独学で取れて収入につながる資格|難易度と仕事


この記事のポイント
- ✓独学で取れて高収入につながる資格を
- ✓宅地建物取引士・行政書士・FP技能士・日商簿記2級・基本情報技術者などの受験資格
- ✓収入につながる仕組みと独学の進め方
独学で取れて、しかも高収入につながる資格を探している人は多いはずです。講座に何十万円も払う前に、自分で勉強して合格できる資格があるなら知っておきたい、という考えは自然です。
先に結論を書きます。資格を持つだけで収入が上がるわけではありません。収入につながりやすいのは、法律で「その資格を持つ人しかできない仕事」が決まっているもの、事業所に一定数の有資格者を置くことが義務になっているもの、そして企業が採用や昇格の条件に使っているものです。この記事では、独学で受験できる国家資格を中心に、受験資格・受験料・合格率・試験の形式を公式の情報で確かめながら比べます。そのうえで、独学の進め方と、合格を仕事と収入につなげる道筋を順に説明します。
資格と収入の関係を先に整理する
「稼げる資格ランキング」のような記事を見ると、資格ごとに平均年収が並んでいることがあります。ただ、その数字は資格を持つ人の年収であって、資格を取ったことで上がった分ではありません。年齢、勤め先の規模、経験年数、地域によって年収は大きく変わるため、資格だけを取り出して比べても、自分が受け取る額の目安にはなりにくいのが実情です。
それでも、資格によって収入への効き方には違いがあります。違いを生むのは、主に次の3つの仕組みです。
- 業務独占:法律で、その資格を持つ人だけが行える仕事が決まっている。資格がないと、その仕事で報酬を受け取れない
- 設置義務:事業所ごとに、一定の割合や人数で有資格者を置くことが法律で義務になっている。企業はその人数を確保し続ける必要がある
- 評価と手当:法律上の決まりはないが、企業が採用の条件、昇格の要件、資格手当の対象にしている
業務独占や設置義務がある資格は、景気が悪くなっても一定の需要が残ります。一方、評価と手当の型の資格は、勤め先の制度しだいで効き方が変わります。資格手当があるかどうか、いくら出るかは会社ごとに違うため、転職先や今の職場の就業規則や求人票で確かめる必要があります。
もう1つ大事なのは、独学で取れるかどうかは「受験資格」で決まるという点です。国家資格の中には、大学で決まった科目を修めること、養成施設を卒業すること、一定年数の実務経験を積むことが受験の条件になっているものがあります。そうした資格は、どれだけ勉強しても、条件を満たすまでは受験できません。この記事で取り上げるのは、受験資格がない、または独学の範囲で満たせる資格です。
独学で狙いやすい資格を比べる
独学で受験でき、仕事や収入につながる道がはっきりしている資格を、公式の情報で比べると次のようになります。受験料と合格率は、各実施団体の公式ページで確かめた今日時点の記載です。
| 資格 | 受験資格 | 試験の形式 | 受験料 | 収入につながる仕組み |
|---|---|---|---|---|
| 宅地建物取引士 | なし(日本国内に住む人) | 年1回・筆記・50問 | 8,200円 | 設置義務と業務独占 |
| 行政書士 | なし | 年1回・筆記・択一と記述 | 10,400円 | 業務独占・独立開業 |
| FP技能士2級 | 3級合格など | CBT・随時 | 学科と実技で11,700円 | 評価と手当・相談業務 |
| 日商簿記2級 | なし | 統一試験とネット試験 | 公式で確認 | 評価と手当 |
| 基本情報技術者 | なし | CBT・随時 | 7,500円 | 評価と手当 |
| ITパスポート | なし | CBT・随時 | 7,500円 | 評価と手当 |
この表から分かるのは、受験のしやすさと、収入への効き方は別の軸だということです。ITパスポートや基本情報技術者は、全国のテストセンターで空いている日を選んで受けられ、何度でも挑戦しやすい試験です。一方、宅地建物取引士と行政書士は年に1回しか受けられず、1回落ちると次は1年後になりますが、法律で決まった仕事があるため、合格後の使い道がはっきりしています。
どれを選ぶかは、次の2つで決めるのが現実的です。1つは、今の仕事や目指す仕事と関係があるか。もう1つは、合格までに使える勉強の時間がどれくらいあるかです。関係のない分野の資格を取っても、履歴書の資格欄が1行増えるだけで、収入にはつながりにくいからです。
宅地建物取引士:設置義務がある資格
宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸の仲介をする会社で欠かせない国家資格です。試験は、国土交通大臣の指定を受けた一般財団法人不動産適正取引推進機構が、各都道府県知事の委任を受けて実施しています。
この資格が収入につながりやすい理由は、法律で決まった仕事と、設置の義務の両方を持っているからです。実施団体の公式ページには、宅地建物取引士でなければできない仕事が次のように書かれています。
宅建業法第35条に定める重要事項の説明、重要事項説明書への記名及び同第37条に定める書面(契約書等)への記名は、宅地建物取引士が行う必要があります。 出典: 一般財団法人不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」
重要事項の説明とは、契約の前に、物件の権利関係や法律上の制限、代金以外にかかるお金などを買う人や借りる人に説明することです。これを宅地建物取引士しか行えないため、不動産会社には必ず有資格者が必要になります。さらに、宅地建物取引業法施行規則第15条の5の3では、事務所で働く人のうち5分の1以上を専任の宅地建物取引士にしなければならないと定めています。従業員が増えるほど有資格者も増やす必要があるため、求人で資格を条件にする会社が多くなります。
試験は毎年1回、10月の第3日曜日の午後1時から3時までの2時間で、50問の四肢択一式です。受験資格はなく、日本国内に住んでいれば年齢や学歴に関係なく誰でも受けられます。受験手数料は8,200円です。
合格率は、実施団体が公表している令和7年度の結果で、受験者245,462人に対して合格者45,821人、合格率18.7%でした。合格の基準点は50問中33点です。基準点は毎年変わり、令和6年度は37点、令和5年度は36点でした。およそ7割の正解が合格の目安と考えておくとよいでしょう。
出題の範囲は、民法などの権利関係、都市計画法や建築基準法などの法令上の制限、税、宅地建物取引業法です。中でも宅地建物取引業法は出題数が多く、条文の暗記で得点しやすい分野なので、独学の人はここから固めるのが定石です。不動産の仕事をしたことがない人でも、過去問題を繰り返すことで合格に届く人は多い試験です。
注意したいのは、合格しただけでは宅地建物取引士として仕事ができない点です。合格したあと、試験を受けた都道府県の知事に資格の登録をし、宅地建物取引士証の交付を受ける必要があります。登録には、2年以上の実務経験か、国土交通大臣の登録を受けた講習の修了が求められます。
行政書士:独立開業の道がある資格
行政書士は、役所に出す許可や届出の書類、契約書や内容証明などの書類を、依頼を受けて作る国家資格です。試験は、総務大臣の指定を受けた一般財団法人行政書士試験研究センターが実施しています。
行政書士の業務は、他の人の依頼を受けて報酬を得て書類を作ることが、法律で行政書士に限られています(業務独占)。建設業の許可、飲食店の営業許可、外国人の在留資格の申請、相続の書類など、扱う分野は幅広く、会社に勤めず自分の事務所を開いて働く人が多い資格です。実施団体は、試験の受験資格について次のように示しています。
年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。 出典: 一般財団法人行政書士試験研究センター「試験概要」
試験は毎年1回、11月の第2日曜日の午後1時から4時までの3時間です。受験手数料は10,400円です。出題は「業務に関し必要な法令等」が46題で、憲法、行政法、民法、商法、基礎法学から出ます。「業務に関し必要な基礎知識」が14題で、一般知識、行政書士法などの関係法令、情報通信と個人情報保護、文章理解から出ます。択一式に加えて、40字程度で答える記述式があるのが特徴です。
合格の基準は3つあり、すべてを満たす必要があります。法令等の科目が満点の50%以上、基礎知識の科目が満点の40%以上、試験全体で満点の60%以上です。難易度によって補正されることもあります。令和7年度は受験者50,163人に対して合格者は7,292人で、合格率はおよそ14.5%でした。
宅地建物取引士より範囲が広く、特に行政法と民法の理解に時間がかかります。独学で合格する人もいますが、勉強時間は宅地建物取引士より多く見込む必要があります。法律の勉強が初めての人は、まず宅地建物取引士で民法の基本に触れてから行政書士に進む、という順番を取る人もいます。
収入の面で知っておきたいのは、行政書士は「独立すれば高収入」とは限らないことです。開業するには行政書士会への登録が必要で、登録の費用や会費がかかります。金額は各都道府県の行政書士会の案内で確かめてください。開業後は、自分で仕事を集める必要があり、得意な分野を決めて依頼者との関係を作るまでに時間がかかります。企業の法務や総務の部門で、資格を生かして働く道もあります。
FP技能士2級:受検の条件に注意する資格
FP技能士は、家計、保険、年金、税金、住宅ローン、相続など、お金にかかわる相談に応じる力を測る国家検定です。厚生労働大臣の指定を受けた日本FP協会と一般社団法人金融財政事情研究会が実施しています。
独学で取るときに最初に確かめたいのが、2級の受検資格です。日本FP協会の案内では、2級は次のいずれかに当てはまる人が受検できます。
- 3級FP技能検定の合格者
- FP業務に関して2年以上の実務経験がある人
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した人
- 金融渉外技能審査3級の合格者
金融機関で働いた経験がない人が独学で進めるなら、まず3級に合格してから2級を受けるのが一般的な流れです。3級には受検資格がありません。
試験は2級と3級ともにCBT方式で、全国のテストセンターから空いている日時を選んで受けられます。CBT方式とは、パソコンの画面に出る問題に答える形の試験のことです。学科試験と実技試験の両方に合格すると、FP技能士として合格証書が出ます。片方だけ合格した場合は、合格した日の翌々年度の末まで、その試験が免除されます。受検手数料は、2級が学科と実技を合わせて11,700円(学科5,700円、実技6,000円)、3級が合わせて8,000円です。
FP技能士は業務独占の資格ではありません。資格がなくてもお金の相談に応じることはでき、資格の名前を名乗ることだけが資格を持つ人に限られます。そのため、収入への効き方は「評価と手当」の型です。銀行、証券会社、保険会社、不動産会社では、2級の取得を社員に求めたり、昇格の要件にしたりするところがあります。個人で相談の仕事を受けるなら、税金の個別の計算や申告の代理は税理士の、保険の販売は保険募集人の資格が別に必要になる点に注意が必要です。
日商簿記2級:経理の仕事で評価される資格
日商簿記は、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する検定です。国家資格ではありませんが、経理や会計の仕事で長く使われてきた検定で、求人票の「歓迎する資格」によく名前が挙がります。
2級は、商業簿記と工業簿記を扱い、財務諸表の数字から会社の経営の状態をつかめる力を測ります。試験時間は90分で、100点満点のうち70%以上で合格です。受験資格はありません。
受け方は2つあります。年に数回、決まった日に紙の問題で受ける統一試験と、テストセンターで随時受けられるネット試験です。日本商工会議所が公表している受験者データでは、2026年6月14日に行われた第173回統一試験の2級の合格率は24.8%、2026年4月から6月のネット試験の2級の合格率は37.1%でした。統一試験とネット試験で数字に差があるため、どちらで受けるかを決めてから計画を立てると、準備の期間を見積もりやすくなります。受験料は改定されることがあるため、申し込みの前に商工会議所の公式ページで確かめてください。
簿記2級が収入につながるのは、経理の仕事に就くとき、または経理の仕事で担当の範囲を広げるときです。経理の経験がない人の場合、簿記2級だけで経理職に採用されるとは限りませんが、書類選考で「基礎の知識がある」と判断してもらいやすくなります。会計ソフトの操作や、月次の締めの作業の経験と組み合わせると、評価が上がります。
また、簿記の知識は経理職以外でも役に立ちます。自分で事業をする人は、帳簿を付け、確定申告をする必要があります。在宅で業務委託の仕事を受けるときも、売上と経費を整理できる人は、手元に残るお金を正しくつかめます。
基本情報技術者とITパスポート:IT系で独学しやすい国家試験
IT系の国家試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験です。中でもITパスポートと基本情報技術者は、受験資格がなく、CBT方式で随時受けられるため、独学で挑戦しやすい試験です。
ITパスポートは、ITを使う立場の社会人向けの基礎の試験です。試験時間は120分で、四肢択一式の100問が出ます。AIやデータの扱い、情報セキュリティ、会社の経営や法律の基本まで、幅広い範囲から出題されます。
基本情報技術者は、ITエンジニアとして働き始める人向けの試験です。IPAの公式ページでも、ITエンジニアとしてキャリアを始めるなら、まずこの試験から受けることを勧めています。科目Aが90分で60問、科目Bが100分で20問です。科目Bでは、プログラムの流れを読み取る問題と、情報セキュリティの問題が出ます。受験手数料はどちらの試験も7,500円(消費税込み)です。
IPAは、2027年度から新しい試験制度に移ることを予定していると公表しています。試験区分や出題の範囲が変わる可能性があるため、これから勉強を始める人は、IPAの「試験制度の見直しについて」のページで最新の情報を確かめてから教材を選ぶと安全です。
IT系の試験は、法律上の業務独占はありません。収入につながるのは、IT企業やIT部門での採用、社内の評価、資格手当です。IT企業の中には、情報処理技術者試験の合格に一時金や手当を出すところがあります。基本情報技術者に合格したあとは、応用情報技術者や、ネットワーク、データベース、情報セキュリティなどの専門の試験へ進む道があります。
ネットワークの仕事に進みたい人は、国家試験とは別に、機器メーカーが認定する資格も選択肢になります。CCNA(シスコ技術者認定)では、ネットワークの基礎から設定までを問うシスコの認定資格の内容と受け方を紹介しています。
独学で合格するための勉強の進め方
独学で合格するかどうかは、勉強の量よりも、進め方の順番で差がつきます。どの資格でも使える進め方を4つの段階で説明します。
1. 試験の要項と過去問題を最初に見る
最初にするのは、教材を買うことではなく、実施団体の公式ページで試験の要項を読むことです。出題の範囲、試験時間、合格の基準、受験の申し込みの時期を確かめます。宅地建物取引士は7月に申し込みの受付があり、10月に試験があります。行政書士は7月に試験の案内が出て、11月に試験があります。申し込みの時期を逃すと1年待つことになるため、カレンダーに先に書き込んでおきます。
そのうえで、過去問題を1回分、解けなくてもよいので目を通します。どんな問題が、どれくらいの長さで出るのかを先に知っておくと、テキストを読むときに「ここは試験に出る」と意識しながら読めるようになります。
2. テキストは1冊に絞って通して読む
テキストを何冊も買うと、どれも途中で止まりやすくなります。まずは1冊を最後まで読み切ることを目標にします。1回目は細かいところが分からなくても先に進み、全体の地図を頭に入れることを優先します。
3. 過去問題を繰り返し、間違えた理由を書き出す
独学の中心は過去問題です。宅地建物取引士や行政書士は、同じ論点が形を変えて何度も出題されます。間違えた問題には印を付け、なぜ間違えたのかを1行で書き出します。「条文の数字を覚えていなかった」「選択肢の『必ず』を読み飛ばした」のように理由を残すと、同じ間違いを繰り返さなくなります。
4. 本番と同じ時間で解く練習をする
試験の1か月前からは、本番と同じ時間を測って過去問題を解きます。時間内に最後まで解き終えられるか、どの分野で時間を使いすぎるかが分かります。CBT方式の試験は、パソコンの画面で問題を読むことに慣れておく必要もあります。
勉強の時間を確保する工夫
働きながら独学する人にとって、いちばんの壁は時間です。平日は通勤や昼休みに暗記の分野を進め、まとまった時間が取れる休日に過去問題を解く、という分け方をする人が多くいます。1日に何時間と決めるより、週ごとにどの分野を終えるかを決めておくと、予定が崩れても立て直しやすくなります。
独学に向かない資格と、その見分け方
高収入の資格として名前が挙がるものの中には、独学では受験できない、または受験の前に長い準備が要るものがあります。見分ける手がかりは、実施団体の公式ページの「受験資格」の欄です。
- 学歴や養成の課程が条件のもの:医師、看護師、管理栄養士などは、大学や養成施設で決められた課程を修めることが受験の条件です
- 実務経験が条件のもの:介護福祉士は、実務経験と研修の修了などが受験の条件になっています
- 受験資格のいずれかを満たす必要があるもの:社会保険労務士は、学歴、実務経験、指定の試験の合格などの受験資格が定められています
これらは独学で知識を身に付けることはできても、条件を満たすまで受験ができません。また、公認会計士や税理士のように受験はできても、合格までに数年かかることが多い資格もあります。働きながら独学で目指すなら、1年から2年で合格を狙える資格を先に取り、仕事を続けながら次の段階に進むほうが、途中であきらめにくくなります。
もう1つ注意したいのが、「この講座を受ければ高収入の資格が取れる」という勧誘です。民間の団体が独自に作った資格の中には、講座の受講料や認定料が高いわりに、求人で名前を見かけないものがあります。資格の名前で求人を検索し、実際にその資格を条件にしている求人があるかを先に確かめると、お金と時間を無駄にしにくくなります。
受験料のほかにかかるお金と手間
資格を選ぶときは、受験料だけでなく、合格したあとにかかるお金と手間も見ておく必要があります。独学で受験料を抑えても、合格後の手続きや更新で思わぬ出費が続くことがあるからです。
宅地建物取引士は、合格したあとに都道府県知事の登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けて初めて仕事ができます。宅地建物取引業法第22条の2では、取引士証の交付を申請する前6か月以内に、知事が指定する講習を受けることを求めています。ただし、試験に合格した日から1年以内に交付を受ける場合は、この講習は不要です。取引士証の有効期間は5年で、更新するときにも講習を受けます。登録の手数料や講習の受講料は、各都道府県の案内で確かめてください。
行政書士は、合格しただけでは名乗れず、日本行政書士会連合会への登録と、事務所のある都道府県の行政書士会への入会が必要です。登録の費用と年会費がかかり、事務所を構えるなら家賃や備品の費用も加わります。自宅を事務所にする人もいますが、事務所の要件は行政書士会ごとに確認が必要です。
FP技能士は、国家検定の合格そのものには更新がありません。一方、日本FP協会のAFPやCFPといった民間の資格を持ち続けるには、会費と継続教育の単位の取得が必要になります。どこまでの資格を持ち続けるかは、仕事で必要かどうかで決めるとよいでしょう。
日商簿記と情報処理技術者試験のITパスポート、基本情報技術者には、合格の有効期限や更新の手続きはありません。一度合格すれば、その証明はそのまま使えます。ただし、知識は法令の改正や技術の変化で古くなるため、仕事で使い続けるなら学び直しは欠かせません。
教材のお金は、独学なら受験料と同じくらいか、それ以下に抑えることもできます。テキスト1冊と過去問題集1冊から始め、足りないと感じた分野だけ追加の教材を買う形にすると、無駄な出費を減らせます。実施団体が過去問題を無料で公開している試験もあります。IPAは情報処理技術者試験の過去問題を公式ページで公開しており、行政書士試験研究センターも過去の試験問題を掲載しています。
自分に合う資格を選ぶための3つの問い
候補がいくつか浮かんだら、次の3つの問いに答えてみると、取るべき資格が絞れます。
合格したあと、どの求人に応募するか
最初の問いは、合格後にどんな求人に応募するつもりかです。求人サイトで資格の名前を入れて検索し、自分が住む地域や在宅でできる仕事に、その資格を条件にした求人がどれくらいあるかを確かめます。資格を条件にした求人がほとんど見つからない場合、その資格は今の目的には合っていない可能性があります。
1週間に何時間を勉強に使えるか
次の問いは、勉強に使える時間です。仕事や家事の予定を書き出し、1週間のうち確実に勉強に使える時間を数えます。行政書士のように範囲の広い試験を、1週間に数時間の勉強で目指すと、合格までに何年もかかることがあります。時間が限られている人は、CBT方式で随時受けられる試験から始め、合格の手応えをつかんでから次に進む順番が向いています。
今の経験とつながるか
最後の問いは、今までの仕事の経験とつながるかです。事務の仕事をしてきた人なら簿記やFP技能士、営業の経験がある人なら宅地建物取引士、パソコンの操作に慣れている人ならITパスポートや基本情報技術者というように、経験とつながる資格は勉強の内容が頭に入りやすく、合格後も仕事で使う場面を想像しやすくなります。経験と資格の両方を示せると、未経験の分野の資格だけを持っている場合より、採用や依頼の判断で有利になります。
資格を収入につなげる働き方
資格に合格したあと、それを収入につなげる道は大きく3つあります。
1つ目は、会社に勤めながら評価と手当を受ける道です。今の勤め先に資格手当の制度があれば、合格の届けを出すことで手当が付きます。制度がない場合でも、昇格や配置換えのときに資格が判断の材料になることがあります。まずは就業規則や人事の制度を確かめてみてください。
2つ目は、資格を条件にした求人に転職する道です。宅地建物取引士は不動産会社、簿記2級は経理職、基本情報技術者はIT企業というように、資格と仕事が直接結び付く職場では、資格の有無が応募できる求人の数を左右します。
3つ目は、業務委託や副業で、資格を生かした仕事を受ける道です。行政書士のように独立して開業する形のほか、FP技能士の知識を使ってお金の記事を書く仕事、簿記の知識を使って記帳を代わりに行う仕事などがあります。ただし、税金の申告の代理や個別の税額の計算は税理士の、法律の個別の相談への回答は弁護士の業務です。資格の範囲を超えた仕事を受けないように、どこまでができるのかを確かめてから引き受ける必要があります。
業務委託で働くときは、報酬の額だけでなく、何を、いつまでに、どの形で納めるのかを契約で決めておくことが大切です。資格を持っていても、依頼者との取り決めがあいまいだと、作業が増えても報酬が変わらないことがあります。
資格を生かした文章の仕事は、報酬の決まり方を知っておくと単価を上げやすくなります。Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】では、専門知識を武器に単価を上げていく段階の踏み方を説明しています。また、資格の知識を書類の作成に生かしたい人は、ビジネス文書検定で、社内外の文書を正しく作る力を測る検定の内容を確かめられます。
資格の組み合わせで仕事の幅を広げる
1つの資格だけで収入を伸ばすより、関係のある資格を組み合わせたほうが、仕事の幅は広がりやすくなります。代表的な組み合わせを挙げます。
- 宅地建物取引士とFP技能士:住宅の購入の相談で、物件の説明と住宅ローンや家計の相談を1人で受けられる
- 日商簿記2級とFP技能士:会社の経理と、個人のお金の相談の両方の知識が身に付く
- 行政書士と宅地建物取引士:土地の利用の許可の申請と、不動産の取引の両方にかかわれる
- 基本情報技術者と日商簿記2級:会計ソフトや業務のシステムを導入する仕事で、ITと経理の両方の言葉が分かる
組み合わせを考えるときは、資格の数を増やすことが目的にならないように注意します。目指す仕事を先に決め、その仕事の求人票で求められている資格を順に取っていくと、無駄のない組み合わせになります。
AIを使った業務の効率化を企業に提案する仕事のように、ITと業務の知識の両方が求められる分野も広がっています。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、生成AIを業務に取り入れる支援の仕事の内容を紹介しています。会計や総務の業務を知っている人がITの資格を取ると、こうした仕事にも進みやすくなります。
運営者の視点から見た、資格と収入の関係
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、資格を収入につなげている人には共通点があります。それは、資格を取ったあとに、その分野で小さな実績を積み重ねていることです。宅地建物取引士に合格した人が、まずは不動産の記事の執筆や物件資料の作成を受けて、分野の言葉に慣れていく。簿記に合格した人が、小さな事業者の記帳を手伝いながら、会計ソフトの使い方を身に付けていく。こうした経験が、次の仕事の依頼につながっています。
もう1つ見えてくるのは、依頼者と直接取引をする働き方では、資格が「信頼の入口」になるという点です。初めて仕事を頼む相手の力量は、依頼者からは分かりにくいものです。資格はその不安を減らす材料になり、仲介の手数料が引かれない直接の取引なら、受けた報酬がそのまま手元に残ります。資格で入口を作り、仕事の質で次の依頼をもらう流れを作れると、収入は安定しやすくなります。
ITの仕事に進みたい人は、開発の仕事でどんな技術が求められているかを先に知っておくと、資格の選び方が変わります。アプリケーション開発のお仕事では、Webアプリやデスクトップアプリを作る仕事の内容と、求められる技術を紹介しています。独学で取れる資格を1つ選び、試験の要項を読むところから始めてみてください。
よくある質問
Q. 独学で取れて収入につながりやすい資格はどれですか?
受験資格がなく、法律で決まった仕事がある資格が狙い目です。宅地建物取引士は不動産会社に設置の義務があり、行政書士は書類作成の業務が資格を持つ人に限られています。IT系なら基本情報技術者、経理なら日商簿記2級が採用や評価で使われます。目指す仕事と関係のある資格を選ぶことが大切です。
Q. 宅地建物取引士は独学で合格できますか?
独学で合格する人は多くいます。受験資格はなく、試験は年1回、50問の四肢択一式です。令和7年度の合格率は18.7%で、合格の基準点は50問中33点でした。出題数の多い宅地建物取引業法から固め、過去問題を繰り返すのが基本の進め方です。合格後は登録と取引士証の交付が必要です。
Q. FP技能士2級はいきなり受けられますか?
2級には受検資格があります。3級の合格、FP業務の2年以上の実務経験、AFP認定研修の修了、金融渉外技能審査3級の合格のいずれかが必要です。金融機関で働いた経験がない人は、受検資格のない3級に合格してから2級を受けるのが一般的です。試験はCBT方式で随時受けられます。
Q. 資格を取れば収入は必ず上がりますか?
必ず上がるとは限りません。資格手当の有無や額は勤め先の制度で変わり、独立して開業しても仕事を集めるまでに時間がかかります。収入につなげるには、資格を条件にした求人に応募する、資格の知識を使った業務委託の仕事を受けるなど、資格と仕事を結び付ける行動が必要です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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