多肉植物を副業で売るには|株の増やし方から出品と発送まで

伊藤 遥
伊藤 遥
多肉植物を副業で売るには|株の増やし方から出品と発送まで

この記事のポイント

  • ✓多肉植物を副業で売るための流れを
  • ✓葉挿し・挿し木・株分け・実生による株の増やし方
  • ✓カット苗と根付き苗の違い

多肉植物を副業で売りたいと考えている人の多くは、「育てているうちに株がどんどん殖えて、棚に収まらなくなってきた」「好きな植物を、同じように好きな人に届けたい」という気持ちから出発しています。多肉植物は、葉1枚から新しい株ができる種類も多く、自宅のベランダや窓辺でも殖やしやすいので、育てる楽しみをそのまま副業につなげやすい植物です。

ただ、いきなり何十株も出品すると、梱包や発送、問い合わせへの対応が追いつかなくなりがちです。この記事では、まず小さく試すことを前提に、株の増やし方、売る形の選び方、法律で気をつける種類、売り場と手数料、値付け、写真と説明文、梱包と発送、税金の手続きまでを、始める順番に沿って整理します。結論を先に書くと、最初は自分が育て慣れた種類を、根が出て落ち着いた状態で数株だけ出品し、発送までの手順を一度通してから、扱う数を広げていくのが失敗の少ない進め方です。

多肉植物を売る副業の全体像

最初に、何をどこで売るのかの全体像を押さえておきましょう。

多肉植物の主な種類

多肉植物は、葉や茎、根に水をたくわえる植物の総称です。販売でよく扱われるのは、次のような種類です。

・エケベリア:バラの花のように葉が重なる形で、色の種類が多い ・セダム:小さな葉が集まり、地面を覆うように育つものも多い ・グラプトペタルムやパキフィツム:ふっくらした葉が特徴 ・クラッスラ:葉の形や色づき方が多彩 ・ハオルチア:葉の先が透き通る「窓」を持つ種類がある ・アロエ、アガベ、ユーフォルビア、パキポディウムなど

種類によって、殖やしやすさ、育てやすさ、販売の時期が違います。最初は、自分が何年か育てて性質をよく知っている種類から始めると、購入者からの質問にも答えやすくなります。

売る形は4つ

・根付き苗:根が出て、土に植えた状態か、抜いて根を整えた状態の株 ・カット苗:茎を切った状態で、根がまだない株 ・葉挿し苗:葉1枚から出た小さな芽が育ったもの ・寄せ植え:複数の種類を1つの器にまとめた作品

カット苗は送料を抑えやすい一方、購入者が自分で根を出す必要があります。初心者向けに売るなら根付き苗、育て慣れた人向けにはカット苗、というように、相手を想定して形を選びます。

始めるまでの流れ

  1. 売る種類を決め、法律で制限された種類でないかを確かめる
  2. 販売用の株を殖やし、売れる状態まで育てる
  3. 売り場を決め、手数料と送料を調べる
  4. 値段を決め、写真と説明文を用意する
  5. 梱包の資材をそろえ、数株だけ出品して、発送までを一度通す
  6. 振り返って、扱う数や種類を広げる

この記事も、おおむねこの順番で進めます。

株の増やし方

多肉植物の販売を続けるには、売る株を継続して用意する仕組みが欠かせません。代表的な増やし方を整理します。

葉挿し

葉を1枚ずつ外して乾いた土の上に並べ、根と芽が出るのを待つ方法です。エケベリアやグラプトペタルム、パキフィツムなど、葉の厚い種類でよく使われます。一度にたくさんの苗を得られる反面、販売できる大きさになるまでに時間がかかります。葉を外すときは、付け根から丁寧に外すのがこつです。途中で葉がちぎれると、芽が出ないことがあります。

挿し木(カット)

伸びた茎を切って乾かし、土に挿して根を出させる方法です。セダムやクラッスラなど、茎が伸びる種類で使います。間延びした株を切り戻して形を整えるついでに、切った部分を販売用の苗にできるのが利点です。切った後は、切り口をよく乾かしてから土に挿します。乾かさないまま挿すと、切り口から傷みやすくなります。

株分け、子株を外す

親株の周りに出た子株を外して、別の鉢に植える方法です。ハオルチアやアロエ、アガベなどでよく使います。子株にも根が付いていることが多いので、根付き苗として早く販売に回せます。

実生(種から育てる)

花が咲いた後にできる種をまいて育てる方法です。一度にたくさんの苗が得られ、同じ親からでも1株ずつ姿に違いが出ます。ただし、交配した親の組み合わせによっては、親と違う姿に育つことがあります。実生の苗を売るときは、実生であることを説明文に書いておきます。

殖やした株には記録を付ける

どの方法で、いつ殖やしたかをラベルに書いておくと、販売のときの説明文に使えます。品種名、殖やした方法、殖やした日の3つを書くだけで十分です。後で説明する種苗法の確認にも、この記録が役立ちます。

種類ごとの増やし方の向き不向き

同じ多肉植物でも、種類によって向いている増やし方と、販売できる大きさになるまでの早さが違います。販売の計画を立てるときの目安として整理します。

種類 向いている増やし方 販売で気をつける点
エケベリア 葉挿し、子株を外す、実生 葉挿しは販売できる大きさまで時間がかかる。色づきは季節で変わる
セダム 挿し木、株分け 殖えやすく、セット販売や寄せ植えの材料に向く。蒸れに弱い種類がある
グラプトペタルム 葉挿し、挿し木 葉が取れやすいので梱包に注意
パキフィツム 葉挿し 葉の表面の白い粉が触ると取れるので、写真と梱包で配慮する
クラッスラ 挿し木、葉挿し 種類が多く、名前の確認が大切
ハオルチア 株分け、葉挿し 葉の透明な部分の美しさが価値になる。直射日光に弱い
アロエ、アガベ 子株を外す 一部が種の保存法の対象。学名で確かめる

殖えやすい種類と、時間のかかる種類を組み合わせる

殖えやすいセダムなどは、早く売れる状態になる一方、多くの人が出品しているので値段は上がりにくい傾向があります。時間のかかる種類は、手元に販売できる株がそろうまで時間がかかりますが、その分、出品する人も限られます。両方を組み合わせると、すぐに売れる株で販売の経験を積みながら、時間のかかる株を育てていくことができます。

名前の確認を怠らない

多肉植物は、同じ植物が別の流通名で売られていたり、似た名前の別の植物があったりします。購入したときのラベル、信頼できる図鑑、購入したお店の情報で名前を確かめてから出品しましょう。名前を間違えたまま売ると、育て慣れた購入者から指摘を受けたり、思っていた植物と違うと言われたりする原因になります。

売れる状態まで育てる

殖やした苗を、すぐに売ってよいわけではありません。購入者のところで元気に育つ状態まで育ててから出品します。

根が張ってから出す

葉挿しやカットで殖やした苗は、根が十分に張ってから販売します。根が少ないうちに送ると、配送の負担で弱り、購入者のところで根付かないことがあります。根付き苗として売るなら、鉢を軽く持ち上げても株がぐらつかない程度まで育てるのが目安です。

姿を整える

日照が足りないと、茎が伸びて形が崩れます。これを「徒長」と呼びます。徒長した株は、写真で見て選ばれにくいだけでなく、育て慣れた購入者からは育てた環境を心配されます。日当たりと風通しのよい場所で、締まった姿に育ててから出品しましょう。

色づきの時期を考える

エケベリアやセダムの中には、秋から冬にかけて葉が赤や黄色に色づく種類があります。色づいた姿は写真で目を引きますが、季節が変わると色が戻ることも説明しておく必要があります。「今の色は季節によるもの」と書いておくと、購入者の期待とのずれを防げます。

法律で気をつける種類と、増やし方の決まり

多肉植物の販売で、知らずに法律に触れてしまうことがないよう、確かめておきたい点が2つあります。

種の保存法で売買が制限されている種類

種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)は、絶滅のおそれがある種を指定し、売買などの取引を原則として禁止しています。環境省は、規制の対象を次のように説明しています。

国内希少野生動植物種と国際希少野生動植物種に指定されている種については、取引と取引につながる販売・頒布目的の陳列・広告は原則として禁止されています。 出典: 環境省 譲渡し等の規制及び手続きについて

国際希少野生動植物種は、法律の施行令の別表に学名で並んでいます。多肉植物では、アロエ属の一部(羽生錦、アロエ・ポリフィラなど)、パキポディウム属の一部、ユーフォルビア属の一部、アガベ・パルビフローラなどが含まれます。ユーフォルビア属の鉄甲丸は、令和8年3月5日に適用が始まった種類として別表に載っており、対象は増えることがあります。

国内で殖やした株でも、登録を受けなければ取引はできません。エケベリアやセダムなど、よく出回る種類の多くは対象ではありませんが、アロエやユーフォルビア、パキポディウムを扱う場合は、出品の前に学名で別表と照らし合わせてください。

種苗法で守られた登録品種

もう1つが種苗法です。種苗法は、新しく作られた品種を登録して、作った人の権利を守る法律で、登録された品種を「登録品種」と呼びます。農林水産省は、守られる範囲を「新たに開発され、種苗法で登録された品種に限られ、それ以外の一般品種の利用は何ら制限されません」と説明しています(農林水産省 種苗法の改正について)。

登録品種を、育成者権を持つ人の許可なく殖やして売ると、権利の侵害にあたるおそれがあります。葉挿しやカットで簡単に殖やせる多肉植物だからこそ、気をつけたい点です。購入したときのラベルに品種名があれば、農林水産省の品種登録のデータベースで登録の有無を調べておきます。

許可を得て登録品種を売る場合は、登録された名称を使うこと(種苗法第22条)、品種登録されている旨を表示すること(第55条)が求められます(e-Gov法令検索 種苗法)。

海外から届いた苗の扱い

海外の通販サイトから苗を取り寄せる場合は、植物防疫法による輸入の決まりが関わります。農林水産省の案内によると、一部の例外を除き、輸出国の政府が発行した検査証明書がない植物は輸入できず、土や土の付いた植物は輸入が禁止されています。仕入れた苗を販売に使うなら、正しい手続きで入ってきたものかを確かめておきます。

売り場の選び方と手数料

株の準備ができたら、売り場を選びます。主な売り場の手数料を、各サービスの公式の案内で確かめました(2026年10月時点)。

フリマアプリ

最も始めやすい売り場です。メルカリの場合、出品は無料で、売れて取引が完了したときに販売価格の10%が販売手数料として差し引かれます。売上の振込手数料は200円です。多肉植物の出品が多いため、相場を調べる場としても役立ちます。

自分のネットショップ

BASEのスタンダードプランは、月額の固定費が0円で、売れたときに決済手数料3.6%+40円とサービス手数料3%がかかります。品ぞろえや世界観を自由に作れますが、集客は自分で行う必要があります。フリマアプリで常連の購入者ができてから、ネットショップに案内する流れを作る人もいます。

ハンドメイドの販売サイト

寄せ植えなど、器と組み合わせた作品として売る場合は、ハンドメイドの販売サイトも選べます。minneの販売手数料は作品価格と購入オプション価格と送料の合計の10.659%(税込)、Creemaの成約手数料は決済総額の10.67%(税込)です。生きた植物をどこまで出品できるかは、各サイトの出品の決まりで確かめてください。

対面の売り場

多肉植物の即売会、地域のマルシェ、植木市なども、実物を見て選んでもらえる売り場です。写真では伝わりにくい葉のつやや、ぷっくりとした厚みを直接見てもらえます。

まずは1つの売り場で試す

最初から複数の売り場に出すと、在庫の管理が複雑になります。まずは1つの売り場で数株を出品し、発送まで一通り経験してから、売り場を広げるかを考えましょう。

値付けの考え方

多肉植物の値段は、種類、大きさ、色づき、株の締まり具合、根付きかカットかで大きく変わります。

値段に含める項目

  1. 親株や種、葉の代金
  2. 土、鉢、ラベル、肥料などの資材の代金
  3. 殖やして育てる期間の手間
  4. 写真の撮影と出品の作業の時間
  5. 梱包の資材の代金と送料
  6. 売り場の手数料と振込手数料
  7. 育てる途中で枯れたり、形が崩れたりして売れなかった株の分

葉挿しは、すべての葉から芽が出るわけではありません。育てる途中で失う株の分も、売れた株の値段で回収する考え方が必要です。

相場は「下限」を知るために見る

フリマアプリで同じ種類の相場を見るのは大切ですが、一番安い値段に合わせる必要はありません。相場は、「これより安くすると手間に見合わない」という下限を知るために見ます。株の状態や、説明の丁寧さ、梱包の確かさで選ばれることを目指しましょう。

セット販売を考える

小さな苗をいくつか組み合わせたセットは、送料の負担を1回にまとめられるので、購入者にとっても買いやすい形です。寄せ植えを楽しみたい人向けに、色や形の違う種類を組み合わせると、単品より選ばれやすくなることがあります。

写真と説明文で伝えること

ネットで多肉植物を売るとき、購入者が頼りにするのは写真と説明文です。

写真のポイント

・真上と斜めから撮り、葉の重なり方が分かるようにする ・定規を並べて、株の直径が分かるようにする ・根付き苗なら、根の状態が分かる写真を入れる ・自然光で撮り、色を加工しすぎない ・色づきの写真は、撮った時期を書き添える

色の加工は特に注意が必要です。実物より鮮やかに見せると、届いたときに「写真と違う」と感じられてしまいます。

説明文に書く項目

項目 書く内容の例
種類名 流通名と、分かる場合は学名
大きさ 株の直径、鉢の号数
形 根付き、カット、葉挿し苗、寄せ植えの別
状態 色づきの有無と時期、傷の有無
殖やし方 葉挿し、カット、株分け、実生
発送の形 土を落とすか、鉢ごとか、包み方
写真 写真の株そのものか、同じ種類の別の株か

説明文を分かりやすく書く力は、多肉植物の販売以外の仕事にも生きます。文書の書き方を体系的に学ぶなら、ビジネス文書検定の内容も参考になります。

梱包と発送の手順

多肉植物の販売で、評価を大きく左右するのが梱包と発送です。葉が取れやすい種類も多いので、丁寧な梱包が欠かせません。

発送前の準備

発送の数日前から水やりを控え、葉と土を乾かしておきます。水を多く含んだ状態で箱に入れると、蒸れて傷みやすくなります。

根付き苗を抜いて送る場合

土を軽く落とし、根をキッチンペーパーなどで包みます。株全体を柔らかい紙で包み、葉が動かないように軽く固定してから、緩衝材とともに箱に入れます。

鉢ごと送る場合

土がこぼれないように表面を紙で覆い、鉢を箱の中で固定します。鉢が動くと、株が揺さぶられて葉が取れる原因になります。

カット苗を送る場合

切り口が乾いた状態で、1本ずつ柔らかい紙で包みます。カット苗は軽く、根の土もないので、小さな箱や封筒で送れる場合があります。

送料を抑える方法

日本郵便には、植物の種子や苗、茎、根など、植えるために使うものを第四種郵便物(植物種子等郵便物)として送る仕組みがあります。料金は重さで決まり、50g以内で73円、100g以内で130円、上限は1kgです(日本郵便 手紙・はがきの料金表)。カット苗や小さな抜き苗を送るときに使える選択肢ですが、差し出し方の決まりや、追跡と補償の扱いは郵便局で確かめてから使ってください。

季節に合わせた発送

真夏は箱の中が高温になり、真冬は寒さで葉が傷むことがあります。暑い時期と寒い時期は、配達日数の短い地域に限る、週末をはさまないように発送する、といった工夫をします。発送できない時期を決める場合は、説明文に書いておきます。

寄せ植えの作品として売る場合

単品の苗ではなく、寄せ植えの作品として売る方法もあります。器と植物の組み合わせ、色の配置で作り手の個性が出るので、苗の販売とは違う楽しさがあります。

器と土の選び方

器の底に水が抜ける穴があるかどうかは、植物の育ち方を大きく左右します。穴のない器を使う場合は、水のやり方に注意が必要なことを説明文に書いておきます。土は水はけのよいものを使い、器の大きさに対して植物を詰め込みすぎないようにします。詰め込みすぎると、見た目は豪華でも、蒸れて傷みやすくなります。

育つと姿が変わることを伝える

寄せ植えは、作った直後が最も整った姿です。時間がたつと、植物ごとに伸び方が違うので、姿が変わっていきます。「育つにつれて形が変わるので、伸びたら切り戻して楽しんでください」と、育て方の楽しみとして伝えておくと、購入者の期待とのずれを防げます。

発送しにくいことも考えておく

寄せ植えは、器ごと送るので重く、植物が揺れて崩れやすい作品です。器が割れないように厚い緩衝材で包み、植物の上にも紙を当てて動きを抑えます。送料も苗より高くなるので、値段に含めて考えます。近くの人には手渡しやイベントでの販売にする、という分け方も1つの方法です。

購入者とのやり取りで気をつけること

ネットでの販売は、購入者と顔を合わせないまま進みます。やり取りの丁寧さが、評価と次の購入につながります。

発送の予定を早めに伝える

注文を受けたら、いつ発送するかを早めに伝えます。暑さや寒さで発送を数日ずらす場合も、理由と予定日を伝えておけば、購入者は安心して待てます。

質問には環境の違いも添えて答える

「水やりはどのくらいですか」という質問には、自分の育てている環境での頻度を伝えつつ、住んでいる地域や部屋の日当たりで変わることも添えます。断定しすぎると、環境の違いで傷んだときにトラブルになりやすいからです。

到着時の傷みへの対応を決めておく

どれだけ丁寧に梱包しても、配送中に葉が取れることはあります。取れた葉は葉挿しに使えることも多いので、その案内を添えるのも1つの方法です。株が大きく傷んだ場合の対応(到着時の写真を送ってもらう、交換か返金か)は、前もって決めて説明文に書いておきます。

小さく試して、振り返る

ここまで準備ができたら、いよいよ出品です。最初は数株だけ出品して、発送までの流れを一度通してみましょう。

最初の出品で確かめること

・写真と説明文で、購入者からの質問がどのくらい来たか ・梱包にどのくらい時間がかかったか ・送料が見込みどおりだったか ・購入者に届いたときの状態はどうだったか

この4つを振り返ると、次に直すべき点が見えてきます。キャリアの相談でも、新しいことを始める人には「まず小さく試して、結果を見てから広げる」ことを勧めていますが、多肉植物の販売もまったく同じです。最初から大きく始めた人ほど、梱包や対応に追われて続かなくなりやすいのです。

作業の時間を記録する

植え替え、撮影、出品、梱包に何分かかったかを記録しておくと、値付けの根拠になり、作業の効率も上がります。限られた時間で作業に集中する工夫は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックでも紹介しています。

家族の時間との兼ね合い

子育て中の人や、本業のある人は、作業できる時間が限られます。撮影は週末の明るい時間にまとめて行い、平日は梱包と発送だけにする、というように作業を分けると、無理なく続けられます。

初めての出品までの確認リスト

ここまでの内容を、初めて出品するまでの確認リストにまとめます。

・売る種類の名前を確かめ、アロエやユーフォルビアなどは学名で種の保存法の対象でないことを確かめた ・品種登録された品種を、許可なく殖やしたものではないことを確かめた ・根が張り、徒長していない株を選んだ ・売り場の手数料と送料を含めて値段を計算した ・真上、斜め、根、大きさが分かる写真を、自然光で撮った ・種類名、大きさ、形(根付き、カット、葉挿し苗、寄せ植え)、状態、写真の株そのものかどうかを書いた ・発送の数日前から水やりを控える予定を立てた ・梱包の資材をそろえた ・発送できない時期と、到着時に傷みがあった場合の対応を書いた

このリストを出品のたびに見返すと、確認の抜けを防げます。

ネットショップの表示と返品の決まり

自分のネットショップで多肉植物を売る場合は、特定商取引法という法律の通信販売の決まりが関わります。

特定商取引法の第11条は、通信販売で広告をするときに、販売価格(送料が別なら送料も)、代金の支払いの時期と方法、商品を引き渡す時期、申し込みの撤回や契約の解除に関する事項などを表示するよう定めています。

同じ法律の第15条の3では、通信販売で商品を買った人は、受け取った日から数えて8日を過ぎるまでの間は、申し込みの撤回や契約の解除ができます。ただし、販売する側が返品についての特約を表示していた場合はこの限りではありません。生き物の販売では、お客様の都合による返品の扱いと、到着時に傷みがあった場合の連絡の期限と方法を、はっきり書いておきましょう。

1年の作業の流れを決めておく

多肉植物は、季節によって生育の勢いが変わります。殖やす時期、育てる時期、売る時期を1年の流れで決めておくと、販売用の株が途切れにくくなります。

春:殖やす作業と販売の両方が忙しい時期

多くの多肉植物は春に生育が盛んになります。葉挿しやカット、株分けなど、殖やす作業に向いた時期です。同時に、植え替えたい購入者の需要も高まるので、冬の間に整えておいた株を出品します。作業が重なる時期なので、撮影と出品の日、殖やす作業の日を分けておくと混乱しません。

夏:出品を絞り、株を守る時期

暑さで生育が止まる種類が多く、蒸れや強い日差しで傷みやすい時期です。配送中の高温も心配なので、出品の数を絞ります。この時期は、遮光や風通しの工夫で株を守ることを優先します。

秋:色づきを見せて販売する時期

気温が下がると、生育が再び盛んになり、種類によっては葉が色づき始めます。写真映えする時期なので、販売の中心になります。春に殖やした苗が、販売できる大きさに育ってくる時期でもあります。

冬:準備と記録の時期

寒さで傷みやすいので、発送は地域や気温を見て慎重に行います。出品が少ない分、1年の売上と経費を整理し、どの種類がどの時期に売れたかを振り返る時間に使います。翌年に殖やす種類を決める材料になります。

開業と税金の手続き

多肉植物の販売を継続して行うなら、税金の手続きも必要です。

事業を始めたことを税務署に知らせる開業届は、国税庁の案内によると、事業を始めた日がある年分の確定申告期限までに提出します。会社に勤めながら副業で販売する場合は、給与以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要です。

所得は、売上から経費(親株、土、鉢、梱包の資材、送料、手数料など)を引いた額で考えます。領収書や購入の記録は保存しておきましょう。個別の扱いは事情によって変わるので、迷ったら税務署の窓口で確かめてください。勤め先の就業規則で副業が認められているかも、始める前に確かめます。

多肉植物の販売を続けるための工夫

育て方の案内を添える

多肉植物を初めて買う人は、水やりの頻度や冬の扱いが分からず不安を抱えています。種類ごとの育て方を短くまとめた紙を同封すると、購入者の安心につながり、枯らしてしまうトラブルも減ります。

寄せ植えの教室と組み合わせる

寄せ植えが得意な人は、作り方の教室やワークショップを開く方法もあります。教室で使う苗を自分で殖やしたものにすれば、販売と教室が支え合う形になります。

ショップの見せ方をそろえる

写真の背景や明るさ、鉢の色をそろえると、ショップの印象が整い、覚えてもらいやすくなります。見せ方の工夫はデザインの考え方と共通していて、デザインの仕事の相場はデザイナーの年収・単価相場で確認できます。

在宅ワーク市場から見た、植物の販売の続け方

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、自宅で育てた物を売る副業を長く続けている人は、売る物と同じくらい、写真と説明文、梱包と発送の丁寧さに時間を使っています。多肉植物のように生きた物を届ける販売では、届いた後に元気に育ったかどうかが、次の購入と口コミにつながります。そこで磨いた撮影や文章の力は、他の出品者の商品写真や説明文を手伝う仕事にもつながっていきます。

また、個人で物や技術を売るときは、間に入る手数料の差が手取りに直結します。購入者や依頼者と直接やり取りできる形なら、中間マージンが乗らない分、相手は同じ予算で多くを頼め、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%で直接取引できる場は、販売で身につけた力を仕事として受けるときにも、無理のない条件で続けやすい選択肢です。

在宅で身につけられる技術や資格を広く知りたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるも参考にしてください。発信や集客の力を仕事に広げたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、在宅で受けられる仕事の種類を確認できます。まずは育て慣れた種類を数株だけ、丁寧に出品するところから始めてみてください。

よくある質問

Q. 多肉植物を売るのに資格や許可は必要ですか?

自分で育てた一般的な多肉植物を売ること自体に、特別な資格は求められていません。ただし、アロエやユーフォルビア、パキポディウムの一部など、種の保存法で国際希少野生動植物種に指定された種類は、登録を受けなければ売買できません。品種登録された品種を許可なく殖やして売ることも、種苗法の権利の侵害にあたるおそれがあります。

Q. カット苗と根付き苗は、どちらで売るのがよいですか?

初心者の購入者を想定するなら、根が張って落ち着いた根付き苗が向いています。カット苗は送料を抑えやすい一方、購入者が自分で根を出す必要があるので、育て慣れた人向けです。どちらで売る場合も、形の違いと到着後の扱いを説明文にはっきり書いておくと、届いた後のトラブルを防げます。

Q. 多肉植物の発送で、葉が取れないようにするにはどうすればよいですか?

発送の数日前から水やりを控えて株を乾かし、柔らかい紙で株全体を包んで葉が動かないように軽く固定します。鉢ごと送る場合は土の表面を紙で覆い、鉢を箱の中で固定します。箱の中で株が揺さぶられないようにすることが、葉が取れるのを防ぐ一番の方法です。

Q. 最初は何株くらい出品すればよいですか?

最初は数株だけ出品し、写真と説明文への反応、梱包にかかる時間、送料、届いたときの状態を一通り確かめるのがおすすめです。発送までの流れを一度通すと、直すべき点が見えてきます。そのうえで、扱う数や種類を少しずつ広げると、作業に追われずに続けられます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月16日最終更新:2026年10月12日
伊藤 遥

この記事を書いた人

伊藤 遥@SOHO編集部

キャリアコンサルタント・元人事

大手メーカー人事部で採用・研修を担当した後、キャリアコンサルタントとして独立。女性のキャリアチェンジや副業開始に関する記事を、自身の経験をもとに執筆しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方