作り置きの出張サービスを料理人として始める手順と依頼の受け方

@SOHO編集部
@SOHO編集部
作り置きの出張サービスを料理人として始める手順と依頼の受け方

この記事のポイント

  • ✓作り置きの出張サービスを料理人として受けるには
  • ✓家事代行や出張シェフのサービスに登録する方法と
  • ✓個人で直接受ける方法があります

作り置きの出張サービスを仕事にしたいと考える人は、料理が得意で、その腕を生かして家庭の食事作りを手伝う仕事ができないかと考えている人がほとんどです。飲食店で働いてきた料理人、栄養士や調理師の資格を持つ人、長年の家事の経験がある人など、出発点はさまざまです。

作り置きの出張サービスとは、依頼者の自宅を訪ね、その家の台所で数日分の料理をまとめて作り、保存容器に詰めて冷蔵庫や冷凍庫に収めていく仕事のことです。共働きの家庭や子育て中の家庭、高齢の家族を持つ家庭などから依頼があります。この記事では、料理を作る側に立って、仕事の流れ、依頼を受ける入り口ごとの報酬と手数料、資格の要否、衛生管理、営業許可の確認、保険と税金の手続きまでを順に解説します。各サービスの料金と条件は、2026年10月5日時点で公式ページを開いて確かめた記載をもとに紹介します。

作り置きの出張サービスが広がった背景

作り置きの出張サービスが広がった理由は、家庭の食事作りにかけられる時間が減ったことにあります。共働きの世帯が増え、平日の夕方に買い物と調理を済ませるのが難しい家庭が多くなりました。外食や総菜で済ませる日が続くと、栄養の偏りや出費が気になり、「手作りの食事を、時間をかけずに用意したい」という需要が生まれます。

この需要に応えたのが、家事代行の会社が始めた料理代行のサービスと、料理人と家庭を結ぶ出張シェフのマッチングサービスです。週に1回、3時間ほどで数日分の料理を作ってもらえば、平日は温めるだけで手作りの食事がとれます。依頼する家庭にとっては、買い物と献立を考える手間からも解放される点が大きな利点です。

料理を作る側から見ると、この仕事にはいくつかの特徴があります。店を構える必要がなく、依頼者の台所で調理するため、開業の費用が小さく済みます。働く日と時間を自分で決めやすく、週に1回から始められるサービスもあります。飲食店の厨房とは違い、1軒ごとに台所の設備も家族の好みも違うため、限られた条件の中で段取りよく何品も作り上げる力が問われます。

料理の腕が生かせる働き方として注目される一方で、他人の家庭の台所に入り、口に入るものを作る仕事でもあります。衛生管理と信頼関係を土台にしてこそ、長く続けられる仕事です。

作り置きの出張サービスの仕事の流れ

作り置きの出張サービスの1回の仕事は、おおむね次のような流れで進みます。

  1. 事前の確認:家族の人数、好き嫌い、アレルギー、作ってほしい品数、保存容器の数を確認します。
  2. 献立の決定:依頼者の希望をもとに献立を決めます。サービスによっては、料理人が献立を提案する形と、依頼者が自由にリクエストする形を選べます。
  3. 食材の準備:依頼者が事前に買っておく形と、料理人が買い物を代行する形があります。買い物の代金は実費で精算するのが一般的です。
  4. 訪問と調理:依頼者の台所で、決められた時間内に複数の料理を並行して作ります。
  5. 保存と説明:料理を保存容器に詰め、冷蔵か冷凍かを分けて収めます。料理名、食べる目安の日、温め方を書いたメモを残します。
  6. 片付け:使った調理器具や流し台を洗い、台所を元の状態に戻して終了します。

3時間ほどで、主菜と副菜を合わせて10品前後を作る依頼がよく見られます。ゲームで言えば、限られた時間の中でいくつもの作業を同時に進める「段取りの攻略」が腕の見せどころです。煮込み料理を火にかけている間に野菜を切り、オーブンで焼いている間に和え物を仕上げるといった並行作業の組み立てで、作れる品数と仕上がりが大きく変わります。

家事代行の料理代行サービスの例として、CaSyのお料理代行のページには、利用の条件がこう書かれています。

サービス利用可能時間は8時~20時となります。 サービス1回につき、3時間以上1時間単位でご利用いただけます。 出典: casy.co.jp

このように、1回3時間以上を単位とするサービスが多く、料理を作る側もこの時間で何品を作れるかを基準に段取りを組みます。

依頼を受ける入り口と、報酬・手数料の違い

作り置きの出張サービスの依頼を受ける入り口は、大きく3つあります。家事代行の会社の料理代行に登録する方法、出張シェフのマッチングサービスに登録する方法、個人で直接受ける方法です。入り口によって、報酬の決まり方と手元に残るお金が違います。

家事代行の会社の料理代行は、会社が料金を決め、料理を作る人には時間あたりの報酬が支払われる形が一般的です。CaSyのキャスト募集のページでは、業務委託の報酬として、料理業務委託や一部の都内の特別報酬付き案件で最高時給2,260円、その他の案件で時給1,500円から1,860円(福井県・宮城県は1,250円から)と案内されています。資格や免許は不要で、動画研修などを経て働く仕組みです。依頼する家庭が払う料金は、1時間あたり2,790円から3,490円(税込、2026年11月30日まで)で、2026年12月1日からは2,950円から3,650円(税込)に改定されると告知されています。

出張シェフのマッチングサービスは、料理人が自分で料金を設定できるところがあります。シェアダインは、シェフ登録の案内ページで、価格はシェフ自身で設定できるとしています。同じページのよくある質問では、出張シェフの場合はサービス料金の25%前後がサービス手数料になること、交通費は支給されないため、事前にプラン金額に交通費を含めて設定することが説明されています。依頼する側の出張料理は1回8,800円(交通費・税込)からと案内されています。

家事代行のマッチングサービスのタスカジは、依頼する家庭向けに1時間1,500円からと案内しており、ハウスキーパーごとに料理や作り置きを受けるかどうかが異なります。

入り口 料金の決め方 手元に残るお金の考え方
家事代行の会社の料理代行 会社が決める 時間あたりの報酬。集客と決済は会社が担う
出張シェフのマッチングサービス 料理人が設定できる場合がある 料金から手数料を差し引く。交通費は料金に含めて設定
個人で直接受ける 自分で決める 仲介の手数料はないが、集客と決済も自分で行う

始めたばかりの時期は、集客を任せられる会社やマッチングサービスで経験と評価を積み、指名やリピートが増えてから直接の依頼の割合を高めていく人が多く見られます。

資格は必要か:調理師や栄養士の位置づけ

作り置きの出張サービスを始めるのに、調理師免許や栄養士の資格は必須ではありません。CaSyのキャスト募集のページは資格・免許不要とし、お掃除やお料理が好き、得意という人であれば働けると案内しています。シェアダインも、調理師免許は必須ではないとしつつ、仕事を始める前に衛生研修の受講、テストやトライアルの実施が必要だと説明しています。飲食店での調理経験も、家庭向けの出張シェフでは必須ではないとされています。

資格が必須ではないからといって、資格が役に立たないわけではありません。調理師や栄養士、管理栄養士の資格は、依頼する家庭が料理人を選ぶときの安心材料になります。特に、離乳食、産前産後の食事、生活習慣病への配慮、減量や筋力づくりのための食事など、特別な配慮が必要な依頼では、栄養の知識を持つ料理人が選ばれやすくなります。シェアダインの案内でも、妊活、産前産後、離乳食、生活習慣病やダイエット、筋トレ、糖尿病などのニーズに合わせて献立を提案するサービスとして紹介されています。

ただし、病気の治療や体調の管理に関わる食事について、料理人が医学的な判断をすることはできません。医師や管理栄養士から食事の指示を受けている家庭の依頼では、その指示の内容を依頼者に確かめ、指示の範囲で調理します。指示がはっきりしない場合は、依頼者を通じて主治医や管理栄養士に確かめてもらうよう伝えます。

資格の代わりに重視されるのが、実際に作れる料理の幅と、時間内に仕上げる段取りの力です。登録の審査では、実技や実地のテストを行うサービスもあるため、普段から3時間で10品前後を作る練習をしておくと、審査でも本番でも慌てずに済みます。

3時間で10品前後を仕上げる段取りの組み立て方

作り置きの出張サービスで評価を分けるのは、限られた時間で何品をどれだけの質で仕上げられるかです。飲食店の厨房の経験がある人でも、初めての台所で、決まった道具だけを使って多くの品数を作る仕事には、慣れるまで時間がかかります。

段取りを組むときは、まず献立の料理を、加熱の方法ごとに分けて考えます。コンロで煮る料理、オーブンや魚焼きグリルで焼く料理、電子レンジで加熱する料理、火を使わない和え物やサラダに分けると、同時に進められる組み合わせが見えてきます。コンロの口数は家庭によって2口から3口のことが多いため、煮込みのように長く火を使う料理と、短時間で仕上がる炒め物を同じ時間帯に重ねないようにします。

調理の順番は、一般に次のような流れが組みやすいとされます。

  1. 最初の15分:米や乾物を戻す、煮込み料理を火にかけるなど、時間のかかる工程を先に始めます。
  2. 中盤:煮込みの間に、野菜の下ごしらえをまとめて行い、焼き物や炒め物を順に仕上げます。
  3. 後半:和え物やサラダなど、加熱しない料理を作り、早く仕上がった料理から小分けにして冷まします。
  4. 最後の30分:冷めた料理を容器に詰め、メモを書き、片付けを済ませます。

片付けの時間を最後にまとめて取ろうとすると、時間が足りなくなりがちです。使い終わった鍋やボウルを、料理の合間に洗っていくと、最後の片付けが短く済み、狭い台所でも作業の場所を確保できます。

段取りの力は、自宅での練習で鍛えられます。自分の家の台所で、タイマーを3時間に合わせて10品前後を作ってみると、どの工程で時間がかかるか、どの組み合わせなら同時に進められるかがよく分かります。練習のたびに、品目と順番、かかった時間を記録しておけば、登録の審査で実技のテストを受けるときにも落ち着いて臨めます。

初めて訪ねる家庭では、調理を始める前に、コンロの火力、オーブンの有無と大きさ、冷蔵庫の空き、調理器具の種類を確かめる時間を数分取ります。台所の様子に合わせて、その場で段取りを組み替える柔軟さも必要です。2回目以降は、前回の記録をもとに段取りを決めておけるため、作業が格段に速くなります。

他人の台所で調理するときの衛生管理

作り置きの出張サービスで最も大切なのは、食中毒を起こさないことです。作った料理は数日にわたって冷蔵や冷凍で保存され、依頼者の家族が温めて食べます。その場で食べる料理以上に、作る段階と保存の段階での衛生管理が問われます。

厚生労働省は、家庭でできる食中毒予防の6つのポイントの中で、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に保つこと、加熱は中心部分の温度が75℃で1分間以上を目安にすること、残った食品は早く冷えるように小分けにすることなどを示しています(厚生労働省 食中毒)。作り置きの調理では、これらの基本をそのまま仕事の手順に組み込みます。

場面 守ること
調理の前 手洗いを徹底し、爪を短くし、指輪や腕時計を外す
下ごしらえ 肉や魚を切った包丁とまな板は、すぐに洗って熱湯をかける。生で食べる食材から離す
加熱 中心部まで十分に火を通す
冷ます 浅い容器に小分けにして、早く冷ます。長時間室温に置かない
保存 冷めたら清潔な容器に詰め、冷蔵か冷凍かを分けて収める
説明 食べる目安の日と、温め直すときは十分に加熱することを書いて残す

作り置きでは、熱い料理を冷ます工程が見落とされがちです。大きな鍋のまま冷まそうとすると、中心がなかなか冷えず、菌が増えやすい温度に長くとどまります。浅いバットや保存容器に小分けにし、粗熱がとれたら冷蔵庫に収めるよう段取りに組み込みます。

依頼者の台所の設備にも気を配ります。保存容器や調理器具は依頼者のものを使うことが多いため、使う前に清潔かどうかを確かめます。冷蔵庫の空き容量が足りないと、作った料理を収めきれないこともあります。事前の確認の段階で、保存容器の数と冷蔵庫の空き具合を聞いておくと、当日の混乱を防げます。体調がすぐれない日は、仕事を受けないことも衛生管理の一部です。

衛生用品は、依頼者の家にあるものに頼らず、自分で持参するのが基本です。使い捨ての手袋、清潔なふきん、アルコールなどの消毒用品、エプロン、髪をまとめる帽子やバンダナを、訪問用の道具としてひとまとめにしておきます。食材の温度管理のために、買い物を代行する日は保冷バッグと保冷剤も用意します。肉や魚は買い物の最後に選び、できるだけ早く冷蔵庫に入れるようにします。

依頼者に料理を引き渡すときの説明も、衛生管理の仕上げです。冷蔵の料理と冷凍の料理を分けて収めた場所、食べる順番の目安、温め直すときの注意を、メモと口頭の両方で伝えておくと、依頼者が安心して食べられます。

営業許可が必要かどうかは形によって変わる

料理を仕事にするときに気になるのが、食品衛生法の営業許可が必要かどうかです。飲食店や総菜の製造・販売を行うには、保健所を通じて営業許可を取る必要があります。厚生労働省は、食品衛生法の改正で営業許可が必要な業種を見直し、営業届出の制度を設けたことを案内しています。

作り置きの出張サービスで許可が問題になるかどうかは、仕事の形によって変わります。判断の分かれ目になりやすいのは、次のような点です。

  1. どこで調理するか:依頼者の台所で調理するのか、自分の台所や借りた厨房で調理して届けるのか。
  2. 食材を誰が用意するか:依頼者が買った食材を使うのか、自分で仕入れた食材で作った料理を売るのか。
  3. 料理を持ち出すか:作った料理をその家の中で収めて終わるのか、ほかの場所へ運んで渡すのか。

依頼者の台所で、依頼者が用意した食材を使い、作った料理をその家の中で収めて終わる形と、自分の台所で作った料理を詰めて複数の家庭に届ける形とでは、仕事の性格が大きく違います。後者のように、自分の場所で作った料理を提供・販売する形にするなら、営業許可の対象になる可能性が高くなります。

どの形がどの手続きにあたるかは、扱う料理や地域の運用によっても変わります。サービスの形を決めたら、始める前に、活動する地域の保健所に仕事の流れを具体的に説明して確認します。「どこで、誰の食材で、どう作って、どこで渡すか」を書き出して相談すると、話が早く進みます。

依頼者との約束ごとと、トラブルを防ぐ工夫

作り置きの出張サービスは、他人の家に入り、家族の口に入るものを作る仕事です。依頼者との約束ごとを最初にはっきりさせておくことが、トラブルを防ぐ何よりの方法です。

最初の依頼を受けるときに確認しておきたいのは、次の点です。

確認すること 理由
アレルギーと苦手な食材 家族全員分を確認する。アレルギーは書面で残す
味付けの好み 塩分、辛さ、子ども向けの味付けの要否
使ってよい調理器具と調味料 依頼者のものを使うため、使ってよい範囲を確かめる
食材の用意の仕方 依頼者が買うのか、買い物を代行するのか。代金の精算方法
入ってよい場所 台所以外に立ち入らない範囲を決める
鍵の扱いと不在時の対応 依頼者が不在の間に調理する場合の取り決め
キャンセルの決まり 何日前まで無料か、当日のキャンセルはどうするか

アレルギーの確認は、特に慎重に行います。食物アレルギーは命に関わることがあるため、原因となる食材を使わないだけでなく、調味料や加工品に含まれていないかも確かめます。依頼者の台所にある調味料を使う場合は、原材料の表示を確認する習慣をつけます。

家の中の物を壊したり、依頼者にけがをさせたりした場合の備えも必要です。タスカジは、サービスを通して成立した作業時間内の作業に、対物1,000万円、対人1億円を上限とする補償を用意していると案内しています。シェアダインも、出張シェフに損害保険を無償で提供していると説明しています。サービス経由の仕事はこうした仕組みで守られることがありますが、直接受けた仕事は対象外になることが多いため、個人で入れる賠償責任保険を検討しておきます。

労災の特別加入と、働き方ごとの守られ方

作り置きの出張サービスでは、包丁でのけがや、熱い鍋でのやけど、訪問先への移動中の事故といった危険があります。働き方によって、けがをしたときの守られ方が違う点を押さえておきます。

家事代行の会社に雇われて働く場合は、会社の労災保険の対象になります。一方、会社やマッチングサービスから業務委託で仕事を受ける場合は、雇われて働く人ではないため、原則として労災保険の対象になりません。そこで用意されているのが、労災保険の特別加入の制度です。

厚生労働省の特別加入制度のしおり(特定作業従事者用)では、特別加入できる人の1つとして「家事支援従事者」を挙げ、家事(炊事、洗濯、掃除、買物、児童の日常生活上の世話および必要な保護その他家庭において日常生活を営むのに必要な行為)を代行し、または補助する作業を行う人と説明しています。整理上は「介護作業従事者および家事支援従事者」として加入し、保険料率は1,000分の5とされています。料理代行は炊事の代行にあたるため、業務委託で作り置きの仕事を受ける人は、この制度の対象になり得ます。加入は特別加入団体を通じて行うのが一般的で、詳しくは厚生労働省の案内や労働基準監督署で確かめます(厚生労働省 労災保険への特別加入)。

もう1つ知っておきたいのが、家庭に直接雇われる場合の扱いです。労働基準法第116条第2項は、「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない」と定めています。個人の家庭と直接雇用の契約を結んで家事を行う人は、労働基準法の労働時間や休日の決まりが原則として適用されないことになります。個人の家庭から直接仕事を受けるときは、雇用なのか業務委託なのかをはっきりさせたうえで、仕事の内容、報酬、時間、キャンセルの決まりを書面で取り決めておきます。自分の働き方がどれにあたるかで迷ったら、労働基準監督署に相談します。

定期の依頼を続けてもらうための工夫

作り置きの出張サービスの依頼は、1回きりより、週に1回や2週間に1回といった定期の依頼が中心です。定期の依頼が続くかどうかは、料理の味だけでなく、依頼者の生活に合わせた細かな気配りで決まります。

続けてもらうための工夫として、多くの料理人が取り入れているのが、訪問ごとの記録です。作った料理、家族の感想、残りがちだった料理、次に試したい料理を簡単に書き留めておくと、同じ献立の繰り返しを避けられ、家族の好みに合わせて献立を少しずつ調整できます。依頼者から感想をもらう仕組みを用意しておくと、記録がさらに充実します。

季節の食材を取り入れることも、飽きられない献立づくりに欠かせません。旬の野菜は値段が手ごろで、栄養も豊かです。依頼者が食材を用意する場合は、次回の献立と必要な食材を早めに伝えておくと、買い物の負担を減らせます。

家族の状況の変化に気づくことも大切です。子どもの成長に合わせて味付けや量を変える、季節の変わり目で食欲が落ちている時期はさっぱりした料理を多めにする、といった提案は、依頼者に「よく見てくれている」と感じてもらえる機会になります。ただし、家族の体調についての判断は料理人の役割ではないため、気になることがあっても指摘にとどめ、食事の内容は依頼者の希望に沿って調整します。

依頼者が留守の間に調理する定期の依頼では、顔を合わせる機会が少なくなります。料理と一緒に残すメモに、その日の献立の工夫や、次回の予定を一言添えておくと、会わなくても仕事の様子が伝わり、信頼が積み重なっていきます。

定期の依頼では、訪問の日時を毎回同じにしてもらうと、自分の予定も立てやすくなります。病気や用事で訪問できない日が出たときの連絡の方法と、代わりの日の決め方も、最初に取り決めておきます。

料金の決め方と、直接受けるときの準備

個人で作り置きの依頼を直接受ける場合は、料金を自分で決めることになります。料金を決めるときは、調理の時間だけでなく、仕事全体にかかる時間と費用を書き出してみることが大切です。

1回3時間の調理でも、実際には次のような時間がかかります。献立の作成と依頼者とのやり取り、買い物の代行をするならその時間、訪問先への往復、調理と片付け、作った料理のメモの作成です。これらを合わせると、調理の時間の1.5倍から2倍ほどになることもあります。交通費を料金に含めるのか、別に請求するのかも、最初に決めておきます。

料金の目安を考えるときは、家事代行の会社やマッチングサービスで依頼する家庭が払っている金額が、比較の基準になっていることを意識しておきます。依頼する家庭は、これらのサービスの料金と比べて、自分に頼む理由を探します。栄養の知識、特定の料理の得意分野、離乳食や高齢者向けの食事の経験など、選ばれる理由を作例や紹介文ではっきり示すことが、適正な料金で依頼を受けるための前提です。

直接受けるときに準備しておくものは、次のとおりです。

  1. 料金表とキャンセル規定を書いた案内
  2. 作れる料理の例を写真付きで示した作例
  3. アレルギーや好みを確認する聞き取りの書式
  4. 料理名、食べる目安の日、温め方を書くメモの書式
  5. 賠償責任保険

依頼者への案内文や聞き取りの書式は、読み違いのない文章で作ることが信頼につながります。ビジネス文書検定のページでは、仕事の文書の書き方を問う検定の内容を紹介しています。

開業届と確定申告の手続き

作り置きの出張サービスを継続して行うなら、税金の手続きも押さえておきます。業務委託で仕事を受ける場合、会社に雇われる場合と違って、税金は自分で計算して申告する必要があります。

仕事として続けるつもりがあるなら、税務署に開業届を出します。国税庁の案内では、提出時期は事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までとされています(国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)。

確定申告では、報酬から仕事のためにかかった費用を差し引いて所得を計算します。作り置きの仕事で費用になりやすいのは、訪問先への交通費、持参する調理器具や衛生用品、エプロンなどの作業着、保険料、献立づくりのための料理書などです。依頼者が負担する食材費は、立て替えて精算するだけなら、自分の収入や費用には含めない扱いになるのが一般的です。扱いに迷う費用があれば、税務署で確かめます。

会社員の副業として始める場合は、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。会社の就業規則で副業の届け出が必要かどうかも、始める前に確かめておきます。マッチングサービスによっては、インボイス登録の有無で報酬の扱いが変わることもあるため、登録の案内を確認しておきます。

在宅ワーク市場から見た作り置きの仕事の続け方

作り置きの出張サービスは、調理の時間こそ依頼者の家に出向きますが、献立づくりや依頼者とのやり取り、作例の発信といった準備の多くを自宅で進められる仕事です。週に数軒の定期の依頼を持ち、残りの時間で献立の研究や発信を進める、という形で続けている人が多く見られます。

この仕事を広げるうえで役立つのが、発信の力です。作った料理の写真と献立を、作例として分かりやすく見せられると、初めて依頼する家庭の不安が和らぎます。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のページでは、マーケティングに関わる業務委託の仕事の種類と、求められる技能を紹介しています。集客の考え方を知っておくと、どの料理を、どの季節に、どんな言葉で発信すれば依頼につながるかを組み立てられます。

献立づくりの手間を減らす工夫として、AIの道具を使う料理人も増えています。依頼者の好みやアレルギーの条件を整理し、献立の候補を出すところまでをAIに手伝わせ、最終的な判断と調理は自分で行うという使い方です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事のページでは、仕事の中でAIの道具を活用する支援の仕事を紹介しています。ただし、アレルギーや健康への配慮が関わる判断は、AIの出力をそのまま使わず、自分で確かめることが欠かせません。

料理の知識を文章で伝える仕事に広げる道もあります。作り置きのコツや季節の献立を記事やレシピとして書けるようになると、料理の腕を別の形で生かせます。著述家,記者,編集者の年収・単価相場のページでは、文章の仕事に携わる人の年収と単価の水準を紹介しています。訪問の仕事と執筆の仕事を組み合わせると、移動のない日にも料理の知識を仕事にできます。

フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、家庭向けのサービスで長く続く人ほど、1回ごとの依頼をこなすことより、「この人に任せておけば安心」という関係づくりに時間を使っています。家族の好みや前回の献立を記録し、季節の食材を取り入れた提案を重ねていく料理人には、定期の依頼が続き、集客にかける時間が少なくて済んでいます。

また、仲介の取り分のない直接の取引は、依頼する家庭と料理を作る人の双方に利点があります。同じ予算でも家庭はより長い時間や多くの品数を頼め、作る人の手取りも厚くなります。手数料0%で直接取引できる場を活用しながら、衛生管理と信頼を積み重ねていくことが、作り置きの出張サービスを安定した仕事にする近道です。

よくある質問

Q. 作り置きの出張サービスを始めるのに調理師免許は必要ですか?

必須ではありません。家事代行の会社の料理代行や出張シェフのマッチングサービスには、資格や免許を不要とするところがあります。ただし、仕事を始める前に衛生研修の受講や料理のテスト、トライアルを求めるサービスもあります。調理師や栄養士の資格は、特別な配慮が必要な食事の依頼で選ばれる材料になります。

Q. 依頼者の家で作り置きをするのに営業許可は必要ですか?

仕事の形によって変わります。どこで調理するか、食材を誰が用意するか、作った料理を持ち出すかで判断が分かれ、自分の台所で作った料理を届ける形は営業許可の対象になる可能性が高くなります。始める前に、仕事の流れを書き出して、活動する地域の保健所に確認します。

Q. 作り置きの料理は何日くらい食べられるように作ればよいですか?

料理や保存の状態によって変わるため、一律には決められません。中心部まで十分に加熱し、小分けにして早く冷まし、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下で保存するのが基本です。料理ごとに食べる目安の日と、温め直すときは十分に加熱することをメモに書いて残しておきます。

Q. 業務委託で作り置きの仕事を受けるとき、けがへの備えはどうすればよいですか?

業務委託の場合は原則として会社の労災保険の対象になりません。家事を代行する人は、労災保険の特別加入の対象である家事支援従事者にあたり得るため、特別加入団体を通じた加入を検討します。依頼者の家の物を壊したときに備えて、賠償責任保険の補償の範囲も確かめておきます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月20日最終更新:2026年10月6日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方