フリーランスのタスク管理のやり方と、案件が重なったときの整理の仕方


この記事のポイント
- ✓フリーランスのタスク管理のやり方を
- ✓案件と作業の書き出し方
- ✓稼働時間の記録まで順に解説します
会社に勤めていたころは、上司や同僚が締切を気にかけてくれていた。フリーランスになってからは、複数の取引先の仕事を自分1人で抱え、どの締切が先に来るのかを自分で覚えておくしかない。案件が2つ、3つと重なった週に、ある取引先の作業をすっかり忘れていて、前日の夜に気づいて慌てた。フリーランスのタスク管理を調べる人の多くは、こうした経験をしています。フリーランス向けの案件紹介の会社も、次のように書いています。
フリーランスは自由度の高い働き方ができますが、タスク・スケジュール管理を徹底する必要があります。 出典: freelance.levtech.jp
フリーランスのタスク管理が会社員のそれと違うのは、タスクの量より、取引先の数だけ締切と連絡の流れがあることです。1つの案件の中のタスクを並べるだけでは足りず、案件をまたいで、自分の時間をどう配るかを決める必要があります。
この記事では、フリーランスのタスク管理のやり方を、案件と作業の書き出し方から、1週間の計画の立て方、稼働時間の記録まで順に説明します。そのうえで、案件が重なったときに何から整理するか、納期を相談するときの伝え方、そもそも重なりを起こさないために受注の前に確かめることをまとめます。案件ごとのボードをガントやカレンダーで見渡せて、稼働の記録まで残せるプロジェクト管理の道具として、Pinateca も後半で紹介します。
フリーランスのタスク管理が難しくなる理由
フリーランスのタスク管理が難しくなるのは、本人の几帳面さの問題ではなく、働き方の構造によるところが大きいものです。主な理由は次の4つです。
- 取引先ごとに連絡の手段が違う(メール、チャットの各種サービス、電話)
- 取引先ごとに、締切の決め方や確認の流れが違う
- 本業の作業のほかに、請求、見積もり、営業、経理といった事務の仕事がある
- 誰も進み具合を確かめてくれない
1つ目と2つ目は、タスクが散らばる原因になります。ある取引先からはメールで、別の取引先からはチャットで依頼が届き、どちらも受信箱やチャットの中にタスクが埋もれたままになります。
3つ目は、見落とされがちな点です。会社員なら経理や営業の担当者がいますが、フリーランスは自分でやるしかありません。請求書の発行や見積もりの作成も、締切のあるタスクです。本業の作業だけを管理していると、月末に請求書を出し忘れる、といったことが起きます。
4つ目は、フリーランスにとってもっとも大きな違いです。遅れていても、締切の当日まで誰も気づきません。自分で自分の進み具合を確かめる仕組みを作ることが、タスク管理の目的になります。
案件と作業を1か所に書き出す
フリーランスのタスク管理の最初の手順は、すべての案件と作業を1か所に書き出すことです。取引先ごとに別々の場所で管理していると、案件をまたいだ締切の重なりが見えません。
書き出すときは、次の3つの階層で整理すると分かりやすくなります。
・案件:取引先と仕事の単位(「A社のWeb広告の運用」「B社の記事制作 10月分」など)
・工程:案件の中の大きな段階(「企画」「制作」「確認」「納品」など)
・作業:今日や明日に手を動かす単位(「構成案を書く」「画像を3枚選ぶ」など)
案件ごとに、締切、報酬、連絡の手段、確認の流れをメモしておきます。特に、取引先の確認にどのくらい日数がかかるかは、締切から逆算するときに欠かせません。確認に3営業日かかる取引先なら、自分の作業は締切の3営業日前に終える必要があります。
作業の単位は、30分から2時間程度で終わる大きさに分けます。「記事を書く」のような大きな単位のままだと、どれだけ時間がかかるかが見積もれず、1日の計画に入れられません。「見出しを決める」「本文の前半を書く」「表を作る」のように分けると、空いた時間に何ができるかが分かります。
事務の仕事も、同じ一覧に書き出します。毎月の請求書の発行、見積もりの返信、経費の記録、確定申告の準備。これらを本業の作業と同じ場所に並べておくと、月末に慌てることがなくなります。
依頼の入口を1つにまとめる
書き出した一覧を保つには、新しい依頼が届いたときに、必ずその一覧に書き加える習慣が必要です。依頼はメールやチャットで届くので、それぞれの受信箱から一覧へ移す流れを決めておきます。
決めておくとよいのは、次のような流れです。
- 1日に2〜3回、決まった時間にメールとチャットをまとめて確かめる
- 依頼や修正の指示があれば、その場で一覧に作業として書き加え、締切を入れる
- 書き加えたら、取引先に「承知しました。〇日までに対応します」と返す
- 受信箱のメッセージは、一覧に移したら既読や完了の印を付ける
ポイントは、2と3をセットにすることです。依頼を受けたその場で締切を決めて相手に伝えると、締切が曖昧なまま作業が溜まることがなくなります。相手も、いつ届くかが分かって安心できます。
チャットのサービスによっては、メッセージをタスクに変える機能や、後で確かめる印を付ける機能があります。ただ、取引先ごとにチャットのサービスが違うと、印があちこちに散らばります。最終的な一覧は1か所に決め、各サービスの機能は一覧へ移すまでの一時的な受け皿として使う、という分け方が混乱を防ぎます。
取引先ごとの確認の流れを記録しておく
フリーランスの作業は、自分の手を離れた後に、取引先の確認の工程が入ることがほとんどです。この確認の流れは取引先ごとに違い、タスク管理の見積もりを狂わせる大きな原因になります。
取引先ごとに、次の点を記録しておくと、計画の精度が上がります。
・確認する人は誰か(担当者1人か、上司の承認も要るか)
・確認にかかる日数の目安
・修正の依頼が来るのは何回くらいか
・確認の連絡が届きやすい曜日や時間帯
たとえば、担当者の確認の後に上司の承認が要る取引先では、提出から最終の返事まで1週間かかることがあります。この流れを知らずに、締切の前日に提出すると、修正の時間がなくなります。
修正の回数も、取引先によって傾向があります。初回の提出でほぼ決まる取引先もあれば、毎回2〜3回の修正の往復がある取引先もあります。過去の案件の記録から傾向をつかんでおけば、修正の時間をあらかじめ計画に入れられます。
この記録は、新しい案件の見積もりを出すときにも役立ちます。同じ取引先からの依頼なら、作業の時間に確認と修正の時間を加えて、無理のない納期を提案できます。
1週間の計画を立てる
案件と作業を書き出したら、1週間の単位で計画を立てます。フリーランスにとって、1日単位の計画だけでは、案件をまたいだ配分が見えにくくなります。1週間の中で、どの案件にどれだけの時間を使うかを先に決めておくと、日々の判断が楽になります。
1週間の計画は、週の初めか前の週の終わりに、30分ほどで次の順に立てます。
- 今週の締切を、案件をまたいですべて並べる
- 取引先との打ち合わせなど、動かせない予定をカレンダーに入れる
- 締切から逆算して、今週中に進めるべき作業を選ぶ
- 作業ごとの時間を見積もり、合計が今週使える時間に収まるかを確かめる
- 収まらなければ、来週に回せる作業を選ぶか、締切を相談する
4つ目の「今週使える時間」は、実際に作業に使える時間で計算します。週に40時間働くとしても、メールの返信や打ち合わせ、事務の作業に時間がとられるので、本業の作業に使えるのは、その6〜7割程度と考えておくと現実に近くなります。
時間を案件ごとに配るときは、曜日や時間帯で分ける方法もあります。フリーランスのスケジュール管理について、ある求人サービスの記事は、外部の記事を引きながら次のような例を紹介しています。
朝の2時間を最も集中力が高い作業にあて、午後は電話やメールの返信、会議などの対応にあてる具体例が示されています。 出典: job.tracks.run
案件ごとに曜日を決める方法(月曜と水曜はA社、火曜と木曜はB社)は、切り替えの手間が減る一方で、急ぎの依頼に対応しにくくなります。時間帯で分ける方法(午前は集中する作業、午後は連絡と事務)は、どの案件にも少しずつ対応できます。自分の仕事の性質に合うほうを選びます。
取引先によっては、先方の確認の期間中に、別の案件の作業を進められます。確認待ちの時間を空き時間として計画に組み込めるのも、確認の流れを把握しているからこそです。逆に、確認の結果が届く日に別の案件の締切を重ねると、修正の対応と締切の作業がぶつかります。確認の返事が届きそうな日には、修正のための時間を少し空けておくと、重なりを避けられます。
1日の進め方と、毎日の見直し
1週間の計画ができたら、毎日の進め方は単純になります。朝に、その日に取り組む作業を一覧から3〜5個選び、順に片付けていきます。
1日の終わりには、10分ほどで次のことを確かめます。
・今日予定していた作業のうち、終わったものと終わらなかったもの
・終わらなかった作業を、明日以降のどこに入れるか
・今日届いた新しい依頼が、一覧に書き加えられているか
・明日の最初に取り組む作業はどれか
最後の「明日の最初の作業」を決めておくと、翌朝、メールを開く前に作業を始められます。朝いちばんに受信箱を開くと、届いた依頼に反応しているうちに午前が終わることがよくあります。
週の終わりには、1週間の計画と実際の進み具合を比べます。予定より時間がかかった作業があれば、その理由と、次に同じ種類の作業をするときの見積もりを直しておきます。見積もりの精度が上がるほど、受注の判断も正確になります。
稼働時間を記録して、見積もりと請求に生かす
フリーランスのタスク管理で、会社員のときより大切になるのが、作業にかかった時間の記録です。記録しておくと、次の3つに役立ちます。
- 見積もりの根拠になる:同じ種類の仕事にどれだけ時間がかかったかが分かり、次の見積もりを正確に出せる
- 時間あたりの報酬が分かる:案件ごとに、報酬を作業時間で割ると、どの仕事が割に合っているかが見える
- 請求の根拠になる:時間単位で受けている仕事では、記録がそのまま請求の明細になる
2つ目は、案件を選ぶときの判断材料として特に役立ちます。報酬の額が大きい案件でも、修正の往復が多く、時間あたりに直すと低くなっている、ということはよくあります。記録がないと、こうした差は感覚でしか分かりません。
記録の方法は、表計算ソフトに日付、案件、作業、時間を書くだけでも始められます。30分単位で十分です。細かく記録しようとすると、記録そのものが負担になって続きません。
時間単位や月額の固定で受けている仕事では、毎月の稼働の報告を取引先に求められることもあります。報告の形を最初に取引先と決めておき、日々の記録からそのまま作れるようにしておくと、月末の作業が軽くなります。
案件が重なったときの整理の手順
どれだけ計画を立てても、案件が重なる週はやってきます。複数の取引先から同時に急ぎの依頼が届いた、ある案件の確認が遅れて、別の案件の作業と同じ週にずれ込んだ。こうしたときは、慌てて手を付ける前に、次の手順で整理します。
手順1:重なっている作業と締切を全部並べる
まず、今週から来週にかけての締切を、案件をまたいですべて並べます。頭の中で考えていると、どれも同じくらい急ぎに見えますが、並べてみると、本当に重なっているのは2〜3件だけ、ということもよくあります。
手順2:作業の時間を見積もり、使える時間と比べる
並べた作業ごとに時間を見積もり、合計します。締切までに使える時間と比べて、収まるかどうかを確かめます。収まるなら、順番を決めて進めるだけです。収まらないなら、手順3に進みます。
手順3:動かせるものを探す
収まらない場合は、次の順に動かせるものを探します。
・締切に余裕を持たせて設定していた作業はないか
・一部だけ先に納めて、残りを後にできる作業はないか
・自分でなくてもできる作業はないか(外注や、取引先の側で対応してもらえる部分)
・締切を相談できる取引先はどこか
締切の相談は最後の手段ですが、早めに相談するほど、取引先の側も調整しやすくなります。締切の前日に「間に合いません」と伝えるのと、1週間前に「この日なら確実にお届けできます」と伝えるのとでは、受け取る側の印象がまったく違います。
手順4:順番を決め、取引先に伝える
動かせるものを動かしたら、残った作業の順番を決めます。他の人の作業の前提になっている作業(取引先の側でその後の工程が控えているもの)を先にし、自分の作業で完結するものを後にします。順番が決まったら、関係する取引先に、それぞれの納品の見込みを伝えておきます。
納期を相談するときの伝え方
案件が重なって、どうしても締切に間に合わない場合は、取引先に納期を相談します。伝え方によって、相手の受け取り方は大きく変わります。
相談するときに含めるのは、次の4つです。
- 現在の進み具合(どこまで終わっているか)
- 間に合わない理由(簡潔に)
- 確実に納められる日
- 先に納められる部分があれば、その内容と日付
伝え方の例を挙げます。
「〇〇の件、構成と前半の原稿まで仕上がっております。後半の資料の確認に想定より時間がかかっており、当初の〇日には全体をお届けできない見込みです。前半の原稿は予定どおり〇日にお送りし、後半は〇日にお届けいたします。ご都合が悪いようでしたらご相談させてください。」
ポイントは、言い訳を長くしないことと、「確実に納められる日」を示すことです。「できるだけ早く」では、相手は次の予定を立てられません。また、一度伝えた日は必ず守ります。2回目の延期は、1回目より信頼を大きく損ないます。
受注の前に確かめること
案件の重なりを根本から減らすには、受注の段階で無理のない量に抑えることが大切です。新しい依頼を受ける前に、次の点を確かめます。
・今受けている案件の締切と、新しい案件の締切が重なっていないか
・新しい案件の作業時間を見積もり、今の稼働に加えても収まるか
・取引先の確認の流れと、修正の回数の目安
・報酬の額と支払いの期日、作業の範囲
最後の点は、書面やメールで取り決めておきます。2024年11月に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の第3条では、業務を委託する事業者は、委託をしたら直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法でフリーランスに示さなければならない、と定められています。第4条では、一定の条件にあたる発注者の場合、報酬の支払期日は、給付を受け取った日から60日以内の、できる限り短い期間内で定めなければならない、とされています。条文は e-Govのフリーランス・事業者間取引適正化等法 で確かめられます。
作業の範囲と修正の回数を取り決めておくことは、タスク管理の面でも効きます。範囲が曖昧なまま受けると、作業が後から増え続け、計画した時間が足りなくなります。取引の条件で困ったときの相談先として、厚生労働省は「フリーランス・トラブル110番」を案内しています。詳しくは 厚生労働省のフリーランスの方へのページ にまとめられています。
事務の仕事を月のカレンダーに組み込む
フリーランスのタスク管理で漏れやすいのが、本業の作業以外の事務の仕事です。毎月や毎年決まった時期に来るものは、あらかじめカレンダーに入れておくと、忘れずに済みます。
毎月の事務として多いのは、次のようなものです。
・請求書の発行(取引先ごとの締め日に合わせる)
・入金の確認(支払期日の翌日に確かめる)
・経費の記録と、領収書の整理
・翌月の稼働の見込みの確認と、新しい案件の相談への返信
請求書の発行は、取引先ごとに締め日が違うことがあります。月末締めの取引先、20日締めの取引先が混ざっていると、どちらかを出し忘れます。取引先ごとの締め日を一覧にし、それぞれの日に「請求書を発行する」という作業を毎月繰り返す予定として入れておきます。
入金の確認も、作業として入れておきます。支払期日を過ぎても入金がないことに気づくのが遅れると、取引先への確認も遅れます。支払期日の翌日に通帳やネットバンキングを確かめる作業を入れておけば、早めに問い合わせができます。
年に1回の事務としては、確定申告の準備があります。1年分の経費の記録を申告の直前にまとめようとすると、大きな手間になります。毎月の経費の記録を作業として入れておけば、申告の時期の負担は小さくなります。
フリーランスに合ったタスク管理の道具の選び方
タスク管理の道具は、紙の手帳から、スマートフォンのアプリ、プロジェクト管理の道具まで、さまざまあります。フリーランスが選ぶときは、次の3つの観点で考えると迷いません。
1つ目は、案件をまたいで締切を一覧できるかです。取引先ごとに別の道具を使うと、締切の重なりが見えなくなります。すべての案件を1つの道具で管理でき、締切の近い順や、カレンダーの形で全体を見られるものを選びます。
2つ目は、取引先と共有する必要があるかです。自分だけで管理するなら、使い慣れた道具で十分です。取引先と進み具合を共有したい場合は、相手を招待できる道具が向いています。取引先が指定する道具を使う場合は、その案件のタスクだけはそちらで管理し、締切だけを自分の一覧に写しておくと、全体の把握を保てます。
3つ目は、更新の手間です。どれだけ機能が多くても、更新が面倒な道具は続きません。スマートフォンからすぐに書き加えられるか、作業を終えたら1回の操作で完了にできるか、といった手軽さを確かめます。
道具の候補として、次のように考えると選びやすくなります。
・案件が1〜2件で、作業も少ない:紙の手帳や、スマートフォンの標準のリマインダー
・案件が複数あり、自分だけで管理する:タスク管理のアプリや、表計算ソフトの一覧
・案件が多く、工程の日程を見たい、取引先と共有したい:ガントやカレンダーの形を持つプロジェクト管理の道具
最初から高機能な道具を選ぶ必要はありません。今の方法で困っていることが出てきたときに、それを解決できる道具に移すほうが、移した後も使い続けられます。
体調を崩したときや休むときの備え
会社員なら、休んだ日の仕事は同僚がある程度引き受けてくれます。フリーランスは、自分が動けなくなると、すべての案件が止まります。タスク管理の仕組みには、その備えも含めておきます。
備えとして効くのは、次の3つです。
- 締切の前に余裕の日を設ける:取引先の締切の1〜2日前を、自分の締切にしておく
- 取引先ごとの連絡先と、案件の状況が一目で分かる状態にしておく
- 長めの休みは、早めに取引先に伝える
1つ目の余裕の日は、体調だけでなく、思わぬ修正や確認の遅れにも効きます。取引先の締切ぎりぎりで計画を立てていると、1日の遅れがそのまま納期の遅れになります。
2つ目は、急に休むことになったときに、取引先へ連絡するための備えです。どの取引先の、どの作業が、どこまで進んでいるかが一覧で分かれば、体調が悪い中でも、短い連絡で状況を伝えられます。
3つ目の長めの休みは、夏や年末年始、家族の予定などで事前に分かるものです。休みの2〜3週間前には、取引先に休みの期間と、その前後の対応を伝えておきます。休みの前に納める作業を前倒しで計画しておけば、休み明けに案件が溜まって慌てることもありません。
副業で本業と両立するときの注意
会社に勤めながら副業として仕事を受けている場合は、使える時間がさらに限られます。平日の夜と週末だけで作業をするなら、1週間で使える時間を、最初に正直に見積もっておくことが大切です。
副業のタスク管理で気をつけたいのは、次の点です。
・本業の繁忙期を、副業の計画に先に入れておく(決算期、年度末など)
・平日の夜は疲れて作業が進まない日がある前提で、週末に余裕を残す
・副業の取引先からの連絡に、本業の時間中に対応しないよう、返信の時間帯を決めて伝えておく
最後の点は、本業の就業規則との関係でも大切です。本業の時間中に副業の連絡や作業をしないことは、副業を認めている会社でも求められることが多い決まりです。返信できる時間帯をあらかじめ取引先に伝えておけば、相手も急ぎの連絡の方法を考えてくれます。
副業の案件を受けるときは、本業と合わせた1週間の働く時間の合計が、無理のない範囲に収まるかも確かめます。受けすぎて本業に影響が出ると、副業そのものを続けられなくなります。
案件ごとのボードを、ガントやカレンダーで見渡せる道具を無料から試す
案件が3つ、4つと増えてくると、紙の手帳や1枚の表では、案件をまたいだ締切の重なりと、各案件の中の進み具合を同時に見るのが難しくなります。案件ごとに作業を管理しつつ、全体の締切を1つの画面で見渡せると、重なりに早く気づけます。
そうした使い方ができる道具の1つが Pinateca です。公式サイトによると、Pinateca はカンバン・ガント・カレンダー・リスト・ディスカッション・グリッド・時間割・リソースの8種類のボードとチャットを、最初から使えるプロジェクト管理の道具です。フリーランスのタスク管理と関わりが深いのは、次の機能です。
・ワークスペースを部署や案件ごとに無制限に作れる
・ガントチャートで、カードの開始日と締切を横棒で並べ、今日の線で遅れているタスクが分かる
・カレンダーボードで、締切が特定の週に固まっていないかを確かめる
・カードに見積工数や顧客名などの項目を自由に追加する(カスタムフィールド)
・自分宛のメンション、担当の割り当て、締切を受信箱に集める
・社外のゲストを招待でき、取引先と同じボードで進み具合を共有できる
稼働時間の記録には、追加のオプションの稼働タイムシートがあります。公式サイトによると、0.5時間刻みで稼働を入力し、担当者別・案件別・作業別に集計してCSVに書き出せるほか、稼働報告書と業務完了報告書を印刷してPDFにできます。時間単位・案件単位・月額固定の3つの契約の形を扱えます。料金は、入力する人1人あたり月額980円(税抜、年払いなら月額780円)です。
公式の料金ページでは、5人までのチームなら期限なしで無料で、ボードは10個まで、ガントチャートやチャットを含む全8種のボードが無料のプランから使えると書かれています。6人目や11個目のボードからは、スタンダードのプランで1人あたり月額500円(税抜、年払いなら月額400円)です。クレジットカードの登録は要りません。ChatGPT や Claude から、会話の中で「今週締切のカードを教えて」と頼んでボードを読ませる使い方もできます。
1人で使うなら、案件ごとにボードを作り、全体の締切はカレンダーで見る、という形から始めると、今の手帳や表との違いを判断しやすくなります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
続けるための小さな決まり
タスク管理の仕組みは、作ることより続けることのほうが難しいものです。フリーランスの場合、忙しい週ほど一覧の更新を後回しにしがちで、気づいたら一覧が古いままになっています。
続けるための決まりとして、次のような小さなものを決めておくと効果があります。
・依頼を受けたら、返信より先に一覧に書く
・1日の終わりの10分の見直しを、仕事を終える合図にする
・週に1回の計画の時間を、カレンダーに予定として入れておく
・道具は1つに絞り、気分で変えない
最後の点は意外と大切です。新しいアプリを試すたびに一覧を移していると、移す途中でタスクが抜けます。今の道具で困っていることがはっきりしてから、それを解決できる道具に1回だけ移す、という考え方をします。
フリーランスのタスク管理について、あるフリーランスの人は自分の記事でこう書いています。
自分のリズムを知って、それに合わせた仕組みを作る。それだけ。 出典: note.com
仕組みは、人の真似をするより、自分の仕事の流れに合わせて少しずつ直していくほうが長続きします。
タスク管理の力を、仕事の評価と単価につなげる
フリーランスにとって、タスク管理の力は、そのまま取引先からの評価になります。締切を守ること、進み具合を聞かれる前に伝えること、無理な依頼には根拠を持って答えること。これらはすべて、タスクと時間を把握しているからこそできることです。
業務の進め方や道具の使い方を改善する力は、それ自体が仕事にもなります。生成AIを使った業務の効率化を支援する仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で業務の内容が紹介されています。Webマーケティングの運用の仕事の内容は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確かめられます。フリーランスが使える国の支援の制度は、フリーランス 補助金 2026でまとめられています。
フリーランス・在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、長く仕事が続くフリーランスは、作業の速さより、「この人に頼めば、いつ何が届くかが分かる」という安心を取引先に与えています。案件が重なったときに早めに相談し、約束した日を守る。その積み重ねが、単価の交渉や次の依頼につながります。中間の仲介料がかからない直接の取引であれば、同じ予算で依頼主はより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。タスク管理は、その関係を長く続けるための土台です。
よくある質問
Q. フリーランスのタスク管理は何から始めればよいですか?
まず、すべての案件と作業を1か所に書き出します。案件、工程、作業の3つの階層で整理し、作業は30分から2時間で終わる大きさに分けます。請求書の発行や見積もりなどの事務の仕事も同じ一覧に入れます。そのうえで、週に1回、今週の締切を並べて作業を選ぶ計画の時間を取り、毎日の終わりに10分ほど見直すと、仕組みが回り始めます。
Q. 複数の案件の締切が重なったときはどうすればよいですか?
重なっている作業と締切を案件をまたいで全部並べ、作業の時間を見積もって、使える時間に収まるかを確かめます。収まらない場合は、一部を先に納められる作業や、締切に余裕を持たせていた作業がないかを探し、それでも足りなければ早めに取引先に納期を相談します。他の人の作業の前提になっている作業を先にすると、影響を小さくできます。
Q. 取引先に納期の延長を相談するときのコツはありますか?
現在の進み具合、間に合わない理由、確実に納められる日、先に納められる部分の4つを簡潔に伝えます。「できるだけ早く」ではなく、具体的な日付を示すことが大切です。相談はできるだけ早く行い、一度伝えた日は必ず守ります。前日になってからの相談や、2回目の延期は、取引先の信頼を大きく損ないます。
Q. フリーランスが稼働時間を記録するメリットは何ですか?
同じ種類の仕事にかかった時間が分かるので、次の見積もりを正確に出せます。案件ごとに報酬を作業時間で割ると、どの仕事が割に合っているかも見えます。時間単位や月額で受けている仕事では、記録がそのまま請求や稼働報告の根拠になります。記録は30分単位で十分で、細かくしすぎないほうが続きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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