多肉植物の寄せ植えを作って販売する副業の始め方と、配送で崩さない工夫

松本 あゆみ
松本 あゆみ
多肉植物の寄せ植えを作って販売する副業の始め方と、配送で崩さない工夫

この記事のポイント

  • ✓多肉植物の寄せ植え販売を副業で始めたい人へ
  • ✓根を落ち着かせてから売る理由
  • ✓配送で崩さない梱包の方法

小さな器にいくつもの多肉植物を組み合わせた寄せ植えは、贈り物やインテリアとして人気があります。自分で作った寄せ植えを売ってみたい、と考える人も増えています。ただ、多肉植物の寄せ植え販売は、作る楽しさの裏に、生き物を遠くまで届けるという難しさがあります。せっかくの作品が、届いたときに土がこぼれて苗が抜けていた、というのはよくある失敗です。この記事では、副業として寄せ植えの販売を始める手順、苗と器の選び方、根を落ち着かせてから売る理由、配送で崩さない梱包の工夫、値付けの考え方、そして登録品種を増やして使うときの法律の注意まで、順番に説明します。

多肉植物の寄せ植えを売る副業の全体像

多肉植物の寄せ植えを売る副業は、仕入れた苗や自分で増やした苗を器に植え込み、作品として売る仕事です。売り方は大きく分けて、インターネットで売る方法と、イベントや店頭で対面で売る方法があります。

多肉植物の専門店の中には、ビニールハウスで多くの種類を育て、寄せ植えの体験教室や、ネット通販による全国への販売まで手がけているところもあります。こうした専門店と同じ土俵で競うのではなく、個人の出品者は、器の選び方や色の組み合わせ、テーマの付け方といった作り手の個性で選ばれることを目指します。

この副業の特徴は、次の3つにまとめられます。

1つ目は、作ってすぐに売れる商品ではないことです。植え込んだばかりの寄せ植えは根が張っておらず、揺れや傾きで簡単に崩れます。売れる状態になるまで、一定の期間を置いて根を落ち着かせる必要があります。

2つ目は、季節の影響を大きく受けることです。多肉植物は種類によって育つ季節が違い、真夏や真冬は株が弱りやすく、配送の途中の暑さや寒さで傷むこともあります。売りやすい時期と、出品を控える時期があります。

3つ目は、配送の手間が大きいことです。土と鉢と苗という重さも形もばらばらのものを、崩さずに届けるには、梱包の技術がいります。この記事の後半で詳しく説明します。

これらを踏まえると、多肉植物の寄せ植え販売は、作る技術、育てる技術、届ける技術の3つがそろって初めて成り立つ副業だといえます。どれか1つが欠けると、評価を落とす原因になります。

始める前に確かめる、登録品種を増やして使うときの決まり

寄せ植えを作るとき、手元の株から葉挿しや挿し木で苗を増やして使う人は多いでしょう。ここで確かめておきたいのが、種苗法という法律です。種苗法とは、植物の新しい品種を開発した人の権利を守る法律のことです。

登録品種と一般品種の違い

国に品種登録された品種を「登録品種」といい、開発した人(育成者権者)がその品種を仕事として利用する権利を持っています。一方、農林水産省は、登録されていない品種の利用は制限されないと説明しています。

種苗法において保護される品種は、新たに開発され、種苗法で登録された品種に限られ、それ以外の一般品種の利用は何ら制限されません。 出典: 農林水産省(種苗法の改正について)

一般品種とは、在来種、品種登録されたことがない品種、品種登録の期間が切れた品種のことです。

登録品種を増やして寄せ植えに使うことはできない

登録品種の株を買って、葉挿しや挿し木で増やし、その苗を寄せ植えに入れて売ることは、育成者権者の許しがなければできません。種苗法第20条は、育成者権者が登録品種を業として利用する権利を独占すると定めており、利用には種苗を生産すること、譲渡することが含まれています。寄せ植えの一部に使った場合も同じです。育成者権を侵害したときの罰則は、種苗法第67条で10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方と定められています。

一方で、登録品種の苗を正規に買って、増やさずにそのまま寄せ植えに使う場合は、事情が違います。種苗法第21条第2項は、育成者権者などが国内で譲渡した種苗については、その種苗の利用に育成者権の効力が及ばないとしています。ただし、その種苗から新たに苗を生産する行為は除かれています。つまり、買った苗をそのまま使うのはよくても、増やした苗を使うのは許しが必要、という線引きです。

名前の分からない苗の扱い

韓国から輸入された苗や、交配で生まれた新しい品種の中には、登録品種が含まれていることがあります。苗を仕入れるときは、ラベルに「登録品種」「品種登録」の文字やPVPマークがないか確かめ、品種名で農林水産省の品種登録ホームページを検索してください。名前が分からない苗を自分で増やして売るのは避けるのが安全です。

苗の仕入れ先と、作業場所の準備

寄せ植えの販売を始めるときに最初に考えるのが、苗をどこから手に入れるかと、どこで育てて作業するかです。

苗の仕入れ先

苗の手に入れ方は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、園芸店やホームセンター、多肉植物の専門店で買う方法です。実物を見て選べるので、状態のよい苗を選べます。ラベルで品種名を確かめられるのも利点です。

2つ目は、通販で買う方法です。種類が豊富で、まとめて買うと送料の負担が小さくなる店もあります。ただし、届くまで状態が分からないので、最初は少量で試し、信頼できる店を見つけてから量を増やします。

3つ目は、手元の株から葉挿しや挿し木で増やす方法です。苗代がかからない一方、使える大きさになるまで時間がかかります。前の章で説明したとおり、登録品種は増やして売ることができないので、増やす株は一般品種に限ります。

どの方法でも、仕入れた苗の品種名、仕入れ先、日付を記録しておきます。あとで登録品種かどうかを確かめるときや、買った人に苗の名前を聞かれたときに役立ちます。

作業場所と育てる場所

寄せ植えを作る作業は、土がこぼれるので、室内なら新聞紙やシートを広げられる場所、屋外ならベランダや庭の一角が向いています。作った寄せ植えを根が落ち着くまで育てる場所は、日当たりと風通しのよい、雨の当たらない場所が理想です。集合住宅のベランダで育てる場合は、避難経路をふさがない、水やりの水が下の階に落ちないといった、管理規約やまわりへの配慮も必要です。

販売を続けると、育てている寄せ植えの数が増えていきます。最初に、同時に何鉢まで育てられるかを決めておくと、作りすぎて世話が行き届かなくなることを防げます。

苗と器の選び方

寄せ植えの出来は、苗と器の組み合わせで大きく変わります。売る作品として作るときは、見た目のよさに加えて、育て方がそろっていること、配送に耐えることを基準に選びます。

育つ季節の同じ苗を組み合わせる

多肉植物には、春と秋に育つ種類、夏に育つ種類、冬に育つ種類があります。育つ季節の違う苗を同じ器に植えると、水やりの加減が合わず、どれかが弱ります。寄せ植えに使う苗は、育つ季節が同じものを選ぶのが基本です。買った人が育てやすいように、説明書にも育つ季節と水やりの目安を書いておきます。

色と形の組み合わせ

寄せ植えは、色の濃淡、葉の形、高さの違いを組み合わせて立体感を出します。主役になる大きめの苗を1つ決め、そのまわりを小さな苗やこぼれるように伸びる苗で囲むと、まとまりが生まれます。秋から冬にかけて紅葉する種類を入れると、季節の変化も楽しめる作品になります。

器は穴の有無と重さで選ぶ

器は、底に水の抜ける穴があるものが育てやすい器です。穴のない器を使う場合は、水がたまらない工夫と、水やりの注意を説明書に書く必要があります。配送を考えると、陶器の器は割れる心配があり、重さも送料に響きます。ブリキや木、軽い素材の器を選ぶと、配送の負担が減ります。

用土は配送も考えて

用土は、水はけのよい多肉植物用のものを使います。配送のときに土がこぼれにくいよう、表面に化粧砂や小石を敷く方法があります。ただし、表面を固めすぎると水が染み込みにくくなるので、買った人が水やりで困らない程度にとどめます。

植え込みから販売までの流れ

寄せ植えは、植え込んだその日に売るものではありません。植え込みから販売までの流れを決めておくと、品質が安定します。

1. 苗の準備

苗の根についた古い土を軽く落とし、傷んだ根や枯れた葉を取り除きます。購入した苗は、虫が付いていないかを確かめておきます。虫の付いた苗を寄せ植えに入れると、買った人の家の植物にまで広がるおそれがあります。

2. 植え込み

器に用土を入れ、主役の苗から順に植えていきます。苗と苗のすき間に土を詰め、ピンセットで押さえながら固定します。植え込んだ直後は水を与えず、数日たってから水やりを始めるのが一般的です。

3. 根を落ち着かせる期間

植え込んだあと、苗の根が新しい土に張り、器を軽く傾けても苗が動かなくなるまで待ちます。期間は種類や季節によって違いますが、少なくとも数週間は見ておくのが目安です。この間に、苗の色や形が整い、写真映えもよくなります。急いで売ると、配送中に苗が抜けたり傾いたりして、評価を落とす原因になります。

4. 写真撮影と出品

根が落ち着いたら、写真を撮って出品します。上からの写真、横からの写真、器の大きさが分かる写真をそろえます。生き物なので、届く株は写真と同じではなく、季節によって色や形が変わることを説明文に書いておきます。

5. 発送の前の点検

発送の直前に、枯れた葉や傷んだ葉を取り除き、苗がぐらつかないかを確かめます。土が乾きすぎていないか、逆に湿りすぎていないかも見ておきます。湿った状態で箱に閉じ込めると、蒸れて傷みやすくなります。

寄せ植えの写真の撮り方

インターネットで寄せ植えを売るとき、買う人が判断できる材料は写真と説明だけです。立体的な寄せ植えは、写真の撮り方で印象が大きく変わります。

光と背景

晴れた日の明るい日陰や、窓辺のやわらかい光の中で撮ると、葉の色とみずみずしさがきれいに写ります。直射日光の下では影が強く出て、葉の色が白っぽく飛びます。背景は、木の板や無地の布、壁など、作品の色を邪魔しないものを選び、ショップ全体でそろえると統一感が出ます。

角度を変えて複数枚

寄せ植えは、上から見たときと横から見たときで印象が違います。真上から全体の配置が分かる写真、斜め上から立体感が分かる写真、真横から器と苗の高さが分かる写真をそろえます。さらに、手のひらに載せた写真や、定規と並べた写真で大きさを伝えると、「思ったより小さかった」という行き違いを防げます。

飾った場面の写真

窓辺や棚、玄関に飾った写真を1枚加えると、買う人が自分の部屋に置いたときの姿を思い浮かべやすくなります。贈り物として探している人にも、届けたときの印象が伝わります。

一点物であることを伝える

寄せ植えは1点ずつ形が違います。写真の株そのものを送るのか、似た構成で作った別の株を送るのかを、説明文に必ず書いてください。写真の株を送る場合は、季節が変わる前に売り切るか、写真を撮り直すことも大切です。

配送で崩さない梱包の工夫

寄せ植えの販売で最も評価を左右するのが梱包です。配送の途中では、箱が横倒しになる、上に荷物が載る、揺れが続く、といったことが起こります。どの向きで運ばれても崩れない梱包を目指します。

苗と土を固定する

寄せ植えの表面に、薄い紙やネットをかぶせ、器の縁に沿ってテープで留めると、箱が傾いても土と苗が飛び出しにくくなります。ラップで表面を覆う方法もありますが、長時間になると蒸れるおそれがあるので、通気を考えて使います。

器を箱の中で動かさない

器と箱のすき間に、丸めた紙や緩衝材を詰めて、器が箱の中で動かないようにします。器の底を箱の底に固定する方法もあります。箱を軽く振って、中で音がしないかを確かめてから閉じてください。

上下の向きを伝える

箱の外側に「天地無用」「植物」「ナマモノ」など、扱いの注意を書いたシールを貼ります。注意書きがあっても横倒しになることはあるので、どの向きでも崩れない梱包が前提です。

送り方と大きさの上限

寄せ植えは箱が大きくなりやすく、送り方の上限に注意が必要です。宅急便の公式の案内では、縦・横・高さの合計が200cm以内で重さ30kgまで、ゆうパックは合計170cm以下で重さ25kgまで(25kgを超え30kg以下は重量ゆうパック)とされています。小さな寄せ植えなら、ずっと小さな箱で送れます。送料は箱の大きさと地域で変わるので、日本郵便のゆうパックの案内などで、よく送る地域への料金を先に確かめ、値段に含めるか別にするかを決めます。

季節ごとの注意

真夏は箱の中が高温になり、苗が蒸れて傷みやすくなります。真冬は寒さで凍えることがあります。暑さや寒さの厳しい時期は、出品を控えるか、気温の穏やかな地域だけに送る、到着日を短くできる方法を選ぶ、といった対応を決めておきます。季節によって発送を止める期間があることは、ショップの説明に書いておきましょう。

傷んで届いたときの対応を決めておく

どれだけ梱包に気を配っても、生き物を送る以上、届いたときに苗が傷んでいる、土がこぼれている、器が割れている、といったことは起こりえます。連絡が来てから考えるのではなく、対応の方法をあらかじめ決めて、商品ページに書いておきます。

決めておく3つのこと

1つ目は、どの状態なら対応するかです。器が割れていた、苗が抜けて折れていた、のように見て分かる損傷は対応する、色の変化や葉の数枚の傷みは生き物の性質として対応しない、といった線引きを決めます。

2つ目は、連絡の期限と方法です。届いてから何日以内に、写真を添えて連絡してもらうかを決めます。写真があれば、どの程度の損傷かを確かめられ、梱包の改善にも生かせます。

3つ目は、対応の中身です。苗の植え直しの方法を案内する、傷んだ苗の代わりを送る、返金する、などの選択肢の中から、損傷の程度に応じてどれを選ぶかを決めておきます。

配送の補償を確かめる

配送の途中の事故で器が割れた場合、運送会社の補償の対象になることがあります。宅急便とゆうパックの公式の案内では、どちらも責任の限度額が1個あたり30万円までとされています。ただし、補償を受けるには、梱包が適切だったことや、届いてから早めに申し出ることが求められるのが一般的です。補償の条件は運送会社の約款で確かめてください。

記録を梱包の改善に生かす

傷んで届いた例は、梱包のどこに弱点があったかを教えてくれる貴重な材料です。どの大きさの箱で、どの季節に、どこへ送ったときに起きたかを記録しておくと、同じ失敗を繰り返さずに済みます。

寄せ植えのテーマとシリーズ作り

寄せ植えは1点ずつ形が違う作品ですが、ショップとしての統一感を持たせると、ファンがつきやすくなります。

テーマの決め方

ショップのテーマは、器の雰囲気、色の組み合わせ、使う苗の種類のどれかで決めると分かりやすくなります。たとえば、古道具のような器に落ち着いた色の苗を合わせる、白い器に明るい緑と淡い色の苗を合わせる、小さな器にひと口サイズの苗を寄せる、といった具合です。テーマがそろっていると、一覧で見たときに「この人の作品」と覚えてもらえます。

季節ごとの新作

多肉植物は季節で表情が変わるので、季節ごとの新作を出しやすい商品です。秋から冬は紅葉する種類を中心に、春は新芽の明るい色を中心に、と季節の見どころを生かした作品を出すと、同じ買う人がまた見に来てくれます。

贈り物向けの作品

寄せ植えは、誕生日や開店祝い、母の日などの贈り物としても選ばれます。贈り物向けには、手入れが簡単な苗を選ぶ、メッセージカードを付けられるようにする、届いてすぐ飾れる状態で送る、といった工夫が喜ばれます。贈る相手が育て方を知らない場合も多いので、説明書を分かりやすく書くことがいっそう大切です。

値段の付け方

寄せ植えの値段は、苗代と器代に加えて、育てた期間と梱包の手間、送料と手数料を含めて考えます。

値段を組み立てる要素

  1. 苗代(自分で増やした苗も、育てた時間に値段を付ける)
  2. 器代と用土、化粧砂
  3. 植え込みと根を落ち着かせる期間の手間
  4. 梱包材(箱、緩衝材、表面を覆う紙やネット)
  5. 送料(送料込みにする場合)
  6. 販売サービスの手数料

手数料の目安

主な作品販売のサービスの手数料は、公式の案内によると、minneが作品価格と送料などを合わせた額の10.659%(税込)、Creemaが決済総額の10.67%(税込)です。どちらも出品は無料で、売れたときに手数料がかかります。送料も手数料の計算に入るサービスでは、送料込みの値段にすると、送料にも手数料がかかる点に注意してください。

計算の例

たとえば、苗代と器代、用土を合わせて1,200円、梱包材に200円、送料に1,000円かかる寄せ植えを、送料込み4,000円で売る場合を考えます。手数料はおよそ430円で、手元に残るのは4,000円から材料費と梱包材、送料、手数料を引いたおよそ1,170円です。ここから植え込みと世話の時間を考えると、決して大きな額ではありません。器を変えて見栄えを上げる、同じ形の作品を続けて作って時間を短くする、2つ以上の注文をまとめて送る、といった工夫で、1件あたりに残る額を大きくしていきます。

安くしすぎない

生き物を扱う寄せ植えは、届いたあとの問い合わせや、まれに傷んで届いたときの対応も含めて、手間のかかる商品です。最初から続けられる値段を付け、写真と説明で手間と品質を伝えるほうが、長く続けられます。

販売先の選び方とメリット・デメリット

寄せ植えを売る場所は、主に次の4つです。

作品販売のサービス

ハンドメイドの作品を探す人が集まり、寄せ植えのような一点物の作品に向いています。ただし、出品できるものは各サービスの規約で決まっています。たとえばCreemaの案内では、出品できるのは出品者自身が制作・加工した作品などに限られ、動物や昆虫などの生き物は出品できないとされています。植物を扱うときの決まりや注意も規約に書かれているので、出品前に読み、分からない点は事務局に問い合わせてください。

フリマアプリ

利用者が多く、気軽に出品できます。値下げ交渉が来やすいこと、作品の価値より値段で比べられやすいことがデメリットです。

イベントや店頭での対面販売

植物のイベントやマルシェ、雑貨店での委託販売では、配送の心配がなく、実物を見てもらえます。寄せ植えは実物の立体感で選ばれることが多いので、対面販売は相性のよい売り方です。寄せ植えの体験教室を開いて、作り方を教える形に広げる人もいます。

自分のネットショップ

ファンができてから自分の店を持つと、季節ごとの新作をまとめて紹介できます。集客は自分で行う必要があり、特定商取引法にもとづく表示(販売者の名前、住所、連絡先、返品の条件など)を店のページに載せる必要があります。表示の項目は消費者庁の特定商取引法のページで確かめてください。

販売先 向いている人 気をつける点
作品販売のサービス 一点物の作品で選ばれたい人 植物の扱いを規約で確かめる
フリマアプリ まず気軽に試したい人 値段で比べられやすい
イベント・店頭 実物を見てほしい人 出店料と移動の手間
自分のネットショップ ファンがいる人 集客と表示の準備

買った人に届けたい説明書

寄せ植えは、届いたあとの育て方で長持ちするかどうかが決まります。説明書を1枚付けておくと、買った人が困らず、問い合わせも減ります。

説明書に書くこと

  1. 入っている苗の名前(分かる範囲で)
  2. 育つ季節と、季節ごとの水やりの目安
  3. 置き場所の目安(日当たり、風通し、雨の当たらない場所)
  4. 届いてすぐにすること(箱から出し、表面の紙を外し、数日は直射日光を避けて慣らす)
  5. 伸びすぎたときの手入れ(切り戻しや植え替えの時期)
  6. 問い合わせ先

「変わっていく」ことを伝える

多肉植物の寄せ植えは、時間とともに苗が伸び、形が変わっていきます。作ったときの姿がそのまま続くわけではないことを伝えておくと、「形が崩れた」という不満を防げます。むしろ、成長して変わっていく姿を楽しんでもらえるよう、植え替えの方法まで書いておくと、作り手の信頼が高まります。

寄せ植えの教室やワークショップに広げる

寄せ植えを作れるようになったら、作品を売るだけでなく、作り方を教える形に広げる道もあります。多肉植物の専門店の中にも、店舗や出張先で寄せ植えの体験教室を開いているところがあります。

教室の形

教室の形には、自宅やレンタルスペースで少人数に教える形、カフェや雑貨店のイベントとして開く形、オンラインで材料を送って一緒に作る形などがあります。対面の教室は、配送の心配がなく、参加者が自分で作った寄せ植えをそのまま持ち帰れるのが利点です。

準備するもの

参加者の人数分の苗、器、用土、化粧砂、ピンセットやスコップなどの道具、作業用のシート、持ち帰り用の袋や箱を用意します。苗は、参加者が選ぶ楽しみを残すために、少し多めに用意しておくと満足度が上がります。

参加費の考え方

参加費は、材料費に、教える時間と準備の時間、会場代を加えて考えます。作品の販売と違って配送の手間がない代わりに、準備と片付けの時間がかかります。1回の教室で何人まで教えられるかを決め、1人あたりの材料費と時間から参加費を組み立ててください。

教室が作品販売に生きる

教室で参加者と話すと、どんな苗が好まれるか、どんな器が選ばれるか、どこで育て方につまずくかが分かります。その声は、作品作りや説明書の改善にそのまま生かせます。教室で知り合った人が、作品の買う人になってくれることもあります。

初心者がつまずきやすい注意点

作りすぎない

寄せ植えは作るのが楽しく、つい数を増やしてしまいがちです。しかし、売れ残った寄せ植えは苗が伸びて形が崩れ、作り直しが必要になります。最初は5鉢から10鉢ほどで売れ行きを確かめ、売れる速さに合わせて作る数を決めてください。売れ残った寄せ植えは、苗を外して植え直す、教室の見本にする、といった形で生かせます。

虫と病気を持ち込まない

仕入れた苗に虫が付いていると、寄せ植え全体に広がり、買った人の家の植物にもうつるおそれがあります。新しく仕入れた苗は、しばらく別の場所で様子を見てから使うのが安全です。

写真と実物の違い

多肉植物は、季節や日当たりで色が大きく変わります。紅葉した季節に撮った写真を、緑色の季節にも使い続けると、「写真と違う」という不満につながります。写真を撮った時期を書く、季節が変わったら写真を撮り直す、といった対応をしてください。

お金の記録

売上が小さくても、苗代、器代、梱包材、送料、手数料を記録しておきます。会社員などで給与を1か所から受けている人は、国税庁の案内によると、給与以外の所得(売上から経費を引いた額)の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になる場合があるので、住んでいる市区町村で確かめてください。事業として続けるなら開業届も考えます。国税庁の案内では、開業届の提出は、事業を始めた年分の確定申告期限までとされています。

本業と両立させる1週間の組み立て

寄せ植えの販売は、植え込み、毎日の世話、撮影、出品、梱包と発送、問い合わせへの返事と、作業の種類が多い副業です。本業がある人は、作業を曜日ごとに分けておくと無理なく回せます。

たとえば、週末に植え込みと撮影をまとめて行い、平日の朝に水やりと様子の確認、平日の夜に出品と問い合わせへの返事、発送は週に2回と決めておく、といった組み立てです。発送の曜日を決めて商品ページに書いておけば、買う人も届く日を予想できます。

毎日の世話は、水やりの必要がない日もあるので、短い時間で済みます。ただ、生き物なので、出張や旅行で家を空ける期間は、出品を止めるか、世話を頼める人を決めておきます。根を落ち着かせている途中の寄せ植えが多いときに長く家を空けると、品質を保てません。予定の見通しを立てて、作る数を調整してください。

運営者の視点から見た、植物の副業を続けるコツ

在宅の仕事や副業の仲介を長く続けてきた運営者として見てきた限りでは、生き物を扱う副業で長く続いている人は、作る楽しさだけでなく、届けたあとのことまで考えて仕組みを作っています。根を落ち着かせる期間を守る、季節によって出品を止める、説明書で育て方を伝える。どれも売上をすぐに増やす工夫ではありませんが、評価を積み上げ、次の注文につながる工夫です。

寄せ植えの写真や商品ページの見せ方は、デザインの仕事と重なる部分が多くあります。デザインの仕事の単価がどのくらいかは、デザイナーの年収・単価相場で業界全体の目安を確かめられます。色の組み合わせや見せ方を考える力は、寄せ植えにもデザインにも共通する技能です。

説明書や商品ページの文章を正確に書く力も、植物の販売では欠かせません。仕事の文書を正しく書く力を確かめる資格として、ビジネス文書検定があり、試験の内容と受け方が紹介されています。SNSで作品を発信して集客したい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、マーケティングの仕事の中身と始め方を確かめられます。

多肉植物の寄せ植え販売は、登録品種の決まりを守り、根を落ち着かせてから売り、崩れない梱包で届けるという基本を押さえれば、少しずつ評価を積み上げていける副業です。まずは育つ季節の同じ苗を組み合わせた小さな寄せ植えから作り、梱包を試してから出品を始めてみてください。

よくある質問

Q. 自分で葉挿しで増やした多肉植物を寄せ植えにして売ってもよいですか?

登録品種でなければ、増やした苗を使って売ることに制限はありません。ただし、登録品種の株を増やして寄せ植えに使い、売ることは、育成者権者の許しがなければできません。苗のラベルに登録品種の表示がないか確かめ、品種名で農林水産省の品種登録ホームページを検索してから使ってください。

Q. 植え込んでからどのくらいで販売できますか?

苗の根が新しい土に張り、器を軽く傾けても苗が動かなくなるまで待つのが目安です。種類や季節で違いますが、少なくとも数週間は見ておくと安心です。植え込んだ直後に送ると、配送中に苗が抜けたり傾いたりして崩れやすくなります。根が落ち着く間に色や形も整い、写真もきれいに撮れます。

Q. 寄せ植えを崩さずに送るにはどうすればよいですか?

表面に薄い紙やネットをかぶせて器の縁にテープで留め、土と苗が飛び出さないようにします。器と箱のすき間には緩衝材を詰め、箱の中で器が動かないように固定します。箱には植物であることと上下の向きを書きますが、横倒しになっても崩れない梱包を前提にしてください。真夏と真冬は発送を控えるのが安全です。

Q. 寄せ植えの販売で確定申告は必要ですか?

会社員などで給与を1か所から受けている人は、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得は売上から苗代、器代、梱包材、送料、手数料などの経費を引いた額です。20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合があるので、住んでいる市区町村で確かめてください。迷ったら税務署に相談しましょう。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年10月10日最終更新:2026年10月12日
松本 あゆみ

この記事を書いた人

松本 あゆみ@SOHO編集部

元看護師・医療系ライター

大学病院で看護師として8年間勤務。介護福祉士の資格も取得し、医療・介護両方の現場を知る立場から、ヘルスケア系の記事を執筆しています。

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