盲導犬訓練士の資格を取得する方法|養成の流れと向いている人


この記事のポイント
- ✓盲導犬訓練士の資格取得方法を
- ✓育成団体の職員として養成を受ける流れ
- ✓訓練士と歩行指導員の違い
盲導犬訓練士の資格を取得する方法を調べると、「専門学校で学べば取れる」「動物の資格を取れば近道」といった情報が混ざっていて、何が正しいのか分かりにくくなっています。
先に結論を書きます。盲導犬訓練士は、国家試験に合格して取る資格ではありません。国が指定した盲導犬の育成団体に職員として採用され、その団体の中で数年かけて養成を受け、認定を受けて初めて名乗れる資格です。つまり、資格取得の方法は「育成団体に就職すること」から始まります。
この記事では、盲導犬の育成団体が公表している説明と、厚生労働省の資料をもとに、資格の仕組み、訓練士と歩行指導員の違い、養成の期間と学ぶ内容、採用までに準備できること、向いている人の特徴を順に整理します。
盲導犬訓練士は国家資格ではない
盲導犬訓練士という名前の国家資格はありません。公益財団法人関西盲導犬協会は、資格の仕組みを次のように説明しています。
盲導犬訓練士という国家資格があるわけではありません。現在、国家公安委員会から指定を受けた盲導犬育成団体(全国に11団体・14施設)で研修を受けた職員が、盲導犬訓練士として必要な知識・資質を持つと認定された場合、「盲導犬訓練士」ということになります。 出典: kansai-guidedog.jp
ここで大切なのは、「国家公安委員会から指定を受けた盲導犬育成団体」という部分です。盲導犬は、視覚に障害のある人が街の中を安全に歩くために使う犬で、道路を歩くときの安全に関わるため、育成する団体は国の指定を受けています。厚生労働省が公表している「盲導犬指定法人・訓練施設一覧」(令和8年4月現在)には、北海道から九州まで11の法人が載っています。
民間のペットの訓練の学校や、犬の訓練の資格を出している団体はたくさんあります。しかし、それらの資格を取っても、そのまま盲導犬訓練士を名乗れるわけではありません。盲導犬訓練士になるには、指定を受けた育成団体の職員になり、その団体の養成を受ける必要があります。
認定の仕組み
認定の方法は団体によって違います。関西盲導犬協会の説明によると、団体ごとに独自に認定する場合もありますが、全国盲導犬施設連合会に加盟している8団体では、各団体から資格審査員を出し、その審査に合格した人を「盲導犬訓練士」「盲導犬歩行指導員」と認定しています。
どちらの場合も、外部の試験を受ければ取れるものではなく、団体の中で経験を積み、知識と技術、人柄の面で認められることが条件です。資格を取ることと、その団体で働き続けることが一体になっている点が、一般的な資格とは大きく違います。
盲導犬訓練士と盲導犬歩行指導員の違い
盲導犬に関わる専門職には、盲導犬訓練士と盲導犬歩行指導員の2つがあります。関西盲導犬協会は、この2つの関係を次のように説明しています。
盲導犬訓練士とは、さらに勉強と経験を重ねて「盲導犬歩行指導員」になる途中の段階であると考えて下さい。いわばサナギの段階です。では、盲導犬歩行指導員とは何でしょうか?盲導犬歩行指導員とは、海外ではGuide Dog Mobility Instructor (GDMI)と呼ばれ、盲導犬訓練士(GDT)が主に犬の訓練を中心に行うのに対して、歩行指導員は視覚障がい者に、盲導犬との歩き方を指導するのが主な仕事です。 出典: kansai-guidedog.jp
整理すると次のようになります。
| 職種 | 主な仕事 | 養成期間の目安(関西盲導犬協会の説明) |
|---|---|---|
| 盲導犬訓練士 | 犬の訓練を中心に行う | 3年間 |
| 盲導犬歩行指導員 | 視覚障害のある人に、盲導犬との歩き方を指導する | 訓練士の後さらに2年間 |
つまり、盲導犬歩行指導員になるまでには、合わせて5年間の養成期間があることになります。歩行指導員を目指すには、目の病気のことや、障害のある人の心理なども学ぶ必要があります。
「犬の訓練だけを仕事にしたい」と考えて目指す人もいますが、関西盲導犬協会は、視覚に障害のある人のことを学ばずに盲導犬を訓練するのは不可能だと書いています。運転する人の特性を知らずに良い車を作れないのと同じで、盲導犬を使う人のことを理解して初めて、その人に合った犬を育てられるからです。盲導犬訓練士を目指すなら、犬だけでなく人と関わる仕事だと理解しておくことが大切です。
盲導犬訓練士の仕事の中身
盲導犬訓練士の仕事は、犬の訓練だけではありません。関西盲導犬協会の説明によると、訓練士は一日中犬の訓練をしている人だと思われがちですが、実際には訓練犬の食事の用意や日常の世話も仕事に含まれます。さらに、盲導犬を希望する視覚障害のある人からの問い合わせや体験歩行の希望への対応、盲導犬を使っている人へのその後の確認(フォローアップ)も訓練士の仕事です。
このほかにも、盲導犬を引退した犬(リタイア犬)を引き取るボランティアとの橋渡しや、盲導犬に向かないと判断された犬(キャリアチェンジ犬)の新しい飼い主との橋渡し、報告書の作成などの事務の仕事もあります。
1日の仕事を大きく分けると、次のようになります。
・訓練犬の世話:食事、排せつ、ブラッシング、健康の確認、犬舎の掃除
・訓練:街の中での歩行、段差や障害物の判断、交差点での停止など
・人への対応:盲導犬を希望する人からの相談、体験歩行、盲導犬を使っている人の定期的な確認
・事務:訓練の記録、報告書、ボランティアとの連絡
犬が好きで、毎日犬と触れ合える仕事を想像していた人は、人への対応や事務の多さに驚くかもしれません。ただし、こうした仕事の一つひとつが、視覚に障害のある人が安全に暮らすために欠かせないものです。
ほかの犬の訓練士との違い
警察犬、災害救助犬、麻薬探知犬など、犬の訓練士と呼ばれる職業は複数あります。関西盲導犬協会は、盲導犬訓練士の特徴を、目の見える訓練士が、視覚に障害のある人が使う犬を訓練することにあると説明しています。訓練士は、目で見て判断するのではなく、視覚に頼らずに犬と安全に歩くために何が必要かを常に考えながら訓練を進めなければなりません。
盲導犬訓練士になるまでの流れ
関西盲導犬協会の説明をもとに、盲導犬訓練士になるまでの流れを整理します。
ステップ1:育成団体の採用情報を確かめる
最初の関門は、育成団体の職員として採用されることです。関西盲導犬協会は、訓練士は全国に70名程度しかおらず、どの団体でも定期的に新しい職員を採用することはあまりないと説明しています。希望する人が多くても、採用の機会がなかなかありません。
採用の条件は団体によって違います。関西盲導犬協会の場合、職員を採用する予定があれば、ホームページを通じて公募するとしています。目指す人は、全国の育成団体のホームページを定期的に確かめ、募集が出たらすぐに応募できるよう準備しておく必要があります。
ステップ2:職員として採用される
採用されると、育成団体の職員として働きながら、訓練士としての養成を受けます。給与を受け取りながら学ぶ形になるので、学費を払って学校に通う資格とは仕組みが違います。
ステップ3:養成期間で知識と技術を身につける
関西盲導犬協会の説明では、盲導犬訓練士は3年間、歩行指導員はその後さらに2年間の養成期間が設けられています。この間に、決められた科目の知識と、訓練や指導の技術を身につけます。
ステップ4:審査を受けて認定される
最終的に、盲導犬訓練士や歩行指導員にふさわしい能力と人格を持つと判断された人が認定されます。全国盲導犬施設連合会に加盟する団体では、各団体から出た資格審査員による審査が行われます。
ステップ5:歩行指導員を目指す
訓練士に認定された後、さらに2年間の養成を経て、盲導犬歩行指導員を目指します。歩行指導員になると、視覚に障害のある人に盲導犬との歩き方を指導する役割を担います。
養成期間に学ぶ内容
盲導犬訓練士と歩行指導員が学ぶべき科目は、かつて全国の育成団体が協議して定めたものがもとになっています。関西盲導犬協会が紹介している科目は、大きく4つの分野に分かれます。
犬の訓練技術と犬に関する知識
犬の体の仕組み、犬舎の管理を含む飼育の技術、犬の歴史、犬の感覚、犬と人の関わり、動物の心理、繁殖と遺伝、盲導犬の歴史、訓練の方法論、公衆衛生などです。
視覚障害と法律に関する知識
身体障害者の福祉、視覚障害の基礎、関係する法律などです。盲導犬は身体障害者補助犬法にもとづく補助犬の1つで、厚生労働省は、補助犬を「盲導犬、介助犬及び聴導犬のこと」と説明しています。補助犬を連れた人が公共の施設やお店を利用するときの決まりなども、この分野に含まれます。
視覚に障害のある人の歩行に関する技術と知識
人の感覚、運動の仕組み、学習の心理と教え方、高齢の人についての知識、見えにくさのある状態(ロービジョン)、発達の心理、面談と評価の方法、カウンセリング、電子機器などです。
盲導犬の歩行指導に関する技術と知識
盲導犬を使う人が犬を適切に飼育できるかの評価、盲導犬を渡したあとの継続的な確認(フォローアップ)、指導の計画の立て方などです。
これらの知識を学ぶだけでなく、訓練と指導の技術についても、一定の水準まで身につけることが求められます。犬の訓練の知識だけでなく、福祉、心理、医療に近い分野まで、学ぶ範囲が広いことが分かります。
採用の機会を待つ間にできる準備
採用の機会が限られているため、関西盲導犬協会は、採用を待つ間に就職の準備や研修をする人もいると紹介しています。紹介されている準備は2つです。
ボランティア活動に参加する
1つ目は、学校の休みなどを使ったボランティア活動です。盲導犬の訓練そのものはできませんが、犬舎の掃除などのボランティアをする中で、訓練士や歩行指導員の働き方を身近に見て、自分のイメージと近いかどうかを確かめる機会になります。団体や時期によってはボランティアを募集していないこともあるので、各団体に確認してください。
育成団体のボランティアには、ほかにも、子犬を家庭で育てる「パピーウォーカー」や、引退した盲導犬を引き取って暮らす「リタイア犬ボランティア」などがあります。募集の内容と条件は団体ごとに違います。家庭で子犬を1年ほど育てるパピーウォーカーは、盲導犬の育成の流れを家庭の側から知ることができる関わり方です。
視覚障害に関する専門の研修を受ける
2つ目は、視覚障害に関する専門の知識と技術を身につけることです。関西盲導犬協会は、代表的なものとして、日本ライトハウスと国立障害者リハビリテーションセンター学院が行う研修を挙げています。これらの施設では、白杖を使った歩行だけでなく、点字や音声で使うパソコンの指導の方法を学べます。
白杖歩行指導員は、視覚障害と白杖を使った歩行の専門家として、助言と指導を行う立場です。盲導犬の歩行指導と重なる部分が多く、白杖の分野から盲導犬の世界に入る人もいると関西盲導犬協会は説明しています。研修の内容や入学の条件は、それぞれの施設に問い合わせてください。
日々の暮らしの中でできること
ボランティアや研修のほかにも、日々の暮らしの中で準備できることがあります。
・視覚に障害のある人がどのように街を歩いているか、点字ブロックや音の出る信号の役割を知る
・補助犬を連れた人の受け入れについて、厚生労働省が公開している資料を読む
・人に言葉だけで物事を伝える練習をする(道案内を言葉だけで説明してみるなど)
・体力をつける(訓練は屋外を長い時間歩くことが多い)
特に、言葉だけで伝える練習は、今日からでも始められます。家族や友人に、目を閉じた状態で家の中のある場所まで歩いてもらい、言葉だけで案内してみてください。「あっち」「そこ」といった指示語が通じないこと、相手の歩く速さや立ち止まる位置に合わせて説明を変える必要があることに気づくはずです。この気づきは、盲導犬を使う人への指導の基本に通じます。安全のため、練習は障害物のない場所で、必ず見守る人を付けて行いましょう。
育成団体ごとの情報を集める方法
採用の機会をつかむには、全国の育成団体の情報を自分で集めておく必要があります。集め方を順番に紹介します。
1. 指定法人の一覧で団体を確かめる
厚生労働省が公表している「盲導犬指定法人・訓練施設一覧」(令和8年4月現在)には、北海道、栃木、東京、神奈川、静岡、宮城、島根、広島、愛知、大阪、京都、兵庫、福岡、茨城などにある法人と訓練施設が載っています。1つの法人が複数の訓練施設を持っている場合もあり、本部と訓練施設の所在地が違うこともあります。働く場所を考えるときは、訓練施設の所在地を確かめてください。
2. 各団体のホームページで採用とボランティアの情報を見る
採用の情報は、多くの場合、各団体のホームページの「職員募集」「採用情報」などのページに掲載されます。募集が出ていない時期でも、過去の募集の内容や、仕事の紹介のページがあれば読んでおきましょう。ボランティアの募集のページも、団体の雰囲気を知る手がかりになります。
3. 見学会や講演、イベントに参加する
育成団体の中には、訓練施設の見学や講演を受け付けているところがあります。実際に施設を訪れ、職員の話を聞くことで、仕事のイメージが具体的になります。見学の受け付けの有無や方法は団体ごとに違うので、事前に確認してください。
4. 団体の会報や広報誌を読む
会員や寄付者向けに会報を発行している団体もあります。訓練の様子、盲導犬を使う人の声、職員の紹介など、ホームページだけでは分からない情報が載っていることがあります。会員になって団体を支えながら情報を得る方法もあります。
情報を集めるときは、団体の名前、所在地、採用の時期、ボランティアの種類を一覧にしておくと、募集が出たときにすぐに動けます。
訓練士以外で盲導犬の育成に関わる道
盲導犬の育成に関わりたいと考えたとき、訓練士や歩行指導員だけが道ではありません。育成団体には、ほかにもさまざまな役割の人が関わっています。
・犬の健康を管理する獣医師や、犬の世話を担当する職員
・寄付の受け付け、会員への連絡、経理などを担当する事務の職員
・講演や見学の受け入れ、会報の制作などを担当する広報の職員
・パピーウォーカー、リタイア犬ボランティア、イベントのボランティアなど、職員以外の協力者
どの役割で関わるかによって、必要な資格や経験は違います。訓練士の採用の機会がなかなか来ない場合でも、別の役割で育成団体と関わる中で、盲導犬の仕事への理解が深まることがあります。ただし、事務や広報の職員として採用されたからといって、訓練士の養成に移れるとは限りません。採用の条件は、応募の前に団体に確かめてください。
盲導犬訓練士に向いている人
関西盲導犬協会は、盲導犬訓練士に必要な資質として、コミュニケーションの力と、創意工夫する力の2つを挙げています。具体的にどんな人が向いているかを整理します。
人の話を聞き出すのが得意な人
盲導犬の訓練士が1頭の犬と関わる期間は、およそ1年ほどだと関西盲導犬協会は説明しています。そのため、1歳まで育てたパピーウォーカーと話をして、家庭でのその犬の特徴をどれだけ聞き出せるかが、訓練と、犬と使う人との組み合わせを決めるうえで大事なポイントになります。
言葉だけで分かりやすく伝えられる人
歩き方を指導する相手は視覚に障害のある人なので、身振り手振りや図を使った説明が伝わりません。言葉の説明だけで相手に分かってもらうにはどうすればよいかを、常に考えて実行することが求められます。
世代の違う人と向き合える人
盲導犬を使う人は、若い大学生から、訓練士の親より年上の人までさまざまです。世代の違う人に、安全で快適に盲導犬と歩いてもらうために何をどう伝えればよいかは、最初から分かる人はいません。試行錯誤を重ねながら、一人ひとりに合った対応を身につけていく柔軟さが必要です。
長い養成期間を続けられる人
訓練士になるまでに3年、歩行指導員になるまでに5年という長い期間、学び続ける必要があります。すぐに成果が見える仕事ではないため、地道な積み重ねを楽しめる人が向いています。
向いていないかもしれない人
反対に、犬と触れ合うことだけを目的にしている人、人と話すことが苦手で避けたい人、短い期間で資格を取りたい人は、仕事を始めてから理想と現実の差に悩む可能性があります。ボランティアで実際の仕事を見てから判断するのがおすすめです。
盲導犬の育成を支える仕組みを知っておく
盲導犬訓練士を目指すなら、盲導犬がどのような仕組みで育てられ、使う人に届くのかを知っておくと、採用の面接や養成期間での理解が深まります。
厚生労働省は、身体障害者補助犬について、身体障害者の自立と社会参加に役立つものとして、身体障害者補助犬法にもとづき訓練・認定された犬であり、法にもとづく表示をつけていると説明しています。盲導犬は、視覚に障害のある人が街の中を安全に歩けるよう支える犬です。
盲導犬の一生は、おおまかに次の流れで進みます。
- 育成団体で生まれる、または育成団体が迎える
- パピーウォーカーの家庭で1歳ごろまで育てられる
- 育成団体に戻り、訓練を受ける(訓練士が関わる期間)
- 盲導犬を希望する人と組み合わせを決め、一緒に歩く練習をする(歩行指導員が関わる期間)
- 盲導犬として使う人と暮らし、働く
- 引退して、リタイア犬ボランティアの家庭などで暮らす
訓練士と歩行指導員は、この流れの中心にいる職種です。同時に、パピーウォーカーやリタイア犬ボランティアなど、多くの人の協力によって成り立っていることも分かります。育成団体の多くは寄付や会費で運営されており、職員の採用の数が限られている背景には、こうした運営の事情もあります。
盲導犬を使う人を支える法律
盲導犬訓練士や歩行指導員は、盲導犬を使う人が社会の中で暮らすための法律の仕組みも理解しておく必要があります。盲導犬を渡したあと、使う人がお店や交通機関で困ったときに相談を受けるのも、育成団体の大切な役割だからです。
身体障害者補助犬法は、補助犬を連れた人の受け入れについて定めています。たとえば第9条には、次のように書かれています。
前二条に定めるもののほか、不特定かつ多数の者が利用する施設を管理する者は、当該施設を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない。 出典: e-Gov 法令検索(身体障害者補助犬法)
かみくだいて言うと、お店やホテル、病院など、多くの人が使う施設は、補助犬を連れた人の利用を断ってはいけない、という決まりです。同じ法律の第7条は国や自治体などが管理する施設について、第8条は電車やバス、飛行機などの公共交通機関について、同じように同伴を拒んではならないと定めています。ただし、施設に著しい損害が出るおそれがあるなど、やむを得ない理由がある場合は例外とされています。
この決まりがあっても、実際には補助犬を連れた人が入店を断られる例が報告されています。厚生労働省は、補助犬の受け入れについての周知の資料や、盲導犬を使いたい人向けのリーフレットを厚生労働省の身体障害者補助犬のページで公開しています。訓練士を目指す人は、こうした資料に目を通し、盲導犬を使う人がどんな場面で困るのかを知っておくと、仕事の意味をより深く理解できます。
また、補助犬を連れた人の受け入れを広げるための講演や見学の受け入れを行っている育成団体も多くあります。こうした啓発の活動も、訓練士や歩行指導員が関わる仕事の1つです。人前で分かりやすく話す力も、この仕事では求められます。
採用の応募で伝えたいこと
育成団体の採用は機会が少ないため、募集が出たときに準備ができているかどうかが結果を左右します。採用の条件や選考の方法は団体ごとに違うので、ここでは一般的に準備しておきたい点を整理します。
志望の理由を「人」の側から語れるようにする
「犬が好きだから」だけでは、盲導犬訓練士の仕事の半分しか見ていないことになります。視覚に障害のある人の暮らしを支える仕事だと理解していることを、自分の経験と結びつけて説明できるようにしておきましょう。ボランティアで見たこと、福祉や介護の仕事で感じたことなど、具体的な場面を1つ用意しておくと伝わりやすくなります。
これまでの経験を整理する
犬の飼育や訓練の経験、福祉や医療の仕事の経験、人に教える仕事の経験など、訓練士の仕事と重なる部分を書き出します。接客業や営業の経験も、人の話を聞き出し、言葉で分かりやすく伝える力の裏付けになります。
体力と生活の条件を確かめておく
訓練は屋外で長い時間歩くことが多く、体力が求められます。また、採用されると訓練施設のある地域に住むことになる場合があります。引っ越しができるか、家族の理解を得られるかを、応募の前に考えておきましょう。
養成期間を続ける覚悟を示す
訓練士になるまでに3年、歩行指導員までに5年かかる仕事です。採用する側にとっては、長く働き続けてくれる人かどうかが大切な判断材料になります。なぜこの仕事を長く続けたいのかを、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
社会人から目指す場合の考え方
盲導犬訓練士は、学校を出てすぐに目指す人だけの仕事ではありません。別の仕事をしてきた社会人が目指すこともあります。社会人から目指すときに考えておきたい点を整理します。
年齢の条件を確かめる
採用の条件は団体によって違い、募集ごとに年齢の条件が示されることがあります。募集の内容をよく読み、自分が応募できるかを確かめてください。
今の仕事を続けながら準備する
採用の機会がいつ来るかは分かりません。今の仕事を辞めて待つのではなく、仕事を続けながら、休日にボランティアに参加したり、視覚障害に関する本を読んだりして準備する方が、生活の面でも安定します。
前職の経験を強みにする
福祉、介護、医療、教育などの仕事の経験は、視覚に障害のある人への指導に活かせます。営業や接客の経験は、パピーウォーカーやボランティア、盲導犬を使う人とのやり取りで役立ちます。事務の経験は、報告書の作成や記録の管理に活かせます。前職と訓練士の仕事のつながりを、応募のときに説明できるようにしておきましょう。
盲導犬訓練士の働き方と、収入の考え方
盲導犬訓練士は、育成団体の職員として働く仕事です。給与や待遇は団体によって違い、公的な統計で一律の水準が示されているわけではありません。採用の募集が出たときに、募集の内容で給与、勤務時間、休日、勤務地を確かめる必要があります。
働き方の特徴として、次の点を知っておきましょう。
・訓練犬の世話は毎日欠かせないため、休日の勤務の体制を募集の内容で確かめておく
・訓練は屋外で行うため、暑さや寒さ、雨の日の中で長い時間歩くことがある
・盲導犬を使う人の自宅や地域に出向いて指導することがあり、出張が発生する
・訓練施設の所在地は団体ごとに違うため、通勤や住む場所を考える必要がある
訓練士として働いたあとの道としては、歩行指導員への昇格のほか、団体の中で後輩の訓練士の育成や、啓発活動を担う役割に進むこともあります。
犬や福祉に関わる経験を在宅ワークにつなげる
盲導犬訓練士は、育成団体に勤めて現場で働く仕事であり、在宅で資格を取ったり仕事をしたりすることはできません。ただし、盲導犬や補助犬、視覚障害に関わる知識や経験は、在宅の仕事でも活かせる場面があります。
たとえば、補助犬を連れた人の受け入れについての情報発信、視覚に障害のある人が使いやすいWebサイトの設計への協力、福祉や動物に関する記事の執筆などです。視覚に障害のある人がパソコンやスマートフォンを音声で使う方法を知っていると、誰にとっても使いやすいWebサイトやアプリづくりに役立つ視点を持てます。アプリの開発の仕事の全体像は、アプリケーション開発のお仕事で確認できます。
文章で情報を届ける仕事は、実績の見せ方で受注が大きく変わります。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績が少ない段階で何を見せればよいかを解説しています。
在宅ワーク市場から見た、専門経験の活かし方
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、福祉や動物の分野で現場を知っている人の知識は、在宅の仕事の中でも替えがききにくい価値を持っています。ネット上の情報の多くは、現場を知らない人が書いたものです。補助犬の受け入れ、障害のある人の暮らし、動物の世話について、現場を見てきた人が正確に書いた文章は、読み手に信頼されます。
一方で、専門の経験を持つ人ほど、仕事を受けるときの条件を自分で決めることに慣れていないことが多いと感じます。依頼者と直接やり取りできる形なら、中間マージンが乗らない分、依頼者は同じ予算で多くを頼め、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%で直接取引できる場を選ぶ意味は、専門性に見合った条件を自分で話し合える点にあります。
盲導犬訓練士を目指す道は、育成団体への就職から始まる長い道のりです。採用の機会を待つ間や、別の形で犬や福祉に関わりたいと考えたときには、在宅でできる仕事の選択肢も知っておくと役に立ちます。福祉や動物の分野での調査や情報整理の仕事の単価の考え方は、研究者の年収・単価相場で確認できます。まずは各育成団体の採用情報とボランティアの募集を確かめるところから始めてください。
よくある質問
Q. 専門学校を卒業すれば盲導犬訓練士の資格は取れますか?
盲導犬訓練士は、国家公安委員会の指定を受けた育成団体の職員として養成を受け、認定されることで名乗れる資格です。学校を卒業しただけでは取れません。犬の訓練や福祉の学校で学んだ知識は役に立ちますが、まず育成団体に採用されることが必要です。
Q. 盲導犬訓練士になるまでに何年かかりますか?
関西盲導犬協会の説明では、盲導犬訓練士は3年間、盲導犬歩行指導員はその後さらに2年間の養成期間が設けられています。期間や認定の方法は団体によって違うことがあるので、目指す団体の説明を確かめてください。
Q. 盲導犬訓練士の採用はどのくらいありますか?
関西盲導犬協会は、訓練士は全国に70名程度しかおらず、どの団体でも定期的に新しい職員を採用することはあまりないと説明しています。採用がある場合はホームページで公募する団体が多いので、各団体のページを定期的に確かめておくことが大切です。
Q. 採用を待つ間にできることはありますか?
育成団体のボランティアに参加して訓練士の仕事を身近に見る方法と、日本ライトハウスや国立障害者リハビリテーションセンター学院などの研修で視覚障害の専門知識を学ぶ方法があります。ボランティアの募集の有無や研修の条件は、各団体や施設に確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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