歯科衛生士が派遣で働くという選び方|常勤との違いと向き不向き【2026年版】


この記事のポイント
- ✓歯科衛生士 派遣の仕組みを常勤と比較して整理
- ✓向き不向きの判断基準までを2026年8月時点の情報でフェアにまとめました
結論から書きます。歯科衛生士の派遣は、時給だけを見れば常勤より有利に見えます。しかし年収の総額、社会保険の扱い、契約期間の上限まで含めて計算すると、判断は分かれます。「派遣のほうが得」とも「派遣は損」とも言い切れないというのが、条件を並べたあとの正直な答えです。
この記事では、派遣という働き方の仕組みを法的な枠組みから確認したうえで、時給の相場、社会保険と税の扱い、契約期間のルール、そして常勤やパートとの比較を行います。メリットとデメリットは両方書きます。片方だけを並べた記事は、正直なところ判断材料になりません。
歯科衛生士の派遣には三つの型がある
登録型派遣
最も一般的な形です。派遣会社に登録し、案件が決まった期間だけ派遣会社と雇用契約を結びます。契約期間が終われば雇用関係も終了し、次の案件が決まるまでは無給になります。
歯科衛生士の派遣求人の大半がこの型です。契約期間は3か月更新が多く、更新を重ねて長期化するケースもあります。
無期雇用派遣
派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先が変わっても雇用は継続する形です。案件が途切れても給与が支払われるため、収入は安定します。ただし歯科衛生士の分野では、この形態を用意している派遣会社はまだ多くありません。
紹介予定派遣
一定期間派遣として働いたあと、双方が合意すれば派遣先に直接雇用される前提の契約です。転職を考えているが職場の実態が分からない、という人にとっては合理的な選択肢になります。派遣期間中に職場の雰囲気、器材、患者層、スタッフ間の関係を確認できるからです。
正直なところ、これは転職のリスクを下げる手段としてもっと使われてよい制度だと考えています。求人票の情報だけで転職先を決めるより、はるかに精度が高い。
日雇いはできない、という前提を先に押さえる
派遣を検討する人がまず知っておくべき制度があります。2026年8月時点の労働者派遣法では、30日以内の期間を定めて雇用する日雇派遣は原則として禁止されています。例外として政令で定められた業務と、年齢や就学状況、年収要件などを満たす人だけが認められています。歯科衛生士の業務はこの政令業務に含まれていません。
つまり、派遣会社を通じて一日だけ働くという形は、条件を満たさない限り成立しません。派遣を選ぶなら、原則として31日以上の契約が前提になります。
この制度の詳細は改正されることがあるため、実際に契約する段階では所管である厚生労働省の公表資料で確認してください。派遣会社の営業担当の説明だけを根拠にするのは危険です。一次情報にあたる習慣を持っておいたほうがいいでしょう。
時給の相場と、その数字の読み方
求人票に出ている水準
派遣の求人票では時給が明示されます。実際の募集を見ていきます。
【仕事内容】<職種>[派遣]歯科衛生士<雇用形態>派遣<給与>[派遣]時給1,800円~2,000円...<仕事内容>訪問歯科専任の歯科衛生士業務訪問先:施設・居宅 出典: 求人ボックス
時給1,800円から2,000円という水準は、常勤の月給を時給換算した額を上回ることが多いはずです。ただしこの案件は訪問歯科の専任であり、移動を伴う業務です。時給の高さには理由があります。
高い時給には条件がついている
派遣の時給が高く設定される理由は三つあります。第一に、賞与や退職金がないぶんを時給で調整しているため。第二に、即戦力として教育コストをかけない前提のため。第三に、訪問や特定領域のように負荷や専門性が高い業務のため。
三つ目については、募集要件を見ると明確です。
天王寺駅近くの病院で歯科衛生士の派遣のお仕事です。土日祝がお休みで、週3日からの勤務が可能です。歯科診療補助、スケーリング、PMTCなどの歯科衛生士業務全般をお任せします。歯科衛生士の実務経験が2年以上ある方を募集しています。電子カルテ、交通費支給、各種社会保険完備で、日勤のみのためプライベートとの両立も可能です。 出典: 求人ボックス
実務経験2年以上という条件が入っています。派遣は「教える人手がない現場に、すぐ動ける人を入れる」仕組みです。未経験やブランクが長い人にとって、派遣は入口として適していません。ここは正直に書いておきます。
年収に換算すると景色が変わる
時給1,800円で週5日、一日8時間働いた場合、月の総支給はおおむね28万円台になります。年間で340万円前後です。
ここに賞与がありません。常勤で年2回、合計2か月分の賞与がある職場と比べると、月給が同水準でも年収では差がつきます。さらに退職金制度の有無、昇給の仕組み、有給の付与日数まで含めると、長期で見たときの総額は常勤が有利になりやすい構造です。
一方で、勤務日数を自分で選べる点は派遣の強みです。週3日から可能という条件は、常勤ではまず得られません。年収の絶対額ではなく、時間あたりの効率と自由度で評価するなら、派遣の評価は上がります。
社会保険と税金の扱いを正確に理解する
社会保険は派遣会社で加入する
派遣で働く場合、社会保険の加入手続きは派遣先ではなく派遣会社が行います。加入するかどうかは勤務時間や契約期間などの要件によって決まります。週の所定労働時間や契約の見込み期間が要件を満たせば、健康保険と厚生年金に加入することになります。
要件の詳細は制度改正で変わるため、契約前に厚生労働省の公表内容と、派遣会社が示す加入条件の両方を確認してください。「社会保険完備」と書かれていても、自分の勤務条件で実際に加入対象になるかは別の話です。ここは必ず個別に確認すべき点です。
契約が切れた期間の扱い
登録型派遣の弱点がここに出ます。契約と契約の間に空白期間ができると、社会保険の資格を喪失する場合があります。次の案件がすぐ決まればつながりますが、間が空くと国民健康保険と国民年金への切り替え手続きが必要になります。
この手間と費用を計算に入れずに「時給が高いから派遣にしよう」と決めると、あとで想定外の支出に直面します。
雇用保険と有給休暇
雇用保険も要件を満たせば加入します。有給休暇も、継続勤務の要件を満たせば付与されます。派遣だから有給がないというのは誤解です。ただし、派遣会社を変えると継続勤務のカウントがリセットされる点には注意が必要です。
確定申告が必要になる場合
一年の途中で派遣会社を変えた場合、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に提出しないと年末調整が正しく行われません。提出できなかった場合は自分で確定申告することになります。制度の詳細は国税庁の公表情報を確認してください。
複数の派遣会社に同時に登録して両方から給与を受け取っている場合も、申告が必要になる可能性があります。登録だけなら問題ありませんが、収入が発生した時点で管理が必要になります。
契約期間のルールを知らないと計画が狂う
同じ職場で働ける期間には上限がある
労働者派遣法には、同一の組織単位で派遣労働者が就業できる期間に関するルールがあります。原則として3年が上限とされ、それを超えて同じ部署で働き続けることはできません。この期限は抵触日と呼ばれます。
このルールがあるため、「気に入った職場で派遣のまま長く働く」という設計は原則として成立しません。3年が近づいた時点で、直接雇用に切り替えるか、別の職場へ移るかの選択を迫られます。
例外や細かい要件は法令で定められています。契約時には派遣会社から抵触日の通知があるはずなので、必ず内容を確認してください。制度の詳細は厚生労働省の公表資料に整理されています。
更新されない可能性は常にある
3か月更新の契約は、裏を返せば3か月ごとに継続の判断が行われるということです。派遣先の患者数が減った、常勤が採用できた、といった事情で更新されないことがあります。
これは能力の問題ではなく、需給の問題です。しかし収入が途切れる事実は変わりません。生活費の3か月分程度は手元に置いておくべきでしょう。
派遣が向いている人、向いていない人
向いている人
第一に、実務経験が3年以上あり、初日から一人で動ける人。派遣は即戦力を前提とする仕組みなので、ここが最大の適性です。
第二に、勤務日数や曜日を自分でコントロールしたい人。育児や介護、他の仕事との両立を優先するなら、週3日から選べる派遣は合理的です。
第三に、職場を試してから決めたい人。紹介予定派遣を使えば、転職の失敗確率を下げられます。
第四に、いろいろな医院や施設を経験したい人。特別養護老人ホームのような施設での業務も派遣求人には含まれます。
【経験・資格】経験:歯科衛生士経験 資格:歯科衛生士資格...<JR環状線今宮駅から徒歩9分>特別養護老人ホームでの歯科衛生士...株式会社ロフティーは、北関東をメインに人材派遣・紹介事業を展開する企業です。... 出典: 求人ボックス
歯科医院だけでなく、介護施設や病院での勤務が選択肢に入るのは派遣の特徴です。常勤ではこうした横断的な経験を短期間で積むことはできません。
向いていない人
第一に、実務経験が浅い人。教育を受けながら成長したいなら、常勤を選ぶべきです。
第二に、収入の安定を最優先する人。契約更新のリスクを許容できないなら、派遣は適しません。
第三に、同じ職場で長く働きたい人。3年の上限がある以上、この希望と派遣は構造的に相性が悪いのです。
第四に、賞与や退職金を含めた生涯収入を重視する人。時給の高さだけを見て判断すると、長期では逆転します。
派遣会社の選び方で見るべき五つのポイント
派遣という働き方の善し悪しは、正直なところ派遣会社の質にかなり左右されます。以下の五点を確認してください。
第一に、歯科や医療分野の取り扱い実績があるか。総合系の派遣会社では、歯科の現場理解が浅い担当者がつくことがあります。
第二に、社会保険の加入条件を明示しているか。曖昧な説明しかしない会社は避けたほうが無難です。
第三に、契約前に派遣先の見学ができるか。器材や患者層は、行ってみないと分かりません。
第四に、就業後のフォロー体制。トラブルが起きたときに間に入ってくれるかどうかは、実務上とても大きい。
第五に、複数の会社に登録して比較すること。同じ求人でも会社によって時給が違うことがあります。登録は無料なので、比較しない理由がありません。
派遣と在宅の仕事を組み合わせるという選択
派遣の弱点は、契約の切れ目に収入が止まることでした。これを補う方法として、在宅でできる仕事を並行して持つ設計があります。
歯科の知識が使える在宅の仕事
医療や歯科の分野は、専門知識を持つ書き手が不足しています。医院のウェブサイトの原稿、患者向けの説明資料、業界向けの記事。専門用語を専門外の人に伝わる言葉へ置き換える作業は、現場を知っている人にしか書けません。
在宅の執筆や編集の相場を知りたい人は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で公的統計に基づく水準を確認できます。契約の空白期間を埋める収入源として、現実的な選択肢です。
文書作成の基礎を体系的に押さえておきたいなら、ビジネス文書の型を扱ったビジネス文書検定のような資格ガイドが役立ちます。
派遣とフリーランスは似て非なるもの
派遣を選ぶ人の中には、いずれ独立を考えている人もいます。ただし派遣とフリーランスは、法的な立場も収入の構造もまったく違います。派遣は雇用されている労働者で、フリーランスは事業者です。この違いを整理した派遣エンジニアとフリーランスの違いを徹底比較|年収・安定性【2026年版】は、エンジニアを題材にしていますが、雇用と業務委託の違いという論点は職種を越えて共通します。
また、フリーランスとして働くつもりの人が転職サイトを使っても噛み合わないという話は転職サイトはフリーランスに向かない?エージェントとの正しい使い分けで整理されています。使う道具を間違えると、時間だけが減ります。
デジタル領域の知識は交渉材料になる
歯科医院も施設も、電子カルテやウェブでの集患にコストをかけています。院内でその話が分かる人は少ない。基礎的なIT知識があると、派遣先での役割が一つ増え、更新の判断に有利に働きます。
デジタル領域の仕事の中身はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で概要をつかめます。生成AIを業務に組み込む支援の考え方はAIコンサル・業務活用支援のお仕事に整理されています。システムがどう作られているかを知りたければアプリケーション開発のお仕事が参考になります。
ネットワークの基礎を扱うCCNA(シスコ技術者認定)のような資格を医療職が取る必要はありません。ただし院内のシステム担当と会話ができる程度の素養は、思わぬ場面で効きます。
なお、専門職が副収入を考えるときにシステム開発のような高単価領域を狙う必要はありません。ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見れば分かるとおり、あの市場には専業の高度人材が集まっています。医療職が勝てるのは、医療の知識を前提とする領域です。
未経験から別の職種へ移る場合の考え方そのものは未経験からWebエンジニアへの転職ガイド|30代からの挑戦と成功法則【2026年版】にまとまっています。職種は違いますが、経験がない状態をどう説明するかという論点は共通です。
在宅ワーク市場を長く見てきた立場からの観察
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、一つ観察を書きます。
雇用と業務委託を行き来する人を長く見てきましたが、うまくいく人には共通点があります。収入源を一本に絞らないことです。派遣の契約が切れる月があっても、別の収入が細くても流れていれば、次の案件を条件で選べます。逆に一本しかないと、条件の悪い案件でも受けざるを得なくなる。この差は年単位で見ると大きく開きます。
もう一つ。仲介手数料が引かれない直接取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%という条件の意味は、金額の大小そのものより「同じ仕事量で残るものが違う」という質の部分にあります。派遣のように中間に会社が入る働き方と比べると、この構造の違いは理解しておく価値があります。派遣会社は求人開拓と労務管理を代行してくれる存在であり、そのコストが時給と派遣料金の差に反映されている。これは悪いことではなく、対価の構造がそうなっているという話です。
求人データから見える構造の考察
最後に、求人情報を横断して見えてくる構造を整理します。
第一に、歯科衛生士の派遣求人は絶対数が多くありません。看護師や介護職に比べると市場は小さく、地域によっては選択肢がほとんどない状態です。都市部と地方の格差が、他の職種以上に大きく出ます。
第二に、訪問歯科と施設での業務の比率が高い。歯科医院の外来診療より、訪問や介護施設の求人が目立ちます。これは医院側が常勤で採用したがる一方、訪問や施設は変動する需要に人を合わせたいという事情の反映でしょう。
第三に、実務経験の要件が明示されている求人が多い。2年以上、3年以上といった条件が普通に入ります。派遣は即戦力の市場だと割り切ったほうがいいでしょう。
第四に、週3日から可という条件が広く見られる。これは常勤の求人にはない特徴で、派遣を選ぶ最大の理由になり得ます。
派遣という選択肢は、実務経験があり、勤務条件の自由度を優先し、収入の変動を許容できる人にとって合理的です。逆に、経験が浅い人や安定を最優先する人には勧めません。時給の数字だけで判断せず、年収の総額、社会保険の継続性、3年の上限まで含めて計算してから決めてください。
登録から就業までの実際の手順
派遣の手続きは常勤の応募とかなり違います。流れを把握していないと、希望の案件が出てから動いても間に合いません。
登録面談で聞かれること
派遣会社への登録では、まず面談があります。オンラインで完結する会社と、来社を求める会社の両方があります。ここで聞かれるのは、保有資格、実務年数、経験してきた処置の範囲、使用経験のある器材、希望する勤務日数と曜日、通勤可能な範囲、そして希望時給です。
このうち曖昧に答えてはいけないのが、経験してきた処置の範囲です。派遣は即戦力の前提で人を配置するため、実際にできること以上に申告すると、就業初日に困るのは自分です。できること、経験はあるが久しぶりなこと、経験がないこと。この三つに分けて正直に伝えたほうが、結果的に条件の合う案件に当たります。
希望時給についても、根拠を持って伝えたほうが通ります。同じ地域の同種の求人を三件ほど見て、その中央あたりを基準にする。これだけで交渉の質は変わります。
案件の紹介から顔合わせまで
登録が済むと案件が紹介されます。紹介の内容を見るとき、時給と勤務地だけでなく、次の項目を必ず確認してください。診療内容の範囲、一日の患者数、常勤の歯科衛生士が何名いるか、電子カルテか紙カルテか、そして契約期間と更新の見込みです。
派遣では就業前に職場見学の機会が設けられることがあります。これは面接ではなく、双方が条件を確認する場という位置づけです。せっかくの機会なので、器材の世代、滅菌の運用、スタッフ同士のやり取りの様子を自分の目で見てください。求人票からは絶対に分からない情報がここにあります。
契約書で確認すべき項目
就業条件明示書や労働条件通知書が交付されます。ここを読み飛ばす人が多いのですが、あとで揉める原因はほぼこの書面に書いてあります。
確認すべきなのは、業務内容の記載、就業時間と休憩、時間外労働の有無と割増の扱い、契約期間と更新の判断基準、抵触日、交通費の支給条件、そして苦情の申し出先です。特に業務内容の記載が「歯科衛生士業務全般」のような広い表現になっている場合は、口頭で具体的な範囲を確認して、記録を残しておくことをおすすめします。
苦情の申し出先というのは、派遣先でトラブルが起きたときに誰に連絡するかを定めた欄です。派遣という働き方の利点の一つは、直接言いにくいことを派遣会社経由で伝えられることにあります。この窓口が機能する会社かどうかは、就業後の負担を大きく左右します。
派遣先で評価される人の共通点
派遣は契約の更新が繰り返される働き方です。更新されるかどうかは、技術だけで決まるわけではありません。派遣先の判断材料を整理しておきます。
第一に、その職場のやり方に合わせられること。派遣で来る人は複数の医院を経験しているぶん、自分なりの手順を持っています。しかし派遣先には派遣先の運用があり、それを崩されることを嫌います。改善提案をするにしても、まず一度その通りにやってみてから伝えるほうが受け入れられます。
第二に、確認を惜しまないこと。分からないことを聞くのは手間をかけることだと考えて黙って進める人がいますが、逆です。あとで手戻りが発生するほうが、はるかに大きな手間になります。
第三に、記録を丁寧に残すこと。派遣は期間が限られているため、担当した患者の情報は必ず誰かに引き継がれます。次の人が読んで分かる記録を残せる人は、常勤スタッフから信頼されます。
第四に、勤怠が安定していること。当たり前のようですが、派遣先が最も重く見るのはここです。急な欠勤が続けば、技術がどれだけ高くても更新はされません。
第五に、契約範囲を守ること。求められるままに範囲外の業務を引き受けると、その場は感謝されますが、契約の前提が崩れます。断りにくい場面では派遣会社の担当者に間に入ってもらうのが正しい手順です。これは冷たい対応ではなく、派遣という仕組みが本来そう設計されているという話です。
派遣を選ぶ前に一度考えたい代替案
最後に、公平を期すために書いておきます。派遣を検討している人の目的が「勤務日数を減らしたい」「人間関係の負荷を下げたい」「収入を上げたい」のいずれかであれば、派遣以外の手段でも達成できる場合があります。
勤務日数を減らしたいだけなら、常勤からパートへの切り替え、あるいは週四日勤務を認める医院への転職という道があります。パートは時給では派遣に劣ることが多いものの、社会保険の継続性や職場との関係の安定という点で優れます。
人間関係の負荷を下げたいのであれば、規模の小さい医院から大きい組織へ、あるいはその逆へ移ることで解決することがあります。派遣にすれば人間関係から解放されるという期待は、半分は正しく、半分は誤りです。派遣であっても、その職場に毎日通う以上は関係が生まれます。
収入を上げたいのであれば、時給の高い訪問領域や、認定資格を取得して専門性で単価を上げる方向もあります。派遣にすることで得られる時給の上昇は、賞与や退職金の喪失と相殺される可能性がある点は、繰り返しになりますが押さえておいてください。
そのうえで、勤務条件の自由度を最優先する、複数の現場を短期間で経験したい、転職前に職場を試したい。この三つのいずれかが目的なら、派遣は他の手段では代替できない価値を持ちます。目的と手段が噛み合っているかを確認してから選んでください。
よくある質問
Q. 歯科衛生士は派遣で一日だけ働けますか?
2026年8月時点の労働者派遣法では30日以内の日雇派遣が原則禁止で、政令で定める業務と一定の要件を満たす人だけが例外です。歯科衛生士の業務は政令業務に含まれていません。そのため派遣では原則として31日以上の契約が前提になります。一日だけ働きたい場合は、医院との直接雇用のスポット求人を探すことになります。
Q. 派遣の時給はどのくらいが相場ですか?
求人票では時給1,800円から2,000円といった水準が見られます。ただし賞与や退職金がないため、年収の総額では常勤と逆転することがあります。また訪問歯科など負荷の高い業務ほど時給が上がる傾向があるため、金額だけでなく業務内容とセットで判断してください。
Q. 派遣でも社会保険や有給休暇はありますか?
勤務時間や契約期間の要件を満たせば、派遣会社を通じて健康保険と厚生年金、雇用保険に加入します。有給休暇も継続勤務の要件を満たせば付与されます。ただし契約の空白期間が生じると資格を喪失する場合があり、派遣会社を変えると継続勤務のカウントもリセットされます。
Q. 同じ職場で派遣として長く働き続けられますか?
労働者派遣法には、同一の組織単位で就業できる期間の上限があり、原則3年とされています。それを超えて同じ部署で働き続けることはできません。長く同じ職場にいたい場合は、紹介予定派遣を使って直接雇用への切り替えを前提にするのが現実的です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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