フォームの回答を共有する方法と、チームで対応の状況をそろえる管理


この記事のポイント
- ✓フォームの回答を共有する方法を
- ✓回答のスプレッドシートだけを渡す方法
- ✓CSVの書き出しの4つに分けて手順で説明します
フォームの回答を共有する方法は、大きく分けて4つあります。フォームそのものの編集者に加える方法、回答がたまったスプレッドシートだけを渡す方法、回答者に結果の概要を見せる方法、そしてファイルに書き出して渡す方法です。どれを選ぶかは「誰に」「どこまで」見せたいかで決まります。
この記事では、Googleフォームを例に4つの方法の手順と向き不向きを整理し、共有で起きやすい個人情報の漏れを防ぐ設定を説明します。後半では、回答を共有したあとに「誰が対応したのか分からない」状態を避けるための表の作り方と、回答ごとに担当と状況を管理できるHalictのような道具を使う方法にも触れます。
回答の共有が必要になる場面
フォームを1人で作り、1人で回答を見ているうちは、共有の悩みは生まれません。困りごとが出てくるのは、回答を見る人が2人以上になったときです。
よくあるのは次のような場面です。
- お問い合わせのフォームを、営業とサポートの2つのチームで見たい
- イベントの申込を、受付の係と会場の係で確かめたい
- 社内アンケートの結果を、回答者全員に知らせたい
- 採用の応募を、面接をする現場の責任者にだけ見せたい
- 取引先から集めた情報を、社外の協力者と一緒に整理したい
それぞれ、見せたい相手と見せたい範囲が違います。営業とサポートには全部の回答を見せてよくても、採用の応募は特定の人だけに見せるべきですし、社内アンケートの結果は集計だけを見せ、個人の回答は伏せたいかもしれません。共有の方法を選ぶ前に、まず「誰に、何を、どこまで」を書き出しておくと、あとで設定を迷いません。
もう1つ大切なのは、相手に見せるだけでよいのか、相手にも書き込んでほしいのかという点です。対応の状況を書き込んでほしいなら、閲覧だけでなく編集の権限が必要になります。
書き出しの例を挙げます。お問い合わせのフォームなら「営業の3人には全回答を、書き込みあり」「経営者には月ごとの件数だけを、見るだけ」。採用の応募なら「人事の2人には全回答を、書き込みあり」「面接をする責任者には担当する応募者の行だけを、見るだけ」。このように、相手ごとに範囲と権限を1行で書いておくと、次の節から紹介する方法のどれを使えばよいかがすぐに決まります。
回答の数が増えたときの上限も確かめておく
長く使うフォームでは、回答の数の上限にも目を向けておきましょう。Googleのヘルプでは、2026年9月からGoogleフォームに新しい上限(合計の保存容量1GB、フォームあたりの回答数50万件)が適用されると案内されています。多くのフォームでは届かない数ですが、ファイルのアップロードの質問があるフォームや、何年も使い続ける受付のフォームでは、容量に近づくことがあります。年度ごとにフォームを作り直す、古い回答を書き出して保管する、といった区切りを決めておくと、共有の範囲も年度ごとに整理できます。
方法1:フォームの共同編集者に加える
もっとも手早いのは、相手をフォームの共同編集者に加える方法です。共同編集者はフォームの質問を直せるうえ、回答の画面もすべて見られます。Googleのヘルプによる手順は次のとおりです。
- Googleフォームでフォームを開く
- 共有アイコンをクリックする
- 相手のユーザー名またはグループ名を入力する
- 下矢印から[編集者]を選ぶ
- [送信]をクリックする
仕事用や学校用のアカウントでは、[有効期限を追加]から、アクセスを外す日付を決められます。期間の決まった協力者に渡すときに便利です。
この方法の注意点は、相手に渡るのが「回答を見る権限」だけではないことです。編集者は質問を書き換えたり、回答をまとめて削除したりもできます。Googleのヘルプでは、回答を削除すると元に戻せないと明記されています。回答を見てもらいたいだけの相手に、編集者の権限を渡すのは避けたほうが安全です。
もう1つ見落としやすいのが、回答のスプレッドシートとの関係です。Googleのヘルプは次のように説明しています。
新しい回答用スプレッドシートを作成すると、フォームの共同編集者は自動的にそのスプレッドシートにアクセスできるようになります。フォームの権限をさらに変更しても、自動的には同期されません。アクセス権を変更または削除するには、フォームとリンク済みシートの両方で権限を個別に更新します。 出典: support.google.com
つまり、共同編集者を外すときは、フォームとスプレッドシートの両方から外す必要があります。担当が異動したあと、フォームからは外したのに表には残っていた、という漏れが起きやすい点です。
共同編集者を加える前に確かめること
共同編集者を加える前に、次の3つを確かめておくと、あとから困りません。
1つ目は、オーナーが誰かです。フォームを作った人がオーナーになり、オーナーのアカウントが止まるとフォームの扱いに困ることがあります。Googleのヘルプでは、既存の編集者にオーナー権限を譲渡できると案内されています。担当者が個人のアカウントで作ったフォームを会社の業務で使い続けるなら、早めにオーナーを整理しておきましょう。
2つ目は、相手のアカウントです。個人のGmailと会社のアカウントを両方持っている人は少なくありません。どちらのアカウントに権限を渡すのかを本人に確かめてから追加します。
3つ目は、回答の画面で回答を削除しないという約束です。回答の削除は元に戻せないため、整理したいときもフォームの回答は残し、スプレッドシートの側で絞り込む、という決まりを共有しておきます。CSVの書き出しや回答の削除の手順は、Googleのフォームの回答を表示、管理するヘルプにまとまっています。
方法2:回答のスプレッドシートだけを共有する
回答を見てもらいたいだけなら、フォームではなく、回答がたまるスプレッドシートを共有するのが基本です。フォームの質問は触られず、相手に渡す権限も細かく選べます。
まず、回答をスプレッドシートにつなぎます。フォームの[回答]タブを開き、[スプレッドシートにリンク](または回答の送信先の選択)から、新しいスプレッドシートを作るか、既存のスプレッドシートを選びます。つないだあとは、回答が届くたびに表に1行ずつ追加されます。
次に、そのスプレッドシートを共有します。スプレッドシートの右上の[共有]から相手を追加し、権限を選びます。Googleドライブの共有では、権限は次の3つから選べます。
| 権限 | できること | 向いている相手 |
|---|---|---|
| 閲覧者 | 見るだけ | 回答の内容を確かめたいだけの人 |
| 閲覧者(コメント可) | 見る、コメントを付ける | 気づいたことを書き残してほしい人 |
| 編集者 | 見る、書き込む、共有の設定を変える | 対応の状況を書き込む担当者 |
対応の状況を書き込んでもらうなら編集者の権限が必要ですが、編集者は回答の行そのものも書き換えられます。回答の内容を誤って消されないように、後で説明する「保護」の設定を合わせて使うのが安心です。
一部の列だけを見せたいとき
回答に氏名や電話番号が含まれていて、相手には集計に必要な列だけを見せたい場合は、別のスプレッドシートを作り、IMPORTRANGE関数で必要な列だけを取り込む方法があります。IMPORTRANGEは、別のスプレッドシートの指定した範囲を読み込む関数です。元の表は自分だけが持ち、取り込んだ側の表を相手に共有すれば、見せたくない列は相手の手元に届きません。
ただし、取り込んだ側の表でも、元の表のURLを知っている人は元の表へのアクセスを申請できます。元の表の共有の設定は「制限付き」のままにしておき、申請が来ても安易に許可しないようにしてください。
方法3:回答者に結果の概要を見せる
社内アンケートや投票のように、回答者全員に結果を知らせたいときは、フォームの設定で結果の概要を見せられます。Googleのヘルプによる手順は、フォームの上部の[設定]から[プレゼンテーション]の横の下矢印を開き、[結果の概要を表示する]をオンにする、というものです。
この設定には、はっきりとした注意書きがあります。
回答の概要には、各質問に対する回答の全文やグラフが表示されます。フォームに回答可能なすべてのユーザーは、これらの概要を閲覧できます。 出典: support.google.com
「回答の全文」という点が大切です。選択式の質問はグラフになりますが、記述式の質問は、ほかの回答者が書いた文章がそのまま表示されます。氏名、連絡先、個人的な事情を書く欄があるフォームでこの設定をオンにすると、回答者どうしで中身が見えてしまいます。
結果を知らせたいけれど、記述の中身は伏せたい場合は、この設定は使わず、集計したグラフだけを別の資料にして配るほうが安全です。フォームの[回答]タブの[概要]には、質問ごとのグラフが表示されるので、それを資料に貼り付けて配ります。
方法4:CSVで書き出して渡す
相手がGoogleのアカウントを持っていない、社内の別のシステムに読み込みたい、といった場合は、回答をファイルに書き出して渡します。フォームの[回答]タブで、その他のアイコンから[回答をダウンロード(.csv)]を選ぶと、すべての回答が1つのファイルになります。CSVは、表の中身を文字だけで書いた形式のファイルで、Excelや多くの業務ソフトで開けます。
この方法は手軽ですが、渡したあとは管理の手を離れます。ファイルはメールに添付され、相手のパソコンに保存され、さらに別の人に転送されるかもしれません。回答に個人の情報が含まれるなら、必要な列だけを残したファイルを作る、パスワード付きの圧縮や社内の共有ドライブを使う、渡した日と相手を記録する、といった手順を決めておきましょう。
また、書き出したファイルは、その時点の回答の写しにすぎません。あとから届いた回答は含まれないため、何度も書き出しては送る運用になりがちです。継続して共有したいなら、方法2のスプレッドシートの共有のほうが手間は少なくなります。
Excelで開いたときに文字が崩れる場合
書き出したCSVをExcelで開くと、日本語の部分が読めない記号に崩れることがあります。これは文字化けと呼ばれ、ファイルの文字の記録の仕方(文字コード)と、Excelが想定している文字コードが食い違うと起きます。
文字化けしたときは、ファイルをダブルクリックで開くのではなく、Excelの[データ]タブにある[テキストまたはCSVから]を使って読み込みます。読み込みの画面で元のファイルの文字コードとして「UTF-8」を選ぶと、日本語が正しく表示されることが多いです。相手がExcelで開くことが分かっている場合は、渡す前に自分で一度開いて確かめておくと、相手の手間を省けます。
日付や電話番号の列にも注意が必要です。Excelは、数字の並びを自動で日付や数値に置き換えることがあり、電話番号の先頭の0が落ちる、といった崩れが起きます。読み込みの画面で、その列の形式を「文字列」に指定しておくと防げます。
4つの方法の比べ方
ここまでの4つを、目的ごとに整理します。
| 方法 | 相手に見えるもの | 相手ができること | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| フォームの共同編集者 | 質問と全回答 | 質問の編集、回答の削除 | 一緒にフォームを作る人 |
| スプレッドシートの共有 | 全回答(列を絞ることも可) | 権限による | 回答を見る・対応する担当 |
| 結果の概要を表示 | 集計と記述の全文 | 見るだけ | 個人の情報を含まない投票やアンケート |
| CSVで書き出し | 書き出した時点の回答 | ファイルを自由に扱える | Googleのアカウントがない相手、別のシステム |
迷ったときは、方法2のスプレッドシートの共有を基本にし、相手が見るだけなら閲覧者、対応を書き込むなら編集者を選ぶと、多くの場面に対応できます。フォームの共同編集者は、本当に質問を一緒に作る人だけに絞りましょう。
チームで対応の状況をそろえる表の作り方
回答を共有したあとに起きやすいのが、「誰が対応したのか分からない」という問題です。問い合わせに2人が同時に返信してしまう、逆に全員が「誰かがやるだろう」と思って放置される。どちらも、共有はできていても、対応の状況が共有できていないために起きます。
これを防ぐには、回答のスプレッドシートに、対応のための列を加えます。回答の列の右側に、次の4つの列を作るのが基本です。
- 担当:誰が対応するか
- 状況:未対応、対応中、完了など
- 対応日:最後に動いた日
- メモ:やり取りの要点
「状況」の列は、自由に入力させるのではなく、プルダウン(決まった選択肢から選ぶ入力欄)にしておきます。スプレッドシートの[データ]から[データの入力規則]を開き、選択肢を「未対応」「対応中」「完了」のように決めます。人によって「済」「完了」「OK」と書き方がばらつくと、絞り込みが効かなくなるためです。
さらに、条件付き書式で「未対応」の行に色を付けると、開いた瞬間に手の付いていない回答が分かります。状況が「完了」の行を隠したいときは、フィルタ表示を使えば、他の人の見え方を変えずに自分だけ絞り込めます。
回答の列を守る
担当者に編集の権限を渡すと、回答の列そのものを誤って書き換えてしまうことがあります。スプレッドシートの[データ]から[シートと範囲を保護]を選び、回答の列の範囲を保護しておくと、指定した人以外は書き換えられなくなります。対応のための列は保護の対象から外しておけば、担当者は自分の列だけに書き込めます。
保護には、書き換えを完全に止める設定のほかに、書き換えようとしたときに警告を出すだけの設定もあります。最初は警告だけの設定で始め、誤って書き換える場面が実際に起きるようなら、完全に止める設定に切り替えるという段階の踏み方もできます。どちらの設定にしたかは、手順書に書いておきましょう。
列を挿入しない
回答のスプレッドシートは、フォームと結び付いています。回答の列の途中に新しい列を挿入すると、フォームから届く回答の書き込み先がずれる原因になります。対応のための列は、必ず回答の列の右端に加えましょう。フォームに質問を追加すると回答の列が右に伸びるため、対応の列とぶつからないように、間に数列の余白を空けておくのも1つの方法です。
スマートフォンで確かめる人がいるとき
外回りの多い担当者や、店舗で接客をしながら回答を確かめる人は、パソコンではなくスマートフォンで回答を見ることになります。Googleのヘルプによると、回答用のスプレッドシートはGoogleスプレッドシートのアプリからも開けます。ただ、スマートフォンの小さな画面では、横に長い表は見づらく、プルダウンの選び間違いも起きやすくなります。
スマートフォンで確かめる人が多い場合は、表の左端に「受付日」「担当」「状況」「要件の要約」のような大切な列を寄せておくと、画面を横に送らずに状況が分かります。フィルタ表示を使って、担当者ごとに「自分の担当で未対応のもの」だけを表示する見え方を作っておくと、スマートフォンでも迷わず自分の仕事にたどり着けます。
共有した回答から報告の資料を作る
回答を共有する目的が「結果を伝えること」なら、表をそのまま渡すより、集計した資料にしたほうが伝わります。毎月の問い合わせの件数、アンケートの満足度の分布、申込の多い曜日といった数字は、表を開いた人が自分で数えるのではなく、最初から集計して見せるのが親切です。
いちばん手軽なのは、フォームの[回答]タブの[概要]です。質問ごとに円グラフや棒グラフが自動で作られるので、そのまま資料に貼り付けられます。ただし、概要のグラフは全期間の回答をまとめたものなので、「今月だけ」「この店舗だけ」のように絞った数字は出せません。
絞った数字が必要なら、回答のスプレッドシートでピボットテーブルを使います。ピボットテーブルとは、表のデータを指定した項目ごとに数えたり合計したりして、別の表に整理し直す機能です。[挿入]から[ピボットテーブル]を選び、行に「お問い合わせの種類」、値に件数を指定すれば、種類ごとの件数が一覧になります。月ごとに数えたい場合は、タイムスタンプの列から月を取り出す列を作り、それを行に加えます。
集計の表とグラフは、回答の表とは別のシートに作り、報告を受ける人にはそのシートだけが見える形で共有するのが理想です。回答の生のデータを見せずに、必要な数字だけを渡せます。毎月同じ形の報告を作るなら、集計のシートを一度作れば、新しい回答が届くたびに数字が自動で更新されます。
社外の人と共有するときに確かめること
回答を社外の協力者や取引先と共有する場面では、社内での共有よりも確かめることが多くなります。
まず、回答者に伝えた利用の目的の範囲に収まっているかです。フォームの冒頭や送信後の画面で「お問い合わせへの回答のために使います」と伝えているのに、その回答を別の会社と共有すれば、回答者の予想を超えた使い方になります。社外と共有する可能性があるなら、フォームの説明文に、共有する相手や目的をあらかじめ書いておきます。個人の情報の扱いは、業種や契約によって求められることが変わるので、迷う場合は社内の担当部署や専門家に確かめてください。
次に、相手のアカウントの種類です。相手が会社のGoogle Workspaceのアカウントを使っている場合、自分の会社の設定によっては、社外のアカウントへの共有が制限されていることがあります。共有しようとして警告が出たら、自分の判断で回避せず、社内の管理者に確かめます。
最後に、共有を終える日です。社外の協力者との仕事は、期間が決まっていることがほとんどです。共有の時点で有効期限を付けるか、終了の日をカレンダーに登録しておき、その日に権限を外す手順を決めておきます。期間が終わっても権限が残っている状態は、相手に悪意がなくても、情報の漏れにつながる入口になります。
共有の決まりを1枚の手順書にしておく
ここまでの設定は、一度決めてもメンバーが入れ替わるたびに崩れがちです。新しく加わった人が「とりあえずリンクで共有」してしまう、退職した人の権限が残る、状況の書き方が人によって変わる。こうした崩れを防ぐには、共有の決まりを1枚の手順書にしておくのが効果的です。
手順書に書く項目は、次の5つで足ります。
- フォームの編集者は誰か(名前を列挙する)
- 回答の表を見てよい人と、その権限(閲覧者か編集者か)
- 対応の列の書き方(担当、状況の選択肢、対応日の書き方)
- 社外と共有するときの手順と、共有を終える日の決め方
- 担当が替わったときに外す権限の一覧(フォーム、回答の表、集計の表)
この手順書は、回答の表の1枚目のシートに書いておくと、表を開いた人が必ず目にします。半年に1回、手順書と実際の共有の設定を見比べ、食い違いがあれば直す日を決めておくと、共有の状態を健全に保てます。
共有で起きやすい失敗と、その防ぎ方
回答の共有でよく起きる失敗を、原因と防ぎ方の組で整理します。
1つ目は、リンクを知っている全員に公開してしまう失敗です。スプレッドシートの共有の[一般的なアクセス]を「リンクを知っている全員」にすると、URLが転送された先の誰でも見られる状態になります。回答に個人の情報が含まれる表は「制限付き」にし、相手を1人ずつ追加します。
2つ目は、担当が替わったあとに権限を外し忘れる失敗です。先ほど触れたように、フォームとスプレッドシートの権限は別々に管理されます。担当が替わるときは、フォーム、回答のスプレッドシート、取り込み先の表の3つを順に確かめる、という手順を決めておきましょう。仕事用のアカウントなら、共有の時点で有効期限を付けておくと、外し忘れを防げます。
3つ目は、編集者が回答を消してしまう失敗です。フォームの回答の画面から回答を削除すると元に戻せません。スプレッドシート側のデータは残りますが、フォームの集計とは食い違います。回答を削除する権限を持つ人は、できるだけ少なくしておきます。
4つ目は、結果の概要を表示する設定を、個人の情報を含むフォームでオンにする失敗です。テンプレートを使い回すと、前のアンケートの設定が残っていることがあります。新しいフォームを公開する前に、[設定]の[プレゼンテーション]を開いて確かめる習慣をつけておくと安心です。
共有のあとの対応の流れを決める
表と権限を整えても、「回答が届いてから完了するまで」の流れが決まっていないと、対応はばらつきます。チームで回答を扱うなら、次の5つの段階と、それぞれの段階で誰が何をするかを決めておきます。
- 受付:回答が届いたことに気づく。誰が、どの手段で気づくのかを決める(フォームの通知メール、表を毎朝開く当番など)
- 担当決め:誰が対応するかを決め、表の担当の列に名前を入れる。内容によって担当が決まるなら、種類ごとの担当を一覧にしておく
- 一次返信:回答者に受け付けた旨と、いつまでに返事をするかを伝える。社内で返事の目安(例として「翌営業日まで」)を決めておく
- 対応と完了:必要な作業をして回答者に返事をし、状況を完了に変える。やり取りの要点をメモに残す
- 振り返り:月に1回、件数や対応にかかった日数を見て、よくある質問への答えをフォームの説明に加えるなど、改善につなげる
この流れのうち、つまずきやすいのは1と2です。全員に通知が届く設定にすると、全員が「誰かが見ているだろう」と考えて担当が決まらず、誰にも届かない設定にすると、気づくのが遅れます。曜日ごとの当番を決める、内容の種類で担当を自動で決める、といった工夫で、「届いた回答に必ず誰か1人が手を挙げる」状態を作るのが要点です。
4の完了の判断も、人によって基準が違いがちです。「回答者に返事をした時点で完了」なのか、「回答者から了承の返事が来た時点で完了」なのかを決めておかないと、状況の列の意味がずれていきます。完了の定義を手順書に1行書いておくだけで、表の見え方がそろいます。
回答ごとに担当と状況を管理できる道具を使う
スプレッドシートに対応の列を作る方法は、無料で始められ、少人数なら十分に役立ちます。Googleフォームとスプレッドシートは、回答を集めて共有するところまでなら、多くの用途で不足はありません。
一方で、回答が毎日何件も届き、3人以上で手分けするようになると、表の運用には限界が見えてきます。返信はメールソフトで送るため、表の「状況」を書き換え忘れる。誰がいつ何を返したかは、メールの送信履歴を探さないと分からない。表とメールソフトを行き来する手間が、回答の件数に比例して増えていきます。
こうした場面では、フォームと回答の管理を1つにした道具を使う方法があります。その1つがHalictです。公式サイトの案内では、Halictはフォームを作り、届いた回答を1件ごとに担当と状況(ステージ)つきで管理し、同じ画面から返信まで送れます。返信の開封まで記録されるので、「返したかどうか」を表で書き換える必要がありません。ワークスペースにメンバーを招待して、フォームと回答をチームで管理できます。
料金のページによると、フリーのプランはメンバー1人までで、フォームの数と回答の数は無制限です。メンバー3人までのスターターのプランは月額2,980円(税抜)で、Googleスプレッドシートへの連携が使えます。メンバー10人までのチームのプランは月額7,800円(税抜)で、閲覧のみの権限や、Teams・Slack・Chatwork への通知が加わります。「回答は見せたいが書き換えはさせたくない」相手がいる場合は、閲覧のみの権限が役立ちます。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
表で回すか、道具を使うかの目安は、回答の件数と対応する人数です。1日に数件を1人から2人で見るなら、スプレッドシートの対応の列で十分です。複数人で手分けし、返信まで記録に残したいなら、管理の機能を持った道具のほうが、状況の書き換え忘れが起きにくくなります。
回答の共有と管理を仕事にする人の視点
フォームの回答の共有と管理は、表の設定とメールのやり取りが中心のため、在宅で請け負われることの多い業務です。問い合わせの一次対応、申込の受付、アンケートの集計といった仕事は、事務やサポートの業務委託として依頼されています。AIや自動化の道具を使った業務の見直しまで含めて受けたい場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、どのような依頼が出ているかの傾向を確かめられます。
フォームや回答の画面そのものを作る側に回りたい人には、アプリケーション開発のお仕事が参考になります。業務用のフォームや管理画面の開発で求められる内容が整理されています。
2004年から在宅ワークと業務委託の仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、受付や一次対応の仕事で長く頼られる人には共通点があります。対応の速さそのものより、「どこまで対応したか」を依頼者がいつでも確かめられる形で残していることです。担当と状況の列を欠かさず更新し、判断に迷った回答はメモに理由を書いて依頼者に回す。こうした記録の丁寧さが、依頼者の安心につながり、任される範囲を広げていきます。
また、こうした業務は依頼者と直接やり取りできるほうが進めやすい分野です。共有の範囲や返信の文面を、依頼者とすり合わせながら決める場面が多いためです。仲介の手数料がかからない直接のやり取りなら、同じ予算でも細かな確認に時間を使え、受け手の手取りも厚くなります。業務の流れ全体の改善まで提案したい人は、経営の課題を整理する資格の中小企業診断士の考え方を学んでおくと、事務の作業から改善の相談へと仕事の幅を広げやすくなります。
よくある質問
Q. Googleフォームの回答を、質問は編集させずに見せることはできますか?
できます。フォームの共同編集者には加えず、回答がたまるスプレッドシートだけを共有し、権限を閲覧者にします。相手は回答の一覧を見られますが、フォームの質問や回答の行は書き換えられません。対応の状況を書き込んでもらいたい場合は編集者の権限にし、回答の列を保護しておくと誤って書き換えられる心配が減ります。
Q. 共同編集者を外したのに、回答のスプレッドシートが見られてしまうのはなぜですか?
フォームとスプレッドシートの権限は自動では同期されないためです。新しい回答用のスプレッドシートを作ると、その時点の共同編集者には表へのアクセスも付きますが、あとでフォームから外しても表の権限は残ります。担当が替わったときは、フォームとスプレッドシートの両方で権限を確かめて外してください。
Q. 回答者全員に結果を見せても問題はありませんか?
選択式の質問だけのアンケートなら問題になりにくいですが、記述式の質問がある場合は注意が必要です。結果の概要には記述の全文が表示されるため、氏名や個人的な事情が書かれていると、ほかの回答者にも見えてしまいます。個人の情報を含むフォームでは設定をオンにせず、集計したグラフだけを別の資料にして配るほうが安全です。
Q. 複数人で回答に対応するとき、二重の返信を防ぐにはどうすればよいですか?
回答のスプレッドシートの右側に、担当、状況、対応日、メモの列を作り、返信の前に担当の欄に自分の名前を入れる決まりにします。状況はプルダウンで選ぶ形にし、未対応の行に色を付けると、手の付いていない回答がすぐに分かります。返信したら状況を完了に変える、という手順をチームで共有しておくことが大切です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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