会社に知られずに副業できるか|住民税の仕組みと注意点


この記事のポイント
- ✓会社にバレずに副業できるのかを
- ✓住民税の特別徴収と普通徴収の仕組み
- ✓確定申告と住民税の申告
副業を始めたいけれど、会社に知られたくない。そう考えて「会社にバレずに副業する方法」を調べる人は少なくありません。最初に結論を書くと、副業が会社に伝わるきっかけとして最も多いのは住民税の通知で、副業の形によっては、手続きで会社に伝わりにくくできる場合と、仕組み上どうしても伝わる場合があります。ただし、知られないことだけを目的にすると、就業規則の違反や税金の申告漏れといった、より大きな問題を招きかねません。この記事では、副業が会社に伝わる仕組みを住民税を中心に説明し、副業の形ごとの違い、確定申告と住民税の申告、社会保険の扱い、就業規則と届け出の考え方までを順に整理します。
副業が会社に伝わる主なきっかけ
副業が会社に伝わるきっかけは、大きく分けて次の4つです。
- 住民税の通知:副業の所得が住民税の額に反映され、会社が受け取る通知の額が増える
- 社会保険の手続き:副業先でも社会保険に加入すると、手続きが本業の会社にも関わる
- 人づての情報:同僚や取引先に副業の様子を見られる、話が伝わる
- 本人の発信:SNSや作品の公開で、本人と分かる形で副業が知られる
このうち、仕組みとして避けにくいのが住民税と社会保険です。人づての情報や本人の発信は、気をつけることで減らせますが、住民税と社会保険は、副業の形によって扱いが決まっています。
住民税の仕組み:特別徴収と普通徴収
会社員の住民税は、通常、会社が毎月の給与から差し引いて納めます。これを特別徴収と呼びます。東京都主税局は、給与からの特別徴収を次のように説明しています。
個人住民税の給与からの特別徴収とは、所得税の源泉徴収と同じように、事業主の方(給与支払者)が従業員の方(納税義務者)に代わり、毎月給与から個人住民税を差し引き、納入していただく制度です。 出典: 東京都主税局「個人住民税」
特別徴収では、市区町村が住民税の額を計算し、その額を会社に通知します。会社はその通知に従って、6月から翌年5月までの毎月の給与から住民税を差し引きます。住民税の額は前の年の所得をもとに計算されるので、副業で所得が増えると、その分だけ会社に届く通知の住民税の額も増えます。給与の額のわりに住民税が高いと、会社の担当者が気づくことがある、というのが、副業が伝わる仕組みです。
一方、特別徴収ではなく、市区町村から送られる納税通知書で、本人が自分で納める方法を普通徴収と呼びます。東京都主税局によると、普通徴収は年4回に分けて納めます。
副業の住民税を自分で納められる場合
住民税の決まりを定めた地方税法には、給与所得以外の所得について、自分で納める方法を選べる仕組みがあります。地方税法第321条の3第2項は、給与所得者に給与所得以外の所得がある場合、市町村はその所得にかかる住民税を給与から特別徴収する分に加えて徴収できるとしたうえで、ただし書きで次のように定めています。
ただし、第三百十七条の二第一項の申告書に給与所得以外の所得に係る所得割額を普通徴収の方法によつて徴収されたい旨の記載があるときは、この限りでない。 出典: e-Gov法令検索「地方税法」第321条の3
つまり、住民税の申告書(所得税の確定申告書を出す場合はその住民税の欄)で、給与所得以外の所得にかかる住民税を普通徴収にしてほしいと書けば、その分は本業の給与から差し引かれず、本人が自分で納める形にできる、ということです。所得税の確定申告書には、住民税に関する事項を書く欄があり、そこで給与所得以外の所得にかかる住民税の徴収方法を選びます。
対象は給与所得以外の所得だけ
ここで大切なのは、この仕組みの対象が「給与所得以外の所得」に限られることです。業務委託で受けた報酬、ネットでの販売の所得、原稿料など、給与ではない所得であれば、普通徴収を選べる場合があります。一方、副業がアルバイトやパートなど、雇われて働いて受け取る給与であれば、それは給与所得なので、この仕組みは使えません。副業先の給与も本業の給与と合わせて住民税が計算され、本業の会社の特別徴収に含まれるのが原則です。
自治体によって扱いが違うことがある
普通徴収を選んだ場合でも、自治体の事務の扱いによっては、特別徴収に含まれて会社に通知されることがあり得ます。確定申告書で選んだだけで安心せず、心配な場合は、住んでいる市区町村の住民税の担当に、普通徴収になっているかを確かめます。住民税の通知は毎年5月から6月ごろに会社に届くので、その前に確かめると確実です。
確定申告と住民税の申告
副業の所得がある場合、所得税の確定申告や住民税の申告が必要になることがあります。申告をしないと、普通徴収を選ぶこともできず、税金の申告漏れという別の問題になります。
所得税の確定申告が必要になる場合
国税庁は、給与を1か所から受けている人で、給与所得と退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人を、確定申告が必要な人として挙げています。
給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人 出典: 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
ここでいう所得は、副業の収入から必要経費を引いた額です。給与を2か所から受けている場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になります。
20万円以下でも住民税の申告は必要
20万円の基準は所得税の確定申告の話で、住民税にはこの基準がありません。地方税法第317条の2は住民税の申告を定めていて、申告の期限は3月15日、提出先はその年の1月1日に住んでいる市区町村です。所得税の確定申告をしない人でも、副業の所得があれば、住民税の申告が必要になります。住民税の申告書でも、給与所得以外の所得にかかる住民税を普通徴収にするかどうかを選べます。
「20万円以下なら何もしなくてよい」と思い込んで住民税の申告をしないと、後から市区町村が所得を把握したときに、まとめて特別徴収に含まれることがあります。申告の要否は事情で変わるので、市区町村の窓口で確かめます。
確定申告書での住民税の徴収方法の選び方
業務委託や販売の副業で確定申告をする場合、住民税の徴収方法は、確定申告書の第二表にある住民税に関する事項の欄で選びます。この欄には、給与や公的年金等以外の所得にかかる住民税の徴収方法として、給与から差し引く方法(特別徴収)と、自分で納付する方法(普通徴収)を選ぶ箇所があります。自分で納める形にしたい場合は、自分で納付する方法に印を付けます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作る場合も、住民税に関する事項を入力する画面で同じ選択ができます。選択を忘れると、市区町村は給与から差し引く方法で計算することが多いので、提出する前に必ず確かめます。
確定申告をしない場合は住民税の申告書で選ぶ
所得税の確定申告が不要で、住民税の申告だけを行う場合は、住民税の申告書で徴収方法を選びます。住民税の申告書は、住んでいる市区町村の窓口やホームページで手に入ります。様式は市区町村ごとに違うので、給与所得以外の所得にかかる住民税の徴収方法の欄がどこにあるかを確かめて記入します。
申告の時期
所得税の確定申告は、原則として翌年の2月16日から3月15日までに行います。住民税の申告の期限も3月15日です。申告が遅れると、住民税の計算に間に合わず、徴収方法の希望が反映されないことがあります。期限より前に余裕を持って申告します。
住民税の1年の流れ
住民税が会社に通知されるまでの流れを知っておくと、どの時期に何を確かめればよいかが分かります。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 1月から12月 | 副業の収入と経費が発生する(この1年の所得が翌年度の住民税のもとになる) |
| 翌年1月31日まで | 本業や副業の給与を払った会社が、給与支払報告書を市区町村に出す |
| 翌年2月から3月15日まで | 本人が確定申告または住民税の申告を行い、徴収方法を選ぶ |
| 翌年5月ごろ | 市区町村が、特別徴収の税額を会社に通知する |
| 翌年6月ごろ | 普通徴収の分の納税通知書が本人に届く。会社では6月の給与から特別徴収が始まる |
普通徴収を選んだ場合は、6月ごろに本人あての納税通知書が届きます。届いたら、副業の分の住民税が普通徴収になっているかを確かめ、期限までに自分で納めます。納め忘れると、督促が届いたり、延滞金がかかったりするので注意します。
普通徴収にした住民税の納め方
普通徴収にした住民税は、本人が納税通知書に沿って納めます。納める時期は地方税法で大枠が決まっていて、第320条は次のように定めています。
普通徴収の方法によつて徴収する個人の市町村民税の納期は、六月、八月、十月及び一月中(当該個人の市町村民税額が均等割額に相当する金額以下である場合にあつては、六月中)において、当該市町村の条例で定める。 出典: e-Gov法令検索「地方税法」第320条
つまり、6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納めるのが原則で、具体的な日付は住んでいる市区町村の条例で決まります。同じ法律の第321条では、納期が来た回の分にあわせて、後の回の分をまとめて納めることも認めています。
届いた納税通知書では、次の3点を確かめます。
- 税額の内訳に、副業の所得にかかる分が入っているか
- 4回の納期と、それぞれの納付額
- 使える納め方(金融機関やコンビニエンスストアの窓口、スマートフォンの決済アプリ、口座振替など。市区町村によって違う)
納め忘れを防ぐには、1回目の6月にまとめて1年分を納めるか、4回の納期をカレンダーに登録しておきます。副業の収入の一部を、住民税と所得税のための口座に分けて残しておくと、納期に慌てずに済みます。
市区町村の住民税の担当に確かめること
普通徴収になっているかに不安があるときは、申告を済ませたあと、住んでいる市区町村の住民税の担当(課税課、市民税課などの名前が多い)に問い合わせます。電話で問い合わせる場合は、本人確認のため、氏名、住所、生年月日を聞かれることがあります。
問い合わせで確かめるのは、次の3点です。
- 確定申告書または住民税の申告書の内容が、住民税の計算に反映されているか
- 給与所得以外の所得にかかる住民税が、普通徴収として扱われているか
- 会社に通知される特別徴収の税額に、副業の所得にかかる分が含まれていないか
5月に会社へ通知が届いたあとでは、扱いを変えるのに手間がかかります。確定申告を3月に済ませたら、4月ごろまでに一度確かめておくと安心です。引っ越しをした人は、その年の1月1日に住んでいた市区町村が問い合わせ先になる点にも注意します。
副業の形ごとの違い
副業が会社に伝わるかどうかは、副業の形で大きく変わります。
| 副業の形 | 所得の種類 | 住民税の普通徴収 | 社会保険 | 会社に伝わる可能性 |
|---|---|---|---|---|
| 業務委託(記事の執筆、デザイン、開発など) | 事業所得・雑所得 | 選べる場合がある | 本業の保険のまま | 手続きで伝わりにくくできる場合がある |
| ネットでの販売(作品、物販) | 事業所得・雑所得 | 選べる場合がある | 本業の保険のまま | 手続きで伝わりにくくできる場合がある |
| アルバイト・パート | 給与所得 | 選べない | 条件によっては副業先でも加入 | 伝わる可能性が高い |
| 株式や投資信託などの運用 | 譲渡所得・配当所得など | 申告の方法による | 関係しない | 申告の方法で変わる |
アルバイトやパートの副業
アルバイトやパートで副業をする場合、副業先の会社は、給与の支払いを市区町村に報告します。市区町村は本業と副業の給与を合わせて住民税を計算し、原則として本業の会社の特別徴収に含めます。そのため、アルバイトやパートの副業は、住民税の仕組みから会社に伝わる可能性が高い形です。
さらに、雇われて働く副業では、本業と副業の労働時間を合わせて数える決まりがあり、副業先から本業の勤務時間を聞かれることもあります。
業務委託やネットでの販売の副業
業務委託やネットでの販売の所得は給与所得ではないので、確定申告や住民税の申告で普通徴収を選べる場合があります。ただし、取引先が支払った報酬の記録が税務署に提出されることはあっても、それが本業の会社に届くことは通常ありません。会社に伝わる主なきっかけは住民税の通知なので、申告をきちんと行い、普通徴収を選ぶことで、住民税から伝わる可能性は小さくなります。
副業の所得の計算と経費
住民税と所得税の計算のもとになるのは、副業の収入ではなく所得です。所得は、収入から必要経費を引いた額です。
必要経費になるもの
業務委託やネットでの販売の副業では、次のような費用が必要経費になる場合があります。
- 仕事に使うソフトやサービスの利用料
- 仕事に使う道具や材料の費用
- 通信費のうち、仕事に使った割合の分
- 販売サービスの手数料や、発送の費用
- 仕事のための書籍や資料の費用
自宅の家賃や電気代のように、仕事と生活の両方に使う費用は、仕事に使った割合の分だけを経費にするのが一般的です。どこまでが経費になるかは事情によって変わるので、迷うものは税務署に相談します。
記録を残す
収入と経費は、副業を始めた最初の1件から記録します。収入は、取引先ごとに、日付、内容、金額、入金日を表にします。経費は、領収書やレシートを保管し、何に使ったかを書き添えます。記録がないと、所得を正しく計算できず、申告の漏れや、払いすぎにつながります。
給与以外の所得が増えたときの影響
副業の所得が増えると、所得税と住民税が増えるだけでなく、配偶者の扶養、各種の手当、保育料など、所得で決まる仕組みにも影響することがあります。家族の扶養に入っている人は、副業の所得がどこまで増えると扶養から外れるかを、勤め先や家族の勤め先で確かめておきます。
社会保険で伝わる場合
アルバイトやパートの副業で、副業先でも社会保険の加入の条件を満たすと、本業と副業の2つの会社で健康保険と厚生年金に加入することになります。短時間労働者の加入の要件は「週20時間以上・2か月を超える雇用の見込み・学生でない」の3つで、所定内賃金の月額8.8万円以上という賃金の要件は2026年10月に撤廃されました。
2つの会社で加入する場合は、本人が日本年金機構に「二以上事業所勤務届」を出し、2つの会社の給与を合わせて保険料が計算されます。保険料の決定の通知はそれぞれの会社に届くので、この場合は本業の会社にも副業の存在が伝わります。業務委託やネットでの販売の副業では、社会保険の加入は本業のままで、副業によって変わることは通常ありません。
就業規則と届け出の考え方
ここまで、副業が会社に伝わる仕組みを説明してきましたが、知られないことを目的にするより先に確かめたいのが、会社の就業規則です。
副業を認める会社は増えている
厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で、会社に対し、裁判例を踏まえて原則として副業・兼業を認める方向で考えるよう求めています。会社向けの「モデル就業規則」でも、令和7年12月版の第70条で、労働者は勤務時間外に他の会社等の業務に従事できるとしたうえで、会社が禁止や制限をできる場合を次の4つに絞っています。
- 労務提供上の支障がある場合
- 企業秘密が漏洩する場合
- 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
- 競業により、企業の利益を害する場合
モデル就業規則の解説では、副業・兼業について相談や自己申告をしたことを理由に、不利益な扱いをすることはできないとしています。
届け出たほうが自分を守れる
会社の就業規則で副業が届け出制や許可制になっているのに、黙って副業をしていると、後から知られたときに就業規則の違反として扱われるおそれがあります。届け出をしていれば、副業の内容が会社の禁止事由に当たらないことを、最初から示すことができます。会社に知られたくない理由が「何となく気まずい」という程度であれば、届け出て堂々と副業をするほうが、長い目で見て自分を守れます。
禁止されている場合
就業規則で副業が禁止されている場合でも、その範囲は会社によって違います。業務委託や作品の販売まで禁止しているのか、同業の会社での勤務だけを禁止しているのかを、規則の文面で確かめます。分からない場合は、人事の担当に、どのような副業なら認められるかを相談します。
公務員の場合
国家公務員と地方公務員は、法律で兼業が制限されていて、会社員とは決まりが違います。人事院は令和8年4月1日から国家公務員の自営兼業の制度を見直していますが、所属先の許可や承認が必要なことに変わりはありません。公務員の人は、所属先の担当部署で確かめてください。
副業の種類ごとに気をつけること
副業の種類によって、住民税や届け出のほかにも気をつけることがあります。
記事の執筆やデザインなどの業務委託
本業と同じ分野の仕事を、本業の取引先や競合の会社から受けると、就業規則の競業の決まりに当たることがあります。本業で知った情報や、本業の資料を副業に使うことも、企業秘密の漏洩として問題になります。受ける仕事が本業の分野と重なる場合は、届け出の際に取引先の業種を伝え、問題がないかを確かめます。文章の仕事の単価の上げ方は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、実績の作り方から交渉までを整理しています。
ネットでの販売
自分で作った作品の販売は、多くの場合、特別な許可は必要ありませんが、中古品を仕入れて売る場合は古物商の許可が必要になることがあり、食品を売る場合は保健所の許可や届出が必要になります。販売のページには、特定商取引法に基づく表示として販売者の情報を載せる決まりがあるので、各販売サービスの表示の方法を確かめます。
アルバイトやパート
雇われて働く副業では、住民税の普通徴収が選べないことに加えて、本業と副業の労働時間を合わせて数える決まりがあります。本業で週40時間働いている人が副業先で働くと、その時間は法定労働時間を超えた時間外労働になり、多くの場合、後から雇用契約を結んだ副業先が割増賃金を払います。副業先から本業の勤務時間を聞かれるのは、このためです。
株式や投資信託などの運用
株式や投資信託の運用は、一般に会社の就業規則でいう副業に当たらないことが多いと考えられますが、扱いは会社の規則で確かめます。証券会社の源泉徴収ありの特定口座で取引している場合、株式の譲渡益には住民税が差し引かれていて、申告しないことを選べば、本業の給与の住民税には影響しないのが一般的です。申告するかどうかで扱いが変わるので、市区町村や税務署で確かめます。
会社に知られたときの対応
副業が会社に知られた場合、まず就業規則に照らして、その副業が認められる範囲のものかを確かめます。届け出が必要だったのに出していなかった場合は、すぐに届け出の手続きをし、副業の内容、作業の時間、取引先の業種を説明します。
会社が副業を禁止したり制限したりできるのは、モデル就業規則でいえば、本業に支障がある場合、企業秘密が漏れる場合、会社の名誉や信用を損なう場合、競業で会社の利益を害する場合です。自分の副業がこれらに当たらないことを、作業の時間や取引先を示して説明できるように準備しておきます。就業規則の違反として処分を受けるかどうかは、会社の規則と事情によるので、話し合いで解決しないときは、都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーに相談できます。
会社への届け出に書く内容
届け出をすると決めたら、何を書けばよいかを先に整理しておくと、手続きが早く進みます。会社の様式があればそれに従いますが、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、会社が労働者から確かめる事項として次のものを挙げています。
- 副業先の事業内容
- 副業先で従事する業務内容
- 労働時間を通算する対象になるか否か
労働時間を通算する対象になる場合、つまりアルバイトやパートのように雇われて働く副業の場合は、あわせて次の事項も確かめ、合意しておくことが望ましいとされています。
- 副業先との労働契約の締結日と期間
- 副業先での所定労働日、所定労働時間、始業と終業の時刻
- 副業先での所定外労働の有無、見込みの時間数、最大の時間数
- 副業先での実際の労働時間を報告する手続き
業務委託やネットでの販売の副業は、労働時間を通算する対象にはなりませんが、ガイドラインは、会社が労働者の健康に配慮するため、副業の状況を報告してもらうことを勧めています。業務委託の場合は、取引先の業種、仕事の内容、1週間あたりの作業時間の見込み、作業する時間帯(平日の夜、休日など)を書いておくと、本業に支障がないこと、競業に当たらないことを会社が判断しやすくなります。
届け出たあとは、副業の内容や取引先が大きく変わったときに、改めて会社に伝えます。届け出の写しは自分でも保存しておきます。
副業を始める前の確認の手順
副業を始める前に、次の順で確かめておくと、後から慌てずに済みます。
- 就業規則で、副業が認められているか、届け出や許可が必要かを確かめる
- 副業の形(業務委託、販売、アルバイトなど)を決める
- 副業の形に応じて、住民税と社会保険の扱いを確かめる
- 届け出が必要なら、副業の内容と作業時間をまとめて会社に届け出る
- 副業を始めたら、収入と経費を最初の1件から記録する
- 翌年の2月から3月に、確定申告または住民税の申告を行い、住民税の徴収方法を選ぶ
- 5月から6月ごろ、住民税が想定どおりの方法で徴収されているかを確かめる
副業1年目の予定表
副業を始めた年から翌年の夏までに、いつ何をするかを1つの表にまとめます。手帳やカレンダーに、この予定をそのまま登録しておくと、申告や確認の時期を逃しません。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 副業を始める前 | 就業規則を確かめ、必要なら会社に届け出る |
| 副業を始めた月から毎月 | 収入と経費を表に記録し、領収書を保存する。収入の一部を税金のために別の口座に残す |
| 12月 | 1年分の収入と経費を集計し、所得の見込みを出す |
| 翌年1月 | 本業の源泉徴収票を受け取る。副業先からも給与を受けた人は、その源泉徴収票も受け取る |
| 翌年2月16日から3月15日 | 確定申告または住民税の申告を行い、住民税の徴収方法で自分で納付する方法を選ぶ |
| 翌年4月ごろ | 市区町村の住民税の担当に、普通徴収として扱われているかを確かめる |
| 翌年6月ごろ | 本人あての納税通知書を受け取り、税額と納期を確かめる |
| 翌年6月・8月・10月・翌々年1月 | 普通徴収の住民税を納める(日付は市区町村の条例で決まる) |
2年目からは、毎月の記録と、2月から3月の申告、6月の通知の確認を同じように繰り返します。副業の形を変えた年、たとえば業務委託に加えてアルバイトを始めた年は、住民税と社会保険の扱いが変わるので、改めてこの記事の「副業の形ごとの違い」の表で確かめます。
副業と本業を両立させるための考え方と、運営の現場から見えること
副業を会社に知られたくないと考える理由はさまざまですが、知られないことだけに気を取られると、申告の漏れや就業規則の違反といった、取り返しのつきにくい問題を招きかねません。住民税の仕組みを正しく理解し、申告をきちんと行い、会社の決まりに沿って副業を進めることが、結果として本業と副業の両方を守ることにつながります。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた範囲では、副業を長く続けている会社員ほど、会社の決まりを確かめたうえで、届け出て堂々と副業をしています。隠しながらの副業は、作業の時間も連絡の時間も制約され、取引先との信頼も築きにくくなるからです。業務委託で直接取引できる形では、間に仲介の手数料が乗らない分、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、限られた副業の時間でも続けやすくなります。
副業で取り組める仕事の種類を知りたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、本業の業務の知識を生かせる仕事の内容を確かめてみてください。
よくある質問
Q. 副業はなぜ会社に知られることがあるのですか?
最も多いきっかけは住民税の通知です。会社員の住民税は会社が給与から差し引いて納める特別徴収が原則で、市区町村は副業の所得も含めて計算した住民税の額を会社に通知します。給与のわりに住民税が高いと、会社が気づくことがあります。副業先で社会保険に加入した場合も、手続きを通じて会社に伝わります。
Q. 住民税を自分で納める普通徴収はどの副業でも選べますか?
選べません。地方税法では、給与所得以外の所得にかかる住民税について、申告のときに普通徴収を希望できるとされています。業務委託の報酬やネットでの販売の所得は対象になり得ますが、アルバイトやパートの給与は給与所得なので対象外です。自治体の扱いもあるので、市区町村の住民税の担当に確認してください。
Q. 副業の所得が20万円以下なら申告しなくても会社に知られませんか?
20万円の基準は所得税の確定申告の話で、住民税の申告には当てはまりません。副業の所得があれば、住民税の申告が必要になる場合があり、申告の期限は3月15日、提出先は1月1日に住んでいる市区町村です。申告をしないと普通徴収を選べず、後から所得が把握されて特別徴収に含まれることもあります。
Q. 会社に届け出ずに副業をしても問題ありませんか?
就業規則で届け出や許可が必要とされている場合、届け出ずに副業をすると、後から知られたときに就業規則の違反として扱われるおそれがあります。厚生労働省のモデル就業規則の解説では、副業について相談や自己申告をしたことを理由に不利益な扱いをすることはできないとされています。規則を確かめ、必要なら届け出てから始めてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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