介護タクシーの運転手になるには|必要な免許と資格


この記事のポイント
- ✓介護タクシーの運転手になるには何が必要かを
- ✓道路交通法と運輸局の公示で確かめて整理
- ✓普通第二種免許の受験資格
介護タクシーの運転手になりたいと考えたとき、「どの免許が要るのか」「介護の資格は必須なのか」が分かりにくく、調べるほど情報が食い違って迷う人が多いはずです。結論から言うと、介護タクシーの運転手に欠かせないのは、お客様を乗せて運賃を受け取る運転に必要な普通自動車第二種免許です。介護の資格は、使う車の種類によって「必須」か「持つよう努める」かが分かれます。さらに、乗り降りの介助を介護保険のサービスとして行う場合は、介護職員初任者研修などの資格が必要になります。この記事では、道路交通法と国土交通省の運輸局の公示を確かめたうえで、必要な免許と資格、取る順番、働き始めるまでの流れを説明します。
介護タクシーとはどんな仕事か
介護タクシーという言葉は法律で決まった名前ではなく、一般には、体の不自由な人や介護が必要な人を乗せることを中心にしたタクシーを指します。国土交通省はこうしたタクシーを「福祉タクシー」と呼び、次のように説明しています。
福祉タクシーとは、道路運送法第3条に掲げる一般乗用旅客自動車運送事業を営む者であって、一般タクシー事業者が福祉自動車を使用して行う運送や、障害者等の運送に業務の範囲を限定した許可を受けたタクシー事業者が行う運送のことをいう。 出典: mlit.go.jp
言い換えると、介護タクシーには大きく2つの形があります。
- 普通のタクシー会社が、車いすのまま乗れる車などの福祉車両を使って運ぶ形
- 体の不自由な人などを運ぶことに仕事の範囲を限った許可を受けた事業者が運ぶ形
2つ目の許可は、一般に「福祉輸送事業限定」の許可と呼ばれます。個人で介護タクシーを開業する人の多くは、この許可を受けて事業を始めます。
介護タクシーの運転手の仕事は、運転だけではありません。お客様の自宅まで迎えに行き、玄関から車まで移動を手伝い、車いすのまま車に乗ってもらい、病院や施設に着いたら受付まで付き添う、といった一連の流れを担います。乗せられるのは、要介護や要支援の認定を受けた人、身体障害者手帳を持つ人、一人で公共交通機関を使うのが難しい人とその付き添いの人などです。
利用される場面は、通院、入院や退院、施設への入所、買い物、冠婚葬祭への出席など、日常生活のさまざまな移動です。高齢化が進み、家族だけでは通院の送迎が難しい家庭が増えていることから、介護タクシーは地域の移動を支える仕事として必要とされています。
必ず要る免許は普通自動車第二種免許
介護タクシーの運転手になるために、まず欠かせないのが普通自動車第二種免許です。第二種免許とは、バスやタクシーのように、お客様を乗せて運賃を受け取る運転をするための免許のことです。普段の運転に使う免許は第一種免許と呼ばれ、それだけでは介護タクシーの運転手として働けません。
道路交通法第86条には、旅客自動車を、旅客自動車運送事業のお客様を運ぶ目的で運転する人は、自動車の種類に応じた第二種免許を受けなければならないと定められています。介護タクシーで使う車の多くは普通自動車なので、普通第二種免許が必要になります。
普通第二種免許を受けるための条件は、道路交通法第96条で次のように決められています(道路交通法)。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 21歳以上(決められた教習を修了した人は19歳以上) |
| 持っている免許 | 普通免許、準中型免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許のいずれかを現に受けている |
| 運転の経歴 | 上の免許を受けていた期間が通算3年以上(決められた教習を修了した人は1年以上) |
一般的には、普通免許を取ってから3年以上たち、21歳になっていれば受けられます。決められた教習を修了した人は、19歳以上で、普通免許を受けていた期間が1年以上あれば受けられる特例もあります。この特例の教習を受けられる教習所は限られているので、利用したい人は近くの教習所に確かめてください。
普通第二種免許を取る方法は、指定自動車教習所に通う方法と、運転免許試験場で直接試験を受ける方法の2つです。教習所に通うと、技能試験が免除されるため、時間と費用はかかりますが確実に取得しやすくなります。試験場で直接受ける方法は費用を抑えられますが、技能試験の合格の基準が厳しく、何度も受け直す人が少なくありません。
教習の費用や期間は、教習所や持っている免許によって違います。複数の教習所の案内を見比べて決めましょう。
介護の資格は、使う車で扱いが変わる
介護タクシーで介護の資格がどう扱われるかは、地方運輸局が出している審査の基準で決められています。ここでは、東北運輸局の山形運輸支局が令和6年に周知した基準を例に説明します。この基準では、福祉輸送事業限定の許可で使う車を2種類に分け、運転者に求める要件を次のように定めています。
福祉輸送自動車のうち、福祉自動車に乗務する者は、以下の①~④のいずれかの要件を満たすよう努めなければならない。 ① 財団法人全国福祉輸送サービス協会が実施する福祉タクシー乗務員研修を修了していること。 ② 介護福祉士の資格を有していること。 ③ 訪問介護員の資格を有していること。 ④ サービス介助士の資格を有していること。 出典: wwwtb.mlit.go.jp
福祉自動車とは、車いすやストレッチャーのためのリフトやスロープ、寝台などの設備がある車や、回転シートなど乗り降りしやすい装置が付いた車のことです。
同じ基準を表にすると、次のようになります。
| 使う車 | 運転者に求められること | 当てはまる資格や研修 |
|---|---|---|
| 福祉自動車(リフト付きの車など) | いずれかを満たすよう努める | 福祉タクシー乗務員研修、介護福祉士、訪問介護員、サービス介助士 |
| セダン型などの一般の車 | いずれかを満たさなければならない | 介護福祉士、訪問介護員、居宅介護従業者 |
ここで大切なのは、言葉の違いです。福祉自動車を使う場合は「満たすよう努めなければならない」、つまり努力の義務です。一方で、普通の乗用車を使って介護の必要な人を運ぶ場合は「満たさなければならない」とされ、介護の資格が必須になります。リフトなどの設備がない車では、乗り降りの介助を運転者の技術に頼る部分が大きいためです。
訪問介護員とは、ホームヘルパーとして働ける資格のことで、現在は介護職員初任者研修などを修了した人が当てはまります。居宅介護従業者とは、障害のある人の自宅で介護を行う人のことで、自治体が指定する研修を修了した人が当てはまります。
なお、この基準は地方運輸局ごとに公示されていて、細かな扱いが地域によって違うことがあります。開業や就職を考えている地域の運輸局や運輸支局で、最新の基準を確かめてください。
介護職員初任者研修が求められる場面
介護タクシーについて調べると、「介護職員初任者研修が必要」という説明をよく見かけます。前の節で見たとおり、運輸局の基準で初任者研修が必須になるのは、セダン型などの一般の車を使う場合です。それとは別に、初任者研修が必要になる大切な場面があります。介護保険を使ったサービスを行う場合です。
介護保険の訪問介護のサービスには、通院などのために、ホームヘルパーが車への乗り降りを介助するサービスがあります。一般に「通院等乗降介助」と呼ばれるサービスです。このサービスを行うには、事業者が介護保険の訪問介護事業所としての指定を受け、ホームヘルパーとして働ける資格を持つ人が介助を担う必要があります。介護タクシーの事業者の中には、タクシーの許可と訪問介護の指定の両方を受けて、介護保険のサービスとして乗り降りの介助を提供しているところがあります。
この場合、利用者は介助の部分の費用を介護保険の自己負担で支払い、運賃は別に支払う形になります。介護保険を使えるかどうかは、ケアマネジャーが作るケアプランに組み込まれているかなどで決まります。
介護職員初任者研修とは、介護の仕事を始めるための基本の研修で、130時間のカリキュラムで介護の基本的な知識と技術を学びます。修了すると、ホームヘルパーとして訪問介護の仕事ができるようになります。以前のホームヘルパー2級の研修は、2013年度から介護職員初任者研修に移っています。
研修は、都道府県などが指定した事業者が実施していて、通学とオンラインを組み合わせた講座もあります。費用や日程は事業者によって違うので、複数の講座を比べて選びましょう。
介護タクシーの会社に就職する場合、入社の時点で初任者研修を持っていなくても、入社後に取得を支援してくれる会社もあります。ただし、介護保険のサービスに関わる仕事やセダン型の車での運転を任されるには資格が必要なので、早めに取っておくと任される仕事の幅が広がります。
福祉タクシー乗務員研修とサービス介助士
介護の資格のほかに、運輸局の基準に名前が出てくる研修と資格が2つあります。
1つ目は、全国福祉輸送サービス協会が実施する福祉タクシー乗務員研修です。福祉タクシーの乗務員として、車いすの扱い方や乗り降りの介助、お客様への接し方を学ぶ研修で、福祉自動車に乗る運転者の要件の1つになっています。介護の資格と比べて短い時間で修了できる研修なので、タクシーの運転手が福祉タクシーの仕事を始めるときに受けることが多いものです。
2つ目は、サービス介助士です。高齢者や障害のある人への手助けの方法を学ぶ民間の資格で、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定しています。交通機関や商業施設、ホテルなど、お客様に接する仕事で取得する人が多い資格です。
なお、基準の中には、平成26年まで全国乗用自動車連合会などが実施していた「ケア輸送サービス従事者研修」を修了した人の扱いも定められています。古い情報の中には、この研修を受けるよう案内しているものがありますが、現在の基準では、修了している人を要件を満たした人とみなす経過的な扱いになっています。これから資格を取る人は、上の表にある研修や資格から選ぶのが基本です。
どの資格や研修を選ぶかは、目指す働き方で決めます。
- 介護タクシーの会社で福祉車両に乗る仕事から始めたい人は、福祉タクシー乗務員研修か介護職員初任者研修
- 介護保険のサービスにも関わりたい人や、セダン型の車でも運びたい人は、介護職員初任者研修
- 将来は介護の仕事全般にも広げたい人は、初任者研修から実務者研修、介護福祉士へと段階的に
研修の日程や費用は、実施団体の公式の案内で確かめてください。
免許と資格を取る順番
介護タクシーの運転手を目指す人が、どの順番で免許と資格を取ればよいかを整理します。いまの状況によって、進め方は変わります。
| いまの状況 | おすすめの順番 |
|---|---|
| 普通免許を取って3年未満 | 経歴の条件を満たすまでに介護職員初任者研修を取り、その後に普通第二種免許 |
| 普通免許を取って3年以上、介護の資格なし | 普通第二種免許を取り、並行して介護職員初任者研修か福祉タクシー乗務員研修 |
| タクシーの運転手として働いている | 福祉タクシー乗務員研修か介護職員初任者研修を受け、福祉車両の仕事に移る |
| 介護の仕事をしていて資格がある | 普通第二種免許を取る |
普通第二種免許は、運転の経歴の条件を満たさないと受けられません。条件を満たすまでの期間を使って、先に介護の資格を取っておくと、時間を無駄にせずに済みます。
一方で、すでに介護の仕事をしている人にとっては、普通第二種免許が最後の関門になります。介護の現場での経験は、乗り降りの介助やお客様との接し方でそのまま生かせるので、介護職から介護タクシーへ移る人は少なくありません。
タクシーの運転手として働いている人は、第二種免許をすでに持っているので、介護の研修を受けるだけで福祉車両の仕事を始められます。会社によっては、福祉タクシーの部門を設けていて、研修の費用を負担してくれるところもあります。
どの順番でも、最初に決めておきたいのは「会社に就職するか、自分で開業するか」です。開業を考えるなら、運転者としての資格に加えて、事業の許可を受けるための準備が必要になります。
介護タクシーの会社に就職する流れ
介護タクシーの運転手として働く方法の1つは、介護タクシーを運営する会社や、福祉タクシーの部門を持つタクシー会社に就職することです。
就職するまでの流れは、おおむね次のとおりです。
- 求人を探す(ハローワーク、求人サイト、タクシー会社の採用ページなど)
- 応募の条件を確かめる(普通第二種免許の有無、介護の資格の有無、経験)
- 面接を受ける
- 入社後、会社の研修で車いすの固定や乗り降りの介助を学ぶ
- 先輩の運転手に同乗して、実際の送迎を経験する
- 一人で送迎を担当する
求人を見るときは、次の点を確かめておくと、入社後に戸惑うことが少なくなります。
- 普通第二種免許の取得を会社が支援してくれるか(費用の負担や、取得までの働き方)
- 介護の資格の取得を支援してくれるか
- 勤務の時間帯と休日(通院の送迎は平日の日中が中心になりやすい)
- 給与の形(固定給か、売上に応じた歩合給か)
- 使う車の種類(リフト付き、スロープ付き、寝台車など)
タクシー会社の中には、普通第二種免許を持っていない人を採用して、入社後に取得の費用を負担する会社もあります。この場合、一定期間働くことが条件になっていることがあるので、雇用の契約の内容をよく確かめましょう。
面接では、運転の経歴に加えて、お客様への接し方が重視されます。介護の経験がない人でも、人と話すことが好きで、相手のペースに合わせて丁寧に対応できることを伝えると評価されやすくなります。
自分で開業する場合に必要なこと
介護タクシーは、個人で開業しやすい仕事の1つでもあります。開業する場合は、運転者としての資格に加えて、事業の許可を受ける必要があります。
個人で開業する人の多くが受けるのが、前に説明した一般乗用旅客自動車運送事業の福祉輸送事業限定の許可です。許可の申請は、営業する地域を受け持つ運輸支局に行います。申請では、主に次のような点が審査されます。
- 営業所と、車を止める車庫の場所と広さ
- 使う車の種類と台数
- 運転者の確保(第二種免許、使う車に応じた介護の資格)
- 運行を管理する体制
- 事業を始めるための資金の計画
- 法令についての知識
許可の基準や必要な書類は、地方運輸局ごとに審査の基準が公示されています。たとえば東北運輸局では、福祉輸送事業限定の許可について、経営許可申請書の作り方の手引きを公開しています。開業を考える人は、営業する地域の運輸局の案内を最初に確かめてください。
許可を受けた後は、運賃の届出、車の登録、保険の加入など、営業を始めるまでにいくつもの手続きがあります。介護保険のサービスも行いたい場合は、別に訪問介護事業所の指定を、都道府県や市区町村から受ける必要があります。訪問介護の指定には、人員や設備の基準があり、タクシーの許可よりも準備の負担が大きくなることがあります。
開業すると、運転と介助だけでなく、予約の受付、経理、営業、車の整備の手配まで、すべてを自分で担うことになります。病院やケアマネジャー、介護施設とのつながりが、仕事の量を左右します。開業する前に、介護タクシーの会社で数年働き、仕事の流れと地域のつながりを作っておく人も多くいます。
事業に使う費用の一部を支える助成金を調べることも大切です。介護や福祉の事業所が人材の育成に使える助成金の例は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で紹介しています。対象になるかどうかは事業の形や手続きによって変わるので、窓口で確かめてください。
福祉有償運送との違い
介護タクシーと似た仕組みに、福祉有償運送があります。どちらも介護が必要な人などを運ぶものですが、仕組みと運転者に求められる条件が違います。
福祉有償運送とは、NPO法人や社会福祉法人などが、自家用の車を使って、会員として登録した要介護者や障害のある人を有償で運ぶ仕組みのことです。タクシーなどの公共交通機関だけでは移動の手段が足りない地域で、市区町村が設ける協議会で必要性が認められた場合に、国土交通省に登録して行います(自家用有償旅客運送について)。
| 比べる点 | 介護タクシー(福祉タクシー) | 福祉有償運送 |
|---|---|---|
| 行う人 | タクシーの許可を受けた事業者 | 登録を受けたNPO法人や社会福祉法人など |
| 使う車 | 事業用の車(緑ナンバー) | 自家用の車(白ナンバー) |
| 運転者の免許 | 普通第二種免許 | 第一種免許で、国土交通大臣が認定した講習の修了などが求められる |
| 乗せる人 | 要介護者や障害のある人など | 会員として登録した人 |
福祉有償運送の運転者は、第二種免許がなくても、国土交通大臣が認定した福祉有償運送運転者講習を修了するなどの条件を満たせば運転できます。ボランティアに近い形で地域の移動を支えたい人にとっては、こちらも選択肢になります。
ただし、福祉有償運送は営利を目的としない仕組みで、運賃にも決まりがあります。仕事として収入を得たい人は介護タクシー、地域活動として関わりたい人は福祉有償運送、と目的に合わせて選ぶのがよいでしょう。
介護タクシーの1日の仕事の流れ
介護タクシーの運転手が実際にどのように働いているのかを、会社に勤める場合の例で見ておきましょう。勤め先や地域によって違いはありますが、おおむね次のような流れになります。
| 時間帯 | 主な仕事 |
|---|---|
| 出勤後 | 点呼を受ける。体調と酒気の確認、車の点検、リフトや固定具の動作確認 |
| 午前 | 自宅から病院への通院の送迎。受付まで付き添う |
| 昼ごろ | 診察を終えた利用者を病院から自宅へ送る。休憩 |
| 午後 | 退院の送迎、施設への入所や一時帰宅の送迎 |
| 夕方 | 車の清掃と消毒、翌日の予約内容の確認、運転の記録の記入 |
点呼とは、運転を始める前と終えた後に、運行を管理する担当者が運転者の体調や酒気帯びの有無を確かめる手続きのことです。旅客を運ぶ事業では欠かせない手続きで、安全な運行の土台になっています。
介護タクシーの予約は、通院の時間に合わせて平日の朝から昼にかけて集中しやすい傾向があります。病院の診察が長引くと、帰りの送迎の時間が後ろにずれることもあります。次の予約に影響しないよう、余裕を持った計画を立て、ずれが出たときは会社や次の利用者にすぐ連絡します。
送迎のたびに大切なのが、利用者の状態の確認です。迎えに行ったときに、いつもより顔色が悪い、話し方がおかしいといった変化に気づいたら、家族や施設の職員に伝えます。体調が急に悪くなったときの連絡先を、予約の段階で確かめておくことも欠かせません。
1日の終わりには、車の中の清掃と消毒を行います。体の弱い人を乗せる仕事なので、車内を清潔に保つことは、利用者の安全を守ることにつながります。
運賃と料金の仕組みを知っておく
介護タクシーの運転手として働くうえで、運賃や料金の仕組みを理解しておくことも大切です。利用者や家族から料金について質問されることが多いためです。
介護タクシーの料金は、一般に次のような項目の組み合わせで決まります。
- 運賃(走った距離や時間で決まる、タクシーとしての料金)
- 介助の料金(乗り降りや、家の中から車までの移動の手伝い)
- 機器の使用料(車いすやストレッチャーを貸し出す場合など)
- 予約の料金や、待ち時間の料金
このうち運賃は、タクシーの事業として運輸局に届け出たものを使います。介助の料金や機器の使用料は、事業者が独自に決めていることが多く、事業者によって金額や名前が違います。
前に説明したとおり、通院などの乗り降りの介助を介護保険のサービスとして受ける場合は、介助の部分を介護保険の自己負担で支払い、運賃は別に支払う形になります。どの部分が介護保険の対象になり、どの部分が自費になるのかを説明できると、利用者や家族が安心してサービスを使えます。
また、自治体によっては、障害のある人や高齢者のタクシーの利用を助成する制度を設けているところがあります。福祉タクシー券などの名前で、運賃の一部を自治体が負担する制度です。対象になる人や使える事業者は自治体ごとに決まっているので、働く地域の制度を知っておくと、利用者からの質問に答えやすくなります。
料金の説明は、トラブルを防ぐうえでも大切です。予約を受けるときに、おおよその料金と、追加の料金がかかる場合を伝えておくと、支払いのときに行き違いが起こりにくくなります。
働き始める前に整えておきたい準備
介護タクシーの仕事は、運転と介助の両方で体を使う仕事です。免許と資格をそろえるのと並行して、働き始める前に整えておきたい準備があります。
1つ目は、腰を痛めないための体の使い方を身につけることです。車いすを押してスロープを上る、利用者の体を支えて座席に移る、といった動作は、腰に大きな負担がかかります。介護職員初任者研修などの研修では、体の負担を減らす介助の方法を学べます。研修で学んだ方法を、家族や知人に協力してもらって練習しておくと、実際の仕事で慌てずに済みます。
2つ目は、福祉車両の操作に慣れることです。リフトやスロープの操作、車いすの固定具の使い方は、車の種類によって違います。就職した会社の研修で教わるのが一般的ですが、可能であれば入社前の見学の機会などに、実際の車両を見せてもらうとよいでしょう。
3つ目は、地域の道路と医療機関を知ることです。病院の入口の位置、車いすで降りやすい場所、駐車できる場所などは、送迎の効率と安全を大きく左右します。働く地域の主な病院や施設について、事前に調べておくと役立ちます。
4つ目は、緊急時の対応を学んでおくことです。送迎の途中で利用者の体調が急に悪くなることもあります。消防署などが開いている救命講習を受けておくと、いざというときに落ち着いて対応しやすくなります。
こうした準備は、資格の要件とは別のものですが、利用者が安心して乗れる運転手になるための土台です。
介護タクシーの仕事で求められる力
免許と資格をそろえたうえで、介護タクシーの運転手として長く働くために求められる力があります。
1つ目は、安全な運転の技術です。お客様の中には、体の痛みや病気を抱えている人もいます。急な発進やブレーキ、段差の多い道は、体に大きな負担をかけます。普通のタクシー以上に、揺れの少ない、ゆっくりとした運転が求められます。
2つ目は、乗り降りの介助の技術です。車いすの固定の仕方、リフトやスロープの操作、車いすから座席への移り方の手伝いなど、覚えることは多くあります。介助の方法を間違えると、お客様にけがをさせてしまうおそれがあります。研修で学んだ方法を、実際の送迎で繰り返し練習して身につけます。
3つ目は、お客様や家族、医療機関とのやり取りの力です。お客様の体の状態や、病院での受付の流れ、家族からの要望など、送迎のたびに確かめることがあります。予約の内容を正確に記録し、関係する人に伝えることが、安全な送迎につながります。
送迎の記録や予約の管理には、文書を正確に書く力も役立ちます。仕事の文書を分かりやすく書く力を身につけたい人には、ビジネス文書検定のような検定もあります。
4つ目は、体力と健康の管理です。乗り降りの介助では、お客様の体を支えることもあります。腰を痛めないための体の使い方を学び、自分の健康にも気を配ることが、長く働くために欠かせません。
移動を支える仕事を、続けられる形で選ぶ
フリーランスと在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、介護や移動の支援のように地域に根ざした仕事を長く続けている人には、共通する点があります。運転や介助の技術に加えて、病院やケアマネジャー、利用者の家族と「この人に頼めば安心」という関係を一つずつ積み重ねていることです。介護タクシーの仕事は、こうした信頼がそのまま次の予約につながる仕事です。
開業して自分で仕事を受ける人ほど、仲介の手数料のかからない直接のやり取りが、手取りの厚さにつながります。依頼する側は同じ予算でより丁寧なサービスを頼め、受ける側は受け取る額が目減りしません。手数料0%で直接取引できる場は、地域で事業を営む人にとっても、その差を実感しやすい環境です。
開業した後は、予約の受付や記録の管理、ホームページでの案内など、運転以外の仕事も増えていきます。予約の管理や配車の効率化にITやAIを生かす取り組みも広がっていて、そうした業務の支援をする仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
現場で身につけた知識を、文章で伝える仕事に広げる人もいます。介護や移動の支援についての記事は、実際の送迎の流れや利用者の困りごとを知る人が書くと、読む人にとって役立つものになります。運転の仕事と並行して、在宅で記事を書く仕事を始めたい人は、実績の見せ方をまとめたWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】が参考になります。介護の資格や地域の制度に詳しいことは、こうした記事の書き手として大きな強みになります。
介護タクシーの運転手になるには、まず普通第二種免許、そして使う車と働き方に合わせた介護の資格や研修が必要です。いまの自分の免許と経験から取る順番を決め、就職するか開業するかを見据えながら、一つずつ準備を進めていきましょう。
よくある質問
Q. 介護タクシーの運転手に介護の資格は必須ですか?
使う車によって扱いが変わります。運輸局の審査の基準では、リフトなどが付いた福祉自動車を使う場合は、介護福祉士や訪問介護員、福祉タクシー乗務員研修の修了などを満たすよう努めるとされ、努力の義務です。一方、セダン型などの一般の車を使う場合は、介護福祉士や訪問介護員などの資格が必須です。基準は地域ごとに公示されるので、運輸局で確かめてください。
Q. 普通第二種免許は何歳から取れますか?
道路交通法では、原則として21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上あることが条件です。決められた教習を修了した人は、19歳以上で、免許を受けていた期間が1年以上あれば受けられる特例もあります。特例の教習を受けられる教習所は限られているので、利用したい人は近くの教習所に確かめてください。
Q. 介護保険を使って介護タクシーを利用できますか?
運賃そのものは介護保険の対象ではありませんが、通院などの際にホームヘルパーが乗り降りを介助するサービスは、介護保険の訪問介護として提供される場合があります。この場合、事業者が訪問介護事業所の指定を受けていることと、介助を行う人がホームヘルパーとして働ける資格を持っていることが必要です。利用できるかはケアマネジャーに相談します。
Q. 介護タクシーを個人で開業するには何が必要ですか?
運転者としての普通第二種免許と介護の資格に加えて、一般乗用旅客自動車運送事業の福祉輸送事業限定の許可を、営業する地域の運輸支局に申請して受ける必要があります。営業所や車庫、車両、運行の管理、資金の計画などが審査されます。介護保険のサービスも行う場合は、別に訪問介護事業所の指定も必要です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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