転職しやすい資格|求人の多い分野


この記事のポイント
- ✓厚生労働省の職業別の有効求人倍率と
- ✓法律で配置や業務が決められている資格の2つの軸で整理しました
- ✓求人が多い理由と取り方の注意点
転職のために資格を取ろうと考えたとき、知りたいのは「どの資格なら本当に転職しやすくなるのか」です。資格の一覧を眺めても、人気の資格と求人の多い資格は同じではありません。取るのに時間とお金をかける以上、求人のある分野を選びたいところです。
この記事では、転職しやすい資格を2つの軸で選びます。1つは、厚生労働省が毎月公表している職業別の有効求人倍率で、仕事を探す人に比べて求人がどれだけ多いかを見ます。もう1つは、法律で「この資格を持つ人を置かなければならない」「この資格がないとこの作業をしてはいけない」と決められているかどうかです。この2つが重なる資格ほど、転職で資格が効きやすいと考えられます。
転職しやすい資格を選ぶ2つの軸
資格が転職に役立つかどうかは、企業がその資格を持つ人をどれだけ必要としているかで決まります。必要とされる理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、その職業の人手が足りていないことです。仕事を探している人より求人のほうが多い職業では、資格を持っていると採用の側から声がかかりやすくなります。人手不足の度合いは、有効求人倍率で確かめられます。有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して求人が何件あるかを表す数字で、1倍を超えると求人のほうが多い状態です。
2つ目は、法律で資格を持つ人の配置や業務が決められていることです。たとえば不動産の会社は、事務所ごとに決められた数の宅地建物取引士を置かなければなりません。電気工事は、電気工事士の資格がない人がしてはいけない作業があります。このような資格は、会社が事業を続けるために必ず必要になるため、景気に左右されにくい需要があります。
逆に言えば、人手が足りている職業で、法律上の必要もない資格は、持っていても転職の決め手になりにくいということです。資格を選ぶときは、資格の知名度よりも、この2つの軸に当てはまるかを先に確かめてください。
職業別の有効求人倍率で見る、求人の多い分野
厚生労働省の一般職業紹介状況の参考統計表(令和8年8月分)には、ハローワークでの職業別の有効求人倍率が載っています。主な職業を抜き出すと次のとおりです(常用、パートを含む実数)。
| 職業 | 有効求人倍率 |
|---|---|
| 職業計 | 1.06倍 |
| 建設躯体工事従事者 | 8.25倍 |
| 保安職業従事者 | 6.99倍 |
| 土木作業従事者 | 6.71倍 |
| 建築・土木・測量技術者 | 5.71倍 |
| 介護サービス職業従事者 | 3.89倍 |
| 機械整備・修理従事者 | 3.87倍 |
| 電気工事従事者 | 3.23倍 |
| 医療技術者 | 3.21倍 |
| 自動車運転従事者 | 2.54倍 |
| 社会福祉専門職業従事者 | 2.50倍 |
| 保健師、助産師、看護師 | 2.00倍 |
| 情報処理・通信技術者 | 1.33倍 |
| 会計事務従事者 | 0.55倍 |
| 一般事務従事者 | 0.29倍 |
数字の出典は厚生労働省の一般職業紹介状況(令和8年8月分)です。建設、警備などの保安、介護、電気工事、運転の分野で、求人が仕事を探す人を大きく上回っていることが分かります。
一方で、一般事務は0.29倍で、仕事を探す人に対して求人がかなり少ない状態です。会計事務も0.55倍にとどまります。事務職を目指して簿記やパソコンの資格を取っても、競争が激しい分野であることは変わりません。資格を取る前に、目指す職業そのものの求人の状況を見ておくことが大切です。
ただし、この数字はハローワークを通した求人と求職だけを数えたもので、民間の求人サイトや企業の直接採用は含まれていません。地域による差も大きいので、住んでいる地域のハローワークや求人サイトで、実際の求人の件数と条件を確かめてください。また、有効求人倍率は月ごとに変わります。厚生労働省は一般職業紹介状況を毎月公表しており、新しい月の数字が順に追加されていくので、資格を選ぶ前に最新の月の数字を見ておくと安心です。
住んでいる地域で求人の多さは変わる
有効求人倍率は、地域によっても大きく違います。厚生労働省の令和8年8月分の発表では、就業地別の有効求人倍率(季節調整値)は、最も高い福井県で1.72倍、最も低い大阪府で0.95倍でした。全国では1.18倍です。同じ資格でも、住んでいる地域によって求人の数が変わるということです。
地域による違いは、職業ごとに見るとさらに大きくなります。建設や製造の会社が多い地域では施工管理や機械の整備の求人が多く、観光地では宿泊や飲食の求人が多い、といった差があります。介護の求人は全国どこでも多い傾向がありますが、通える範囲に事業所がどれだけあるかで、選べる職場の数が変わります。
地域の求人を調べるときは、次の方法を組み合わせてください。
- ハローワークインターネットサービスで、住んでいる市区町村と職種を指定して求人を検索する
- 民間の求人サイトで、同じ条件で求人を検索し、件数と給与の幅を比べる
- 目指す資格の名前で検索し、応募の条件にその資格が書かれた求人がどれだけあるかを数える
3つ目の方法は、資格を取る前の確認として特に役立ちます。資格の名前で検索して、通える範囲に求人がほとんど出てこない場合は、その資格を取っても地域では活かしにくいかもしれません。引っ越しを考えていない人は、地元で求められている資格から選ぶのが確実です。
法律で配置や業務が決められている資格
転職で資格が強く効くのは、法律で資格を持つ人の配置や業務が決められている場合です。代表的な例を、条文で確かめた内容とともに紹介します。
宅地建物取引士
不動産の売買や賃貸の仲介をする会社には、宅地建物取引士を置く義務があります。宅地建物取引業法の第31条の3は次のように定めています。
宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。 出典: e-Gov法令検索(宅地建物取引業法 第31条の3)
置くべき数は、施行規則の第15条の5の3で、事務所で業務に従事する人の5分の1以上と決められています。従業員が10人の事務所なら、2人以上の専任の宅地建物取引士が必要です。人数が足りなくなった場合は2週間以内に対応しなければならないため、不動産の会社は常に資格を持つ人を必要としています。宅地建物取引業法の第35条では、売買や賃貸の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士が買う人や借りる人に重要事項を書面で説明することも定められています。物件の権利関係や法令上の制限、取引の条件などを説明するこの仕事は、資格を持つ人にしかできません。営業の担当者が資格を持っていると、自分で重要事項の説明まで担当できるため、不動産の会社では営業職の応募条件や歓迎条件に宅地建物取引士が挙げられることがよくあります。試験は一般財団法人不動産適正取引推進機構が実施しており、日程は不動産適正取引推進機構のページで確かめられます。
電気工事士
一般の住宅や小さな店舗の電気工事は、第二種電気工事士の資格がないとしてはいけない作業があります。電気工事士法の第3条は、第一種または第二種電気工事士の免状を持っている人でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業に従事してはならないと定めています(保安上支障がない一部の作業を除く)。業務独占の資格とは、このように資格がないとその仕事をしてはいけない資格のことです。電気工事従事者の有効求人倍率は3.23倍で、資格の必要性と人手不足の両方が重なる分野です。
建設の施工管理
建設業法の第26条は、建設業者が工事を施工するときに、工事現場の技術上の管理をする主任技術者を置かなければならないと定めています。主任技術者になれるのは、一定の学歴と実務経験がある人や、国家資格を持つ人などです。施工管理技士の資格を持っていると、実務経験の年数を待たずに主任技術者の要件を満たせる場合があり、建設会社への転職で強みになります。建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.71倍で、人手不足が特に深刻な職業の1つです。
介護・福祉の分野で転職しやすい資格
介護サービスの職業は有効求人倍率3.89倍、社会福祉の専門職は2.50倍で、未経験からの転職が多い分野です。介護の仕事は資格がなくても始められる職場がありますが、資格があると任される仕事と待遇が変わります。
- 介護職員初任者研修:介護の仕事の入り口になる研修。訪問介護の仕事に必要になる
- 介護福祉士実務者研修:介護福祉士の受験に必要な研修
- 介護福祉士:国家資格。令和8年1月の第38回試験は合格率70.1%
- 社会福祉士:国家資格。地域包括支援センターでは、介護保険法施行規則で社会福祉士を原則1人置くことが決められている
介護福祉士を実務経験で受験する場合は、3年以上の実務経験に加えて実務者研修の修了が必要です。社会福祉振興・試験センターは、「実務経験3年以上」だけでは受験できないと案内しています。未経験で介護の職場に転職し、働きながら研修を受けて介護福祉士を目指す、という順番が現実的です。
福祉の相談の仕事を目指すなら社会福祉士が中心になります。令和8年2月の第38回社会福祉士国家試験の合格率は60.7%でした。福祉系以外の大学を卒業した人でも、一般養成施設で1年以上学べば受験資格を得られます。
医療の分野で転職しやすい資格
医療の分野も求人の多い分野です。職業別の有効求人倍率では、臨床検査技師や診療放射線技師などを含む医療技術者が3.21倍、保健師・助産師・看護師が2.00倍でした。いずれも国家資格がないとその業務ができない資格で、求人の多さと業務独占の両方が重なっています。
ただし、医療の国家資格は、指定された学校や養成所で数年かけて学んだうえで国家試験に合格する必要があります。社会人が転職のために目指す場合は、学校に通う期間の生活費と学費の計画が欠かせません。看護師や医療技術者の養成課程の中には、専門実践教育訓練の対象になっているものもあり、雇用保険の条件を満たせば学費の一部を給付金でまかなえる場合があります。
医療の分野で資格がなくても始められる仕事には、病院の受付や医療事務、看護助手などがあります。医療事務には民間の検定がいくつもありますが、国家資格ではないため、資格の有無よりも診療報酬の請求の経験が重視される傾向があります。まず医療機関で働き始め、職場の仕組みを知ってから、国家資格を目指すかどうかを決める人もいます。
医療の仕事は夜勤や交代制の勤務がある職場が多いので、資格を目指す前に、働き方が自分の生活に合うかも確かめておいてください。同じ資格でも、病院、診療所、介護施設、健診センターなどで勤務の形が大きく違います。
運転・物流の分野で転職しやすい資格
自動車運転従事者の有効求人倍率は2.54倍で、トラックやバス、タクシーの運転の仕事も人手が足りない状態です。この分野では、運転免許の種類がそのまま転職の条件になります。
- 中型・大型自動車免許:トラックの運転の仕事では、運ぶ荷物の量に応じて必要な免許の種類が決まる
- 第二種運転免許:バスやタクシーなど、旅客を乗せて運賃をもらう運転の仕事に必要になる
- フォークリフトの運転技能講習:倉庫や物流センターでの荷役の仕事で求められる
運転免許は、道路交通法で運転できる車の種類が決められています。求人票に「大型免許必須」「二種免許取得支援あり」などと書かれていることが多いので、取りたい免許の種類を求人票から逆算して決めるのが確実です。会社によっては、入社後に免許の取得費用を負担してくれる制度もあります。
警備の仕事を含む保安職業従事者は6.99倍と、表の中でも高い数字です。警備の仕事は資格がなくても始められる求人が多い一方、施設や交通の警備では検定の資格を持つ人の配置が求められる場面があり、働きながら資格を取ると任される仕事が広がります。
機械の整備と製造の分野で役立つ資格
機械整備・修理の職業は有効求人倍率3.87倍で、整備の仕事も人手が足りない分野です。自動車の整備の仕事では、国土交通大臣が行う自動車整備士の技能検定が国家資格として用意されており、整備工場の求人で応募条件や手当の対象に挙げられることがよくあります。
工場や倉庫の仕事では、労働安全衛生法にもとづく免許や技能講習が役立ちます。フォークリフトやクレーン、玉掛けなどは、決められた講習を修了した人でなければ運転や作業ができない場合があります。講習は数日で修了できるものが多く、取得にかかる期間が短いのが特徴です。未経験から製造や物流の仕事に転職するときに、最初に取る資格として選ばれています。
危険物を扱う工場やガソリンスタンドでは、危険物取扱者の資格を持つ人の立ち会いや選任が求められる場面があります。消防法にもとづく国家資格で、受験の条件がない種類もあるため、学歴や職歴にかかわらず挑戦できます。
製造の分野の資格は、職場で必要になってから会社の費用で取らせてもらえることも少なくありません。応募の段階で必須の資格と、入社後に取ればよい資格を求人票で見分け、必須の資格だけを先に取っておくと、費用と時間を抑えられます。
ITの分野で転職しやすい資格
情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.33倍で、職業全体より高いものの、介護や建設ほどの差はありません。ITの分野では、資格よりも実際に何を作れるか、どんな仕事をしてきたかが重視される傾向があります。
それでも資格が役立つ場面はあります。情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の情報処理技術者試験は、ITの基礎知識を持っていることを示す材料になります。未経験からITの職場に転職する場合、基本情報技術者試験やITパスポート試験の合格は、学ぶ意欲と基礎知識を示す手段の1つになります。試験の種類と日程はIPAの試験のページで確認できます。情報セキュリティの分野では、情報処理安全確保支援士という登録制の国家資格もあります。試験に合格したうえで登録を受ける資格で、セキュリティの担当者の求人で歓迎条件に挙げられることがあります。セキュリティの仕事の内容と働き方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のページで紹介しています。
ネットワークの仕事を目指すなら、通信機器の大手が実施しているベンダー資格も選択肢になります。ネットワークの設計や運用の基礎を問う資格で、インフラエンジニアの求人で応募条件や歓迎条件に挙げられることがあります。内容はCCNA(シスコ技術者認定)のページで確認できます。
ITの分野では、資格の勉強と並行して、実際に手を動かして作ったものを見せられるようにしておくと、転職の場面で説得力が増します。ITの仕事の種類と働き方は、アプリケーション開発のお仕事のページで紹介しています。
事務職を目指すときの資格の考え方
事務職は人気が高く、一般事務の有効求人倍率は0.29倍です。仕事を探す人に対して求人が少ないため、資格を取るだけで転職しやすくなるとは言えません。
それでも事務職を目指す場合は、資格を「応募の条件を満たすもの」ではなく、「ほかの応募者との差をつける材料」として考えるのが現実的です。日商簿記検定は会計事務の基礎を示せますし、文書の作成や表計算の資格は、仕事の正確さを伝える材料になります。社内外に出す文書の書き方を問う検定としては、ビジネス文書検定もあります。
事務職への転職でより効くのは、資格と職歴の組み合わせです。たとえば建設会社の事務なら、建設業の許可や現場の書類に詳しい人が重宝されます。介護の事業所の事務なら、介護保険の請求の仕組みを知っている人が求められます。求人の多い業界の中で事務の仕事を探すと、事務職全体の倍率よりも有利に転職を進められる場合があります。
年代ごとの資格の選び方
転職しやすい資格は、年代によっても選び方が変わります。同じ資格でも、20代と40代では採用する側が期待するものが違うためです。
20代
20代の転職では、資格よりも伸びしろが見られることが多く、未経験の職種にも挑戦しやすい時期です。将来のキャリアの土台になる国家資格を、時間をかけて目指すのに向いています。介護福祉士や社会福祉士のように実務経験や養成施設が必要な資格も、20代のうちに始めれば、30代で専門職として働く道が開けます。ITの分野では、資格に加えて基礎から学び直す時間を取りやすい年代でもあります。
30代
30代は、これまでの職歴と資格を組み合わせて転職する年代です。前職の経験と関係のある資格を選ぶと、即戦力として評価されやすくなります。たとえば営業の経験がある人が宅地建物取引士を取って不動産の会社に移る、経理の経験がある人が簿記の上位の級を取って経理の専門職を目指す、といった組み合わせです。
40代以上
40代以上の転職では、人手不足の分野で、法律上必要とされる資格を選ぶのが現実的です。介護、建設、運転、警備などは、年齢よりも資格と働く意欲が重視される求人が多い分野です。業務独占や配置の義務がある資格は、年齢にかかわらず必要とされるため、40代以上の転職で特に効果を発揮します。体力が必要な仕事かどうかも確かめ、長く続けられる分野を選んでください。
資格を取る費用を抑える制度
転職のための資格の費用は、雇用保険の教育訓練給付金で一部をまかなえる場合があります。厚生労働大臣の指定を受けた講座が対象で、講座の種類ごとに支給の割合が決まっています。
| 講座の種類 | 支給の割合と上限 |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 受講費用の20%(上限10万円) |
| 特定一般教育訓練 | 40%(上限20万円)。資格を取って就職すると50%(上限25万円)まで |
| 専門実践教育訓練 | 50%(年間上限40万円)。資格を取って就職すると70%(年間上限56万円)、賃金が5%以上上がると80%(年間上限64万円)まで |
出典は厚生労働省の教育訓練給付制度のページです。介護福祉士や社会福祉士の養成施設、看護の学校など、国家資格の取得を目指す長期の講座は専門実践教育訓練の対象になっているものがあります。対象の講座かどうかは、同じページから教育訓練講座検索システムで調べられます。
給付金を受けられるかどうかは、雇用保険に加入していた期間などで決まります。受講を始める前に手続きが必要な講座もあるため、申し込む前にハローワークで自分が対象になるかを確かめてください。会社を辞めてから資格を取ろうと考えている人は、退職の前に確認しておくと、使える制度を逃さずに済みます。
資格選びで失敗しやすいパターン
転職のための資格選びでは、よくある失敗のパターンがあります。始める前に知っておくと、時間とお金を無駄にせずに済みます。
1つ目は、知名度や人気だけで資格を選ぶことです。人気の資格は受験する人が多く、合格しても同じ資格を持つ人が大勢います。求人の数に比べて資格を持つ人が多い分野では、資格だけでは差がつきません。
2つ目は、受験の条件を確かめずに勉強を始めることです。介護福祉士や社会福祉士、施工管理技士などは、実務経験や学歴が受験の条件になっています。条件を満たしていないのに勉強だけを先に進めても、受験できるのは数年後になってしまいます。勉強を始める前に、試験を実施している団体の公式ページで受験資格を確かめてください。
3つ目は、高額な講座に申し込んでから中身を確かめることです。民間の資格の中には、講座を受けて修了すれば取れるものもありますが、求人の応募条件に書かれることが少ない資格もあります。「この資格を取れば転職できる」「必ず仕事を紹介する」といった広告をうのみにせず、実際の求人票に書かれているかで判断してください。講座の費用を先に払わせて、仕事の紹介がない、というトラブルもあります。困ったときは消費生活センターに相談できます。
資格を取ってから転職するか、転職してから取るか
資格を先に取るか、転職してから取るかは、分野によって向き不向きがあります。
先に取ったほうがよいのは、資格がないと応募そのものができない分野です。宅地建物取引士や電気工事士、第二種運転免許などは、資格を持っていることが採用の条件になる求人が多く、先に取っておくと応募できる求人の数が大きく変わります。
転職してから取るほうが進めやすいのは、実務経験が資格の条件になっている分野です。介護福祉士は実務経験で受験する場合に3年以上の実務経験が必要で、施工管理技士も第二次検定に進むには実務経験が求められます。まず資格がなくても応募できる職場に転職し、働きながら受験の条件を満たしていく流れになります。この場合は、入社後に資格の取得を支援してくれる制度がある会社を選ぶと、費用と時間の負担が軽くなります。
どちらの場合も、年齢と使える時間を考えて計画を立てることが大切です。働きながら勉強する時間を1日にどれだけ取れるか、試験が年に何回あるかを確かめ、合格までの期間を見積もってから動き始めてください。在職中に資格を取ってから転職すると、収入が途切れない状態で応募先を選べるため、条件の合わない求人に焦って応募せずに済みます。一方、退職してから学校や養成施設に通う場合は、学ぶ期間の生活費の見通しを先に立てておく必要があります。失業中に公共職業訓練(ハロートレーニング)を受けられる場合もあるので、ハローワークで相談してみてください。
履歴書と面接で資格を伝えるときの注意点
資格を取ったら、履歴書と面接で正しく伝えることも大切です。資格の書き方1つで、採用の担当者に与える印象が変わります。
履歴書の資格欄には、資格の正式な名称を書きます。たとえば「宅建」ではなく「宅地建物取引士」、「運転免許」ではなく「普通自動車第一種運転免許」のように、略さずに書きます。取得した年月も、合格証や免許証で確かめて正確に書いてください。登録が必要な資格は、試験に合格しただけの状態と、登録を済ませた状態で意味が違うため、登録まで済ませているかを書き分けます。
勉強中の資格は、「○○取得に向けて勉強中(令和9年2月受験予定)」のように書けます。応募する仕事に関係のある資格なら、勉強中であることも意欲を示す材料になります。
面接では、資格を取った理由と、その資格を仕事でどう使いたいかを話せるようにしておきます。資格の名前を並べるより、「前職でこういう経験をして、この資格が必要だと感じて取った」という流れで話すと、採用の担当者に伝わりやすくなります。資格と応募する仕事のつながりを、自分の言葉で説明できるように準備してください。
資格以外に採用で見られること
転職では、資格を持っていることは評価の一部にすぎません。採用の担当者が資格と合わせて見ているのは、次のような点です。
- 前職でどんな仕事をして、どんな成果を出してきたか
- 新しい職場の仕事の中身を理解しているか
- 長く働き続けられそうか(転職の理由と、次の職場で何をしたいか)
- 職場の人と協力して仕事を進められるか
資格を取ったのに転職がうまくいかない場合は、資格以外のこれらの点で伝え方が足りていないことがあります。特に未経験の職種への転職では、なぜその仕事を選んだのかを具体的に話せるかどうかが大きな差になります。
人手不足の分野では、資格がなくても採用され、入社後に資格を取ることを期待される場合もあります。その場合は、資格の取得を支援してくれる制度があるか、資格を取ったら手当がつくかを面接で確かめておくと、入社後の計画が立てやすくなります。
資格の勉強を続けるための進め方
転職のための資格の勉強は、仕事を続けながら進めることが多く、途中で手が止まりやすいものです。続けるために、次の手順で進めてください。
- 目指す職業の求人票を10件ほど集め、応募の条件と歓迎の条件に書かれている資格を書き出す
- 書き出した資格の試験の日程、受験の条件、合格までに必要な勉強の範囲を確かめる
- 試験日から逆算して、1週間ごとの勉強の量を決める
- 平日は短い時間でも毎日続け、休日に過去問を通しで解く
- 申込の締め切りをカレンダーに登録し、受験の申込を忘れないようにする
1つ目の手順は特に大切です。資格の一覧から選ぶのではなく、実際の求人票から逆算すると、取るべき資格と優先順位がはっきりします。同じ職業でも、地域や会社の規模によって求められる資格が違うことがあるので、自分が働きたい地域の求人を中心に集めてください。
運営者として見てきた、資格と働き方の組み合わせ
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた範囲では、資格を転職に活かした人ほど、資格を取った後も現場の経験を積み重ね、その経験を別の働き方にも広げています。たとえば建設や不動産、介護の分野で資格と経験を持つ人が、その知識を活かして図面の作成や書類の作成、業界向けの文章の仕事を在宅で請け負う例があります。
資格は入り口で、評価が続くのは仕事の中身です。長く続く人ほど、単発の作業をこなすことより、「この人に任せると間違いがない」と依頼者に思ってもらえる関係づくりに時間を使っています。仲介の手数料が間に入らない直接のやりとりなら、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手数料0%で報酬を受け取れます。資格と経験が、手取りの厚い仕事につながりやすくなります。
デザインの分野の働き方と報酬の幅を知りたい人は、デザイナーの年収・単価相場のページで確認できます。転職しやすい資格は、求人の多い分野と、法律で必要とされる資格が重なるところにあります。まず目指す職業の求人票を集め、職業別の有効求人倍率で人手不足の度合いを確かめ、応募の条件になっている資格から取り組んでください。文書の作成の力を示したい人は、ビジネス文書検定の内容から確かめてみてください。
よくある質問
Q. 転職しやすい資格はどうやって選べばよいですか?
目指す職業の人手不足の度合いと、法律で資格の配置や業務が決められているかの2つで選ぶのがおすすめです。人手不足の度合いは、厚生労働省が毎月公表する職業別の有効求人倍率で確かめられます。そのうえで、働きたい地域の求人票を集め、応募の条件に書かれている資格から取り組むと、遠回りをせずに済みます。
Q. 事務職への転職に資格は役立ちますか?
一般事務は有効求人倍率が低く、資格を取るだけで転職しやすくなるとは言えません。簿記や文書作成の資格は、ほかの応募者との差をつける材料として考えるのが現実的です。建設や介護など求人の多い業界の事務を選び、その業界の書類や制度に詳しくなると、事務職の中でも転職を進めやすくなる場合があります。
Q. 資格の勉強に使える給付金はありますか?
雇用保険に一定期間加入している人は、教育訓練給付金を使える場合があります。厚生労働大臣が指定した講座が対象で、一般教育訓練なら受講費用の20%、専門実践教育訓練なら50%から最大80%が支給されます。受講前に手続きが必要な講座もあるため、申し込む前にハローワークで対象になるかを確認してください。
Q. 未経験でも転職しやすい分野はどこですか?
介護、建設、警備、運転の分野は求人が多く、未経験から始められる職場もあります。介護は資格がなくても応募できる求人があり、働きながら研修を受けて介護福祉士を目指せます。運転の仕事は免許の種類が条件になるため、入社後に免許の取得費用を支援してくれる会社を選ぶと負担を軽くできます。地域の求人で条件を確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







