社会保険 加入 条件 副業 在宅 2026|ダブルワークで二重になる仕組み

前田 壮一
前田 壮一
社会保険 加入 条件 副業 在宅 2026|ダブルワークで二重になる仕組み

この記事のポイント

  • 社会保険の加入条件を副業・在宅ワーク目線で整理しました
  • 週20時間・月8.8万円のラインや
  • 二重加入になるケース・ならないケース

まず、安心してください。「副業や在宅ワークを始めたら、社会保険ってどうなるんだろう」と不安になっている皆さん。結論から言うと、ほとんどの在宅副業では、いきなり社会保険料が増えたり、面倒な手続きが発生したりすることはありません。社会保険の加入条件には明確なラインがあり、そのラインを超えなければ、本業の会社で入っている社会保険のままで何も変わらないからです。

私も43歳でメーカーを辞めてフリーランスになったとき、独立する前の1年間は会社員をしながら在宅で副業をしていました。そのときに一番調べたのが、まさにこの「副業をすると社会保険はどうなるのか」という問題です。正直、最初は制度がややこしくて頭を抱えました。でも、いくつかの基準さえ押さえれば、自分のケースがどうなるのかは自分で判断できます。

この記事では、社会保険の加入条件を「副業」「在宅ワーク」という視点に絞って整理します。週20時間・月額8.8万円といった具体的なラインの意味、副業でも社会保険に二重加入になるケースとならないケース、二重加入になったときの手続き、確定申告との関係まで、皆さんが知りたい結論を順番にお伝えしていきます。

副業・在宅ワークと社会保険を取り巻く2026年の現状

副業を始める人は年々増えています。働き方の多様化が進み、本業を持ちながら在宅でライティングやデザイン、プログラミングなどに取り組む人は珍しくなくなりました。総務省の統計や各種調査でも、副業を希望する就業者の割合は増加傾向にあると報告されています。こうした流れを受けて、行政の側も社会保険の適用範囲を段階的に広げてきました。

ここで皆さんに最初に理解してほしいのは、社会保険という言葉が指す範囲です。一般的に「社会保険」と言うとき、狭い意味では健康保険と厚生年金保険の2つを指します。会社員であれば、給与から天引きされているのがこれです。広い意味では、ここに労災保険と雇用保険を加えた4つを「社会保険」と呼ぶこともあります。この記事で「社会保険の加入条件」と言う場合は、主に健康保険と厚生年金保険の話をしていると考えてください。

副業の社会保険を考えるうえで決定的に重要なのは、その副業が「雇用されて働く形(アルバイト・パートなど)」なのか、「自分で請け負って働く形(業務委託・フリーランス)」なのか、という違いです。この2つで結論がまったく変わります。在宅ワークの多くは業務委託型なので、先に大枠の答えを言ってしまうと、業務委託の在宅副業では原則として副業先で社会保険に加入することはありません。一方、副業がパートやアルバイトのように雇用される形だと、一定の条件を満たせば副業先でも社会保険の加入対象になります。

2024年10月以降、社会保険の適用拡大によって、パート・アルバイトでも社会保険に入りやすくなりました。具体的には、従業員数の要件が段階的に引き下げられてきた経緯があります。在宅でパートをしながら別の在宅副業もしている、というケースでは、この適用拡大の影響を受ける可能性があるため、後ほど詳しく見ていきます。

社会保険料は会社と従業員で折半する仕組みです。だからこそ、誰がどの職場で社会保険に入るのかという判断は、皆さんの手取りにも直結します。ここを正しく理解しておくことは、損をしないためにもとても大切なのです。

会社員と個人事業主では加入する保険が違う

副業と社会保険の話を整理する前提として、そもそも会社員と個人事業主では入る保険の種類が違う、という点を押さえておきましょう。ここが曖昧なままだと、副業のケース分けがうまく頭に入りません。

会社員(厚生年金の適用事業所に雇われている人)は、健康保険と厚生年金保険に加入します。保険料は会社と本人で半分ずつ負担します。これに対して、個人事業主やフリーランスは、健康保険ではなく国民健康保険に、厚生年金ではなく国民年金に加入するのが原則です。こちらは全額自己負担で、会社が半分出してくれるということはありません。

つまり、保険の世界は大きく2つのグループに分かれています。1つは「会社に雇われている人」のグループ(健康保険+厚生年金)、もう1つは「自分で事業をしている人」のグループ(国民健康保険+国民年金)です。副業をするということは、この2つのグループにまたがる活動をすることになる場合があるわけです。

例えば、本業は会社員で、副業として在宅でWebライティングを業務委託で請け負っている人を考えてみましょう。この人の本業は「会社に雇われている人」グループなので、健康保険と厚生年金に入っています。副業のライティングは自分で請け負う事業所得(または雑所得)なので、本来であれば「自分で事業をしている人」グループに足を踏み入れています。しかし、本業ですでに健康保険と厚生年金に入っているため、副業の事業について国民健康保険や国民年金に新たに入る必要はありません。会社員として社会保険に入っている時点で、国民健康保険・国民年金の対象からは外れているからです。

この「すでに本業で社会保険に入っているかどうか」が、副業の社会保険を考えるときの大きな分かれ道になります。健康保険・社会保険の選び方そのものに迷っている方は、フリーランスの健康保険・社会保険の選び方|最適な保険を見つける方法で全体像を整理しておくと、この記事の内容も理解しやすくなります。会社を辞めて完全にフリーランスになる場合は、国民健康保険のほかに業種別の保険組合という選択肢もあり、文芸美術国民健康保険組合とは?加入条件とメリット・デメリットでその仕組みを解説しています。

社会保険の加入条件はどこで決まるのか

ここからが本題です。社会保険に加入するかどうかは、「雇用されている職場での働き方」で決まります。業務委託の在宅副業はそもそも加入対象外なので、ここでの条件は主にパート・アルバイトとして雇われる場合の話だと考えてください。

社会保険の加入条件は、大きく2段階で判断されます。1段階目は「正社員と同じくらいフルタイムで働いているか」、2段階目は「短時間でも一定の条件を満たすか」です。

フルタイムに近い働き方をする場合の条件

まず、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、その職場の正社員のおおむね4分の3以上である場合、その人は社会保険の加入対象になります。例えば、正社員が週40時間働く職場であれば、週30時間以上働くパートは、この「4分の3基準」を満たすため社会保険に入ることになります。

在宅ワークの文脈で言えば、在宅勤務のパートとして雇われていて、その勤務時間が長い場合がこれに当たります。在宅であっても雇用契約に基づいて働いている以上、勤務時間が正社員の4分の3以上に達すれば、原則として社会保険の加入対象です。「在宅だから社会保険は関係ない」というのは誤解で、ポイントはあくまで雇用契約と労働時間にあります。

この4分の3基準を満たさない、つまりもっと短い時間で働く場合は、次に説明する短時間労働者向けの条件で判断されることになります。短時間労働者の条件は近年大きく変わってきた部分なので、特に在宅パートをしている皆さんはしっかり確認しておきましょう。

短時間労働者向けの5つの条件

4分の3基準に届かない短時間のパート・アルバイトでも、次の条件をすべて満たすと社会保険の加入対象になります。これが、いわゆる社会保険の適用拡大で議論されてきたラインです。条件はおおむね次の5つです。

1つ目は、週の所定労働時間が20時間以上であること。2つ目は、月額賃金が8.8万円以上(年収にすると約106万円以上)であること。3つ目は、雇用される見込み期間が一定以上(継続して雇用される見込みがあること)。4つ目は、学生でないこと。5つ目は、勤務先が一定規模以上の企業であること、です。

5つ目の企業規模の要件は、段階的に引き下げられてきました。かつては大企業だけが対象でしたが、適用拡大によって対象となる企業の範囲が広がり、より小規模な事業所で働くパートも社会保険の対象になるケースが増えています。つまり、皆さんが「これくらいの規模の会社なら関係ないだろう」と思っていても、知らないうちに加入対象になっている可能性があるということです。

ここで在宅ワーカーが注意したいのは、この条件はあくまで「雇用されているパート・アルバイト」に適用されるものだという点です。業務委託で在宅の仕事を請け負っている場合、そもそも「所定労働時間」という概念がありません。何時間働くかは自分で決め、報酬は成果や納品に対して支払われます。したがって、業務委託の在宅副業では、週20時間・月8.8万円という条件に当てはめること自体ができず、社会保険の加入対象にはならないのです。

私自身、会社員時代に在宅でライティングの副業をしていたとき、最初は「収入が増えたら社会保険料も増えるのでは」と心配していました。しかし、私の副業は完全に業務委託だったので、所定労働時間も雇用契約もなく、副業先で社会保険に入ることはありませんでした。心配して損したな、というのが正直な感想です。皆さんも、まずは自分の副業が「雇用」なのか「業務委託」なのかを確認するところから始めてください。

副業で社会保険料が増えるケースと増えないケース

皆さんが一番知りたいのは、結局のところ「副業をすると社会保険料が増えるのか、増えないのか」という点だと思います。ここをケース別に整理します。

増えないケース:業務委託の在宅副業

最も多いのが、本業は会社員、副業は業務委託の在宅ワーク、というパターンです。Webライティング、Webデザイン、プログラミング、動画編集、データ入力など、在宅で受注する仕事の多くはこの形に当たります。

このケースでは、副業の収入がいくら増えても、副業を理由に社会保険料が増えることはありません。社会保険料は「給与(標準報酬月額)」をもとに計算されますが、業務委託の報酬は給与ではなく事業所得や雑所得だからです。社会保険料の計算には含まれません。本業の給与が変わらなければ、社会保険料も変わらないのです。

ただし、これはあくまで「社会保険料」の話です。副業で得た所得には所得税と住民税がかかります。これは社会保険とは別の話なので、確定申告できちんと申告し、税金は納める必要があります。社会保険料は増えなくても税金は増える、という点は誤解しないようにしてください。

増えるケース:副業がパートで二重加入になる場合

一方、副業がパートやアルバイトで、その副業先でも社会保険の加入条件を満たしてしまう場合は、社会保険料が増える可能性があります。例えば、本業の会社で社会保険に入っていて、さらに別の会社で週20時間以上・月8.8万円以上のパートをしている、というケースです。

この場合、両方の職場で社会保険の加入条件を満たすため、二重加入の状態になります。社会保険料は2つの職場の給与を合算した標準報酬月額をもとに計算され、それを各職場の給与額に応じて按分して負担することになります。結果として、副業がなかったときよりも社会保険料の総額が増えるわけです。これがいわゆる「ダブルワークで社会保険が二重になる」状態です。

引用元の社会保険労務士事務所の解説でも、副業が短時間で条件を満たさない場合は二重加入にならないことが明確に示されています。

例えば、週40時間のフルタイム正社員として働きながら、週10時間程度の副業をしている場合、本業の正社員の仕事では社会保険に加入しますが、副業では加入条件を満たさないため加入の必要はありません。

つまり、副業のパートが短時間(週20時間未満など)であれば、たとえ複数の職場で働いていても二重加入にはなりません。社会保険料が増えるのは、あくまで両方の職場で加入条件を満たした場合に限られます。在宅で短時間のパートをしている程度であれば、過度に心配する必要はないということです。

社会保険に二重加入する場合は自分で手続きが必要

副業のパートで二重加入になった場合、皆さん自身でやらなければならない手続きがあります。これを知らずに放置すると、罰則の対象になることもあるので、ここはしっかり押さえておきましょう。

複数の職場で社会保険に加入することになった場合、「二以上事業所勤務届(二以上勤務届)」を提出する必要があります。これは、どちらの職場を主たる事業所とするかを届け出るための手続きで、原則として加入条件を満たすことになった日から10日以内に、日本年金機構(年金事務所)へ提出します。

主たる事業所を選択すると、その事業所を管轄する年金事務所や健康保険組合が、皆さんの社会保険を一括して管理します。保険料は2つの職場の給与を合算して計算され、各職場の給与額に応じて按分されます。健康保険証も、主たる事業所のものに一本化されます。この届出を出すことで、保険料の計算や保険給付が正しく行われるようになるのです。

この届出は会社が代わりにやってくれるわけではなく、本人が行う必要がある点に注意してください。同じ社会保険労務士事務所の解説では、届出を怠った場合の罰則についても明確に述べられています。

結論として、加入条件を満たしている職場の社会保険に加入することが基本で、複数の職場で社会保険に加入する必要がある場合は二以上勤務届を提出する義務があります。正当な理由なく届出を行わない場合や、虚偽の届け出を行った場合などは、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処すると定められています。

罰則があると聞くと身構えてしまうかもしれませんが、要は「二重加入になったら、自分できちんと届け出ましょう」というだけの話です。難しい手続きではありませんし、わからなければ年金事務所に相談すれば丁寧に教えてもらえます。社会保険や年金の制度の詳細については、日本年金機構の公式サイトでも確認できるので、不安な点は一次情報で確かめておくと安心です。

この手続きに関わる業務は社会保険労務士の専門領域でもあります。手続きを代行する仕事や、企業の労務管理を支援する仕事に関心がある方は、社会保険労務士の資格ガイドで業務範囲や取得のメリットを確認してみてください。許認可や行政手続きの分野で活躍したい方には、行政書士という選択肢もあります。

在宅ワーク・副業で社会保険に加入するメリットとデメリット

副業のパートで社会保険に加入することになると、保険料の負担が増えます。「それなら加入しないほうが得では」と感じる皆さんもいるかもしれません。しかし、社会保険への加入はデメリットだけではありません。ここでメリットとデメリットを冷静に整理しておきましょう。

メリット:将来の年金と保障が手厚くなる

社会保険に加入する最大のメリットは、厚生年金に入ることで将来受け取れる年金が増えることです。厚生年金は、国民年金(基礎年金)に上乗せされる形で支給されるため、加入期間や納めた保険料が多いほど、老後に受け取る年金額が増えます。これは長期的に見れば、決して小さくない違いになります。

また、健康保険に加入していれば、病気やケガで働けなくなったときに傷病手当金を受け取れる可能性があります。さらに、出産で仕事を休んだときの出産手当金など、国民健康保険にはない保障も受けられます。保険料の半分を会社が負担してくれる点も、自分で全額払う国民健康保険・国民年金と比べると有利です。

人生設計の観点からは、こうした公的保障に加えて、民間の保険でどこまで備えるかを考えることも大切です。特に子育て世代の保障設計については、30代の生命保険おすすめ|子育て世代の保障設計で考え方を整理しているので、あわせて参考にしてみてください。

デメリット:手取りが減る・手続きの手間がかかる

一方で、デメリットもはっきりしています。最大のデメリットは、社会保険料の負担が増えて手取りが減ることです。二重加入になれば、合算した給与をもとに保険料が計算されるため、副業を始める前より保険料の総額が増えます。短期的な手取りだけを見れば、確かに目減りすると感じるでしょう。

もう1つは、前述の二以上勤務届のように、自分で手続きをしなければならない手間です。届出を忘れると罰則の対象になりうるため、二重加入の状態になったら速やかに対応する必要があります。こうした手間を避けたいのであれば、副業をあえて社会保険の加入条件を満たさない範囲(週20時間未満など)に抑える、あるいは業務委託の在宅ワークを選ぶ、という選択肢もあります。

メリットとデメリットのどちらを重視するかは、皆さんのライフステージや価値観によって変わります。将来の年金や保障を厚くしたいなら加入はプラスですし、今の手取りを最大化したいなら加入を避ける働き方を選ぶことになります。正解は1つではないので、自分の状況に合わせて判断してください。

在宅副業の確定申告と社会保険の関係

社会保険の話とセットで皆さんが気にするのが、確定申告です。ここを混同している人が多いので、整理しておきましょう。

社会保険と税金(所得税・住民税)は、まったく別の制度です。業務委託の在宅副業で社会保険料が増えなくても、副業で得た所得には税金がかかります。会社員が副業で年間20万円を超える所得を得た場合は、原則として確定申告が必要です。社会保険料は増えないからといって、税金の申告まで不要になるわけではありません。

確定申告では、副業の収入から必要経費を差し引いた「所得」を申告します。在宅ワークであれば、業務に使うパソコンやソフトウェア、通信費、書籍代などが経費になりえます。確定申告の手続きや控除の詳細は、国税庁の公式サイトで確認できます。会計ソフトを使えば申告作業はかなり楽になるので、freeeマネーフォワードといったサービスを利用するのも一つの方法です。

ここで重要なのは、確定申告で副業の所得を申告すると、その情報が住民税の計算に使われ、場合によっては本業の会社に副業がわかる可能性がある、という点です。会社に副業を知られたくない場合は、確定申告の際に住民税を「自分で納付(普通徴収)」を選ぶなどの工夫が必要になることがあります。社会保険の二重加入とは別の論点ですが、副業をするうえで知っておきたいポイントです。

なお、確定申告で支払った国民年金保険料や国民健康保険料は社会保険料控除の対象になりますが、会社員で本業の社会保険に入っている場合は、給与天引きの保険料が年末調整で処理されます。副業が業務委託であれば、副業側で社会保険料が発生しないため、この点で追加の処理は基本的に不要です。

在宅副業の働き方別・社会保険まとめ表

ここまでの内容を、働き方のパターン別に整理しておきます。自分がどのケースに当てはまるかを確認してみてください。

副業の働き方 社会保険の加入 二重加入 保険料の増加
業務委託(在宅ライター等) 副業先では加入しない なし 増えない
短時間パート(週20時間未満) 加入対象外 なし 増えない
短時間パート(週20時間以上・月8.8万円以上) 加入対象 あり 増える
フルタイムに近いパート(4分の3以上) 加入対象 あり 増える

この表からわかるように、在宅副業で社会保険料が増えるのは、副業がパート・アルバイトで一定の労働時間・賃金の条件を満たした場合に限られます。在宅ワークの主流である業務委託であれば、原則として副業を理由に社会保険料が増えることはありません。まずは自分の副業がどの行に当たるかを確認するのが、判断の第一歩です。

在宅副業の単価データから見る働き方の選択

ここで、在宅ワークの仕事内容と報酬相場という客観的なデータの視点から、社会保険を踏まえた働き方を考えてみましょう。社会保険の負担を抑えたい人にとって、業務委託の在宅ワークは有力な選択肢になるからです。

在宅副業の代表格であるWebライティングや編集の仕事は、業務委託で受注するのが一般的です。職業別の報酬データを見ると、著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、こうした文章を扱う仕事の年収・単価の傾向を確認できます。同様に、プログラミングやシステム開発を在宅で請け負う場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。これらの仕事はいずれも業務委託が中心であり、社会保険の二重加入を気にせずに取り組める分野です。

業務委託の在宅ワークは、報酬が成果に対して支払われるため、所定労働時間という概念がありません。だからこそ社会保険の加入条件にも該当せず、本業の社会保険を維持したまま副業収入を得られます。社会保険の手続きの手間を避けたい皆さんにとって、これは大きな利点です。実際にどんな在宅の仕事があるのかを具体的に知りたい場合は、キャリア・副業・人生相談のお仕事で副業やキャリアに関する仕事の例を確認できます。

近年は、AIやマーケティングの知識を活かした在宅の仕事も増えています。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、こうした成長分野の仕事を紹介しています。クリエイティブ系では、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のように、専門スキルを在宅で活かせる分野もあります。これらはいずれも業務委託で受注するのが基本なので、社会保険の観点からはシンプルに考えられます。

社会保険の制度は、雇用される働き方を前提に設計されています。そのため、雇用ではなく業務委託で在宅副業をするという選択は、社会保険の複雑さを避けつつ収入の柱を増やせる、合理的な働き方だと言えます。手数料体系まで含めて在宅ワーク仲介サービスを比較検討する際は、報酬がそのまま手元に残るかどうかも確認しておくと、実際の手取りをより正確に見積もれます。

最後に、私自身の経験から皆さんにお伝えしたいことがあります。会社員時代、私は社会保険の仕組みがわからないまま副業を始め、必要のない心配を抱えていました。実際に調べてみると、業務委託の在宅副業では社会保険料は増えないとわかり、安心して仕事を続けられました。皆さんも、まずは自分の副業が「雇用」か「業務委託」かを確認し、加入条件のラインを理解してください。仕組みさえわかってしまえば、社会保険は副業を始めるうえでの障害にはなりません。40代からでも、準備をして一歩ずつ進めば、在宅での働き方は十分に広げていけます。

ダブルワークで二重加入になったときの保険料計算の実際

副業のパートで社会保険の二重加入になると、保険料はどう計算されるのか。ここを具体的な数字でイメージしておくと、自分のケースで損得を判断しやすくなります。

二重加入の場合、保険料は2つの職場の月額給与を合算した金額をもとに、標準報酬月額の等級が決まります。例えば本業の月給が25万円、副業のパートが月10万円だとすると、合算した35万円が標準報酬月額のベースになります。この35万円に保険料率を掛けた金額が、本人が負担する保険料の総額です。そして、その総額を各職場の給与額に応じて按分し、それぞれの職場で給与から天引きされる仕組みになっています。

ここで皆さんが押さえておきたいのは、保険料が「合算した給与」をベースに計算されるため、収入が増えれば標準報酬月額の等級も上がる可能性があるという点です。等級が上がると保険料率は変わらなくても、ベースとなる金額が増えるので、結果的に保険料の総額が増えます。一方で、厚生年金の場合は納めた保険料が将来の年金額に反映されるため、長期的にはプラスに働く面もあります。

健康保険組合や協会けんぽによって保険料率には若干の差があります。保険料率や標準報酬月額の等級表は、毎年見直されることがあるので、最新の情報は厚生労働省のサイトで確認しておくと安心です。

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大により、これまで適用対象外であった短時間労働者の方々のうち、一定の要件を満たす方が健康保険・厚生年金保険の適用対象となっています。 出典: mhlw.go.jp

保険料の計算は一見複雑ですが、要は「合算した給与を等級表に当てはめ、按分する」というシンプルな仕組みです。事前に大まかな金額を試算しておくと、副業を始めた後の手取りイメージが具体的になります。

業務委託の在宅副業で押さえたい労災・雇用保険の扱い

社会保険の話で意外と見落とされがちなのが、労災保険と雇用保険の扱いです。健康保険・厚生年金とは別枠の制度ですが、在宅副業をするうえで知っておくと判断が変わってきます。

労災保険は、業務上のケガや病気を補償する制度で、原則として雇用されている労働者を対象としています。会社員として本業で雇用されていれば、本業の労災保険でカバーされます。ここで重要なのは、業務委託の在宅副業中にケガをした場合、本業の労災保険は適用されないという点です。なぜなら、副業の作業は本業の業務ではないからです。

近年、フリーランスや業務委託で働く人が増えたことを受けて、特別加入制度の対象範囲が段階的に広がってきました。一定の業種では、業務委託で働く人でも労災保険に特別加入できるケースがあります。在宅でも長時間パソコン作業をするライターやデザイナー、エンジニアにとって、腰痛や腱鞘炎、目の疾患などのリスクは無視できません。特別加入の対象や手続きについては、厚生労働省の公式情報を確認しておくとよいでしょう。

雇用保険についても触れておきます。雇用保険は失業時の給付などを目的とした制度で、こちらも雇用されている労働者が対象です。副業がパート・アルバイトの場合でも、週20時間以上の所定労働時間など一定の条件を満たさなければ雇用保険には加入しません。業務委託の在宅副業であれば、そもそも雇用契約がないので雇用保険の対象外です。

つまり、業務委託で在宅副業をしている皆さんは、社会保険の二重加入を気にしなくていい代わりに、労災・雇用保険の保護からも外れている、という構造になります。だからこそ、民間の所得補償保険や就業不能保険、フリーランス向けの共済などで自分でリスクに備える発想が大切です。本業の保障に頼り切らず、副業で何かあったときに何が使えて何が使えないのかを、一度棚卸ししておくことをおすすめします。

よくある質問

Q. 二以上事業所勤務届を出さないとどうなりますか?

社会保険料の計算が正しく行われず、後日遡及請求される可能性があります。また、年金記録の不整合で将来の受給額に影響が出ることもあります。加入要件を両方で満たしているなら、早めに届け出るのが安全です。

Q. 業務委託なら社会保険は気にしなくていいですか?

業務委託(個人事業主)は国民健康保険・国民年金が基本です。本業で会社員として健康保険・厚生年金に加入している場合、副業の業務委託分は社会保険に追加加入する必要はありません。ただし副業が主業になるほど規模が大きくなった場合は、法人化や国保組合の検討も必要です。

Q. 業務委託の副業でも社会保険料は増えますか?

本業で厚生年金・健康保険に加入しているなら、業務委託の副業収入には追加の社会保険料はかかりません。副業の所得は国民年金・国民健康保険の対象外です。ただし雇用契約の副業を掛け持ちする場合は、二以上事業所勤務届が必要になるケースがあります。

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前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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