アンケートフォームのデザインで答えやすさを上げる、設問の順番と見た目の整え方


この記事のポイント
- ✓アンケートフォームのデザインを
- ✓質問文と選択肢の見せ方
- ✓スマートフォンでの答えやすさの順に整理しました
アンケートフォームのデザインと聞くと、色やヘッダー画像、ロゴの入れ方を思い浮かべる人が多いはずです。もちろん見た目は大切ですが、回答者が途中でやめるかどうかを左右するのは、色よりも設問の順番や、質問文と選択肢の並べ方です。きれいなフォームでも、最初の質問で手が止まれば、最後まで答えてもらえません。
この記事では、アンケートフォームのデザインを「答えやすさ」の観点から整理します。設問の順番の決め方、1画面に何問並べるか、質問文と選択肢の見せ方、文字の大きさと色、ラベルと入力例とエラー表示、スマートフォンで答えやすくする工夫を順に説明し、Googleフォームで色やヘッダー画像、フォントを変える手順も扱います。回答者に1画面1問ずつ表示する形のフォームの道具として、Halictにも触れます。
アンケートフォームのデザインは「答えやすさ」から決める
アンケートフォームのデザインとは、回答者が迷わず、疲れずに最後まで答えられるように、設問と画面を組み立てることです。色やフォントは、その組み立ての最後に整える仕上げにあたります。
デザインを考えるとき、回答者の頭の中では次の3つが起きています。
- 読む:質問文と選択肢を読み、何を聞かれているかを理解する
- 選ぶ・書く:自分に当てはまる答えを探し、選ぶか入力する
- 進む:次の質問へ移り、あとどれくらいで終わるかを確かめる
このどこかで引っかかると、回答者は手を止めます。質問文が長くて読むのに時間がかかる、選択肢が多すぎて探せない、画面が長くて終わりが見えない。デザインの工夫は、この3つの動作のそれぞれを軽くすることだと考えると、どこから手を付けるかが見えてきます。
デザインの良し悪しは、回答の質にも表れる
答えにくいフォームは、回答の数を減らすだけでなく、回答の質も下げます。疲れた回答者は、後半の質問をよく読まずに真ん中の選択肢を選んだり、自由記述を空欄で送ったりします。評価の段階の向きが質問ごとに違うフォームでは、満足と不満を取り違えた回答も混ざります。デザインを整えることは、集まる数字を信頼できるものにすることでもあります。
タイトルと説明文で、最初の数秒に答える
フォームを開いた回答者は、最初の数秒で「答えるかどうか」を決めます。その判断の材料になるのが、フォームのタイトルと冒頭の説明文です。ここは見た目の飾りではなく、回答者の疑問に答える場所としてデザインします。
タイトルは、誰に何を聞くかが分かる言葉に
「アンケート」「ご意見をお聞かせください」だけのタイトルでは、何のアンケートか分かりません。「10月の料理教室 受講後アンケート」のように、対象と内容が分かる言葉にします。タイトルが具体的だと、回答者は自分に向けたアンケートだと受け取り、続きを読みます。
説明文に書く4つのこと
冒頭の説明文には、次の4つを短く書きます。
- 回答を何に使うか(例:次回の講座の内容を見直すため)
- 所要時間(例:約3分、質問は8問)
- 締め切り(日付で)
- 回答の扱い(匿名かどうか、誰が見るか)
この4つが冒頭にそろっていると、回答者は安心して1問目に進めます。逆に、説明文が長すぎると、スマートフォンでは1問目にたどり着くまでに何度もスクロールすることになります。挨拶や事情の説明は1文か2文にとどめ、4つの要素を箇条書きにすると、短い面積に収まります。
説明文の見た目を整える
Googleフォームでは、タイトルと説明に太字や箇条書きなどの書式を付けられます。所要時間と締め切りだけを太字にする、4つの要素を箇条書きにする、といった整え方をすると、流し読みでも要点が伝わります。ただし、太字を多用すると強調の意味が薄れるため、1か所か2か所にとどめます。
設問の順番を決める
アンケートフォームの設計で最初に決めるのは、質問の並び順です。同じ質問でも、並べ方で答えやすさが大きく変わります。
基本の流れは「事実、評価、自由記述、属性」
多くのアンケートで使える並び順は次のとおりです。
- 事実を聞く質問(利用したサービス、参加した回、利用の頻度など)
- 評価を聞く質問(満足度、分かりやすさ、価格の印象など)
- 自由記述(よかった点、改善してほしい点)
- 属性の質問(年代、職業、地域など)
事実を聞く質問は、考えなくても答えられるため、回答の入り口に向いています。1問目に迷わず答えられると、回答者はそのまま続きに進みます。評価の質問は、事実を思い出した後に置くと、具体的な体験をもとに答えてもらえます。自由記述は考える負担が大きいため後半に置き、年代や職業などの属性の質問は、個人情報を聞かれている印象を与えないよう最後に回します。
同じテーマの質問はまとめる
価格についての質問、使いやすさについての質問、サポートについての質問が入り混じっていると、回答者は毎回頭を切り替えることになります。テーマごとにまとめ、まとまりの頭に「ここからは、サポートについてお聞きします」のような見出しを付けると、読む負担が軽くなります。
全体から細部へ
満足度を聞く場合、「全体として満足していますか」を先に聞き、その後に「価格」「品質」「対応」など項目ごとの満足度を聞くのが一般的です。細かい項目を先に聞くと、その印象に引っ張られて全体の評価が変わることがあります。全体の印象を先に記録しておくと、項目ごとの評価と比べやすくなります。
関係のない質問は表示しない
使っていない機能の評価を聞かれても、回答者は答えようがありません。Googleフォームでは「回答に応じてセクションに移動」の設定で、回答の内容によって次に表示するセクションを変えられます。Googleのヘルプでは、この設定は多肢選択式(選択肢から1つ選ぶ形式)とプルダウンの質問で使えると案内されています。「この機能を使ったことがありますか」で「いいえ」を選んだ人には、その機能の質問を飛ばして次のまとまりを表示すれば、画面に並ぶ質問がその人に関係あるものだけになります。
1画面に何問並べるか
アンケートフォームの画面の組み立て方には、大きく3つの型があります。
| 型 | 見え方 | 向いている場面 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 1ページにすべて並べる | 縦に長い1枚の画面 | 質問が数問の短いアンケート | 質問が多いと終わりが見えず、途中でやめる人が出る |
| セクションで分ける | テーマごとにページが切り替わる | 10問以上ある、テーマが複数ある | 何ページ目か、あと何ページかが分からないと不安になる |
| 1画面1問 | 質問が1つずつ表示される | スマートフォンで答えてもらう、集中して答えてほしい | 前の質問に戻って見直したい人には手間がかかる |
短いアンケートは1ページで
質問が5問程度までなら、1ページにすべて並べても負担は小さく、全体を見渡せるので安心して答えてもらえます。最初に全体の量が見えることが、かえって回答を後押しします。
長いアンケートはセクションで区切る
10問を超えるアンケートは、テーマごとにセクションで区切ります。Googleのヘルプによると、Googleフォームでは最大75個までセクションを追加できます。各セクションの見出しに「1/3 ご利用状況について」のように何番目かを示しておくと、回答者は残りの量を見積もれます。
1画面1問は、スマートフォンでの回答に向く
1画面に1問だけを表示する形は、スマートフォンの小さな画面でも質問と選択肢が1画面に収まり、スクロールせずに答えられます。目の前の質問に集中できるため、長い一覧を見て「多いな」と感じさせることもありません。一方で、前の答えを見直しながら答えたい人には手間がかかるため、前の質問に戻れるようにしておくことが前提になります。
質問文と選択肢の見せ方
画面の組み立てが決まったら、1問ずつの見せ方を整えます。
質問文は1文で、短く
質問文は、何を聞かれているかが1回読んで分かる長さにします。前提の説明が必要な場合は、質問文に詰め込まず、質問の下の説明欄に分けて書きます。Googleフォームでは、質問のその他のメニューから「説明」を選ぶと、質問文の下に補足の欄を設けられます。
- 読みにくい例:「当店では昨年からポイントカードを導入しておりますが、その際に変更した還元率についてどのようにお感じでしょうか」
- 読みやすい例:「ポイントの還元率について、どのように感じますか」(説明欄に「昨年変更した還元率についてお聞きします」)
選択肢は縦に並べ、短い言葉にする
選択肢は縦に1列で並べると、上から順に読んで選べます。横に並べると、スマートフォンでは折り返されて、どこからどこまでが1つの選択肢か分かりにくくなります。選択肢の文はできるだけ短くし、似た言葉が並ぶ場合は違いが一目で分かるように書き分けます。
選択肢の数は、探せる数に抑える
選択肢が十数個並ぶと、回答者は自分に当てはまるものを探すのに時間がかかります。選択肢が多くなる場合は、よく選ばれそうなものを上に置き、残りを「その他」でまとめる、または項目を大きな分類に分けて質問を2段階にする方法があります。都道府県のように選択肢が多くて順番が決まっているものは、プルダウンにすると画面が長くなりません。
評価の段階は、両端の意味を書く
5段階や10段階の評価では、数字だけでなく、両端が何を意味するかを書きます。「1:まったく満足していない」「5:とても満足している」のように示すと、数字の向きを取り違える回答が減ります。Googleのヘルプによると、均等目盛の質問では目盛の両端にラベルを設定でき、目盛の最大値は2から10の整数で決められます。アンケート全体で、段階の数と向きをそろえておくことも大切です。
強調は少なく
質問文の一部を太字にしたり、色を変えたりすると、回答者の目を引けます。ただし、強調が多いと、どれが大事なのか分からなくなります。強調は「過去1か月の間に」のように、読み飛ばされると答えが変わってしまう言葉に限ります。Googleのヘルプによると、Googleフォームで太字や斜体、下線などの書式を付けられるのは、タイトル、質問、説明のみで、回答の選択肢には書式を設定できません。
自由記述欄の見せ方
自由記述は、回答者の本音や、選択肢では拾えない具体的な困りごとが届く大切な欄です。その一方で、書く負担がもっとも大きく、空欄で送られやすい欄でもあります。見せ方を工夫すると、書いてもらえる割合が変わります。
何を書けばよいかを具体的に示す
「ご意見をお書きください」だけでは、何を書けばよいか分からず、空欄のまま進む人が多くなります。「講座の中で分かりにくかった場面があれば教えてください」のように、思い出してほしい場面を具体的に示すと、書き出しやすくなります。説明欄に「一言でもかまいません」と添えると、長い文章を書かなければならないという負担感が和らぎます。
欄の大きさで、期待する長さを伝える
1行の小さな入力欄には短い答えを、複数行の大きな欄には長めの答えを書くものだと、回答者は欄の見た目から受け取ります。Googleフォームでは、1行で答える「記述式」と、段落で答える「段落」を使い分けられます。感想や要望を聞く質問は「段落」にし、名前や数字を書いてもらう質問は「記述式」にします。
自由記述は任意にし、数を絞る
自由記述を必須にすると、「特になし」のような回答が増えるか、そこで回答をやめる人が出ます。自由記述は原則として任意にし、アンケート全体で1問か2問に絞ります。評価の質問の直後に「その評価の理由があれば教えてください」と置くと、数字の背景が分かり、改善の手がかりになります。
文字の大きさと色の決め方
ここからが、一般にデザインと呼ばれる部分です。色やフォントは、読みやすさを損なわない範囲で整えます。
文字と背景の色の差を十分にとる
薄い灰色の文字や、淡い色の背景に白い文字は、おしゃれに見えても読みにくくなります。ウェブのアクセシビリティの国際的な指針であるWCAG 2.2では、文字とその背景の色の差(コントラスト比)について、次の基準を示しています。
テキスト及び文字画像の視覚的提示に、少なくとも 4.5:1 のコントラスト比がある。 出典: ウェブアクセシビリティ基盤委員会「WCAG 2.2 日本語訳」達成基準 1.4.3
コントラスト比とは、2つの色の明るさの差を数字で表したものです。白い背景に黒い文字はもっとも差が大きく、薄い灰色どうしは差が小さくなります。フォームの色をブランドの色に合わせるときは、質問文の文字ではなく、ヘッダーやボタン、見出しの帯など面積の大きい部分に使い、質問文は背景との差がはっきりした色のままにするのが無難です。
色だけで意味を伝えない
「赤い項目は必須です」のように、色だけで情報を伝えると、色の見分けがつきにくい人には伝わりません。必須の項目には色に加えて「必須」という文字や記号を付け、エラーも色だけでなく文で知らせます。
文字の大きさは、スマートフォンで読める大きさに
文字を小さくすると1画面に多くの情報を並べられますが、スマートフォンでは読むために拡大する手間が生まれます。質問文は本文と同じかそれより少し大きく、説明文は本文と同じ大きさにし、細い書体を小さな文字に使わないようにします。
フォントは1種類か2種類に絞る
見出しと本文で書体を変えるのはよくある工夫ですが、3種類以上の書体が混ざると、まとまりの無い印象になります。読みやすさを優先し、標準的なゴシック体を基本にするのが安心です。
ラベル、入力例、エラーの見せ方
記述式の質問や、メールアドレスなどの入力欄がある場合は、ラベルとエラーの見せ方が答えやすさを左右します。
入力欄には、何を入れるかを示すラベルを付ける
WCAG 2.2は、利用者に入力を求める場合について次のように定めています。
コンテンツが利用者の入力を要求する場合、ラベル又は指示が提供されている。 出典: ウェブアクセシビリティ基盤委員会「WCAG 2.2 日本語訳」達成基準 3.3.2
ラベルとは、入力欄の近くに表示される「お名前」「メールアドレス」のような見出しのことです。入力欄の中に薄く表示される例文(プレースホルダー)だけで済ませると、入力を始めた瞬間に例文が消え、何を入れる欄だったかが分からなくなります。ラベルは入力欄の外に常に表示し、入力例は説明欄に書くのが確実です。
入力の形式は、先に示す
電話番号にハイフンを入れるか、日付をどの形式で書くかなど、入力の形式に決まりがある場合は、入力する前に示します。入力した後でエラーを出すより、先に形式を伝えるほうが回答者の手間は少なくなります。Googleフォームでは「回答の検証」を設定すると、数値だけを受け付ける、メールアドレスの形式かどうかを確かめる、といったルールを設けられ、ルールに合わないときに表示するエラーの文言も自分で書けます。
エラーは、どこが、なぜ違うかを文で伝える
WCAG 2.2の達成基準3.3.1は、入力の誤りが自動で見つかった場合には、誤りのある項目を特定し、その誤りを文で利用者に説明するよう求めています。エラーの文は「入力に誤りがあります」ではなく、「メールアドレスに@が含まれていません」のように、どの欄の何が違うかを書きます。Googleフォームの回答の検証で、エラーの文言を自分で書くときも、この考え方で書きます。
必須の印は、全体で同じ形にする
必須の項目に付ける印は、フォーム全体で同じ形にそろえます。必須の項目が多いフォームでは、必須でない項目に「任意」と書くほうが見やすいこともあります。どちらの表示にするかを決め、フォームの冒頭に「*は必須の項目です」のように説明しておきます。
スマートフォンで答えやすくする
アンケートの依頼をメールやLINEで送ると、回答者の多くはスマートフォンで答えます。パソコンの画面で作った後、スマートフォンで必ず確かめます。
押しやすい大きさと間隔をとる
選択肢のボタンやチェックボックスが小さく、間隔が狭いと、指で押したときに隣の選択肢を選んでしまいます。WCAG 2.2では、指やマウスで押す対象の大きさについて、少なくとも24×24 CSSピクセルという最低限の基準を示しています(例外もあります)。Googleフォームのような既製の道具では大きさを細かく変えられないことが多いため、選択肢の文を短くし、1つの質問の選択肢を必要な数に絞ることで押しやすさを保ちます。
表形式の質問を避ける
複数の項目を同じ段階で評価してもらう表形式の質問(Googleフォームの選択式のグリッド)は、パソコンでは見やすくても、スマートフォンでは横にスクロールしないと選択肢が見えないことがあります。項目が多い場合は、表形式をやめて、1項目ずつの質問に分けるほうが答えやすくなります。
文字の入力を減らす
スマートフォンでの文字入力は、パソコンより時間がかかります。日付や数量は選択肢やプルダウンで選べるようにし、自由記述は本当に必要な質問だけにします。
Googleフォームで見た目を整える手順
無料で使えるGoogleフォームでも、色やヘッダー画像、フォントを変えられます。Googleドキュメント エディタ ヘルプの「フォームのテーマやフォントを変更する」に沿って説明します。
色を変える
- Googleフォームでフォームを開きます。
- 「テーマをカスタマイズ」のアイコンをクリックします。
- 「色」で、フォームのテーマの色と背景色を選びます。カスタムの色を加えることもできます。
- 「閉じる」をクリックします。
テーマの色は、ヘッダーやボタンなどの目立つ部分に使われます。前の節で触れたように、背景色を濃くしすぎると質問文が読みにくくなるため、背景は薄い色にとどめるのが無難です。
ヘッダー画像を設定する
- 「テーマをカスタマイズ」のアイコンをクリックします。
- 「ヘッダー」で「画像を選択」のアイコンをクリックします。
- 用意されたテーマの画像から選ぶか、パソコンからアップロードするか、写真やGoogleドライブから選びます。
- 「挿入」または「保存」をクリックします。
ヘッダー画像は、ヘッダー画像の位置を変える操作で切り抜くこともできます。ロゴや会社名を画像の端に入れると、スマートフォンでは切れてしまうことがあるため、大事な文字は画像の中央寄りに配置するか、フォームのタイトルや説明の文として書きます。
フォントを変える
「テーマをカスタマイズ」の「テキスト」で、ヘッダー、質問、テキストのそれぞれについて、フォントのスタイルと大きさを変えられます。迷ったら初期の設定のままにし、文字の大きさだけを読みやすく整えるのがおすすめです。装飾の強い書体や手書き風の書体は、見出しに少し使う程度なら雰囲気が出ますが、質問文に使うと読む速さが落ちます。変えた後は、パソコンとスマートフォンの両方で表示を確かめます。
質問や選択肢に画像を加える
Googleのヘルプによると、ラジオボタン式やチェックボックス式の質問では、質問や回答の選択肢に画像を加えられます。商品のデザイン案を選んでもらう、店舗の外観写真を見せて聞く、といった場面では、文字だけより答えやすくなります。ただし、画像が多いと読み込みに時間がかかり、スマートフォンでは画面が長くなるため、必要な質問に限って使います。
送信後の画面までデザインする
アンケートのデザインは、送信ボタンを押した後の画面まで含めて考えます。
Googleフォームでは、「設定」の「プレゼンテーション」から確認メッセージを編集できます。初期のままだと「回答を記録しました」のような短い文が表示されるだけですが、ここにお礼の言葉と、回答を何に使うか、結果をいつ共有するかを書いておくと、回答者は「答えてよかった」と感じます。次回の案内を希望する人の窓口や、問い合わせ先を添えるのもよい方法です。
メールアドレスを集める設定にしている場合は、回答のコピーを回答者に送る設定もできます。回答者の手元に控えが残るため、申し込みや注文を兼ねたアンケートでは特に役立ちます。
受付を終えた後の画面も、デザインの一部です。締め切りの後にフォームを開いた人には、受付が終わったことを知らせるメッセージが表示されます。Googleフォームではこのメッセージも書き換えられるため、「回答の受付は終了しました。ご協力いただいた皆さまありがとうございました。結果は〇月にお知らせします」のように、終了の理由と次の予定を書いておくと、締め切りに間に合わなかった人にも丁寧な印象を残せます。
書き直す前と後を比べる
ここまでの工夫を、小さな料理教室の受講後アンケートの書き直しで確かめます。
書き直す前
- 1ページに18問が縦に並んでいる
- 1問目は「教室への要望を自由にお書きください」(必須)
- 背景は濃い紺色で、質問文は灰色
- 満足度の質問は、5段階と10段階が混ざり、ラベルが無い
- 年齢、住所、電話番号が冒頭にある
- 送信後の画面は初期の文のまま
書き直した後
- セクションを3つに分け、各見出しに「1/3 受講したコースについて」のように番号を表示
- 1問目は「受講したコースを選んでください」(選択式)
- 背景は白、テーマの色は教室のロゴの色をヘッダーにだけ使う
- 満足度はすべて5段階にそろえ、両端に「まったく満足していない」「とても満足している」のラベル
- 住所と電話番号は削除し、年代だけを最後に任意で聞く
- 送信後の画面に、お礼と「いただいた声は次の季節のメニューに反映します」の一文
書き直した後のフォームは、質問の数をほとんど変えずに、並べ方と見た目だけを変えています。それでも、最初に答える質問が軽くなり、終わりが見え、数字の向きを取り違える心配が無くなりました。デザインの見直しは、新しい機能を加えることではなく、回答者の手が止まる場所を1つずつ取り除くことです。
公開する前の点検の項目
アンケートフォームを公開する前に、次の項目を確かめます。
- スマートフォンで開き、横にスクロールしないと見えない部分が無いか
- 1問目が、迷わず答えられる質問になっているか
- 評価の段階の数と向きが、フォーム全体でそろっているか
- 必須の印と、その説明がフォームの冒頭にあるか
- 入力欄のラベルが、入力を始めても見える位置にあるか
- エラーの文言が、どの欄の何が違うかを説明しているか
- 背景色と文字の色の差が十分にあるか
- 送信後の画面に、お礼と回答の使い道が書かれているか
点検は、作った本人ではなく、初めてフォームを見る人に頼むと見落としが見つかります。何も説明せずに答えてもらい、どこで手が止まったかを聞くのがいちばん確かな方法です。
1画面1問の表示と、届いた回答の管理を1つの道具で
スマートフォンで答えてもらうアンケートを1画面1問の形で作りたい場合、Googleフォームではセクションを質問ごとに分けて近い形を作れますが、セクションの数だけ設定の手間がかかります。
最初から1画面1問の形で作れるフォームの道具の1つが、Halictです。公式サイトによると、Halictでは回答者に見えるのは目の前の1問だけで、進捗バーとキーボード操作で最後まで進める形が標準です。設問はテキスト、選択肢、評価、日付、メールなど12種類から選び、ドラッグ操作で並べ替えられます。デザイン設定では色とフォントを変えられ、公開したフォームは常に明るい配色で表示されるため、回答者の端末の設定に左右されないと案内されています。
届いた回答は一覧で確認でき、1件ごとに担当者と状況(未確認、要フォロー、対応済みなど)を割り当てたり、回答者へ同じ画面から返信を送ったりできます。料金は使うメンバーの人数で決まり、1人で使うフリープランは0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限です。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
集計を見るだけで終わるアンケートなら、Googleフォームの見た目を整えるだけで十分です。答えてもらった人への返信や、対応の記録まで必要になったときに、道具の見直しを検討します。
フォームのデザインを仕事にする視点
アンケートフォームのデザインは、社内の担当者が手探りで作ることが多い一方で、UIデザインの仕事として外部に依頼されることもあります。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、フォームのデザインで長く頼られる人は、色や装飾の提案よりも、「この質問は削れます」「ここで止まる人が多いはずです」と回答者の側から指摘できる人です。見た目を整える技術と、答える人の動きを想像する力の両方がそろうと、依頼主にとって手放せない相手になります。
画面の使いやすさを設計する仕事は、UI/UX・アプリデザインのお仕事で詳しく紹介しています。紙の調査票をWebのフォームに作り替える、既存のデザインデータを修正するといった仕事は、デザインデータ変換・修正のお仕事が入り口になります。報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。
調査の設計と分析そのものを専門にする道もあり、その職種の報酬の目安は研究者の年収・単価相場にまとまっています。中小企業の顧客調査や改善の提案にかかわる立場からフォームの設計を支援するなら、中小企業診断士の資格が役立ちます。
アンケートフォームのデザインで押さえることは3つです。答えやすい質問から始め、テーマごとにまとめ、関係ない質問は飛ばせるようにすること。質問文と選択肢を短くし、評価の段階と必須の印をそろえること。色は文字との差を十分にとり、スマートフォンで最後まで答えて確かめること。この順に整えれば、見た目の印象だけでなく、集まる回答の数と質が変わります。
よくある質問
Q. アンケートフォームの設問はどの順番で並べればよいですか?
事実を聞く質問、評価を聞く質問、自由記述、属性の質問の順が基本です。1問目には「利用したサービスを選んでください」のように迷わず答えられる選択式の質問を置き、年代や職業などの属性は最後に回します。同じテーマの質問はまとめて見出しを付け、満足度は全体の評価を先に、項目ごとの評価を後に聞きます。
Q. Googleフォームで色やヘッダー画像を変えるにはどうすればよいですか?
フォームを開き、「テーマをカスタマイズ」のアイコンをクリックします。「色」でテーマの色と背景色を、「ヘッダー」の「画像を選択」でヘッダー画像を、「テキスト」でヘッダーや質問のフォントと大きさを変えられます。背景は薄い色にとどめ、質問文と背景の色の差を十分にとると読みやすくなります。
Q. 1ページに全部並べるのと、ページを分けるのはどちらがよいですか?
質問が5問程度までなら1ページに並べ、全体の量を見せたほうが安心して答えてもらえます。10問を超える場合はテーマごとにセクションで区切り、「1/3」のように何番目かを示します。スマートフォンで集中して答えてほしい場合は、1画面に1問ずつ表示する形も向いています。
Q. 文字の色はどのくらい背景と差をつければよいですか?
ウェブのアクセシビリティの国際的な指針であるWCAG 2.2では、文字と背景のコントラスト比を少なくとも4.5対1とする基準が示されています。薄い灰色の文字や淡い背景に白い文字は避け、ブランドの色はヘッダーや見出しなど面積の大きい部分に使います。必須の印やエラーは、色だけでなく文字でも伝えます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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