ホームページ作成に役立つ資格と、副業で制作を受けるまでの準備


この記事のポイント
- ✓ホームページ作成に役立つ資格を
- ✓国家検定のウェブデザイン技能検定
- ✓Webクリエイター能力認定試験
ホームページ作成の資格を取って、副業でホームページの制作を受けられるようになりたいと考える人は少なくありません。ところが調べ始めると、国家検定から民間の試験までいくつもの資格があり、どれを取れば仕事に役立つのか、そもそも資格が無いと仕事は受けられないのか、という疑問にぶつかります。ホームページの制作に必須の資格はなく、仕事を受けるときに重視されるのは、作ったサイトを見せられる実績です。そのうえで資格は、学ぶ範囲を決める道しるべになり、実績が少ないうちは知識の裏付けにもなります。この記事では、ホームページ作成に役立つ主な資格の中身を公式の情報で確かめたうえで、自分に合う資格の選び方、勉強の進め方、副業で制作を受けるまでの準備と契約の注意点までを順に整理します。
ホームページ作成に資格は必須ではない
ホームページを作る仕事には、医師や弁護士のように、資格が無いとできない決まりはありません。資格を持っていなくても、ホームページを作って納品することはできます。Web制作の仕事を紹介する記事でも、次のように書かれています。
スキルさえあれば一生働き続けられるというところに魅力を感じてWebデザイナーを目指す人もいます。Webデザイナーになるために必ず必要な資格は、特にありません。むしろ制作実績こそが重要視される業界なので、資格の取得にこだわる必要がないのです。 出典: moreworks.jp
依頼する側がいちばん知りたいのは、「この人に頼むと、どんなホームページができあがるか」です。そのため、仕事を受けるときには、資格の名前より、これまでに作ったサイトを見せることが大きな意味を持ちます。
それでも資格を取る意味はあります。1つ目は、学ぶ範囲がはっきりすることです。HTMLやCSS、デザインの考え方は範囲が広く、独学ではどこまで学べばよいかが分かりにくいものです。資格の出題範囲は、仕事で必要になる知識を整理した地図の役割を果たします。HTMLとは、ホームページの文章や画像の並びを指定する言葉のことで、CSSは、その見た目(色、文字の大きさ、配置)を指定する言葉のことです。
2つ目は、実績が少ないうちの裏付けになることです。初めて仕事を受けるとき、作品は練習で作ったものしかないことがほとんどです。そこに資格があると、基礎を体系的に学んだことを示せます。3つ目は、会社に勤めて制作の仕事に就きたい場合に、応募書類で学んだことを伝えやすくなることです。
ホームページ作成に役立つ主な資格
ホームページ作成に関わる資格は多くありますが、ここでは中身が公式に公開されている代表的なものを取り上げます。
| 資格の名前 | 実施する団体 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ウェブデザイン技能検定 | インターネットスキル認定普及協会(厚生労働大臣指定試験機関) | 国家検定。1級から3級。学科試験と実技試験 |
| Webクリエイター能力認定試験 | サーティファイ | HTMLとCSSでのデザインとコーディング。スタンダードとエキスパート |
| HTML5プロフェッショナル認定試験 | LPI-Japan | HTML5、CSS3、JavaScriptの知識。レベル1とレベル2 |
| ホームページ作成検定試験 | 日本情報処理検定協会 | HTMLとスタイルシートでページを作る実技。1級から4級 |
このほか、画像の加工やイラストの作成の力を見る試験として、サーティファイのPhotoshopクリエイター能力認定試験やIllustratorクリエイター能力認定試験もあります。ホームページのデザインまで自分で手がけたい人は、こうした試験も候補になります。
それぞれの資格には、得意な範囲と難しさの違いがあります。次の節から、1つずつ中身を見ていきます。
国家検定のウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、ホームページ作成の分野の国家検定です。技能検定とは、働く人の技能を国が決めた基準で検定する制度のことで、厚生労働省が所管しています。ウェブデザイン技能検定は、厚生労働大臣から指定を受けたインターネットスキル認定普及協会が実施しています。技能検定の制度そのものは、厚生労働省の技能検定制度のページで説明されています。
級は1級から3級まであり、学科試験と実技試験の両方に合格すると、その級の合格になります。受検資格は級によって違い、協会が公開している受検資格の資料では次のように定められています。
| 級 | 主な受検資格 |
|---|---|
| 3級 | ウェブの作成や運営に関する業務に就いている人、または就こうとしている人 |
| 2級 | 2年以上の実務経験がある人、3級に合格した人、ウェブに関する科目を含む学校を卒業した人など |
| 1級(学科) | 7年以上の実務経験がある人、2級に合格してから2年以上の実務経験がある人など |
実務経験とは、ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験のことです。3級は、これから仕事に就こうとしている人も受けられるので、未経験から学び始める人の最初の目標になります。
試験は年に数回行われ、令和8年度第3回の試験では、実技試験が60分、学科試験が45分と案内されています。試験の日程と受検料は回ごとに試験要項で公表されるので、申し込む前に協会のページで最新の試験要項を確かめます。なお、2026年10月には協会の検定サイトでサーバの障害があり、第3回の受検申請の期間が10月19日まで延長されたと告知されています。
国家検定であることは、会社に応募するときや、公共の仕事に関わるときに分かりやすい目安になります。一方で、2級以上は実務経験が受検の条件になるため、未経験の人がすぐに上の級を目指せるわけではありません。
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、サーティファイが実施する民間の試験です。公式ページでは、Webサイトの制作に必要なデザインの力と、Webページのコーディングの力を認定する試験と説明されています。コーディングとは、HTMLやCSSを書いて、デザインを実際に表示できるページにする作業のことです。
試験は、スタンダードとエキスパートの2つの段階に分かれています。公式ページの記載は次のとおりです。
| 項目 | スタンダード | エキスパート |
|---|---|---|
| 試験の形式 | リモートWebテスト | リモートWebテスト |
| 試験時間 | 60分 | 110分 |
| 合格基準 | 実技問題の得点率65%以上 | 知識問題と実技問題の合計の得点率65%以上 |
| 受験料(2026年4月から) | 6,400円 | 8,000円 |
リモートWebテストとは、自宅などの個室で、パソコンを使って受ける試験のことです。決められた時間の範囲であれば、いつでも試験を始められます。結果は、おおよそ3週間ほどで届くと案内されています。
この試験の特徴は、実際に手を動かしてページを作る実技が中心になっていることです。用意された素材を使ってページを組み立てる問題が出るので、勉強そのものが制作の練習になります。公式のテキストと問題集が出ていて、本試験と同じ40問のサンプル問題も無料で受け取れます。
副業でホームページの制作を受けたい人にとっては、仕事で使う作業に近い形で学べる点が大きな利点です。まずスタンダードで基礎を固め、エキスパートで動きのあるページの作り方まで進むと、練習の作品も作りやすくなります。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、LPI-Japanが実施する試験です。公式ページでは、HTML5、CSS3、JavaScriptなどのマークアップに関する技術力と知識を、中立的な立場で認定する試験と説明されています。マークアップとは、文章に「ここは見出し」「ここは段落」と意味を付けていく作業のことです。
試験はレベル1とレベル2に分かれていて、レベル1は幅広い人に、レベル2はエンジニアに勧められています。レベル1の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所要時間 | 90分(試験80分、秘密保持契約とアンケートが各5分) |
| 問題数 | 約60問 |
| 受験料 | 16,500円(税込) |
| 試験の方式 | テストセンターで受けるコンピュータの試験(CBT) |
| 認定の有意性の期限 | 5年間 |
| 学習期間の目安 | 3か月から半年程度 |
レベル1は、HTML5、CSS3、レスポンシブWebデザインなど、基礎的なマークアップの技術が対象です。レスポンシブWebデザインとは、パソコンでもスマートフォンでも見やすいように、画面の幅に合わせて表示を変える作り方のことです。いまのホームページの制作では、スマートフォンでの見やすさが欠かせないので、この範囲を体系的に学べるのは大きな利点です。
この試験は選択式の問題がほとんどで、実技の試験はありません。知識を幅広く正確に身につけたい人に向いています。認定には5年間の有意性の期限があり、技術の変化に合わせて学び直すことが前提になっている点も特徴です。
ホームページ作成検定試験
ホームページ作成検定試験は、日本情報処理検定協会が実施する文部科学省後援の検定です。実際にパソコンでホームページを作り、決められた条件どおりにできているかで採点する実技の試験です。
級は4級から1級まであり、公式ページの試験基準は次のとおりです。
| 級 | 出題の内容 | 試験時間 | 一般受験料(税込) |
|---|---|---|---|
| 4級 | 基礎的なHTMLでホームページを作る | 20分 | 1,800円 |
| 3級 | 用意されたスタイルシートを使ってホームページを作る | 30分 | 2,300円 |
| 2級 | スタイルシートを自分で作り、デザインを意識したページを作る | 30分 | 2,800円 |
| 1級 | 多様な設定のスタイルシートを作り、総合的なデザインを意識したページを作る | 30分 | 3,300円 |
合格基準は、100点満点から減点していく方式で80点以上です。1級では、フォームやJavaScriptの外部ファイルの利用、IDとクラスの設定まで出題されます。令和8年度は、7月、10月、12月、2月に試験日が設けられています。受験の申し込みは、学校やパソコン教室などの団体を通して行う形です。
受験料が手ごろで、4級から段階的に進められるので、HTMLに初めて触れる人が、基本を1つずつ確かめながら進めるのに向いています。過去問題も公式ページで公開されています。
自分に合う資格の選び方
どの資格を選ぶかは、今の自分の段階と、資格を何に使いたいかで決まります。目安を表にまとめます。
| 今の段階と目的 | 向いている資格 |
|---|---|
| HTMLに初めて触れる。基本から確かめたい | ホームページ作成検定試験の4級、3級 |
| 独学で基礎を学んだ。手を動かして制作の力を確かめたい | Webクリエイター能力認定試験のスタンダード |
| スマートフォン対応まで含めた知識を体系的に身につけたい | HTML5プロフェッショナル認定試験のレベル1 |
| 制作の会社に応募したい。国家検定で示したい | ウェブデザイン技能検定の3級、実務経験を積んで2級 |
| デザインまで自分で手がけたい | 上のどれかに、Photoshop、Illustratorの試験を組み合わせる |
副業で制作を受けたい人には、実技の比重が大きい試験から始めることを勧めます。試験の勉強で作ったページが、そのまま練習の作品になり、実績集の土台にできるからです。
資格をいくつも集めることを目的にしないことも大切です。1つ取ったら、その知識で実際にサイトを1つ作ってみる。作ってみて分からなかったところを、次の資格の勉強で埋める。この繰り返しの方が、資格を並べるより仕事に近づきます。
資格の勉強の進め方
ホームページ作成の資格の勉強は、本を読むより、手を動かす時間を長く取ることが大切です。初めて学ぶ人の進め方の例を示します。
- パソコンにテキストエディタとブラウザを用意する。テキストエディタとは、文字だけを書くためのソフトのことで、HTMLやCSSはこれで書きます
- 公式テキストや入門書で、HTMLの基本の書き方を学ぶ。見出し、段落、画像、リンク、表、リストを1つずつ書いて、ブラウザで表示を確かめます
- CSSで見た目を整える。文字の色や大きさ、余白、横に並べる配置を試します
- スマートフォンで見たときの表示を確かめる。画面の幅に合わせて表示を変える書き方を学びます
- 試験のサンプル問題や過去問題を、時間を計って解く
- 架空のお店や団体のホームページを、トップページ、紹介、問い合わせの3ページで1つ作る
6番目の「架空のサイトを作る」は、資格の勉強の仕上げであると同時に、実績集の最初の作品になります。パン屋、美容室、町の教室など、身近な業種を想定して作ると、実際の依頼に近い練習になります。
勉強の時間は、平日に1時間、休日に3時間ほど取れれば、3か月ほどで基礎の資格に届きます。HTML5プロフェッショナル認定試験のレベル1は、公式ページで3か月から半年程度が学習期間の目安とされています。
練習の作品はどんなものを作ればよいか
実績集に入れる練習の作品は、数より中身で選ばれます。依頼する側が見るのは、自分のお店や団体のホームページを任せたときに、どんなものができあがるかです。そのため、実際にありそうな依頼を想定して作ることが大切です。
作品を作るときは、次の3つを意識します。
1つ目は、業種を変えて作ることです。たとえば、飲食店、美容室、習い事の教室のように、見てほしい相手も載せる情報も違う業種を選ぶと、幅広い依頼に対応できることを示せます。飲食店ならメニューと営業時間と地図、美容室なら料金表と予約の案内、教室なら講座の内容と申し込みの方法、というように、業種ごとに必要な情報が変わります。
2つ目は、スマートフォンでの表示まで作り込むことです。お店のホームページは、スマートフォンで見られることが多くあります。パソコンでの見た目だけでなく、スマートフォンで見たときの画面の画像も実績集に入れておくと、依頼する側が安心します。
3つ目は、作った理由を説明できるようにすることです。「若い家族連れに来てほしいお店を想定して、明るい色と大きな写真を使った」「予約の電話が多いお店を想定して、電話番号を画面の上に固定した」といった説明があると、デザインやコーディングの力だけでなく、依頼者の目的を考える力も伝わります。
練習の作品は、架空のものであることをはっきり書いておきます。実在のお店の名前やロゴを無断で使って作品を作るのは避け、名前も写真も架空のもので作ります。写真は、商用利用が認められた素材サイトのものを使います。
副業で制作を受けるまでの準備
資格の勉強と並行して、副業で制作を受けるための準備も進めます。会社に勤めながら副業をする場合、最初に確かめるのは勤め先の決まりです。
厚生労働省のモデル就業規則では、副業・兼業について、労働者は勤務時間外に他の会社の業務に従事できるとしたうえで、会社が禁止や制限をできる場合を定めています(令和7年12月版の第70条)。実際の扱いは会社ごとの就業規則で決まるので、副業を始める前に自分の会社の就業規則を読み、届け出が必要かどうかを確かめます。公務員は法律で兼業が制限されているので、所属先の決まりを必ず確かめてください。
勤め先の決まりを確かめたら、次の準備に進みます。
- 実績集を作る。資格の勉強で作った架空のサイトを、完成した画面の画像と、工夫した点の説明つきでまとめます
- 対応できる範囲を決める。デザインから引き受けるのか、デザインは依頼者が用意してコーディングだけを受けるのか、公開のあとの更新まで受けるのかを決めます
- 料金の目安を決める。ページ数、デザインの有無、スマートフォン対応、問い合わせフォームの有無などで、料金の組み立て方を決めておきます
- やりとりの文面のひな形を作る。問い合わせへの返信、見積もり、納品の連絡の文面をあらかじめ用意します
実績集は、作品の画像を並べるだけでなく、「どんな依頼を想定し、どんな工夫をしたか」を短い文章で添えると、依頼する側に伝わりやすくなります。実績集の作り方は、書く仕事を例にしたWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】でも、実績が少ないうちの見せ方として参考になります。
ホームページ制作の仕事の流れ
依頼を受けてからホームページを公開するまでの、一般的な流れを整理します。最初の仕事の前に、全体の流れを頭に入れておくと、見積もりや日程の説明がしやすくなります。
- 聞き取り。ホームページを作る目的、見てほしい相手、必要なページ、参考にしたいサイト、公開したい時期を聞きます
- 見積もりと契約。作業の範囲、料金、納期、修正の回数を決め、文章で確かめ合います
- 構成を作る。どのページに何を載せるか、ページ同士をどうつなぐかを決めます
- デザインを作る。色、文字、配置を決めた見本を作り、依頼者に確かめてもらいます
- コーディング。デザインをHTMLとCSSでページにし、パソコンとスマートフォンで表示を確かめます
- 確認と修正。依頼者に見てもらい、決めた回数の範囲で修正します
- 公開。サーバに保存して、インターネットで見られる状態にします
- 公開後の対応。更新の手伝いや、不具合への対応を、別の契約で引き受けることもあります
小さなお店や個人のホームページでは、文章や写真がそろっていないことがよくあります。いつまでに、誰が、何を用意するかを最初に決めておかないと、納期が延びる原因になります。
見積もりの組み立て方
副業で制作を受けるとき、最初に迷うのが見積もりです。いくらと言えばよいか分からず、安く引き受けすぎてしまう人も少なくありません。見積もりは、作業を項目に分けて、それぞれにかかる時間から組み立てると、根拠を説明しやすくなります。
項目の分け方の例を挙げます。
- 聞き取りと構成づくり
- トップページのデザイン
- 下層ページのデザイン(1ページごと)
- コーディング(パソコンとスマートフォンの両方)
- 問い合わせフォームの設置
- 公開の作業
- 公開後の修正や更新(別の料金にすることが多い)
それぞれの項目に、自分が作業にかかる時間の見込みを書き、時間あたりの目標の金額を掛けると、全体の金額の目安が出ます。最初のうちは作業に時間がかかるので、見込みより長くかかることを前提に、少し余裕を持たせて考えます。
見積もりを出すときは、金額だけでなく、何が含まれていて、何が含まれていないかをはっきり書きます。たとえば「文章と写真はご依頼者様にご用意いただきます」「修正は2回までとし、3回目からは別にお見積もりします」と書いておくと、あとで話がずれにくくなります。
料金と契約で確かめること
副業で制作を受けるときは、作業を始める前に、取引の条件を文章で確かめ合うことが大切です。口約束のまま進めると、修正が何度も続いたり、支払いが遅れたりしたときに、話がかみ合わなくなります。
確かめておきたい項目は次のとおりです。
- 作業の範囲(ページ数、デザインの有無、文章や写真を誰が用意するか)
- 料金と、支払いの時期と方法
- 納期と、依頼者が素材を用意する期限
- 修正の回数と、回数を超えたときの扱い
- 公開に使うサーバとドメインの契約を、誰の名前で行うか
- 完成したホームページの権利の扱い
フリーランスと発注する事業者の取引には、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法がかかわります。この法律では、個人で働くフリーランスに業務を委託する事業者に、取引条件の明示や、成果物を受け取った日から原則60日以内の報酬の支払いなどが義務づけられています。厚生労働省のフリーランスの方へのページでは、会社に雇われている人が副業で事業として業務委託を受ける場合も、この法律のフリーランスにあたると説明されています。ただし、依頼する側が事業者ではない個人の場合など、法律の対象にならない取引もあるので、どちらの場合でも、条件を自分から文章で示す習慣をつけておくと安心です。
依頼者への説明で気をつけること
ホームページの制作を頼む人の多くは、専門用語を知りません。サーバ、ドメイン、レスポンシブといった言葉をそのまま使うと、依頼者は分かったふりをしたまま話が進み、あとで食い違いが起きます。
説明するときは、専門用語を使ったら、その場で1文で言い換えます。たとえば「ドメインとは、ホームページの住所にあたる名前のことで、毎年の更新の費用がかかります」「サーバとは、ホームページのデータを保存して、インターネットで見られるようにする場所のことです」のように説明します。
依頼者に決めてもらうことは、選択肢と、それぞれを選んだときにどうなるかを並べて示します。「問い合わせフォームを付けると、電話が苦手なお客様からも連絡が来やすくなります。付けない場合は、メールアドレスを載せる形になります」のように示すと、依頼者は自分の目的に照らして選べます。
こうした説明の丁寧さは、資格の試験では測られない力ですが、副業で制作を受けるときには、技術と同じくらい大切です。
画像や文字の素材の権利に気をつける
ホームページの制作では、写真、イラスト、アイコン、フォントなど、さまざまな素材を使います。これらには、作った人の権利があります。インターネットで見つけた画像を、許可なくホームページに使うことはできません。
素材を使うときは、次の点を確かめます。
- 素材サイトの利用規約で、商用利用が認められているか
- クレジットの表示が必要かどうか
- 加工してよいかどうか
- 依頼者のホームページに使う場合、制作者ではなく依頼者が使う形でも認められているか
依頼者から写真やロゴを預かる場合も、その素材を使ってよい権利を依頼者が持っているかを確かめておきます。素材の権利のトラブルは、公開したあとに見つかることが多く、依頼者にも迷惑がかかります。使った素材の入手先と利用規約を一覧にして、納品のときに依頼者に渡しておくと、あとで確かめるときにも役立ちます。
公開のあとの更新と保守の仕事
ホームページは、公開して終わりではありません。お知らせの更新、営業時間やメニューの変更、写真の差し替えなど、公開のあとにも手を入れる場面が続きます。こうした作業を引き受ける仕事を、保守や運用と呼びます。
副業で制作を受ける人にとって、保守の仕事は、収入を安定させる大切な柱になります。制作の仕事は1回ごとに終わりますが、保守の仕事は毎月続くことがあり、作業の時間も読みやすいからです。依頼者にとっても、ホームページを作った人がそのまま更新を引き受けてくれる方が、説明の手間が省けて安心です。
保守の仕事を引き受けるときは、次のことを決めておきます。
- 毎月の作業の範囲(更新の回数、1回あたりの作業量)
- 範囲を超えた作業の料金
- 依頼から作業までにかかる日数
- サーバやドメインの更新の期限を、誰が管理するか
サーバとドメインの契約が切れると、ホームページが見られなくなります。契約の名義が依頼者の場合でも、更新の時期を知らせる役割を引き受けておくと、依頼者に喜ばれます。保守の仕事を通じて信頼関係ができると、ページの追加や作り直しの依頼につながることも多くあります。
ホームページ制作の仕事の市場をどう見るか
ホームページの制作の仕事は、会社や店舗の数だけ需要があると言われ、副業で始める人も多い分野です。一方で、ホームページを自分で作れるサービスが広がり、簡単なページなら依頼者が自分で作るようになっています。そのため、仕事として選ばれるには、作るだけでなく、依頼者の目的に合ったページを提案できることが求められます。
求められる力は、大きく3つに分かれます。
- 見やすく、使いやすいページをデザインする力
- パソコンとスマートフォンの両方で崩れずに表示されるように作る力
- 問い合わせや予約など、依頼者の目的につながる構成を考える力
デザイン職全体の収入の相場は、デザイナーの年収・単価相場で都道府県別に確かめられます。副業で受けるときの料金を考える際にも、地域の相場を知っておくと、高すぎず安すぎない水準を決めやすくなります。
制作の仕事は、1件ごとの金額より、公開のあとの更新や、別のページの追加などで、同じ依頼者と長く付き合えるかどうかで収入が安定します。最初の仕事を丁寧に仕上げることが、次の依頼につながります。
在宅ワークの仲介を続けてきた立場から見えること
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、ホームページの制作を副業で長く続けている人には共通点があります。資格の数より、依頼者との最初のやりとりで、目的や予算を丁寧に聞き取っている点です。依頼者の多くは、ホームページの専門用語を知りません。分かる言葉で説明し、決めることを1つずつ示せる人に、依頼は集まります。
もう1つ見えるのは、依頼する側と受ける側が直接やりとりできる形の方が、仕事が続きやすいということです。間に入る手数料が少なければ、依頼する側は同じ予算でより多くのページや更新を頼め、受ける側の手取りは厚くなります。小さなお店や個人のホームページのように、予算が限られた仕事ほど、手数料0%で直接取引できる場を使えるかどうかが、双方にとっての差になります。
最初の仕事を受ける前に整えておくこと
最後に、資格の勉強を終えて最初の仕事を受ける前に、整えておきたいことを挙げます。
- 架空のサイトを2つから3つ作り、実績集にまとめる
- 対応できる範囲と、料金の組み立て方を文章にする
- 見積もり、契約の確認、納品の連絡の文面のひな形を作る
- 勤め先の就業規則で、副業の扱いを確かめる
制作の仕事は、依頼者とのやりとりのほとんどが文章です。聞き取りの内容をまとめる、見積もりの根拠を説明する、修正の範囲を確かめる、といった場面で、分かりやすい文章が信頼につながります。仕事の文章の基礎を体系的に学ぶなら、ビジネス文書検定が目安になります。
ホームページ作成の資格は、学ぶ範囲を決め、基礎を体系的に身につけるための道具です。資格で学んだことを作品に変え、作品を実績にして、最初の仕事につなげていく。この順番で進めれば、資格の勉強の時間が、そのまま副業の準備の時間になります。
よくある質問
Q. ホームページ作成の仕事をするのに資格は必要ですか?
必要ではありません。ホームページの制作には、資格が無いとできない決まりはなく、資格を持っていなくても仕事を受けられます。依頼する側が重視するのは、これまでに作ったサイトの実績です。ただし資格は、学ぶ範囲を決める道しるべになり、実績が少ないうちは基礎を体系的に学んだことの裏付けにもなります。
Q. 未経験から最初に取るならどの資格がよいですか?
HTMLに初めて触れるなら、4級から段階的に進められるホームページ作成検定試験が始めやすい資格です。独学で基礎を学んだあとなら、実技が中心のWebクリエイター能力認定試験のスタンダードが、制作の練習を兼ねられます。国家検定のウェブデザイン技能検定は、3級なら仕事に就こうとしている人も受検できます。
Q. ウェブデザイン技能検定は誰でも受けられますか?
3級は、ウェブの作成や運営に関する業務に就いている人と、就こうとしている人が受検できます。2級は、2年以上の実務経験がある人、3級に合格した人、ウェブに関する科目を含む学校を卒業した人などが対象です。1級は、さらに長い実務経験が求められます。受検資格の詳細は、インターネットスキル認定普及協会の資料で確かめてください。
Q. 会社員が副業で制作を受けるときに気をつけることは?
まず勤め先の就業規則で、副業の扱いと届け出の要否を確かめます。仕事を受けるときは、作業の範囲、料金、納期、修正の回数、支払いの時期を文章で確かめ合います。会社員が副業で事業として業務委託を受ける場合も、フリーランス・事業者間取引適正化等法の対象になると厚生労働省は説明しています。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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