スプレッドシートでのステータス管理|プルダウンと色分けで進捗を見る


この記事のポイント
- ✓Googleスプレッドシートでステータス管理をする方法を
- ✓条件付き書式での色分け
- ✓COUNTIFでの件数の集計
スプレッドシートでステータス管理をしようとすると、「未着手」「対応中」「確認待ち」のような状態を人によって違う言葉で書いてしまい、一覧が読みにくくなることがあります。Googleスプレッドシートには、選べる言葉を決めておくプルダウンと、状態に応じて色を変える条件付き書式があり、この2つを組み合わせるだけで、進捗がひと目で分かる表を作れます。この記事では、スプレッドシートでのステータス管理の作り方を、表の設計から、プルダウン、色分け、件数の集計、絞り込み、壊されないための保護まで、Googleの公式ヘルプのメニュー名に沿って順に説明します。最後に、スプレッドシートで足りる場面と、ボード型の道具に移る目安も整理し、その選択肢の1つとしてPinatecaにも触れます。
スプレッドシートでステータス管理をする利点
ステータス管理とは、仕事やタスクの一つひとつについて、「今どの段階にあるか」を記録し、一覧で確かめられるようにすることです。案件の進捗、問い合わせへの対応、記事の制作、請求書の発行など、決まった段階を順に進む仕事なら、どんな分野でも使える考え方です。
スプレッドシートでステータス管理をする利点は、次の4つです。
- 無料で始められる:Googleのアカウントがあれば、追加の費用なしに使える
- 誰でも操作できる:表計算の基本を知っていれば、新しい道具の使い方を覚える必要がない
- 自由に形を変えられる:列の追加や並べ替えを、自分たちの仕事に合わせてすぐにできる
- 複数の人で同時に編集できる:共有の設定をすれば、メンバーが同じ表を同時に更新できる
業務の効率化のための情報を発信しているサイトでも、スプレッドシートでのタスク管理の利点が次のように紹介されています。
表計算だけでなく、フィルタやコメント、チャットなど、メンバーと共同で作業するときに便利な機能もあることから、個人やチームのシンプルなタスク管理にGoogleスプレッドシートを使いたい、という方も多いのではないでしょうか。 出典: pfu.ricoh.com
一方で、自由に形を変えられることは、裏を返せば、誰かが勝手に形を変えてしまうおそれがあるということでもあります。ステータスの言葉が人によってばらばらになる、列が消される、色分けの決まりが崩れる、といった問題は、たいていこの自由さから生まれます。この記事で紹介する手順は、自由さを残しつつ、崩れにくい表にするための工夫です。
ステータスを決める:段階は4〜6つに絞る
表を作り始める前に、まずステータスの段階を決めます。ここを曖昧にしたまま表を作ると、後から言葉の追加や変更が続き、一覧が読みにくくなります。
ステータスを決めるときのこつは、次の3つです。
- 段階は4〜6つに絞る:細かく分けすぎると、どの段階に当てはまるかで迷う
- 誰が見ても同じ意味に取れる言葉にする:「対応中」と「作業中」のように似た言葉を並べない
- 次に誰が動くのかが分かる言葉にする:「確認待ち」は、確認する人が動く番であることが伝わる
たとえば、記事の制作を外部のライターに依頼している場合なら、次のような5つの段階が考えられます。
| ステータス | 意味 | 次に動く人 |
|---|---|---|
| 未着手 | 依頼は決まったが、まだ書き始めていない | ライター |
| 執筆中 | ライターが書いている | ライター |
| 確認待ち | 原稿が届き、編集の確認を待っている | 編集の担当 |
| 修正中 | 確認の指摘を受けて、ライターが直している | ライター |
| 完了 | 公開または納品が済んだ | なし |
問い合わせへの対応なら「新規」「対応中」「回答待ち」「完了」、請求の管理なら「未請求」「請求済み」「入金済み」のように、仕事の流れに合わせて決めます。段階が決まったら、表のどこかに一覧として書き出しておくと、メンバーが迷ったときに確かめられます。
表の列を設計する
ステータスが決まったら、表の列を設計します。ステータス管理の表に入れておきたい基本の列は、次のとおりです。
| 列 | 入れる内容 | 例 |
|---|---|---|
| 番号 | 1件ごとの通し番号 | 1、2、3 |
| 件名 | 仕事やタスクの名前 | 商品紹介の記事A |
| 担当 | 担当する人 | 佐藤 |
| ステータス | 今の段階 | 確認待ち |
| 期限 | いつまでに終えるか | 2026/10/24 |
| 更新日 | 最後にステータスを変えた日 | 2026/10/17 |
| メモ | 補足や引き継ぎの事項 | 写真の差し替えあり |
特に大事なのが、番号と更新日の列です。番号があると、メンバーどうしで「12番の件ですが」と短く伝え合えます。更新日の列があると、長い間ステータスが変わっていない、止まっている仕事を見つけやすくなります。
列の並びは、左から「番号・件名・担当・ステータス・期限」の順にしておくと、画面の幅が狭いスマートフォンでも大事な情報から目に入ります。1行目には列の見出しを入れ、[表示] メニューから行を固定しておくと、下へスクロールしても見出しが残ります。
1つの表に何でも入れようとしないことも大切です。案件ごとの細かい作業の手順や、やり取りの記録まで1つの表に入れると、列が増えすぎて見にくくなります。表には一覧で見たい情報だけを残し、細かい内容は別のシートや文書に分けて、メモの列にリンクを入れておく形が扱いやすくなります。
プルダウンでステータスを選べるようにする
ステータスの列には、プルダウンを設定します。プルダウンとは、セルをクリックすると選択肢の一覧が出て、その中から選んで入力できる仕組みのことです。決めた言葉以外が入力されなくなるので、表記の揺れを防げます。
Googleの公式ヘルプに沿うと、プルダウンを作る手順は次のとおりです。
- ステータスの列のセル範囲を選ぶ(たとえばD2からD200)
- 上部の [挿入] から [プルダウン] をクリックする([データ] から [データの入力規則] を開いて [ルールを追加] からも作れる)
- 右に開く [データの入力規則] のパネルの [条件] で [プルダウン] を選ぶ
- 選択肢の欄に「未着手」と入力し、[別のアイテムを追加] で「執筆中」「確認待ち」「修正中」「完了」を順に追加する
- 選択肢ごとに色を選ぶ
- [完了] をクリックする
プルダウンを作る方法はほかにもあり、セルに「@」を入力してメニューの [プルダウン] を選ぶ方法や、セルを右クリックして [プルダウン] を選ぶ方法もあります。公式ヘルプによると、「プロジェクトのステータス」や「優先度」のように、あらかじめ設定されたプルダウンを入れることもできます。
選択肢を別のシートに一覧として書いておき、[条件] で [リストを範囲で指定] を選んでその範囲を指定する方法もあります。この方法なら、ステータスの言葉を変えたいときに、一覧のシートを直すだけで済みます。
公式ヘルプによると、リストにない言葉を入力すると、既定ではその入力は拒否されます。リストにない言葉も一時的に受け付けたい場合は、[詳細オプション] の [データが無効の場合] で [警告を表示] を選べます。ただ、ステータス管理では表記の揺れを防ぐことが目的なので、拒否のままにしておくのがお勧めです。
手順の詳細は、Googleの公式ヘルプのプルダウンの作り方で確認できます。
プルダウンの見た目は、[詳細オプション] の [表示スタイル] で、チップ・矢印・書式なしテキストから選べます。チップの形にすると、選んだステータスが色付きのラベルとして表示され、一覧が見やすくなります。
条件付き書式で行ごとに色分けする
プルダウンで選んだステータスの色は、そのセルにだけ付きます。表全体で進捗をひと目で見たい場合は、条件付き書式を使って、ステータスに応じて行全体の色を変えると効果的です。条件付き書式とは、決めた条件を満たすセルの文字や背景の色を自動で変える機能のことです。
公式ヘルプに沿うと、条件付き書式の基本の手順は次のとおりです。
- 色を付けたい範囲を選ぶ(たとえばA2からG200)
- [表示形式] から [条件付き書式] をクリックする。右側に設定の画面が開く
- [セルの書式設定の条件] で、ルールを適用する条件を選ぶ
- [書式設定のスタイル] で、条件を満たしたときの色を選ぶ
- [完了] をクリックする
行全体に色を付けるには、条件にカスタム数式を使います。ステータスがD列にある場合、[セルの書式設定の条件] で [カスタム数式] を選び、次のように入力します。
- 完了の行を灰色にする:=$D2="完了"
- 確認待ちの行を黄色にする:=$D2="確認待ち"
- 修正中の行を薄い赤にする:=$D2="修正中"
数式の「$D2」の「$」は、列をD列に固定するための記号です。これを付けることで、行のどのセルでもD列のステータスを見て色を決めるようになり、行全体に同じ色が付きます。
期限を過ぎているのに完了していない行を目立たせることもできます。期限がE列にある場合、次のカスタム数式で赤く表示できます。
- 期限切れの行を赤くする:=AND($E2<TODAY(),$D2<>"完了")
TODAY関数は今日の日付を返す関数です。この数式は、「期限が今日より前」かつ「ステータスが完了ではない」行に色を付けます。
公式ヘルプによると、複数のルールは一覧に表示されている順に判定され、最初に当てはまったルールの書式が使われます。期限切れのルールは、ほかのステータスの色より上に置いておくと、期限切れの行が確実に赤く表示されます。ルールの順番は、ドラッグして並べ替えられます。
条件付き書式の設定の画面やカスタム数式の使い方は、Googleの公式ヘルプの条件付き書式のページにまとめられています。
色の数は、多くても4〜5色にとどめると読みやすくなります。すべてのステータスに強い色を付けると、かえってどこを見ればよいか分からなくなります。「完了は灰色で目立たせない」「人が動く必要があるものだけ色を付ける」のように、見てほしいところに色を集めるのがこつです。
COUNTIFでステータスごとの件数を数える
表の上や別のシートに、ステータスごとの件数を表示しておくと、全体の進み具合が数字で分かります。件数を数えるには、COUNTIF関数を使います。COUNTIF関数とは、範囲の中で条件に一致するセルの数を返す関数のことです。
公式ヘルプによると、書き方は「COUNTIF(範囲, 条件)」で、文字列の条件は二重引用符で囲みます。ステータスがD2からD200にある場合、次のように書きます。
| 集計したいもの | 数式 |
|---|---|
| 未着手の件数 | =COUNTIF(D2:D200,"未着手") |
| 執筆中の件数 | =COUNTIF(D2:D200,"執筆中") |
| 確認待ちの件数 | =COUNTIF(D2:D200,"確認待ち") |
| 完了の件数 | =COUNTIF(D2:D200,"完了") |
完了の割合を出したい場合は、完了の件数を全体の件数で割ります。全体の件数は、件名の列が空でない行の数を数えるCOUNTA関数で出せます。たとえば、=COUNTIF(D2:D200,"完了")/COUNTA(B2:B200) と書き、セルの表示形式をパーセントにすると、完了の割合が表示されます。
担当者ごと、ステータスごとに数えたい場合は、複数の条件で数えるCOUNTIFS関数を使います。公式ヘルプでも、COUNTIF関数は1つの条件でしか数えられないので、複数の条件にはCOUNTIFS関数を使うよう案内されています。たとえば、担当がC列にある場合、佐藤さんの確認待ちの件数は =COUNTIFS(C2:C200,"佐藤",D2:D200,"確認待ち") で数えられます。
件数の表を作っておくと、「確認待ちが10件たまっている」のように、どこで仕事が詰まっているかが見えます。ステータス管理の目的は、一つひとつの状態を記録することだけでなく、こうした詰まりを早く見つけて手を打つことにあります。
フィルタビューで自分の担当だけを見る
件数が増えてくると、自分の担当の行だけを見たい、確認待ちの行だけを見たい、といった場面が出てきます。この絞り込みには、フィルタとフィルタビューの2つの方法があります。
フィルタは、[データ] から [フィルタを作成] で設定します。ただし、公式ヘルプによると、フィルタを追加すると、スプレッドシートにアクセスできるすべてのユーザーに同じフィルタが適用されます。誰かが自分の担当だけに絞り込むと、ほかのメンバーの画面でも同じように絞り込まれてしまい、「行が消えた」と混乱が起きることがあります。
複数の人で使う表では、フィルタビューを使うのが安全です。フィルタビューは、絞り込みの結果を自分の画面にだけ適用できる機能です。公式ヘルプに沿うと、[データ] から [フィルタビューを作成] をクリックし、条件を設定して、右上の [ビューを保存] で保存します。保存したフィルタビューには名前を付けられ、リンクを共有することもできます。
たとえば、「佐藤の担当」「確認待ちの一覧」「今週の期限」のように、よく使う絞り込みをフィルタビューとして保存しておくと、メンバーそれぞれが必要な一覧をすぐに開けます。閲覧の権限しかない人も、自分だけが使える一時的なフィルタビューを作れますが、その場合は保存されません。
止まっている仕事を経過日数で見つける
ステータス管理の表で見落としやすいのが、ステータスは「対応中」のままなのに、何日も動いていない仕事です。こうした止まっている仕事を見つけるには、更新日の列から今日までの経過日数を計算する列を作ると効果的です。
更新日がF列にある場合、G列に次の数式を入れると、最後に更新してから何日たったかが表示されます。
- 経過日数:=IF(F2="","",TODAY()-F2)
IF関数は、条件によって表示する内容を変える関数です。この数式は、更新日が空なら何も表示せず、日付が入っていれば今日との差を日数で表示します。表示形式が日付になってしまう場合は、[表示形式] から [数字] を選んで数値の形に直します。
経過日数の列ができたら、条件付き書式で、完了していないのに一定の日数が過ぎた行に色を付けます。たとえば、5日以上更新がなく、完了していない行を目立たせるには、次のカスタム数式を使います。
- 5日以上止まっている行:=AND($G2>=5,$D2<>"完了")
何日を目安にするかは、仕事の性質によって決めます。1日で終わる作業が多いなら2〜3日、数週間かかる案件なら7日ほどが目安です。週に1度の見直しのときに、この色が付いた行から順に、担当者に状況を聞いていくと、止まっている理由(相手の返事待ち、材料がそろっていない、担当者が忙しすぎる、など)が早く見つかります。
注意したいのは、更新日の列を手で直す運用にしている場合、更新日を直し忘れると経過日数が正しく出ないことです。ステータスを変えたら更新日も直す、という決まりを、表の先頭に書いておくと忘れにくくなります。
担当者ごとの負荷を集計する
ステータス管理の表がある程度の件数になったら、担当者ごとに「今抱えている仕事の数」を集計しておくと、仕事の偏りに早く気づけます。
別のシートに、縦に担当者の名前、横にステータスを並べた集計の表を作り、COUNTIFS関数で数を入れます。担当者の名前がA列、ステータスが1行目にある場合、B2のセルに次の数式を入れて、右と下にコピーします。
- =COUNTIFS(シート1!$C$2:$C$200,$A2,シート1!$D$2:$D$200,B$1)
ここで「シート1」は、ステータス管理の表があるシートの名前に置き換えます。「$」の付け方を、担当者の列は「$A2」、ステータスの行は「B$1」としておくと、コピーしたときに参照がずれません。
できあがった集計の表を見ると、「佐藤さんは確認待ちが0件だが執筆中が6件」「鈴木さんは修正中が4件たまっている」のように、人ごとの状況が見えます。執筆中が多すぎる人には新しい仕事を回さない、修正中がたまっている人には確認の指摘の出し方を見直す、といった手を打てます。
集計の表にも条件付き書式を使い、1人の担当が5件を超えたら色が付くようにしておくと、偏りがひと目で分かります。数字を見て判断する仕組みにしておくと、「なんとなく忙しそう」という印象ではなく、事実にもとづいて仕事を割り振れるようになります。
チェックボックスで完了だけを管理する方法
段階を細かく分ける必要がない仕事なら、ステータスをプルダウンにせず、チェックボックスで「完了したかどうか」だけを管理する方法もあります。チェックボックスとは、クリックすると印が付いたり外れたりする小さな四角のことです。Googleスプレッドシートでは、セルを選んで [挿入] から [チェックボックス] を選ぶと追加できます。
チェックボックスの列を作ると、印を付けたセルには「TRUE」、外したセルには「FALSE」という値が入ります。この値を使って、条件付き書式で完了した行を灰色にしたり、COUNTIF関数で完了の件数を数えたりできます。チェックボックスがH列にある場合、完了の件数は =COUNTIF(H2:H200,TRUE) で数えられ、行を灰色にするカスタム数式は =$H2=TRUE です。
チェックボックスは、家事の分担表や、毎週の定例の作業の一覧、買い物の一覧のように、「やったかどうか」だけが分かればよい場面に向いています。一方で、「確認待ち」のように、誰かの番で止まっている状態を表すことはできません。複数の人の間で仕事を受け渡す流れがあるなら、プルダウンでステータスを管理するほうが合っています。
Excelで同じ仕組みを作る場合
社内の決まりでGoogleスプレッドシートが使えず、Excelでステータス管理をする場合も、考え方は同じです。Excelでも、プルダウンと条件付き書式を組み合わせて、同じような表を作れます。
Excelでプルダウンを作るには、セル範囲を選び、[データ] タブの [データの入力規則] を開いて、[入力値の種類] で [リスト] を選び、元の値にステータスの言葉をカンマで区切って入力します。行全体の色分けは、[ホーム] タブの [条件付き書式] から [新しいルール] を開き、[数式を使用して、書式設定するセルを決定] を選んで、Googleスプレッドシートと同じようなカスタム数式を入れます。COUNTIF関数とCOUNTIFS関数も、同じ書き方で使えます。
複数の人で同時に編集したい場合は、ファイルを共有の場所に保存し、ブラウザ版のExcelやOneDriveの共有の機能を使う形になります。メニューの名前は版によって違うことがあるので、勤め先の環境で実際の画面を確かめながら設定してください。
壊されないための保護と運用の決まり
複数の人で編集する表は、知らないうちに数式が消されたり、列が動かされたりすることがあります。こうした事故を防ぐために、保護の機能と運用の決まりを組み合わせます。
保護の機能は、Googleスプレッドシートの「保護されているシートと範囲」です。見出しの行や、件数を集計している数式のセル、ステータスの一覧のシートを保護しておくと、編集の権限を持つ人を限定できます。公式ヘルプでは、この保護はセキュリティ対策ではないと明記されています。保護されたシートでも、閲覧できる人はコピーを作ったり内容を書き出したりできるので、見られて困る情報は入れないようにし、共有する相手も信頼できる人に限ってください。
運用の決まりとしては、次の5つを最初に決めて、表の先頭か別のシートに書いておくと迷いが減ります。
- ステータスを変えたら、更新日の列も必ず直す
- 行を削除しない。不要になった行はステータスを「完了」か「中止」にする
- 列を追加したいときは、管理する人に相談する
- 色分けや数式は、管理する人だけが変える
- 週に1度、更新日が古い行を全員で見直す
特に2番目の「行を削除しない」は大切です。行を消すと、あとから「あの件はどうなったか」を確かめられなくなります。完了した行が増えて見にくくなったら、月ごとに別のシートへ移して保管する形にすると、記録を残したまま表を軽くできます。
共有の権限の分け方も、表を守るうえで効果があります。Googleスプレッドシートを共有するときは、相手ごとに「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」の権限を選べます。進捗を確かめるだけの人や社外の関係者には閲覧者の権限を渡し、ステータスを更新するメンバーだけを編集者にしておくと、意図しない書き換えが起きる余地を小さくできます。
スプレッドシートには変更の履歴が残るので、誤って消してしまった場合も、過去の版に戻せます。ただ、複数の人が同時に編集している表で過去の版に戻すと、ほかの人の更新まで消えてしまうことがあります。履歴に頼るより、最初から壊れにくい運用にしておくほうが安心です。
スプレッドシートで足りる場面と、限界が来る場面
ここまでの手順で、スプレッドシートでも十分に使えるステータス管理の表を作れます。では、どこまでならスプレッドシートで足り、どこから別の道具を考えるべきなのでしょうか。
スプレッドシートで足りるのは、次のような場面です。
- 関わる人が3〜5人ほどで、全員が表の使い方の決まりを守れる
- 管理する件数が数十件から百件程度に収まる
- ステータスの段階が少なく、仕事の流れが単純
- 細かいやり取りは、メールやチャットで別に行っている
一方で、次のような場面では、スプレッドシートの限界が見えてきます。
- 関わる人が増え、表記の揺れや行の削除が繰り返し起きる
- 1件ごとのやり取りや添付のファイルが多く、メモの列に収まらない
- 誰に何が集中しているかを、件数ではなく見た目で把握したい
- ステータスを変えたことを、担当者に自動で知らせたい
- 社外の協力者にも、必要な部分だけを見せたい
特に、1件ごとのやり取りが増えてくると、「この件についての話はどのメールだったか」を探す時間がかかるようになります。表とやり取りが別々の場所にあることが、ステータス管理の手間を大きくしていきます。
ボード型の道具に移るときの選択肢
スプレッドシートの限界が見えてきたら、作業をカードにして、ステータスの列に並べるボード型の道具が候補になります。カードを「未着手」の列から「確認待ち」の列へ動かすことが、そのままステータスの更新になるので、表記の揺れが起きず、どこに仕事がたまっているかを見た目で把握できます。
選択肢の1つがPinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあります。カンバンのボードでは、ステータスごとの列にカードを並べて進捗を動かせます。リストのボードでは、スプレッドシートのように表で全件を並べ、絞り込んで一括で直せます。カードには、見積もりの工数や優先度、顧客名のような項目をカスタムフィールドとして自由に追加できるので、スプレッドシートで使っていた列をそのまま項目として持ち込めます。ワークスペースごとのチャットとカードごとのコメントがあり、1件ごとのやり取りをそのカードのすぐ隣に残せます。自分宛てのメンションや担当の割り当て、締切は受信箱にまとめて届きます。料金は、5人までのチームならボード10個まで無料で、すべての種類のボードとチャットを使えます。6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になります。スプレッドシートのような計算の機能はないので、件数の集計や金額の計算が中心の管理はスプレッドシートに残し、日々の作業のステータスの更新とやり取りをボードに移す、という分け方が現実的です。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
どの道具を選ぶ場合も、移る前に、スプレッドシートで決めたステータスの段階と運用の決まりを整理しておくと、移行がスムーズに進みます。道具が変わっても、「段階を絞る」「次に動く人が分かる言葉にする」「止まっている仕事を週に1度見直す」という考え方は同じです。SaaSを増やすときの費用の考え方は、中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法で整理しています。
在宅の仕事でステータス管理が評価される理由
20年にわたって在宅ワークとフリーランスの仲介を見てきた運営者の立場から言えば、長く取引が続く受け手ほど、発注者に「今どうなっているか」を聞かれる前に伝えています。ステータス管理の表を発注者と共有し、自分の担当の行を毎日更新する受け手は、進捗の確認のやり取りが少なくて済み、発注者からの信頼も厚くなります。表そのものは単純でも、更新を欠かさないことが、在宅で顔の見えない相手と仕事をするうえでの大きな安心につながっています。
仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算で依頼者はより多くの作業を頼め、受け手は手取りが厚くなります。その分、進行の管理や連絡の方法も当事者どうしで決める場面が増えます。ステータスの段階や更新の決まりを受け手の側から提案できると、発注者にとっては「進め方まで任せられる人」になります。
業務の流れを整理し、表や道具の使い方を提案する仕事は、企業の業務の改善を手伝う分野で在宅でも受けやすくなっています。仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で確認できます。開発の現場でも、タスクのステータスを正しく更新する習慣は欠かせません。どのような案件があるかはアプリケーション開発のお仕事で見られます。スプレッドシートでのステータス管理は、無料で今日から始められる、最も手軽な進捗の見える化です。プルダウンと色分けから始めて、必要に応じて集計や保護を加えていくことで、チームの仕事の流れが確実に見えるようになります。
よくある質問
Q. スプレッドシートのプルダウンに後から選択肢を追加できますか?
できます。プルダウンを設定したセルを選び、[データ] から [データの入力規則] を開いて、[条件] の [別のアイテムを追加] から選択肢を追加します。選択肢を別のシートの範囲で指定している場合は、その範囲に言葉を書き足すだけで済みます。ステータスの段階を増やすときは、色分けの条件付き書式と件数の集計の数式も合わせて直してください。
Q. 行全体に色を付けたいのに、1つのセルにしか色が付きません?
条件付き書式で、色を付ける範囲に行全体(たとえばA2からG200)を選び、条件に [カスタム数式] を使ってください。ステータスがD列なら「=$D2="完了"」のように、列の前に「$」を付けて固定するのがこつです。「$」がないと、セルごとに見る列がずれてしまい、行全体に同じ色が付きません。
Q. ほかの人がフィルタをかけると、自分の画面でも行が見えなくなります?
[データ] から [フィルタを作成] で付けたフィルタは、スプレッドシートを開いている全員に同じように適用されます。複数の人で使う表では、[データ] から [フィルタビューを作成] を使ってください。フィルタビューは自分の画面にだけ絞り込みを適用でき、名前を付けて保存したり、リンクで共有したりできます。
Q. スプレッドシートからボード型の道具に移る目安はありますか?
関わる人が増えて表記の揺れや行の削除が繰り返し起きる、1件ごとのやり取りや添付のファイルが多い、誰に仕事が集中しているかを見た目で把握したい、といった状態になったら移るのを検討する目安です。移る前に、ステータスの段階と運用の決まりを整理しておくと、どの道具を選んでも移行がスムーズに進みます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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