小規模保育園の人間関係|狭い職場での距離の取り方


この記事のポイント
- ✓小規模保育園の人間関係がなぜこじれやすいのかを
- ✓職員数と部屋の構造から解説します
- ✓起きやすい5つのパターン
「小規模保育園の人間関係がしんどいです」
このご相談、本当に多いんです。そして、お話を聞いていていつも思うのは、相談される方のほとんどが「自分の性格に問題があるのでは」と思い込んでいらっしゃることです。
大丈夫ですよ。それ、性格の問題ではありません。職員が5人から12人ほどしかいない部屋で、朝から夕方まで一緒にいる。この条件なら、誰が入っても摩擦は起きます。構造がそうなっているんです。
今日は、その構造をひとつずつ分解して、狭い職場でどう距離を取ればいいのかをお話しします。すぐにできることから書きますので、今つらい方は、途中の「距離の取り方」から読んでいただいても構いません。
なぜ小規模保育園の人間関係は、こじれると深くなるのか
まず、なぜこうなるのかを知っておいてください。理由が分かるだけで、自分を責める気持ちがずいぶん軽くなります。
小規模保育園は、定員6人から19人、対象は0歳から2歳という認可の保育事業です。子どもの数が少ないので、職員の数も少なくなります。
ここから、3つのことが同時に起こります。
ひとつめ、物理的に離れられない。定員が19人以下ですから、部屋を分けるほどの人数がいません。0歳の子も2歳の子も、同じ空間にいます。ということは、職員も同じ空間にいます。大規模園なら、クラスが違えば1日顔を合わせないこともありますが、小規模保育園では、それがありません。しかも休憩室が事務スペースと兼用の園が多く、休憩中ですら距離が取れないことがあります。
ふたつめ、関係の偏りが全体に及ぶ。職員が6人の職場で2人の関係がぎくしゃくすれば、それは全体の3分の1が不調ということになります。大規模園なら他のクラスに吸収されて見えなくなる摩擦が、小規模では隠れません。誰が誰と話していないかが、全員に分かってしまいます。
みっつめ、役割の境界がない。小規模保育園には、大規模園のような担任の壁がありません。名目上の担当はあっても、実際には全員が全員の子を見ます。これは保育としては良いことなのですが、人間関係の面では「自分の領分」がないということでもあります。やり方の違いが、そのまま毎日ぶつかります。
この3つが重なると、どうなるか。逃げ場がなくて、隠れなくて、毎日ぶつかる。つまり、こじれたときに深くなるのは当たり前なんです。あなたの人付き合いが下手だからではありません。
小規模保育園で起きやすい、5つのパターン
相談を受けていて、繰り返し出てくるパターンがあります。自分がどれに当てはまるかを知ると、対処の方向が決まります。
パターン1:1対1の関係が濃くなりすぎる。人数が少ないので、派閥ができることは実はあまりありません。その代わり、特定の2人の関係がとても濃くなります。相性が良ければ心強いのですが、悪くなると逃げ場がありません。
パターン2:ベテランと新人の差がそのまま出る。職員が少ないと、経験年数の中間層がいないことがあります。15年の人と1年の人だけ、という構成です。この場合、間に立って通訳してくれる人がいません。ベテランの言葉がそのまま新人に届き、新人はそれを厳しさとして受け取ります。
パターン3:施設長との距離が近すぎる。大規模園の園長は、日常的に保育室にいません。小規模保育園の施設長は、保育に入ります。つまり、評価する人が隣で一緒に働いているということです。良い面もありますが、常に見られているという緊張が続きます。
パターン4:保育観の違いが毎日ぶつかる。抱っこをどこまでするか、泣いている子にどのタイミングで声をかけるか、食事をどこまで促すか。大規模園なら「そういうやり方もある」で済むことが、同じ部屋にいると毎回目に入ります。
パターン5:話がすぐ全員に伝わる。人数が少ないので、誰かに話したことは、ほぼ全員に伝わると考えたほうがいいです。悪意の有無にかかわらず、情報は狭い場所ほど速く回ります。
どのパターンも、個人の性格ではなく、人数と空間が作り出しているものです。ここを間違えないでください。
保育観のずれは、人格の否定ではありません
パターン4について、もう少し詳しくお話しします。相談でいちばん多く、そしていちばん苦しくなりやすいところだからです。
保育観の違いでぶつかると、多くの方が「自分の保育を否定された」と感じます。そして、否定した相手のことを「合わない人」と判断します。ここで関係が止まってしまうんです。
でも、実際に何が起きているかというと、根拠にしている経験が違うだけ、ということがほとんどです。大規模園で20人の子を見てきた人と、小規模で6人を見てきた人では、身につけた判断の型が違います。20人を見てきた人は、全体を回すことを優先する判断が身についています。6人を見てきた人は、一人に時間をかける判断が身についています。どちらも、その環境では正解でした。
だから、ぶつかったときに聞いてほしい質問があります。「なぜそうされているんですか」です。責める口調ではなく、本当に知りたいという気持ちで聞く。これだけで、相手の答えが変わります。多くの場合、そこには経験に裏づけられた理由があります。理由が分かれば、納得できなくても、少なくとも敵ではなくなります。
私自身、対人支援の仕事を始めたころに同じ失敗をしました。相談者への関わり方について先輩と意見が食い違ったとき、自分のやり方を守ることに必死になってしまったんです。後になって、その先輩が過去に同じような場面で難しい経験をしていたことを知りました。理由を聞いていれば、あの半年は違ったと思います。聞くのは、負けではありません。
距離の取り方1:物理で取れないなら、時間で取る
ここからは、具体的な方法です。
小規模保育園では、物理的な距離を取ることがほぼ不可能です。だから、時間で距離を取るという発想に切り替えます。
いちばん簡単なのは、休憩の取り方をずらすことです。休憩が交代制なら、意識的に相手と違う時間帯に入る。これだけで、1日45分から60分、一緒にいない時間が作れます。シフト調整の理由を説明する必要はありません。「この時間のほうが書類が進むので」で十分です。
次に、出勤と退勤の時間。早番と遅番が交互に回る園なら、シフトの組み方で顔を合わせる時間を減らせます。すべてを自分で決められるわけではありませんが、希望を出す機会があるなら使ってください。
それから、散歩の役割分担。バギーを押す人、手をつなぐ人、最後尾を歩く人。この配置を毎回同じにしないだけで、密度が変わります。
5分でもいいので、一人になれる時間を1日の中に作ることも大切です。書類を取りに行くとき、備品を補充するとき。ほんの数分でも、意識して呼吸を整える時間にすると、午後の消耗が違ってきます。
こういう工夫を、逃げだと感じる必要はまったくありません。消耗しない仕組みを作ることは、仕事を続けるための技術です。
もうひとつ、通勤時間を活用する方法もお伝えしておきます。帰り道の15分を、意識的に切り替えの時間にするんです。園を出てから最初の角を曲がるまでで今日のことを考え終える、と決めてしまう。決めたからといって完璧にできるわけではありませんが、区切りを意識するだけで、家に持ち帰る量が減ります。
そして、園の中で話題を選ぶことも、立派な距離の取り方です。保育の話はする、プライベートの話は必要以上に出さない。この線を自分の中に引いておくと、関係が深まりすぎずに済みます。深まりすぎた関係は、こじれたときに戻しにくい。小規模保育園では、ほどよい距離を保つほうが、結果的に長く続きます。
距離の取り方2:伝え方を「事実と要望」の形に変える
言いたいことが言えない、というご相談もよくいただきます。
小規模保育園では、言いにくさが特に強く出ます。明日も明後日も同じ部屋にいるので、一度気まずくなったら逃げられないと分かっているからです。だから飲み込む。飲み込んだものが溜まって、ある日限界が来る。この流れを、相談の中で何度も見てきました。
飲み込まずに伝えるために、形を決めておくと楽になります。事実と要望だけを言うという形です。
たとえば、連絡の行き違いがあったとき。「ちゃんと伝えてくださいよ」と言うと、相手の人格への評価になります。そうではなく、「昨日のお迎えのときに、体温のことが保護者の方に伝わっていなくて、私が聞かれて答えられませんでした。次からは、記録に書いておいてもらえると助かります」と言う。
起きた事実と、次にどうしてほしいか。この2つだけを言葉にします。評価も、感情も、推測も入れません。
これは冷たい言い方に見えるかもしれませんが、実際はその逆です。相手を責めていないので、相手も身構えません。そして何より、言った自分が消耗しません。責める言い方をすると、言ったあとに罪悪感が残ります。その罪悪感が、次に言えなくする原因になるんです。
最初はうまくいかなくて構いません。私がカウンセリングでお伝えするときも、まずは頭の中で組み立てる練習から始めていただきます。口に出す前に、事実は何か、要望は何かを分けてみる。これを何度かやると、自然に出てくるようになります。
距離の取り方3:味方を、園の外に持つ
これが、いちばん効きます。
小規模保育園でつらくなる方の多くは、職場の中だけで解決しようとしています。でも、職員が6人の職場で、そのうち1人との関係が悪いとき、残りの4人に相談するのは簡単ではありません。相談した相手が、相手と親しい可能性があるからです。そして前述のとおり、話は速く回ります。
だから、園の外に話せる相手を持ってください。
同じ職種の友人でも、前職の同僚でも、家族でも構いません。大事なのは、その人が園の中の人間関係に利害を持っていないことです。利害のない相手に話すと、自分が何に困っているのかが整理されます。整理されると、対処の方向が見えてきます。
自治体の保育士支援窓口や、保育士会の相談窓口を利用する方法もあります。守秘義務のもとで話を聞いてもらえますし、同じような相談を数多く受けている人たちなので、状況を理解するのが早いです。
それから、法人内に別の園がある場合は、そこの職員と話す機会を大切にしてください。研修や合同行事で顔を合わせたときに、少し話しておく。この関係が、いざ異動を考えるときに効いてきます。
保護者との距離も、実は同じ構造を持っています
職員同士の話ばかりしてきましたが、小規模保育園では保護者との距離も近くなります。ここも、消耗の原因になることがあります。
定員が少ないので、全員の保護者の顔と名前が一致します。お迎えのたびに、その日の様子を口頭で伝えます。これは信頼関係を作るうえで大きな強みで、実際、保護者からの評価も高い部分です。
また、「おうち保育園」に入園し、満3歳の4月以降は連携園である「みんなのみらいをつくる保育園」への転園を経験されたご家族は、 おうち保育園を「小規模保育園」というだけで、選択肢から外してしまうのはすごくモッタイナイと感じます。一人ひとりと向き合って手厚く見てもらえるのはおうち保育園ならでは。敬遠している人にこそぜひ一度門戸を叩いてほしいです。 と語ってくれました。 出典: mirai.florence.or.jp
一人ひとりと向き合ってもらえる。保護者にとっては、これが何より嬉しいことです。そして、それを実現しているのは現場の職員です。
ただ、向き合う密度が高いということは、職員側の負荷も高いということでもあります。要望の強い保護者がいた場合、その負荷は担当している職員に集中します。大規模園のように、別の職員が代わって対応するという逃がし方が取りにくいんです。
ここで大事なのは、保護者対応を一人で抱え込まないことです。難しいやり取りがあった日は、その日のうちに施設長に共有してください。内容だけでなく、自分がどう感じたかも一緒に。共有した記録が残っていると、事態が大きくなったときに一人で立つことにならずに済みます。
もうひとつ、卒園が3歳で来るという構造も、保護者との関係に影響します。年度の後半になると、「次はどこへ行けるのか」という不安が保護者の間で高まります。連携施設の枠が十分でない地域では、この不安が担任に向かいます。制度の問題であって、目の前の職員にはどうにもできないことなのですが、不安は制度ではなく人に向くものです。
こういうとき、自分が答えを持っていないことを責めないでください。答えるべきは園の運営側であり、必要なら自治体です。「私からは確答できないので、施設長から説明する場を作ります」と伝えて、一度引き取る。これは逃げではなく、正しい役割分担です。
保護者との距離が近いことは、小規模保育園の良さです。ただ、良さを守るためには、職員の側が抱えきれない部分をきちんと外に出す必要があります。抱え込んだまま笑顔を続けると、続かなくなります。
新しく入った人が孤立しやすい、最初の3か月
ここまでは、すでに働いている方向けの話をしてきました。今度は、入職直後の話をします。相談の中で、この時期のつまずきがとても多いからです。
小規模保育園に新しく入ると、最初に感じるのは「聞ける相手がいない」ということです。大規模園なら、迷ったときに近くの先輩に聞けます。小規模保育園では、その先輩が別の子を抱いていて手が離せない場面が日常的にあります。
このとき、多くの方が「聞けなかった自分が悪い」と思い込みます。でも、そうではありません。聞くタイミングを園が用意していないだけです。
だから、入職して最初の1週間のうちに、施設長に確認してほしいことがあります。「分からないことがあったとき、誰に聞けばいいですか」「その日の判断を振り返る時間はありますか」。この2つです。終業後に10分でも振り返る時間がある園では、新しく入った人が孤立しません。無い園なら、作ってもらえないか相談してみてください。
もうひとつ、入職直後に起きやすいのが、既存の関係に入れないという感覚です。人数が少ない職場には、すでに出来上がった呼吸があります。言わなくても伝わる、目配せで動く。その中に入ると、自分だけが取り残されている気持ちになります。
これは、時間で解決する部分が大きいです。ただ、早める方法はあります。自分から情報を出すことです。「今日、この場面で迷いました」「この子のこういう様子が気になりました」。答えを求めるのではなく、観察を共有する。観察の共有は、経験年数に関係なくできることで、しかも相手にとって役に立ちます。これを続けていると、少しずつ呼吸が合ってきます。
3か月を過ぎても居場所がないと感じるなら、それは自分の努力不足ではなく、その園が新しい人を受け入れる仕組みを持っていないということです。そこは、はっきり分けて考えてください。
施設長に相談するとき、何をどう言えばいいか
人間関係を施設長に相談するのは、勇気が要ります。告げ口のように思われないか、自分の評価が下がらないか。そう心配される方が多いです。
コツがあります。人ではなく、業務の問題として持っていくことです。
「Aさんと合わないんです」と言うと、人間関係の話になります。そうではなく、「引き継ぎの行き違いが先月3回あって、保護者対応に影響が出ています。記録の書き方を統一したいのですが、相談できますか」と言う。
こう持っていくと、施設長は運営の改善として扱えます。誰かを責める話ではなくなるので、動きやすくなります。そして結果的に、あなたが困っていた状況が改善されます。
あわせて伝えたいのが、自分の状態です。「最近、出勤前に気持ちが重くなることがあります」と言葉にしておく。これは弱音ではなく、情報提供です。施設長の側も、職員の状態を把握していなければ手が打てません。
もし、施設長自身が問題の当事者である場合は、法人の本部に相談先があるかを確認してください。複数園を運営する法人なら、人事や運営の担当者がいることが多いです。1園だけの法人で相談先がない場合は、外部の窓口を使います。
自分が消耗しているサインに、早めに気づく
人間関係の消耗は、じわじわ進みます。気づいたときにはかなり進んでいた、ということが多いんです。だから、早めのサインを覚えておいてください。
出勤前の時間が長く感じる。朝、支度をしながら時計を何度も見る。これは、行きたくない気持ちが体に出ている状態です。
休憩中に誰とも話さなくなる。話す気力がないのは、消耗が進んでいるサインです。本来、休憩は回復のための時間なのに、緊張の続きになってしまっています。
家に帰ってから職場のことを考え続ける。今日のあの言い方はどういう意味だったのか、明日どう対応しようか。頭の中で会話を再生し続けるのは、かなりエネルギーを使います。
ミスが増える。人間関係に注意を取られると、目の前の仕事に使える注意の量が減ります。記録の書き忘れ、伝達の漏れ。これは能力の問題ではなく、注意の配分の問題です。
子どもの様子が目に入らなくなる。これがいちばん重いサインです。保育の仕事をしていて、子どもの表情が目に入らなくなっているなら、それは限界が近いということです。
2つ以上当てはまるなら、対処を始めてください。対処といっても、大きなことでなくて構いません。休みを取る、誰かに話す、シフトの希望を出す。小さな行動が、進行を止めます。
そして、一人で抱えないでください。私がカウンセリングで最初にお願いするのは、いつも同じことです。誰でもいいので、話してみてくださいと。話すことで状況が変わるわけではありませんが、自分の状態が見えるようになります。見えれば、次の手が打てます。
それでも変わらないときの、見極め方
ここまでの方法を試しても改善しない場合があります。そのときの判断について、正直にお伝えします。
見極めの基準は3つです。
ひとつめ、伝えたのに何も動かなかったか。事実と要望の形で伝え、施設長にも業務の問題として相談した。それでも1か月から2か月変化がないなら、その園には調整する力がないと考えていいと思います。
ふたつめ、体に出ているか。眠れない、食欲がない、日曜の夕方に動悸がする。こうした症状が続いているなら、我慢する段階ではありません。まず医療機関にかかってください。働き方を考えるのは、そのあとです。
みっつめ、子どもへの気持ちが変わったか。ここがいちばん大事な基準です。人間関係で消耗していても、子どもの顔を見ると気持ちが戻る、という状態なら、まだ立て直せます。子どもと関わることまでつらくなっているなら、環境を変えるべきサインです。
この3つのうち2つが当てはまるなら、動く準備を始めてください。動くと決めることと、明日辞めることは違います。情報を集める、見学に行く、条件を確認する。この段階を踏むだけで、追い詰められた感じがずいぶん和らぎます。
見極めるときに、もうひとつ意識してほしいことがあります。問題が特定の個人にあるのか、園の運営にあるのかを分けることです。特定の1人との関係だけが問題なら、その人が異動や退職をする可能性も含めて考える余地があります。一方、施設長が状況を把握していない、相談しても動かない、職員が次々に入れ替わっているといった状態なら、それは運営の問題です。運営の問題は、待っても変わりません。
この見極めができていると、次の園を選ぶときの基準がはっきりします。個人の問題だったなら、環境そのものは悪くなかったということ。運営の問題だったなら、次は法人の体制を最優先で見る必要があるということ。同じ「人間関係で辞めた」でも、次にやるべきことはまったく違います。
そして、次の園を選ぶときは、必ず相談先があるかを確認してください。法人内に複数園があって異動の選択肢があるか、施設長とは別に本部の窓口があるか。この2点を見ずに別の小規模保育園へ移ると、同じ構造をもう一度引き当てることになります。
環境を変える選択肢を、数えておく
最後に、少し広い視点でお話しします。
保育士の資格と、乳児保育の経験。これは保育園の中だけで使うものではありません。子育て支援拠点、児童発達支援、企業の託児施設、自治体の相談窓口。乳児と保護者に向き合ってきた経験は、これらすべてで評価されます。給与水準の判断材料として、職種別の目安をまとめた保育士の年収・単価相場を見ておくと、提示された条件が相場のどのあたりかを判定できます。
対人支援の経験を、相談という形で活かす道もあります。働き方やキャリアの悩みを扱う仕事は在宅の案件としても成立していて、その内容は職場・転職・キャリア相談のお仕事にまとまっています。相談業務を専門的に扱う国家資格としてはキャリアコンサルタントがあり、受験要件や学習範囲はキャリアコンサルタントで確認できます。今すぐ転身するという話ではありません。選択肢が存在すると知っているだけで、今の職場での耐え方が変わります。
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ても、同じことが言えます。長く続いている方は、我慢が上手だった方ではありませんでした。環境を変える手段を、常にいくつか持っていた方です。手段を持っている人は、目の前の状況に対して落ち着いていられます。逃げ道があるから踏ん張れる、という順番なんです。
今つらい方へ。あなたは一人ではありません。同じ構造の中で同じように苦しんでいる方が、たくさんいらっしゃいます。そして、その多くは、方法を変えることで状況を動かしてきました。性格を変える必要はありません。距離の取り方を変えるだけです。今日できることから、ひとつずつ始めてみてください。
よくある質問
Q. 小規模保育園で人間関係がこじれやすいのはなぜですか?
職員数が5人から12人程度と少なく、部屋を分けるほどの人数がいないため、物理的に距離を取れないからです。休憩室が事務スペースと兼用の園も多く、休憩中も離れられません。さらに担任の壁がなく全員が全員の子を見るため、やり方の違いが毎日ぶつかります。性格ではなく構造の問題です。
Q. 合わない人と距離を取るには、どうすればよいですか?
物理的に離れられないので、時間で距離を取ります。休憩を交代制で意識的にずらす、シフトの希望を出して顔を合わせる時間を減らす、散歩の役割分担を毎回同じにしない。この3つで、1日のうち一緒にいない時間を作れます。5分でも一人になる時間を作ると、午後の消耗が変わります。
Q. 言いたいことを伝えるとき、どう言えばこじれませんか?
起きた事実と、次にどうしてほしいかの2つだけを言葉にしてください。評価や感情、推測を入れないのがコツです。相手の人格を責めていないので相手も身構えず、言った自分にも罪悪感が残りません。責める言い方は、言ったあとの罪悪感が次に言えなくする原因になります。
Q. 施設長に人間関係を相談するのは、告げ口になりませんか?
なりません。人ではなく業務の問題として持っていくと、運営の改善として扱ってもらえます。「Aさんと合わない」ではなく「引き継ぎの行き違いが先月3回あり、保護者対応に影響が出ています」と伝えてください。あわせて自分の状態も伝えると、施設長も手を打ちやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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