Coherence Xでできることと、Webサイトをアプリにする道具の比べ方

堀内 和也
堀内 和也
Coherence Xでできることと、Webサイトをアプリにする道具の比べ方

この記事のポイント

  • ✓Coherence Xでできることを
  • ✓開発元BZGの公式情報と更新履歴から整理
  • ✓Chromeなどのブラウザで動く仕組み

Gmail、Googleカレンダー、Slack、ChatGPT。毎日開くWebサービスが増えるほど、ブラウザのタブは増え、目的のタブを探す時間も増えていきます。そうした悩みに対して、WebサイトをMacの独立したアプリに変えるのが「Coherence X」です。Chromeなどのブラウザを使ってアプリを作るため、Chromeの拡張機能をそのまま使えるのが大きな特徴です。

この記事では、開発元のBZGの公式サイトと更新履歴をもとに、Coherence Xでできること、動作環境と料金、アプリを作る流れ、2026年9月に公開された大型更新の中身を整理します。後半では、同じBZGのUnite ProやSafariのWebアプリとの違いを示し、Webサイトをアプリにする道具を比べるときの見どころをまとめます。

Coherence Xとはどんなアプリか

Coherence Xは、米国のBZGが開発しているmacOS向けのアプリで、任意のWebサイトを独立したMacのアプリに変える道具です。公式サイトでは、Coherenceで作ったアプリはDockに置かれ、macOSで期待されるとおりに動き、アプリごとにアカウント、拡張機能、見た目、リンクの扱いを持てると説明されています。通常のブラウザのようにタブが散らかることはありません。

このように、特定のWebサイト専用のブラウザを作る道具は、SSB(サイト専用ブラウザ)と呼ばれます。Coherence Xの最大の特徴は、Macに入っているChromium系のブラウザを使ってアプリを作ることです。Chromiumとは、Google ChromeやMicrosoft Edgeのもとになっている、公開された表示の仕組みのことです。BZGの比較ページによると、Coherence Xは、Chrome、Chrome Canary、Chromium、Ungoogled Chromium、Opera、Edge、Vivaldi、Helium、Braveに対応しています。

Chromium系のブラウザで動くので、Chromeで動くWebサービスはほぼそのまま動き、Chromeの拡張機能も使えます。以前からこの種の道具を使ってきた人の評価も紹介しておきます。開発会社の技術ブログで、かつて使われていたEpichromeという道具から乗り換えた体験が、次のように書かれています。

それ以外はEpichromeと同じ感覚で使えます。macOS専用である点とElectronベースでない点はEpichromeと同じですが、EpichromeのようなAppleScriptベースではない分安定している感じで、個人的には満足しています。 出典: techracho.bpsinc.jp

同じ記事では、Chromeの版が上がっても問題なく使えたこと、使い方が簡単で安定していることも挙げられています。現在の最新版は大きく作り直されていますが、Chromeの使い勝手をそのままアプリにしたい人に選ばれてきた道具だと分かります。

動作環境と料金

使い始める前に、手元のMacで動くかと、費用を確かめておきます。2026年10月時点の公式サイトの記載は次のとおりです。

項目 内容
現在の版 Coherence X6(2026年9月22日公開の6.1が最新)
対応するMac Apple シリコンとIntelの両方
必要なmacOS macOS 13.5以降
無料で使える範囲 1つのアプリを期限なく作って使える
有料版 買い切りで39.99ドルから(Coherence X 6.x向け)

無料の範囲は、2026年9月8日公開の6.0で変わりました。更新履歴によると、それまでの14日間の試用期間はなくなり、無料版で1つのアプリを期限なく作って使えるようになっています。2つ目以降のアプリを作る場合に、有料版を購入する形です。

有料版は買い切りで、将来の大きな版の更新は任意の有料アップグレードとされています。チーム向けにまとめて購入できるライセンスもあります。同じBZGのUnite Proと組み合わせて購入すると割引があり、比較ページではMac1台向けの組み合わせが59.99ドルと案内されています。

月額の定額で多数のMacアプリを使えるSetappからも、Coherence Xを使えます。公式サイトでは、Setappは月額9.99ドルからで、7日間の無料体験があると紹介されています。料金はいずれも米ドル建てで、税がかかる場合があります。円での支払額は、購入の画面で確かめてください。

アプリを作る流れ

Coherence Xでアプリを作る流れは、公式サイトでは次のように説明されています。

  1. Webサイトを選びます。URLを入力し、提案された名前を選び、アイコンを選ぶか作ります。
  2. 使うブラウザを選びます。Chrome、Brave、Edge、Vivaldi、Helium、そのほか対応するChromium系のブラウザから選びます。
  3. 必要に応じて、手持ちのブラウザから、プロファイル、ログイン、ブックマーク、拡張機能を取り込みます。
  4. アプリごとに、初期設定、ウインドウの動き、プロファイルを決めます。
  5. リンクをどこで開くか(アプリの中、別のアプリ、任意のブラウザ)を決めます。

6.0の更新で、アプリを作る画面は、別の小さな画面を順に進む形から、メインのウインドウの中ですべての選択肢を一度に見渡せる形に作り直されました。URLから数秒でMacのアプリにできると説明されています。

アイコンは、提案されたものから選ぶ、自分の画像を使う、組み込みの編集機能で作る、の3つから選べます。作ったアプリは「App Library」でまとめて管理でき、絞り込み、編集、再起動のほか、作った後から表示の形や使うブラウザを切り替えることもできます。

最初の1つは無料なので、毎日いちばんよく開くWebサービスでアプリを作り、使い心地を確かめてから、有料版を検討するのが無駄のない進め方です。

3つのアプリの形

Coherence Xで作るアプリには、3つの形があります。公式サイトの説明を整理します。

標準のアプリ

Webサイトを本物のMacアプリにする、いちばん簡単な形です。余計なツールバーのない1つのウインドウで開き、作業に集中できます。メールや文書の作成など、1つのサービスだけを開いておきたいときに向いています。

タブ付きのアプリ

ブラウザのようにタブを使いながら、独立したアプリとして分けて使える形です。公式サイトでは、Gmail、カレンダー、ドライブのように関係の深い道具を、1つの作業場にまとめる使い方が紹介されています。

シークレットのアプリ

Chromeのシークレットモードで起動する形です。セッションも履歴も保存されないので、開くたびにまっさらな状態から始められます。共有のMacで一時的に使う場合や、ログインの状態を残したくない作業に向いています。

自分好みに調整できる主な機能

Coherence Xは、アプリごとに見た目、動き、ブラウザの設定を変えられます。公式サイトで紹介されている主な機能を整理します。

リンクの振り分け

リンクをどこで開くかを、Webサイトや URLごとに細かく決められます。アプリの中で開く、別のCoherenceのアプリに送る、特定のブラウザで開く、普段使っているブラウザで開く、のいずれかを選べます。6.1では、複数のドメインを一度に登録できるようになり、新しい規則には開き先の候補が最初から入るようになりました。

拡張機能とプロファイル

手持ちのブラウザから、拡張機能、プロファイル、設定、閲覧の履歴を取り込み、完全に分かれた新しい環境で使えます。6.0では、拡張機能を1つずつ選んで取り込めるようになりました。手持ちのブラウザのデータはそのまま残ると説明されています。

ウインドウとセッション

アプリごとに、開き方、前回の状態の復元、新しいウインドウの扱いを決められます。前回開いていたタブを戻したり、Dockのアイコンをクリックしたときに適切な内容を開き直したりできます。

補助の拡張機能

Coherenceの補助の拡張機能が裏で動き、リンクの振り分けなどを支えます。6.0からは、新しく作ったアプリに自動で入り、Coherenceの中で管理され、自動で更新されるようになりました。

2026年9月の大型更新で変わったこと

Coherence Xは、2026年9月8日公開の6.0で大きく作り直されました。更新履歴で「これまでで最大の更新」とされている主な変更点を整理します。

新しいエンジン。アプリがより軽く、速く、安全になり、本物のMacアプリのように振る舞うようになったと説明されています。アプリはそれぞれのアプリ本体から直接動く形になりました。

Chromiumのサンドボックスを完全に有効化。サンドボックスとは、アプリが動ける範囲を囲い込み、万一の問題がほかに広がらないようにする安全の仕組みのことです。6.0からは、すべてのアプリが、Chromiumの安全の仕組みを完全に有効にした状態で起動するようになりました。

ブラウザのデータと拡張機能の取り込み。アプリを作るときに、手持ちのブラウザの閲覧データと拡張機能を取り込めるようになりました。

リンクの振り分けの作り直し。規則を編集する画面が新しくなり、どのリンクをアプリで開き、どのリンクをブラウザに送るかを細かく決められるようになりました。

VivaldiとHeliumへの対応。使えるブラウザに、VivaldiとHeliumが加わりました。

無料版の変更。14日間の試用がなくなり、1つのアプリを期限なく使える形になりました。

その後、6.0.1では作ったアプリを編集したときに選んだブラウザが勝手にChromeに戻る問題などが直され、6.1では、リンクの振り分けやアプリの設定の変更が、アプリを作り直さずに保存されるようになっています。古い版を使っている人は、最新版への更新を検討するとよいでしょう。

Unite ProやSafariのWebアプリとの違い

Webサイトをアプリにする方法は、Coherence Xだけではありません。代表的な選択肢との違いを、公式に確かめられた範囲で整理します。

比べる点 Coherence X6 Unite Pro SafariのDockに追加
表示の仕組み Macに入っているChromium系のブラウザ WebKitをもとにした独自のブラウザ Safari
拡張機能 Chromeの拡張機能に対応 ほかの会社の拡張機能は非対応 Safariの機能拡張
アプリの大きさ 200MB以上 約90MB ー
表示の形 標準、タブ付き、シークレット 通常、タブ付き、メニューバー、サイドバーなど 通常のウインドウ
必要なmacOS macOS 13.5以降 macOS 15以降 macOS 14以降
料金 1つ目は無料、買い切り39.99ドルから 1つ目は無料、買い切り39.99ドルから 無料

BZG自身の比較ページでは、Coherenceは「Chromeの拡張機能とブラウザの柔軟さ」に、Unite Proは「軽いアプリと細かい調整、macOSとの深い連携」に重きを置いていると説明されています。アプリの大きさはCoherenceのほうが大きくなりやすく、拡張機能を加えるほど大きくなると注意書きがあります。

SafariのDockに追加は、Appleのサポート情報によると、macOS Sonoma 14以降で無料で使える機能です。Safariでページを開き、「ファイル」メニューの「Dockに追加」を選ぶだけで、閲覧履歴やCookieをSafariと共有しないWebアプリを作れます。追加の費用をかけたくない人は、まずここから試すのが手軽です。

Chromeの「アプリとしてインストール」との違い

Chromium系のブラウザでWebサイトをアプリにするなら、Chromeの標準の機能でもできます。Google Chromeのヘルプによると、Chromeでサイトを開き、右上のその他のメニューから「キャスト、保存、共有」、「ページをアプリとしてインストール」と進むと、サイトをウェブアプリとしてインストールできます。一部のサイトでは、アドレスバーの右側にインストールのボタンが表示されます。インストールしたアプリは chrome://apps で管理でき、Macにログインしたときに自動で開くように設定することもできます。

この方法は無料で、追加のアプリも要りません。ただし、Chromeの標準の機能で作ったアプリは、Chromeの本体と結び付いて動きます。Coherence Xの利用者の声として公式サイトで紹介されているように、Chromeの標準の仕組みは、拡張機能も使えるけれどブラウザ本体をDockに置いておく必要がある、という点を不便に感じる人もいます。アプリごとにプロファイルを分ける、リンクの開き先を細かく決める、タブ付きやシークレットの形を選ぶ、といった調整が必要になったら、Coherence Xのような専用の道具を検討する、という順番で考えると無駄がありません。

Coherence Xが向いている人、向いていない人

ここまでの内容をもとに、Coherence Xが合う人と、別の道具のほうが合う人を整理します。

向いている人

1つ目は、Chromeの拡張機能を仕事で使っている人です。パスワードの管理、文章の校正、翻訳、広告の非表示など、普段の拡張機能をアプリごとに持ち込めるのは、Chromium系のブラウザで動く道具ならではの利点です。

2つ目は、使うブラウザを選びたい人です。Chrome、Edge、Brave、Vivaldiなどから、アプリごとに使うブラウザを選べます。Microsoftのサービスを使うアプリはEdge、広告を減らしたいアプリはBrave、といった使い分けができます。

3つ目は、比較的古いmacOSのMacを使っている人です。Coherence XはmacOS 13.5以降で動くので、macOS 15以降が必要な道具よりも、使えるMacの範囲が広くなっています。

向いていない人

1つ目は、Macの動きの軽さを最優先したい人です。Chromium系のアプリは大きくなりやすく、拡張機能を入れるほど大きくなると公式でも注意されています。

2つ目は、メニューバーやサイドバーに置く形を使いたい人です。Coherence Xの形は標準、タブ付き、シークレットの3つで、こうした置き方を重視するなら、別の道具が合います。

3つ目は、よく使うサイトをDockから開ければ十分な人です。この場合は、追加の費用をかけずにSafariのDockに追加や、Chromeの標準の機能を使うのが合理的です。

Webサイトをアプリにする道具の比べ方

どの道具を選ぶか迷ったときに、比べておきたい点を整理します。

使いたい拡張機能があるか

仕事で欠かせない拡張機能がある場合、たとえばパスワードの管理、文章の校正、翻訳などの拡張機能を使っているなら、Chromeの拡張機能が使える道具が第一の候補になります。拡張機能がなくても困らないなら、軽さを重視した道具も選べます。

使いたいサービスが正しく動くか

Webサービスの中には、特定のブラウザでしか動作確認されていないものがあります。Chromium系のブラウザで動く道具は、Chromeで動くサービスとの相性がよいと考えられます。いずれにしても、無料の範囲で実際に試すのが確実です。

アカウントとデータが分かれるか

取引先ごとに別のアカウントでログインする人は、アプリごとにログインの状態やCookieが分かれるかを確かめます。Coherence Xは、アプリごとにプロファイルを持てるので、仕事用と個人用のアカウントを分けて使えます。

Macの負担

たくさんのアプリを同時に開いておく場合は、アプリの大きさやメモリの使い方も気になります。Chromium系のアプリは、拡張機能を入れるほど大きくなりやすいので、古めのMacでは数を絞るなどの工夫が必要です。

料金の形と使う年数

買い切りか、月額の定額か、無料でどこまで使えるかを比べます。何年使うかを考え、合計の費用で比べると判断しやすくなります。

更新が続いているか

macOSやブラウザの更新に合わせて、道具も更新され続けているかを確かめます。Coherence Xは2026年9月に6.0、6.0.1、6.1と立て続けに更新されており、更新履歴が公開されています。更新が止まった道具は、ある日動かなくなるおそれがあります。

在宅ワークでの使い方の例

在宅で複数の取引先と仕事をしていると、取引先ごとにGoogleアカウントやチャットのツールが違い、ブラウザのアカウント切り替えに追われがちです。Coherence Xのような道具は、こうした手間を減らすのに役立ちます。

たとえば、取引先Aから発行されたGoogle Workspaceのアカウントで使うGmailとカレンダーを、タブ付きのアプリとしてまとめ、取引先Bのアカウントは別のアプリにします。アプリごとにプロファイルが分かれるので、ログインし直す必要がなく、Command+Tabで取引先を切り替えるだけで済みます。公式サイトで紹介されている利用者の声にも、仕事用のGmailを専用のアプリにして、個人用のGmailはSafariで開くことで、アカウントを分けているという例があります。

デザインや制作の仕事では、取引先ごとのデザインツールや素材の管理サービスを、それぞれアプリにしておくと、作業の切り替えがすっきりします。デザイナーの報酬の傾向はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

在宅で働く環境を整える費用には、事業者向けの支援制度が使える場合もあります。テレワークの支援策はテレワーク 助成金 2026で整理されています。

職種ごとに考えるアプリの分け方

どのサービスをアプリにするかは、職種によって変わります。Coherence Xの3つの形と組み合わせて、分け方の例を挙げます。

ライターや編集の仕事では、原稿を書く文書のサービスを標準のアプリに、取引先との連絡のチャットを取引先ごとの標準のアプリにします。調べものはブラウザで行い、原稿の画面と混ざらないようにすると、書くことに集中しやすくなります。

マーケティングや広告運用の仕事では、広告の管理画面やアクセス解析の画面を、取引先ごとにタブ付きのアプリにまとめます。取引先Aの広告と解析の画面を1つのアプリに、取引先Bのものを別のアプリに、という分け方です。アカウントの取り違えによる設定ミスを防げます。

事務やアシスタントの仕事では、メール、カレンダー、ドライブを1つのタブ付きのアプリにまとめるのが基本です。公式サイトでも、Gmail、カレンダー、ドライブを1つの作業場にまとめる使い方が紹介されています。

共有のMacや、一時的に他人の端末を借りて作業する場面では、シークレットのアプリが役立ちます。ログインの状態や履歴が残らないので、作業が終わった後の消し忘れを防げます。

どの職種でも、まずはいちばん開く回数の多いサービスから1つアプリにして、使い心地を確かめるところから始めるのがよいでしょう。

作ったアプリを長く使うための管理のコツ

アプリを作り始めると、数が増えて、どのアプリがどの取引先のものか分からなくなることがあります。長く使い続けるための管理のコツを挙げます。

1つ目は、名前とアイコンで見分けをつけることです。「Gmail A社」「Gmail 個人」のように、サービス名と用途が分かる名前を付け、アイコンの色も変えておくと、Dockやアプリの切り替えの画面で取り違えません。Coherence Xには組み込みのアイコンの編集機能があるので、色を変えたアイコンを手軽に作れます。

2つ目は、使うブラウザをそろえすぎないことです。アプリごとにブラウザを選べるのは便利ですが、使うブラウザの種類を増やすと、それぞれの更新に気を配る必要が出てきます。特別な理由がなければ、1つか2つのブラウザにそろえておくと管理が楽です。

3つ目は、取引が終わったアプリを片付けることです。取引が終わった取引先のアプリは、ログアウトしてから削除し、ログインの情報が残らないようにします。数か月に1度、App Libraryで一覧を見直す習慣をつけましょう。

4つ目は、リンクの振り分けの規則を記録しておくことです。細かく作った規則は、Macを買い替えたときに作り直す必要が出ることがあります。どのアプリで、どのドメインをどこに送る設定にしたかを簡単にメモしておくと、作り直しの手間が大きく減ります。

購入前に確かめておきたいこと

有料版を買う前に、次の点を確かめておくと、買ってから困ることを防げます。

確かめること 見るところ
手元のMacがmacOS 13.5以降か Appleメニューの「このMacについて」
使いたいブラウザが入っているか アプリケーションフォルダ
使いたいサービスが正しく動くか 無料の1つ目のアプリで試す
必要な拡張機能が動くか 無料のアプリに取り込んで試す
何台のMacで使うか 公式サイトの料金とライセンスの説明

とくに、ログインに2段階の認証や物理的なセキュリティキーを使うサービスは、アプリの中でも同じように動くかを必ず確かめておきます。公式サイトの利用者の声には、USBのセキュリティキーでの多要素認証が使えているという例も紹介されていますが、サービスや環境によって変わる可能性があるので、自分の環境での確認が確実です。

使うときに気をつけたいこと

便利な道具ですが、仕事で使うときには注意も必要です。

1つ目は、取り込むデータの範囲です。手持ちのブラウザから閲覧の履歴やログインの情報を取り込める機能は便利ですが、取引先ごとに分けたいアプリに、個人のデータまで持ち込まないようにします。取り込むものは必要な拡張機能だけに絞るのが安全です。

2つ目は、拡張機能の安全です。拡張機能は、閲覧中のページの内容を読み取れるものが多くあります。取引先の情報を扱うアプリには、信頼できる提供元の拡張機能だけを入れましょう。

3つ目は、取引先の決まりです。会社によっては、業務のデータを扱うソフトを指定していることがあります。取引先のサービスを別のアプリから使ってよいか、迷ったら確かめます。

4つ目は、Macの画面のロックです。アプリごとにログインの状態が保たれるので、席を離れるときは必ず画面をロックし、Macを家族と共用している場合はユーザーを分けておきましょう。

もっと手軽に試したい人の選択肢

Coherence Xは、Chromium系のブラウザを使いながら細かく調整できる道具ですが、「無料で作れるアプリをもう少し増やしたい」「円建ての買い切りで手軽に始めたい」という人もいるでしょう。同じくChromium系のブラウザを使ってWebサイトをアプリにする道具として、「Kagemusha」があります。

公式サイトによると、KagemushaはWebサイトを独立したmacOSのアプリに変える道具で、macOS 12以降に対応しています。Chrome、Chrome Canary、Chromium、Brave、Microsoft Edge、Vivaldi、Operaの7つのブラウザエンジンから選べ、Chromeのウェブストアの拡張機能がそのまま動きます。アプリごとに独立したブラウザのプロファイルが自動で割り当てられ、Cookieやログインの状態が分かれます。Chromeが更新されたときに、アプリを自動で同期し直して動き続けるようにする仕組みも備えています。複数のWebサービスを1つのアプリにまとめ、左のサイドバーのアイコンで切り替える「Space モード」もあります。画面の文言は日本語を含む32の言語に対応しています。

料金は、3つのアプリまで無料で、すべての機能を使えます。4つ以上のアプリを作る場合は、買い切りのProが3,980円(税込)です。

Kagemushaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

運営者として見てきた、取引先の多い人の働き方

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から言えば、複数の取引先と長く付き合える人は、連絡の窓口を取り違えない仕組みを自分で作っています。取引先Aへの返事を取引先Bのチャットに送ってしまう、といった事故は、一度起きると信頼を大きく損ないます。Webサイトを取引先ごとのアプリに分けておくことは、そうした事故を防ぐ実用的な工夫です。

もう1つ見えているのは、作業の手間を減らすほど、手取りの構造が収入に効いてくるということです。アカウントの切り替えや探しものの時間を減らしても、1件ごとに仲介の手数料が差し引かれれば、受け手に残る金額は伸びません。依頼者と受け手が直接やり取りできる手数料0%の仕組みなら、道具で生まれた効率の分が、そのまま受け手の手取りと依頼者の予算の余裕になります。業務の仕組みづくりやITの活用を支援する仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、Macのアプリや業務システムを作る仕事はアプリケーション開発のお仕事で紹介されています。

よくある質問

Q. Coherence Xは無料で使えますか?

開発元BZGの更新履歴によると、2026年9月公開の6.0から14日間の試用期間がなくなり、無料版で1つのアプリを期限なく作って使えるようになりました。2つ目以降のアプリを作る場合は、有料版を購入します。有料版は買い切りで39.99ドルからと案内されています。Setappの月額の定額からも利用できます。

Q. Coherence Xに必要な動作環境は何ですか?

公式サイトでは、macOS 13.5以降が必要で、Apple シリコンとIntelの両方のMacに対応していると案内されています。アプリを作るには、Chrome、Edge、Brave、Vivaldiなど、対応するChromium系のブラウザがMacに入っている必要があります。手元のMacの版は「このMacについて」で確かめられます。

Q. Coherence XとUnite Proはどう違いますか?

どちらもBZGの製品です。Coherence XはMacに入っているChromium系のブラウザを使い、Chromeの拡張機能に対応しています。Unite ProはWebKitをもとにした独自のブラウザで動き、アプリが軽く、メニューバーやサイドバーに置く形など見た目の調整が多い一方、ほかの会社の拡張機能には対応していません。

Q. Coherence Xで仕事用と個人用のアカウントを分けられますか?

アプリごとにプロファイルを持てるので、仕事用のGmailと個人用のGmailを別々のアプリとして使い分けられます。手持ちのブラウザからデータを取り込む機能もありますが、取引先ごとに分けたいアプリには個人のデータを持ち込まず、必要な拡張機能だけを取り込むのが安全です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年10月3日最終更新:2026年10月10日
堀内 和也

この記事を書いた人

堀内 和也@SOHO編集部

介護テック・福祉DXコンサルタント

介護施設の運営管理者を経て、介護施設向けのICT導入コンサルタントとして独立。介護テック・福祉DX・ヘルスケアIT系の記事を執筆しています。

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