実績ゼロで事業計画作成支援を始める人が、代わりに見せられる資料の作り方


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この記事のポイント
- ✓事業計画作成支援を実績ゼロから始める人に向けて
- ✓実績の代わりに提示できる資料の作り方を解説します
- ✓業種別チェックリストの3点をどう作り
事業計画作成支援を始めたいけれど、実績がひとつもない。この状態で応募しても相手にされないのではないか。そう感じている皆さんに、まず安心してほしいことがあります。この分野で発注者が確かめたいのは、実績の件数ではありません。「この人に頼んだら、判断できる資料が出てくるか」という一点です。
そして、それは実績がなくても示せます。示す方法は、資料を自分で作ることです。この記事では、実績の代わりに提示できる資料を3種類挙げ、それぞれの作り方と見せ方を手順で整理します。あわせて、作るときにやってはいけないことと、実績が積み上がるまでにかかる現実的な期間についても正直に書きます。
発注者が実績で確かめようとしているのは、何か
実績を求められる理由を分解します。ここを理解すると、代わりに何を出せばよいかが見えます。
発注者が実績から読み取ろうとしているのは、3つです。
1つめは、成果物の水準です。どの程度の粒度で、どの程度の分量の資料が出てくるのか。これは実績の件数ではなく、実物を1本見れば分かります。
2つめは、数字を扱えるかどうかです。売上を積み、原価と経費を置き、現金の動きまで追えるか。これも、表がひとつあれば判断できます。
3つめは、業種の理解です。その事業の売上がどう作られるのかを分かっているか。これは、対象業種を絞った資料で示せます。
つまり3つとも、過去の受注歴がなくても提示できるものです。実績は、この3つを一括で証明する便利な手段にすぎません。手段が使えないなら、直接証明すればいい。
逆に言えば、「頑張ります」「勉強中です」といった言葉では、この3つのどれも証明できません。実績ゼロの人がまず作るべきなのは、経歴の説明ではなく、現物です。
資料1: サンプルの事業計画書を1本作る
いちばん効くのが、これです。架空の事業を題材にして、実際に提出できる水準の事業計画書を1本作ります。
手順1: 業種を1つに決める
飲食、小売、美容、法人向けサービス、製造、教育。どれか1つに絞ってください。複数作ろうとすると、どれも中途半端になります。
選び方の基準は、自分が中身を説明できる業種であることです。前職で関わった業界、家族が営んでいる業種、長く客として利用してきた分野。知識の下地があるほど、資料の具体性が上がります。
手順2: 事業の設定を作る
架空の創業者を想定し、開業する場所、規模、価格帯、開業時期を決めます。ここは細かいほうがよい。「都内の住宅街、駅から徒歩7分、席数18席、昼と夜で客単価が異なる業態」といった具合に、条件を確定させます。
条件が曖昧だと、数字の根拠が書けません。逆に条件が細かければ、そこから売上が自動的に組み上がります。
手順3: 市場と競合を調べる
その立地と業態で、商圏にどれだけの人がいるのか。同業が何店あるのか。価格帯はどのくらいか。公開されている統計や地図情報で調べられる範囲で構いません。
ここで大事なのは、調べた情報の出どころを必ず書くことです。出典が書かれている資料は、それだけで信頼されます。
手順4: 数値計画を組む
売上、原価、人件費、家賃、その他の経費、そして利益。ここまでは多くの人が作ります。作らない人が多いのが、資金繰りの表です。
利益が出ているのに現金が足りなくなる状況は、実際の事業で頻繁に起きます。仕入れの支払いが先で入金が後、在庫が積み上がる、借入の返済は経費にならない。この動きを月次で追った表があると、資料の質が一段変わります。会計の基本的な考え方は、会計ソフトの提供元が公開している解説が実務の言葉で書かれていて理解しやすい。freeeやマネーフォワードの情報は制度改正のたびに更新されます。
手順5: 本文を書く
集めた情報と数字を、読み手が判断できる順番に並べます。事業の概要、創業の動機と経験、提供する商品とサービス、顧客と市場、競合と差別化、販売の方法、体制、そして数値計画。
読み手が金融機関なら、返済の確実性が中心になります。補助金の審査なら、制度の目的との整合が中心になります。どちらを想定した資料かを、冒頭で明示してください。
本文の各章を、どこまで書き込むか
サンプル計画書を作るとき、章ごとにどのくらいの深さで書けばよいのかが分からない。よく聞かれる点なので、章ごとに整理します。
事業の概要
冒頭に置く要約です。何を、誰に、どこで、いくらで提供するのかを、数行でまとめます。ここが曖昧だと以降のすべてが曖昧になります。逆に、ここが明確なら読み手は残りを読む気になります。
分量は短くて構いません。長い概要は概要ではありません。
創業の動機と、これまでの経験
読み手が最も注目する章のひとつです。なぜこの人がこの事業をやるのか、その裏づけとなる経験があるか。
サンプルとして書くときも、架空の創業者に具体的な経歴を設定してください。「同業で8年勤務し、店舗の運営を任されていた」といった具体性があると、以降の売上の見込みに説得力が出ます。
商品とサービス
何を売るのかを、価格とともに書きます。メニュー構成や商品ラインナップの表があると分かりやすい。
ここで避けたいのは、扱う商品を増やしすぎることです。実際の審査でも、絞り込めていない計画は評価されにくい傾向があります。
顧客と市場
誰が買うのかを書きます。商圏の人口、年齢構成、通勤や通学の流れ。統計で確認できる範囲の数字を使い、出典を明記します。
推測で書く部分があってもよいのですが、推測であることを明示してください。断定と推測が混ざった資料は、全体の信頼を落とします。
競合と差別化
同業が何をしていて、自分は何が違うのか。ここは実際に足を運んで調べた情報が強い。価格帯、営業時間、混み具合。公開情報だけでは書けない部分です。
差別化を書くときは、「品質が高い」「丁寧」といった主観語を避けます。何がどう違うのかを、比較できる形で書いてください。
販売の方法
どうやって顧客に知ってもらうのか。開業前の告知、開業後の集客、リピートの仕組み。手段を挙げるだけでなく、それぞれにかける費用と想定する効果を置きます。
体制
誰が何をやるのか。人数と役割、勤務時間。人件費の根拠になるので、数値計画と必ず整合させてください。
数値計画
最後に置きます。ここまでの章で書いた前提が、そのまま数字になっていることが重要です。本文で「席数18席」と書いておきながら、数値計画が別の前提で組まれている資料は珍しくありません。整合の確認は必ず行ってください。
題材の選び方と、実在の企業を使ってはいけない理由
サンプルを作るときの注意点です。ここは正直に書きます。
実在する企業や店舗を題材にして、その事業の計画書を勝手に作って公開してはいけません。理由は2つあります。
1つは、誤解を生むことです。その企業が実際にそう計画しているように読まれる可能性がある。事実と違う内容が第三者に伝わると、相手に迷惑がかかります。
もう1つは、前職の情報を使う場合の問題です。勤務先で知った売上や原価は、秘密保持の対象になることがあります。退職後も義務が続く場合があるため、数字をそのまま持ち出すのは避けてください。※就業規則や誓約書の内容によって扱いが変わるため、判断に迷う場合は弁護士など専門家に確認するのが確実です。
安全なのは、公開情報だけで組み立てた架空の事業を題材にすることです。統計、公開されている業界のデータ、実際に足を運んで確認できる価格帯。これらから組めば、誰の権利も侵しません。
なお、既存の雛形やテンプレートを使うこと自体は問題ありません。ただし、それをそのまま提出物として出すのではなく、自分の頭で埋めた結果を見せることに意味があります。ひな型を提供している側も、そのまま使えば通るという性質のものではないと明言しています。
しかしながら、私の作成した雛形をベースに事業計画を作成すれば、100%採択されるかというと、そういうことではありません。私は神様ではありませんので、それは不可能です。雛形をベースにチェックリストを駆使して、先生のこれまでの豊富な経験などもプラスして自由に工夫、カスタマイズして事業計画を作り上げてください。 出典: fa-ps.com
ここに書かれているとおり、価値があるのは枠組みそのものではなく、枠組みに何を入れたかです。実績ゼロの皆さんが示すべきなのも、まさにその中身のほうです。
資料2: 数値計画のひな型を作る
2つめの資料は、表計算で作る数値計画のひな型です。
サンプル計画書に添付した表を、他の案件でも使える形に整えます。売上の入力欄、原価率、人件費、固定費、そして月次の資金繰り。前提を入力すると全体が連動する形にしておきます。
このひな型には、提案の場面で2つの効果があります。
1つは、数字を扱えることの証明です。表の構造を見れば、理解の深さは伝わります。
もう1つは、着手が速いことの証明です。ひな型があるということは、依頼を受けてから枠組みを考える時間が要らないという意味になります。発注者にとっては納期の短縮につながります。
作るときのコツは、入力する欄と計算される欄を色で分けることです。依頼者に見せながら数字を動かす場面で、どこを触ればよいかが一目で分かります。実務でそのまま使える設計になっているかどうかは、見る人が見れば分かります。
資料3: 業種別のチェックリストを作る
3つめは、地味ですが効果が高い資料です。
対象に決めた業種について、事業計画書に必要な確認項目を一覧にします。飲食なら席数、営業時間、想定回転数、客単価、原価率、人件費率、営業許可の取得見込み、内装工事の見積もり、開業時期。この粒度で並べます。
このリストがあると、依頼者へのヒアリングが漏れなく進みます。そして提案の場面では、「この業種で何を押さえるべきか分かっている」ことの証明になります。
作り方は、サンプル計画書を1本作った副産物として整理するのが早い。作りながら「これも要るな」と気づいた項目を書き留めておけば、リストは自然に埋まります。
許認可の項目は必ず入れてください。業種によっては開業に許可が必要で、計画書にその見通しが書かれていないと審査で必ず指摘されます。※許認可の要否は業種と自治体で異なるため、所管の窓口や行政書士に確認してください。制度全般の情報は中小企業庁や中小機構で公開されています。
資料の見せ方を設計する
作った資料を、どう提示するか。ここを間違えると、せっかくの資料が読まれません。
1枚のサマリを先に置く
計画書の本体が20ページあっても、相手は全部を読みません。冒頭に1枚、どんな事業を題材に、どんな構成で、何を根拠に組んだかをまとめた要約を置いてください。
読み手はこの1枚で判断し、興味を持てば中身に進みます。要約がないと、そもそも開かれません。
抜粋版を用意する
全文をそのまま送るより、数値計画の表と本文の一部を抜粋した短い版のほうが読まれます。全文は「ご希望があればお送りします」と添える形にします。
置き場所を決める
資料はPDFにして、いつでも送れる状態にしておきます。クラウドの共有リンクを使う場合は、権限の設定を毎回確認してください。誰でも閲覧できる状態のまま放置すると、意図しない相手に届きます。
更新の日付を入れる
資料に作成日または更新日を入れておきます。制度や統計は年度で変わるため、古い資料をそのまま使い続けると内容が実態とずれます。半年に一度は見直す前提で作ってください。
なお、資料の見せ方そのものについては、他の職種での考え方が参考になります。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】には、成果物をどう並べ、どこまで見せるかという構成の考え方がまとまっており、事業計画作成支援でもそのまま応用できます。
資料を作る前に、押さえておく前提知識
現物を作ると言っても、土台の知識がないと手が止まります。最低限どこまで必要かを整理します。
損益と現金の違い
これが分かっていないと、資金繰り表が作れません。売上が立った月と、入金される月は違う。仕入れた月と、支払う月も違う。この時間差が現金の不足を生みます。
借入の元本返済が経費にならないことも、押さえておきたい点です。利益から返済するため、利益がそのまま手元に残るわけではありません。ここを説明できると、依頼者からの信頼が変わります。
業種ごとの費用構造
原価率と人件費率の一般的な水準を知っておくと、数字の妥当性を判断できます。同じ売上でも、飲食と法人向けサービスでは費用の内訳が全く違います。
会計ソフトの提供元が公開している業種別の解説は、この用途に向いています。実務の言葉で書かれているぶん、短時間で要点をつかめます。
制度の全体像
創業融資の枠組み、補助金と助成金の違い、認定支援機関の役割。細部まで覚える必要はありませんが、依頼者に聞かれたときに「どこを見れば分かるか」が言えるレベルは必要です。
制度は年度で変わります。一次情報の場所を押さえておいてください。融資なら日本政策金融公庫、制度全般なら中小企業庁、法令の条文ならe-Govが出発点です。
表計算ソフトの操作
複雑な関数は要りません。四則演算、参照、簡単な条件分岐。この範囲で数値計画は組めます。むしろ凝った関数を使うと、依頼者が中身を追えなくなります。
読む人が理解できる表であることが、正確さと同じくらい重要です。
作った資料を、提案の場面でどう使うか
資料は、持っているだけでは意味がありません。使い方を設計します。
提案文の冒頭で、資料の存在に触れてください。ただしリンクを貼るだけでは開かれません。「飲食店の創業を想定したサンプル計画書を作成しており、席数と回転数から売上を積む形で組んでいます」というように、中身を1行で説明してから添えます。
送るタイミングは、最初の提案時が基本です。後出しにすると、比較の土俵に乗る前に落ちます。
相手が読んだかどうかは確認しないでください。催促は逆効果です。読まれなかったのであれば、要約の書き方に改善の余地があると考えるほうが建設的です。
面談まで進んだら、資料を画面に出しながら話します。数値表の前提をひとつ動かして、全体がどう変わるかを見せる。この操作を見せるだけで、実務で使えるかどうかが伝わります。
そして、資料は案件を1件終えるごとに更新してください。実際の依頼で気づいた確認項目をチェックリストに足し、使いにくかった表の構造を直す。この積み重ねが、次の提案の説得力になります。
作るときに、やりがちな失敗
失敗の型を挙げておきます。先に知っておけば避けられます。
失敗1: 分量を増やしすぎる
ページ数を増やせば評価されると考えて、業界の一般論を延々と書いてしまう。読み手は分量ではなく密度を見ます。一般論を削って、根拠のある数字を増やすほうが評価されます。
失敗2: 数字の根拠を書かない
売上の欄に数字が入っているのに、なぜその数字なのかが書かれていない。これは実務でも最も指摘されるポイントです。すべての数字に、1行でよいので根拠を添えてください。
失敗3: 成果を約束する表現を入れる
サンプル資料に「この計画で融資が通ります」といった記述を入れてはいけません。融資の可否も補助金の採択も、審査する側が決めます。書くなら「審査の観点に沿って説明できる形に整えています」です。
失敗4: 業種を絞らない
汎用のサンプルを1本作って、あらゆる業種に使い回そうとする。これだと、どの業種の発注者にも決め手を感じてもらえません。1業種で1本を丁寧に作るほうが結果は良くなります。
失敗5: 作って満足してしまう
資料は作ることが目的ではなく、送ることが目的です。完璧を目指して手元で磨き続けるより、7割の完成度で送って反応を見るほうが、改善の材料が集まります。
実績が「ゼロ」なのかを、もう一度確認する
ここまで、実績がない前提で書いてきました。ただ、皆さんの経歴を丁寧に見直すと、実は使える材料が眠っていることがあります。
勤務先で予算を組んだ経験はありませんか。部門の売上計画、仕入れの見積もり、設備の稟議。これらは事業計画書の一部と同じ作業です。金額や取引先の情報は出せませんが、「どういう性質の資料を、どういう手順で作っていたか」は説明できます。
補助金の申請に関わった経験も同様です。自社で申請したことがあるなら、様式の読み方と審査の観点を知っていることになります。これは実務経験そのものです。
家業や身近な事業を手伝った経験も材料になります。数字を集めて整理したことがあるなら、その進め方は説明できます。
自分で事業をしていた経験があるなら、なおさらです。うまくいかなかった経験も含めて、事業の数字を実際に扱ったことは強い材料になります。
つまり「実績ゼロ」と思っている人の多くは、受注歴がゼロなのであって、関連する経験がゼロなわけではありません。この2つを区別してください。
書き方には注意が必要です。前職の具体的な数字や取引先名は出せません。守秘の対象になり得ます。書けるのは、担当した業務の種類、扱った資料の性質、使っていた手順まで。この範囲であれば、多くの場合は問題になりません。※就業規則や誓約書の内容によって扱いが変わるため、判断に迷う場合は専門家に確認してください。
そして、こうした経験は自作資料と組み合わせると効果が増します。「勤務先で年度の予算編成に関わっていた経験があり、その進め方を踏まえて飲食店の創業計画のサンプルを作成しました」という書き方なら、経験と現物の両方が伝わります。
逆に、経験の説明だけで終わると弱い。皆さんが最終的に見せるべきなのは、やはり現物のほうです。経験は現物の背景として添える。この順番を守ってください。
実績が積み上がるまでの、現実的な見通し
正直に書きます。資料を作ったからといって、翌週から依頼が来るわけではありません。
最初の1件が決まるまでには、それなりの数の提案が必要になります。その間、資料は改善し続けることになります。送って反応がなければ、要約の書き方を変える、対象業種を変える、数値表の見せ方を変える。この試行の期間を見込んでおいてください。
そして最初の数件は、条件が良いとは限りません。範囲が狭い作業や、単価が控えめな案件から始まることが多い。ここで焦って条件を無視して受けると、後で苦しくなります。範囲と修正回数だけは、最初の案件から必ず決めてください。
一方で、1件終えるごとに変わることがあります。実際の依頼者とやり取りした経験は、サンプル資料には出せない具体性を生みます。2件目以降の提案は、明らかに書きやすくなります。
報酬の考え方についても、最初から高く設定する必要はありません。ただし、安く受け続けると抜け出せなくなるのも事実です。段階的に条件を見直す進め方は、他の職種でも同じ論点があります。Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】には、実績を積みながら単価を上げていく手順が整理されており、考え方の枠組みとして参考になります。
学び直しの費用について補助の制度が使える場合もあります。制度は対象や要件が細かく、年度で変わります。たとえば福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法のように、業種や事業所の状況に応じた助成の枠組みがあり、要件を満たすかどうかは個別に確認が必要です。
市場を長く見てきた立場からの観察
20年この市場を見てきた立場から言えば、実績ゼロから定着した人には、はっきりした共通点があります。手元に現物を持っていることです。
「できます」と言うより、「これを作りました」と1本渡すほうが、話は速く進みます。当たり前のようですが、実際に現物を用意して応募する人は多くありません。多くの人は、経歴の説明と意欲の表明で提案を終えます。だからこそ、現物を持っているだけで比較の土俵が変わります。
もうひとつ、運営者として見てきた限りでは、間に手数料が乗らない直接の取引は、始めたばかりの人ほど効きます。依頼する側は同じ予算でより広い範囲を頼めるようになり、受ける側は同じ作業でも手取りが厚くなる。手数料0%の意味は金額の大小ではなく、最初の数件に時間をかけられるかどうかという質の話です。1件目に十分な時間をかけられた人は、そこで得た具体性を2件目の提案に持ち込めます。
事業計画作成支援で身につく力は、他の業務委託にも転用できます。ヒアリングして課題を整理し、数字と資料に落とすという進め方は共通です。業務改善の支援がどう発注されているかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事にまとまっており、進め方の近さが分かります。市場調査や販促設計に寄せるならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が、技術寄りを見るならアプリケーション開発のお仕事が参考になります。
報酬水準の感覚を持っておくことも、条件を判断する助けになります。職種は違いますが、著述家,記者,編集者の年収・単価相場やソフトウェア作成者の年収・単価相場には業務委託の報酬水準がまとまっており、作業の性質による差が見えます。
資料の読みやすさを底上げしたいなら、実務文書の型を確認できるビジネス文書検定の範囲が直結します。IT寄りの案件も視野に入れるならCCNA(シスコ技術者認定)のような資格もありますが、この仕事で先に効くのは前者です。
もう一度、結論を書きます。実績ゼロで示すべきなのは経歴ではなく現物です。1業種に絞ったサンプル計画書、数値計画のひな型、業種別のチェックリスト。この3点があれば、発注者が実績で確かめたい3つのことは全部証明できます。
よくある質問
Q. 実績がなくても、事業計画作成支援の案件は受けられますか?
発注者が実績で確かめたいのは、成果物の水準、数字を扱えるか、業種を理解しているかの3点です。この3点は自作の資料で直接示せます。1業種に絞ったサンプル計画書を1本作り、数値計画のひな型と業種別チェックリストを添えるのが現実的な出発点になります。
Q. サンプルの事業計画書は、どんな題材で作ればよいですか?
公開情報だけで組み立てた架空の事業を題材にしてください。実在する企業や店舗を勝手に題材にすると誤解を生みます。前職で知った売上や原価は秘密保持の対象になることがあるため、そのまま使うのは避け、判断に迷う場合は専門家に確認してください。
Q. 数値計画では、どこまで作れば評価されますか?
損益だけでなく、月次の資金繰り表まで作ってください。利益が出ていても現金が足りなくなる動きを追える表があると、資料の水準が一段変わります。すべての数字に1行でよいので根拠を添えることも、評価を分ける要素になります。
Q. 資料はどのように見せるのが効果的ですか?
冒頭に1枚の要約を置き、数値表と本文の一部を抜粋した短い版を先に送る形が読まれやすくなります。全文は希望があれば送ると添えてください。作成日か更新日を必ず入れ、制度や統計の変化に合わせて半年に一度は見直してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
前田 壮一@SOHO編集部
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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