情報セキュリティマネジメントの講師・講座の仕事


この記事のポイント
- ✓情報セキュリティマネジメント試験の合格者が教える側に回る副業を解説します
- ✓個人指導それぞれの始め方と報酬相場
- ✓教えるときの法的な線引きまで整理しました
情報セキュリティマネジメント試験に合格した人から、「この資格で何かできることはありますか」と聞かれることがよくあります。実装の経験がないので技術案件には応募できない、転職に使うほどの強さもない。そこで止まってしまう人が多いんです。
ただ、教える側に回るという出口は、意外と見落とされています。合格したばかりの人は「自分が教えられるほど詳しいわけがない」と考えますが、教える相手は自分より前の段階にいる人です。合格した直後というのは、どこでつまずくかを最も鮮明に覚えている時期でもあります。この記事では、講師の仕事がどこにあるのか、資格対策講座と企業研修と個人指導でそれぞれ何が違うのか、報酬はどう決まるのか、自分で講座を売るときの値付けをどう考えるか、そして教える立場で守るべき線引きを整理します。
教える側の需要はどこにあるか
セキュリティを教える仕事の発注元は、大きく5つに分かれます。それぞれ求められるものが違うので、自分がどこに向いているかを先に見極めてください。
ひとつ目が、資格試験の対策講座を運営する事業者です。オンライン講座を展開する会社が、試験ごとに講師を募集しています。実際の募集要項を見ると、担当範囲が講義だけではないことが分かります。
株式会社アガルートは「アガルートアカデミー」のブランド名で、各種資格試験、検定試験等のオンライン講座(通信講座)を展開しております。 あなたには情報セキュリティマネジメント試験対策講座の講師として、商品企画、テキスト作成、講義の収録、受講相談等の業務をご担当いただきます。 担当スタッフがフォローしながら作業を進めるため、未経験者でも安心して働くことができます。 出典: agaroot.jp
この募集で注目したいのは、商品企画とテキスト作成が業務に含まれている点です。講師と聞くと人前で話す仕事を想像しますが、実際には教材を作る作業のほうが時間を占めます。逆に言えば、話すのが得意でなくても、教材を組み立てる力があれば務まります。
ふたつ目が、企業の従業員向け研修です。個人情報の取り扱い、標的型メールへの対応、テレワークのルール。こうした研修を年に一度は実施する会社が増えており、外部講師に発注します。相手は一般社員なので、専門用語をどこまで噛み砕くかが勝負になります。
三つ目が、専門学校やスクールの非常勤講師です。情報系の学科で、セキュリティの基礎科目を担当します。実務を持つ社会人が夜間や土曜の科目を受け持つ形が多く、副業として成立します。学生向けの講師案件は業務委託の形でも募集されています。
【仕事内容】・学生向け講師案件をご担当いただきます。・今回はインフラセキュリティ専攻...副業として講師経験を得ることができます。今後マネジメント経験をのばしていいたい方ににはオススメの案件です。 出典: 求人ボックス
四つ目が、個人向けの指導です。試験の受験者に対して、オンラインで質問対応や学習計画の相談に乗る形です。プラットフォームを使えば個人で募集できます。
五つ目が、教材制作だけを請け負う形です。講義には出ず、テキスト、問題集、eラーニングの台本だけを作ります。人前で話すのが苦手な人にとって、これが最も現実的な入口になります。
情報セキュリティマネジメント試験の合格者が教えられる範囲
先に線を引いておきます。この試験は、名称独占や業務独占の定めを持つ資格ではありません。合格したから特定の講義ができるようになる、という性質のものではなく、逆に無資格者が教えてはいけない領域があるわけでもありません。したがって、資格は「教える権利」ではなく「発注側が安心する材料」として機能します。プロフィールに書くときも「情報セキュリティマネジメント試験 合格」と事実どおりに記載し、存在しない士業風の呼称を作らないでください。
そのうえで、教えやすい領域ははっきりしています。この試験の出題範囲は、攻撃手法や実装ではなく、情報を利用する部門の管理側に寄っています。情報セキュリティの管理体系、リスクアセスメントの手順、関連する法令、組織の運用ルール。この範囲は、一般の従業員向け研修や、初学者向けの資格対策とほぼ完全に重なります。
一方、教えるべきでない領域も明確です。侵入テストの手順、脆弱性の悪用方法、暗号アルゴリズムの実装。これらは試験範囲を超えており、実務経験のない人が教えると誤りを伝えることになります。「この範囲は扱いません」と最初に宣言するほうが、講師としての信用は上がります。何でも教えられると言う講師のほうが、かえって疑われます。
もうひとつ意識したいのが、法令の扱いです。研修で「個人情報保護法ではこうしなければならない」と断定する場面が出てきますが、条文上の義務なのか、ガイドラインの推奨なのか、業界の慣行なのかは区別して伝えてください。受講者は講師の言葉をそのまま社内に持ち帰ります。断定が誤っていた場合、その会社の運用を誤らせることになります。「詳細は自社の法務に確認してください」と付け加えるのは、逃げではなく誠実さです。
仕事の形ごとの中身と報酬
資格対策講座の講師
オンライン講座の収録が中心です。業務には、カリキュラム設計、テキスト執筆、講義動画の収録、受講者からの質問対応が含まれます。報酬形態は、収録時間あたりの単価、教材の執筆料、そして講座の売上に応じたロイヤリティの組み合わせが多くなります。一本の講座を作るのに3か月から6か月かかることもあり、初期の負荷は重い一方、完成後は追加の作業なく販売が続きます。
企業向けセキュリティ研修
90分から半日の枠で登壇します。報酬は3万円から15万円程度の幅で提示されることが多く、教材の作り込みや事前ヒアリングの有無で変わります。オンライン開催が定着したことで、地方の企業からも受注できるようになりました。移動時間が消えたぶん、実質的な時給は上がっています。
専門学校やスクールの非常勤講師
学期単位の契約になります。90分のコマ単価で計算されることが多く、準備時間は報酬に含まれません。初年度は準備の負担が大きい一方、翌年以降は同じ教材を改訂して使えます。学生相手なので、実務の話を混ぜられる人が歓迎されます。
個人指導とオンライン相談
受験者に対して、学習計画の作成や、つまずいている論点の解説を行います。60分あたり3,000円から8,000円あたりで設定されることが多い領域です。人数は多くありませんが、準備がほぼ不要で、空いた時間に受けられます。相談を受ける仕事の広がりについてはキャリア・副業・人生相談のお仕事で、どういう相談業務が発注されているかを確認できます。
教材制作の請負
講義に出ず、テキストや問題集だけを作ります。ページ単価または一式の請負で計算され、書く力があれば成立します。人前に出ないので本業への影響も小さく、最初の実績作りに向いています。
報酬水準の妥当性を判断したいときは、隣接職種の統計を見ておくと基準ができます。技術側の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場、教材執筆の側は著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっています。講師業はこの二つの中間に位置し、話す時間より作る時間のほうが長いという点を、見積もりに必ず反映させてください。
自分で講座を売るときの値付け
発注を受けるのではなく、自分で講座を作って売る道もあります。動画講座の販売プラットフォームや、オンライン会議ツールでの少人数講座です。ここでの最大の悩みが値付けなので、考え方を整理します。
まず、時間単価から逆算する方法は、講座には向きません。10時間かけて作った講座を30人が買えば、時間単価は制作時間と無関係になります。講座の値段は、受講者が得るものの価値で決めます。
資格対策講座なら、受講者が得るのは合格までの時間短縮です。独学で100時間かかるところを60時間に縮められるなら、その40時間に値段が付きます。企業研修なら、受講者が得るのは事故を起こさない状態です。ここは金額に換算しにくいぶん、発注側の予算枠に合わせる形になります。
値付けで失敗しやすいのが、安く始めることです。3,000円で売り出した講座を後から15,000円に上げるのは、既存の受講者との関係で難しくなります。逆に、高めに設定して初回だけ割引する形なら、通常価格を維持したまま導入できます。値付けは下げるより上げるほうが難しいので、最初に決めた金額が基準になることを意識してください。
もうひとつ、手取りとの差を見ておく必要があります。販売プラットフォームを使うと、売上から手数料が引かれます。15,000円の講座でも、引かれた後に残る額はそれより少なくなります。企業から直接受注する形では引かれる分がなく、手数料0%で取引できる仕組みを選べば、同じ金額でも手元に残る額が変わります。集客をプラットフォームに任せるか、自分で見つけて直接契約するか。この選択は、実質的に報酬の設計そのものです。
収録型の講座をどう作るか
オンライン講座を作るとき、技術的なハードルは思ったより低い一方、設計のハードルは高いです。手順を整理します。
最初にやるのは、受講者の定義です。まったくの初学者なのか、IT部門で働いているが体系を持っていない人なのか、これから受験する人なのか。この設定を変えると、必要な講座はまったく別物になります。ひとつの講座で全員を相手にしようとすると、誰にも合わない内容になります。
次に、ゴールを一文で書きます。「情報セキュリティの用語を正しく使い分けられるようになる」「社内でリスクアセスメントを一度実施できるようになる」。この一文が決まると、入れる内容と外す内容が判断できます。教える側は詰め込みたくなりますが、削る判断のほうが講座の質を決めます。
構成は、10分前後の単元に区切ります。長い動画は最後まで見られません。単元ごとに「この単元で何が分かるか」を冒頭に置き、末尾に確認の問いを一つ入れる形が扱いやすいです。
機材は、静かな部屋と外付けマイクがあれば足ります。映像の質より音声の質のほうが、視聴の継続率に効きます。画面共有でスライドを映しながら話す形式なら、顔を出す必要もありません。本業への配慮から顔を出したくない場合、この形式が選べます。
収録そのものは、台本を用意するかどうかで難易度が変わります。全文を読み上げる台本を作ると、収録は楽になる代わりに、聞いていて単調になります。逆に、箇条書きのメモだけで話すと自然になる一方、言い間違いと言い直しが増えて編集の手間が膨らみます。おすすめは、単元ごとに最初の1分と最後の1分だけ台本を書き、中間はメモで話す形です。導入と締めが安定していれば、途中の多少のぶれは気になりません。
編集は、最小限で構いません。無音の詰めと、明らかな言い間違いのカットだけで足ります。テロップやアニメーションを凝り始めると、一本あたりの制作時間が3倍になり、講座が完成しないまま止まります。受講者が求めているのは映像の作り込みではなく、分かる説明です。
作り終えたら、身近な人に一単元だけ見てもらいます。専門知識のない人に見せて、どこで止まるかを観察する。この工程を飛ばすと、自分には自明で受講者には意味不明な説明が残ります。テストの受講者を2人用意するだけで、講座の完成度は大きく変わります。
企業研修の設計と当日の進め方
企業向けの研修は、資格対策とは別の技術が要ります。受講者が自分から学びたくて来ているわけではないからです。ここを理解しないまま資格対策と同じ話し方をすると、聞かれない研修になります。
事前ヒアリングで聞くこと
発注が決まったら、実施前に担当者へ確認します。受講者の職種と人数、過去に同じ内容をやったか、社内で実際に起きたヒヤリハット、経営層が心配している事柄、そして今回の研修を実施することになったきっかけ。最後の項目が特に重要で、「取引先から求められた」「監査で指摘された」「実際に事故があった」のどれかによって、話すべき内容が変わります。きっかけを聞かずに一般論を話すと、受講者にも担当者にも刺さりません。
構成の組み方
90分の研修なら、前半30分で「なぜ自分に関係があるのか」を伝え、中盤40分で具体的な手順を示し、最後20分で質疑と持ち帰る行動を確認する配分が扱いやすいです。前半を制度や用語の説明で埋めると、そこで受講者の意識が切れます。最初に扱うのは、受講者自身が明日巻き込まれ得る場面です。
当日の進め方
一方的に話す時間は15分を超えないようにします。オンライン開催では、投票機能や短い演習を挟んで、受講者に手を動かしてもらう場面を作ります。標的型メールの例文を見せて「これは本物か偽物か」を判断してもらう形式は、準備が軽いわりに反応がよく、記憶にも残ります。
終わったあとの資料の扱い
研修資料を社内で再配布してよいかを、事前に取り決めます。無制限に許すと、翌年に自分が呼ばれなくなります。逆に、配布を許す代わりに単価を上げる交渉もできます。どちらにしても、口頭ではなく契約書か発注書に書いてもらってください。
教える立場で守るべき線引き
先日、社内でセキュリティ研修を担当していた方から相談を受けました。研修の中で受講者から「うちの委託先との契約はこれで問題ないか」と個別の契約書を見せられ、その場で答えてしまったという話です。こういうケース、実は本当に多いんです。
線を引いておきます。一般的な解説や教育として説明することと、個別の事案について具体的な法律判断を示すことは別です。法律事件に関する事務については弁護士法に定めがあり、他人の依頼を受けて官公署に提出する書類を作成する業務については行政書士法に定めがあります。研修の場で個別の契約書や届出について踏み込んだ判断を求められたときは、「一般論としてはこうですが、個別の判断は有資格者に確認してください」と返してください。士業がどこまでを扱う資格なのかは行政書士の資格ガイドで概要を確認できます。判断が難しいと感じた時点で、自分で結論を出さないことが自分を守ります。
もうひとつが、教材の著作権です。他社のガイドラインの図を無断でスライドに貼る、市販の問題集の設問を書き写す。研修資料は社外に出ないと思われがちですが、受講者が持ち帰り、社内で再配布されます。引用の範囲を超える利用は避け、出所を明示してください。自分で作った教材の権利についても、発注者に譲渡するのか、自分に残して使用許諾するのかを契約で決めておきます。ここを曖昧にすると、同じ教材を別の顧客に使えなくなります。
三つ目が、守秘義務です。本業の勤務先で見聞きした事例を、研修の題材として使いたくなります。社名を伏せても、業種と規模と時期が揃えば特定されます。就業規則や誓約書の秘密保持条項に触れるので、題材は公開情報から組み立ててください。
受講者から出る質問への備え
講師として最も緊張するのが質疑応答です。ここで答えられないと信用を落とすと思い込みがちですが、実際は逆です。答えられない質問に対して、どう対応するかを見られています。
出やすい質問には型があります。「結局どのツールを入れればよいのか」「うちの規模でそこまでやる必要があるのか」「他社はどうしているのか」「そのルールを守らないと違法になるのか」。この4種類で、質疑の大半が説明できます。
製品名を聞かれたときは、特定の製品を推すのを避けます。講師が特定ベンダーの製品を勧めると、受講者は「この人は売りに来た」と受け取ります。選定の観点を3つほど示して、判断は相手に戻すほうが信頼されます。
規模の質問は最も答えにくい部類です。事業者の規模や取り扱う情報の性質で扱いが変わるため、一律の答えがありません。ここで無理に断定せず、「何が判断を左右するか」を示してください。取り扱う情報の種類、委託の有無、従業員数。この変数を示せば、受講者は自社の状況に当てはめられます。
違法かどうかを聞かれたときは、義務と推奨を分けて答えます。法令上の義務なのか、ガイドラインの推奨なのか、業界の慣行なのか。ここを曖昧にしたまま「やらないとまずいです」と答えると、受講者が社内で誤った説明をすることになります。分からない場合は「確認して後日回答します」で構いません。その場しのぎの回答より、後日の正確な回答のほうが評価されます。回答期限だけは必ず約束してください。
最初の1件をどう取るか
講師の実績がゼロの状態から、どう始めるか。順序があります。
第一に、教材を先に作ります。実績がない人を採用する側が知りたいのは、「この人の説明は分かるか」だけです。15分の解説動画を3本作って公開しておけば、それが実績の代わりになります。テーマは自分が実際に手を動かした範囲から選びます。
第二に、社内で登壇します。所属先で従業員向けの勉強会を開かせてもらう。無償でも、登壇実績として書けます。人前で話す感覚をつかむ場としても有効です。
第三に、募集に応募します。資格対策講座の講師募集、スクールの非常勤、教材制作の請負。教材制作から入って、その事業者の講義に移る流れが最も現実的です。研修やコンサルティングに近い案件がどう発注されているかはITコンサルティング・講師のお仕事で、募集の実物を確認できます。セキュリティ分野全般の案件の形はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとまっています。
応募のときに添える文章にも型があります。「情報セキュリティマネジメント試験 合格」という事実、扱える範囲、扱わない範囲、そして公開している教材のURLの4点で足ります。経歴を長々と書くより、扱わない範囲を明示するほうが、発注側は判断しやすくなります。何でも教えられると書かれた応募文は、かえって精査されます。
第四に、講座と別の仕事を組み合わせます。教えるだけで生活を組み立てるのは難しく、記事の執筆や監修と併走させるのが現実的です。同じ知識を別の形で売る発想を持つと、稼働の谷が埋まります。資格をどう仕事に変えるかの実例としてはキャリアコンサルタント資格の活かし方|副業・独立ガイド【2026年版】が、教える側と相談を受ける側をどう組み合わせているかの参考になります。
運営者から見た、講師として続く人の条件
在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から言えば、教える仕事で長く続く人には共通点があります。知識の量ではありません。受講者がどこで止まるかを覚えているかどうかです。
詳しくなるほど、初学者がなぜ分からないのかが分からなくなります。合格した直後の人が講師として通用するのは、つまずいた記憶が新しいからです。この記憶は時間とともに失われるので、意識して記録しておく価値があります。自分が理解に苦労した箇所、混同していた用語、腑に落ちた瞬間の説明。これをメモに残しておくと、そのまま教材になります。
もうひとつ、運営者として見てきた限り、単発の登壇で終わる人と、毎年同じ会社から呼ばれる人の差は、事前ヒアリングにあります。研修の前に「御社ではどんな事故が心配ですか」「昨年はどんな内容でしたか」と聞くだけで、内容が受講者の現実に寄ります。汎用の教材をそのまま話す講師は、一度で終わります。
額面と手取りの構造にも触れておきます。講師業は一件あたりの金額が比較的まとまっているぶん、引かれる割合の影響も大きく出ます。発注者と直接やり取りする仕組みでは、依頼する側は同じ予算でより多くの回数を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。年に何度も呼ばれる関係になったとき、この差は無視できない大きさになります。
独自データから見える教える側の市場
在宅ワークの案件を分野別に整理すると、セキュリティ関連は「診断」「構築と運用」「教育」「発信」に分かれます。診断と構築は実務年数が応募条件に入るため、資格だけでは通りません。一方、教育の領域は、体系的な理解と説明能力が評価軸になります。情報セキュリティマネジメント試験の合格者が最も入りやすいのが、この教育の側です。
教育案件の特徴は、継続性が高いことです。記事の執筆は依頼が途切れれば終わりますが、研修は毎年実施されます。一度信頼を得ると、同じ会社から翌年も呼ばれます。運営者として見てきた限り、稼働の安定という点では、教える仕事は執筆より強い性質を持っています。
分野をまたいで見ても、専門知識を人に伝える形の案件は増えています。管理系の資格を持つ人が組合や事業者に助言する形の仕事はマンション管理士の副業|管理組合のコンサルティング【2026年版】に整理されており、技術系では実装スキルを教材化する動きがWordPressカスタマイズで稼ぐ|副業エンジニアの実践法【2026年版】にまとまっています。分野は違っても、知識を人に渡す形にするという構造は共通です。
情報セキュリティマネジメント試験の合格証は、それ自体が仕事を生むものではありません。ただ、教える範囲を狭く定義し、扱わない領域を明言し、個別判断の線を引けるようにしておけば、在宅で成立する教える仕事の入口になります。法律も契約も、身構えるものではなく、教える自由を守るための道具です。
よくある質問
Q. 合格したばかりでも講師の仕事はできますか?
できます。教える相手は自分より前の段階にいる人で、合格直後はどこでつまずくかを最も鮮明に覚えている時期です。この記憶は時間とともに失われるので、理解に苦労した箇所や混同していた用語をメモに残しておくと、そのまま教材になります。まずは教材制作の請負から入るのが現実的です。
Q. 企業研修の報酬相場はどのくらいですか?
90分から半日の枠で3万円から15万円程度の幅で提示されることが多い領域です。教材の作り込みや事前ヒアリングの有無で変わります。オンライン開催が定着して移動時間が消えたぶん、実質的な時給は上がっています。準備時間が報酬に含まれるかは必ず確認してください。
Q. 自分で講座を作って売る場合、価格はどう決めればよいですか?
制作時間からの逆算は向きません。受講者が得るものの価値で決めます。資格対策なら独学より短縮できる時間に値段が付きます。安く始めると後から上げにくいため、高めに設定して初回だけ割引する形が扱いやすいです。販売プラットフォームの手数料も差し引いて計算してください。
Q. 研修中に個別の契約書について質問されたら答えてよいですか?
一般的な解説と、個別の事案についての法律判断は別物です。法律事件に関する事務は弁護士法、官公署に提出する書類の作成は行政書士法に定めがあります。「一般論としてはこうですが、個別の判断は有資格者に確認してください」と返し、その場で結論を出さないでください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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