クロスステッチの図案販売|作り方と売れる図案のコツ


この記事のポイント
- ✓クロスステッチの図案を販売したい人向けに
- ✓方眼と記号で図案を作る手順
- ✓PDF のダウンロード販売と紙の図案とキットの違い
クロスステッチの図案販売は、自分で考えた刺しゅうの図案を、データや紙、キットの形で売る副業です。完成した作品を売る場合と違い、1つの図案を何度でも販売できるため、作る手間を積み重ねていける点が魅力です。在宅で、自分のペースで取り組めることから、刺しゅうが好きな人の副業として注目されています。一方で、「どうやって図案を作ればいいのか」「どんな図案なら売れるのか」「名画やキャラクターを図案にしてよいのか」と迷う人も多くいます。この記事では、図案の作り方、販売の形の違い、売れやすい図案の考え方、値段の付け方、著作権のルール、そして税金の目安までを順番に説明します。
クロスステッチの図案販売とは
クロスステッチは、布の目に沿って糸を×の形に刺し、模様を描く刺しゅうです。図案とは、どのマスにどの色の糸を刺すかを示した設計図のことで、方眼のマスに色や記号を入れて表します。
作品の販売との違い
完成した作品を売る場合、1つの作品を売るたびに、また1から刺す必要があります。図案を売る場合は、一度図案を作れば、同じ図案を何人にでも販売できます。作る時間は最初にまとめてかかりますが、売れるほど1件あたりの手間は小さくなります。
始めるときの負担
図案の販売は、始めるときの負担が比較的小さい副業です。データの図案なら、図案を作る道具と、試し刺しの材料があれば始められます。在庫を持たずに済むため、売れ残りの心配もありません。その代わり、1つの図案を作るのに時間がかかるため、最初の図案が売れ始めるまでは、収入より作業の時間のほうが多くなります。最初の数か月は、図案の数を少しずつ伸ばしていく期間と考えておくと、焦らずに続けられます。
図案を買う人
図案を買うのは、自分で刺しゅうを楽しみたい人です。市販の図案集にない模様を探している人、季節の飾りや贈り物を手作りしたい人、自分の好きな題材の図案を求めている人などが、手作りの図案を探しています。
図案を販売する3つの形
クロスステッチの図案を売る形には、大きく分けて3つあります。
| 販売の形 | 届け方 | 特徴 |
|---|---|---|
| データの図案 | PDF などのファイルをダウンロードしてもらう | 送料がかからず、在庫を持たずに済む |
| 紙の図案 | 印刷した図案を郵送する | データの扱いに慣れていない人にも届けやすい |
| キット | 図案に布と糸、針などを付けて送る | すぐに始められるため、初心者に喜ばれる |
データの図案
データの図案は、購入した人がファイルをダウンロードし、自分で印刷したり、画面で見たりして使います。送料がかからず、在庫を抱える必要もないため、始めやすい形です。一方で、ファイルの複製や配布を防ぐ方法を考えておく必要があります。
紙の図案
紙の図案は、印刷した図案を封筒に入れて郵送します。印刷と発送の手間はかかりますが、紙で見たい人や、自分で印刷する環境がない人に届けられます。色の付いた図案は、家庭のプリンターでは色味が変わることもあるため、印刷の仕上がりを確かめてから送りましょう。
キット
キットは、図案に、刺しゅうに使う布、糸、針などを付けて販売する形です。材料をそろえる手間が省けるため、初心者に喜ばれます。材料の仕入れと在庫の管理、梱包の手間がかかるため、図案の販売に慣れてから取り組むと無理がありません。
図案の作り方の手順
ここからは、図案を作る手順を順番に説明します。
1. 題材と大きさを決める
最初に、何を描くか、どれくらいの大きさにするかを決めます。図案の大きさは、縦と横のマスの数で表します。マスの数が多いほど細かい模様を描けますが、刺す人の手間も増えます。初心者向けなら小さめ、上級者向けなら大きめ、というように、届けたい相手に合わせて決めましょう。
2. 下絵を描く
題材の下絵を描きます。自分で描いた絵を使うのが基本です。紙に描いてから方眼に写す方法と、パソコンで最初から方眼に描く方法があります。
3. 方眼に落とし込む
下絵を方眼のマスに落とし込み、マスごとに色を決めます。曲線は階段状になるため、形がくずれないように、マスの並びを整えます。小さな図案ほど、1マスの違いで印象が大きく変わるので、丁寧に調整しましょう。
4. 糸の色を決める
使う糸の色を決め、図案の色と糸の色番号を対応させます。刺しゅう糸は、メーカーごとに色番号が決まっているので、どのメーカーの何番の糸を使うかを図案に書いておくと、買った人が糸をそろえやすくなります。使う色の数が多すぎると、糸をそろえる手間が増えるため、色の数も考えて決めましょう。
5. 記号を付ける
色だけで表した図案は、印刷の具合や、色の見え方の違いで分かりにくくなることがあります。色ごとに記号を割り当て、マスに記号を入れておくと、白黒で印刷しても刺せる図案になります。
6. 試し刺しをする
図案ができたら、自分で実際に刺してみます。図案だけでは気づかなかった色の組み合わせの違和感や、記号の見分けにくさが見つかることがあります。試し刺しの作品は、販売のページの写真にも使えます。
7. 図案の書類を仕上げる
最後に、図案、使う糸の一覧と必要な量の目安、布の種類と大きさ、刺し方の注意などを1つの書類にまとめます。完成の写真も入れておくと、刺す人が仕上がりを思い浮かべやすくなります。
図案の書類の構成の例
図案の書類は、刺す人が迷わずに作業を進められるように組み立てます。データの図案でも紙の図案でも、次のような構成にすると使いやすくなります。
- 表紙:図案の名前、完成の写真、作り手の名前とショップの名前
- 材料の一覧:布の種類と目の細かさ、仕上がりの大きさ、糸のメーカーと色番号、必要な量の目安
- 記号の一覧:記号と糸の色番号の対応表
- 図案:方眼に記号を入れた図。大きな図案は、ページを分けて、つなぎ目が分かるように印を付ける
- 刺し方の注意:刺し始めの位置、糸の本数、ほかの刺し方を使う部分の説明
- 利用の範囲:個人で楽しむ目的で使うこと、配布や販売をしないことなど
図案の見やすさの工夫
図案の方眼は、10マスごとに太い線を入れると、刺す人がマスを数えやすくなります。中心の位置に印を付けておくと、布の中心から刺し始めたい人にも便利です。記号は、形がはっきり違うものを選び、似た記号を隣り合う色に使わないようにしましょう。
紙の大きさを意識する
データの図案は、買った人が家庭のプリンターで印刷することが多いため、一般的な紙の大きさで印刷しても、マスと記号が読み取れる大きさにしておきます。印刷したときに小さすぎないか、試しに印刷して確かめておきましょう。
図案を作る道具
図案を作る道具には、いくつかの選択肢があります。
方眼の紙と色鉛筆
最も手軽なのは、方眼の紙に色鉛筆で塗っていく方法です。道具はすぐにそろいますが、修正に手間がかかり、データで販売する場合はスキャンが必要になります。
表計算のソフト
表計算のソフトのマスを方眼に見立て、セルに色を塗っていく方法もあります。修正がしやすく、データとして保存できるのが利点です。
図案を作る専用のソフトやアプリ
クロスステッチの図案を作るための専用のソフトやアプリもあります。糸の色番号の一覧が入っていたり、記号を自動で割り当てたりできるものもあり、作業の時間を短くできます。有料のものと無料で使えるものがあるので、機能と費用を比べて選びましょう。
画像から図案を作る機能の注意
写真や画像を読み込んで、自動で図案に変える機能を持つソフトもあります。ただし、他人が撮った写真や、他人が描いた絵を読み込んで作った図案を売ると、著作権の問題になります。この点は後で詳しく説明します。
売れやすい図案の考え方
どんな図案が売れるかは、時期や流行によっても変わります。ここでは、売れやすい図案に共通する考え方を紹介します。
使う場面がはっきりしている
完成した作品をどう使うかが思い浮かぶ図案は、選ばれやすくなります。額に入れて飾る、ブローチにする、しおりにする、季節の飾りにする、など、使う場面を販売のページに書き添えましょう。
季節や行事に合わせる
お正月、ひな祭り、ハロウィン、クリスマスなど、季節や行事の図案は、その時期に探す人が増えます。刺しゅうには時間がかかるため、行事の2か月から3か月前には販売を始めておくと、探し始めた人に届きます。
難易度が分かる
初心者向けか、上級者向けかが分かる図案は、買う人が自分に合うかを判断しやすくなります。図案の大きさ、使う色の数、刺し方の種類から、難易度の目安を示しておきましょう。
シリーズにする
同じ雰囲気の図案をシリーズで出すと、1つを買った人が続けて買ってくれることがあります。動物、草花、食べ物など、テーマをそろえた図案を少しずつ追加していくと、ショップの特徴も伝わりやすくなります。
キットを作るときの準備
図案の販売に慣れてきたら、図案に材料を付けたキットの販売を考える人もいます。キットは、初心者に喜ばれる一方で、準備することが増えます。
材料を小分けにする
キットには、図案に必要な分の糸を、色ごとに小分けにして入れます。糸の色番号を書いた札を付けておくと、刺す人が迷いません。必要な量より少し多めに入れておくと、刺し間違えたときにも足りなくなる心配が減ります。
布と針をそろえる
布は、仕上がりの大きさに、周りの余白を加えた大きさに切って入れます。布の端がほつれないように処理しておくと親切です。針は、布の目の細かさに合ったものを選びます。
材料の仕入れと在庫
キットを作るには、材料をまとめて仕入れる必要があります。売れ残ると在庫になるため、最初は少ない数から始め、売れ行きを見て作る数を調整しましょう。同じ糸を続けて仕入れられるかも確かめておきます。
梱包と発送
キットは、糸がからまったり、布にしわが付いたりしないように梱包します。透明の袋に材料を入れ、厚紙を添えて封筒に入れると、形が崩れにくくなります。発送の方法と送料は、値段の計算に入れておきましょう。
題材の探し方と色の選び方
図案の出来は、題材の選び方と色の選び方で大きく変わります。
身の回りから題材を探す
題材は、身の回りにたくさんあります。季節の草花、身近な動物、食べ物、日用品、旅先の風景など、自分が描きたいと思うものを、自分の目で見て下絵にしましょう。自分で撮った写真をもとに下絵を描くのは問題ありませんが、他人の写真をもとにするのは避けます。
刺す人の気持ちで考える
図案は、刺す人が楽しめることが大切です。同じ色を長く刺し続ける部分ばかりだと単調になり、色が細かく入れ替わりすぎると手間が大きくなります。刺していて楽しい変化があるか、完成が近づく喜びを感じられるかを、刺す人の気持ちで考えてみましょう。
色の数を絞る
使う色の数を絞ると、糸をそろえる手間が減り、全体の印象もまとまります。似た色を何色も使うより、明るい色、中くらいの色、暗い色の3段階ほどで陰影を表すと、少ない色数でも立体感が出ます。
布の色との組み合わせ
布の色によって、同じ糸でも見え方が変わります。白い布に刺すのか、生成りや色の付いた布に刺すのかを決めてから、糸の色を選びましょう。布の色を活かして、刺さない部分を模様の一部にする方法もあります。
向いている人
図案の販売は、細かい作業を根気よく続けられる人、刺す人が迷わないように丁寧に説明を書ける人、季節の行事に合わせて前もって計画を立てられる人に向いています。完成した作品を何度も刺すのは大変だと感じる人にとっても、図案の販売は自分の得意を生かしやすい形です。
値段の付け方
図案の値段は、作る時間と、販売の形によって考え方が変わります。
データの図案の値段
データの図案は、一度作れば何度でも売れるため、1件あたりの値段は、完成した作品より低めに設定されることが多くなります。ただし、図案を作るのにかかった時間は、売れた数で割って回収することになります。何件売れれば図案を作った時間に見合うかを、一度計算してみましょう。
例えば、仮に図案を作るのに10時間かかり、時間あたりの額を1,000円とすると、図案を作った時間の対価は10,000円です。1件の手取りが500円なら、20件売れて回収できる計算になります。
紙の図案とキットの値段
紙の図案は、印刷の費用、封筒と送料、発送の手間が加わります。キットは、さらに布と糸、針などの材料費と、材料を小分けにする手間がかかります。こうした費用と手間を、値段にきちんと入れておきましょう。
図案の大きさで値段を分ける
図案の値段は、大きさや難しさによって段階を分けると、買う人が選びやすくなります。小さなワンポイントの図案は手に取りやすい値段にし、大きく複雑な図案は作る時間に見合う値段にします。複数の小さな図案をまとめた図案集にする方法もあります。まとめて買うと少し割安になるようにすると、1つずつ買うより選ばれやすくなることがあります。
値段を見直す時期を決める
材料の値段や送料、手数料は変わることがあります。半年に1回など、値段を見直す時期を決めておき、手元に残る額が減っていないかを確かめましょう。値段を変えるときは、販売のページや SNS で事前に知らせておくと、受け入れてもらいやすくなります。
手数料を差し引いた額で考える
販売先によっては、売れたときに手数料がかかります。手数料を差し引いたあとに必要な額が手元に残るよう、値段を決めましょう。
販売先の選び方と手数料
図案を売る場所には、いくつかの選択肢があります。
ハンドメイドマーケット
minne の作品のカテゴリには「レシピ・型紙・レッスン動画」が用意されており、図案や型紙を探す人が集まる場の1つです。minne の公式の案内では、販売手数料は税込で10.659%で、送料とオプションの価格も含めた額にかかります。Creema では、作品や素材の売買が成立したときに、決済総額の10.67%(税込)の成約手数料がかかります。データの図案を扱えるかどうか、どの形で届けるかは、サービスの決まりを出品の前に確かめましょう。
データの販売に向いたサービス
PDF などのデータを販売できるサービスもあります。例えば BOOTH では、電子コンテンツのダウンロード販売ができ、売上の5.6%などのサービス利用料がかかると案内されています(最新の料金は公式の案内で確かめてください)。振込のときには別に振込手数料がかかります。買った人がそのままファイルを受け取れるため、データの図案と相性の良い仕組みです。
自分のネットショップ
BASE などのサービスで自分のネットショップを開く方法もあります。BASE の公式の案内では、スタンダードのプランは月額0円で、売れたときに決済手数料3.6%+40円とサービス手数料3%がかかります。ショップの雰囲気を自由に作れる一方で、集客は自分で行う必要があります。
最初は1か所に絞る
販売先を広げると、在庫や問い合わせの管理が複雑になります。最初は1か所に絞り、販売の流れに慣れてから広げましょう。
著作権のルールを知る
図案の販売で最も気をつけたいのが、著作権です。
自分の図案は自動的に守られる
文化庁の著作権の教材では、著作権は申請や登録の手続きを一切必要とせず、作品が作られた時点で自動的に与えられると説明されています。自分で考えた図案は、作った時点で自分の著作物として守られます。
他人の作品を図案にしない
反対に、他人が作った絵、写真、キャラクター、ロゴを図案にして売ることは、その人の権利を侵すことになります。少し形を変えたから、色を変えたから、という理由で許されるわけではありません。好きなアニメやゲームのキャラクターの図案は、個人で楽しむ範囲を超えて販売すると、権利者とのトラブルになります。企業のロゴやブランドのマークは、商標の権利にもかかわります。
個人で楽しむ範囲との違い
著作権には、家庭の中など限られた範囲で、仕事以外で使う場合の例外があります。文化庁の教材では、次のように説明しています。
個人的に又は家庭内など、限られた範囲内での使用を目的とすること(仕事での利用は対象外) 出典: 文化庁 令和8年度著作権テキスト
自分の部屋に飾るためにキャラクターを刺すことと、そのキャラクターの図案を売ることは、まったく別の話です。販売は仕事での利用に当たるため、この例外は使えません。
名画や古い作品を図案にする場合
古い名画など、著作権の保護期間が過ぎた作品を図案にする方法もあります。文化庁の教材では、著作権の保護期間は、原則として著作者が生きている期間と、亡くなったあとの70年間と説明されています。ただし、保護期間が過ぎた作品でも、美術館や出版社が撮影した写真を使うと、その写真の扱いが問題になることがあります。保護期間や素材の扱いに迷う場合は、その図案を売らないのが安全です。
他人の図案集をまねない
市販の図案集や、ほかの作り手が売っている図案を、少し変えて自分の図案として売ることも、トラブルの原因になります。図案は、自分で下絵から考えることが基本です。
購入者に伝える利用の範囲
図案を売るときは、買った人がどこまで使ってよいかを、はっきり示しておくことが大切です。
書いておきたい項目
- 図案を個人で楽しむ目的で使うこと
- 図案のファイルや紙を、ほかの人に配ったり、販売したりしないこと
- 図案を使って刺した作品を販売してよいかどうか
- 図案の一部を変えて、自分の図案として公開しないこと
作品の販売をどう扱うか
図案を使って刺した作品を、買った人が販売してよいかどうかは、作り手が決めることです。販売を認める場合も、点数の上限を決めたり、図案の作り手の名前を添えるようにお願いしたりする方法があります。どちらにするかを決めて、販売のページと図案の書類の両方に書いておきましょう。
データの複製への備え
データの図案は、簡単に複製できてしまいます。図案の書類に、作り手の名前とショップの名前、利用の範囲を書いておくと、無断で配られたときに自分の図案だと示しやすくなります。
販売のページの作り方
販売のページは、図案を買うかどうかを決める材料になります。
完成の写真を載せる
図案の販売でも、完成した作品の写真は欠かせません。試し刺しの作品を、自然光の入る場所で撮影し、全体の写真と、刺し目が分かる近い写真を載せましょう。額に入れた写真や、小物に仕立てた写真があると、使う場面が伝わります。
図案の情報を書く
販売のページには、次の情報を書きます。
- 図案の大きさ(縦と横のマスの数)
- 布の種類と、仕上がりの大きさの目安
- 使う糸のメーカーと色の数
- 難易度の目安
- 販売の形(データ、紙、キット)と、届け方
- 利用の範囲
データの図案の注意書き
データの図案では、ファイルの形式、ページの数、印刷するときの注意を書いておきます。データの商品は、性質上、届いたあとの返品を受けないことが多いので、その決まりも分かりやすく書いておきましょう。
問い合わせと修正版への対応
図案を販売すると、買った人から質問が届いたり、図案の誤りを指摘されたりすることがあります。
質問には早めに答える
「この記号はどの色ですか」「この部分はどう刺せばいいですか」といった質問には、できるだけ早く答えましょう。同じ質問が続く場合は、図案の書類の説明が足りていないことが多いので、刺し方の注意を書き足します。
誤りが見つかったとき
図案の記号の誤りや、糸の色番号の書き間違いが見つかったら、すぐに修正版を作ります。データの図案なら、すでに買った人にも修正版を届けられるよう、販売のサービスの仕組みを確かめておきましょう。修正した日と内容を書類に書いておくと、買った人がどの版を使っているかが分かり、問い合わせへの答えも正確になります。
評価を生かす
届いた評価やコメントは、次の図案づくりの参考になります。「刺しやすかった」「色の組み合わせがよかった」という声は、その図案の強みです。低い評価が付いたときも、感情的に反論せず、何が期待と違ったのかを読み取りましょう。
図案が売れないときに見直すところ
図案を出品しても売れない時期は、誰にでもあります。値段を下げる前に、次の順番で見直しましょう。
1. 見つけてもらえているか
まず、販売のページが見られているかを確かめます。見られていないなら、図案の名前や説明に、探す人が使いそうな言葉が入っているかを見直します。「クロスステッチ」「図案」「初心者」「季節の名前」など、図案の種類と用途が分かる言葉を入れましょう。
2. 完成の写真で魅力が伝わっているか
見られているのに売れないなら、完成の写真を見直します。一覧に並んだときに、図案の雰囲気が伝わるか、刺し目の美しさが分かるかを確かめましょう。
3. 難易度と情報が伝わっているか
写真を見直しても売れない場合は、図案の大きさ、色の数、難易度の目安、必要な材料が書かれているかを確かめます。買う人は、自分に刺せるかどうかを判断したいと考えています。
4. 題材と時期
それでも売れない場合は、題材や出品の時期を見直します。季節の図案は、行事の2か月から3か月前に出しておくことが大切です。
発信で図案を知ってもらう
図案の販売では、図案の存在を知ってもらう工夫も欠かせません。
刺している過程を見せる
SNS で、試し刺しの過程や、色の組み合わせを考える様子を発信すると、図案の背景が伝わり、ファンが付きやすくなります。新しい図案の発売の日を予告しておくと、発売と同時に買ってもらえることもあります。
完成した作品を紹介してもらう
図案を買った人が、完成した作品を SNS に載せてくれることもあります。紹介してもらうときは、本人の許可を取ってから行いましょう。自分の図案で刺された作品が並ぶと、これから買う人の参考にもなります。
特定商取引法の表示
ネットで図案を売ることは、法律の上では通信販売に当たります。消費者庁が所管する特定商取引法では、通信販売の広告に、販売する人の氏名や住所、電話番号、価格、送料、支払いの時期と方法、商品を届ける時期、返品の決まりなどを表示するよう求めています。ハンドメイドマーケットやデータの販売のサービスには、こうした表示の設定が用意されています。自分のネットショップを開く場合は、表示のページを自分で用意しましょう。
副業として続けるための時間の使い方
図案の販売は、作り手のペースで進められる一方で、計画を立てないと作業が進みにくくなります。
作業を段階で分ける
図案づくりは、下絵、方眼への落とし込み、糸の色の決定、試し刺し、書類の仕上げ、と段階に分かれます。平日の夜は方眼への落とし込み、週末は試し刺しと撮影、というように、段階ごとに作業の時間を決めると進めやすくなります。
図案の数を計画的に伸ばす
図案の販売は、並べている図案の数が増えるほど、見つけてもらえる機会も増えます。1か月に1つ、季節ごとに2つ、というように、新しい図案を出す目安を決めておくと、無理なく数を伸ばせます。下絵だけを先にいくつか描きためておくと、次の図案に取りかかるときに迷わずに済みます。
目と肩を休める
細かいマスを長い時間見続けると、目や肩が疲れます。1時間ごとに休憩を取り、遠くを見る時間を作りましょう。集中して作業するための時間の使い方は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックも参考になります。
税金と開業届の考え方
図案が売れるようになったら、税金についても考えておきましょう。
確定申告が必要になる目安
国税庁の案内によると、給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得は、売上から、手数料、図案を作るソフトの費用、試し刺しの材料費、キットの材料費などの経費を差し引いた額です。20万円以下でも、住民税の申告は別に必要なので、住んでいる市区町村に確認しましょう。
雑所得と事業所得
図案の販売の所得は、規模や続け方によって雑所得か事業所得に分かれます。どちらになるかは個別の事情で決まるため、迷う場合は税務署に相談しましょう。
開業届
本格的に事業として続ける場合は、税務署に開業届を出す方法もあります。国税庁の案内では、提出の期限は事業を始めた日が属する年分の確定申告の期限までです。売上の明細と経費の領収書は、日付ごとに保存しておきましょう。
図案づくりの力をほかの仕事に生かす
図案を作る力は、ほかの仕事にも生かせます。
デザインの仕事
色の数を絞って印象を作る力や、小さなマスで形を表す力は、アイコンやドット絵、パッケージのデザインにも通じます。デザインの仕事の単価の目安は、デザイナーの年収・単価相場で紹介しています。
手順を分かりやすく書く仕事
図案の書類に、刺し方の注意や手順を分かりやすく書く力は、マニュアルや説明書を作る仕事にも役立ちます。
運営者として見てきたこと
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、データや設計図のように「一度作れば何度でも届けられるもの」を扱う人ほど、最初の1つを丁寧に作ることに時間を使っています。図案の販売でも、試し刺しで細部を確かめ、書類を分かりやすく整えた図案は、評価が集まり、シリーズの次の図案も手に取ってもらいやすくなります。
もう1つは、権利の扱いを最初にはっきりさせることの大切さです。仲介の手数料が間に入らない直接の取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、依頼する側もより多くの図案を頼めます。その分、何をどこまで使ってよいかを、作り手が自分の言葉で示す必要があります。利用の範囲や取引の条件を分かりやすく書く力は、ビジネス文書検定の学習でも磨けます。在宅で取れる資格を広く比べたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるも参考にしてください。
よくある質問
Q. クロスステッチの図案はどうやって作ればいいですか?
題材と大きさを決めて下絵を描き、方眼のマスに落とし込んで色を決めます。糸のメーカーと色番号を対応させ、色ごとに記号を割り当てると、白黒で印刷しても刺せる図案になります。仕上げる前に自分で試し刺しをして、色の組み合わせや記号の見分けやすさを確かめましょう。方眼の紙、表計算のソフト、専用のソフトのどれでも作れます。
Q. 好きなキャラクターの図案を売ってもいいですか?
他人が作ったキャラクターや絵、写真、ロゴを図案にして売ることは、その人の権利を侵すことになります。形や色を少し変えても許されるわけではありません。家庭の中で個人的に楽しむ範囲と違い、販売は仕事での利用に当たるため、例外は使えません。自分で下絵から考えた図案を売るのが確実です。
Q. データの図案はどこで売れますか?
ハンドメイドマーケットや、データのダウンロード販売に対応したサービス、自分のネットショップで売れます。minne には図案や型紙のカテゴリがあり、BOOTH のようにダウンロード販売ができるサービスもあります。手数料やデータの扱いの決まりはサービスごとに違うので、出品の前に公式の案内で確かめましょう。
Q. 図案を買った人に伝えておくことは何ですか?
図案を個人で楽しむ目的で使うこと、ファイルや紙をほかの人に配ったり販売したりしないこと、図案で刺した作品を販売してよいかどうかを、販売のページと図案の書類の両方に書いておきます。作り手の名前とショップの名前も書いておくと、無断で配られたときに自分の図案だと示しやすくなります。データの返品の決まりも明記しましょう。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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