特別養護老人ホームの1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う

中西 直美
中西 直美
特別養護老人ホームの1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う

この記事のポイント

  • ✓ユニット型特別養護老人ホームの一日を
  • ✓早番・日勤・遅番・夜勤の4つのシフトごとに追いました
  • ✓10人単位のユニットで職員が実際にどう動くか

特養のユニット型で一日がどう流れるのかを知りたい方は、時間割そのものより「その時間に自分が何をしているか」を知りたいのだと思います。何時に起床介助が始まるかではなく、その時間に職員が何人いて、誰が何を担当していて、どこで手が足りなくなるのか。ここが分からないと、働けるかどうかの判断がつきません。

この記事では、ユニット型特別養護老人ホームの一日を、早番、日勤、遅番、夜勤の4つのシフトに分けて追いかけます。同じ施設の中でも、入るシフトによって見える景色がまったく違うからです。あわせて、従来型の特養と比べて任される範囲がどう変わるのか、そして求人票のどこを見れば、その施設の一日が読めるのかまで書きます。

ユニット型特養は「10人の家」がいくつも並んでいる施設だと考える

まず建物の作りから説明します。ここを理解しないと、一日の動き方が頭に入りません。

特別養護老人ホーム、制度上の名称では介護老人福祉施設は、原則として要介護3以上の方が生活する施設です。やむを得ない事情がある場合に要介護1や2の方が入所する特例もありますが、基本は介護の必要度が高い方が暮らす場所です。そして病院と違い、ここは治療をする場所ではなく、生活をする場所です。多くの方が、ここで最期まで過ごします。

ユニット型は、この施設を小さな生活単位に区切った形式です。居室はすべて個室で、原則としておおむね10人以下、多くても15人を超えない人数で一つのユニットを構成します。ユニットの中央には共同生活室、いわゆるリビングがあり、そこを囲むように個室が配置されています。ミニキッチンや洗面台が付いていることも多い。要するに、10人が暮らす家が、施設の中にいくつも並んでいる構造です。

従来型、つまり多床室が中心の特養とは、ここが決定的に違います。従来型では、4人部屋が並び、大きな食堂に全員が集まって同じ時間に食事をします。ユニット型では、そのユニットの10人だけがリビングに集まります。起床の時間も、食事の時間も、入浴の順番も、ユニットごとに決められます。

この構造が、職員の動き方を根本から変えます。従来型では、職員は「業務」を単位に動きます。起床介助の担当、食事介助の担当、入浴の担当というふうに分かれ、フロア全体を職員が流れていく。ユニット型では、職員は「ユニット」に張り付きます。そのユニットの10人について、起床から就寝まで一通りを担当します。

人員配置の基準も、この構造に沿っています。介護職員と看護職員を合わせて、入所者3人に対して1人以上というのが全体の基準です。そのうえでユニット型には追加の決まりがあり、日中は各ユニットに常時1人以上の職員を配置すること、夜間と深夜は2ユニットごとに1人以上を配置することが求められています。

この「日中は1ユニットに1人」「夜間は2ユニットに1人」という数字を頭に入れておいてください。以降の一日の流れは、すべてこの配置から導かれます。

シフトは4つ。一日は夜勤者からの申し送りで始まる

ユニット型特養の勤務は、早番、日勤、遅番、夜勤の4つに分かれるのが標準です。施設によって名称や時間帯は多少違いますが、おおむね次のような区切りです。

早番は7時前後の出勤で、16時ごろまで。日勤は9時から18時前後。遅番は11時ごろから20時ごろまで。夜勤は2交代制の施設なら16時ごろから翌朝9時過ぎまでです。

一日の起点は、夜勤者からの申し送りです。夜間に何が起きたか、眠れなかった方は誰か、体調に変化があった方はいるか、排泄や水分の状況はどうだったか。この情報が引き継がれて、その日の動きが決まります。申し送りは以前のように全員が集まって長々と行うのではなく、記録システムの画面を見ながら要点だけを口頭で確認する施設が増えました。

ここで大事なのは、ユニット型では申し送りの相手が少人数だという点です。従来型のようにフロア全体で共有するのではなく、そのユニットを担当する職員どうしで引き継ぎます。情報の粒度が細かくなる代わりに、ユニットをまたいだ情報が入りにくくなります。他のユニットで起きたことを知らないまま一日が終わる、ということが普通にあります。

早番の動き:一人ずつ起きてくる時間を待つ

早番は、朝の一番忙しい時間帯を担当します。

出勤して申し送りを受けたら、まず居室を回ります。ここでユニット型の特徴が出ます。全員を一斉に起こすのではなく、その方の生活リズムに合わせて順に起きていただくのが原則です。6時前に目覚める方もいれば、8時過ぎまで眠っている方もいます。この違いを尊重するのがユニットケアの考え方です。

とはいえ、朝食の時間があります。多くの施設では8時前後に朝食を提供するので、それに間に合うように起床、整容、着替え、排泄、そして食堂への移動を支援します。全介助が必要な方の場合、起床から食堂到着まで一人あたり15分から20分かかります。この時間帯はまだ夜勤者が残っているので、2人で分担します。

朝食が始まると、食事介助と見守りに入ります。10人のうち、自力で食べられる方、一部介助が必要な方、全介助の方が混在しています。誤嚥のリスクがある方の姿勢を整え、食事の形態が指示どおりか確認し、食べる速度を見ながら介助する。この時間帯に食堂を離れることはできません。

食後は口腔ケア、服薬の確認、そして排泄の介助です。服薬は看護職員が用意したものを、氏名と時間帯を確認して渡します。ここは間違いが許されない作業なので、複数人で確認する体制を取っている施設が多い。

9時を過ぎると日勤者が入り、体制が厚くなります。ここからユニット内は、居室の清掃、シーツ交換、水分補給の提供、そしてリビングでの過ごし方の支援に移ります。テレビを見る方、体操に参加する方、自室で休む方。それぞれの居場所を作るのがこの時間帯の仕事です。

早番の終わりは16時前後で、遅番への引き継ぎをして退勤します。朝の密度が高い代わりに、夕方には帰れます。

日勤の動き:入浴と記録と会議が同じ日に重なる

日勤は、施設全体の動きと最も接点が多いシフトです。

午前は入浴が中心になります。特養では週2回以上の入浴または清拭を行うことが基準になっており、実務ではユニットごとに曜日を決めて回します。ユニット型の浴室は、個浴や特殊浴槽が設けられていることが多く、一人ずつ入っていただきます。脱衣、洗身、洗髪、入浴、着衣、整容までを一人あたり30分前後で回すと、午前中に4人から5人が限界です。

ここで問題になるのが、入浴担当が抜けている間のユニットです。日中は各ユニットに常時1人以上という基準がありますから、入浴に人を出すと、残った職員が一人でリビングを見ることになります。そのため、入浴は専任の担当を別に置く施設と、ユニット職員が交代で入る施設に分かれます。求人票に「入浴専任」という記載があれば前者です。

昼食の時間帯は、朝食と同じく全員がリビングに集まります。食事介助、水分量の記録、食事量の記録。特養では栄養状態の管理が重視されるため、何をどれだけ食べたかを毎食記録します。

午後は、記録と会議の時間です。介護記録の入力、バイタルの記録、排泄の記録。紙からタブレット入力に移行した施設が増え、その場で入力できるようになった分、まとめ書きの負担は減りました。ただし記録の量そのものは減っていません。

この時間帯にサービス担当者会議やカンファレンスが入ることがあります。入所者一人ひとりについて、施設サービス計画をどう見直すかを検討する場です。介護支援専門員、生活相談員、看護職員、管理栄養士、機能訓練指導員、そしてユニットの担当職員が集まります。ユニット型では担当制を取っている施設が多いため、自分が担当する方の会議には出ることになります。ここで日々の観察が計画に反映されます。

午後のレクリエーションや活動は、ユニット単位で行います。10人規模なので、大がかりな催しではなく、おやつ作り、体操、季節の飾りつけ、洗濯物たたみといった日常に近い活動が中心です。従来型の大集団レクとは質が違います。

遅番の動き:夕方から就寝まで、一人で見る時間帯が来る

遅番は、夕方から夜にかけての時間帯を担当します。このシフトの実態を知らずに入職する方が多いので、詳しく書きます。

11時ごろに出勤して、昼食の介助から入ります。午後は日勤と並行して動き、記録や個別の対応を担当します。

本番は16時以降です。早番が退勤し、日勤も順次上がっていくため、ユニットの職員数が減ります。夕食は18時前後に提供されるので、その準備から始まります。配膳、食事介助、見守り、下膳、口腔ケア、服薬。朝と同じ流れを、より少ない人数で回します。

夕食後から就寝までが、最も動きが多い時間帯です。順に居室へ戻っていただき、排泄の介助、着替え、就床の支援を行います。10人を一人で順番に見ていくと、一人あたりに使える時間はどうしても限られます。その日の体調や気分によっては、時間がかかる方もいます。ナースコールが鳴れば、そちらに向かいます。

この時間帯に、夜勤者が入ってきます。夜勤の出勤が16時ごろの施設なら、遅番と夜勤が重なる時間が長いので負担は分散します。夜勤の出勤が17時や21時という施設では、遅番が一人で担当する時間が長くなります。この差は求人票からは読み取れないことが多いので、面接で確認してください。

遅番の退勤は20時から21時ごろです。夜勤者に申し送りをして終わります。

夜勤の動き:16時間の拘束で、2ユニット20人を1人で見る

ユニット型特養の夜勤は、この職場で最も語られる部分です。実態を正確に書きます。

まず勤務時間です。2交代制の施設では、夕方から翌朝までの長時間勤務になります。

夜勤があるため生活リズムが崩れやすくなります。夜勤では日勤帯よりも少ない人数で業務に当たらなければなりませんし、拘束時間も長くなります。2交代制を採用する場合、夕方16時から翌朝10時前後が夜勤の時間とされています。休憩や仮眠時間が2時間程ありますが、拘束時間は18時間で実際の勤務時間は16時間におよびます。夜勤をこなしながらでもうまく生活リズムを整える必要があります。 出典: co-medical.com

拘束18時間、実働16時間、休憩と仮眠が2時間。この数字が現実です。

そして配置は、前述のとおり2ユニットごとに1人以上。1ユニットが10人なら、夜勤者1人で20人を見ることになります。しかも2つのユニットは物理的に離れた区画にあるので、片方にいる間はもう片方が無人になります。

夜勤の仕事の中身は、巡回、排泄介助、体位変換、ナースコール対応、記録、そして翌朝の準備です。2時間おきの巡回で全員の呼吸と姿勢を確認し、必要な方のおむつ交換や体位変換を行います。眠れずに起きてこられる方の対応も入ります。認知症のある方が夜間に落ち着かなくなることは珍しくなく、この対応に時間を取られると、他の業務が後ろにずれます。

そして急変です。特養は生活の場であると同時に、多くの方が最期を迎える場所でもあります。看取りの段階に入っている方がいるユニットの夜勤は、緊張の質が違います。呼吸の変化に気づいたとき、まず何をして、誰に連絡するのか。この手順が施設ごとに決まっていますが、判断するのは現場にいる一人です。

明け方には、翌朝の準備が入ります。起床の支援、朝食の配膳準備、そして日勤者への申し送り。16時間の勤務の最後に、朝の一番忙しい時間帯が来る構造になっています。

夜勤の回数は、常勤で月4回から5回が標準です。施設によっては月6回以上入ることもあります。夜勤明けの日を休日として数えるのか、別に休みが付くのかは施設によって違うので、ここは必ず確認してください。

従来型と比べたとき、任される範囲はこう変わる

同じ特別養護老人ホームでも、ユニット型と従来型では、職員が任される範囲が変わります。

従来型では、業務が分担されています。入浴担当、食事担当、排泄担当というふうに、その日の役割が決まっている施設が多い。効率がよく、新人でも担当業務を覚えれば戦力になります。その代わり、一人の入所者の一日全体を見る機会は少なくなります。

ユニット型では、担当するユニットの10人について、生活の全体を見ます。その方が何時に起きたいのか、何を食べたいのか、いつ入浴したいのか、誰と話すのが好きか。これを把握したうえで、その日の過ごし方を組み立てます。つまり、判断する場面が圧倒的に増えます。

さらに、ユニット型では調理や配膳、洗濯といった生活に関わる仕事も職員が担うことがあります。ミニキッチンで汁物を温める、おやつを一緒に作る、洗濯物をたたむ。これらは介護技術とは別の仕事ですが、ユニットケアの考え方では生活支援の一部です。「介護以外のことが多い」と感じる人もいれば、「暮らしを支えている実感がある」と感じる人もいます。

判断が増えるということは、孤立しやすいということでもあります。日中に1ユニット1人という配置では、迷ったときにすぐ相談できる相手が隣にいません。この点は、従来型から移ってきた方が最初に戸惑うところです。ユニットリーダーが機能している施設かどうかが、ここで効いてきます。

職種ごとの見え方も違います。看護職員は複数のユニットを横断して回り、健康管理と医療的な処置を担当します。生活相談員は入退所の調整と家族対応が中心で、ユニットの中に入る時間は限られます。管理栄養士は食事形態の調整のために食事場面を見に来ます。機能訓練指導員は個別の訓練でユニットを訪れます。介護支援専門員は施設サービス計画を作り、担当者会議を回します。

つまり、介護職員だけが一日中ユニットにいる職種です。この孤独さを理解したうえで働くかどうかで、続き方が変わります。

一日の順番を決めているのは「24時間シート」とユニットリーダー

ここまで時間帯ごとの動きを書いてきましたが、ユニット型では「全員が同じ時間に起きて、同じ時間に食べる」わけではありません。では、その順番を誰がどうやって決めているのか。答えは、入所者一人ひとりの暮らし方を記録した資料と、ユニットをまとめる職員です。

多くのユニット型特養で使われているのが、24時間シートと呼ばれる資料です。一人の方について、何時ごろ目が覚めるか、起きてすぐに何をしたいか、朝はパンかご飯か、トイレに行きたくなる時間帯、昼寝の習慣、好きなテレビ番組、眠る前に必ずすること。これを時間の軸に沿って書き出したものです。ご本人やご家族から聞き取り、日々の観察で書き足していきます。

このシートがあるから、早番は「この方は6時に起きてお茶を飲みたい」「この方は8時まで起こさない」と判断できます。逆に言えば、シートが更新されていない施設では、職員が自分の記憶と勘で回すことになり、担当が替わるたびにやり方がぶれます。見学のときに「24時間シートのようなものはありますか。どのくらいの頻度で見直していますか」と聞くと、ユニットケアが形だけなのか、実際に回っているのかが分かります。

もう一つの軸が、ユニットリーダーです。ユニット型の施設では、各ユニットに常勤のユニットリーダーを置くことが求められており、ユニットケアの研修を受けた職員を一定数配置する決まりもあります。リーダーは、そのユニットの勤務表を組み、24時間シートの見直しを進め、看護職員や生活相談員との調整を引き受けます。

日中に1ユニット1人の配置になる時間があると書きました。そのとき迷ったら、まず相談するのがユニットリーダーです。リーダーが夜勤や早番に入りきりで、ほとんど日勤帯にいない施設では、判断を一人で抱える時間が長くなります。面接では「ユニットリーダーは何年目の方が務めていますか」「リーダーは現場の勤務にも入っていますか」と聞いてください。リーダー自身が疲弊している施設は、ユニット全体が疲弊しています。

入職して最初の1か月、一日のどこから任されるか

未経験や従来型からの転職で入った場合、いきなり夜勤を一人で任されることは通常ありません。多くの施設では、次のような順番で段階を踏みます。

最初の1週間から2週間は、日勤帯に先輩と同じシフトで入ります。ここで覚えるのは介護技術そのものより、そのユニットの10人の顔と名前、食事の形態、服薬の時間、移乗の方法です。ユニット型では一人ひとりのやり方が違うので、「この方は右側から声をかける」「この方は入浴の前にトイレに行く」といった細かい決まりを一つずつ覚えていきます。

次に早番と遅番に入ります。朝と夕方は動きの密度が高く、先輩が隣にいる状態で一度経験しておかないと、一人になったときに順番が組めません。遅番で夕食から就寝までを一人で回せるようになるのが、一つの目安です。

夜勤は、先輩の夜勤に同行する形から始まります。同行の回数は施設によって違い、2回から3回で独り立ちする施設もあれば、5回以上重ねる施設もあります。ここは求人票にはまず書かれていないので、面接で「夜勤に一人で入るまでに、同行は何回ありますか」と聞いてください。回数そのものより、「本人が不安なら延ばせる」と答える施設かどうかを見ます。

もう一つ確認したいのが、急変時の連絡の流れを最初にいつ教わるかです。オンコールの看護職員に何を伝えるか、救急車を呼ぶ判断は誰がするか、家族への連絡はどの段階か。この手順を夜勤に入る前に紙で渡してくれる施設は、新人を孤立させない仕組みを持っています。

給与と、この働き方が続くかどうかの分かれ目

収入の話をします。

施設によって給与には幅があります。ある程度の経験を積んだ職員であれば、月給17万~20万円程度が相場となるでしょう。 出典: caregivers-guide.net

これは基本給ベースの相場です。実際の手取りは、ここに夜勤手当、処遇改善に関する加算、資格手当が加わります。夜勤手当は1回あたり5,000円から8,000円程度が一般的で、月4回入れば2万円から3万円台が上乗せされます。介護福祉士の資格手当が付く施設も多い。

処遇改善の加算は、介護報酬の仕組みとして施設に入り、職員の賃金に充てられます。ただし、一律に配分する施設と、職位や経験年数に応じて配分する施設があります。求人票の月給に加算分が含まれているのかどうかは、必ず確認してください。ここが曖昧なまま入職して、思っていた金額と違ったという相談が実際にあります。

そして、続くかどうかの分かれ目についてです。産業カウンセラーとして交代制勤務の方の相談を受けてきた経験から言うと、夜勤のある仕事で体調を崩す方には、共通する起点があります。夜勤明けの過ごし方です。

明けの日に長く眠ってしまうと、その夜に眠れなくなり、翌日の勤務に響きます。眠らずに過ごすと、今度は疲労が抜けません。現実的な方法は、明けの日に2時間から3時間だけ仮眠を取り、夕方以降は活動して、夜に通常どおり眠ることです。そして明けの翌日を、確実に休みにすること。このリズムを作れている方は、長く続いています。

もう一つ。夜勤が身体に合わないと感じたときに、それを口に出せるかどうかです。合わないのは能力の問題ではなく、体質と生活環境の問題です。日勤専従の枠を設けている施設もありますし、パートとして日勤帯だけ働く形もあります。無理を重ねて辞めるより、働き方を組み替えるほうが先です。

求人票から、その施設の一日を読み取る方法

最後に、応募前の確認項目を整理します。

勤務時間の欄を見てください。早番、日勤、遅番、夜勤の4つの時間帯が具体的に書かれていれば、シフトの構造が読めます。特に夜勤の開始時刻が重要です。16時始まりなら遅番と重なる時間が長く、21時始まりなら遅番が一人で担当する時間が長くなります。

次に、ユニット数と定員です。「10ユニット、定員100名」と書かれていれば、夜勤者は5人という計算になります。この人数で施設全体を回すことになります。

夜勤の回数と、夜勤手当の金額も見てください。回数が書かれていない求人は、面接で聞きます。「月の夜勤回数は平均何回ですか」「夜勤明けの翌日は休みになりますか」の2問です。

入浴の体制も確認します。「入浴専任」の記載があるか、なければユニット職員が担当します。これは日中の負担に直結します。

そして、職員の定着状況です。介護の求人では常に人が募集されているので、募集が出ていること自体は珍しくありません。見るべきは、その施設が何人の増員を求めているかと、開設からの年数です。見学のときに「このユニットの職員は何人ですか」「勤続の長い方はどれくらいいますか」と聞くと、実態が見えてきます。

交代制で働く身体を守ることが、この仕事を長く続ける条件になる

20年にわたって働き方の市場を見てきた立場から、ひとつ観察をお伝えします。交代制の仕事を長く続けている方には、共通して「勤務以外の時間の設計」があります。明けの日に何をするか、休みの日に誰と会うか、身体を動かす習慣をどこに置くか。これを決めている方は、同じ勤務量でも消耗の仕方が違います。

もう一つ、収入の組み立て方も変わってきました。夜勤を減らして基本の勤務時間を短くし、その分を在宅でできる仕事で補う方が出ています。介護の経験は、記事の執筆や監修、研修の教材づくり、事業所向けの記録業務の支援といった形で外に出せます。運営者として見てきた限りでは、仲介を挟まない直接の取引なら中間マージンが乗らないため、依頼する側は同じ予算でより多く頼め、受ける側は手取りが厚くなります。時間が限られている交代制勤務の方にとって、この差は小さくありません。

介護の仕事の収入水準を先に把握しておきたいなら、介護職員の年収・単価相場にデータがまとまっています。記録や報告書の書き方は、先輩の記録を手本に型を覚えると早く身につきます。介護記録の質を上げたいという目的にも、そのまま使えます。介護記録システムの導入や運用に関わる立場になったときは、業務を道具でどう組み替えるかという視点が要ります。現場の手順を知っている職員の意見が、使いやすい運用を決める材料になります。

家族との面談や担当者会議をオンラインで行う施設も増えました。ツールごとの違いを押さえておくと、進行を任されたときに困りません。主要な会議ツールの比較はZoom・Teams・Google Meetを比較|フリーランスの打ち合わせに最適なのは?【2026年版】にまとまっています。

ユニット型特養の一日は、10人の暮らしに寄り添う設計になっています。だからこそ判断する場面が多く、責任も重い。その代わり、一人ひとりの生活が見えます。何年も同じ方を担当し、その方の最期に立ち会うこともあります。この仕事を選ぶかどうかは、時間割で決めるものではなく、この距離の近さを引き受けられるかどうかで決まります。

よくある質問

Q. ユニット型の特養は、日中に何人の職員がいますか?

日中は各ユニットに常時1人以上の介護職員または看護職員を配置することが求められています。1ユニットおおむね10人なので、日中は職員1人で10人を見る時間帯が発生します。早番と日勤と遅番が重なる時間帯だけ2人以上になる施設が多く、その重なり方は施設ごとに違います。

Q. 夜勤は何人で何人を担当しますか?

夜間と深夜は2ユニットごとに1人以上という基準です。1ユニット10人なら、夜勤者1人で20人を担当します。2交代制の場合、拘束18時間、実働16時間、休憩と仮眠が2時間という勤務が一般的です。夜勤回数は常勤で月4回から5回が標準です。

Q. 従来型の特養と、働き方はどう違いますか?

従来型は入浴担当、食事担当といった業務ごとの分担が中心で、フロア全体を職員が流れて動きます。ユニット型は担当するユニットの10人について起床から就寝まで一通りを担当し、その日の過ごし方を自分で組み立てます。判断する場面が増える代わりに、一人で対応する時間も長くなります。

Q. 求人票のどこを見ればシフトの実態が分かりますか?

夜勤の開始時刻、ユニット数と定員、月の夜勤回数、入浴専任の有無の4点です。特に夜勤が16時始まりか21時始まりかで、遅番が一人で担当する時間の長さが変わります。書かれていなければ面接で確認してください。夜勤明けの翌日が休みになるかも必ず聞いておきたい項目です。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月7日最終更新:2026年9月21日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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