リニューアルで検索順位を落とさない発注の伝え方|URL変更時に確認すべき事項 2026


この記事のポイント
- ✓リニューアル発注で検索順位を落とさない伝え方を解説
- ✓URL変更・リダイレクト設計・制作会社への確認事項を
- ✓費用相場と合わせて具体的に整理します
サイトリニューアルを検討しているものの、「発注したら検索順位が下がるのではないか」という不安で一歩を踏み出せない担当者は多いはずです。結論から言うと、検索順位の下落は避けられないリスクではなく、発注時の伝え方と確認事項次第でほぼコントロールできます。この記事では、リニューアル発注時に検索順位を落とさないために何を制作会社や外注先に伝えるべきか、具体的な確認事項と費用感まで整理します。
リニューアルと検索順位下落の関係性、実際どれくらい起きているのか
サイトリニューアルによる検索順位の下落は、決して珍しい現象ではありません。むしろ、SEO対策を意識せずにリニューアルを行った場合、7割以上のケースで一時的な順位下落が観測されるという調査もあります。この数字だけを見ると恐ろしく感じるかもしれませんが、重要なのは「下落する理由」が明確にパターン化されているという事実です。
検索順位が下がる主な原因は、大きく分けて3つに整理できます。1つ目はURL構造の変更です。ページのURLが変わると、検索エンジンはそのページを「新しいページ」として再評価するところから始めなければなりません。2つ目はコンテンツの削減や統廃合です。既存ページを整理する過程で、実は検索流入の多かったページを削除してしまうケースが後を絶ちません。3つ目は内部リンク構造の崩壊です。旧サイトで築かれていたページ同士のつながりが、新デザインへの移行で失われることがあります。
これらは裏を返せば、「URL変更時のリダイレクト設計」「コンテンツ資産の棚卸し」「内部リンクの再設計」という3つのポイントを発注前にしっかり詰めておけば、下落リスクを大幅に減らせるということです。実際、以下のような指摘もあります。
実務上は、URL構造の変更・CMSの入れ替え・コンテンツ量の20%以上の変動・ナビゲーション体系の全面再設計、これらのいずれか1つ以上が含まれればリニューアルです。境界を曖昧にしたまま着手すると、後述のSEO準備が中途半端になり、検索順位の下落リスクが高まります。 出典: grill.co.jp
つまり、「デザインを新しくするだけ」という認識でリニューアルに着手すると、実際にはURLもCMSも変わっているのに、SEO面での準備が追いついていないという事態が起きやすいのです。発注者としては、まず自社のリニューアルが「何を変えるプロジェクトなのか」を明確に定義することが最初のステップになります。
市場全体を見ても、企業のWebサイトリニューアルの検討サイクルは3年から5年に一度が目安とされており、その都度、検索順位の維持は経営上の重要課題として扱われています。特にECサイトやBtoBの見込み客獲得を検索流入に依存している企業では、リニューアル後の順位下落がそのまま売上や問い合わせ数の減少に直結するため、発注段階での準備がより一層重要になります。
リニューアル発注前に確認すべき7つの項目
リニューアルを外注する際、発注者が制作会社やフリーランスに事前に確認しておくべき項目を整理します。これらは口頭での確認ではなく、できれば書面や見積もり時のヒアリングシートで明文化しておくことをおすすめします。
1. 現行URLの棚卸しとリダイレクト設計の有無
まず確認すべきは、既存サイトの全URLを洗い出し、リニューアル後にどのURLへ301リダイレクトするかの設計図を作成してくれるかどうかです。この工程を「見積もりに含まれていない」制作会社は少なくありません。追加費用が発生することもあるため、見積もり依頼の段階で明確に確認しましょう。
リダイレクト設計が甘いと、旧ページの検索評価がまったく新ページに引き継がれず、いわば「ゼロからのスタート」になってしまいます。特に流入の多いページ、いわゆる「稼ぎ頭」のページについては、1件ずつ丁寧にマッピングしてもらう必要があります。
2. コンテンツ量が20%以上変動しないか
リニューアルのタイミングでコンテンツを整理・統廃合するケースは多いですが、既存ページの削除や統合は検索順位に直接影響します。発注者としては「削除予定のページ一覧」と「統合予定のページ一覧」を事前に共有してもらい、検索流入があるページが誤って削除対象に入っていないかをチェックする必要があります。
3. 内部リンク構造の再設計方針
旧サイトのナビゲーションやパンくずリスト、関連記事リンクなどがどう変わるのか、事前に確認しましょう。内部リンクは検索エンジンがサイト内のページ同士の関連性を理解するための重要な要素であり、リニューアルで大きく崩れると評価が不安定になります。
4. 公開直後72時間のモニタリング体制
リニューアル公開直後は、404エラーの発生やインデックスの再取得状況を集中的に監視する必要があります。この監視業務が見積もりに含まれているか、含まれていない場合は誰が担当するのかを事前に決めておきましょう。
5. noindexタグの誤設定リスク
開発中のテスト環境でnoindexタグを設定していたものが、そのまま本番環境に反映されてしまうミスは実務でよく発生します。公開前の最終チェックリストに「noindexタグの確認」が含まれているか、必ず確認してください。
6. サーバー移行やCMS変更の有無
リニューアルと同時にサーバーを移行したりCMSを変更したりする場合、サイトの表示速度やクロール効率に影響が出ることがあります。移行スケジュールと検索エンジンへの影響についても事前にすり合わせておくべきです。
7. 構造化データやメタ情報の引き継ぎ
タイトルタグやメタディスクリプション、構造化データなど、SEOに直結する要素がリニューアル後にそのまま引き継がれるのか、それとも一新されるのかも重要な確認ポイントです。特に、検索結果でのクリック率に影響するタイトルとディスクリプションは、安易に変更すると既存の評価が崩れることがあります。
こうした技術要件の網羅性は、実際にリニューアル後の順位回復スピードにも影響することが指摘されています。
株式会社Grillの運用経験から観察している傾向として、上記12項目を全て実装したリニューアル案件と、8〜9項目にとどまった案件では、公開3か月後の検索順位の戻り率に明確な差が出ています。技術要件の網羅性が、リニューアル後の早期回復に直結します。 出典: grill.co.jp
つまり、発注時にどれだけ具体的な要件を提示できるかが、リニューアル後の順位回復までの期間を左右するということです。曖昧な発注は、曖昧な結果しか生みません。
発注時に起きやすい失敗パターンとその回避策
リニューアル発注でよくある失敗を、発注者目線で整理します。
失敗1:デザインリニューアルのみを依頼してSEO要件を伝えていない
最も多い失敗が、「見た目を新しくしたい」という要望だけを伝え、SEO面の要件をまったく伝えないまま発注してしまうケースです。制作会社はデザインとコーディングのプロであっても、必ずしもSEOの専門家とは限りません。発注者側から「検索順位を維持することが最優先事項」と明確に伝えなければ、リダイレクト設計や内部リンクの再構築が後回しにされることがあります。
私自身、以前デザイン会社にコーポレートサイトのリニューアルを依頼した際、見積もり比較で価格の安さだけを基準に選んでしまい、リダイレクト設計の項目が見積もりに含まれていないことに気づかず契約してしまった経験があります。公開後に主要な問い合わせページの流入が大きく落ち込み、後から追加費用を払ってリダイレクトを設計し直す羽目になりました。この経験から、見積もり比較では価格だけでなく「何が含まれているか」を項目単位で確認することの重要性を痛感しました。
失敗2:公開後のモニタリングを誰も担当しない
制作会社は「納品したら終わり」という契約形態が多く、公開後のインデックス状況や順位変動のモニタリングまで引き受けてくれるとは限りません。発注時に「公開後1か月間はモニタリングと軽微な修正を含める」という条件を契約書に明記しておくことをおすすめします。
失敗3:旧URLのリストが不完全
サイトが長年運用されていると、Googleアナリティクスやサーチコンソールに登録されていない古いページが存在することがあります。制作会社任せにせず、発注者側でも過去のキャンペーンページや特設ページの存在を洗い出し、漏れがないかダブルチェックすることが重要です。
失敗4:テスト環境の設定がそのまま本番に反映される
開発中はGoogleにインデックスされないよう意図的にnoindexタグやrobots.txtでのブロックを設定するのが一般的ですが、この設定を解除し忘れたまま公開してしまうミスは頻繁に起きます。公開直前のチェックリストに必ず含めるよう発注者側からも念押ししておきましょう。
失敗5:予算をデザインに全振りしてSEO保険を組み込まない
限られた予算の中で、デザインの美しさばかりに投資し、SEO面での保険的な工程(リダイレクト設計、モニタリング、404対応)を削ってしまうケースも見られます。予算配分の段階で、SEO関連工程に一定の割合を確保しておくことが結果的にコスト削減につながります。
リニューアル発注の費用相場と業務範囲の決め方
リニューアル発注時の費用は、サイト規模や依頼範囲によって大きく変動します。中小企業のコーポレートサイトのリニューアルであれば30万円から150万円程度が一般的な相場帯とされ、ECサイトや大規模なコンテンツサイトの場合は200万円から500万円以上になることもあります。
ここで発注者が注意すべきなのは、この相場の中に「SEO対策工程」が含まれているかどうかです。デザイン制作とコーディングのみの見積もりと、リダイレクト設計・公開後モニタリング・構造化データの引き継ぎまで含む見積もりとでは、同じ「リニューアル」という名目でも費用も成果物も大きく異なります。
業務範囲を決める際は、以下のような区分で整理すると発注先とのすり合わせがスムーズです。
・デザイン制作とコーディングのみ ・上記に加えてリダイレクト設計を含む ・上記に加えて公開後72時間の集中モニタリングを含む ・上記に加えて公開後1か月の順位モニタリングとレポーティングを含む
一般的に、代理店や制作会社を経由して発注する場合、仲介手数料や管理コストが上乗せされる分、フリーランスへ直接依頼するケースと比較して総額が高くなる傾向があります。特にSEO要件を細かく詰める必要があるリニューアル案件では、間に入る人数が増えるほど要件の伝達にズレが生じやすく、コミュニケーションコストも増加します。フリーランスへ直接依頼すれば中間マージンが発生しない分、同じ予算でより手厚いモニタリング工程を追加できる余地が生まれます。
料金体系を確認する際は、以下の内訳を必ず提示してもらいましょう。
・企画設計費(サイトマップ作成、URL設計を含む) ・デザイン費(トップページ、下層ページテンプレート単位) ・コーディング費(ページ数、レスポンシブ対応の有無) ・CMS導入費(WordPressなどの場合、テーマカスタマイズ費用を含む) ・SEO対策費(リダイレクト設計、構造化データ移行、公開後モニタリング) ・保守運用費(公開後の月額サポート費用)
この内訳が曖昧なまま「一式」で見積もりを提示してくる発注先は、後から追加費用が発生しやすい傾向があります。特にリダイレクト設計は、旧サイトのページ数が多いほど工数がかさむため、事前に対象ページ数を伝えて工数感を確認しておくことが重要です。
制作会社・フリーランスへの依頼の流れ
実際にリニューアルを発注する際の一般的な流れを整理します。
ステップ1:現状分析と要件定義
まず自社サイトの現状を分析します。どのページに検索流入が集中しているか、どのキーワードで上位表示されているかをサーチコンソールやアナリティクスで確認し、リニューアル後も維持すべき「資産ページ」をリストアップします。
ステップ2:見積もり依頼と比較
複数の制作会社やフリーランスに見積もりを依頼します。この段階で「検索順位を維持することが最優先事項」と明確に伝え、SEO対策工程が見積もりに含まれているかを確認しましょう。
ステップ3:契約とスケジュール確定
業務範囲、納期、公開後のサポート期間を契約書に明記します。特に公開後のモニタリング期間と、順位下落が発生した場合の対応範囲(追加費用の有無を含む)は事前に取り決めておくことが望ましいです。
ステップ4:制作・開発フェーズ
デザイン制作、コーディング、CMS構築と並行して、URLマッピング表の作成とリダイレクト設計を進めてもらいます。この段階で発注者側もマッピング表をレビューし、漏れがないか確認する時間を確保しましょう。
ステップ5:公開前の最終チェック
noindexタグの解除、robots.txtの確認、リダイレクトの動作確認、サイトマップの送信準備など、公開前チェックリストに沿って最終確認を行います。
ステップ6:公開と72時間の集中モニタリング
公開後は404エラーの発生状況、インデックス状況、順位変動を集中的に監視します。異常が見つかった場合は速やかに対応できる体制を整えておきます。
ステップ7:公開後1か月の経過観察
公開から1か月程度は定期的に順位変動をチェックし、必要に応じて微調整を行います。この期間のサポートが契約に含まれているかどうかで、公開後の安心感が大きく変わります。
独自データ考察と運営者の視点
在宅ワーク・フリーランスの受発注市場を長年観察してきた立場から言えば、リニューアル案件で発注者が最も見落としがちなのは、「発注先の選定基準」そのものです。デザインの実績やポートフォリオの美しさだけで発注先を選ぶ企業は多いですが、SEOの観点から見ると、過去のリニューアル案件で検索順位をどれだけ維持できたかという実績のほうがはるかに重要な判断材料になります。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く付き合いが続く発注者と受注者の関係には共通点があります。それは、発注者が「何をしてほしいか」を具体的な項目単位で伝え、受注者側もそれに対して不明点を曖昧にせず質問し返すという、双方向のコミュニケーションが機能していることです。リニューアル案件のように専門性が高く、後から取り返しがつきにくい発注ほど、この初期のすり合わせの丁寧さが最終的な成果を左右します。
また、額面だけでなく手取りの構造にも触れておきたいところです。代理店や制作会社を経由する多段階の発注構造では、間に入る事業者の数だけマージンが積み重なり、同じ予算でも実際に制作・SEO対応にあてられる工数は目減りしていきます。一方、フリーランスへ直接発注すれば中間マージンが発生しない分、手数料0%の直接取引の構造そのものが、発注者にとってはより手厚いモニタリング工程を追加できる余地に、受注者にとっては同じ工数でもより厚い報酬につながる余地になります。これは金額の大小だけの話ではなく、双方にとって"質"が変わる話だと運営者としては捉えています。
さらに、リニューアル案件は単発の取引で終わらせず、公開後のモニタリングや微調整まで見据えた継続的な関係を前提に発注先を選ぶことをおすすめします。単発の制作だけを請け負う発注先と、公開後の順位変動まで責任を持って伴走してくれる発注先とでは、リニューアル後の安心感がまったく異なります。実際、以下のような統合的な支援体制を打ち出している事業者も増えています。
旧サイトの流入資産を棚卸ししたうえで、検索順位を維持しながら新サイトへ評価を移行する設計を策定し、公開後72時間の集中監視、404エラー対応、インデックス回復施策まで一連の工程に伴走します。サイトリニューアルと並行してWeb広告運用・LP改善を組み合わせた統合支援が可能です。 出典: grill.co.jp
発注者としては、単純な制作費の安さだけでなく、公開後のサポート体制まで含めたトータルコストと安心感を比較検討することが、結果的に検索順位を落とさないリニューアルへの近道になります。
外注先選定にあたっては、業務範囲に応じた専門人材の相場感を事前に把握しておくことも役立ちます。例えば、リニューアルに伴うコンテンツ制作を依頼する場合は著述家,記者,編集者の年収・単価相場を、システム面の構築を依頼する場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場を参考に、適正な予算感をつかんでおくと見積もり比較の精度が上がります。
また、リニューアルに合わせてアプリケーション開発やシステム連携を伴う場合は、アプリケーション開発のお仕事で求められるスキルセットや業務範囲の目安を確認しておくと、発注時の要件定義がより具体的になります。デザインやコーディングだけでなく、AIを活用した業務効率化やSEO分析を組み合わせたいという場合には、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事といった領域の知見を持つ発注先を検討するのも一つの選択肢です。
発注にあたっては契約面の整備も欠かせません。業務範囲や納期、公開後のサポート内容を曖昧にしないためにも、業務委託契約書の作り方|発注者向けテンプレート付きを参考に契約書を整備しておくことをおすすめします。あわせて、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストを確認し、発注書に必要な項目が漏れていないかも点検しておくと、後々のトラブルを防げます。報酬水準の目安を決める際には@SOHOでのお仕事の受発注における最低時給の考え方についても参考になるはずです。
リニューアル案件は、発注者にとって一度きりの大きな意思決定になりがちですが、事前の確認事項を丁寧に潰し、業務範囲と費用の内訳を明確にした発注書を用意することで、検索順位の下落リスクは十分にコントロールできます。デザインの美しさだけでなく、URL設計・リダイレクト・公開後のモニタリング体制まで含めたトータルの発注を意識することが、リニューアル成功の分かれ目になります。
よくある質問
Q. リニューアル発注時、SEO対策費用は別途かかりますか?
制作会社によって異なりますが、リダイレクト設計や公開後モニタリングを含めると別途費用が発生することが多いです。見積もり依頼時に内訳を明確に確認しましょう。
Q. リニューアル後、検索順位はどれくらいの期間で回復しますか?
一般的には公開後1〜3か月程度で回復傾向が見られることが多いですが、リダイレクト設計の精度や内部リンク構造の再設計状況によって差が出ます。
Q. 小規模なコーポレートサイトでもリダイレクト設計は必要ですか?
ページ数が少ないサイトでも、URLが変わるページが1つでもあればリダイレクト設計は必要です。ページ数が少ない分、確認作業自体はそれほど負担になりません。
Q. フリーランスに直接依頼する場合、制作会社との違いは何ですか?
制作会社は複数人での分業体制やサポート範囲の広さが強みですが、フリーランスへの直接依頼は中間マージンが発生しない分、同じ予算でモニタリング工程などを手厚くできる余地があります。
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入力は3分ほど。掲載料も取引手数料も0円です。@SOHOに登録しているフリーランス・副業ワーカーから、早ければ当日中に最初の応募が届きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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