副業年末調整やり方 会社員が確定申告で迷わない手順

長谷川 奈津
長谷川 奈津
副業年末調整やり方 会社員が確定申告で迷わない手順

この記事のポイント

  • 副業年末調整やり方を会社員向けに徹底解説
  • 年末調整と確定申告の違い
  • 行政書士の視点で具体例とともに整理しました

先日、あるWebデザイナーさんから相談を受けました。「会社員として勤めながら副業で年間40万円ほど稼いだのですが、年末調整の用紙にどう書けばいいですか?」と。結論から言うと、副業の収入は原則として年末調整では処理できません。年末調整は本業の給与所得についてのみ行う制度で、副業分は確定申告で精算する必要があります。これ、知らない人が本当に多いんです。

「副業年末調整やり方」と検索しているあなたは、おそらくこんな状況だと思います。本業の会社から年末調整の書類が配られた。副業も少しやっている。この副業分はどう書けばいいのか分からない。あるいは、会社に副業がバレたくない。本記事では、行政書士として日々フリーランス保護新法や副業相談を受けている立場から、副業をしている会社員が年末調整と確定申告で迷わないための実務手順を、具体的なケース別に丁寧に解説します。法律はあなたの味方です。正しい手順を踏めば、何も怖がる必要はありません。

副業年末調整の現状とマクロ視点:副業実施者の急増と制度の追いつかなさ

総務省統計局の労働力調査によれば、副業を希望する人や実際に副業を行う人は年々増加傾向にあります。厚生労働省も2018年の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」改定以降、副業を推進する方針を明確にしており、上場企業の副業解禁率も年々上昇しています。

一方で、税務の側はどうかというと、年末調整の仕組み自体は昭和22年から大きく変わっていません。年末調整は「1社だけで給与をもらっている人」を前提に設計された制度であり、副業をする人が増えた現代の働き方に完全には適応していないんです。だからこそ、副業者は自分で確定申告という形で帳尻を合わせる必要があります。

つまり、副業をしている時点で「年末調整だけで終わらせる」というルートは原則として存在しません。会社員の副業者は、本業の年末調整+自分での確定申告という二段構えで税務を完結させる、と理解しておくのが正しい出発点です。

副業の年末調整と確定申告の違い:そもそも何が違うのか

年末調整と確定申告は、どちらも「1年間の所得税を確定させる」手続きですが、誰が・何に対して・どこに・行うかが違います。ここを混同したまま副業の申告を考えると、必ずどこかでつまずきます。

年末調整とは:会社が代行する給与所得の精算手続き

年末調整は、給与の支払者(つまり会社)が、給与所得者に代わって所得税を計算し直し、毎月の源泉徴収で天引きされた税額との差額を精算する制度です。生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、扶養控除などを反映させて、最終的な税額を確定させます。

ポイントは、年末調整の対象は「その会社から支払われる給与」だけだということ。副業先からの収入や、フリーランス的に稼いだ報酬は、本業の会社の年末調整には一切組み込めません。書類に書いてはいけないし、書きようもないんです。

確定申告とは:自分自身で行う所得全体の精算手続き

確定申告は、1年間(1月1日〜12月31日)の所得全体を、納税者自身が税務署に申告する手続きです。本業の給与、副業の収入、株式や不動産の所得など、課税対象になるすべての所得をひとつにまとめて計算し、最終的な納税額を確定させます。

副業をしている会社員の場合、本業分は会社が年末調整で計算してくれていますが、副業分は誰も計算してくれません。だから自分で確定申告をして、本業の給与所得+副業所得を合算した上で、最終的な納税額を申告するわけです。

副業であっても所得が20万円を超えた場合(20万1円以上)は、確定申告が必要です。それにもかかわらず確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが発生する可能性もあるため、必ず確定申告をしてください。

副業年末調整やり方の前提知識:会社員が押さえるべき3つのルール

副業をしている会社員が税務手続きをスムーズに進めるために、まず押さえておくべきルールが3つあります。これを理解していないと、書類の書き方も納税のタイミングも判断できません。

ルール1:副業の所得が20万円超なら確定申告が必須

最もよく知られているのが「20万円ルール」です。会社員(給与所得者)が、本業以外の所得(収入から経費を引いた額)が年間20万円を超えた場合、確定申告の義務が生じます。

ここで注意したいのは、「収入」ではなく「所得」が基準だということ。例えば副業で40万円の報酬を得ても、経費が25万円かかっていれば所得は15万円なので、20万円ルールの観点では確定申告義務は生じません(ただし住民税の申告は別途必要、後述)。逆に、収入が25万円で経費がほとんどない場合は、所得=25万円となり申告義務が生じます。

つまり、「いくら振り込まれたか」ではなく「実質的にいくら手元に残ったか(=所得)」で判断する、と覚えておけば間違えません。

ルール2:年末調整は本業1社のみ、副業先では年末調整しない

副業先がアルバイト・パートのような給与形態の場合、副業先から「扶養控除等申告書」を提出してくださいと言われることがあります。ここで、本業と副業の両方に扶養控除等申告書を出してしまうと、税務上の処理がおかしくなります。

扶養控除等申告書は、原則として「主たる給与の支払者(=本業)」1社にだけ提出するのがルールです。副業先には提出しません。副業先での源泉徴収は「乙欄」と呼ばれる高めの税率で行われ、結果的に天引きが多めになりますが、これは確定申告で精算する前提の仕組みです。「副業先で乙欄になっていて損している気がする」と感じる方もいますが、確定申告すれば取り戻せる、つまり立て替えているだけだと理解してください。

ルール3:副業の種類によって「所得区分」が変わる

副業と一口に言っても、税務上の所得区分は複数あります。所得区分が変わると、申告書の書き方も使える控除も変わってきます。

・給与所得:アルバイト・パートのように、雇用契約で時給・月給を受け取る働き方 ・事業所得:継続的・反復的に行う事業から生じる所得。本格的なフリーランス活動 ・雑所得:上記以外の副収入。単発の業務委託、原稿料、アフィリエイト収入など ・不動産所得:家賃収入など ・一時所得:懸賞金、生命保険の満期金など

多くの副業会社員が該当するのは「雑所得」または「給与所得」です。事業所得として申告できるのは、客観的に見て「事業」と言える規模・継続性・社会通念上の独立性が必要で、月数千円の小遣い稼ぎレベルでは事業所得とは認められません。これ、知らない人が本当に多いんです。

副業年末調整やり方:本業の年末調整書類の正しい書き方

副業がある会社員でも、本業の会社が配布する年末調整の書類は、通常通りに記入します。副業のことを本業に申告する必要はありません(住民税の徴収方法は別途要注意、後述)。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

本業の会社に提出する書類です。配偶者や扶養親族の情報、障害者控除、寡婦・ひとり親控除などを記入します。副業の有無や金額は記入欄がないので、書く必要も書く場所もありません。

給与所得者の保険料控除申告書

生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金控除の情報を記入します。本業の給与から控除する分について書く書類なので、ここにも副業のことは出てきません。

給与所得者の基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除申告書

ここが少しだけ注意ポイントです。基礎控除の判定に「本人の合計所得金額」を記入する欄があります。この合計所得金額には、本来は本業の給与所得+副業所得が含まれます。

ただし、年末調整の時点では副業の所得が確定していないことも多いため、実務上は本業の給与所得の見込み額だけで記入する人が大半です。これは違法ではなく、後で確定申告するときに正しい合計所得金額で再計算されるので問題ありません。ただし、副業所得が大きくて配偶者控除の判定に影響するレベル(例:合計所得900万円超)の場合は、確定申告でしっかり修正されることを覚悟しておいてください。

※このケースで判断に迷う場合は税理士に相談してください。特に高所得層の方は、年末調整で配偶者控除を満額取った後、確定申告で取り消されて差額納税というパターンもあります。

副業年末調整やり方の実務手順:1年間のスケジュールで把握する

副業会社員が1年を通じてどう動けばよいか、月別の手順で整理しておきます。スケジュール感を掴むのが、迷わないコツです。

1月〜11月:日々の記録と書類保管

副業に関する収入と経費の記録を、日次または月次でつけておきます。エクセル、会計ソフト(freeeやマネーフォワードクラウド確定申告など)、紙の家計簿、どの形式でもかまいません。重要なのは「いつ・誰から・何の対価で・いくら受け取ったか」「いつ・何のために・いくら使ったか」が後から確認できることです。

経費の領収書・レシートは、原則として7年間の保存義務があります(青色申告の場合)。電子帳簿保存法の関係で、メールで届く請求書や電子レシートの保存方法も変わってきているので、可能ならスキャンしてクラウドに保存する習慣をつけておくと、後で楽になります。

11月〜12月:本業の年末調整書類を提出

本業の会社から配布される年末調整書類に、通常通り記入して提出します。副業の情報は記載しません。生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書などの添付書類を忘れずに。

12月下旬〜1月上旬:源泉徴収票の受け取り

本業の会社から源泉徴収票が交付されます。これは確定申告の必須書類なので、紛失しないように保管してください。副業先がアルバイト形態(給与所得)の場合は、副業先からも源泉徴収票が発行されます。業務委託(雑所得や事業所得)の場合は、支払調書が送られてくることがありますが、必ずしも全クライアントが発行するわけではありません。支払調書がなくても、自分の帳簿と入金記録で申告できます。

1月〜3月15日:確定申告書の作成・提出

副業所得が20万円を超えていれば、この期間中に確定申告を行います。例年、確定申告期間は2月16日〜3月15日です(土日祝で前後あり)。1月から提出は可能なので、書類が揃ったら早めに動くのがおすすめです。

提出方法は3つあります。

・e-Tax(電子申告):マイナンバーカードかID・パスワード方式で、自宅から24時間提出可能。国税庁e-Taxから手続きできます ・郵送:印刷した申告書を税務署に郵送 ・税務署窓口:直接持参して提出

最も推奨されるのはe-Taxです。還付金の入金が早く、添付書類の一部を省略でき、控えに収受印が必要な手続き(融資申請等)も電子データで対応可能です。

4月〜5月:住民税の通知と納付

確定申告の内容をもとに、住んでいる市区町村が住民税を計算し、5月〜6月頃に通知書が届きます。納付方法は次のセクションで詳しく解説します。

副業年末調整やり方で最も重要な「住民税の普通徴収」設定

会社員の副業者が、年末調整・確定申告の話で最も慎重になるべきポイントが、住民税の徴収方法です。ここを間違えると、いわゆる「副業が会社にバレる」事象が起きやすくなります。

なぜ住民税の通知で副業がバレるのか

住民税は、本業の給与から天引き(特別徴収)されるのが原則です。会社員の住民税額は、前年の所得に基づいて市区町村が計算し、本業の会社に通知書を送ります。会社は通知書に記載された金額を、毎月の給与から天引きします。

ここで、副業所得があると、住民税の計算に副業分も含まれるので、住民税額が「本業の給与だけの人」と比べて高くなります。会社の経理担当者は、社員の住民税額を一人ひとり通知書で確認するため、「あれ、この人だけ住民税が異常に高いな」と気づかれることがあります。これが、住民税経由で副業がバレるメカニズムです。

普通徴収を選択する手順

これを防ぐには、確定申告書の「住民税に関する事項」欄で、副業分の住民税を「普通徴収(自分で納付)」に切り替えます。確定申告書第二表の下部に「住民税・事業税に関する事項」というセクションがあり、その中の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という項目で「自分で納付」にチェックを入れます。

これにチェックを入れることで、副業分の住民税は本業の給与から天引きされず、自宅に納付書が送られてくる形式に変わります。本業の会社の経理が確認できるのは「本業給与に対応する住民税額」だけになるため、副業所得の存在は会社には伝わりません。

ただし、副業がアルバイト・パートのように「給与所得」だった場合、現在の制度では副業分の給与所得を普通徴収に切り替えることは原則できません。給与所得分の住民税は本業と合算して特別徴収されるルールだからです。雑所得や事業所得であれば、普通徴収への切り替えが可能です。

つまり、「副業を会社にバレずに続けたい」のであれば、副業の形態を業務委託(雑所得・事業所得)にすることが、税務上のリスクヘッジになります。在宅でできる業務委託案件を探すなら、在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説を参考にしてみてください。安心できる案件の探し方が体系的にまとまっています。

住民税申告が必要なケース:所得20万円以下でも油断するな

「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」というルールは、所得税の話です。住民税にはこの20万円ルールがありません。つまり、副業所得が1万円でも、原則として住民税の申告は必要です。

確定申告をすれば住民税の申告は別途必要ありません(確定申告のデータが市区町村に共有される)が、確定申告をしないなら、住んでいる市区町村に直接「住民税の申告」をする必要があります。これ、知らない人が本当に多いんです。所得20万円以下で安心して何もしなかった結果、後日市区町村から「申告漏れですよ」と通知が届いて慌てるケースを、実務で何度も見てきました。

副業の種類別:年末調整やり方と確定申告のポイント

副業の形態によって、申告手順や注意点が変わります。代表的なケースを整理します。

雇用型副業(アルバイト・パート、ダブルワーク)の場合

副業先と雇用契約を結び、給与として収入を得るパターンです。

・本業先:通常通り年末調整を受ける(扶養控除等申告書を提出) ・副業先:扶養控除等申告書は提出しない(乙欄で源泉徴収される) ・確定申告:副業給与の年間合計が20万円を超えれば必須。両方の源泉徴収票を使って合算申告

複数のパート先から給与をもらっていると、源泉徴収票が複数枚になります。すべての源泉徴収票を集めてから申告するので、12月の給与確定後、1月以降に書類が揃った段階で動き始めます。

業務委託型副業(雑所得)の場合

クラウドソーシングや知人の紹介などで、業務委託契約で報酬を受け取るパターンです。Webライティング、Webデザイン、データ入力、動画編集、翻訳、エンジニア業務など、在宅で完結する副業の多くがここに該当します。

・本業先:通常通り年末調整を受ける ・副業:所得(収入−経費)が20万円を超えれば確定申告必須 ・住民税:副業分を普通徴収に切り替えれば本業にバレにくい

この形態が、副業を始める会社員にとって最も柔軟性が高い選択肢です。実際に在宅で業務委託案件をこなしているフリーランスや副業会社員の働き方を知りたい方は、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開で具体的な時間配分の事例が紹介されているので参考になります。

事業所得として申告できる規模の副業

副業の規模が大きくなり、独立した事業として認められるレベルになると、雑所得ではなく事業所得として申告できる可能性が出てきます。事業所得は青色申告特別控除(最大65万円)が使えるため、節税効果が大きいのがメリットです。

ただし、事業所得として認められるには次のような要素が問われます。

・継続性・反復性があるか ・営利目的で行われているか ・社会通念上、事業と認められる規模か ・客観的に見て独立した事業活動か

国税庁の通達では、雑所得と事業所得の区分について、収入金額が300万円以下で帳簿書類の保存がない場合は原則として業務に係る雑所得として扱う、と整理されています。事業所得として申告したい場合は、複式簿記による帳簿付けと、開業届・青色申告承認申請書の提出が前提条件になります。

※このケースの判定は微妙な要素を含むので、規模が大きくなってきたら税理士か国税庁のタックスアンサーで確認してください。

アフィリエイト・ポイ活など、雑多な副収入の場合

ブログのアフィリエイト報酬、ポイントサイトでの収入、フリマアプリでの転売益、原稿料、講演料なども副業所得に含まれます。雑所得として申告するのが一般的です。

特にフリマアプリは「生活用動産の譲渡(家にあった不用品の処分)」は非課税ですが、転売目的で仕入れて売った場合は課税対象になります。線引きが難しいので、転売を反復的に行っている場合は雑所得として申告するのが安全です。

副業年末調整やり方の必要書類一覧

確定申告で必要になる書類を整理しておきます。1月になってから慌てて集めると間に合わないこともあるので、12月のうちに何が必要か確認しておきましょう。

本人確認書類

・マイナンバーカード(あれば1枚で完結) ・マイナンバーカードがない場合は、通知カードまたは住民票(マイナンバー記載)+運転免許証や健康保険証などの本人確認書類

収入関係の書類

・本業の源泉徴収票 ・副業先(雇用型)の源泉徴収票 ・副業の支払調書(業務委託で発行される場合) ・自分で記録した副業の収入・経費の集計表(または会計ソフトの出力)

経費関係の書類

・領収書、レシート ・クレジットカードの利用明細 ・銀行通帳のコピー(経費振込の記録) ・自宅兼仕事場の家賃や光熱費の按分根拠

控除関係の書類

・生命保険料控除証明書 ・地震保険料控除証明書 ・国民年金保険料の控除証明書(自分で払っている場合) ・医療費の領収書(医療費控除を受ける場合) ・寄附金の領収書(ふるさと納税を含む) ・住宅ローン控除関係書類

還付金の振込先

・本人名義の銀行口座情報(金融機関名・支店・口座番号)

これらを揃えて、e-Taxまたは紙の確定申告書に転記していきます。e-Taxを使う場合は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が使いやすく、画面の指示通りに数字を入れていけば自動計算してくれます。

副業年末調整やり方の注意点:実務で起きやすいトラブル

行政書士として副業相談を受けていると、繰り返し聞かれるトラブルがあります。事前に知っておくだけで回避できるものばかりなので、共有しておきます。

申告漏れによるペナルティ

副業所得が20万円を超えているのに確定申告をしなかった場合、無申告加算税(本来納める税額の15〜20%)と延滞税が課されます。悪質と判断されれば重加算税(最大40%)になることもあります。

私が相談を受けたケースでは、副業所得が35万円あったのに「20万円ぐらいだろう」と勘違いして申告しなかった会社員の方が、3年後に税務署から指摘を受けて、本税+加算税+延滞税で合計15万円近い追加納税になりました。最初から申告していれば数万円で済んでいた話です。法律はあなたの味方ですが、無視すると牙を剥きます。

経費の按分計算ミス

自宅で副業をしている場合、家賃・電気代・通信費の一部を経費に計上できますが、すべてを経費にはできません。「副業に使った割合」で按分する必要があります。

例えば、月10万円の家賃を支払っていて、自宅の1部屋(全体の25%相当)を副業専用に使っている場合、家賃のうち2.5万円を経費にできます。これを全額経費にすると、税務調査で否認されます。按分の根拠(部屋数、面積、使用時間など)を残しておくと安全です。

副業先からの源泉徴収票・支払調書の未着

副業先が小規模事業者の場合、源泉徴収票や支払調書を発行してくれない、あるいは送付が遅れることがあります。源泉徴収票は法定調書なので発行義務がありますが、支払調書は支払者の任意なので必ずしも発行されません。

支払調書がなくても、自分の帳簿と入金記録があれば確定申告は可能です。むしろ、支払調書を待っていて期限に間に合わない方が問題なので、自分の記録で淡々と申告するのが正解です。

マイナンバー絡みの不安

「マイナンバーで副業が会社にバレる」と心配する方がいますが、これは誤解です。会社が知ることができるのは、社員のマイナンバー(本人から提出される)だけで、そのマイナンバーを使って税務署や市区町村の情報を照会する権限はありません。マイナンバー自体が副業バレの原因になることはないので、安心してください。

ただし、副業所得を申告した後の住民税通知書経由でバレるリスクは、先ほど解説した通り存在します。バレ防止は住民税の普通徴収設定にかかっています。

副業年末調整やり方をスムーズに進めるための準備:会計ソフトとサービス活用

副業の申告作業を楽にするために、会計ソフトの活用を強くおすすめします。エクセル管理で頑張る選択肢もありますが、年が明けてから1年分の取引を入力するのは現実的に大変です。

クラウド会計ソフトの選択肢

代表的なクラウド会計ソフトとして、freee、マネーフォワードクラウド確定申告、弥生のクラウド版があります。freeeマネーフォワードは、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で取引データを取り込んでくれるため、入力作業が大幅に減ります。月額1,000円〜2,000円程度のサブスク費用で、副業の規模が大きくなくても十分元が取れます。

副業所得が雑所得の場合は、白色申告で十分対応できます。事業所得として青色申告を選ぶ場合は、複式簿記対応の会計ソフトが必須です。

e-Taxの活用

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は、ブラウザ上で確定申告書を作成できる無料サービスです。マイナンバーカードとスマホ(マイナポータルアプリ)があれば、自宅から完全に電子申告で完結できます。e-Tax公式サイトから始められます。

電子申告のメリットは、

・税務署に行かなくて済む(24時間提出可能) ・還付金の入金が早い(紙申告より2〜3週間早い) ・一部の添付書類を省略できる ・控えのデータが手元に残る

副業会社員にとって、平日昼間に税務署へ行く時間を確保するのは大変です。e-Taxを使えるようにマイナンバーカードを取得しておくのが、長期的に見て最も合理的です。

@SOHO独自データの考察:副業実務者から見た申告作業の効率化

私が@SOHOに掲載されている案件を眺めていて感じるのは、業務委託案件の単価感が、副業者にとっての税務戦略に直結しているという点です。

例えばソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、エンジニア系の業務委託は時給換算で3,000円〜5,000円を超える案件も少なくありません。月に20時間副業すれば年間で72万円〜120万円規模になり、確実に確定申告ラインを超えます。最初から「これは確定申告必須案件」として帳簿を付ける前提で取り組む必要があります。

一方で著述家,記者,編集者の年収・単価相場に見られるWebライティングのような案件は、1記事数千円〜数万円規模が多く、最初は20万円ラインを下回るケースもあります。それでも、ライターの仕事は反復・継続しやすい性質を持っているので、半年もすれば20万円超えに到達するケースがほとんどです。「最初は20万円超えないから申告しなくていい」ではなく、最初から記録する習慣をつけておくのが正解です。

副業の形態としてどんな仕事があるかを俯瞰したい方は、@SOHOのお仕事ガイドが参考になります。例えばAIコンサル・業務活用支援のお仕事は、ChatGPT普及以降に需要が急増している分野で、業務委託形式の案件が多いカテゴリです。アプリケーション開発のお仕事も同様に、業務委託で副業しやすい代表的なジャンルです。マーケティングやセキュリティ領域の副業に関心がある方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、どんな案件があるか確認できます。

副業を「給与所得型」ではなく「業務委託型(雑所得・事業所得)」で組み立てれば、住民税の普通徴収切り替えが可能になり、本業会社にバレるリスクを最小化できます。また、業務委託なら経費計上の幅が広く、所得控除の選択肢も増えます。クラウドソーシング系プラットフォームを賢く使うのが、副業税務の出発点とも言えます。@SOHOは手数料0%で運営されているため、報酬の全額を受け取れ、その分が経費計算や所得計算の透明性につながります。

副業を本格化するなら、関連スキルの取得も視野に入ります。例えばビジネス文書検定はライティング系副業の信用度を高める資格として知られており、CCNA(シスコ技術者認定)はネットワーク系の副業案件で評価される代表的な資格です。資格取得費用は副業の経費として認められる可能性もあるため(業務との関連性が問われる)、領収書は必ず保管しておきましょう。

副業の継続には集中力の維持も欠かせません。本業の後の時間や週末の限られた時間で副業をこなすには、効率的な作業環境の整備が必要です。在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックでは、在宅で副業をする方向けの集中力維持テクニックが体系的に紹介されており、副業の生産性を上げるヒントになります。

法律の話に戻すと、フリーランス保護新法(2024年11月施行)の影響で、業務委託副業者の法的保護も強化されました。発注者からの一方的な報酬減額や受領拒否は禁止され、契約条件の明示も義務化されています。副業者であっても、フリーランス・事業者として保護される対象なので、「副業だから泣き寝入り」する必要はありません。これ、知らない人が本当に多いんです。

副業を続けていく中で、税務だけでなく契約面でのトラブルに遭遇することもあります。そのときは、契約書を読み返し、フリーランス保護新法に照らしてどう動くか考えるクセをつけてください。困ったら国の相談窓口(フリーランス・トラブル110番)や、行政書士・弁護士に相談する選択肢があります。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. 副業の所得が20万円以下でも住民税の申告は本当に必要ですか?

はい、必要です。所得税の「20万円ルール」は所得税の確定申告のみに適用され、住民税には適用されません。副業の所得がいくらであっても、市区町村への住民税の申告は必要です。申告しないと、後から追加徴税されるリスクがあります。

Q. 会社に副業を知られたくないのですが、確定申告で対策できますか?

確定申告書の住民税の徴収方法の欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税通知が会社に届かないようにすることが可能です。ただし、給与所得としての副業の場合はこの選択ができないことがあります。

Q. 副業の確定申告では本業の収入も書く必要がありますか?

はい。会社員の副業で確定申告をする場合、本業の給与収入と副業の所得を同じ申告書にまとめて記載します。源泉徴収票の内容をもとに入力します。

Q. 副業の所得が20万円以下なら本当に確定申告は不要ですか?

所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は市区町村に対して別途必要になります。所得税の申告を行えば住民税の手続きも自動で完了するため、将来を見据えてあえて確定申告を行うことをお勧めします。

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長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津

行政書士・元企業法務

企業法務で年間200件以上のフリーランス契約を処理した経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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