児童養護施設の1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う


この記事のポイント
- ✓児童養護施設の1日の流れを
- ✓早番の朝から宿直明けの引き継ぎまで時間順に追います
- ✓夕方から就寝までが最も難しい理由
児童養護施設の1日は、朝と夕方の2つの山でできています。結論から書くと、この職場の忙しさは労働時間の長さではなく、山の急さで決まります。朝の1時間半と、夕方から就寝までの4時間。ここに仕事のほとんどが詰まっています。
求人を見て応募しようか迷っている方、保育や介護の現場から移ることを考えている方が知りたいのは、たぶん抽象的な仕事内容ではないはずです。何時に出勤して、何時に何が起きて、いつ記録を書いて、いつ帰るのか。そこが分からないと、自分の生活に組み込めるかどうかが判断できません。
この記事では、平日の1日を時間順に追います。あわせて、学校が休みの日、宿直の夜、長期休暇という別のパターンも見ていきます。施設の形態によって同じ時間帯でも動き方が変わるので、そこも分けて書きます。
勤務の形は、早番と遅番と宿直の3つに分かれる
まず前提を整理します。児童養護施設は、子どもが生活している場所です。24時間、誰かが必ずいます。保育園のように開所時間が決まっている施設とは、ここが根本的に違います。
そのため、職員のシフトは大きく3つに分かれます。
早番は、朝6時台から7時台の出勤です。子どもを起こし、朝食を出し、学校へ送り出すところまでを担います。夕方までの勤務で上がる形が基本です。
遅番は、昼過ぎから夜までです。下校してくる子どもを迎え、夕食、入浴、宿題、就寝までを見ます。終業は21時台から22時台になることが多いです。
宿直は、夕方から翌朝までの泊まり勤務です。夜間の見回りと、夜中に起きる出来事への対応を担当します。宿直明けの日は、引き継ぎを終えて午前中に退勤します。
この3つが月のうちどう組まれるかで、生活のリズムがまるで変わります。宿直が月に4回の施設と、月に8回の施設では、体への負担がまったく違います。求人票の「宿直月4回程度」という一行は、条件面でいちばん重い情報です。
ここに、日勤中心の専門職が加わります。家庭支援専門相談員、心理療法担当職員、自立支援担当職員、里親支援を担う職員など。この方たちは基本的に日中に動き、保護者や関係機関との連絡、面談、記録を担当します。つまり、同じ施設の中に、生活を回す職員と、外とつなぐ職員が同居しています。
早番の朝は、90分ですべてが終わる
では、平日の朝から追っていきます。
早番の職員は6時台に出勤し、まず前夜の記録に目を通します。夜中に体調を崩した子がいなかったか、眠れずに起きていた子がいなかったか。宿直の職員から口頭でも引き継ぎを受けます。この10分が、その日の動き方を決めます。
6時半から7時にかけて、子どもを起こします。ここが最初の山です。全員が同じように起きるわけではありません。自分で起きて着替える中学生もいれば、何度声をかけても布団から出ない小学生もいます。学校に行きたくない気持ちを抱えている子は、朝にそれが出ます。
同時に朝食の準備が進みます。施設の形態によって、厨房で一括して作る場合と、ユニットごとに職員が調理する場合があります。ユニットで作る施設では、職員が起こしながら同時に台所に立つことになります。正直なところ、ここがいちばん人手が足りない時間帯です。
7時台に朝食。食べる速さも量もばらばらです。食べない子がいれば、その理由を確認します。前日に何かあったのか、体調なのか。ここで気づけるかどうかが、その日の学校での様子に直結します。
7時半から8時にかけて、登校の準備です。持ち物の確認、体操服、給食費、提出物、上履き。小学生が複数いる施設では、この確認だけで職員1人が持っていかれます。忘れ物が続くと学校から連絡が来るので、確認は手を抜けません。
8時前後に送り出して、朝の山が終わります。ここまでおよそ90分。息つく間もない、という表現がそのまま当てはまる時間です。
送り出した後は、居室の片付け、洗濯、掃除、その日の買い物、そして記録です。午前中に事務作業を終えておかないと、夕方以降は手が空きません。
子どもが学校にいる日中は、外との連絡の時間になる
日中は、建物の中が静かになります。ただし、職員の仕事が減るわけではありません。この時間帯にしかできないことが集中します。
学校との連絡がそのひとつです。子どもが学校で問題を起こした、体調を崩した、忘れ物をした。こうした連絡は日中に入ります。場合によっては職員が学校へ迎えに行きます。三者面談や行事への出席も、保護者の代わりに職員が入ります。
児童相談所とのやりとりも日中です。措置の内容の確認、家庭復帰に向けた協議、面会や外泊の調整。書類のやりとりも多く、ここは家庭支援専門相談員が中心になります。
医療機関への通院付き添いもあります。定期的に通院している子がいれば、その付き添いは職員の仕事です。
そして記録です。児童養護施設の記録は、その日の出来事を書くだけではありません。1人ずつの自立支援計画があり、その目標に対して何が起きたかを積み上げます。この記録が、児童相談所との協議や、進路の判断の材料になります。
日中に会議が入ることも多いです。ケース会議、職員会議、施設内の研修。夜勤明けの職員が会議のために残ることもあり、ここが負担になっているという声はよく聞きます。
私は編集の仕事でこの分野を取材してきましたが、外から見て意外だったのがこの日中の忙しさでした。「子どもが学校に行っている間は休めるのでは」と思っていたのですが、実際には日中こそ外部との調整が詰まっていて、むしろ気の張る時間でした。認識を改めた記憶があります。
15時からのラッシュが、この仕事の中心
下校が始まると、施設は一気に動き出します。
小学生が最初に帰ってきます。15時前後です。そこから中学生、高校生と、時間差で戻ってきます。部活に入っている子は19時を過ぎることもあります。つまり、15時から19時まで、断続的に人が増え続けます。
帰ってきた子から順に、手洗い、おやつ、着替え。同時に、学校であったことを聞き取ります。この雑談のようなやりとりが、実は支援の中核です。表情の変化、いつもと違う言葉づかい。そこに何かが出ます。
宿題の時間を設けている施設が多いですが、素直に取りかかる子ばかりではありません。学習の遅れを抱えている子も少なくなく、そこに個別で付くと、他の子を見る人手が減ります。ここが構造的な難しさです。学習ボランティアや学習支援員を入れている施設もありますが、全部の施設にあるわけではありません。
施設を出た後の生活を考えると、この学習の積み上げが効いてきます。
児童養護施設をでたあと、家庭での生活経験がないことから区役所での手続きができなかったり、冠婚葬祭のマナーを間違えてしまうといった現状がありましたよね。 出典: tasukeai.co
勉強だけの話ではありません。手続きの仕方、お金の管理、冠婚葬祭の作法。家庭で自然に身につくことを、施設では意識して教える必要があります。だから、夕方の何気ない時間に「これはこうするんだよ」と伝えることが、そのまま自立支援になります。高校生には、アルバイトの契約や通帳の管理を一緒に確認する場面も出てきます。
この時間帯、職員は同時に3つか4つのことを進めています。宿題を見ながら、洗濯物を畳み、帰ってきた子に声をかけ、夕食の準備を進める。優先順位を瞬時に決める力が要ります。
夕食から就寝までが、いちばん難しい
18時前後に夕食です。ユニット単位で食卓を囲む施設では、職員も一緒に食べます。ここは家庭に近い時間になりますが、同時にぶつかり合いが起きやすい時間でもあります。
理由は2つあります。1つは、全員が同じ空間に揃うからです。年齢も性格も背景も違う子が同じ食卓につけば、摩擦は起きます。もう1つは、疲れです。学校で1日過ごした後の子どもは、余裕がありません。
夕食後は入浴です。順番、時間、物の管理。入浴の時間帯は職員の目が分散するため、トラブルが起きやすいポイントとして知られています。年齢の離れた子が同じ生活空間にいる以上、ここには細かい配慮が必要です。
20時を過ぎると、小学生から順に就寝の準備に入ります。ここで多いのが、なかなか寝られない子への対応です。過去の経験から、暗くなること、1人になることに不安を感じる子がいます。そばにいて落ち着くまで待つ、という時間が必要になります。
高校生は、帰りが遅かったり、勉強や携帯電話の使用で夜更かししたりします。門限や使用のルールをめぐるやりとりが、この時間帯に集中します。頭ごなしに止めても関係が悪くなるだけなので、どこまで許容してどこで線を引くかを、チームで揃えておく必要があります。
全員が寝静まって、ようやく記録の時間です。遅番の職員が、その日の出来事を書き、宿直へ引き継ぎます。終業は21時台から22時台。ここまでが夕方の山です。
宿直の夜と、翌朝の引き継ぎ
宿直の職員は、夜間に施設内で待機します。
消灯後も、すぐに静かになるとは限りません。眠れずに起きてくる子、体調を崩す子、悪夢で目を覚ます子。1晩に1回も起こされない日もあれば、何度も対応する日もあります。
無断外出が起きるのも夜間です。高校生が黙って出ていった場合、施設は警察や児童相談所への連絡を含めた対応をとります。これは宿直者1人で判断する話ではないので、どういう手順で誰に連絡するかが決まっています。この手順が明文化されていない施設は、正直なところ危ういです。
定時の見回りもあります。各居室を回って、呼吸や様子を確認します。
朝になると、早番の職員が出勤してきて引き継ぎです。夜間に何があったか、誰が眠れていなかったか、体調はどうか。この引き継ぎの精度が、その日の支援の質を決めます。口頭だけでなく記録にも残し、日勤の専門職も読める形にしておくのが基本です。
宿直明けの職員は、引き継ぎを終えて退勤します。そのまま日中の会議に出る場合もあり、ここが体力的にきつい部分です。宿直の回数と、明けの扱いは、求人票で必ず確認してください。
学校が休みの日は、朝から夜まで一続きになる
土曜、日曜、祝日、そして長期休暇。この日は、平日の2つの山がつながります。
朝は平日より遅めに起こしますが、その後の日中がまるごと空きます。ここに何を入れるかが、施設の色が出るところです。外出、行事、買い物、掃除、地域のイベント。何もしなければ、子どもたちは室内で過ごし、ぶつかり合いが増えます。
夏休みは、これが40日続きます。宿題の進行管理、昼食の用意、行事の準備。職員の負担が1年でいちばん重くなるのがこの時期です。同時に、職員自身も夏季休暇を取るので、人が薄くなります。
正月やお盆は、別の難しさがあります。家庭に帰れる子と、帰れない子がいるからです。施設に残る子にとって、この時期は気持ちが揺れます。残った子と過ごす職員の配慮が要る場面で、経験の浅い職員が単独で担当することは通常ありません。
行事も多いです。誕生日会、季節の行事、進学や卒業の節目。これらの準備は通常業務に上乗せされます。行事の多い施設は、子どもにとっては思い出が増える一方で、職員の負担も増えます。求人を見るときは、年間行事の数も聞いておくと、勤務の重さが見えてきます。
大舎制、小規模ケア、ユニットで1日が変わる
同じ児童養護施設でも、建物と生活単位の作り方で、1日の中身がかなり変わります。ここを知らずに応募すると、想像との差が生まれます。
大舎制は、大きな建物に多くの子どもが生活し、食事は食堂で一斉に取る形です。厨房の職員が調理を担うため、支援員は調理から解放されます。そのぶん、集団としての統制が必要になり、時間の管理が細かくなります。
小規模グループケアは、施設の中を小さな生活単位に分ける形です。6人前後で1つの単位を作り、その単位ごとに生活します。食事もその単位で取ることが多く、職員が調理に関わります。家庭に近い環境になる一方で、職員1人が抱える役割は増えます。
地域小規模児童養護施設は、地域の一軒家などで少人数が生活する形です。職員の数が限られるため、1人で判断する場面が多くなります。経験を積んでから配属されるのが一般的です。
国の方針としては、大規模な集団での養育から、家庭に近い小規模な形へ移す流れが続いています。社会的養護全体を見ても、施設から里親家庭へという動きがあります。
42.9%が家庭から、28.5%が乳児院から、14.9%が児童養護施設から里親家庭へ移り住むことになります。そして、里親家庭から新しい里親家庭へ変更する子は3.7%となっています。 出典: tasukeai.co
施設から里親家庭へ移る子が一定数いるということは、施設の職員が里親への引き継ぎにも関わるということです。里親支援を担当する職員を置いている施設もあり、そこでは日中の業務の中身がさらに外向きになります。
小規模化が進むほど、職員1人が担う範囲は広がります。調理も、洗濯も、学校対応も、記録も。家庭的な環境は子どもにとって望ましい一方で、働く側から見れば負荷が集中しやすい構造です。応募先がどの形態かは、必ず確認してください。
同じ時間帯に、どの職種がどこにいるか
1日の流れを人の側から見ると、もう少し輪郭がはっきりします。児童養護施設には、生活を回す職員と、日中に外とつなぐ職員がいると先に書きました。その中身を具体的に見ていきます。
生活の中心にいるのが、児童指導員と保育士です。起床から就寝までのすべての時間帯に、この職種の誰かが必ずいます。シフトを組んでいるのもこの職種です。求人でいちばん募集が多いのもここになります。
家庭支援専門相談員は、日中に動きます。保護者との連絡、面会や外泊の調整、家庭復帰に向けた児童相談所との協議が主な仕事です。子どもが学校にいる時間帯に外部との電話や訪問が集中するため、夕方のラッシュには関わらないことが多いです。ただし、保護者が夕方以降に来るケースもあり、その場合は残ります。
心理療法担当職員は、個別の面接を担当します。子どもが下校した後の時間に面接枠を取ることが多く、16時台から18時台に個室で話を聞いている、という形になります。生活の場面には入らない施設もあれば、食事や遊びの場面にも顔を出す施設もあります。
自立支援を担当する職員は、高校生や退所を控えた子に関わります。進路の相談、アルバイトの契約の確認、住まいや就職先の調整、退所後の連絡。夕方から夜にかけて高校生と話す時間を取るので、勤務時間は遅めになりがちです。
里親支援を担当する職員を置いている施設では、里親家庭への訪問や、施設から里親へ移る子の引き継ぎを担当します。外出が多い職種です。
栄養士、調理員、看護職員、事務職員も施設を支えています。大舎制の施設では厨房の体制が整っているため、支援員は調理から離れられます。小規模化された施設では、この役割が支援員に移ります。
つまり、応募する職種によって、1日のどの時間帯に自分が立つのかが変わります。生活を回す職種を希望するなら、朝と夕方の山が自分の勤務時間です。日中の専門職を希望するなら、山の間の時間が主戦場になります。ここを面接で確認しないまま入ると、想定と違う時間帯に働くことになります。
未経験の人が、最初に戸惑う時間帯
これから入る方のために、最初につまずきやすい場面を時間帯ごとに挙げておきます。取材で複数の施設から共通して聞いた話です。
朝の起床です。声をかけても起きない子に、どこまで働きかけてよいのかが分かりません。強く言えば関係が壊れ、放っておけば遅刻します。ここは施設ごとに方針があり、その子ごとにも対応が決まっています。自分で判断せず、先輩職員のやり方をそのまま真似るのが最初の1か月の正解です。
下校直後の雑談です。「学校どうだった」と聞いても返事が返ってこない、という場面に必ず当たります。関係ができていないうちは当然のことで、能力の問題ではありません。3か月ほどかけて、少しずつ話してくれるようになります。焦って距離を詰めようとすると、逆に警戒されます。
食事の場面です。好き嫌い、食べる量、食卓でのふるまい。どこまで注意してどこは流すのか、線引きが分かりません。ここも施設の方針があります。職員によって基準が違うと子どもが混乱するので、勝手に自分の基準を持ち込まないことが大切です。
夜の就寝前です。眠れない子に付き添う時間は、正解のない時間です。話を聞くのか、そばにいるだけにするのか。ここで自分の対応が正しかったのか分からず、悩む方が多いです。翌日に必ず他の職員へ共有してください。
そして、感情を向けられる場面です。強い言葉をぶつけられることがあります。これは支援が必要な状態だから起きていることで、あなた個人への評価ではありません。頭で分かっていても効くので、1人で抱えないことが唯一の対処になります。
最初の3か月を越えた方は、その後も続いている割合が高いというのが、取材で繰り返し聞いた話でした。逆に、最初の数週間で自分には無理だと判断して辞めてしまう方がいます。戸惑うのは全員が通る道だと知っておくだけで、そこで止まらずに済みます。
求人票と見学で、1日の実態を確かめる方法
ここまでの流れを踏まえて、応募前に確認すべきことを整理します。
第1に、シフトの種類と時間です。早番、遅番、宿直の開始と終了の時刻が書かれているかを見ます。書かれていない求人は、面接で必ず聞いてください。
第2に、宿直の回数です。月4回と月8回では、生活が別物になります。あわせて、宿直明けの扱い(そのまま休みになるのか、会議が入るのか)も確認します。
第3に、生活単位の形態です。大舎制か、小規模グループケアか、地域小規模か。調理を職員が担当するかどうかも、ここで決まります。
第4に、職員の人数と子どもの人数です。1つの生活単位に何人の子どもがいて、その時間帯に何人の職員がいるのか。国の配置基準は改善が重ねられてきましたが、実際の配置は施設によって差があります。最新の基準は自治体の運営基準で確認できます。
第5に、記録の仕組みです。手書きか、システムか。いつ書く時間が確保されているか。ここが整っていない施設は、記録が持ち帰りになります。
見学に行けるなら、夕方の時間帯を希望してください。16時から18時が、この職場のいちばん忙しい時間です。そこを見せてもらえる施設は、隠していることが少ないと考えてよいです。
給与の見通しも先に持っておきましょう。福祉の職場全体の水準は介護職員の年収・単価相場にまとめてあります。保育士資格を持って応募する方は保育士の年収・単価相場と比べると、この分野の位置づけが分かります。宿直手当が別途つくかどうかで実際の手取りは変わるので、基本給と手当を分けて確認してください。
記録と引き継ぎが、1日をつないでいる
最後に、時間の流れを裏側で支えている仕組みについて書いておきます。記録と引き継ぎです。ここを軽く見ると、この職場の1日は成立しません。
児童養護施設では、同じ子どもを複数の職員が交代で見ています。朝に接した職員と、夕方に接した職員と、夜に接した職員は別人です。それでも支援を一続きのものにするために、記録があります。
書く内容は、その日の出来事だけではありません。誰がどう反応したか、どんな声かけが効いたか、効かなかったか。これを具体的に残します。「落ち着かない様子だった」では次の職員が使えません。「帰宅後すぐに部屋にこもり、夕食に呼んだ二度目で出てきた。食事中は会話なし。入浴後に自分から学校の話を始めた」と書けば、翌日の職員が同じ流れを予測できます。
この粒度で書けるようになるまで、だいたい二か月ほどかかります。最初は何を書けばよいのか分からず、当たり障りのない文章になります。それで構いません。先輩の記録を読ませてもらうのがいちばんの近道です。書き方には型があり、事実を書く欄と、支援者としての見立てを書く欄を分けるのが基本の形です。
引き継ぎは、記録を補う口頭のやりとりです。書ききれない温度感を伝える場になります。宿直から早番へ、早番から遅番へ、遅番から宿直へ。一日に三回、バトンが渡ります。
ここで大切なのは、うまくいかなかったことこそ渡すという姿勢です。自分の対応が良くなかったと感じた場面を隠すと、次の職員が同じ失敗を繰り返します。逆に「今日、私の声かけで表情が固くなりました」と伝えておけば、次の職員は別の入り方を試せます。
引き継ぎが丁寧な施設は、職員が辞めにくい傾向があります。理由は単純で、一人で抱え込む時間が短いからです。見学に行ったら、引き継ぎの場面を見せてもらえないか聞いてみてください。断られなければ、その施設は開かれています。
この分野を長く見てきた立場から
フリーランスと在宅の働き方の市場を20年運営してきた立場から、時間の使い方について観察してきたことを書きます。
運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、自分の勤務時間の中で「何をしない」かを決めています。すべてに全力で対応する人は、1年目は評価されますが、3年目に消えます。逆に、この時間はこの子に集中する、この業務は次の勤務者に渡す、と割り切れる人が残っています。これは業種を問わない傾向です。
児童養護施設のように24時間を複数の職員でつなぐ職場では、この割り切りが制度として組み込まれています。引き継ぎがあるのは、1人で抱えなくてよいという設計だからです。引き継ぎを丁寧にやる人は、結果的に自分を守っています。
働き方の選択肢も広がっています。常勤以外に、宿直専従、非常勤で特定の時間帯だけ入る形、学習支援として週2回関わる形など。間に仲介業者を挟まず施設と直接やりとりできるなら、条件も自分で決められます。仲介の手数料が乗らなければ、施設は同じ予算でより多くの時間を頼めますし、働く側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接つながる形が効くのは、こういう場面です。
自分がこの働き方に合うかを整理したい方は、第三者と話す方法もあります。キャリアの相談を職業にしている人がどう関わるのかは職場・転職・キャリア相談のお仕事にまとめました。その国家資格の中身はキャリアコンサルタントで確認できます。
1日の流れが具体的に分かれば、自分の生活と重ねて判断できます。朝の90分と、夕方からの4時間。この2つの山に自分が立てるかどうかを、想像してみてください。
よくある質問
Q. 児童養護施設の勤務時間は何時から何時までですか?
シフト制で、早番は朝6時台から7時台に出勤して夕方まで、遅番は昼過ぎから21時台から22時台まで、宿直は夕方から翌朝までが基本です。施設によって時刻の設定は異なるため、求人票にシフトの開始と終了が書かれているかを確認してください。
Q. 宿直は月に何回くらいありますか?
施設によって差が大きく、月4回程度のところから月8回程度のところまであります。生活のリズムに直結するので、応募前に回数と、宿直明けがそのまま休みになるのかを必ず確認してください。宿直手当の額も基本給とは別に確認が必要です。
Q. 1日のうち、いちばん忙しいのはいつですか?
朝の起床から登校までの約90分と、下校が始まる15時ごろから就寝までの4時間です。特に夕食から入浴、就寝までの時間帯は全員が同じ空間に揃うため、ぶつかり合いが起きやすく、対応の難度が高くなります。
Q. 学校が休みの日は職員の仕事も楽になりますか?
逆に負担が増えます。平日は分かれている朝と夕方の忙しさが一続きになり、日中の過ごし方を職員が組み立てる必要があるからです。特に夏休みは40日近く続き、宿題の管理や昼食の用意、行事の準備が通常業務に上乗せされます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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