと

確かめておきたい項目

パピーウォーカーに申し込む前に、家族で次の点を話し合っておきましょう。

・約10か月から1年の間、誰が主に世話をするか
・日中に家を空ける時間はどのくらいあるか、預かった直後の時期をどうカバーするか
・月1回のレクチャーやパピークラスに、誰が車で連れて行くか
・餌代や日常の治療費など、月々の費用を負担できるか
・リビングにケージやトイレのスペースを確保できるか
・家族全員が、同じ接し方を守れるか
・1歳でのお別れを、家族、特に子どもがどう受け止めるか

これらに答えられれば、説明会でも具体的な相談ができます。

迷ったら、まず説明会に参加する

条件を満たせるか迷う場合は、まず説明会に参加して話を聞くのが一番です。説明会では、協会ごとの細かな条件や、実際の生活の様子を聞けます。いきなり申し込むのではなく、話を聞いてから家族で考える、という順番で進めると、無理のない判断ができます。

盲導犬の育成に関わるほかの方法

預かれない人にもできること

条件が合わず、パピーウォーカーになれない人にも、盲導犬の育成を支える方法があります。協会の募金や賛助会員として寄付をする、協会のイベントや作業のボランティアに参加する、引退した盲導犬やキャリアチェンジ犬を家庭に迎える、といった方法です。東日本盲導犬協会のボランティアの案内には、パピーウォーカーのほかに、ブリーディングウォーカー(繁殖のための犬を預かるボランティア)、引退犬オーナー、キャリアチェンジ犬オーナー、作業ボランティアが並んでいます。

仕事として関わる道

盲導犬の育成に、仕事として関わりたいと考える人もいます。盲導犬の訓練士は、協会で研修生として学びながら経験を積むのが一般的で、九州盲導犬協会のように訓練士の研修生を募集している協会もあります。動物と関わる仕事に関心がある人は、こうした募集にも目を向けてみるとよいでしょう。

20年にわたってフリーランスと在宅ワークの市場を見てきた運営者の視点から言えば、パピーウォーカーのように時間と手間をかけて誰かを支える経験は、仕事の選び方にも影響を与えます。在宅で働く人の中には、子犬の世話のために勤務の時間を調整しやすい働き方を選ぶ人もいます。在宅でできる仕事の中身を職種ごとに知りたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のような仕事の紹介から眺めてみてください。文章を書く仕事なら、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、始め方と単価の上げ方の道筋が分かります。

よくある質問

Q. 犬を飼ったことがなくてもパピーウォーカーになれますか?

協会の多くは、月1回ほどのレクチャーやパピークラスで、健康管理やしつけの方法を教えています。家庭訪問や電話での相談に応じる協会もあり、犬を飼った経験がない人でも協会の指導を受けながら育てられます。条件は協会ごとに違うので、説明会で確かめてください。

Q. 共働きでもパピーウォーカーはできますか?

多くの協会が「留守がちでないこと」を条件にしています。東日本盲導犬協会は留守の目安を1日3時間を週に2日以上としていて、預かった直後は3時間の留守番も難しい時期があると注意しています。日中に誰かが世話をできる体制が必要です。

Q. パピーウォーカーにお金はかかりますか?

報酬のないボランティアで、餌代や日常の治療費などを負担する協会が多くあります。日本盲導犬協会は、1か月あたり5,000円から10,000円程度の負担があると案内しています。ケージなど一部の犬具は貸し出される場合があります。

Q. 1歳でお別れした後に子犬に会えますか?

協会によって違います。東日本盲導犬協会は、訓練の節目に、希望するパピーウォーカーが子犬と面会できる時間を設けていると案内しています。子犬の進路は協会が判断するので、面会の機会があるかどうかは、申し込む協会に確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月3日最終更新:2026年10月10日
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