Instagram副業の確定申告 PR案件×アフィリエイトの記帳方法

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
Instagram副業の確定申告 PR案件×アフィリエイトの記帳方法

この記事のポイント

  • Instagramの副業で確定申告が必要になるラインと
  • PR案件・アフィリエイト・物販の記帳方法を実務目線で整理
  • 会社員・主婦・学生別の判断基準

Instagramで月に数万円のPR報酬やアフィリエイト収益が入ってきた瞬間、多くの人がふと立ち止まります。「これって確定申告が必要なの?」「会社にバレないの?」「経費って何を入れていいの?」。結論から言うと、給与所得者なら副業所得が年間20万円を超えた時点で確定申告が原則必要で、これを怠ると無申告加算税と延滞税で本税の15〜20%を上乗せで取られる可能性があります。本記事では、Instagram副業に特化して「いつから申告が必要か」「PR案件・アフィリエイト・物販それぞれの記帳方法」「青色申告で65万円控除を取る現実的な手順」までを、実務目線で整理します。

Instagram副業の市場規模と税務署が見ているリアル

Instagramを使った副業は、もはやニッチではなく数十万人規模で広がっている市場です。インフルエンサーマーケティング協会が公表しているデータでは、国内のインフルエンサーマーケティング市場は年率15%以上で成長しており、フォロワー1,000人台のいわゆる「ナノインフルエンサー」までPR案件の対象が広がっています。化粧品・サプリ・ガジェット・地方グルメまで、企業側は「フォロワー数より熱量」を見るようになり、副業勢にもチャンスが回ってきている、というのが現状です。

ただ、この流れを税務署も当然把握しています。SNS経由の所得については、国税庁がプラットフォーム事業者への情報提供要請を強化しており、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)への取引照会、海外送金(PayPal経由のアフィリエイト報酬等)の自動把握、特定のキャンペーン関連口座の動きの監視など、「個人だからバレない」という時代はとっくに終わっています。正直なところ、「SNSの副業は申告しなくてもバレない」という古い情報を未だに発信しているアカウントを見ると、これはどうかと思います。リスクが見合わない。

副業の所得規模を一度マクロで整理しておきます。Instagramを副業にしている個人の平均的な収入レンジは、月数千円〜数万円の層が最も厚く、月10万円を超えると上位2割、月30万円超えで上位1%といったイメージです。フォロワー1万人前後でPR案件単価は1投稿3,000〜2万円あたりが相場で、これにアフィリエイト・自社商品販売・コンサル収入が乗っていく構造になっています。つまり、ほとんどの副業Instagram運用者は「申告が必要な可能性が十分にある所得水準」に達している、という前提で読み進めてください。

いつから確定申告が必要になるのか(20万円ルールの正しい理解)

ここが最も誤解されている部分です。多くの人が「副業20万円以下なら申告不要」と覚えていますが、これは半分しか合っていません。

まず、給与所得者(会社員・パート・アルバイト)の場合、本業以外の所得が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。

会社員などが副業をした場合、副業の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。副業の収入や報酬から源泉徴収をされているなら、確定申告をすれば納めすぎた税金が返金される可能性が高いでしょう。ただ、所得税の確定申告をするには、書類の作成や税金の計算など面倒な作業が多いため、負担に感じる方もいるかもしれません。

ポイントは「収入」ではなく「所得」で判定すること。所得とは「収入 − 必要経費」で、たとえばPR案件の報酬合計が年間40万円あっても、撮影機材や通信費などの経費を差し引いた所得が18万円なら、所得税の確定申告は不要、という整理になります。

ただし、ここに大きな落とし穴があります。所得税の20万円ルールは「住民税」には適用されないという点です。住民税は副業所得が1円でもあれば、原則として市区町村への申告が必要です。所得税の申告をしないと、その情報が自治体に流れず、結果的に住民税の申告漏れになります。これが「会社に住民税通知が届いて副業バレ」の典型パターンです。住民税の落とし穴については副業の確定申告20万円ルールを正しく理解する|住民税の落とし穴に注意【2026年版】で詳しく整理しているので、合わせて確認しておくことをおすすめします。

会社員以外のパターンも整理します。専業主婦・学生・無職などで給与所得がない人は、副業所得が48万円(基礎控除額)を超えると確定申告が必要です。フリーランス・個人事業主の場合は所得額に関わらず申告義務があります。「Instagramだけで生活していて他に収入がない」という人は、年間所得48万円が一つの基準になる、と覚えておけば十分です。

私自身、副業ライターを始めた最初の年に「20万円以下だから何もしなくていいだろう」と高をくくっていたら、翌年に住民税の額が急に上がって会社の経理から問い合わせがきた経験があります。住民税申告だけは別途必要だった、というのは知らないと完全に踏み抜く落とし穴です。

Instagram副業の収入種別を整理する(記帳の前準備)

確定申告の前提として、自分の収入が何種類あるかを棚卸しする必要があります。Instagram経由で発生する収入は、税務上の扱いがバラバラで、ここを混ぜて処理すると後で痛い目を見ます。

主な収入種別は次の通りです。

1. PR案件・タイアップ投稿の報酬 企業から「商品を投稿して紹介してください」と直接依頼されるパターン。報酬は1投稿あたり3,000〜10万円が相場で、フォロワー1万人で1〜3万円、5万人で5〜15万円、10万人で10〜30万円といったレンジです。源泉徴収されているケースとされていないケースがあり、報酬が10.21%源泉されているなら、申告すれば還付になる可能性もあります。

2. アフィリエイト報酬 プロフィールやストーリーズ、リンクツリー経由でASP経由のアフィリエイトリンクを貼り、成果報酬を得るパターン。A8.net、もしもアフィリエイト、afb、楽天アフィリエイト、Amazonアソシエイトあたりが定番です。確定金額のタイミング(クリック発生月か承認月か)で計上時期が変わるため、ここは要注意です。

3. ギフティング(商品提供)の現物 「商品を無償で提供するので投稿してください」というパターン。原則として、提供された商品の市場価格が「現物給与」として収入計上対象になります。化粧品サンプル程度なら税務上ほぼ問題ないですが、家電・家具・旅行招待などになると無視できない金額になります。

4. 自社商品・サービスの販売収入 電子書籍、テンプレート、コンサル、オンラインサロン、撮影代行など、Instagram経由で自分の商品・サービスを売って得た収入。これは事業所得(または雑所得)として申告します。

5. ライブ配信・スーパーチャット・投げ銭 Instagramライブのバッジ機能などで得る視聴者からの支払い。これも収入になります。

しかし、副業として得た収益は、原則として課税対象です。たとえ1件数千円の報酬であっても、確定申告が必要になる場合があります。

私が複数のメディアで編集を担当していたとき、SNS発信者の確定申告サポート記事を作る過程で痛感したのは、「収入の種類ごとに台帳を分けないと、後で必ず破綻する」ということです。月末に1ヶ月分まとめて記帳しようとすると、ASPの管理画面を10個開いて、PR案件のメールを遡って、ギフティングの商品リストを思い出して……と地獄を見ます。週次で集計する習慣を最初に作っておくのが結局一番ラクです。

PR案件の記帳方法(売上の計上タイミングと源泉徴収の処理)

PR案件は記帳が比較的シンプルですが、「いつ売上を計上するか」だけは押さえておく必要があります。

原則は発生主義です。つまり、お金が入金された日ではなく、サービスを提供した日(=投稿が公開された日、もしくは契約上の業務完了日)で売上を計上します。例えば12月25日に投稿して、入金が翌年1月20日でも、売上は12月の収入に計上します。これを「現金が振り込まれた日」で記帳すると、年をまたぐ案件で年度の数字が狂います。

仕訳のイメージは次のような形です。

12月25日に投稿、報酬5万円、源泉徴収10.21%が引かれて手取り44,895円が翌月入金されるケース。

日付 借方 金額 貸方 金額
12/25 売掛金 50,000 売上 50,000
1/20 普通預金 44,895 売掛金 50,000
1/20 仮払源泉所得税 5,105

ここで重要なのは、源泉徴収された5,105円は「仮払源泉所得税」として記帳しておくことです。確定申告の際にこれを集計して、所得税の前払い分として精算します。源泉徴収されている案件は、確定申告すれば一部還付になることが多いので、源泉票(支払調書)や報酬明細は必ず保管してください。

ちなみに、企業によっては源泉徴収しないところもあります。これは支払者側の判断で、フリーランスへの報酬で源泉徴収が必要かどうかは業務内容によって変わります。源泉徴収されていない案件は、その分自分で所得税を計算して納める必要があるだけで、収入額が変わるわけではありません。

PR案件で計上できる経費は、撮影機材(カメラ・三脚・照明)、商品撮影用の小物、編集ソフト代、自宅で撮影している場合の家賃・電気代の按分(事業使用割合)、移動費、衣装・メイク用品(業務用に限る)、Wi-Fi・通信費の按分、などです。私物との境界線がグレーになりやすいのが衣装と化粧品で、「投稿のために購入した」と明確に説明できるもの以外は経費にしない方が安全です。

アフィリエイト報酬の記帳方法(確定タイミングと未収収益)

アフィリエイトはPR案件より少し複雑です。ポイントは「成果発生日」「確定日(承認日)」「支払日」の3つのタイミングがあること。

ASP(A8、もしも、afb、Amazonアソシエイトなど)の管理画面を見ると、各案件に「未確定」「確定」「キャンセル」のステータスがあります。例えば購入が発生してから30〜60日後に承認・確定するケースが一般的で、その後さらに翌月末や翌々月末に振り込まれる、という流れになります。

税務上の売上計上タイミングは、原則として確定日(承認日)を採用します。発生日では計上しません。なぜなら、未確定の段階ではキャンセル(返品など)の可能性があり、収入として確定していないからです。確定日ベースで売上計上 → 入金日に売掛金消し込み、というのが基本の流れです。

仕訳イメージは次の通りです。

11月成果分が12月20日に確定、12,000円。報酬は1月末に最低支払額(多くは1,000〜5,000円)を超えたタイミングで翌月15日支払い、というケース。

日付 借方 金額 貸方 金額
12/20 売掛金 12,000 売上 12,000
2/15 普通預金 12,000 売掛金 12,000

複数ASPを使っている場合は、ASPごとに補助科目を分けて記帳しておくと後で集計が圧倒的にラクになります。「売上 - A8」「売上 - もしも」「売上 - 楽天アフィリ」のような形ですね。

アフィリエイトで計上できる経費は、ドメイン代・サーバー代(外部サイトを併用している場合)、リンクツリー等の月額サービス、ライティング学習費(書籍・講座)、撮影機材、商品レビュー用のサンプル購入費(業務目的に限る)、画像素材サイトの利用料、Canva等のデザインツールのサブスク代、などが代表的です。

注意点として、Amazonアソシエイトのギフト券報酬や、楽天アフィリの楽天ポイント報酬も、課税対象の収入です。「現金じゃないから関係ない」と思いがちですが、ギフト券・ポイントも経済的利益として収入計上が必要です。ここを抜くと、税務調査で必ず指摘されます。

ギフティング(商品提供)の現物収入をどう扱うか

ここが副業Instagramユーザーが最も判断に迷うポイントです。商品を無償で提供してもらって投稿する「ギフティング案件」は、税務上「現物による収入」として計上対象になります。

原則として、市場価格相当額を収入として計上します。例えば3万円相当のスキンケア家電をもらって投稿した場合、3万円を収入として計上し、同時にその家電を経費(消耗品費・取材費等)として計上する、という処理が一般的です。結果的に売上3万円・経費3万円で利益はゼロですが、収入規模としては記録に残ります。

ただし、ここには現実的な実務判断が入ります。サンプルレベル(化粧品試供品、菓子サンプルなど数百円〜数千円の物品)は、慣行的に収入計上しないケースも多いです。一方、家電・家具・旅行招待・コンサート招待・高額アクセサリーなど、明らかに「商品の価値で報酬を支払っている」と判断できるものは、必ず収入計上が必要です。判断基準としては「もしこれを現金でもらっていたら課税対象だよね」と感じる金額・物品はすべて収入計上する、と考えるのが安全です。

私自身、編集の仕事でインフルエンサーの取材をしたときに、税理士の方から「ギフティング1件1万円超は記録しておけ」と言われたことがあります。理由は単純で、税務調査が入ったときに「これは何でもらった商品ですか?」と聞かれて答えられないと、すべて収入推定で計算されてしまうから。台帳に日付・案件名・商品名・市場価格・経費計上の有無を残しておくだけで、後でいくらでも対応できます。

なお、ギフティング案件のメール・契約書・SNS DMの履歴は必ず保管してください。「これは無償の商品提供で報酬じゃない」と主張する根拠資料になります。

経費の按分計算(自宅・スマホ・パソコンの事業使用割合)

副業の経費で最も論点になるのが「按分」です。自宅で投稿を作っている、スマホで撮影している、パソコンで編集している場合、それらは私用と事業用で兼用しているわけで、全額を経費にすることはできません。事業に使用している割合を合理的に算出して、その分だけ経費に計上する必要があります。

按分の目安は次の通りです。

家賃・水道光熱費・通信費の按分例

項目 按分基準 一般的な割合
家賃 仕事用スペースの床面積比 10〜25%
電気代 使用時間 15〜30%
Wi-Fi通信費 業務利用時間 30〜50%
スマホ通信費 業務通話・データ使用比 30〜70%
パソコン 使用時間比 50〜80%

按分の根拠は説明できる形にしておく必要があります。「全体6畳のうち1.5畳を撮影スペース・編集デスクとして使用しているので25%」のように、合理的なロジックを残しておけばOKです。

注意したいのは、按分割合を高く設定しすぎないこと。Instagram副業で家賃の50%を経費にしているのは現実的ではなく、税務調査で必ず否認されます。マクロ的な相場感としては、副業レベルなら家賃按分10〜20%、通信費按分30〜50%が落としどころと考えてください。

経費にできるかどうか迷う支出の判断基準は3つ。「①事業のために必要だったか」「②金額が事業規模に対して妥当か」「③記録・領収書が残せるか」。この3つを満たすなら経費計上の余地があり、満たさないなら計上しない方が安全です。

青色申告と白色申告の選び方(65万円控除を取るべきか)

副業所得が一定額を超えてきたら、青色申告を検討する価値が出てきます。

青色申告のメリットは大きく3つ。最大65万円の特別控除、赤字の3年間繰越、家族への給与(青色事業専従者給与)の経費算入。一方、デメリットは複式簿記での記帳が必要なこと、事前に「青色申告承認申請書」の提出が必要なことです。

ただ、最近は会計ソフトが優秀なので、複式簿記のハードルは下がっています。freee、マネーフォワード、弥生といったクラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して自動仕訳してくれるので、副業レベルなら月1〜2時間の作業で青色申告まで完結します。

青色申告で65万円控除を取るには3つの条件があります。①複式簿記での記帳、②貸借対照表と損益計算書の作成、③電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存。これらを満たさないと控除額が55万円や10万円に下がります。

副業所得別の青色申告メリット試算(所得税・住民税合わせた節税額の目安)

副業所得 青色65万控除の節税効果 青色を選ぶべきか
〜30万円 約6万円 検討余地あり
30〜60万円 約10〜13万円 おすすめ
60〜100万円 約13〜20万円 強くおすすめ
100万円〜 20万円超 必須レベル

副業所得が年間60万円を超えてくるなら、青色申告にして65万円控除を取らない理由はほぼありません。会計ソフトのコストは月1,000〜3,000円程度で、節税効果と比べれば誤差レベルです。

ただ注意点として、副業として「事業所得」で青色申告するか、「雑所得」のままにしておくかの判断は、税務署側の見方で変わります。継続的に収入があり、帳簿を備え付け、社会通念上「事業」と認められる規模・継続性があれば事業所得として申告できます。月数千円の散発的なアフィリエイト収入だけだと、雑所得扱いになるケースが多いです。事業所得か雑所得かの判断は所得額だけでなく、帳簿の整備状況・継続性・営利性などを総合的に見られるので、グレーな場合は最寄りの税務署か税理士に相談するのが確実です。

会社にバレない申告方法と住民税の取り扱い

副業を会社に知られたくない、というのは現実的な悩みです。ここを正確に整理しておきます。

会社に副業がバレる経路は、ほぼ100%「住民税の額が変わること」です。給与から天引きされる住民税の額が同期入社の人と明らかに違うと、経理が「あれ?」となります。これを防ぐためには、確定申告の際に住民税の納付方法を「自分で納付(普通徴収)」にチェックする必要があります。

確定申告書の第二表に「住民税に関する事項」という欄があり、「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」を「自分で納付」に選択することで、副業分の住民税が自宅に納付書として届くようになります。これを忘れて「給与から天引き」を選ぶと、本業の給与から副業分も含めて天引きされて、会社にバレる可能性が出ます。

ただし、これは自治体によって運用が違うので、確実を期すなら申告後に市区町村の税務担当窓口に「副業分は普通徴収にしてください」と一言伝えると安心です。詳しくは副業フリーランスの確定申告|会社にバレない住民税の申告方法2026で具体的な手順を整理しているので、参考にしてください。

注意したいのは、副業が「給与所得」(=他社にアルバイトとして雇用される)の場合は、原則として普通徴収にできません。アルバイト先の給与は本業の給与と合算して特別徴収される仕組みです。Instagram副業は「事業所得」または「雑所得」になるので、ここは問題なく普通徴収を選べます。

また、「マイナンバーで副業がバレる」という都市伝説がありますが、これは誤解です。マイナンバー制度自体は副業を会社に通知する仕組みを持っていません。バレるのは住民税の動きを通じてです。

クラウドソーシング併用パターンの確定申告

Instagram副業をしている人の多くは、クラウドソーシングサービスでライティング・デザイン・SNS運用代行の仕事も並行しています。この場合、収入源が分散するので、申告時の整理が重要になります。

クラウドソーシング経由の収入も、原則として同じ副業所得(事業所得 or 雑所得)として合算します。具体的な経費の取り扱いや申告方法はクラウドソーシングの確定申告ガイド|副業・フリーランスの税金と経費で詳しく整理していますが、Instagramと共通する経費(撮影機材・通信費・書籍代など)は二重計上しないように注意が必要です。

クラウドソーシングの大手プラットフォームでは、報酬から16.5〜22%のシステム手数料が引かれます。年間100万円稼ぐ場合、16.5〜22万円が消える計算です。これに対して、@SOHOのようにシステム手数料0%のプラットフォームを併用することで、手取りベースの収入を増やすのが副業効率化の王道です。確定申告上は「売上から手数料を差し引いた金額」ではなく、「売上総額」を計上した上で、手数料を「支払手数料」として経費計上するのが正しい処理になります。

税務調査リスクとペナルティの具体額

「副業の確定申告をしなかった場合、何が起きるか」を冷静に整理しておきます。

無申告のペナルティは大きく3つです。

1. 無申告加算税 本来納めるべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%が加算されます。税務署の調査を受ける前に自主的に申告すれば5%に軽減されますが、調査開始後だと最大30%まで上がります。

2. 延滞税 法定納期限から納付までの期間に対して、年率2.4〜8.7%程度の延滞税がかかります(時期と期間によって変動)。2年放置すると本税の10%以上が延滞税で上乗せされる計算です。

3. 重加算税(悪質な場合) 意図的に隠蔽していたと認定されると、無申告加算税に代わって40%の重加算税が課されます。さらに刑事罰の対象になる可能性もあります。

例えば、本来納めるべき所得税が30万円で、これを2年放置していた場合、本税30万円+無申告加算税4.5万円+延滞税6万円程度=合計40万円超を支払うことになります。30万円のために10万円以上のペナルティ。これは合理的とは言えません。

国税庁は近年、SNS・ネットビジネス関連の所得への調査を強化しています。特にアフィリエイトASP・決済代行・PayPal等への取引照会、SNS投稿内容と申告内容の照合、海外送金の自動報告(CRS制度)など、個人が把握しきれない経路で情報が集まる仕組みが整っています。「バレないだろう」という前提で動くのは、コストパフォーマンスが極端に悪い選択です。

副業Instagram運用者が押さえておくべき関連スキルと案件

Instagramの副業を本格化させていくと、PR案件だけでなく「企業のSNS運用を代行する」「動画編集を請け負う」「インフルエンサーマーケティング全体を企画する」といった隣接領域に展開する人が増えています。これは収入源の分散とスキル単価の向上という観点で合理的な選択です。

@SOHOのキャリア・副業・人生相談のお仕事カテゴリでは、副業経験者が他の人の相談に乗るコンサル・コーチング案件も多数掲載されています。Instagramで一定のフォロワー数とノウハウが溜まったら、「相談を受ける側」に回るのも一つの選択肢です。

また、企業案件としてはSNS運用代行・SNS広告のお仕事が伸びています。Instagram運用の経験をそのまま企業アカウントの運用代行に転用できるので、副業の収入源を「自分のアカウント」から「他社アカウント」へ広げていく動きは合理的です。さらに大きな案件として動画マーケ・インフルエンサーPRのお仕事もあり、リール動画やショート動画を中心に企画・制作・運用を一気通貫で請け負うケースが増えています。

スキルの単価感を把握しておくと、自分の副業時給を冷静に評価できます。Instagram運用と隣接領域の年収・単価相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場ソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。記事執筆・編集系で副業を取り入れると時給換算1,500〜3,000円、企業案件のSNS運用代行で月5〜30万円のレンジが現実的なところです。

スキルアップの方向性として、Adobeのデザインツールを使いこなせるようになると案件単価が一気に上がります。Adobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような資格を取っておくと、企業のSNS運用代行案件の受注率が上がるという声を聞きます。また、PR案件・契約周りのトラブルが増えてきた場合は、契約書のチェックを業務として依頼できる行政書士に相談できる体制を持っておくと、長期的に安心です。

@SOHO独自データから見るInstagram副業の経済性

@SOHOに掲載されている副業関連の案件データを横断で見ると、Instagram運用スキルを活かせる案件の単価レンジには明確な傾向があります。

SNS運用代行系の案件単価は、コンテンツ企画のみで月3〜10万円、運用代行込みで月10〜30万円、戦略立案+運用+広告運用込みで月30〜100万円というレンジです。ここで重要なのは、Instagramで自分のアカウントを運用しているという「実績」が、そのまま案件獲得時のポートフォリオになる点です。フォロワー数が少なくても、エンゲージメント率や運用思想を言語化できる人は単価が高く出やすい傾向があります。

PR案件・アフィリエイト・SNS運用代行の3軸で副業を組み立てる場合、確定申告上の処理は「同じ副業所得」としてまとめられます。複式簿記で各収入源を補助科目で分けておけば、青色申告も無理なく回せます。月額のコスト感としては、会計ソフト1,000〜3,000円、撮影機材・編集ソフトの償却で月5,000円前後、通信費按分で月3,000〜5,000円程度。トータル月1万円前後のランニングコストで、複数の収入源を整理しながら運用していく形が現実的です。

副業の確定申告は「面倒な義務」と捉えられがちですが、見方を変えれば「自分の事業を可視化する作業」でもあります。何が利益を生んでいるのか、どの経費が無駄なのか、どこに時間をかけるべきか、台帳をつけることで初めて見えてきます。Instagram副業を「お小遣い稼ぎ」から「事業」に育てていくには、確定申告と帳簿付けこそが最初の登竜門だと、私は考えています。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 副業の確定申告は売上20万円を超えたら必要ですか?

基準になるのは原則として売上ではなく、収入から必要経費を差し引いた所得です。副業所得が20万円を超える会社員は、確定申告が必要になるのが基本です。

Q. 副業の所得が20万円以下でも住民税の申告は本当に必要ですか?

はい、必要です。所得税の「20万円ルール」は所得税の確定申告のみに適用され、住民税には適用されません。副業の所得がいくらであっても、市区町村への住民税の申告は必要です。申告しないと、後から追加徴税されるリスクがあります。

Q. 副業で赤字が出た場合、確定申告をするメリットはありますか?

副業が「事業所得」として認められる場合、本業の給与所得と損益通算(赤字を差し引くこと)ができるため、源泉徴収された税金が戻ってくる可能性があります。ただし、「雑所得」の場合は損益通算ができません。

Q. 会社に副業を知られたくないのですが、確定申告で対策できますか?

確定申告書の住民税の徴収方法の欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税通知が会社に届かないようにすることが可能です。ただし、給与所得としての副業の場合はこの選択ができないことがあります。

Q. 副業の確定申告をしないとどうなりますか?

税務署に把握された場合、延滞税(年利7.3〜14.6%)や無申告加算税(15〜20%)がかかります。クラウドソーシングの報酬は支払調書を通じて税務署に把握されているため、「申告しなくてもバレない」ということはありません。

朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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