管理業務主任者の副業の始め方

長谷川 奈津
長谷川 奈津
管理業務主任者の副業の始め方

この記事のポイント

  • 管理業務主任者 副業 始め方を
  • 登録の確認から初回受注までの順番で整理しました
  • 提案から契約までを1本の流れとしてまとめています

管理業務主任者に合格したあと、この資格で副業ができないかと考える人は多くいます。ただ、どこから手をつければいいのかが分かりにくい資格でもあります。宅地建物取引士のように独立の形が見えているわけでもなく、社会保険労務士のように独占業務で開業する道筋があるわけでもないからです。結論を先に書きます。この資格の副業は、資格そのものを売る形ではなく、資格で得た知識を成果物に変えて売る形になります。この記事では、登録の確認から最初の1件を納品するまでを、順番どおりに並べます。

始める前に決める3つのこと

手を動かす前に、決めておくと後がぶれない項目が3つあります。ここを飛ばすと、応募しても提案が定まらず、時間だけが過ぎます。

1つ目は、何を売るかです。相談に乗るのか、資料を作るのか、文章を書くのか。この3つは求められる能力も報酬の決まり方も違います。最初は1つに絞ります。

2つ目は、誰に売るかです。管理組合に売るのか、管理会社に売るのか、メディアや教育事業者に売るのか。相手によって、必要な肩書きも、通じる言葉も変わります。管理組合を相手にするなら第三者としての立場が要り、管理会社を相手にするなら業務の切り出しに応える形になります。

3つ目は、週に何時間使えるかです。会社員として働きながら受けるなら、週10時間が現実的な上限です。この数字を先に決めておかないと、受注してから納期に追われます。

この3つを紙に1行ずつ書いてから、次に進みます。

ステップ1。管理業務主任者証の状態を確認する

まず、自分の資格が今どの段階にあるかを確認します。試験に合格しただけの状態と、登録が済んでいる状態と、主任者証の交付を受けている状態は別物です。

登録には、管理事務に関する一定の実務経験が求められ、実務経験が足りない場合は登録実務講習を修了することで代えられる仕組みになっています。登録が済んだあと、管理業務主任者証の交付を申請します。証には有効期間があり、更新には講習の受講が必要です。登録から一定の期間が経ってから証の交付を受ける場合にも、講習が必要になることがあります。

副業として名乗るなら、証が有効な状態になっているかを確認しておいてください。有効期間が切れた証で資格者として名乗ると、後から問題になります。手続きの細かい要件は改正で動くため、指定登録機関や国土交通省の案内で最新の内容を確認するのが確実です。

なお、資格が有効であることと、その資格でどこまでの業務を単独で受けられるかは別の話です。マンションの管理の適正化の推進に関する法律では、重要事項の説明や管理事務の報告は、マンション管理業者が管理業務主任者に行わせる行為として位置づけられています。これらを個人として請け負う形が成立するかは、業者登録の要否を含めて確認が必要な領域です。

マンションの管理の適正化の推進に関する法律 出典: laws.e-gov.go.jp

ステップ2。勤務先の就業規則を確認する

管理会社や不動産会社に勤めている人が、同じ業界で副業を受ける場合、競業の扱いが問題になりやすい構造です。就業規則の副業に関する条項を、実際に条文で読んでください。届出制なのか許可制なのか、対象が継続的な業務に限られるのか単発の執筆や監修も含むのか。ここを曖昧にしたまま始めると、仕事が軌道に乗ってから止められます。

もう1つ、情報の切り分けも先に決めておきます。勤務先で扱っている管理組合の情報は、抽象化しても使わないのが安全です。総戸数や築年数といった一般化した条件までは書けますが、具体的な事例をそのまま持ち出すのは避けます。使う材料は、国土交通省が公表している調査結果や標準管理規約など、誰でも参照できる資料に限る。この線を最初に引いておけば、書くたびに迷わずに済みます。

ステップ3。売るものを1つに決める

ここが最も重要な工程です。何でもできますと書くと、何も頼まれません。最初に決めるのは1つだけで足ります。

始めやすい順に並べると、記事の監修、試験対策の解説執筆、議事録の整理、総会資料の作成、規約と細則の対比表づくり、長期修繕計画の説明資料化となります。前のほうほど必要な実務経験が浅くて済み、後ろほど単価が上がりやすい傾向があります。

実務経験が浅い人は、監修と教材制作から入るのが現実的です。合格した知識がそのまま材料になり、どこで受験者がつまずくかを覚えているうちに書けるからです。実務が長い人は、総会資料や規約まわりから入ると単価が最初から高くなります。

決めたら、それを1文で言えるようにします。「築20年前後の単棟型マンションの、総会議案書と議事録を作ります」。この程度に絞ったほうが、依頼は届きます。

売るものを決めきれないときの3つの問い

それでも絞れない人は、次の3つに答えると決まります。

1つ目。人に説明したときに、いちばん質問が返ってこなかったテーマはどれか。説明が短くて済むものほど、自分が深く理解している領域です。逆に、話すたびに前提から説明が必要になるテーマは、まだ売る段階にありません。

2つ目。手元にある材料が最も多いのはどれか。標準管理規約を読み込んだ経験があるなら規約まわり、総会に何度も出た経験があるなら総会資料。試験勉強の記憶が新しいなら教材制作です。ゼロから調べ直す必要がないものを選びます。

3つ目。締切が動かせない仕事を受けられる状態か。総会資料は日程が決まっているため、遅れが許されません。本業の繁忙期と重なる可能性があるなら、締切に幅がある監修や教材制作から入るほうが安全です。

この3つの答えが指す先が、最初に売るものです。3か月やってみて手応えがなければ、別のものに変えて構いません。決めることの目的は、正解を当てることではなく、動き出せる状態を作ることにあります。

ステップ4。サンプルを2点つくる

副業としての受注歴がなくても、力量を示すものは作れます。ただし出し方を間違えると信用を失います。

勤務先で作ったファイルをそのまま実績として送るのは避けてください。就業規則の問題以前に、依頼側から「うちの資料も外に出るのでは」と受け取られます。見せるサンプルは、架空の管理組合を設定して、自分でゼロから作り直したものにします。

1点目は、自分が売ると決めたものそのものです。議事録を売るなら議事録のひな型、対比表を売るなら対比表。総戸数60戸、築22年の単棟型、といった設定を冒頭に明記しておきます。

2点目は、読み手が判断しやすくなる補助資料です。議事録なら年間の議題カレンダー、対比表なら改正の理由を並べた一覧、修繕計画の資料なら残高推移のグラフ。本体だけより、補助が1点付いているほうが「運用まで考えている人」に見えます。

材料は、国土交通省が公表している標準管理規約やマンション総合調査の結果で足ります。参照した資料名を末尾に書いておくと、根拠を確認する習慣がある人だと伝わります。監修の依頼では、この一手間が特に効きます。

ステップ5。プロフィールを整える

提案を送ると、相手はほぼ必ずプロフィール欄を見にきます。直すのは4か所です。

肩書きは、資格名ではなく仕事の説明にします。「管理業務主任者」ではなく「管理会社の実務を踏まえて総会資料と規約案を作る管理業務主任者」。読む側は、何を頼める人かを1行で知りたがっています。

対応できる仕事は5つ以内に絞ります。実際に作れるものだけを挙げます。多く並べるほど専門性が薄く見えます。

扱ってきた物件の種類も1行入れます。総戸数50戸前後の単棟型が中心なのか、300戸を超える団地型なのか。規模と形態で論点が違うため、この一行で発注側は判断できます。

最後に稼働条件です。平日夜と土日で週10時間まで、初稿は5営業日を目安、連絡は24時間以内。会社員として受けることは不利にはなりません。期待値を先に合わせておくほうが、着手後のすれ違いが減ります。

ステップ6。最初の1件を取りにいく

案件の出どころは4つです。業務委託のマッチングサービスの公募、管理会社からの直接の外注、メディアからの監修依頼、知人からの紹介。最初は公募から入るのが早いですが、応募が集中するため提案文の書き方で差がつきます。

提案文は400字前後にまとめます。順番は決まっています。1行目に相手の状況を書き、2つ目の段落で実務の場面を1つだけ具体に書き、3つ目で納品物の形と工数と修正回数を出し、最後に資格を短く添える。自己紹介から始まる提案文は読まれません。

納品物の輪郭を先に出すのが、最も効きます。「対応可能です」ではなく「A4で6ページのWordファイル1点、初稿は着手から5営業日、修正2回まで込み」と書く。依頼側は、頼んだあと何が届くか想像できない状態を最も嫌います。

応募は1日3件を上限にして、1通ずつ書き分けます。使い回して数を撃つと、精度が落ちて余計に返ってきません。

相手ごとに、通る提案の書き方が変わる

同じ提案文を全部に送っても通りません。発注元の4つの経路それぞれで、見られている点が違います。

管理会社が発注元の場合、見られているのは業務の理解度です。フロント担当の負荷を減らすために外に出しているので、指示の粒度が粗くても動ける人が求められます。提案文では、業界の言葉をそのまま使って構いません。「議事録は決議事項だけでなく審議の経過を残す形にします」といった一文があれば、それだけで実務が分かる人だと伝わります。逆に、丁寧すぎる説明は不要です。

管理組合が発注元の場合、見られているのは中立性です。管理会社の側に立たない第三者として意見を言えるかどうかが問われます。ここでは、専門用語をそのまま出すと伝わりません。理事は輪番で回ってきた一般の区分所有者であることが多く、法律や会計の知識を前提にできないからです。提案文の段階から、かみ砕いた言葉で書けているかを見られています。

メディアや教育事業者が発注元の場合、見られているのは正確さと、指摘の書き方です。応募時に、公開されている記事を1本読んで「この表現は誤解を招くので、こう直したほうがよい」と1点だけ添えると、実力がそのまま伝わります。相手の記事を全否定する形にはしないこと。指摘は1点で足ります。

知人からの紹介の場合、見られているのは納期と連絡の速さです。実力はすでに知られている前提なので、条件の詰め方で信頼が決まります。紹介だからと契約書を省くと、後で紹介者を含めて関係が悪くなります。むしろ紹介案件こそ、条件を書面にしておきます。

ステップ7。見積もりと契約で外さない項目

金額の話をする前に、範囲を決めます。1件目に限っては、単価を下げるのではなく範囲を狭めて総額を抑える形が安全です。安さで取った相手は、次も安さで比べてくるからです。

契約で決めておく項目は5つあります。成果物の形式(編集できる状態で渡すか)、修正の回数と範囲、責任の位置づけ(作るのは案であり、決議と最終判断は発注者が行う)、情報の扱い(個人情報を含む資料の受け渡し方法、保管期間、作業後の削除)、支払いの条件(着手金の有無、支払い時期、振込手数料の負担)。

特に責任の位置づけは、この資格の仕事で必ず入れておきます。管理規約の改正案や滞納への対応方針は、法律事務との境界が近い領域です。助言と最終判断の線を書面に残しておくことで、後から意味が変わります。官公署に提出する書類の作成代理は行政書士法の、具体的な紛争処理は弁護士法の領域に触れる可能性があるため、受ける前にその業務が他の資格の独占業務に当たらないかを確認してください。ここは断定せず、確認する側に立つのが正しい姿勢です。

ステップ8。納品して、次につなげる

納品して終わりにすると、そこで止まります。添えるものが2つあります。

1つ目は使い方の短いメモです。作った資料をどの順で使うか、誰が何を埋めるかを10行程度で書きます。社内で実際に使われる確率が上がり、使われた資料は次の依頼を呼びます。

2つ目は、次に手を入れるとよい箇所の指摘です。「今回は議事録の型まで作りました。次は年間の議題カレンダーを組んでおくと、毎月の準備がほぼ不要になります」。売り込みではなく、状況の続きとして書きます。この一文の有無で継続の確率が変わります。

そして納品物は、固有情報を抜いた形で手元に残します。次の提案でサンプルとして出せる形にしておくことが、実績を積むということの実体です。

つまずきやすい5つの点

始めた人がよく止まる場所は決まっています。先に知っておけば避けられます。

1つ目は、売るものを決めずに応募を始めることです。プロフィールに「管理業務主任者。マンション管理に関する業務全般に対応します」と書いてある人には、依頼が届きません。全般という言葉は、何も言っていないのと同じです。決めきれないなら、直近で自分が最も速く作れるものを選べば足ります。あとから変えられます。

2つ目は、資格の名称の扱いです。マンション管理士の名称は法律で使用が制限されています。持っていない資格の名称や、紛らわしい表現をプロフィールに書かないこと。「マンション管理の専門家」という表現も、受け取り方によっては誤解を招き得るため、正式な資格名を併記しておくのが安全です。

3つ目は、単価の下げすぎです。実績がないからと極端に安い金額で受けると、その金額が自分の基準になります。相手も次に同じ金額で頼んできます。単価は下げず、範囲を狭めて総額を抑える。この形なら、続きを頼まれたときに元に戻せます。

4つ目は、納期の見積もりです。初めて作る資料は、想定の2倍の時間がかかります。規約の読み込みや数字の検算は、思ったより進みません。1件目は余裕を持った納期を提示し、早く出す。遅れて出すより、はるかに印象が良くなります。

5つ目は、修正の回数を決めずに始めることです。管理組合が相手の場合、理事が複数いるため、意見がまとまらないまま修正依頼が繰り返されることがあります。修正は2回まで、方針が変わる場合は別途、と最初に書いておくだけで防げます。

副業として続く人と、止まる人の差

始めた人の中で、半年後も続いているのは一部です。続いている人には共通点があります。

まず、月に何時間使うかを固定していることです。受注があるときだけ動く形にすると、依頼が途切れた月にそのまま止まります。受注がない月も、サンプルを1点足す、法改正の内容を読む、といった形で時間を使い続けている人は、次の波が来たときに動けます。

次に、成果物を必ず手元に残していることです。納品したファイルから固有情報を抜いた形を保存しておくと、半年後には提案に使える材料が5点から10点たまります。この差が、1年後の単価に出ます。

そして、断る基準を持っていることです。単価が合わない依頼、範囲が決まらない依頼、法令の線引きが怪しい依頼。これらを受けてしまうと、時間だけ取られて次につながりません。断ることは失礼ではなく、続けるための条件です。断るときは理由を1行添え、代わりに何ならできるかを書くと、次の依頼につながることもあります。

開業届と確定申告はいつ考えるか

始めた直後から開業届を出す必要はありません。判断の目安になるのは、継続的に受注する見通しが立ったかどうかです。単発の監修が数件という段階なら、雑所得として申告する形で足りることが多くなります。

給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になるのが原則です。報酬から源泉徴収されている場合は、その記録も残しておきます。支払調書は必ずしも届くとは限らないため、受注ごとに金額と入金日を自分で記録しておくのが確実です。詳細な扱いは国税庁の案内で確認してください。

住民税の納付方法を普通徴収にできるかどうかは、自治体と所得の区分によって扱いが異なります。勤務先に知られたくない事情がある場合は、申告の前に確認しておいてください。

最初の3か月の使い方

いきなり収入の目標を置くと続きません。3か月を3つに分けます。

最初の1か月は、サンプル2点を作り切ることだけに使います。ここが終わっていないと、応募しても止まります。作りながら、標準管理規約や公表資料を読み直すことになるため、知識の整理も同時に進みます。

2か月目は、応募に使います。週10件を目安に、1通ずつ書き分けて出します。返信が1件も来なければ、応募先ではなく提案文の側に原因があります。冒頭が自分の話から始まっていないか、納品物の輪郭が書かれているか、金額に何が含まれるか書いてあるか。この3点を順に見直します。

3か月目は、受注した1件を丁寧に納めることに使います。ここで無理に2件目を並行させないこと。1件目の質が、そのまま次の依頼と単価を決めます。

最初の1年で、どこまでいくのが現実的か

期待値を先に置いておきます。週10時間という前提で、記事の監修や教材制作から入った場合、最初の3か月は受注ゼロから数件です。ここで焦って単価を下げる人が多いのですが、下げても件数はさほど増えません。増えるのは、提案文の精度を上げたときです。

6か月を過ぎたあたりから、同じ発注元からの再依頼が出始めます。ここが最初の分岐点です。再依頼が来ている人は、そのまま伸びます。来ていない人は、納品時に次の論点を添えていないことが多いので、そこを直します。

1年を過ぎると、総会シーズンや大規模修繕の準備期といった年間の波が読めるようになります。この段階で、季節性のある仕事と通年で動く仕事を組み合わせておくと、月ごとの収入の振れ幅が小さくなります。単価も、1年目より上げられる状態になっています。実績として出せる成果物がたまっているからです。

逆に言えば、1年目は単価より材料をためる期間です。数字を追うより、手元に残る成果物の数を増やすほうが、結果として早く伸びます。

数字で見ると、副業として動いている人は多くない

関連する資格の調査では、資格を取った人のうち副業として活動している割合は限られていることが示されています。

その中で副業でマンション管理士の業務を行っている人の割合をみると、資格取得者全体のうちの8%ほどです。 出典: studying.jp

以前活動していたが今はしていない層8%を合わせても最大で16%と、マンション専門士の資格を得ても副業を始める人は決して多数派ではないようです。 出典: studying.jp

この数字は、二通りに読めます。副業として成立しにくい資格だという読み方と、動いている人が少ないぶん競合が薄いという読み方です。正直なところ、実態は後者に近いと見ています。資格を取ったあと、何を売るかを決めきれずに止まっている人が大半だからです。売るものを1つ決めてサンプルを作った時点で、上位の数パーセントに入ります。

副業の始め方そのものの型を確認したい場合は、副業 始め方ガイド!星野ゆいが教える失敗しない4ステップとおすすめに共通する手順がまとまっています。未経験から実績を作る流れは、フリーランス 英語 案件 未経験 始め方!2026年最新の海外副業術の進め方も参考になります。

報酬の相場感をつかむには、職種別に単価をまとめた著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、執筆や監修の水準を確認しておくと交渉の基準ができます。働き方の相談そのものが仕事になっている領域を知りたければ、キャリア・副業・人生相談のお仕事で、どんな粒度の相談が外部に発注されているかが見えます。独占業務を持つ資格との違いを確認するなら、行政書士の資格ガイドと見比べると、自分の資格の位置づけが整理できます。

市場を長く見てきた立場からの観察

在宅と業務委託の市場を20年見てきた立場から言えば、不動産と建物管理まわりの外部発注は、この数年で切り出され方が変わりました。以前は有資格者を採用したいという求人が中心でしたが、いまは「この資料を作れる人」「この記事を確認してくれる人」という単位で出るようになっています。管理会社もフロント担当の負荷を減らすため、事務を外に出す動きが進んでいます。

長く続いている人に共通するのは、単発の作業を受け続けるのではなく、相手の中で「この分野はこの人に聞けば早い」という位置を取っていることです。総会資料を1回作ると、翌年も同じ管理組合の分が来ます。年間のサイクルがある業界なので、1件目を丁寧に納めることが、そのまま翌年の受注になります。案件を探す時間がゼロになるという意味で、これが実質的に最も効率のよい状態です。

報酬の受け取り方も見ておく価値があります。仲介手数料が差し引かれる経路だけで受け続けると、年間の受注額が大きくなるほど差が開きます。同じ予算でも、間に手数料が乗らない直接の取引なら、依頼側はより多く頼めて、受け手の手取りは厚くなる。手数料0%で直接やり取りできる場を1つ持っておくと、金額を交渉しなくても手取りが変わります。運営者として見てきた限り、続いている人ほど複数の経路を持ったうえで、本命の取引を手数料のかからない場所に寄せています。

始め方をまとめると、資格の状態を確認し、就業規則を確認し、売るものを1つ決め、サンプルを2点作り、プロフィールを整え、提案を送る。この6つを順に踏むだけです。難しいのは知識ではなく、売るものを1つに決めるところにあります。

よくある質問

Q. 試験に合格しただけの状態でも副業は始められますか?

売るものによります。記事の監修や試験対策の教材制作は、合格した知識が材料になるため始められます。ただし管理業務主任者として名乗るなら、登録と主任者証の交付が済み、有効期間内であることを確認してください。登録には一定の実務経験か登録実務講習の修了が求められます。

Q. 管理会社に勤めながら副業をしても問題ありませんか?

就業規則の副業条項を条文で確認してください。届出制か許可制か、対象が継続的な業務に限られるか単発の執筆も含むかで扱いが変わります。同じ業界で受ける場合は競業の判断が微妙になりやすいため、始める前に確認しておくのが安全です。勤務先で知り得た情報は使わない線を最初に引いておきます。

Q. 最初は何から売るのがよいですか?

実務経験が浅いなら記事の監修と試験対策の教材制作、実務が長いなら総会資料や規約の対比表づくりが入口になります。大事なのは1つに絞ることです。何でもできますと書くと何も頼まれません。「築20年前後の単棟型マンションの総会議案書を作ります」という粒度まで絞ってください。

Q. 開業届はいつ出せばよいですか?

継続的に受注する見通しが立った段階で検討すれば足ります。単発の監修が数件という状態なら雑所得として申告する形が一般的です。給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になるのが原則なので、受注ごとに金額と入金日を記録しておいてください。具体的な扱いは国税庁の案内で確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月25日最終更新:2026年8月30日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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